JP5027558B2 - 合成皮革 - Google Patents

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Description

本発明は、物品の表面に貼って物品の被覆などに使用される合成皮革に関するものである。
従来から、衣料、家具、椅子、等にウレタン製や、塩ビ製の合成皮革等が長らく使われてきている。そして、このようなものは、特許文献1などに記載されている。
特開2007−31850号公報
このような合成皮革を、長期間使用すると、汚れの蓄積による外観不良や、摩耗などによる表面の損傷、剥離等の問題があった。
そして、従来は、この改良手段として、合成皮革にフッ素系樹脂を含む材料などを用いて表面加工する等が試みられてきている。しかし、従来から用いられている表面加工用の材料を用いて防汚加工を行う場合、防汚性能の高い樹脂はモジュラスが高いので、防汚性を向上させるほど柔軟性を低下させて硬くなってしまう。そして、柔軟性が低下して硬くなると、磨耗耐久性も悪くなってしまう。
特に合成皮革の場合、通常のフィルムなどと違って、使用時に、揉まれたり、表面が擦れたりすることが多いので、上記の特性を満足させることができる防汚加工を行うことは難しいものであった。
そこで、本発明は、防汚性と磨耗耐久性に優れるものであり、特に、家具、椅子に好適な合成皮革を提供するものである。
そして、上記した目的を達成するため、本発明の合成皮革は、繊維基材と樹脂層とを有する本体材の表面に、防汚層を形成した合成皮革であって、本体材の樹脂層には、湿式凝固によって形成された湿式凝固層と、前記湿式凝固層に重ねられる表皮層が設けられており、防汚層は前記表皮層に重ねられるように形成されており、前記防汚層は、フルオロオレフィン、反応性シリコーン及び水酸基含有不飽和単量体とによって構成される水酸基を含有した反応性シリコーン含有フッ素系共重合体と、不飽和イソシアネートとを反応させて生成されたシリコーン含有フッ素系共重合体である2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を含む材料を用いて行われるものであって、前記防汚層は、前記2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂と硬化剤とを混合させて表皮層の上から塗って、固化させることにより形成されるものであり、硬化剤は、イソシアヌレート類を有する多価イソシアネートを用いており、前記湿式凝固層はポリウレタン系の樹脂で形成されており、前記表皮層は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂で形成されており、防汚層の厚みは0.1μm以上10μm以下の範囲であり、防汚層に用いられる材料を硬化させた樹脂の破断強度は、12.0〜30.0MPaであり、JIS L 1096に準じた耐揉が5000回/9.8N以上であり、防汚層の表面における接触角は、蒸留水との接触角が98°〜110°であり、n−ヘキサデカンとの接触角が60°〜75°であり、防汚層の表面における蒸留水との接触角は、防汚層の裏面における蒸留水との接触角よりも大きいものであり、さらに、防汚層の表面におけるn−ヘキサデカンとの接触角は、防汚層の裏面におけるn−ヘキサデカンとの接触角よりも小さいものであることを特徴としている。
本発明の合成皮革によれば、防汚層として、2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を含む材料を用いて行われるものであって、防汚層の厚みは0.1μm以上10μm以下の範囲であり、防汚層に用いられる材料を硬化させた樹脂の破断強度が12.0〜30.0MPaであるものを採用したものであるので、防汚性と磨耗耐久性とを兼ね備えた合成皮革とすることができる。
本発明の合成皮革において、防汚層の表面における接触角を、蒸留水との接触角が98°〜110°であり、n−ヘキサデカンとの接触角が60°〜75°である。
本発明の合成皮革において、本体材の樹脂層には、湿式凝固によって形成された湿式凝固層と、前記湿式凝固層に重ねられる表皮層が設けられており、防汚層は前記表皮層に重ねられるように形成されている。
本発明の関連発明としては、本体材の樹脂層には、発泡させながら成形した発泡樹脂を用いてもよい。
請求項2に記載の発明は、防汚層の厚みは1.2μm以上2.5μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の合成皮革である。
請求項3に記載の発明は、繊維基材は、繊維製の布であり、両面起毛していることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成皮革である。
請求項4に記載の発明は、繊維基材の厚さは0.70〜1.4mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成皮革である。
