JP2001181598A - 車輌シートクッション材用の異音防止処理剤 - Google Patents
車輌シートクッション材用の異音防止処理剤Info
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- JP2001181598A JP2001181598A JP36730599A JP36730599A JP2001181598A JP 2001181598 A JP2001181598 A JP 2001181598A JP 36730599 A JP36730599 A JP 36730599A JP 36730599 A JP36730599 A JP 36730599A JP 2001181598 A JP2001181598 A JP 2001181598A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】車輌に装着したポリウレタンフォームからなる
車輌シートクッション材の使用に際して、振動や着座に
より車輌シートクッション材と台座が擦れても、摩擦に
よる異音を発生することのないように、車輌シートクッ
ション材に塗布してその表面に低摩擦性の皮膜を形成す
ることができる車輌シートクッション材用の異音防止処
理剤を提供する。 【解決手段】フッ素系滑材及び樹脂エマルジョンを含有
することを特徴とする車輌シートクッション材用の異音
防止処理剤。
車輌シートクッション材の使用に際して、振動や着座に
より車輌シートクッション材と台座が擦れても、摩擦に
よる異音を発生することのないように、車輌シートクッ
ション材に塗布してその表面に低摩擦性の皮膜を形成す
ることができる車輌シートクッション材用の異音防止処
理剤を提供する。 【解決手段】フッ素系滑材及び樹脂エマルジョンを含有
することを特徴とする車輌シートクッション材用の異音
防止処理剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌シートクッシ
ョン材用の異音防止処理剤に関する。さらに詳しくは、
本発明は、車輌に装着したポリウレタンフォームからな
る車輌シートクッション材の使用に際して、振動や着座
により車輌シートクッション材と台座が擦れても、摩擦
による異音を発生することのないように、車輌シートク
ッション材に塗布してその表面に低摩擦性の皮膜を形成
することができる車輌シートクッション材用の異音防止
処理剤に関する。
ョン材用の異音防止処理剤に関する。さらに詳しくは、
本発明は、車輌に装着したポリウレタンフォームからな
る車輌シートクッション材の使用に際して、振動や着座
により車輌シートクッション材と台座が擦れても、摩擦
による異音を発生することのないように、車輌シートク
ッション材に塗布してその表面に低摩擦性の皮膜を形成
することができる車輌シートクッション材用の異音防止
処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車などの車輌シートには
ポリウレタンフォームからなるクッション材が用いられ
ている。このようなポリウレタンフォームは、シート上
の人の動きにより台座である金属との摩擦により、時に
異音を発生して問題となっている。異音が発生する原因
は、クッション材であるポリウレタンフォームの表面と
台座である金属の表面の摩擦抵抗が大きく、滑りが断続
的であるために発生するものである。このために、ポリ
ウレタンフォームからなる車輌シートクッション材と金
属の摩擦抵抗を低減して、異音の発生を防止するための
試みがさまざまになされている。例えば、特開平1−1
71913号公報には、ポリウレタンフォームの裏面と
バネフレーム、パイプなどの鋼材との摩擦抵抗が緩和さ
れ、異音を防止することができるポリウレタンフォーム
の製造方法として、ポリウレタン発泡原液を注入してポ
リウレタンフォームを製造する金型に、シリコーンを混
合した離型剤をあらかじめ塗布しておく方法が提案され
ている。しかし、金型に塗布された離型剤の転写により
ポリウレタンフォームの表面に形成される皮膜の厚さは
薄く、車輌シートクッション材としての使用期間中に皮
膜が摩耗消失するので、車輌本体と同程度の耐久性を与
えることは困難である。また、特開平4−240472
号公報には、シートフレーム及び/又は表皮材裏面とポ
リウレタンフォームとの擦れによる異音を防止するのに
有用なシートパッドの製造方法として、ポリウレタンフ
ォームからなるシートパッドに、シリコーン及びウレタ
ンの両方を含有するエマルジョンを塗布する方法が提案
されている。この方法により形成される低摩擦性の皮膜
は、金型に塗布された離型剤により形成される皮膜より
は強靭ではあるが、なお車輌本体の耐久性には遠く及ば
ない。さらに、特開平6−225823号公報には、シ
ートフレーム及び/又は表皮材裏面とポリウレタンフォ
ームとの擦れによる異音を防止するシートパッドの異音
防止方法として、ウレタンモールドフォームの金属加工
品に接する面に、潤滑剤を塗布乾燥させた不織布を一体
発泡成形又は後接着によって一体成形するシートパッド
の異音防止方法が提案されている。この方法によれば、
シートパッドの低摩擦性表面の耐久性は向上するが、潤
滑剤を塗布乾燥させた不織布を別工程で製造する必要が
あり、また、一体発泡成形する場合には金型内の所定の
位置に不織布を載置するために成形サイクルが長くな
り、後接着する場合には接着工程が必要となるために、
コスト高になることは避けられない。このために、ポリ
ウレタンフォームからなる車輌シートクッション材の表
面に、耐久性に優れた低摩擦性の皮膜を簡便に形成する
ことができる車輌シートクッション材用の異音防止処理
剤が求められていた。
ポリウレタンフォームからなるクッション材が用いられ
ている。このようなポリウレタンフォームは、シート上
の人の動きにより台座である金属との摩擦により、時に
異音を発生して問題となっている。異音が発生する原因
