JP2001176019A - 磁気ヘッド装置及びディスクドライブ装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置及びディスクドライブ装置

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JP2001176019A
JP2001176019A JP35228999A JP35228999A JP2001176019A JP 2001176019 A JP2001176019 A JP 2001176019A JP 35228999 A JP35228999 A JP 35228999A JP 35228999 A JP35228999 A JP 35228999A JP 2001176019 A JP2001176019 A JP 2001176019A
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Masayoshi Fujita
正儀 藤田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク状記録媒体の面振れ等に対するヘッ
ドスライダの追従性を大幅に向上させる。 【解決手段】 ディスク状記録媒体と対向する面から磁
気ギャップが臨むと共に、ディスク状記録媒体に対して
第1の記録密度で記録及び/又は再生を行う第1の磁気
ヘッド素子と、ディスク状記録媒体に対して第2の記録
密度で記録及び/又は再生を行う第2の磁気ヘッド素子
とが組み込まれてなるヘッドスライダと、ヘッドスライ
ダのディスク状記録媒体と対向する面とは反対側の面に
取り付けられたジンバルとを備え、第1の磁気ヘッド素
子及び第2の磁気ヘッド素子は、ディスク状記録媒体と
ジンバルとの間に磁路が形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録密度の異なる
複数のディスク状記録媒体に対して信号の記録及び/又
は再生を行う磁気ヘッド装置、並びにそのような磁気ヘ
ッド装置を備えたディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブルディスク等のディスク状記
録媒体に対して信号を記録再生するディスクドライブ装
置は、パーソナルコンピュータを始めとしてオフィスコ
ンピュータやワードプロセッサー等に広く用いられ、そ
の普及は目覚ましい。
【0003】このようなディスクドライブ装置は、磁気
ヘッド装置を備え、この磁気ヘッド装置によって信号の
記録及び/又は再生を行っている。この磁気ヘッド装置
は、2本の支持アームの先端にそれぞれ対向するように
ヘッドスライダが取り付けられており、これらヘッドス
ライダの間にディスク状記録媒体を挟み込みながら、こ
のヘッドスライダに搭載された磁気ヘッドにより信号の
記録又は再生を行っている。
【0004】また、近年、ディスク状記録媒体では、高
密度記録化が推進され、記録密度の向上がなされてい
る。このように、ディスク状記録媒体の記録密度の向上
がなされると、ディスク状記録媒体を記録再生するディ
スクドライブ装置もこれに対応したものとして改良され
る。つまり、ディスクドライブ装置は、より高速でディ
スク状記録媒体を回転駆動させる駆動系や、より微細な
記録トラックを形成する磁気ヘッド装置を備えるように
改良される。
【0005】具体的に、実用化されているフレキシブル
ディスクに対しては、ヘッドスライダを信号記録面に摺
動させながら、このヘッドスライダに搭載された磁気ヘ
ッドにより記録再生が行われている。これに対して、近
年、実用化されているフレキシブルディスクに対して、
数十Mバイト〜数百Mバイトの高記録密度で記録再生を
行うことが提案されている。このような高密度記録化さ
れたフレキシブルディスクに対しては、フレキシブルデ
ィスクを高速回転させて、信号記録面からヘッドスライ
ダを僅かに浮上させながら、このヘッドスライダに搭載
された磁気ヘッドにより信号の記録再生を行う磁気ヘッ
ド装置が用いられる。
【0006】このように、ディスクドライブ装置では、
異なる記録密度で記録再生を行う場合に、それぞれ異な
った磁気ヘッド装置が必要となる。しかしながら、磁気
ヘッド装置の異なるディスクドライブ装置を併用するこ
とは煩わしく、多大なコストを要する。そこで、ディス
クドライブ装置では、異なる記録密度で記録再生を行う
下位互換性を有する磁気ヘッド装置を用いることが提案
されている。
【0007】この下位互換性を有する磁気ヘッド装置
は、フレキシブルディスクに摺動させながら下位モード
で信号の記録再生を行う下位の磁気ヘッド素子と、フレ
キシブルディスクから浮上させながら上位モードで信号
の記録再生を行う上位のヘッド素子とが組み込まれてな
るヘッドスライダを備える。すなわち、この磁気ヘッド
装置は、下位の磁気ヘッド素子と上位の磁気ヘッド素子
とを併せ持つような構成とされ、いずれかのモードで記
録再生を行う。このとき、磁気ヘッド装置では、比較的
に低速で回転するフレキシブルディスクに対して、ヘッ
ドスライダを摺動させながら、このヘッドスライダに搭
載された下位の磁気ヘッド素子により信号の記録再生を
行い、また、比較的に高速で回転するフレキシブルディ
スクに対して、ヘッドスライダを所定量浮上させなが
ら、このヘッドスライダに搭載された上位の磁気ヘッド
素子により信号の記録再生を行う。
【0008】ここで、このような磁気ヘッド装置の一構
成例を図13に示す。
【0009】この磁気ヘッド装置は、上述したように、
記録密度の異なる2種類のフレキシブルディスクに対し
て信号の記録再生を行うものであり、一対の支持アーム
の先端部にそれぞれ対向するようにヘッドスライダが取
り付けられており、これらヘッドスライダの間にフレキ
シブルディスクを挟み込みながら、このヘッドスライダ
に搭載された異なる磁気ヘッドにより、信号の記録再生
を行うようになされている。なお、図13においては、
一方の支持アームの先端部のみを図示し、一部を切り欠
いて示している。
【0010】この磁気ヘッド装置は、図13に示すよう
に、支持アーム200の先端部に取り付けられたスペー
サー部材201と、このスペーサー部材201上に配設
されたジンバル202と、このジンバル202に取り付
けられたヘッド部203とを備える。
【0011】この磁気ヘッド装置において、ヘッド部2
03は、2種類のフレキシブルディスクのうち、記録密
度の低いフレキシブルディスクに対して、下位モードで
記録再生を行う下位の磁気ヘッド素子204と、記録密
度の高いフレキシブルディスクに対して、上位モードで
記録再生を行う上位の磁気ヘッド素子205とが組み込
まれてなるヘッドスライダ206を備える。また、ヘッ
ド部203は、ヘッドスライダ206のフレキシブルデ
ィスクと対向する面とは反対側の面に、下位の磁気ヘッ
ド素子204の磁気コアを構成すると共に、このヘッド
スライダ206を支持するためのバックコア207と、
このバックコア207に取り付けられ、下位の磁気ヘッ
ド素子204を作動させるためのコイルが巻回された第
1のボビン208a及び第2のボビン208bとを備え
る。
【0012】ヘッドスライダ206は、上位の磁気ヘッ
ド素子205が組み込まれてなるセンタースライダ20
9と、このセンタースライダ209と共に、下位の磁気
ヘッド素子204を挟み込むように配されたサイドスラ
イダ210とが接合一体化されることにより形成され
る。このヘッドスライダ206には、フレキシブルディ
スクと対向する面に、回転操作されるフレキシブルディ
スク上を所定の浮上量で浮上するため、このフレキシブ
ルディスクの走行方向Bと略平行に、第1のレール21
1a及び第2のレール211bが形成されている。
【0013】下位の磁気ヘッド素子204は、いわゆる
トンネルイレーズ型磁気ヘッドであり、第1のレール2
11aの長手方向の略中心付近に配された記録及び再生
用の磁気ヘッド(以下、リードライトヘッドという。)
204aと、このリードライトヘッド204aよりもフ
レキシブルディスクの走行方向Bの下流側に配された消
去用の磁気ヘッド(以下、イレーズヘッドという。)2
04bとから構成される。
【0014】リードライトヘッド204aは、記録トラ
ックのトラック幅よりやや大の磁気ギャップを有してい
る。一方、イレーズヘッド204bは、リードライトヘ
ッド204aにより書き込まれた記録トラックの両端部
を消去し、所定のトラック幅とする一対の磁気ギャップ
を有している。
【0015】一方、上位の磁気ヘッド素子205は、第
2のレール211bのフレキシブルディスクの走行方向