本発明によれば、柔軟性と、耐摩耗性とを兼ね備える合成皮革を提供することができる。
本発明の合成皮革1は、図1に示されるような層構成であり、本体材10及び防汚層11を有している。
本体材10には、繊維基材15と樹脂層16を有しており、さらに、本実施形態の樹脂層16は、湿式凝固層21、表皮層22を有している。
繊維基材15は、通常の合成皮革に用いられる繊維製の布を用いることができる。具体的には、厚さが、0.70〜1.4mmのレーヨン、ポリエステル、綿および各種混糸からなる平織り、綾織、5枚重繻子、斜紋などの厚手の織物や、厚さ0.10〜0.50mm程度のナイロン、ポリエステル、キュプラ等長繊維からなる平織り、綾織、朱子織等の織物や、或いは、これら化合繊マイクロファイバーからなる絡合不織布等からその目的にあったものを用いることができる。
繊維基材15の起毛については、任意であるが、両面に行うことができる。
また、樹脂層16の湿式凝固層21は、湿式凝固法により形成される樹脂の層であり、樹脂を溶媒に溶解又は分散させた溶液を基材20上に塗工して、前記の溶液の溶媒と相溶性のある溶媒に浸漬させ、その後乾燥させて形成されるものである。
湿式凝固層21を形成するための溶液を塗工する工程では、通常用いられる方法を採用することができ、例えば、コンマコーティング法、ドクターナイフコーティング法、リバースロールコーティング法、バーコーティング法等様々なものが挙げられる。
なお、湿式凝固層21は、湿式凝固法により形成されるので、多孔質となっている。
樹脂層16の表皮層22は、湿式凝固層21の表面に重ねられる層である。そして、表皮層22は、樹脂を含む溶液を湿式凝固層21の上から塗って、その後、固化させて形成する。この固化の方法は、樹脂を溶解又は分散させた溶液を用いて、その後乾燥させて形成したり、2液硬化型の樹脂を用いるなどして行われる。
表皮層22に用いられる樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリウレタン樹脂などを用いることができる。
本体材10は、上記のような層構成であり、通常の合成皮革と同様なものを用いることができるが、柔軟性を有するものである。
防汚層11は、本体材10の表皮層22の上に重ねられるように形成される層であり、本実施形態の合成皮革1の表面に形成されて、防汚加工となるものである。
防汚層11は、2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を含む材料を用いて行われるものであり、シリコーン含有ふっ素系共重合体と、硬化剤とを混合させて表皮層22の上から塗って、固化させることにより形成される。
防汚層11の厚みは、0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは、1.2μm以上2.5μm以下の範囲であることが望ましい。そして、防汚層11の厚みをこのような範囲にすることにより、本体材10の柔軟性をあまり損なうことなく、防汚性能を確保することができる。
本発明に用いられる2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂は、フルオロオレフィン、反応性シリコーン及び水酸基含有不飽和単量体とによって構成される水酸基を含有した反応性シリコーン含有フッ素系共重合体と、不飽和イソシアネートとを反応させて生成されるものであり、これらを反応させてできるシリコーン含有フッ素系共重合体によって、防汚層11が形成される。
また、防汚層11は適度な硬さを有しており、防汚層11に用いられる材料のみで硬化させた樹脂の破断強度は、12.0〜30.0MPaである。
そして、防汚層11に用いられる材料は、上記の2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂であり、防汚層11に用いられる材料のみで硬化させた樹脂の破断強度を12.0〜30.0MPaとしたものであるので、合成皮革1の防汚性と磨耗耐久性とを優れたものとすることができる。
また、硬化剤としては、多価イソシアネート類を用いることができ、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの無黄変性ジイソシアネートやその付加物、イソシアヌレート類を有する多価イソシアネートが好ましく挙げられるが、これらの中でイソシアヌレート類を有する多価イソシアネートが特に有効である。イソシアネート類を用いて常温硬化を行わせる場合には、ジブチル錫ジラウレート等の公知触媒の添加によって硬化を促進させることができる。
上記した実施形態の本体材10は、繊維基材15と樹脂層16とを有して、さらに、樹脂層16には、湿式凝固によって形成される湿式凝固層21を有するものであったが、他のものを採用することが可能であり、例えば、発泡させながら成形した発泡樹脂を用いることができる。
以下のように、実施例1、2及び比較例1、2の合成皮革を製作し、性能を確認した。
