JP6061561B2 - シート材、並びに、物品 - Google Patents
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Description
また、防汚性能を有するフッ素系樹脂として、シリコーン樹脂を側鎖に含まないフルオロオレフィン等の、共重合可能な単量体を共重合して得られる溶剤可溶型フッ素樹脂が知られている。そして、このフッ素樹脂と架橋剤とを混合し、ポリウレタンレザーや塩ビレザー等の基材表面にコーティングすることで、撥油性を有する防汚層を形成することができる。ただし、この方法では表面にタック感やテカリが発生しやすい。そこで、無機粉体(シリカ、ケイソウ土、リン酸カルシウム等)を混入することで、撥油による防汚性を有し、かつ艶調整を可能にした合成皮革が開発されている(特許文献1)。
また特許文献3には、撥油性、塗膜の耐久性等に優れたフッ素系共重合体溶液が開示されている。
また、各種混糸からなる平織、綾織、長繊維からなる平織、綾織、朱子織等の織物や、化合繊マイクロファイバーからなる絡口不織布等から、目的等に合ったものを適宜採用することができる。
また熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性エラストマー等のビニル系樹脂からなるシートを基材5として採用してもよい。
基材5の厚みは約0.6mmであるが、これに限定されるものではない。
前記溶液を基材5上に塗工する方法としては、通常用いられている方法を採用することができる。例えば、コンマコーティング法、ドクターナイフコーティング法、リバースロールコーティング法、バーコーティング法、等の様々な方法を採用することができる。
なお、湿式凝固層7は湿式凝固法により形成されるので、多孔質となっている。
湿式凝固層7の厚みは約0.5mm(基材5と湿式凝固層7とが一体化した総厚が約1.1mm)であるが、これに限定されるものではない。
繊維布の表面に合成樹脂膜を設けたものを基材として採用すると、合成樹脂膜を有さない繊維布と比較して、伸びや屈曲に対する耐久性が向上するとともに、強度が向上する。
なお、アルキルシリコーンをグラフト重合させずに単にブレンドした場合には、JIS L1919の防汚性(対油脂分の汚れ)が十分でなかったり、製塗後の溶液が均一に混ざらないことにより、塗工適性や耐久性をはじめ、耐磨耗性、防汚性、屈曲性のいずれの特性も生かしきれない。
上記アルキルシリコーン含フッ素樹脂の具体例としては、関東電化工業(株)製の「エフクリア」、等が挙げられる。
例えば、IPDIを構成成分とするポリイソシアネートは、HDIを構成成分とするポリイソシアネートよりガラス転移点(Tg)が高く、表面の見かけ硬化乾燥速度が大きい。そのため、防汚層3において高い防汚性を実現することができる。しかし、表面の塗膜硬度も高くなるので、シート材1全体としては屈曲等への追随性は不十分となる。
一方、HDIを構成成分とするポリイソシアネートは、IPDIを構成成分とするポリイソシアネートに比べてTgが低く、表面の見かけ硬化乾燥速度が小さい。そのため、防汚性については低くなる。しかし、表面の塗膜硬度が小さいので、シート材1全体としては屈曲等への追随性は良好となる。
この溶液を、防汚層3を設けるべき面(本実施形態では樹脂層6の表面層10)に塗布する。塗布の方法としては、ナイフオーバーロールコーター、グラビアコーター等を用いたコーティング方式や、スプレー方式等の公知の方法を採用することができる。
溶液を塗布した後、乾燥する。乾燥温度は、60〜130℃で行うことが好ましいが、これに限定されるものではない。その後、必要に応じてエージング(熟成)を行う。エージングは60℃で24〜72時間程度行うことが好ましいが、これに限定されるものではない。
以上のようにして、防汚層3を製造することができる。
第二実施形態のシート材21は、図1のシート材1と同様に、本体材2の表面に防汚層3が形成されたものである。そして本体材2は、基材5に樹脂層6が積層されてなるものであり、防汚層3は、より詳細には樹脂層6の上に形成されている。
図3に示すように、第二実施形態に係るシート材21は、第一実施形態に係るシート材1とは異なり、湿式凝固層7を有さない。さらに、樹脂層6が発泡材料からなる発泡層12を含んでいる。詳細には、樹脂層6は、発泡層12、非発泡層15、及び表面層10がこの順番に積層された構造を有する。そして防汚層3は、樹脂層6の表面層10の上に形成されている。
防汚層3、基材5、表面層10については、第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
また、樹脂層6と防汚層3の間に、密着性を上げるプライマー層を設けてもよい。
図2に示す積層構造を有するシート材1(合成皮革)を作製し、その性能を評価した。
基材5として不織布を用い、不織布に湿式凝固層7を重ねたものをベースとした(湿式凝固不織布ベース)。
表皮層10として、一液型ポリカーボネート系ウレタン樹脂を用いた。表皮層10形成用の配合物として、表1に示す組成の配合物1を調製した。配合物1の粘度は、4000±500mPa・s(22℃)であった。