Bの後端側に設けられており、上述したリードライトヘ
ッド204aよりも幅狭な記録トラックを形成すること
ができる磁気ギャップを有している。例えば、この上位
の磁気ヘッド素子205としては、磁気ギャップ近傍に
飽和磁化の高い合金膜が配設されてなる、いわゆるMI
G(Metal In Gap)型の磁気ヘッドが用いられる。また、
ヘッドスライダ206には、この上位の磁気ヘッド素子
205の磁気コアの一部を外方へと露出させる巻回溝2
12が形成されており、この巻回溝212を通して、上
位の磁気ヘッド素子205にコイル(図13において図
示せず。)が巻回されている。
【0016】バックコア207は、図14に示すよう
に、磁性体からなる略コ字状に形成された基体213
と、非磁性体からなり基体213の端部上から上方へ立
設された第1の脚部213a及び第2の脚部213b
と、磁性体からなり基体213のコーナー部上から上方
へ立設された第3の脚部213c及び第4の脚部213
dと、第3の脚部213cと第4の脚部213dとの間
に位置して基体213から上方へ立設された第5の脚部
213eとを有する。また、第5の脚部213eの上端
面には、溝が形成されており、これにより第5の脚部2
13eの上端面は、第1の端面214a及び第2の端面
214bとに分断されている。
【0017】そして、第3の脚部213cと第4の脚部
213dには、下位の磁気ヘッド素子204のうち、リ
ードライトヘッド204aを作動させるための第1のコ
イル215aが巻回された第1のボビン208aと、イ
レーズヘッド204bを作動させるための第2のコイル
215bが巻回された第2のボビン208bとがそれぞ
れ取り付けられている。
【0018】第1のボビン208a及び第2のボビン2
08bは、略筒状を呈し、その外周面に第1のコイル2
15a及び第2のコイル215bがそれぞれ巻回されて
いると共に、その内周面の形状が第3の脚部213c及
び第4の脚部213dの外周面の形状と略同形となるよ
うにそれぞれ形成されている。これら第1のボビン20
8a及び第2のボビン208bは、図14に示すよう
に、第3の脚部213c及び第4の脚部213dにそれ
ぞれ嵌合することにより、バックコア207に取り付け
られる。
【0019】そして、バックコア207は、第1のボビ
ン208a及び第2のボビン208bが取り付けられた
状態で、ジンバル202を介して、ヘッドスライダ20
6のフレキシブルディスクと対向する面とは反対側の面
に当接される。これにより、図13及び図15に示すよ
うに、ヘッド部203が構成されることとなる。
【0020】このとき、第1の脚部213a及び第2の
脚部213bは、その上端面が、ヘッドスライダ206
の上位の磁気ヘッド素子206側の両コーナ部付近に当
接される。
【0021】また、第3の脚部213cは、その上端面
が、下位の磁気ヘッド素子204のリード・ライトヘッ
ド204aと磁気的に接続されるように当接され、第4
の脚部213dは、その上端面が、下位の磁気ヘッド素
子204のイレーズヘッド204bと磁気的に接続され
るように当接され、第5の脚部213eは、下位の磁気
ヘッド素子204のリード・ライトヘッド204aとイ
レーズヘッド204bとの間に位置し、第1の端面21
4aがリード・ライトヘッド204aと磁気的に接続さ
れると共に、第2の端面214bがイレーズヘッド20
4bと磁気的に接続されるように当接される。
【0022】このように、バックコア207とヘッドス
ライダ4とが当接されることにより、第3の脚部213
cと第5の脚部213eとが、下位の磁気ヘッド素子2
04のリード・ライトヘッド204aにおける磁気コア
を構成すると共に、第4の脚部213dと第5の脚部2
13eとが、下位の磁気ヘッド素子204のイレーズヘ
ッド204bにおける磁気コアを構成することとなる。
【0023】すなわち、下位の磁気ヘッド素子204で
は、第1のボビン211aが取り付けられた第3の脚部
213cと、基体213と、第1の端面214aを有す
る第5の脚部213eとにより、リードライトヘッド2
04aの磁路が形成されると共に、第2のボビン211
bが取り付けられた第4の脚部213dと、基体213
と、第2の端面214bを有する第5の脚部213eと
により、イレーズヘッド204bの磁路が形成されるこ
ととなる。
【0024】磁気ヘッド装置において、ジンバル202
は、図13に示すように、回転操作されるフレキシブル
ディスクの面振れ等に対して、ヘッドスライダ206を
追従させるためのものであり、上述したヘッドスライダ
206とバックコア207との間に配設されている。そ
して、このジンバル202は、図16に示すように、ヘ
ッドスライダ206が取り付けられた状態で、バックコ
ア207を取り囲むように配設されたスペーサー部材2
01に取り付けられる。
【0025】磁気ヘッド装置において、スペーサー部材
201は、図17に示すように、その高さを所定の値と
することにより、支持アーム200からヘッドスライダ
206までの高さを規制するものであり、略環状に形成
された周囲壁216と、この周囲壁216の内側に立設
されたピボット載置部217と、このピボット載置部2
17上に配されたピボット218とから構成される。
【0026】また、このスペーサー部材201には、周
囲壁216の内部に磁気シールド部材219が配設され
ている。この磁気シールド部材219は、図18に示す
ように、外部からの磁気的ノイズを防ぐためのものであ
り、例えば、透磁率の高い磁性材料からなり、周囲壁2
16よりもやや小とされる外形を有する。
【0027】そして、スペーサー部材201は、図13
に示すように、上述したジンバル202のヘッドスライ
ダ206が取り付けられた面とは反対側の面にて、ピボ
ット218がジンバル202の略中心部を所定の圧力で
押圧することとなる。これにより、ヘッドスライダ20
6は、ジンバル202を介してピボット218により支
持されることとなり、回転操作されるフレキシブルディ
スクの面振れ等に追従することが可能となる。
【0028】また、ジンバル202のヘッドスライダ2
06が取り付けられた面とは反対側に配設されたバック
コア207、第1のボビン208a及び第2のボビン2
08bは、スペーサー部材201の周囲壁216の内方
に収容されることとなる。
【0029】以上のように構成された磁気ヘッド装置で
は、ヘッドスライダ206に搭載された下位の磁気ヘッ
ド素子204を用いて、上述した2種類のフレキシブル
ディスクのうち、記録密度の低いフレキシブルディスク
に対して、下位モードで記録再生を行う。このとき、磁
気ヘッド装置は、ヘッドスライダ206がフレキシブル
ディスクの信号記録面上を摺動しながら、下位の磁気ヘ
ッド素子204により信号の記録再生を行う。
【0030】また、この磁気ヘッド装置では、ヘッドス
ライダ206に搭載された上位の磁気ヘッド素子205
を用いて、上述した2種類のフレキシブルディスクのう
ち、記録密度の高いフレキシブルディスクに対して、上
位モードで記録再生を行う。このとき、磁気ヘッド装置
は、ヘッドスライダがフレキシブルディスクの信号記録
面上を所定の浮上量で浮上しながら、上位の磁気ヘッド
素子205により信号の記録再生を行う。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した磁
気ヘッド装置を備えたディスクドライブ装置では、フレ
キシブルディスクへの記録容量の増大に伴って、このフ
レキシブルディスクに対する信号の処理速度を速くする
ために、回転するフレキシブルディスクの速度を高くす
る必要がある。しかしながら、フレキシブルディスク
は、例えばハードディスクといったディスク状記録媒体
と比べて、回転時における信号記録面の安定性が悪く、
高速で回転させた場合に面振れ等が発生しやすくなる。
このため、磁気ヘッド装置では、このフレキシブルディ
スクの面振れ等に対して、ヘッドスライダ206を如何
に追従させるかが重要となっている。
【0032】上述した従来の磁気ヘッド装置では、図1
3に示すように、ヘッドスライダ206のフレキシブル
ディスクと対向する面とは反対側の面に、ジンバル20
2を介して、下位の磁気ヘッド素子204の磁気コアを
構成すると共に、このヘッドスライダ206を支持する
バックコア207が設けられている。また、このバック
コア207には、下位の磁気ヘッド素子204のリード
ライトヘッド204aを作動させるために、第1のコイ
ル215aが巻回された第1のボビン208aと、下位
の磁気ヘッド素子204のイレーズヘッド204bを作
動させるために、第2のコイル215bが巻回された第