(実施例1)
繊維製の基材として、経緯レーヨン/ポリエステル(35/65)混紡糸、20/1×20/2平織りを両面起毛し厚さ0.75mmとしたものを用いた。
そして、上記の基材に、湿式凝固層と、表皮層と、防汚層とを形成するため、以下のような配合の材料を用いた。
湿式凝固層はポリウレタン系の樹脂を用いた。そして、この湿式凝固層を形成するため、表1に示した配合の配合物Aを調製した。
なお、この配合物の粘度は、1000±100kPa・sである。
Figure 0005027558
表皮層は、耐久性の高いポリカーボネート系ウレタン樹脂を使用した。そして、この表皮層を形成するため、表2に示した配合の2種類の配合物B1、配合物B2を調製した。
なお、この配合物の粘度は、4000±500kPa・sである。
Figure 0005027558
防汚層は、2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を使用した。そして、この防汚層を形成するため、2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂として、関東電化工業株式会社製 エフクリア KD270 30%溶液を用い、硬化剤としてポリイソシアネートを用いて、表3に示した配合の配合物Cを調製した。
なお、この配合物Cの粘度は、200±100kPa・sの範囲となっている。
Figure 0005027558
そして、実施例1の合成皮革を製作は、以下の通り行った。
まず、繊維製の基材の上に、表1に示す配合の配合物Aを平方メートル当たり930g塗布し、その後、30℃、DMF濃度10%の水浴中で水凝固させる。さらに、凝固後に、60℃の温水洗いし、140℃の乾燥温度で乾燥させて、湿式凝固層を形成する。
また、離型紙を別途用意し、この離型紙の上に、表2に示す配合の配合物B1を平方メートル当たり80gを塗布し、その後、80〜130℃の乾燥温度で乾燥させる。
さらに、重ねて、表2に示す配合の配合物B2を平方メートル当たり80g塗布し、その後、80〜130℃の乾燥温度で乾燥させ、表皮層を形成する。
次に、基材の上に湿式凝固層を形成したものに、離型紙上に形成した表皮層を重ねて、ロールで130℃加熱圧着し、その後、60℃で48時間熟成し反応を完了させる。
上記熟成後、離型紙を剥離し、防汚層となる配合物Cを、100メッシュのグラビアロールで平方メートル当たり20g塗布し、140℃で乾燥し、更に60℃で48時間熟成して、実施例1の合成皮革を製作した。
また実施例1の合成皮革の防汚層の厚みは4.2μmである。
(比較例1)
実施例1の防汚層とは異なるものを用いた点を除いては、同じの材料・製造方法によって比較例1の合成皮革を製作した。
比較例1の防汚層は、ポリウレタン変性フッ素コポリマーを使用した。そして、この防汚層を形成するため、ポリウレタン変性フッ素コポリマーとしてダイアロマーFF262E 20%溶液を用い、硬化剤としてポリイソシアネートを用い、表4に示した配合の配合物Dを調製した。なお、この配合物Dの粘度は200±100kPa・sである。
そして、基材の上に湿式凝固層を形成したものに、離型紙上に形成した表皮層を重ねて、離型紙を剥離し、防汚層となる配合物Dを、100メッシュのグラビアロールで平方メートル当たり20g塗布し、140℃で乾燥し、更に60℃で48時間熟成して、比較例1の合成皮革を製作した。
また比較例1の合成皮革の防汚層の厚みは3.7μmである。
Figure 0005027558
(実施例2)
以下に示す方法により、実施例2の合成皮革を製造した。
まず、表5に示す配合の配合物E1をバンバリーミキサーにより5分間混練し、続いて2本ロールのウオ一ムアップロールにより6分間混練し、しかるのち逆L字形4本ロールカレンダにより、上記配合物をエステル・レーヨン製両面メリヤス編物(平方メートル当たりの目付量150g)の生地である繊維基材にプライマー層を設けたものに0.3mmの厚みに貼着して成形・積層した。
さらに、表5に示す配合の配合物E2をバンバリーミキサーにより5分間混練し、続いて2本ロールのウォームアップロールにより6分間混練し、しかるのち逆L字形4本ロールカレンダにより、0.2mmの厚みとなるように、繊維基材と配合物E1の発泡樹脂の積層体の上に積層して貼着して積層体とする。このとき、配合物E2は、配合物E1側に重ねられる。
Figure 0005027558
次に、この積層体の配合物E2側の表面に、配合物Fを塗布して乾燥させる。配合物Fは、ウレタン系表面処理剤(大日本インキ化学工業製商品名「CRISVON 3354」)100重量部と顔料5重量部の混合物であり、塗布量は、乾燥後の質量で平方メートル当たり2.5gである。
さらに、この積層体を温度210℃の発泡炉に2分間通して配合物E1からなる層を発泡させながら表面にエンボス加工を施して、合計厚み0.9mmの皮革様のシボを形成した発泡シートとした。
