JP2000215406A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置

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JP2000215406A
JP2000215406A JP11014514A JP1451499A JP2000215406A JP 2000215406 A JP2000215406 A JP 2000215406A JP 11014514 A JP11014514 A JP 11014514A JP 1451499 A JP1451499 A JP 1451499A JP 2000215406 A JP2000215406 A JP 2000215406A
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disk
magnetic
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recording
magnetic head
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JP11014514A
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Kiyoshi Hasegawa
潔 長谷川
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性を劣化させることなくヘッドス
ライダの薄型化を図り、装置全体の小型化を実現する。 【解決手段】 第2のヘッドチップ132用のコイル1
57をバックコア部材156に巻回し、この第2のヘッ
ドチップ132用のコイル157が巻回されたバックコ
ア部材156をヘッドスライダ133に設けられた切り
欠き凹部155を跨ぐようにヘッドスライダ133に接
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状記録媒
体に対してデータの記録及び/又は再生を行う磁気ヘッ
ド装置に関し、特に、記録密度の異なる複数のディスク
状記録媒体に対応した磁気ヘッド装置に適用して好適な
磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可撓性を有するディスク基板の主
面に信号記録部が形成されてなる直径3.5インチの磁
気ディスク(フレキシブルディスク)を記録媒体として
用いる磁気ディスク装置が、パーソナルコンピュータを
始めとしてオフィスコンピュータやワードプロセッサー
等の外部記憶装置として広く用いられている。
【0003】このような磁気ディスク装置は、磁気ヘッ
ド装置を備え、この磁気ヘッド装置を用いて、装着され
たフレキシブルディスクに対してデータの記録及び/又
は再生を行っている。
【0004】磁気ディスク装置の備える磁気ヘッド装置
の一例を図30に示す。この図30に示す磁気ヘッド装
置300は、図示しないベースに対して移動可能に取り
付けられたキャリッジ本体302を備える。このキャリ
ッジ本体302は、図示しないヘッド送り機構によっ
て、磁気ディスク装置内に装着されたフレキシブルディ
スク301の径方向に送り操作される。
【0005】キャリッジ本体302には、その下端側
に、ディスクテーブル303上に載置されたフレキシブ
ルディスク301の下面側に延長される第1のサスペン
ションアーム304が突設されている。また、キャリッ
ジ本体302の上端側には、ディスクテーブル303上
に載置されたフレキシブルディスク301の上面側に第
1のサスペンションアーム304と相対向するように延
長される第2のサスペンションアーム305が取り付け
られている。この第2のサスペンションアーム305
は、その基端部が板バネ306を介してキャリッジ本体
302の上端側に取り付けられ、フレキシブルディスク
301に近接離間する方向に回動可能とされている。
【0006】なお、第2のサスペンションアーム305
は、板バネ306の付勢力を受けて、先端側がディスク
テーブル303上のフレキシブルディスク301に近接
する方向に回動付勢されている。
【0007】フレキシブルディスク301の上下面に延
長された第1及び第2のサスペンションアーム304,
305の主面部の先端側には、相対向する一方の面側
に、第1及び第2の磁気ヘッド部307,308がそれ
ぞれ取り付けられている。第1及び第2の磁気ヘッド部
307,308は、ディスクテーブル303上のフレキ
シブルディスク301と対向する側にて磁気ギャップが
露呈する磁気ヘッド素子をそれぞれ備えている。
【0008】磁気ヘッド装置300は、第2のサスペン
ションアーム305を板バネ306の付勢力に抗してデ
ィスクテーブル303から離間する方向に回動操作して
ディスクテーブル303上にフレキシブルディスク30
1を装着した後に、第2のサスペンションアーム305
をフレキシブルディスク301に近接する方向に回動操
作して、第1のサスペンションアーム304の先端側に
取り付けられた第1の磁気ヘッド部307と、第2のサ
スペンションアーム305の先端側に取り付けられた第
2の磁気ヘッド部308との間に、ディスクテーブル3
03上のフレキシブルディスク301を挟み込んで、第
1の磁気ヘッド部307の備える磁気ヘッド素子又は第
2の磁気ヘッド部308の備える磁気ヘッド素子によ
