JP2020169427A - 防汚性能を有する合成皮革 - Google Patents

防汚性能を有する合成皮革 Download PDF

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Abstract

【課題】長期にわたって防汚性能を有する合成皮革を提供すること。【解決手段】少なくとも繊維布帛基材、樹脂層、表面処理層の順で積層され、表面処理層は、少なくとも水系ポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物と親水性化合物からなる組成物から形成されるものであり、親水性化合物がポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子である合成皮革。表面処理層を形成する組成物中に、さらにカルボジイミド系化合物を含有させてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、合成皮革に関するものであり、特に長期にわたって防汚性能が発現する合成皮革に関するものである。
合成皮革は、繊維布帛基材上に合成樹脂層を設けたものであり、天然皮革に似せたものである。合成皮革は天然皮革と比べて軽量で取り扱いやすいため、車輛用内装材、ソファーや椅子の座面などの家具用途、或いはジャケット、コートなどの衣料用途等、多岐にわたって使用されている。
ところが、合成皮革の表面に汚れが付着すると、その汚れをきれいに拭き取ることは困難であった。そのため、特に白やベージュなど淡色系の色相の合成皮革の場合、汚れが目立ってしまう問題があった。
とりわけ、車輛用内装材については、土埃汚れの付着が頻繁に見られており、合成皮革に付着した土埃汚れは拭き取り難いという問題があった。
その対策として、特許文献1には、防汚性能を有するコーティング剤を合成皮革の表面に塗布して塗布膜を形成することで、汚れが付着したとしても容易に拭き取れる合成皮革が開示されている。
特開2007−191820号公報
ところが、合成皮革を車輛用内装材として使用した場合、乗降時の負荷による摩耗、真夏の車内温度の上昇といった要因により、合成皮革の表面に設けた防汚性能を有する塗布膜が経時で劣化する問題があった。
その結果、合成皮革に付与した防汚性能、すなわち、例えば土埃汚れが付着してもきれいに拭き取ることができる性能が、長期にわたって発揮されない問題があった。
従って、本発明は、上記課題を解決し、長期にわたって防汚性能が発揮される合成皮革を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し、以下の長期にわたって優れた防汚性能を発揮する合成皮革を発明した。
本発明は以下を要旨とする。
(1)少なくとも繊維布帛基材、樹脂層、表面処理層の順で積層された合成皮革において、表面処理層は、少なくとも水系ポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物と親水性化合物を含有する組成物から形成されるものであって、親水性化合物がポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子であることを特徴とする防汚性能を有する合成皮革。
(2)表面処理層を形成する組成物中に、さらにカルボジイミド系化合物を含有してなることを特徴とする(1)に記載の防汚性能を有する合成皮革。
(3)親水性化合物として、さらにポリエステル系化合物を含有してなることを特徴とする(1)または(2)に記載の防汚性能を有する合成皮革。
本発明の防汚性能を有する合成皮革は、例えば車輛用内装材のように、乗降時の負荷による摩耗劣化、真夏時等の車内温度の上昇による熱劣化を抑制し、合成皮革に付与した防汚性能が長期にわたって維持される効果を有する。
本発明は、少なくとも繊維布帛基材、樹脂層、表面処理層の順で積層された合成皮革であって、表面処理層は、少なくとも水系ポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物と親水性化合物からなる組成物から形成されるものであり、親水性化合物がポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子である。
[繊維布帛基材]
繊維布帛基材は、特に限定されず、編布、織布、不織布など、繊維を利用した布材であればいずれのものであってもよい。繊維布帛基材を形成する繊維は、特に限定されず、合成繊維、天然繊維などをあげることができる。合成繊維の材質としては、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ナイロンなどを例示することができるがこれに限定されない。天然繊維の材質としては、綿、麻、レーヨンなどを例示することができる。