そして、配合物Fによって形成される層の表面に、防汚層となる配合物C(表3)を塗布して乾燥させ防汚層を形成し、実施例2の合成皮革を製造した。
配合物Cの塗布量は、乾燥後の質量で平方メートル当たり2.5gである。また実施例2の合成皮革の防汚層の厚みは1.8μmである。
(比較例2)
実施例2の防汚層とは異なるものを用いた点を除いては、同じの材料・製造方法によって比較例2の合成皮革を製作した。
比較例2の防汚層は、ウレタン系表面処理剤を使用した。そして、この防汚層を形成するため、ウレタン系表面処理剤(大日本インキ化学工業製商品名「CRISVON 3354」)100重量部とマット剤(大日本インキ化学工業製商品名「HAULAC MAT A−1008」)5重量部の配合物Hを塗布して乾燥させ防汚層を形成し、比較例2の合成皮革を製造した。
配合物Hの塗布量は、乾燥後の質量で平方メートル当たり2.5gである。また比較例2の合成皮革の防汚層の厚みは2.1μmである。
上記のように製造された実施例1、2及び比較例1、2について、以下の評価を行った。具体的には、(1)防汚性試験1、(2)防汚性試験2、(3)接触角試験、(4)磨耗強さ試験、(5)引掻き試験、(6)耐揉試験、(7)剛軟度の7種類の方法で評価した。
(1)防汚性試験1については、JIS L 1096のA法により行った。そして、試験布は5号帆布であり、15000回摩耗テスト前後のそれぞれで、マジックインキ塗布を行い、一日放置して布による空拭き後、グレースケール判定を行った。
(2)防汚性試験2は、JIS L 1919のA−1法により行い、標準汚れをグレースケール判定により判定した。
(3)接触角試験は、液滴法でθ/2法を用い、対象となる液体は、蒸留水、n−ヘキサデカンを用いた。接触角の確認は、協和界面化学製 DROPMASTER300を使用した。
(4)磨耗強さ試験は、JIS L 1096 A法により行った。安田精機(株)製カストム式平面磨耗試験機を用い、空気圧を2.76×104Paで試料を膨らせ、100回の摩擦で1回転するように試料を回転させながら、試料表面を荷重9.8N(1kgf)で耐水研磨紙CWCC1000の水平方向の往復摩擦による試験で、塗膜が破れた時点の摩擦回数を確認した。
(5)引掻き試験は、クレメンス形引っかき硬さ試験機を用いて行った。先端面積が1mm2の針の上に重りを試料の上に乗せ、試験片を引っ掻いて、塗膜が破れた時の押圧荷重を確認した。
(6)耐揉試験は、JIS L 1096により行った。そして、試験条件は、スコット試験機を用い、9.8Nの荷重で押し付け力で100回/分で行い、試料が材料破壊した回数を確認した。
(7)剛軟度については、カンチレバー及びハートルーブの2つの方法によって評価した。
カンチレバーについては、JIS L 1096 A法の45°カンチレバー法により評価した。そして、カンチレバーの測定値が小さいほど柔らかいものである。
また、ハートルーブについては、JIS L 1096 D法のハートルーブ法により評価した。そして、ハートルーブの測定値が大きいほど柔らかいものである。
なお、この剛軟度の評価は、実施例1と比較例1のみについて行った。
実施例1、2、比較例1、2の評価した結果を表6に示す。
Figure 0005027558
表6に示されるように、実施例1、2の合成皮革は、全ての試験項目において良好な結果であり、比較例1、2の合成皮革は実施例1、2と比べて、耐摩耗性や耐久防汚性が劣っている。また、剛軟度の結果から、実施例1の合成皮革は、比較例1の合成皮革よりも柔軟であるか同程度の柔軟性であるが、実施例1の合成皮革の方が耐摩耗性が優れている。
また、防汚層に用いられる材料の破断強度の確認は、以下の方法で確認することができる。
具体的には、表7に示される配合により、実施例3及び比較例3の試料を作製し、防汚層に用いられる材料の破断強度を確認した。
また、以下に示すように、防汚層に用いられる材料を硬化させた材料について比較し、評価を行った。
(実施例3)
実施例3の試料の主剤として、関東電化工業株式会社製 エフクリア KD270 30%溶液を用い、硬化剤としてポリイソシアネートを用い、表7に示す配合の配合物を調製した。
そして、フェロ板(写真の艶出し用のクロムめっき板)上に、乾燥膜厚が約50μmとなるよう塗料を延展し、80℃で乾燥させて、そのままの状態で48時間熟成し、冷却の後、フェロ板から剥がして、実施例3の試験用の試料を作成した。
なお、試料の表裏は、上側を表面とし、下側(フェロ板側)を裏面とした。
(比較例3)
比較例3の試料の主剤として、大日精化工業株式会社製 ダイアロマーFF262E 20%溶液を用い、硬化剤としてポリイソシアネートを用い、表7に示す配合の配合物を調製した。
そして、実施例3と同様に、フェロ板(写真の艶出し用のクロムめっき板)上に、乾燥膜厚が約50μmとなるよう塗料を延展し、80℃で乾燥させて、そのままの状態で48時間熟成し、冷却の後、フェロ板から剥がして、比較例3の試験用の試料を作成した。
なお、試料の表裏は、上側を表面とし、下側(フェロ板側)を裏面とした。