は、クッション材であるポリウレタンフォームの表面と
台座である金属の表面の摩擦抵抗が大きく、滑りが断続
的であるために発生するものである。このために、ポリ
ウレタンフォームからなる車輌シートクッション材と金
属の摩擦抵抗を低減して、異音の発生を防止するための
試みがさまざまになされている。例えば、特開平1−1
71913号公報には、ポリウレタンフォームの裏面と
バネフレーム、パイプなどの鋼材との摩擦抵抗が緩和さ
れ、異音を防止することができるポリウレタンフォーム
の製造方法として、ポリウレタン発泡原液を注入してポ
リウレタンフォームを製造する金型に、シリコーンを混
合した離型剤をあらかじめ塗布しておく方法が提案され
ている。しかし、金型に塗布された離型剤の転写により
ポリウレタンフォームの表面に形成される皮膜の厚さは
薄く、車輌シートクッション材としての使用期間中に皮
膜が摩耗消失するので、車輌本体と同程度の耐久性を与
えることは困難である。また、特開平4−240472
号公報には、シートフレーム及び/又は表皮材裏面とポ
リウレタンフォームとの擦れによる異音を防止するのに
有用なシートパッドの製造方法として、ポリウレタンフ
ォームからなるシートパッドに、シリコーン及びウレタ
ンの両方を含有するエマルジョンを塗布する方法が提案
されている。この方法により形成される低摩擦性の皮膜
は、金型に塗布された離型剤により形成される皮膜より
は強靭ではあるが、なお車輌本体の耐久性には遠く及ば
ない。さらに、特開平6−225823号公報には、シ
ートフレーム及び/又は表皮材裏面とポリウレタンフォ
ームとの擦れによる異音を防止するシートパッドの異音
防止方法として、ウレタンモールドフォームの金属加工
品に接する面に、潤滑剤を塗布乾燥させた不織布を一体
発泡成形又は後接着によって一体成形するシートパッド
の異音防止方法が提案されている。この方法によれば、
シートパッドの低摩擦性表面の耐久性は向上するが、潤
滑剤を塗布乾燥させた不織布を別工程で製造する必要が
あり、また、一体発泡成形する場合には金型内の所定の
位置に不織布を載置するために成形サイクルが長くな
り、後接着する場合には接着工程が必要となるために、
コスト高になることは避けられない。このために、ポリ
ウレタンフォームからなる車輌シートクッション材の表
面に、耐久性に優れた低摩擦性の皮膜を簡便に形成する
ことができる車輌シートクッション材用の異音防止処理
剤が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、車輌に装着
したポリウレタンフォームからなる車輌シートクッショ
ン材の使用に際して、振動や着座により車輌シートクッ
ション材と台座が擦れても、摩擦による異音を発生する
ことのないように、車輌シートクッション材に塗布して
その表面に低摩擦性の皮膜を形成することができる車輌
シートクッション材用の異音防止処理剤を提供すること
を目的としてなされたものである。
したポリウレタンフォームからなる車輌シートクッショ
ン材の使用に際して、振動や着座により車輌シートクッ
ション材と台座が擦れても、摩擦による異音を発生する
ことのないように、車輌シートクッション材に塗布して
その表面に低摩擦性の皮膜を形成することができる車輌
シートクッション材用の異音防止処理剤を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタンフ
ォームからなる車輌シートクッション材の台座接触面
に、フッ素系滑材及び樹脂エマルジョンを含有する処理
剤を塗布することにより耐久性のある低摩擦性の皮膜を
形成することができ、さらに、フッ素系滑材とシリコー
ン系滑材を併用することにより皮膜の低摩擦性がいっそ
う向上し、また、樹脂エマルジョンとしてアクリル樹脂
エマルジョンとウレタン樹脂エマルジョンを併用するこ
とにより皮膜の耐久性がいっそう向上することを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)フッ素系滑材及び樹脂エマル
ジョンを含有することを特徴とする車輌シートクッショ
ン材用の異音防止処理剤、(2)フッ素系滑材、シリコ
ーン系滑材、アクリル樹脂エマルジョン及びウレタン樹
脂エマルジョンを含有する第1項記載の車輌シートクッ
ション材用の異音防止処理剤、(3)処理剤の加熱残分
中の含有量が、フッ素系滑材10〜70重量%、シリコ
ーン系滑材0.5〜20重量%、アクリル樹脂5〜60
重量%、ウレタン樹脂5〜60重量%である第2項記載
の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、及び、
(4)親水性有機溶剤0.1〜6重量%を含有する第1
項記載の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、
を提供するものである。さらに、本発明の好ましい態様
として、(5)フッソ系滑材が、分子量20万以下、平
均粒子径0.05〜10μmのポリテトラフルオロエチ
レンの微粒子である第1項記載の車輌シートクッション
材用の異音防止処理剤、(6)シリコーン系滑材が、分
子量1〜50万のオルガノポリシロキサン又はアルキル
ポリシロキサンである第2項記載の車輌シートクッショ
ン材用の異音防止処理剤、(7)アクリル樹脂エマルジ
ョンが、ガラス転移温度10℃以上、分子量50万以上
のメチルメタクリレート単位とブチルアクリレート単位
を有するアクリル樹脂のエマルジョンである第2項記載
の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、(8)
ウレタン樹脂エマルジョンが、ガラス転移温度−50〜
20℃、分子量10万以上の脂肪族ポリイソシアネート
単位と1,6−ヘキサンジオールの炭酸エステル単位を
有するウレタン樹脂のエマルジョンである第2項記載の
車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、及び、