2のボビン208bとがそれぞれ取り付けられている。
【0033】そして、この磁気ヘッド装置では、ジンバ
ル202のヘッドスライダ206が取り付けられた面と
は反対側にて、これらバックコア207、第1のボビン
208a及び第2のボビン208bにより、下位の磁気
ヘッド素子204におけるリードライトヘッド204a
の磁路が形成されると共に、イレーズヘッド204bの
磁路が形成されることとなる。
【0034】しかしながら、これらジンバル202のヘ
ッドスライダ206が取り付けられた面とは反対側に配
設されるバックコア207、第1のボビン208a及び
第2のボビン208bの存在は、ヘッド部203の質量
の増加をもたらすと共に、このヘッド部203の重心位
置を高くし、ひいてはヘッドスライダ206のロード圧
を付加する位置での回転モーメントを大きくしてしま
う。
【0035】このため、従来の磁気ヘッド装置では、回
転操作されるフレキシブルディスク6の面振れ等に対す
るヘッドスライダ206の追従性が低下してしまい、ヘ
ッドスライダ206がフレキシブルディスクの信号記録
面上を所定の浮上量で浮上することができず、このヘッ
ドスライダ206とフレキシブルディスクとの間の相対
位置関係を良好に保つことができないといった問題があ
った。
【0036】また、ヘッド部203の質量の増加は、そ
の固有振動数の低下をもたらし、このヘッド部203の
共振振動数を引き下げ、その結果、ディスクドライブ装
置において、トラッキング等のサーボ信号の読み取りエ
ラーの発生等を招くことがあった。
【0037】さらに、従来の磁気ヘッド装置では、ヘッ
ドスライダ206とバックコア207との間で磁路を形
成する際に生じるバックギャップにより、下位の磁気ヘ
ッド素子204の電磁変換特性にばらつきが生じ、その
結果、歩留りを低下させ、製造コストの増加を招いてし
まうことがあった。
【0038】そこで、本発明はこのような従来の事情に
鑑みて提案されたものであり、ディスク状記録媒体の面
振れ等に対するヘッドスライダの追従性を大幅に向上さ
せた磁気ヘッド装置、並びにそのような磁気ヘッド装置
を備えたディスクドライブ装置を提供することを目的と
する。
【0039】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る磁気ヘッド装置は、ディスク状記録媒体と対向
する面から磁気ギャップが臨むと共に、ディスク状記録
媒体に対して第1の記録密度で記録及び/又は再生を行
う第1の磁気ヘッド素子と、ディスク状記録媒体に対し
て第2の記録密度で記録及び/又は再生を行う第2の磁
気ヘッド素子とが組み込まれてなるヘッドスライダと、
ヘッドスライダのディスク状記録媒体と対向する面とは
反対側の面に取り付けられたジンバルとを備え、第1の
磁気ヘッド素子及び第2の磁気ヘッド素子は、ディスク
状記録媒体とジンバルとの間に磁路が形成されてなるこ
とを特徴とする。
【0040】以上のように、本発明に係る磁気ヘッド装
置では、第1の磁気ヘッド素子及び第2の磁気ヘッド素
子の磁路が、ディスク状記録媒体とジンバルとの間に形
成されている。このため、この磁気ヘッド装置では、ジ
ンバルのヘッドスライダが取り付けられた面とは反対側
に、当該第1の磁気ヘッド素子及び第2の磁気ヘッド素
子の磁路を形成するためのバックコアやコイル等を設け
るといった必要がなく、質量の大幅な軽減が可能とな
り、ディスク状記録媒体の面振れ等に対するヘッドスラ
イダの追従性が良好なものとなる。
【0041】また、本発明に係るディスクドライブ装置
は、ディスク状記録媒体に対して信号の記録及び/又は
再生を行う磁気ヘッド装置を備え、磁気ヘッド装置は、
ディスク状記録媒体と対向する面から磁気ギャップが臨
むと共に、ディスク状記録媒体に対して第1の記録密度
で記録及び/又は再生を行う第1の磁気ヘッド素子と、
ディスク状記録媒体に対して第2の記録密度で記録及び
/又は再生を行う第2の磁気ヘッド素子とが組み込まれ
てなるヘッドスライダと、このヘッドスライダのディス
ク状記録媒体と対向する面とは反対側の面に取り付けら
れたジンバルとを有し、第1の磁気ヘッド素子及び第2
の磁気ヘッド素子は、ディスク状記録媒体とジンバルと
の間に磁路が形成されてなることを特徴とする。
【0042】以上のように、本発明に係るディスクドラ
イブ装置では、磁気ヘッド装置における第1の磁気ヘッ
ド素子及び第2の磁気ヘッド素子の磁路が、ディスク状
記録媒体とジンバルとの間に形成されている。このた
め、このディスクドライブ装置では、ジンバルのヘッド
スライダが取り付けられた面とは反対側に、当該第1の
磁気ヘッド素子及び第2の磁気ヘッド素子の磁路を形成
するためのバックコアやコイル等を設けるといった必要
がなく、質量の大幅な軽減が可能となり、ディスク状記
録媒体の面振れ等に対するヘッドスライダの追従性が良
好なものとなる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0044】本発明の実施の形態として図1に示す磁気
ヘッド装置は、記録密度の異なる2種類のフレキシブル
ディスクに対して信号の記録及び/又は再生を行うもの
であり、一対の支持アームの先端部にそれぞれ対向する
ようにヘッドスライダが取り付けられており、これらヘ
ッドスライダの間にフレキシブルディスクを挟み込みな
がら、このヘッドスライダに搭載された異なる磁気ヘッ
ドにより、信号の記録再生を行うようになされている。
【0045】すなわち、この磁気ヘッド装置は、一対の
支持アーム1と、この一対の支持アーム1の先端部1a
にそれぞれ取り付けられたスペーサー部材2と、これら
スペーサ部材2上にそれぞれ配設されたジンバル3と、
これらジンバル3にそれぞれ取り付けられたヘッドスラ
イダ4とを備えており、これらヘッドスライダ4が互い
に対向するように、一対の支持アーム1が配置されてい
る。
【0046】そして、この磁気ヘッド装置では、カート
リッジ5内に回転自在に収納されたフレキシブルディス
ク6に対して信号の記録再生が行われる。このとき、カ
ートリッジ5には、磁気ヘッド装置が進入するに足る開
口寸法を有する開口部7が形成されている。したがっ
て、この磁気ヘッド装置を用いてフレキシブルディスク
6に対して信号の記録再生を行う際には、図1に示すよ
うに、一対のヘッドスライダ4が開口部7から進入し、
一対のヘッドスライダ4でフレキシブルディスク6を挟
み込む。
【0047】この磁気ヘッド装置において、ヘッドスラ
イダ4は、図2に示すように、2種類のフレキシブルデ
ィスクのうち、記録密度の低いフレキシブルディスク6
に対して、このフレキシブルディスク6の信号記録面と
接触しながら、下位モードで記録再生を行う下位の磁気
ヘッド素子8と、記録密度の高いフレキシブルディスク
6に対して、このフレキシブルディスク6の信号記録面
上を浮上しながら、上位モードで記録再生を行う上位の
磁気ヘッド素子9とを備える。
【0048】また、このヘッドスライダ4は、このヘッ
ドスライダ4の一部を構成する下位の磁気ヘッド素子8
と、上位の磁気ヘッド素子9が組み込まれてなるセンタ
ースライダ10とが接合一体化されることにより形成さ
れる。
【0049】このヘッドスライダ4には、フレキシブル
ディスク6の信号記録面から浮上した状態で記録再生を
行うため、フレキシブルディスク6と対向する面に、図
2中矢印で示すフレキシブルディスク6の走行方向Aと
略平行に第1のレール11及び第2のレール12が形成
されている。すなわち、ヘッドスライダ4とフレキシブ
ルディスク6との間にエアーフィルムを形成すべく、ヘ
ッドスライダ4の一主面上に溝を形成することにより、
第1のレール11及び第2のレール12が形成されてい
る。
【0050】第1のレール11及び第2のレール12に
は、フレキシブルディスク6の進入端側にフロントテー
パ11a,12aがそれぞれ形成されると共に、フレキ
シブルディスク6の進出端側にリアテーパ11b,12
bがそれぞれ形成されている。フロントテーパ11a,
12aは、例えば、フレキシブルディスク6の表面に対
して約1゜と約10°の2段階の角度で形成されてい
る。一方、リアテーパ11b,12bは、フレキシブル
ディスク6の表面に対して約10°〜20゜の角度で形
成されている。なお、第1のレール11及び第2のレー
ル12には、それらレールのエッジ部分に丸みを付ける
ブレンド加工が施されている。
【0051】また、ヘッドスライダ4には、下位の磁気
ヘッド素子8の磁気ギャップG1,G2,G3が、第1
のレール11のフレキシブルディスク6と対向する面か
ら臨むと共に、上位の磁気ヘッド素子9の磁気ギャップ