Figure 0005027558
実施例3、比較例3の試料を、15mm幅に裁断し、(株)島津製作所製オートグラフ(AG−IS型)を用い、引っ張り速度50mm/分で、破断強度を確認した。
また、合わせて、実施例1、2や比較例1、2と同様の方法で、接触角を確認した。なお、接触角は、試料の表裏の両面について確認した。
これらの結果を、表8に示す。
Figure 0005027558
表8に示されるように、実施例3の破断強度は27.8MPaであり、12.0〜30.0MPaの範囲である。また、比較例3の破断強度は56.7MPaであり、12.0〜30.0MPaの範囲外である。
また、実施例3、比較例3について、試料の両面について接触角を確認した。
実施例3と比較例3とを比較すると、表面については、蒸留水ではほとんど差が無く、n−ヘキサデカンでは、実施例3の接触角が大きかった。また、裏面については、蒸留水及びn−ヘキサデカンの両方で、接触角が小さくなった。
表面の接触角が大きいほど、使用時の防汚性能をより高めることができる。また、裏面の接触角が小さいほど、本体材との密着性を高めて、使用時に防汚層の脱落が発生しにくく、発生しても小さくすることができ、磨耗耐久性を向上させる。
そして、上記の結果より、実施例3の配合物を防汚層に用いることにより、防汚性能と磨耗耐久性を両立させることができることがわかる。
なお、実施例3の破断強度が、比較例3の破断強度よりも小さく、材料自体の強度は実施例3の方が小さくなっているが、実施例3の配合に近い配合の防汚層を形成した実施例1の磨耗強さが、比較例3の配合に近い配合の防汚層を形成した比較例1の磨耗強さよりも良い結果となっている。
したがって、このことからも、2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を用いることで、本願の合成皮革の本体材と防汚層との密着性が向上して、多少柔らかくても磨耗強さが向上し、防汚性能と磨耗耐久性とを両立することができることが分かる。
本発明の積層シートの層構造を示した断面図である。
1 合成皮革
10 本体材
11 防汚層
15 繊維基材
16 樹脂層
21 湿式凝固層
22 表皮層

Claims (4)

  1. 繊維基材と樹脂層とを有する本体材の表面に、防汚層を形成した合成皮革であって、
    本体材の樹脂層には、湿式凝固によって形成された湿式凝固層と、前記湿式凝固層に重ねられる表皮層が設けられており、防汚層は前記表皮層に重ねられるように形成されており、
    前記防汚層は、フルオロオレフィン、反応性シリコーン及び水酸基含有不飽和単量体とによって構成される水酸基を含有した反応性シリコーン含有フッ素系共重合体と、不飽和イソシアネートとを反応させて生成されたシリコーン含有フッ素系共重合体である2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を含む材料を用いて行われるものであって、
    前記防汚層は、前記2液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂と硬化剤とを混合させて表皮層の上から塗って、固化させることにより形成されるものであり、
    硬化剤は、イソシアヌレート類を有する多価イソシアネートを用いており、
    前記湿式凝固層はポリウレタン系の樹脂で形成されており、前記表皮層は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂で形成されており、
    防汚層の厚みは0.1μm以上10μm以下の範囲であり、
    防汚層に用いられる材料を硬化させた樹脂の破断強度は、12.0〜30.0MPaであり、
    JIS L 1096に準じた耐揉が5000回/9.8N以上であり、
    防汚層の表面における接触角は、蒸留水との接触角が98°〜110°であり、n−ヘキサデカンとの接触角が60°〜75°であり、
    防汚層の表面における蒸留水との接触角は、防汚層の裏面における蒸留水との接触角よりも大きいものであり、
    さらに、防汚層の表面におけるn−ヘキサデカンとの接触角は、防汚層の裏面におけるn−ヘキサデカンとの接触角よりも小さいものであることを特徴とする合成皮革。
  2. 防汚層の厚みは1.2μm以上2.5μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の合成皮革。
  3. 繊維基材は、繊維製の布であり、両面起毛していることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成皮革。
  4. 繊維基材の厚さは0.70〜1.4mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成皮革。
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