接着層8として、二液型カーボネート系ウレタン樹脂を用いた。接着層8形成用の配合物として、表1に示す組成の配合物2を調製した。
防汚層3として、二液硬化型含シリコーン・フッ素樹脂を用いた。防汚層3形成用の配合物として、表2に示す組成の配合物3を調製した。すなわち、樹脂固形分30%溶液を用い、架橋剤として、HDI−IPDI共重合タイプ(商品名:デュラネートMHG−80G、旭化成ケミカルズ株式会社製)を使用した。配合物3の粘度は200±100mPa・s(22℃)であった。
次に、表皮層10の上に配合物2(表1)を1平方メートルあたり82g塗布した。これを乾燥させずに湿式凝固不織布ベース(基材5+湿式凝固層7)と常温圧着した。80〜110℃で乾燥させ、60℃で36時間熟成し、反応を完了させた。これにより、基材5、湿式凝固層7、接着層8、及び表皮層10がこの順番で積層された本体材2が得られた。
防汚層3を構成する配合物3を、表3に示す組成の配合物4,5,又は6に置換する以外は実施例1と同様にして、比較例のシート材を3種作製した。
配合物4は、架橋剤としてIPDIを構成成分とするポリイソシアネート(イソシアヌレート型)のみを用いている。この比較例を比較例1とした。
配合物5は、架橋剤としてHDIを構成成分とするポリイソシアネート(イソシアヌレート型)のみを用いている。この比較例を比較例2とした。
配合物6は、架橋剤として、IPDIを構成成分とするポリイソシアネート(イソシアヌレート型)と、HDIを構成成分とするポリイソシアネート(イソシアヌレート型)とを混合して用いている。これを参考例1とした。
配合物4,5,6の粘度は、いずれも200±100mPa・s(22℃)であった。
(1)防汚性試験
寺西化学社製の黒色油性マジックインキ(登録商標)にてインキを塗布し、5分後、布で乾拭きした際のインキの残留状態(残らない、少し残る、多く残る、残る)で評価した。試験は初期(初期防汚性)と磨耗後(磨耗後防汚性)の2点で行い、評価は下記の基準(1級〜5級)によった。なお、当該マジックインキの黒インキの成分に含まれる赤い染料は、防汚層の最表面にあるアルキルシリコーンに化学吸着する。そのため、赤い染料は有機溶剤(トルエン、ベンゼン)以外では拭き取れず、乾拭きでは残る。
磨耗後防汚性は、学振形摩擦試験機を使用し、摩耗子(200g)に8号帆布を付け、5000回の磨耗試験を行い、下記評価基準により評価した。
5級:残らない
4級:黒は残らないが、赤は少し残る
3級:赤は多く残り、黒は少し残る
2級:赤は残らない、黒は多く残る
1級:黒が残る(取れない)
JIS K6545の方法(フレキソ法)に準じて行い、−20℃の温度条件で繰り返し屈曲させ、表面の割れの有無をもって評価した。
JIS B 7721の試験機で伸張し、塗膜の破断時の伸び率(破断伸度)を測定した。
結果を表4に示す。
実施例1(脂肪族・脂環族ポリイソシアネート共重合体を使用)のシート材は、いずれも初期防汚性と磨耗後防汚性が高く、かつ屈曲性に優れていた。厚み40μmの塗膜を用いた実験でも、実施例1の塗膜は破断伸度(伸び率)が高い値を示し、屈曲性に優れていた。
比較例2(HDI単独使用)のシート材は、屈曲性には優れていたが、初期防汚性と磨耗後防汚性がいずれも低下していた。厚み40μmの塗膜を用いた実験でも、比較例2の塗膜は破断伸度(伸び率)が比較的高かった。これらの結果は、見かけ硬化乾燥速度が小さいHDIのみを用いたためと考えられる。
本実施例では、図3に示すような、湿式凝固層7を設けないシート材21を作製した。基材5として、レーヨン製両面メリヤス編物の生地を使用した。
2 本体材
3 防汚層
5 基材
6 樹脂層
7 湿式凝固層
10 表皮層
Claims (4)
- 基材と樹脂層とを有する本体材の表面に防汚層が形成されたシート材であって、
前記防汚層は、アルキルシリコーン含フッ素樹脂とポリイソシアネートとを反応させて生成する二液硬化型含フッ素樹脂からなり、
前記アルキルシリコーン含フッ素樹脂は、フルオロオレフィン、アクリレート単量体、アルキルシリコーン、水酸基含有単量体、及び不飽和カルボン酸によって構成されたものであり、
前記ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートとを共重合させて得られる脂肪族・脂環族ポリイソシアネート共重合体を含むものであり、
前記脂肪族ジイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネートであり、前記脂環式ジイソシアネートはイソホロンジイソシアネートであり、
前記脂肪族・脂環族ポリイソシアネート共重合体は、イソシアヌレート構造を有するものであり、
前記防汚層の厚みが4〜10μmであることを特徴とするシート材。 - 基材は、天然繊維又は合成繊維からなることを特徴とする請求項1に記載のシート材。
- 樹脂層は、湿式凝固によって形成された湿式凝固層と、当該湿式凝固層に重ねられる表皮層とを有し、前記防汚層が表皮層に重ねられるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のシート材を有することを特徴とする物品。
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