G4が第2のレール12のフレキシブルディスク6と対
向する面から臨むように、第1のレール11及び第2の
レール12が形成されている。
【0052】下位の磁気ヘッド素子8は、いわゆるトン
ネルイレーズ型磁気ヘッドであり、第1のレール11の
長手方向の略中心付近に配された記録及び再生用の磁気
ヘッド(以下、リードライトヘッドという。)8aと、
このリードライトヘッド8aよりもフレキシブルディス
ク6の走行方向Aの下流側に配された消去用のヘッド
(以下、イレーズヘッドという。)8bとから下位ヘッ
ドスライダ10を構成している。リードライトヘッド8
aは、記録トラックのトラック幅よりやや大の磁気ギャ
ップG1を有している。また、イレーズヘッド8bは、
リードライトヘッド8aにより書き込まれた記録トラッ
クの幅方向の両端部を消去することにより、フレキシブ
ルディスクに形成される記録トラックのトラック幅を所
定の値に規制する一対の磁気ギャップG2,G3を有し
ている。
【0053】下位のヘッド素子8には、リードライトヘ
ッド8aに第1のコイル13を巻回するための第1の巻
回窓部14と、イレーズヘッド8bに第2のコイル15
を巻回するための第2の巻回窓部16とが設けられてい
る。
【0054】一方、上位の磁気ヘッド素子9は、第2の
レール12のリアテーパ12bが形成される位置に配さ
れており、上述したリードライトヘッド8aよりも幅狭
な記録トラックを形成することができる磁気ギャップG
4を有している。例えば、この上位の磁気ヘッド素子9
としては、磁気ギャップ近傍に飽和磁化の高い合金膜を
配設した、いわゆるMIG(Metal In Gap)型磁気ヘッド
が用いられる。そして、この上位の磁気ヘッド素子9
は、セラミック等を用いて形成されたセンタースライダ
10に搭載されている。
【0055】センタースライダ10には、上位の磁気ヘ
ッド素子9が嵌入される嵌入溝17と、上位の磁気ヘッ
ド素子9に第3のコイル18を巻回するための巻回溝1
9とが設けられている。そして、上位の磁気ヘッド素子
9は、このセンタースライダ10に形成された嵌入溝1
7内に融着ガラス20により固定されている。
【0056】ところで、このようなヘッドスライダ4を
形成する際は、先ず、図3に示す下位の磁気ヘッド素子
8と、図4に示す上位の磁気ヘッド素子9と、図5に示
すセンタースライダ10とを用意する。
【0057】下位の磁気ヘッド素子8は、図3に示すよ
うに、リードライトヘッド8aの磁気コアを構成する一
対の第1の磁気コア部材30a,30bと、イレーズヘ
ッド8bの磁気コアを構成する一対の第2の磁気コア部
材31a,31bとが非磁性材であるセンターガラス3
2を介して接合一体化されてなる。
【0058】第1の磁気コア部材30a,30bは、非
磁性材を介して互いを突き合わされることにより、磁気
ギャップG1が形成されてなる。また、第1の磁気コア
部材30a,30bは、磁気ギャップG1のデプスを規
制すると共に、突合せ後に第1の巻回窓部14を構成す
る第1の溝部33を有している。
【0059】同様に、第2の磁気コア部材31a,31
bは、非磁性材を介して互いを突き合わされることによ
り、磁気ギャップG2,G3が形成されてなる。また、
第2の磁気コア部材31a,31bは、磁気ギャップG
2,G3のデプスを規制すると共に、突合せ後に第2の
巻回窓部16を構成する第2の溝部34を有している。
【0060】上位の磁気ヘッド素子9は、図4に示すよ
うに、上述したMIG型磁気ヘッドであり、一対の磁気
コア半体40a,40bの突合せ面上にそれぞれ金属磁
性膜41a,41bが成膜され、この一対の磁気コア半
体40a,40bの突合せ面同士が非磁性膜42を介し
て突き合わされることにより、磁気ギャップG4が形成
されてなる。
【0061】磁気コア半体40a,40bは、例えばM
n−Zn系フェライトやNi−Zn系フェライト等の軟
磁性酸化物材料よりなり、金属磁性膜41a,41bと
共に磁気コアを構成している。磁気コア半体40a,4
0bは、互いに対向する主面側の略中央部に、磁気ギャ
ップG4のデプスを規制すると共に、突合せ後に第3の
巻回窓部43を構成する第3の溝部44a,44bを有
している。また、磁気コア基板3半体40a,40bの
両側面には、走行するフレキシブルディスク6との当た
り幅を調節するための当たり幅規制溝45が、フレキシ
ブルディスク6の走行方向Aと略平行に形成されてい
る。
【0062】金属磁性膜41a,41bは、例えば、飽
和磁化の高い合金膜からなり、磁気コア半体40a,4
0bの突合せ面上にそれぞれ成膜されている。
【0063】非磁性膜42は、例えばSiO2等の非磁
性材料からなり、金属磁性膜41a,41b上にそれぞ
れ成膜されている。上位の磁気ヘッド素子9では、この
非磁性膜42を介して、一対の磁気コア半体40a,4
0b同士が突き合わされることにより磁気ギャップG4
が形成されることとなる。
【0064】センタースライダ10は、図5に示すよう
に、略方形状に形成されると共に、上述した第1のレー
ル11及び第2のレール12のリアテーパ11b,12
bが形成される側面部10aに、上述した上位の磁気ヘ
ッド素子9が嵌入される嵌入溝17と、上位の磁気ヘッ
ド素子9に第3のコイル18を巻回するための巻回溝1
9とが形成されている。
【0065】嵌入溝17は、第2のレール12のリアテ
ーパ12bとなる部分に、このセンタースライダ10を
垂直方向に貫くように形成されている。
【0066】巻回溝19は、上述したフレキシブルディ
スク6の信号記録面に対して略水平な方向に切り欠かれ
ている。詳述すると、この巻回溝19は、センタースラ
イダ10の側面部10aから、上述した下位の磁気ヘッ
ド素子8と当接する側面部10bとは反対側の側面部1
0cに向かって切り欠かれている。また、巻回溝19
は、嵌入溝17に上位の磁気ヘッド素子9が嵌入された
際、上位の磁気ヘッド素子9の第3の巻回窓部43が臨
むように形成されている。また、巻回溝19は、その底
部が傾斜面とされ、上位の磁気ヘッド素子9に第3のコ
イル18を容易に巻回することが可能となっている。
【0067】また、センタースライダ10の側面部10
cには、上述したリードライトヘッド8aに第1のコイ
ル13を巻回するための第1の巻回溝50と、イレーズ
ヘッド8bに第2のコイル15を巻回するための第2の
巻回溝51とが形成されている。
【0068】第1の巻回溝50は、フレキシブルディス
ク6の信号記録面に対して略水平な方向に切り欠かれて
いる。詳述すると、この第1の巻回溝50は、センター
スライダ50の側面部50bから、上述した第1のレー
ル11及び第2のレール12のフロントテーパ11a,
12aが形成される側面部10dに向かって切り欠かれ
ている。この第1の巻回溝50は、センタースライダ1
0に下位の磁気ヘッド素子8が当接された際、側面部1
0dからリードライトヘッド8aの第1の巻回窓部14
が臨むように形成されている。また、第1の巻回溝50
は、その底部が傾斜面とされ、リードライトヘッド8a
に第1のコイル13を容易に巻回することが可能となっ
ている。
【0069】一方、第2の巻回溝51は、フレキシブル
ディスク6の信号記録面に対して略垂直な方向に切り欠
かれている。詳述すると、この第2の巻回溝51は、セ
ンタースライダ10の側面部10bから、上述した第1
のレール11及び第2のレール12が形成される面とは
反対側の底部10eに向かって切り欠かれている。この
第2の巻回溝51は、センタースライダ10に下位の磁
気ヘッド素子8が当接された際、底部10eからイレー
ズヘッド8bの第2の巻回窓部16が臨むように形成さ
れている。また、第2の巻回溝51は、その底部が傾斜
面とされ、イレーズヘッド8bに第2のコイル15を容
易に巻回することが可能となっている。
【0070】次に、これら下位の磁気ヘッド素子8とセ
ンタースライダ10とを接合一体化すると共に、上位の
磁気ヘッド素子9を融着ガラス20によりセンタースラ
イダ10に形成された嵌入溝17内に固定することによ
り、ヘッドスライダブロックを形成を形成する。そし
て、このヘッドスライダブロックのフレキシブルディス
ク6と対向する面に対して、第1のレール11及び第2
のレール12を形成するレール加工、フロントテーパ1
1a,12a及びリアテーパ11b,12bを形成する
ためのテーパ加工、並びにこれらレールのエッジ部分に
丸みを付けるブレンド加工等を施すことにより、図6に
示すような異なる磁気ヘッドが搭載されたヘッドスライ
ダ4が形成されることとなる。
【0071】このヘッドスライダ4には、図2及び図7
に示すように、リードライトヘッド8aの第1の巻回窓