繊維布帛基材の厚みは特に限定されないが、合成皮革の機械的強度や風合い等を考慮すれば、当該厚みは、100μm以上2000μm以下であることが好ましく、300μm以上1000μm以下であることがより好ましい。繊維基材の目付けについても特に限定されないが、上記厚みと同様に、合成皮革の機械的強度や風合い等を考慮すれば、10g/m以上500g/m以下であることが好ましく、20g/m以上300g/m以下であることがより好ましい。
[樹脂層]
樹脂層は、少なくとも表皮層を有する層である。
また、樹脂層は、表面側から、表皮層、中間層の順で積層させたものであってもよい。中間層は一層であっても、2層以上の多層構成であってもよい。
なお、繊維布帛基材と中間層との間に、接着層を介在させてもよい。
表皮層を構成する樹脂は、合成皮革の樹脂層に用いられ得る樹脂であればいずれのものでも使用できるが、ポリウレタン系樹脂、または塩化ビニル系樹脂が好適である。
上記ポリウレタン系樹脂としては、合成皮革の表皮層に用いられ得るものであればいずれも使用できるが、具体的には、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリカプロラクトン系ポリウレタン樹脂、ポリエステル/ポリエーテル共重合系ポリウレタン樹脂、ポリアミノ酸/ポリウレタン共重合樹脂、ポリカーボネートジオール成分と無黄変型ジイソシアネート成分及び低分子鎖伸長剤等を反応させて得られる無黄変型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などが挙げられる。また、合成皮革としての諸物性を損なわない範囲であれば、上記のポリウレタン樹脂にポリ塩化ビニル樹脂や合成ゴムなどを混合しても差し支えない。
上記塩化ビニル系樹脂としては、合成皮革の表皮層に用いられ得るものであればいずれも使用できるが、具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、またはこれら樹脂のブレンド等が使用できる。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸アクリロニトリル等が挙げられる。
表皮層を塩化ビニル系樹脂で構成する場合、天然皮革に似た柔軟性をより効果的に発揮させるために、塩化ビニル系樹脂と併せて可塑剤が配合される。可塑剤としては、フタル酸ジオクチルエステル(DOP)、フタル酸ジイソノニルエステル(DINP)、フタル酸ブチルベンジルエステル(BBP)、フタル酸ジイソデシルエステル(DIDP)、フタル酸ジウンデシルエステル(DUP)などに代表される一般のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジオクチル(DOA)、セバシン酸ジオクチルエステル(DOS)、アゼライン酸ジオクチルエステル(DOZ)に代表される一般の脂肪酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオクチルエステル系可塑剤、ポリプロピレンアジペート等に代表されるアジピン酸ポリエステル系可塑剤などの高分子系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
表皮層の厚みは特に限定されないが、10μm以上500μm以下の厚みに形成することが好ましく、10μm以上400μm以下の厚みに形成することがより好ましい。
中間層を構成する樹脂は、表皮層と同様に合成皮革の樹脂層に用いられ得るものであればいずれも使用できるが、ポリウレタン系樹脂、または塩化ビニル系樹脂が好適である。ポリウレタン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂の具体例は、上記表皮層と同様である。
また、中間層は、発泡層であっても非発泡層であってもよい。
中間層を発泡させる手段としては、機械攪拌による物理的発泡、発泡剤の添加による化学的発泡、中空微粒子の添加による擬似発泡などが挙げられる。
接着層は、樹脂層と繊維布帛基材との密着性を向上させるために設けられる層である。接着層を構成する樹脂は、表皮層や中間層と同様に、合成皮革の樹脂層に用いられ得る樹脂であればいずれのものでも使用できるが、ポリウレタン系樹脂、または塩化ビニル系樹脂が好適である。
また、接着層は、発泡層であっても非発泡層であってもよい。
接着層を発泡層とする手段としては、上記中間層を発泡層とする手段と同様である。
上記表皮層、中間層、接着層を構成する樹脂には、各々の物性を阻害しない範囲で、顔料、フィラー、分散剤、消泡剤、艶消し剤、滑剤などの各種添加剤を含有してもよい。
[表面処理層]
本発明の合成皮革の表面処理層は、少なくとも水系ポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物と親水性化合物からなる組成物から形成されるものであり、親水性化合物はポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子である。