(9)親水性有機溶剤が、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールモノイソブチレートである第4項
記載の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、を
挙げることができる。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタンフ
ォームからなる車輌シートクッション材の台座接触面
に、フッ素系滑材及び樹脂エマルジョンを含有する処理
剤を塗布することにより耐久性のある低摩擦性の皮膜を
形成することができ、さらに、フッ素系滑材とシリコー
ン系滑材を併用することにより皮膜の低摩擦性がいっそ
う向上し、また、樹脂エマルジョンとしてアクリル樹脂
エマルジョンとウレタン樹脂エマルジョンを併用するこ
とにより皮膜の耐久性がいっそう向上することを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)フッ素系滑材及び樹脂エマル
ジョンを含有することを特徴とする車輌シートクッショ
ン材用の異音防止処理剤、(2)フッ素系滑材、シリコ
ーン系滑材、アクリル樹脂エマルジョン及びウレタン樹
脂エマルジョンを含有する第1項記載の車輌シートクッ
ション材用の異音防止処理剤、(3)処理剤の加熱残分
中の含有量が、フッ素系滑材10〜70重量%、シリコ
ーン系滑材0.5〜20重量%、アクリル樹脂5〜60
重量%、ウレタン樹脂5〜60重量%である第2項記載
の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、及び、
(4)親水性有機溶剤0.1〜6重量%を含有する第1
項記載の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、
を提供するものである。さらに、本発明の好ましい態様
として、(5)フッソ系滑材が、分子量20万以下、平
均粒子径0.05〜10μmのポリテトラフルオロエチ
レンの微粒子である第1項記載の車輌シートクッション
材用の異音防止処理剤、(6)シリコーン系滑材が、分
子量1〜50万のオルガノポリシロキサン又はアルキル
ポリシロキサンである第2項記載の車輌シートクッショ
ン材用の異音防止処理剤、(7)アクリル樹脂エマルジ
ョンが、ガラス転移温度10℃以上、分子量50万以上
のメチルメタクリレート単位とブチルアクリレート単位
を有するアクリル樹脂のエマルジョンである第2項記載
の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、(8)
ウレタン樹脂エマルジョンが、ガラス転移温度−50〜
20℃、分子量10万以上の脂肪族ポリイソシアネート
単位と1,6−ヘキサンジオールの炭酸エステル単位を
有するウレタン樹脂のエマルジョンである第2項記載の
車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、及び、
(9)親水性有機溶剤が、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールモノイソブチレートである第4項
記載の車輌シートクッション材用の異音防止処理剤、を
挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の車輌シートクッション材
用の異音防止処理剤は、フッ素系滑材及び樹脂エマルジ
ョンを含有する。本発明の異音防止処理剤をポリウレタ
ンフォームからなる車輌シートクッション材の台座接触
面に塗布して皮膜を形成するすることにより、ポリウレ
タンフォームからなる車輌シートクッション材の摩擦抵
抗を低減し、クッション材と金属製の台座の擦れによる
異音の発生を防止することができる。本発明に用いるフ
ッ素系滑材に特に制限はなく、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどのフ
ッ素樹脂の微粒子を挙げることができる。これらのフッ
素樹脂の微粒子は、1種を単独で用いることができ、あ
るいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中で、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子を
特に好適に用いることができる。本発明に用いるフッ素
系滑材は、分子量が20万以下であることが好ましい。
分子量が20万を超えると、摩擦抵抗低減効果が不十分
となるおそれがある。本発明に用いるフッ素系滑材は、
平均粒子径が0.05〜10μmであることが好まし
く、0.1〜5μmであることがより好ましい。平均粒
子径が0.05μm未満のフッ素系滑材は、製造が容易
でなくコスト高となるおそれがある。平均粒子径が10
μmを超えると、摩擦抵抗低減効果が不十分となるおそ
れがある。本発明において、フッ素系滑材は、水分散液
として異音防止処理剤の製造に用いることができる。
用の異音防止処理剤は、フッ素系滑材及び樹脂エマルジ
ョンを含有する。本発明の異音防止処理剤をポリウレタ
ンフォームからなる車輌シートクッション材の台座接触
面に塗布して皮膜を形成するすることにより、ポリウレ
タンフォームからなる車輌シートクッション材の摩擦抵
抗を低減し、クッション材と金属製の台座の擦れによる
異音の発生を防止することができる。本発明に用いるフ
ッ素系滑材に特に制限はなく、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどのフ
ッ素樹脂の微粒子を挙げることができる。これらのフッ
素樹脂の微粒子は、1種を単独で用いることができ、あ
るいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中で、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子を