部14が臨むと共に、フレキシブルディスク6の信号記
録面に対して略水平な方向に切り欠かれた第1の巻回溝
50が形成されている。そして、この第1の巻回溝50
及び第1の巻回窓部14を通して、リードライトヘッド
8aに第1のコイル13が巻回されている。すなわち、
リードライトヘッド8aには、第1の巻回溝50及び第
1の巻回窓部14を通して、第1のコイル13がフレキ
シブルディスク6の面内方向に対して略垂直な方向に巻
回されている。これにより、下位の磁気ヘッド素子8に
おけるリードライトヘッド8aにの磁路が形成されるこ
ととなる。
【0072】また、ヘッドスライダ4には、イレーズヘ
ッド8bの第2の巻回窓部16が臨むと共に、フレキシ
ブルディスク6の信号記録面に対して略垂直な方向に切
り欠かれた第2の巻回溝51が形成されている。そし
て、この第2の巻回溝51及び第2の巻回窓部16を通
して、イレーズヘッド8bに第2のコイル15が巻回さ
れている。すなわち、イレーズヘッド8bには、第2の
巻回溝51及び第2の巻回窓部16を通して、第2のコ
イル15がフレキシブルディスク6の面内方向に対して
略水平な方向に巻回されている。これにより、下位の磁
気ヘッド素子8におけるイレーズヘッド8bの磁路が形
成されることとなる。
【0073】また、ヘッドスライダ4には、上位の磁気
ヘッド素子9の第3の巻回窓部43が臨むと共に、フレ
キシブルディスク6の信号記録面に対して略水平な方向
に切り欠かれた巻回溝19が形成されている。そして、
この巻回溝19及び第3の巻回窓部43を通して、上位
の磁気ヘッド素子9に第3のコイル18が巻回されてい
る。すなわち、上位の磁気ヘッド素子9には、巻回溝1
9及び第3の巻回窓部43を通して、第3のコイル18
がフレキシブルディスク6の面内方向に対して略垂直な
方向に巻回されている。これにより、上位の磁気ヘッド
素子9の磁路が形成されることとなる。
【0074】ところで、下位の磁気ヘッド素子8におい
て、第1のコイル13と第2のコイル15とは、互いに
巻回される方向が異なっている。すなわち、リードライ
トヘッド8aには、第1の巻回溝50及び第1の巻回窓
部14を通して、第1のコイル13がフレキシブルディ
スク6の面内方向に対して略水平な方向に巻回されるの
に対し、イレーズヘッド8bには、第2の巻回溝51及
び第2の巻回窓部16を通して、第2のコイル15がフ
レキシブルディスク6の信号記録面に対して略垂直な方
向に巻回されている。
【0075】このように、磁気ヘッド装置では、第1の
コイル13と第2のコイル15との巻回方向を異なる向
きとすることにより、下位の磁気ヘッド素子8における
これら第1のコイル13と第2のコイル15との間に生
じる磁気的な干渉を防ぐことができ、良好な電磁変換特
性を得ることができる。
【0076】また、ヘッドスライダ4において、イレー
ズヘッド8aに巻回される第2のコイル15は、第2の
巻回溝51及び第2の巻回窓部16を通して、フレキシ
ブルディスク6の面内方向に対して略垂直な方向に巻回
されており、第2の巻回溝51が、フレキシブルディス
ク6の信号記録面に対して略垂直な方向に切り欠かれて
いる。
【0077】ここで、ヘッドスライダ4において、第2
の巻回溝51をフレキシブルディスク6の信号記録面に
対して略水平な方向に切り欠いた場合には、上位の磁気
ヘッド素子9に巻回された第3のコイル18が干渉して
しまい、イレーズヘッド8bに第3のコイルを巻回する
ことが困難となる。特に、自動巻回機による巻回は不可
能である。
【0078】このため、ヘッドスライダ4では、第2の
巻回溝51がフレキシブルディスク6の信号記録面に対
して略垂直な方向に切り欠かれていることが好ましく、
イレーズヘッド8bには、この第2の巻回溝51及び第
2の巻回窓部16を通して、第2のコイル15がフレキ
シブルディスク6の面内方向に対して略垂直な方向に巻
回されていることが好ましい。
【0079】そして、ヘッドスライダ4は、図8に示す
ように、これら第1のコイル13、第2のコイル15乃
至第3のコイル18が巻回された状態で、ジンバル3に
取り付けられることとなる。
【0080】この磁気ヘッド装置において、ジンバル3
は、図9に示すように、全体形状が略矩形状の板状を呈
する、例えばステンレス等からなる。このジンバル3
は、ヘッドスライダ4が載置される載置部60と、スペ
ーサー部材2に固定される固定部61と、これら載置部
60と固定部61とを連結する一対の連結部62a,6
2bとを備える。
【0081】載置部60は、上述したヘッドスライダ4
の外形と略々同じ外形形状を有し、載置されるヘッドス
ライダ4の第2のコイル15に対応する部分に切欠部6
5が形成されている。
【0082】固定部61は、載置部60に載置されるヘ
ッドスライダ4のフレキシブルディスク6の走行方向A
に対する前段側及び後段側にそれぞれ設けられている。
【0083】一対の連結部62a,62bは、載置部6
0と固定部61との連結位置を結ぶ直線が互いに略平行
とされる共に、この載置部60と固定部61とを連結す
る経路の中途部において、互いに離間する方向に屈曲す
るような形状を有している。一対の連結部62a,62
bは、このような形状とされることにより、後述するフ
レキシブルディスクの面振れ等に対して、載置部60に
取り付けられたヘッドスライダ4を追従させることが可
能となる。なお、このジンバル3は、例えばステンレス
材等により形成される。
【0084】そして、このジンバル3は、図2に示すよ
うに、載置部60にヘッドスライダ4が取り付けられた
状態で、支持アーム1の先端部に配設されたスペーサー
部材2上に配設されることとなる。
【0085】この磁気ヘッド装置において、スペーサー
部材2は、図10に示すように、上述したジンバル3の
外形と略々同じ外形を有する略矩形状を呈し、ジンバル
3の固定部61に対応した位置に、このジンバル3の固
定部61が載置される載置部70と、略中心部にピボッ
ト71と、これら載置部70及びピボット71が形成さ
れた面とは反対側の面に、支持アーム1に固定される固
定部72とを備える。
【0086】載置部70は、載置されるジンバル3の固
定部61に対応した両端部に、それぞれ上方に向かって
立設するように形成されている。
【0087】ピボット71は、略半球状に形成され、そ
の上端部71aが載置部70の高さよりやや上方に位置
するように突出形成されている。
【0088】固定部72は、載置部70を結ぶ方向と直
交する側の両端部に、それぞれ下方に向かって立設する
ように形成されている。
【0089】この磁気ヘッド装置では、スペーサー部材
2の載置部70上にジンバル3の固定部61が取り付け
られることにより、このジンバル3のヘッドスライダ4
が取り付けられた面とは反対側の面にて、ピボット71
がジンバル3の略中心部を所定の圧力で押圧することと
なる。
【0090】これにより、磁気ヘッド装置では、ヘッド
スライダ4が、ジンバル3を介してピボットにより支持
されることとなり、回転するフレキシブルディスク6の
信号記録面の面振れに追従することが可能となる。
【0091】そして、このスペーサー部材2は、図2に
示すように、固定部70が支持アーム1の先端部1aに
取り付けられることとなる。
【0092】この磁気ヘッド装置において、支持アーム
1は、図1に示すように、所定の長さを有する板状の部
材からなり、図示しない基端部が磁気ヘッド装置駆動手
段(図示せず。)とそれぞれ接続されている。そして、
この支持アーム1は、先端部1aに上述したスペーサー
部材2が取り付けられる。なお、このとき、一対の支持
アーム1には、スペーサー部材2が互いに対向するよう
に取り付けられている。
【0093】この磁気ヘッド装置では、スペーサ部材2
の高さを所定の値とすることにより、支持アーム1から
ヘッドスライダ4までの高さを規制することができる。
すなわち、この磁気ヘッド装置では、ヘッドスライダ4
がフレキシブルディスク6に対して記録再生を行う位置
にある状態で、支持アーム1がカートリッジ5に対して
非接触の状態を維持することができる。言い換えると、
スペーサ部材2は、記録再生時に、支持アーム1がカー
トリッジ5に接触しない程度の高さとされる。
【0094】以上のように構成された磁気ヘッド装置で
は、記録密度の異なる2種類のフレキシブルディスク6
に対応可能に構成されたディスクドライブ装置内に取り
付けられ、このディスクドライブ装置に装着されたフレ
キシブルディスク6に対して信号の記録又は再生が行わ
れる。
【0095】具体的には、ディスクドライブ装置に記録
密度の低いフレキシブルディスク6が装着されると、こ