水系ポリウレタン樹脂としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物等が挙げられるが、耐久性に優れることから、ポリカーボネート系ポリウレタンが好適である。
上記水系ポリウレタン樹脂は、単独で用いてもいいし、2種以上を混合して用いてもよい。
イソシアネート系化合物は、架橋剤としての役割を果たすものであり、上記の水系ポリウレタンおよび/または後述の親水性化合物と反応性を有するものである。
イソシアネート系化合物としては、水分散型多官能芳香族イソシアネート、水分散型多官能脂肪族イソシアネート、水分散型脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、水分散型ブロック化多官能脂肪族イソシアネートなどのブロック型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。
イソシアネート系化合物は、使用量が多すぎると未反応のイソシアネート基が残留して問題となるため、その使用量は、固形分比で、上記の水系ポリウレタン樹脂100質量部対して0.5〜30質量部の範囲内であることが好ましい。
本発明において、表面処理層を形成する組成物中に、上記イソシアネート系化合物に加え、カルボジイミド系化合物を含有していてもよい。カルボジイミド系化合物はカルボキシル基との反応性に優れるため、表面処理層を形成する際に水系ポリウレタン樹脂のカルボキシル基と速やかに反応する。そのため、強固な表面処理層を形成することができ、経時での劣化が生じにくくなる。
本発明においては、上記のイソシアネート系化合物やカルボジイミド系化合物に加えて、必要に応じてエポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物などを架橋剤として併用してもよい。
表面処理層は、親水性化合物として、ポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子(以下、「PVA−PVPグラフトコポリマー」と表記する場合もある)を含有する。
PVA−PVPグラフトコポリマーは、ポリビニルピロリドンがグラフトしているため親水性が高い。そのため、PVA−PVPグラフトコポリマーが表面処理層中に含有されると、合成皮革に汚れが付着したとしても水拭きすれば簡単に汚れが落ちる効果がある。
また、PVA−PVPグラフトコポリマーは、それ自体が耐熱性に優れ、熱により劣化しにくいものである。そのため、PVA−PVPグラフトコポリマーが表面処理層中に含有されると、長期にわたって親水性が発揮される。
さらに、PVA−PVPグラフトコポリマーは、水酸基を有するポリビニルアルコールが基本骨格であるため、上記のイソシアネート系化合物と反応し、表面処理層を形成する樹脂骨格中に組み込まれる。樹脂骨格中に組み込まれることにより、経時でのPVA−PVPグラフトコポリマーの脱落が抑制される。
つまり、表面処理層中にPVA−PVPグラフトコポリマーが表面処理層に含まれることで、長期にわたって確実に親水性が発現することが可能となるのである。
PVA−PVPグラフトコポリマーは、水系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、10〜70質量部の割合で添加されることが好ましい。10質量部未満であると、親水性が不十分となり、所望の防汚性能を付与できなくなる傾向にある。一方で、70質量部を超えると、表面処理層を形成する組成物の粘度が上昇し、表面処理層の形成がしにくくなる傾向にある。
なお、上記質量比は、水系ポリウレタン樹脂の固形分100質量部に対するPVA−PVPグラフトコポリマーの固形分の質量を表すものである。
親水性化合物としては、上記PVA−PVPグラフトコポリマーに加えて、ポリエステル系化合物を用いてもよい。ポリエステル系化合物は、親水性を有しかつ上記PVA−PVPグラフトコポリマーと比較して低粘度であるため、より確実に表面処理層に親水性を付与したい場合において好適に用いられる。
PVA−PVPグラフトコポリマーに加えてポリエステル系化合物を親水性化合物として用いる場合は、ポリエステル系化合物の添加量の上限は水系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、50量部である。50質量部を超えてポリエステル系化合物を添加しても、親水性を付与する効果が飽和するばかりでなく、表面処理層の機械的強度が低下する傾向にある。
なお、上記質量比は、水系ポリウレタン樹脂の固形分100質量部に対するポリエステル系化合物の固形分の質量を表すものである。
親水性化合物としてPVA−PVPグラフトコポリマーとポリエステル化合物を併用することにより、表面処理層を形成する組成物の粘度上昇を最小限にしつつ十分な親水性を付与することが可能となる上、耐熱性に優れた表面処理層が得られる。
また、表面処理層における親水性化合物としては、前記PVA−PVPグラフトコポリマー、ポリエステル化合物に加えて他の親水性化合物、例えばシリコーン系化合物、ポリウレタン系化合物、アクリル系化合物、フッ素系化合物などを含んでもよい。