特に好適に用いることができる。本発明に用いるフッ素
系滑材は、分子量が20万以下であることが好ましい。
分子量が20万を超えると、摩擦抵抗低減効果が不十分
となるおそれがある。本発明に用いるフッ素系滑材は、
平均粒子径が0.05〜10μmであることが好まし
く、0.1〜5μmであることがより好ましい。平均粒
子径が0.05μm未満のフッ素系滑材は、製造が容易
でなくコスト高となるおそれがある。平均粒子径が10
μmを超えると、摩擦抵抗低減効果が不十分となるおそ
れがある。本発明において、フッ素系滑材は、水分散液
として異音防止処理剤の製造に用いることができる。
【0006】本発明の異音防止処理剤においては、フッ
素系滑材とシリコーン系滑材を併用することができる。
フッ素系滑材とシリコーン系滑材を併用することによ
り、摩擦抵抗低減効果をいっそう向上することができ
る。本発明に用いるシリコーン系滑材としては、例え
ば、オルガノポリシロキサン、アルキルポリシロキサン
などを挙げることができる。オルガノポリシロキサンと
しては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサンなどのほか、複数のこ
れらの構造単位を有する共重合体などを挙げることがで
きる。アルキルポリシロキサンとしては、例えば、アル
キル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、
ポリエーテル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポ
リシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変
性ポリシロキサンなどを挙げることができる。これらの
シリコーン系滑材は、1種を単独で用いることができ、
あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもでき、
オルガノポリシロキサンとアルキルポリシロキサンの混
合物を特に好適に用いることができる。本発明におい
て、シリコーン系滑材は、分子量が1〜50万であるこ
とが好ましく、30〜45万であることがより好まし
い。分子量が1万未満であると、摩擦抵抗低減効果が不
十分となるおそれがある。分子量が50万を超えると、
粘度が高くなって取り扱いが困難となるおそれがある。
本発明において、シリコーン系滑剤は、界面活性剤を用
いて乳化したエマルジョンとして異音防止処理剤の製造
に用いることができる。本発明の異音防止処理剤は、フ
ッ素系滑材又はフッ素系滑材とシリコーン系滑材を樹脂
エマルジョン中に分散することにより製造することがで
きる。使用する樹脂エマルジョンに特に制限はないが、
アクリル樹脂エマルジョンとウレタン系エマルジョンを
併用することが好ましい。アクリル樹脂エマルジョンか
ら形成される皮膜は硬度が高く、滑材を強固にポリウレ
タンフォームの表面に保持することができるが、造膜性
に劣るので、柔らかい皮膜を形成するウレタン樹脂エマ
ルジョンを併用することにより、ポリウレタンフォーム
への密着性、摩擦抵抗低減効果、耐久性に優れた皮膜を
形成することができる。
素系滑材とシリコーン系滑材を併用することができる。
フッ素系滑材とシリコーン系滑材を併用することによ
り、摩擦抵抗低減効果をいっそう向上することができ
る。本発明に用いるシリコーン系滑材としては、例え
ば、オルガノポリシロキサン、アルキルポリシロキサン
などを挙げることができる。オルガノポリシロキサンと
しては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサンなどのほか、複数のこ
れらの構造単位を有する共重合体などを挙げることがで
きる。アルキルポリシロキサンとしては、例えば、アル
キル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、
ポリエーテル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポ
リシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変
性ポリシロキサンなどを挙げることができる。これらの
シリコーン系滑材は、1種を単独で用いることができ、
あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもでき、
オルガノポリシロキサンとアルキルポリシロキサンの混
合物を特に好適に用いることができる。本発明におい
て、シリコーン系滑材は、分子量が1〜50万であるこ
とが好ましく、30〜45万であることがより好まし
い。分子量が1万未満であると、摩擦抵抗低減効果が不
十分となるおそれがある。分子量が50万を超えると、
粘度が高くなって取り扱いが困難となるおそれがある。
本発明において、シリコーン系滑剤は、界面活性剤を用
いて乳化したエマルジョンとして異音防止処理剤の製造
に用いることができる。本発明の異音防止処理剤は、フ
ッ素系滑材又はフッ素系滑材とシリコーン系滑材を樹脂
エマルジョン中に分散することにより製造することがで
きる。使用する樹脂エマルジョンに特に制限はないが、
アクリル樹脂エマルジョンとウレタン系エマルジョンを
併用することが好ましい。アクリル樹脂エマルジョンか
ら形成される皮膜は硬度が高く、滑材を強固にポリウレ
タンフォームの表面に保持することができるが、造膜性
に劣るので、柔らかい皮膜を形成するウレタン樹脂エマ
ルジョンを併用することにより、ポリウレタンフォーム
への密着性、摩擦抵抗低減効果、耐久性に優れた皮膜を
形成することができる。
【0007】本発明に用いるアクリル樹脂エマルジョン
に特に制限はなく、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、テトラデシルアクリレート、セチルアクリレー
トなどのアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメ
タクリレート、テトラデシルメタクリレートなどのメタ
クリル酸エステルなどのホモポリマー、コポリマーなど
のほか、これらのモノマーと共重合可能な他のモノマー
とのコポリマーなどのアクリル樹脂のエマルジョンを挙
げることができる。これらの中で、メチルメタクリレー
ト単位とブチルアクリレート単位を有するアクリル樹脂
のエマルジョンを好適に用いることができる。本発明に
用いるアクリル樹脂エマルジョンを構成するアクリル樹
脂は、ガラス転移温度が10℃以上であり、分子量が5
0万以上であることが好ましい。アクリル樹脂のガラス
転移温度が10℃未満であっても、分子量が50万未満
であっても、滑材の保持力が不足するおそれがある。
に特に制限はなく、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、テトラデシルアクリレート、セチルアクリレー
トなどのアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメ
タクリレート、テトラデシルメタクリレートなどのメタ
クリル酸エステルなどのホモポリマー、コポリマーなど
のほか、これらのモノマーと共重合可能な他のモノマー
とのコポリマーなどのアクリル樹脂のエマルジョンを挙
げることができる。これらの中で、メチルメタクリレー
ト単位とブチルアクリレート単位を有するアクリル樹脂
のエマルジョンを好適に用いることができる。本発明に
用いるアクリル樹脂エマルジョンを構成するアクリル樹
脂は、ガラス転移温度が10℃以上であり、分子量が5
0万以上であることが好ましい。アクリル樹脂のガラス
転移温度が10℃未満であっても、分子量が50万未満
であっても、滑材の保持力が不足するおそれがある。
【0008】本発明に用いるウレタン樹脂エマルジョン
に特に制限はなく、ポリイソシアネートとポリオールよ
り合成される公知のウレタン樹脂のエマルジョンを用い
ることができる。ポリイソシアネートとしては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水添
キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなど
の芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができ
る。これらのポリイソシアネートは、1種を単独で用い
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。ポリオールとしては、例えば、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカー
ボネートポリオールなどを挙げることができる。これら
のポリオールは、1種を単独で用いることができ、ある
いは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。こ
れらの中で、脂肪族ポリイソシアネート単位と1,6−
ヘキサンジオールの炭酸エステル単位を有するイソシア
ネート樹脂のエマルジョンを好適に用いることができ
る。本発明に用いるウレタン樹脂エマルジョンを構成す
るウレタン樹脂は、ガラス転移温度が−50〜20℃で
あり、分子量が10万以上であることが好ましい。ウレ
タン樹脂のガラス転移温度が20℃を超えると、造膜力
が不足するおそれがある。ウレタン樹脂のガラス転移温
度が−50℃未満であっても、分子量が10万未満であ
っても、滑材の保持力が不足するおそれがある。ウレタ
ン樹脂は、抗張力29.4〜58.8MPa(300〜60
0kgf/cm2)、伸び300%以上、100%応力2〜1
9.6MPa(20〜200kgf/cm2)であることが好まし
い。
に特に制限はなく、ポリイソシアネートとポリオールよ
り合成される公知のウレタン樹脂のエマルジョンを用い
ることができる。ポリイソシアネートとしては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水添
キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなど
の芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができ
る。これらのポリイソシアネートは、1種を単独で用い
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。ポリオールとしては、例えば、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカー
ボネートポリオールなどを挙げることができる。これら
のポリオールは、1種を単独で用いることができ、ある
いは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。こ
れらの中で、脂肪族ポリイソシアネート単位と1,6−
ヘキサンジオールの炭酸エステル単位を有するイソシア
ネート樹脂のエマルジョンを好適に用いることができ
る。本発明に用いるウレタン樹脂エマルジョンを構成す
るウレタン樹脂は、ガラス転移温度が−50〜20℃で
あり、分子量が10万以上であることが好ましい。ウレ
タン樹脂のガラス転移温度が20℃を超えると、造膜力
が不足するおそれがある。ウレタン樹脂のガラス転移温
度が−50℃未満であっても、分子量が10万未満であ
っても、滑材の保持力が不足するおそれがある。ウレタ
ン樹脂は、抗張力29.4〜58.8MPa(300〜60
0kgf/cm2)、伸び300%以上、100%応力2〜1
9.6MPa(20〜200kgf/cm2)であることが好まし
い。
【0009】本発明の異音防止処理剤は、親水性有機溶
剤を含有することが好ましい。異音防止処理剤に親水性
有機溶剤を含有させることにより、親水性有機溶剤が造