り、フレキシブルディスク301に対してデータの書き
込み及び/又は読み出しを行うようにしている。
【0009】ところで、近年、実用化されているフレキ
シブルディスクよりも記録密度の高い高密度フレキシブ
ルディスクが提案されている。この高密度フレキシブル
ディスクは、従来のフレキシブルディスクと外形寸法を
同じくしながら、記憶容量を、従来のフレキシブルディ
スクの2メガバイトから数10メガバイト乃至数100
メガバイトへと飛躍的に増大させている。
【0010】このような高密度フレキシブルディスクに
対して記録及び/又は再生を行う磁気ディスク装置とし
ては、利便性等の観点から、高密度フレキシブルディス
クに対して高密度記録モードで記録及び/又は再生を行
うことを可能としながら、従来のフレキシブルディスク
に対しても低密度記録モードで記録及び/又は再生を行
うことができる、いわゆる下位互換を有するものが提案
されている。
【0011】このような下位互換を実現した磁気ディス
ク装置の備える磁気ヘッド装置310は、図31に示す
ように、磁気ヘッド部311が、回転操作されるフレキ
シブルディスク上を浮上し得るようにレール加工が施さ
れたヘッドスライダ312を備えている。そして、この
ヘッドスライダ312に、高密度フレキシブルディスク
に対応した上位の磁気ヘッド素子313と、従来のフレ
キシブルディスクに対応した下位の磁気ヘッド素子31
4とがそれぞれ組み込まれている。
【0012】また、このヘッドスライダ312の厚み方
向の中途部には、上位の磁気ヘッド素子313にコイル
を巻回するためのコイル巻回用凹部315が、このヘッ
ドスライダ312の側面にて開口するように設けられお
り、このコイル巻回用凹部315からヘッドスライダ3
12に組み込まれた上位の磁気ヘッド素子313の一部
が外部に臨まされるようになされている。そして、この
コイル巻回用凹部315から外部に臨まされた上位の磁
気ヘッド素子313にコイル316が巻回されている。
【0013】この磁気ヘッド部311は、記録及び/又
は再生装置内に大容量フレキシブルディスクが装着され
たときは、ヘッドスライダ312が、装着された大容量
フレキシブルディスク上を所定の浮上量で浮上しなが
ら、上位の磁気ヘッド素子313によって、この大容量
フレキシブルディスクに対して信号の書き込み又は読み
出しを行う。
【0014】また、この磁気ヘッド部311は、記録及
び/又は再生装置内に従来のフレキシブルディスクが装
着されたときは、ヘッドスライダ312が、装着された
従来のフレキシブルディスク上を摺動しながら、下位の
磁気ヘッド素子314によって、この従来のフレキシブ
ルディスクに対して信号の書き込み又は読み出しを行
う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した磁
気ディスク装置においては、設置スペースの省スペース
化等の観点から、薄型化を図ることが望まれている。そ
して、この磁気ディスク装置の薄型化を実現するため
に、磁気ヘッド装置310に対しても小型化が要求され
てきている。磁気ヘッド装置310の小型化を考えた場
合、ヘッドスライダの厚みを薄くすることにより、磁気
ヘッド装置310全体の薄型化を図ることが有効であ
る。
【0016】しかしながら、上述した磁気ヘッド装置3
10においては、ヘッドスライダ312の厚みを薄くす
ると、以下のような問題が生じていた。すなわち、上述
した磁気ヘッド装置310において、ヘッドスライダ3
12の厚みを薄くすると、このヘッドスライダ312の
厚み方向の中途部にはコイル巻回用凹部315が設けら
れているので、ヘッドスライダ312に必要な磁気特性
や強度が保てなくなる。したがって、ヘッドスライダ3
12に必要な磁気特性や強度を保ちながらその厚みを小
さくするには、コイル巻回用凹部315の高さを小さく
する必要がある。
【0017】コイル巻回用凹部315の高さを小さくす
ると、図32に示すように、上位の磁気ヘッド素子31
3のコイル316が図32中矢印Zで示すヘッドスライ
ダ312の高さ方向に密に巻回されることになる。この
ように、上位の磁気ヘッド素子313のコイル316が
ヘッドスライダ312の高さ方向Zに密に巻回される
と、ヘッドスライダ312には、コイル巻回用凹部31
5をその高さ方向に広げる歪みが加わる。その結果、図
33に示すように、ヘッドスライダ312上面における
上位の磁気ヘッド素子313が設けられた部分は、平坦
性が失われ、例えば、上位の磁気ヘッド素子313の磁
気ギャップが露呈する部分に局部的に凹部が形成されて
しまう場合がある。なお、図33はヘッドスライダ31
2上面の状態を示す図であり、縦軸はヘッドスライダ3
12上面の高さ位置を示し、横軸は図32中矢印Xで示
すヘッドスライダ313の長さ方向の距離を示してい
る。
【0018】磁気ヘッド装置310は、以上のように、
ヘッドスライダ312の上面に形状の変化が生じると、
フレキシブルディスクに対する上位の磁気ヘッド素子3
13の良好な位置関係が維持できずに、電磁変換特性の
劣化を招いてしまう場合があった。
【0019】そこで、本発明は、電磁変換特性を劣化さ
せることなくヘッドスライダの薄型化を図り、小型化を
実現することが可能な磁気ヘッド装置及びこの磁気ヘッ
ド装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために提案される本発明に係る磁気ヘッド装置は、サス
ペンションアームの先端部に磁気ヘッド素子が組み込ま