本発明の表面処理層は、ぬれ試薬による測定値が60dyne/cm以上であると共に、後述する1)耐摩耗性試験、2)耐熱性試験後における表面処理層のぬれ試薬による測定値が50dyne/cm以上を示すものである。そのため、初期だけでなく、長期にわたって十分なぬれ性を有し、水拭きによって汚れを簡単に除去できる効果を奏する。
なお、表面処理層におけるぬれ試薬による測定(以下、「ぬれ性試験」ともいう)は、JIS K6768に準拠して行われる。そして、後述する1)耐摩耗性試験、2)耐熱性試験後における、表面処理層におけるぬれ性試験も、JIS K6768に準拠して行われる。
(耐摩耗性試験)
1)耐摩耗性試験は、平面摩耗機において、摩擦子に9号帆布をセットし、試験片にかかる荷重圧が3Mpa になるように荷重を掛けて、2万回往復させる。
なお、ここでいう試験片とは、表面処理層を設けた合成皮革を指す。
(耐熱性試験)
2)耐熱性試験は、ギアオーブン内に試験片を置き、温度100℃にて600時間静置して、加熱処理を行う。
なお、ここでいう試験片とは、表面処理層を設けた合成皮革を指す。
本発明の、前述の表面処理層を設けた合成皮革は、1)耐摩耗性試験後におけるぬれ性試験の測定値が50dyne/cm以上であって、2)耐熱性試験後におけるぬれ性試験の測定値が50dyne/cm以上を示すものである。このことから、本発明の合成皮革は、長期にわたって防汚性が発現するものであることがわかる。
本発明の表面処理層は、表面処理層を形成する組成物を含有する塗工液を調製し、塗工液を樹脂層(表皮層)上に塗布して形成することができる。この塗工液を塗布する方法は、特に限定されるものではないが、例えばグラビア法、リバース法など公知の方法により形成することができる。
また、樹脂層上に塗布後、例えば加熱オーブン内で乾燥して形成する方法が好ましい。乾燥における温度条件は、架橋剤の反応性の観点から80〜150℃が好ましく、120〜140℃がより好ましい。
表面処理層と樹脂層との間に、密着性を向上させる為にプライマー層を設けてもよい。プライマー層は、樹脂からなる層であり、必要に応じて顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、触媒、シリカなどの無機微粒子、有機フィラーなど公知の添加剤を添加してもよい。
以上、本発明の合成皮革について説明した。本発明は合成皮革として種々の用途に用いることができるが、特に車輌用内装材、家具用途、衣料用途に好適に使用される。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(処方1:表皮層形成用の組成物の調製)
・主剤:ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(DIC(株)製「クリスボンNY335FT」) 100質量部
・溶剤:DMF 30質量部、酢酸エチル 10質量部
・白色顔料 10質量部
調製法:粘度を800 mPa・sec(液温25度に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(処方2:接着層形成用の組成物の調製)
・主剤:ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(DIC(株)製「クリスボンTA205FT 」) 100質量部
・架橋剤:イソシアネート系化合物(DIC(株)製「バーノックDN950」) 12質量」部
・溶剤:DMF 30質量部、MEK 30質量部
・触媒:DIC(株)製「クリスボン アクセルT81-E」:1質量部
調製法:粘度を800 mPa・sec(液温25℃に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(処方3:表面処理層形成用の組成物の調製)
・主剤:水系ポリウレタン樹脂 セイコー化成(株)製「ラックコートWN568M」
・架橋剤:イソシアネート系化合物 旭化成(株)製「デュラネートWM44L−70G」
・架橋剤:カルボジイミド系化合物 セイコー化成(株)製「ラックコートCL7070」
・親水性化合物:PVA‐PVPグラフトコポリマー 第一工業製薬(株)製「ピッツコールV−7154」
・親水性化合物:ポリエステル系化合物 日華化学(株)製「ナイスポールPR−99」
蒸留水で希釈し、粘度を800 mPa・sec(液温25℃に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(処方4:表面処理層用形成用の組成物の調製)
・主剤:水系ポリウレタン樹脂 セイコー化成(株)製「ラックコートWN568M」
・架橋剤:イソシアネート系化合物 旭化成(株)製「デュラネートWM44L−70G」
・架橋剤:カルボジイミド系化合物 セイコー化成(株)製「ラックコートCL7070」
・親水性化合物:PVA‐PVPグラフトコポリマー 第一工業製薬(株)製「ピッツコールV−7154」