膜助剤としての効果を発揮し、常温において、短時間で
皮膜を形成することが可能となり、異音防止性車輌シー
トクッション材の生産性を高めることができる。使用す
る親水性有機溶剤に特に制限はなく、常温において水と
均一に混合し得る有機溶剤を用いることができるが、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノ
イソブチレートを特に好適に用いることができる。本発
明において、異音防止処理剤中の親水性有機溶剤の含有
量に特に制限はないが、0.1〜6重量%であることが
好ましく、0.2〜2重量%であることがより好まし
い。親水性有機溶剤の含有量が0.1重量%未満である
と、造膜を補助する効果が不十分となるおそれがある。
親水性有機溶剤の含有量が6重量%を超えると、防災上
の特別の配慮が必要となるおそれがある。本発明の異音
防止処理剤は、車輌シートクッション材の台座接触面へ
乾燥皮膜重量として2〜50g/m2塗布することが好
ましく、4〜25g/m2塗布することがより好まし
い。異音防止処理剤の塗布量が乾燥皮膜重量として2g
/m2未満であると、摩擦抵抗低減効果が不十分となる
おそれがある。異音防止処理剤の塗布量は、乾燥皮膜重
量として50g/m2以下で十分な摩擦抵抗低減効果が
得られ、通常は乾燥皮膜重量として50g/m2を超え
る処理剤の塗布は不必要である。本発明の異音防止処理
中のフッ素系滑材、シリコーン系滑材、アクリル樹脂エ
マルジョン及びウレタン樹脂エマルジョンの含有量比に
特に制限はないが、105〜110℃において3時間加
熱したときの加熱残分中の含有量が、フッ素系滑材10
〜70重量%、シリコーン系滑材0.5〜20重量%、
アクリル樹脂5〜60重量%、ウレタン樹脂5〜60重
量%であることが好ましく、フッ素系滑材20〜50重
量%、シリコーン系滑材1〜10重量%、アクリル樹脂
20〜55重量%、ウレタン樹脂10〜40重量%であ
ることがより好ましい。本発明の車輌シートクッション
材用の異音防止処理剤は、水性系の処理剤であって、車
輌シートクッション材の台座接触面に塗布することによ
り、常温で短時間に滑性、密着性、耐久性に優れた低摩
擦性の皮膜を形成し、異音の発生を効果的に防止するこ
とができる。
剤を含有することが好ましい。異音防止処理剤に親水性
有機溶剤を含有させることにより、親水性有機溶剤が造
膜助剤としての効果を発揮し、常温において、短時間で
皮膜を形成することが可能となり、異音防止性車輌シー
トクッション材の生産性を高めることができる。使用す
る親水性有機溶剤に特に制限はなく、常温において水と
均一に混合し得る有機溶剤を用いることができるが、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノ
イソブチレートを特に好適に用いることができる。本発
明において、異音防止処理剤中の親水性有機溶剤の含有
量に特に制限はないが、0.1〜6重量%であることが
好ましく、0.2〜2重量%であることがより好まし
い。親水性有機溶剤の含有量が0.1重量%未満である
と、造膜を補助する効果が不十分となるおそれがある。
親水性有機溶剤の含有量が6重量%を超えると、防災上
の特別の配慮が必要となるおそれがある。本発明の異音
防止処理剤は、車輌シートクッション材の台座接触面へ
乾燥皮膜重量として2〜50g/m2塗布することが好
ましく、4〜25g/m2塗布することがより好まし
い。異音防止処理剤の塗布量が乾燥皮膜重量として2g
/m2未満であると、摩擦抵抗低減効果が不十分となる
おそれがある。異音防止処理剤の塗布量は、乾燥皮膜重
量として50g/m2以下で十分な摩擦抵抗低減効果が
得られ、通常は乾燥皮膜重量として50g/m2を超え
る処理剤の塗布は不必要である。本発明の異音防止処理
中のフッ素系滑材、シリコーン系滑材、アクリル樹脂エ
マルジョン及びウレタン樹脂エマルジョンの含有量比に
特に制限はないが、105〜110℃において3時間加
熱したときの加熱残分中の含有量が、フッ素系滑材10
〜70重量%、シリコーン系滑材0.5〜20重量%、
アクリル樹脂5〜60重量%、ウレタン樹脂5〜60重
量%であることが好ましく、フッ素系滑材20〜50重
量%、シリコーン系滑材1〜10重量%、アクリル樹脂
20〜55重量%、ウレタン樹脂10〜40重量%であ
ることがより好ましい。本発明の車輌シートクッション
材用の異音防止処理剤は、水性系の処理剤であって、車
輌シートクッション材の台座接触面に塗布することによ
り、常温で短時間に滑性、密着性、耐久性に優れた低摩
擦性の皮膜を形成し、異音の発生を効果的に防止するこ
とができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、性能評
価は下記の方法により行った。 (1)摩擦係数 幅100mm、長さ250mmの長方形の試験片を23℃、
50%RHで6時間以上状態調節したのち、摩擦係数測
定機[YONEKURA社、CATY]を用い、荷重6
4g/cm2、ヘッドスピード200mm/minで測定する。 (2)乾熱老化試験 温度80℃の恒温槽中に、400時間加熱老化する。そ
の後、標準状態下に6時間以上放置し、(1)に準じ摩擦
試験を行い摩擦係数を求める。 (3)湿熱老化試験 温度50℃、湿度95%RHの恒温恒湿槽中に、400
時間湿熱老化する。その後、標準状態下に6時間以上放
置し、(1)に準じ摩擦試験を行い摩擦係数を求める。 (4)異音評価 幅100mm、長さ100mm、厚み50mmの試験片と、直
径200mm、厚み2mmの円形鉄板(SS41、表面黒塗
り)2枚の評価用治具を0℃で6時間以上放置したの
ち、円形鉄板を試験片の上下にセットして、元厚の60
%まで圧縮し、上方の円形鉄板を5rpmで回転させ、回
転開始後から5秒以内の異音の発生の有無を、官能検査
により確認する。 実施例1 メチルメタクリレート単位60モル%及びブチルアクリ
レート単位40モル%からなり、ガラス転移温度15.