のフレキシブルディスク6は、ディスクドライブ装置の
備えるスピンドルモータにより、例えば約300rpm
の回転数で回転操作される。そして、磁気ヘッド装置
は、ヘッドスライダ4をこの回転操作されるフレキシブ
ルディスク6の信号記録面上を摺動させる。これによ
り、下位の磁気ヘッド素子9により、フレキシブルディ
スク6に対して下位モードで信号の記録及び再生が行わ
れる。
【0096】すなわち、下位の磁気ヘッド素子8のリー
ドライドヘッド8aに巻回された第1のコイル13から
発生する磁界により、このリード・ライトヘッド8aの
間に磁路が形成される。そして、回転操作されるフレキ
シブルディスク6の信号記録面に対して、リードライト
ヘッド8aにより記録トラックが形成される。また、同
時に、下位の磁気ヘッド素子8のイレーズヘッド8bに
巻回された第2のコイル15から発生する磁界により、
このイレーズヘッド8bの間に磁路が形成される。そし
て、リードライトヘッド8aによりフレキシブルディス
ク6の信号記録面に形成された記録トラックのうち、ト
ラック幅方向の両端部付近のみが消去される。したがっ
て、フレキシブルディスク6には、所望のトラック幅を
有する記録トラックが形成される。
【0097】一方、ディスクドライブ装置に記録密度の
高いフレキシブルディスク6が装着されると、このフレ
キシブルディスク6は、ディスクドライブ装置の備える
スピンドルモータにより、例えば約3600rpmの回
転数で回転操作される。そして、このフレキシブルディ
スク6の回転にともなう空気流により、ヘッドスライダ
4が、この回転操作されるフレキシブルディスク6の信
号記録面上を例えば約30〜70nmの浮上量で浮上す
る。このとき、上位の磁気ヘッド素子9により、フレキ
シブルディスク6に対して上位モードで信号の記録又は
再生が行われる。
【0098】ところで、従来の磁気ヘッド装置では、図
13に示すように、ヘッドスライダ206のフレキシブ
ルディスクと対向する面とは反対側の面に、ジンバル2
02を介して、下位の磁気ヘッド素子204の磁気コア
を構成すると共に、このヘッドスライダ206を支持す
るバックコア207が配設されている。また、このバッ
クコア207には、下位の磁気ヘッド素子204のリー
ドライトヘッド204aを作動させるための第1のコイ
ル215aが巻回された第1のボビン208aと、下位
の磁気ヘッド素子204のイレーズヘッド204bを作
動させるための第2のコイル215bが巻回された第2
のボビン208bとがそれぞれ取り付けられている。
【0099】そして、この磁気ヘッド装置では、ジンバ
ル202のヘッドスライダ206が取り付けられた面と
は反対側にて、これらバックコア207、第1のボビン
208a及び第2のボビン208bにより、下位の磁気
ヘッド素子204におけるリードライトヘッド204a
の磁路が形成されると共に、イレーズヘッド204bの
磁路が形成されることとなる。
【0100】しかしながら、これらジンバル202のヘ
ッドスライダ206が取り付けられた面とは反対側に配
設されるバックコア207、第1のボビン208a及び
第2のボビン208bの存在は、ヘッド部203の質量
の増加をもたらすと共に、このヘッド部203の重心位
置を高くし、ひいてはヘッドスライダ206のロード圧
を付加する位置での回転モーメントを大きくしてしま
う。
【0101】このため、従来の磁気ヘッド装置では、回
転操作されるフレキシブルディスク6の面振れ等に対す
るヘッドスライダ206の追従性が低下してしまい、ヘ
ッドスライダ206がフレキシブルディスクの信号記録
面上を所定の浮上量で浮上することができず、このヘッ
ドスライダ206とフレキシブルディスクとの間の相対
位置関係を良好に保つことができないといった問題があ
った。
【0102】それに対して、本発明を適用した磁気ヘッ
ド装置では、図2に示すように、ヘッドスライダ4にお
いて、リードライトヘッド8aの第1の巻回窓部14が
臨むと共に、フレキシブルディスク6の信号記録面に対
して略水平な方向に切り欠かれた第1の巻回溝50が形
成されており、この第1の巻回溝50及び第1の巻回窓
部14を通して、リードライトヘッド8aに第1のコイ
ル13が巻回されている。これにより、下位の磁気ヘッ
ド素子8におけるリードライトヘッド8aの磁路が形成
されている。
【0103】また、ヘッドスライダ4において、イレー
ズヘッド8bの第2の巻回窓部16が臨むと共に、フレ
キシブルディスク6の信号記録面に対して略垂直な方向
に切り欠かれた第2の巻回溝51が形成されており、こ
の第2の巻回溝51及び第2の巻回窓部16を通して、
イレーズヘッド8bに第2のコイル15が巻回されてい
る。これにより、下位の磁気ヘッド素子8におけるイレ
ーズヘッド8bの磁路が形成されている。
【0104】また、ヘッドスライダ4において、上位の
磁気ヘッド素子9の第3の巻回窓部43が臨むと共に、
フレキシブルディスク6の信号記録面に対して略水平な
方向に切り欠かれた巻回溝19が形成されている。そし
て、この巻回溝19及び第3の巻回窓部43を通して、
上位の磁気ヘッド素子9に第3のコイル18が巻回され
ている。これにより、上位の磁気ヘッド素子9の磁路が
形成されている。
【0105】すなわち、この磁気ヘッド装置では、フレ
キシブルディスク6と、ヘッドスライダ4のフレキシブ
ルディスク6と対向する面とは反対側の面に取り付けら
れたジンバル3との間に、下位の磁気ヘッド素子8及び
上位の磁気ヘッド素子8の磁路が形成されている。
【0106】この場合、磁気ヘッド装置では、上述した
ヘッドスライダ206のフレキシブルディスクと対向す
る面とは反対側に配設されたバックコア207、第1の
ボビン208a及び第2のボビン208bが不要とな
り、このヘッドスライダ4の質量の大幅な軽減が可能と
なる。
【0107】これにより、この磁気ヘッド装置では、回
転操作されるフレキシブルディスク6の面振れ等に対す
るヘッドスライダ4の追従性を大幅に向上させることが
でき、このヘッドスライダ4とフレキシブルディスク6
との間の相対位置関係を良好に保つことができる。
【0108】したがって、この磁気ヘッド装置では、ヘ
ッドスライダ4とフレキシブルディスク6との接触によ
る損傷等を防ぐことができる。また、電磁変換特性の安
定化が可能となり、さらには、部品点数の削減による組
立工数の削減、歩留りの向上等により、製造コストの大
幅な削減が可能となる。
【0109】なお、上述した磁気ヘッド装置では、下位
の磁気ヘッド素子8と上位の磁気ヘッド素子9が組み込
まれたセンタースライダ10とによりヘッドスライダ4
を構成した例について説明したが、ヘッドスライダ4
は、必ずしもこのような構成に限定されるものではな
く、例えばセンタースライダと下位の磁気ヘッド素子と
サイドスライダとにより構成される3ピース構造をとる
ものや、単体のヘッドスライダに上位の磁気ヘッド素子
素子及び下位の磁気ヘッド素子素子を嵌入した1ピース
構造をとるものであってもよい。
【0110】次に、本発明を適用したディスクドライブ
装置について説明する。
【0111】このディスクドライブ装置は、上述した磁
気ヘッド装置を備えており、パーソナルコンピュータや
ワードプロセッサー等において、フレキシブルディスク
等へのデータの記録再生用として用いられる。
【0112】このディスクドライブ装置80は、図11
に示すように、略々平板状のシャーシ81を有して構成
され、このシャーシ81の略々中央部に設けられたモー
タ取付け用開口部82に嵌合されてこのシャーシ81の
上面側に臨んで配設されたスピンドルモータ83を備え
ている。このスピンドルモータ83は、フレキシブルデ
ィスク6を回転操作するためのものであり、ステータ基
板84上に設けられている。このスピンドルモータ83
の駆動軸であるスピンドル軸85には、フレキシブルデ
ィスク6が装着される略々円板状のディスクテーブル8
6が取付けられている。スピンドル軸85は、ディスク
テーブル86の中央部の上側の主面上に先端側を突出さ
せた状態となっている。このスピンドル軸85は、ディ
スクテーブル86上にフレキシブルディスク6が装着さ
れたとき、このフレキシブルディスク6の中心孔に嵌入
される。
【0113】そして、ディスクテーブル86には、この
ディスクテーブル86の上側の主面部上に位置して、チ
ャッキングピン87が配設されている。また、ディスク
テーブル86の上側の主面部上には、フレキシブルディ
スク6を吸着するための図示しないマグネットが配設さ
れている。このマグネットは、いわゆるゴム磁石であっ
て、略々円環状の形状を有して形成されている。
【0114】シャーシ81の下面部には、電子回路基板