蒸留水で希釈し、粘度を800 mPa・sec(液温25℃に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(処方5:表面処理層形成用の組成物の調製)
・主剤:水系ポリウレタン樹脂 セイコー化成(株)製「ラックコートWN568M」
・架橋剤:イソシアネート系化合物 旭化成(株)製「デュラネートWM44L−70G」
・親水性化合物:PVA‐PVPグラフトコポリマー 第一工業製薬(株)製「ピッツコールV−7154」
・親水性化合物:ポリエステル系化合物 日華化学(株)製「ナイスポールPR−99」
蒸留水で希釈し、粘度を800 mPa・sec(液温25℃に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(処方6:表面処理層形成用の組成物の調製)
・主剤:水系ポリウレタン樹脂 セイコー化成(株)製「ラックコートWN568M」
・架橋剤:イソシアネート系化合物 旭化成(株)製「デュラネートWM44L−70G」
・架橋剤:カルボジイミド系化合物 セイコー化成(株)製「ラックコートCL7070」
蒸留水で希釈し、粘度を800 mPa・sec(液温25℃に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(処方7:表面処理層形成用の組成物の調整)
・主剤:水系ポリウレタン樹脂 セイコー化成(株)製「ラックコートWN568M」
・架橋剤:カルボジイミド系化合物 セイコー化成(株)製「ラックコートCL7070」
・親水性化合物:PVA‐PVPグラフトコポリマー 第一工業製薬(株)製「ピッツコールV−7154」:100質量部
蒸留水で希釈し、粘度を800 mPa・sec(液温25℃に調整してB型粘度計にて測定)に調製した。
(実施例1)
上述の処方1に従い調製した樹脂層における表皮層用樹脂を、離型紙上にコンマコータにて塗布し、80℃から120℃まで徐々に温度を上げ、120℃到達後、5分間乾燥し、厚さ約15μmの樹脂層における表皮層を得た。
続いて、上述の処方2に従い調製した接着層用樹脂を、離型紙上に形成した表皮層の上にコンマコータにて塗布し、120℃で乾燥し、厚さ約30μmの接着層を得た。
続いて、接着層に接着性が発現しているタイミングで、繊維布帛基材(丸編機にて150デニールのポリエステル糸から編み立てたポリエステル製生地)の貼り合わせを行った。
続いて、ロール状に巻き取りを行い、これを50℃、48時間かけて熟成させた後、離型紙を剥離して、表面側から、表皮層、接着層、繊維布帛基材の順で積層した合成皮革を得た。
続いて、上述の処方3に従い調製した表面処理層形成用の組成物を、得られた合成皮革上にグラビアロールにて塗工を行い、連続したオーブンで130℃加熱を行った後、これを50℃、48時間かけて熟成させ、塗膜厚さが約2μmの表面処理層を設けた合成皮革を得た。
得られた合成皮革に対して、以下の要領で耐摩耗性試験、耐熱性試験前のぬれ性試験および汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
また、耐摩耗性試験、耐熱性試験後のぬれ性試験と汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
汚れ試験の結果は、耐摩耗性試験後、耐熱性試験後のいずれにおいてもΔE<5であり、長期にわたって防汚性を有するものであると言える。
(耐摩耗性試験、耐熱性試験前の、ぬれ性試験と汚れ試験)
得られた表面処理層を設けた合成皮革を試験片とし、この試験片の表面処理層における
ぬれ性試験と、汚れ試験を行った。結果を、表1に示す。
(耐摩耗性試験、耐熱性試験後のぬれ性試験と汚れ試験)
上記試験片に対して、1)耐摩耗性試験、2)耐熱性試験を行った後、各々の試験後における試験片の表面処理層について、ぬれ性試験と汚れ試験を行った。結果を、表1に示す。
(ぬれ性試験)
ぬれ試薬による測定(ぬれ性試験)は、JIS K6768に準拠して行った。
(汚れ試験)
試験片に対して、「擦り付け」前と後の色差ΔEを測定した。
ここでいう「擦り付け」とは、先ず、試験片に対して、汚染布(EMPA#104号)を平面型摩耗試験機において荷重圧2MPaで1000回擦り付け、その後、汚染布を新しいものに取り換え、同じ作業を合計3回繰り返し、試験片を合計3000回擦り付ける。
続いて、汚染布により汚れを擦り付けた試験片に対して、蒸留水を十分湿らせた白布を
平面型摩耗試験機において荷重圧30kPaを掛けて10回擦り付けることをいう。
(耐摩耗性試験)
耐摩耗性試験は、平面型摩耗試験機において、摩擦子に9号帆布をセットし、試験片にかかる荷重圧が3Mpaになるように荷重を掛けて、2万回往復させる方法。
(耐熱性試験)
耐熱性試験は、ギアオーブン内に試験片を置き、温度100℃にて600時間静置して、加熱処理を行う方法。
(実施例2)