8℃、分子量200万のアクリル樹脂40重量%を含有
するアクリル樹脂エマルジョン43重量部、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)単位及び1,6−ヘキサ
ンジオールの炭酸エステル単位からなり、ガラス転移温
度−43℃、分子量25万のウレタン樹脂38重量%を
含有するウレタン樹脂エマルジョン17重量部、分子量
18万、平均粒子径2.5μmのポリテトラフルオロエ
チレン微粉末50重量%を含有する水分散液26重量
部、分子量35万のオルガノポリシロキサンとアルキル
ポリシロキサン混合物をノニオン界面活性剤を用いて乳
化した不揮発分80重量%のシリコーンオイルエマルジ
ョン1.7重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールモノイソブチレート0.5重量部、固形分
15重量%のパーフルオロアルキル燐酸エステル系消泡
剤0.17重量部、固形分24重量%のベンゾメチルア
ミド系防腐剤0.17重量部、β型銅フタロシアニンブ
ルー顔料35重量%を含有する水分散液1.4重量部、
固形分50重量%のウレタン系増粘剤0.1重量部及び
水9.96重量部を配合し、ディゾルバーを用いて混合
撹拌し、粘度175mPa・s、固形分38.9重量%の異
音防止処理剤を調製した。この異音防止処理剤を、密度
50kg/m3のウレタンフォームの表面にスプレーによ
り13.1g/m2塗布し、20℃で5分間乾燥して評価
試料を作製した。摩擦係数は、評価試料作製直後は0.
31であり、乾熱老化試験後は0.34であり、湿熱老
化試験後は0.38であった。異音評価試験において、
評価試料作製直後、乾熱老化試験後、湿熱老化試験後と
もに、異音は発生しなかった。同様にして、塗布量を2
0.0g/m2とし、30℃で2分間乾燥して評価試料を
作製した。摩擦係数は、評価試料作製直後は0.28で
あり、乾熱老化試験後は0.32であり、湿熱老化試験
後は0.36であった。異音評価試験において、評価試
料作製直後、乾熱老化試験後、湿熱老化試験後ともに、
異音は発生しなかった。さらに、塗布量を26.8g/
m2とし、40℃で1分間乾燥して評価試料を作製し
た。摩擦係数は、評価試料作製直後は0.24であり、
乾熱老化試験後は0.30であり、湿熱老化試験後0.3
4であった。異音評価試験において、評価試料作製直
後、乾熱老化試験後、湿熱老化試験後ともに、異音は発
生しなかった。実施例1の結果を、第1表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、性能評
価は下記の方法により行った。 (1)摩擦係数 幅100mm、長さ250mmの長方形の試験片を23℃、
50%RHで6時間以上状態調節したのち、摩擦係数測
定機[YONEKURA社、CATY]を用い、荷重6
4g/cm2、ヘッドスピード200mm/minで測定する。 (2)乾熱老化試験 温度80℃の恒温槽中に、400時間加熱老化する。そ
の後、標準状態下に6時間以上放置し、(1)に準じ摩擦
試験を行い摩擦係数を求める。 (3)湿熱老化試験 温度50℃、湿度95%RHの恒温恒湿槽中に、400
時間湿熱老化する。その後、標準状態下に6時間以上放
置し、(1)に準じ摩擦試験を行い摩擦係数を求める。 (4)異音評価 幅100mm、長さ100mm、厚み50mmの試験片と、直
径200mm、厚み2mmの円形鉄板(SS41、表面黒塗
り)2枚の評価用治具を0℃で6時間以上放置したの
ち、円形鉄板を試験片の上下にセットして、元厚の60
%まで圧縮し、上方の円形鉄板を5rpmで回転させ、回
転開始後から5秒以内の異音の発生の有無を、官能検査
により確認する。 実施例1 メチルメタクリレート単位60モル%及びブチルアクリ
レート単位40モル%からなり、ガラス転移温度15.
8℃、分子量200万のアクリル樹脂40重量%を含有
するアクリル樹脂エマルジョン43重量部、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)単位及び1,6−ヘキサ
ンジオールの炭酸エステル単位からなり、ガラス転移温
度−43℃、分子量25万のウレタン樹脂38重量%を
含有するウレタン樹脂エマルジョン17重量部、分子量
18万、平均粒子径2.5μmのポリテトラフルオロエ
チレン微粉末50重量%を含有する水分散液26重量
部、分子量35万のオルガノポリシロキサンとアルキル
ポリシロキサン混合物をノニオン界面活性剤を用いて乳
化した不揮発分80重量%のシリコーンオイルエマルジ
ョン1.7重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールモノイソブチレート0.5重量部、固形分
15重量%のパーフルオロアルキル燐酸エステル系消泡
剤0.17重量部、固形分24重量%のベンゾメチルア
ミド系防腐剤0.17重量部、β型銅フタロシアニンブ
ルー顔料35重量%を含有する水分散液1.4重量部、
固形分50重量%のウレタン系増粘剤0.1重量部及び
水9.96重量部を配合し、ディゾルバーを用いて混合
撹拌し、粘度175mPa・s、固形分38.9重量%の異
音防止処理剤を調製した。この異音防止処理剤を、密度
50kg/m3のウレタンフォームの表面にスプレーによ
り13.1g/m2塗布し、20℃で5分間乾燥して評価
試料を作製した。摩擦係数は、評価試料作製直後は0.