88が取付けられている。この電子回路基板88上に
は、後述する種々の電子回路及び検出スイッチが配設さ
れている。さらに、シャーシ81の下方には、電子回路
基板88の下面部を覆うようにして、下カバー89が取
付けられている。
【0115】シャーシ81の上方側には、カートリッジ
5を保持してこのカートリッジ5内のフレキシブルディ
スク6をディスクテーブル86上に装着させるカートリ
ッジホルダ90が配設されている。すなわち、このカー
トリッジホルダ90は、このディスクドライブ装置80
の前方側より挿入操作されるディスクカートリッジを収
納し保持し、下方側に移動操作されることにより、保持
しているディスクカートリッジのフレキシブルディスク
6をディスクテーブル86上に装着させる。このカート
リッジホルダ90は、前方側及び下方側が開放された薄
い筐体状に構成され、前方側より挿入操作されるディス
クカートリッジを収納し得るようになされている。
【0116】そして、シャーシ81上には、カートリッ
ジホルダ90を昇降操作するためのカム板91及びこの
カム板91を前後方向に移動操作するための操作板92
が配設されている。カム板91は、カートリッジホルダ
90とシャーシ81との間に位置して配設され、両側縁
部にそれぞれカム溝が形成された一対の側壁部を有して
いる。これら側壁部のカム溝には、カートリッジホルダ
90の両側部分に突設された倣いピンが対応して係合さ
れている。操作板92は、カートリッジホルダ90の上
方側に位置し、カム板91に連結されている。すなわ
ち、この操作板92を、図11中矢印Kで示すように、
前後方向に移動操作すると、カム板91がこの操作板9
2に追従して前後方向に移動される。カム板91がシャ
ーシ81の後方側に位置している状態においては、カー
トリッジホルダ90は、保持しているディスクカートリ
ッジのフレキシブルディスク6をディスクテーブル86
より上方側に離間させる上方側位置となされる。そし
て、カム板91がシャーシ81の前方側にスライドされ
ると、カートリッジホルダ86は、図11中矢印Jで示
すように、降下され、保持しているディスクカートリッ
ジのフレキシブルディスク6をディスクテーブル86に
装着させる下方側位置となされる。このカム板91は、
図示しない付勢部材により、前方側に向けて弾性付勢さ
れている。また、シャーシ81上の後方側には、カム板
91をシャーシ81上の後方側位置でロックするための
ロックレバー93が設けられている。
【0117】シャーシ81の前端縁には、前面パネル部
94が取付けられている。この前面パネル部94には、
ディスクカートリッジが挿入操作されるためのスリット
95が形成されている。また、この前面パネル部94に
は、イジェクト釦96が前方外方側に臨まされるための
イジェクト釦用開口部97a及び表示灯98が前方外方
側に臨まされるための表示灯用開口部97bが設けられ
ている。イジェクト釦96は、前方側より押圧操作され
ると、操作板92を後方側に移動させることにより、カ
ム板91を後方側に移動させ、このカム板91に対する
ロックレバー93によるロックをさせる。
【0118】そして、シャーシ81上には、このディス
クドライブ装置80の後方側に位置した磁気ヘッド装置
100が配設されている。この磁気ヘッド装置100
は、先に図1に示した磁気ヘッド装置であり、一対の支
持アーム1のそれぞれの先端部1aには、互いに対向す
る位置に、スペーサ部材2が載置され、これらスペーサ
部材2にジンバル3を介してヘッドスライダ4が取り付
けられるような構成を有する。これら支持アーム1は、
図11中矢印Hで示すように、互いの先端部1a同士を
接近させる方向に弾性付勢されている。すなわち、磁気
ヘッド装置100は、一対のヘッドスライダ4が互いに
圧接される方向に付勢されている。これら支持アーム1
は、図11中矢印Lで示すように、スピンドルモータ8
3に対する接離方向である前後方向に移動操作可能とな
されている。
【0119】このディスクドライブ装置80にディスク
カートリッジが装着されるときには、このディスクカー
トリッジは、前面パネル部84のスリット85を介し
て、ディスクドライブ装置80の前方側より挿入操作さ
れる。このディスクカートリッジは、カートリッジホル
ダ90に収納されて保持される。このとき、ディスクカ
ートリッジにおいては、開口部7が開蓋される。そし
て、これら開口部7を介してカートリッジ5の外方側に
臨んだフレキシブルディスク6は、磁気ヘッド装置10
0の一対の支持アーム1の間に挿入される。すなわち、
このとき、フレキシブルディスク6の両主面部には、そ
れぞれ磁気ヘッド装置100のヘッドスライダ4が対向
される。これらヘッドスライダ4は、一対の支持アーム
1により、フレキシブルディスク6の主面部に圧接され
る方向に弾性付勢されている。すなわち、これらヘッド
スライダ4は、フレキシブルディスク6の回転が停止し
ているときには支持アーム1によりフレキシブルディス
ク6の主面部に圧接される。
【0120】このディスクドライブ装置80において、
磁気ヘッド装置100は、所定の回転数で回転するフレ
キシブルディスク6に対してデータ信号を記録再生す
る。このとき、この記録及び/又は再生装置80には、
比較的低い回転数で記録密度の低い第1のフレキシブル
ディスク6を回転させて、下位の磁気ヘッド素子8によ
り信号の記録又は再生を行う下位モードと、比較的高い
回転数で記録密度の高いフレキシブルディスク6を回転
させて、上位の磁気ヘッド素子9により信号の記録及び
/又は再生を行う上位モードとがある。
【0121】これらいずれの場合でも、磁気ヘッド装置
100は、ディスクドライブ装置80内で図11中矢印
Lで示した方向に移動され、フレキシブルディスク6の
所望の領域に記録再生を行う。
【0122】また、上述したようなディスクドライブ装
置80における磁気ヘッド装置100を駆動させるため
には、図12に示すような構成を有する回路が用いられ
る。
【0123】ディスクドライブ装置80は、フレキシブ
ルディスク6をスピンドルモータ63によりCAV(角
速度一定)方式で回転操作する。そして、磁気ヘッド装
置100が備える下位モード用の下位の磁気ヘッド素子
8又は上位モード用の上位の磁気ヘッド素子9によって
信号の記録及び/又は再生を行う。
【0124】磁気ヘッド装置100の備える下位の磁気
ヘッド素子8に対しては、増幅回路111,ディジタル
変調/ディジタル復調回路112(図12中には「MO
D/DEM」と記す。),フォーマット化/フォーマッ
ト分解回路113,バリティ生成/エラー訂正回路11
4(図12中では「バリティGEN/ECC」と記
す。),バッファメモリ115(図12中では「BUF
MEM」と記す。)およびインターフェース116(図
12中では「IF」と記す。)が接続される。同様に、
上位の磁気ヘッド素子9に対しては、増幅回路121,
ディジタル変調/ディジタル復調回路122,フォーマ
ット化/フォーマット分解回路123,バリティ生成/
エラー訂正回路124,バッファメモリ125およびイ
ンターフェース126が接続される。
【0125】また、バッファメモリ115,125およ
びインターフェース116,126には、制御部110
が接続されている。制御部110は、ディスク駆動全体
の動作を制御する機能を有している。この制御部110
としては、例えば、マイクロコンピュータ等を挙げるこ
とができる。この制御部110には、外部からモード信
号が供給される。モード信号は、上位モードと下位モー
ドの一方を指示する信号であり、一例として、カートリ
ッジ5の所定位置に、仕様識別孔があるか否かを検出す
ることにより生成される。
【0126】記録密度の低いフレキシブルディスク6が
ディスクドライブ装置80内に装着されると、モード信
号が下位モードを指示するものとされる。制御部110
は、このモード信号に応答して、トラッキングサーボを
オフとし、また、インターフェース116を動作状態、
インターフェース126を非動作状態とする。この状態
で、データを記録する時には、外部のコンピュータ等か
らの記録データがバッファメモリ115に格納される。
バッファメモリ115からの記録データがバリティ生成
/ECC回路114に供給され、このバリティ生成/E
CC回路114にてエラー訂正符号化され、バリティが
生成される。
【0127】これら記録データおよびバリディは、フォ
ーマット化/フォーマット分解回路113に供給され、
セクタ構造を有する所定のフォーマットのデータに変換
される。そして、フォーマット化されたデータは、ディ
ジタル変調/復調回路112に供給されてディジタル変