表面処理層として、上述の処方4に従い調製した表面処理層用樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行い、表面処理剤を設けた合成皮革を得た。
得られた合成皮革に対して、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験前のぬれ性試験および汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
また、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験後のぬれ性試験と汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
汚れ試験の結果は、耐摩耗性試験後、耐熱性試験後のいずれにおいてもΔE<5であり、長期にわたって防汚性を有するものであると言える。
(実施例3)
表面処理層として、上述の処方5に従い調製した表面処理層用樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行い、表面処理剤を設けた合成皮革を得た。
得られた合成皮革に対して、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験前のぬれ性試験および汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
また、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験後のぬれ性試験と汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
汚れ試験の結果は、耐摩耗性試験後、耐熱性試験後のいずれにおいてもΔE<5であり、長期にわたって防汚性を有するものであると言える。
(比較例1)
表面処理層として、上述の処方6に従い調製した表面処理層用樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行い、表面処理剤を設けた合成皮革を得た。
得られた合成皮革に対して、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験前のぬれ性試験および汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
また、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験後のぬれ性試験と汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
汚れ試験の結果は、耐摩耗性試験および耐熱性試験前においてΔE>5であり、防汚性を有するとは言えないものであった。
(比較例2)
表面処理層として、上述の処方7に従い調製した表面処理層用樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行い、表面処理剤を設けた合成皮革を得た。
得られた合成皮革に対して、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験前のぬれ性試験および汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
また、実施例1同様に、耐摩耗性試験、耐熱性試験後のぬれ性試験と汚れ試験を実施した結果を表1に示す。
汚れ試験の結果は、耐摩耗性試験および耐熱性試験前においてはΔE<5であり、初期の防汚性は有するものの、耐摩耗性試験後および耐熱性試験後においてはΔE>5であるため、長期にわたって十分な防汚性を有するとは言えないものであった。
Figure 2020169427
表中、表面処理層を形成する組成物の各成分は、水系ポリウレタン樹脂100質量部に対する、各成分の質量比であり、すべて固形分量で表記している。

Claims (3)

  1. 少なくとも繊維布帛基材、樹脂層、表面処理層の順で積層された合成皮革において、
    表面処理層は、少なくとも水系ポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物と親水性化合物を含有する組成物から形成されるものであって、親水性化合物がポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子であることを特徴とする防汚性能を有する合成皮革。
  2. 表面処理層を形成する組成物中に、さらにカルボジイミド系化合物を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の防汚性能を有する合成皮革。
  3. 親水性化合物として、さらにポリエステル系化合物を含有してなることを特徴とする請求項1または2に記載の防汚性能を有する合成皮革。
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