31であり、乾熱老化試験後は0.34であり、湿熱老
化試験後は0.38であった。異音評価試験において、
評価試料作製直後、乾熱老化試験後、湿熱老化試験後と
もに、異音は発生しなかった。同様にして、塗布量を2
0.0g/m2とし、30℃で2分間乾燥して評価試料を
作製した。摩擦係数は、評価試料作製直後は0.28で
あり、乾熱老化試験後は0.32であり、湿熱老化試験
後は0.36であった。異音評価試験において、評価試
料作製直後、乾熱老化試験後、湿熱老化試験後ともに、
異音は発生しなかった。さらに、塗布量を26.8g/
m2とし、40℃で1分間乾燥して評価試料を作製し
た。摩擦係数は、評価試料作製直後は0.24であり、
乾熱老化試験後は0.30であり、湿熱老化試験後0.3
4であった。異音評価試験において、評価試料作製直
後、乾熱老化試験後、湿熱老化試験後ともに、異音は発
生しなかった。実施例1の結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表に見られるように、本発明の異音防
止処理剤を塗布した車輌シートクッション材は、摩擦係
数が小さく、摩擦による異音を発生することはない。
止処理剤を塗布した車輌シートクッション材は、摩擦係
数が小さく、摩擦による異音を発生することはない。
【0013】
【発明の効果】本発明の車輌シートクッション材用の異
音防止処理剤は、滑性及び樹脂との親和性が良好なシリ
コーン系及びフッソ系滑材と、皮膜が硬く造膜性に劣る
アクリル樹脂エマルジョンに皮膜が柔らかいウレタン樹
脂エマルジョンを併用するので、ポリウレタンフォーム
との密着性が良好で、摩擦抵抗低減効果、耐久性ともに
優れた皮膜を常温で形成することができる。したがっ
て、熱によるポリウレタンフォームの物性阻害を生ずる
ことなく、低温、短時間の熱処理で効率的に異音防止性
車輌シートクッション材を生産することができる。
音防止処理剤は、滑性及び樹脂との親和性が良好なシリ
コーン系及びフッソ系滑材と、皮膜が硬く造膜性に劣る
アクリル樹脂エマルジョンに皮膜が柔らかいウレタン樹
脂エマルジョンを併用するので、ポリウレタンフォーム
との密着性が良好で、摩擦抵抗低減効果、耐久性ともに
優れた皮膜を常温で形成することができる。したがっ
て、熱によるポリウレタンフォームの物性阻害を生ずる
ことなく、低温、短時間の熱処理で効率的に異音防止性
車輌シートクッション材を生産することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 183/04 183/04 (72)発明者 石水 俊雄 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 西村 光男 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CD091 CD101 CD111 CD121 CG141 CH031 CH041 DG111 DG121 DG131 DL032 DL052 DL072 DL082 DL132 JA58 KA06 MA08 MA10 MA13 MA14 NA00 NA11 NA12 PA18 PB07 PC08
Claims (4)
- 【請求項1】フッ素系滑材及び樹脂エマルジョンを含有
することを特徴とする車輌シートクッション材用の異音
防止処理剤。 - 【請求項2】フッ素系滑材、シリコーン系滑材、アクリ
ル樹脂エマルジョン及びウレタン樹脂エマルジョンを含
有する請求項1記載の車輌シートクッション材用の異音
防止処理剤。 - 【請求項3】処理剤の加熱残分中の含有量が、フッ素系
滑材10〜70重量%、シリコーン系滑材0.5〜20
重量%、アクリル樹脂5〜60重量%、ウレタン樹脂5
〜60重量%である請求項2記載の車輌シートクッショ
ン材用の異音防止処理剤。 - 【請求項4】親水性有機溶剤0.1〜6重量%を含有す
る請求項1記載の車輌シートクッション材用の異音防止
処理剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36730599A JP2001181598A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 車輌シートクッション材用の異音防止処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36730599A JP2001181598A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 車輌シートクッション材用の異音防止処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001181598A true JP2001181598A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18488997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36730599A Pending JP2001181598A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 車輌シートクッション材用の異音防止処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001181598A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009046659A (ja) * | 2007-08-17 | 2009-03-05 | Adm21 Co Ltd | ワイパーブレード用ゴムのコーティング組成物、このコーティング方法及びこれによって製造されたワイパーブレード用ゴム |
JP2020037260A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-12 | 株式会社エフコンサルタント | 積層体 |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36730599A patent/JP2001181598A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009046659A (ja) * | 2007-08-17 | 2009-03-05 | Adm21 Co Ltd | ワイパーブレード用ゴムのコーティング組成物、このコーティング方法及びこれによって製造されたワイパーブレード用ゴム |
JP2020037260A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-12 | 株式会社エフコンサルタント | 積層体 |
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