調(例えばMFM)される。ディジタル変調されて出力
されたデータ信号は、増幅回路111で増幅され、第1
の磁気ヘッド素子10に供給される。そして、この下位
の磁気ヘッド素子8により、フレキシブルディスク6に
記録が行われる。
【0128】フレキシブルディスク6から下位の磁気ヘ
ッド素子8により再生されたデータは、記録時とは逆
に、増幅回路111で増幅され、その後、ディスク変調
/復調回路112でディジタル復調される。そして、デ
ィジタル復調されて出力されたデータ信号は、フォーマ
ット化/フォーマット分解回路113によりフォーマッ
ト分解され、バリティ生成/ECC回路114に供給さ
れてエラー訂正される。そして、エラー訂正後のデータ
は、バッファメモリ115に格納される。そして、デー
タ信号は、インターフェース116を経て外部のコンピ
ュータ等に取り込まれる。
【0129】ディスクドライブ装置80内に記録密度の
高いフレキシブルディスク6が装着された場合でも、上
述した下位モードの場合と同様に、データの記録または
再生がなされる。但し、インターフェース116が非動
作状態とされ、インターフェース126が動作状態とさ
れる。また、トラック密度を高くするために、トラッキ
ングサーボがオンとされる。さらに、ディジタル変調方
式も、下位モードと異なるものが採用される。さらに、
線記録密度を高くするために、ビダビ復号を使用した
り、ゾーンCAVを使用する場合もある。
【0130】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ジンバルのヘッドスライダが取り付けられた面と
は反対側に、第1の磁気ヘッド素子及び第2の磁気ヘッ
ド素子の磁路を形成するためのバックコアやコイル等を
設けるといった必要がなく、質量の大幅な軽減が可能と
なる。したがって、本発明によれば、ディスク状記録媒
体の面振れ等に対するヘッドスライダの追従性を大幅に
向上させることができ、このヘッドスライダとディスク
状記録媒体との間の相対位置関係を良好に保つことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッド装置によりディス
ク状記録媒体を記録再生する際の構成を示す要部部分断
面図である。
【図2】同磁気ヘッド装置における一方の支持アームの
先端部のみを示す要部斜視図である。
【図3】ヘッドスライダを形成する下位の磁気ヘッド素
子の構成を示す斜視図である。
【図4】ヘッドスライダを形成する上位の磁気ヘッド素
子の構成を示す斜視図である。
【図5】ヘッドスライダを形成するセンタースライダの
構成を示す斜視図である。
【図6】ヘッドスライダの構成を示す斜視図である。
【図7】図6に示すヘッドスライダにコイルが巻回され
た状態を示す斜視図である。
【図8】図7に示すヘッドスライダがジンバルに取り付
けられた状態を示す斜視図である。
【図9】ジンバルの構成を示す斜視図である。
【図10】スペーサー部材の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明を適用したディスクドライブ装置の構
成を示す分解斜視図である。
【図12】同ディスクドライブ装置を駆動する際に用い
られる回路を示すブロック図である。
【図13】従来の磁気ヘッド装置における一方の支持ア
ームの先端部のみを示す要部斜視図である。
【図14】バックコアとこのバックコアに取り付けられ
るボビンの構成を示す斜視図である。
【図15】ヘッドスライダとバックコアとがジンバルを
介して当接された状態を示す斜視図である。
【図16】図13に示すジンバルがスペーサー部材に取
り付けられた状態を示す斜視図である。
【図17】スペーサー部材の構成を示す斜視図である。
【図18】磁気シールド部材の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 支持アーム、2 スペーサー部材、3 ジンバル、
4 ヘッドスライダ、6 フレキシブルディスク、8
下位の磁気ヘッド素子、8a リードライトヘッド、8
b イレーズヘッド、9 上位の磁気ヘッド素子、10
センタースライダ、11 第1のレール、12 第2
のレール、13 第1のコイル、14第1の巻回窓部、
15 第2のコイル、16 第2の巻回窓部、18 第
3のコイル、19 巻回溝、30a,30b 第1の磁
気コア部材、31a,31b第2の磁気コア部材、33
第1の溝部、34 第2の溝部、40a,40b磁気
コア半体、41a,41b 金属磁性膜、42 非磁性
膜、43 第3の巻回窓部、44a,44b 第3の溝
部、50 第1の巻回溝、51 第2の巻回溝、60
載置部、61 固定部、62 連結部、70 載置部、
71 ピボット、72 固定部、80 ディスクドライ
ブ装置、100 磁気ヘッド装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状記録媒体と対向する面から磁
    気ギャップが臨むと共に、ディスク状記録媒体に対して
    第1の記録密度で記録及び/又は再生を行う第1の磁気
    ヘッド素子と、ディスク状記録媒体に対して第2の記録
    密度で記録及び/又は再生を行う第2の磁気ヘッド素子
    とが組み込まれてなるヘッドスライダと、 上記ヘッドスライダのディスク状記録媒体と対向する面
    とは反対側の面に取り付けられたジンバルとを備え、 上記第1の磁気ヘッド素子及び上記第2の磁気ヘッド素
    子は、上記ディスク状記録媒体と上記ジンバルとの間に
    磁路が形成されてなることを特徴とする磁気ヘッド装
    置。
  2. 【請求項2】 上記第1の磁気ヘッド素子は、記録再生
    ヘッド及び消去ヘッドを組み合わせてなるトンネルイレ
    ーズ型磁気ヘッドであり、 上記記録再生ヘッド及び上記消去ヘッドの一方には、デ
    ィスク状記録媒体の面内方向に対して略水平な方向にコ
    イルが巻回されていると共に、他方には、ディスク状記
    録媒体の面内方向に対して略垂直な方向にコイルが巻回
    されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド
    装置。
  3. 【請求項3】 上記記録再生ヘッドには、ディスク状記
    録媒体の面内方向に対して略水平な方向にコイルが巻回
    されていると共に、上記消去ヘッドには、ディスク状記
    録媒体の面内方向に対して略垂直な方向にコイルが巻回
    されていることを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッド
    装置。
  4. 【請求項4】 ディスク状記録媒体に対して信号の記録
    及び/又は再生を行う磁気ヘッド装置を備え、 上記磁気ヘッド装置は、ディスク状記録媒体と対向する
    面から磁気ギャップが臨むと共に、ディスク状記録媒体
    に対して第1の記録密度で記録及び/又は再生を行う第
    1の磁気ヘッド素子と、ディスク状記録媒体に対して第
    2の記録密度で記録及び/又は再生を行う第2の磁気ヘ
    ッド素子とが組み込まれてなるヘッドスライダと、この
    ヘッドスライダのディスク状記録媒体と対向する面とは
    反対側の面に取り付けられたジンバルとを有し、 上記第1の磁気ヘッド素子及び上記第2の磁気ヘッド素
    子は、上記ディスク状記録媒体と上記ジンバルとの間に
    磁路が形成されてなることを特徴とするディスクドライ
    ブ装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の磁気ヘッド素子は、記録再生
    ヘッド及び消去ヘッドを組み合わせてなるトンネルイレ
    ーズ型磁気ヘッドであり、 上記記録再生ヘッド及び消去ヘッドの一方には、ディス
    ク状記録媒体の面内方向に対して略水平な方向にコイル
    が巻回されていると共に、他方には、ディスク状記録媒
    体の面内方向に対して略垂直な方向にコイルが巻回され
    ていることを特徴とする請求項4記載のディスクドライ
    ブ装置。
  6. 【請求項6】 上記記録再生ヘッドには、ディスク状記
    録媒体の面内方向に対して略水平な方向にコイルが巻回
    されていると共に、上記消去ヘッドには、ディスク状記
    録媒体の面内方向に対して略垂直な方向にコイルが巻回
    されていることを特徴とする請求項5記載のディスクド
    ライブ装置。
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