れたヘッドスライダが取り付けられてなり、上記磁気ヘ
ッド素子の磁気ギャップを回転操作されるディスク状記
録媒体の情報記録面に対向させて、上記ディスク状記録
媒体の情報記録面に対して情報の書き込み及び/又は読
み出しを行う磁気ヘッド装置において、上記ヘッドスラ
イダには、上記サスペンションアームと対向する底面及
びその側面にて開口する凹部が形成されており、上記磁
気ヘッド素子は、磁性材よりなるバックコア部材が上記
凹部を跨ぐように上記ヘッドスライダに接合されること
により閉磁路が構成されていると共に、上記バックコア
部材に上記磁気ヘッド素子用のコイルが巻回されている
ことを特徴としている。
【0021】以上のように構成される本発明に係る磁気
ヘッド装置は、磁気ディスク装置等の記録及び/又は再
生装置に設けられ、ヘッドスライダに組み込まれた磁気
ヘッド素子の磁気ギャップが、記録及び/又は再生装置
に装着されたディスク状記録媒体の情報記録面に対向し
て、このディスク状記録媒体に情報の書き込み及び/又
は読み出しを行う。
【0022】ヘッドスライダに組み込まれた磁気ヘッド
素子は、ヘッドスライダの底面及び側面にて開口するよ
うに設けられた凹部により、磁路が開放された状態とさ
れている。そして、磁性材よりなるバックコア部材がこ
の凹部を跨ぐようにヘッドスライダに接合されることに
より、磁気ヘッド素子は、閉磁路が構成される。また、
ヘッドスライダに接合されたバックコア部材には、磁気
ヘッド素子用のコイルが巻回されている。
【0023】この磁気ヘッド装置においては、以上のよ
うに、磁気ヘッド素子用のコイルがヘッドスライダに接
合されるバックコア部材に巻回されているので、ヘッド
スライダの変形を生じさせることなく、コイルの巻き線
スペースを維持しながらヘッドスライダの薄型化が可能
となり、装置全体の小型化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0025】この実施の形態は、第1の記録密度でデー
タが記録される第1のフレキシブルディスクを収納した
第1のディスクカートリッジと、第1の記録密度より記
録密度が高い第2の記録密度でデータが記録される第2
のフレキシブルディスクを収納した第2のディスクカー
トリッジのいずれか一方を選択的に用いてデータの記録
及び/又は再生を行うことを可能とした磁気ディスク装
置の備える磁気ヘッド装置に本発明を適用した例であ
る。なお、本発明に係る磁気ヘッド装置は、この例に限
定されるものではなく、1種類又は3種類以上のディス
クカートリッジを用いる磁気ディスク装置の備える磁気
ヘッド装置や、光磁気ディスクを記録媒体として用いる
光磁気ディスク装置の備える磁気ヘッド装置等に適用可
能であることは勿論である。
【0026】ディスクカートリッジ 先ず、本発明を適用した磁気ヘッド装置を備える磁気デ
ィスク装置の説明に先立って、この磁気ディスク装置に
用いられる第1及び第2のディスクカートリッジについ
て説明する。これらディスクカートリッジに収納される
磁気ディスクは、いずれも直径を3.5インチとして形
成されている。
【0027】第1のディスクカートリッジ1は、図1及
び図2に示すように、第1の記録密度でデータが記録さ
れ、2メガバイト程度の記録容量を有する第1のフレキ
シブルディスク2を収納するものである。
【0028】第1のディスクカートリッジ1に収納され
る第1のフレキシブルディスク2は、可撓性を有する合
成樹脂製のディスク基板3を有し、このディスク基板3
の両主面に磁性層を被着して信号記録部を形成してい
る。ディスク基板3の中心には円形の中心孔が穿設さ
れ、この中心孔を閉塞するようにハブ4が取り付けられ
ている。
【0029】ハブ4は、ステンレスや鉄等の磁性材料を
用いて形成され、筒状に形成した突出部を中心孔に嵌合
し、突出部の外周囲に設けたフランジ部を中心孔の周縁
に接着させてディスク基板3に取り付けられている。ハ
ブ4の中心部には、磁気ディスク装置側に設けられるデ
ィスク回転駆動機構のスピンドルが挿通される矩形状を
なすスピンドル孔4aが穿設され、中心部に対し偏心し
た位置にディスク回転駆動機構に設けられる駆動ピンが
係合する長方形状をなす駆動ピン係合孔4bが穿設され
ている。
【0030】以上のように形成された第1のフレキシブ
ルディスク2は、上下一対のハーフ5,6を突き合わせ
結合して形成したカートリッジ本体7内に回転可能に収
納される。
【0031】第1のフレキシブルディスク2を収納した
カートリッジ本体7の下面側の略中央部には、図2に示
すように、ディスク回転駆動機構を構成するディスクテ
ーブルが進入する円形をなす中央開口部8が設けられて
いる。また、カートリッジ本体7の上下面の相対向する
位置には、図1及び図2に示すように、矩形状の記録及
び/又は再生用の開口部9,10が設けられている。こ
れら記録及び/又は再生用の開口部9,10は、カート
リッジ本体7の左右方向の中央部に位置し、中央開口部
8の近傍からカートリッジ本体7の前面側に亘って形成
されている。
【0032】カートリッジ本体7に収納された第1のフ
レキシブルディスク2は、記録及び/又は再生用の開口
部9,10を介して、信号記録部の一部が内外周に亘っ
て外方に臨まされる。
【0033】さらに、カートリッジ本体7の背面側の一
方のコーナ部には、図1及び図2に示すように、収納さ
れているフレキシブルディスク2にデータの重ね記録を
規制する誤記録防止孔11が設けられている。また、カ
ートリッジ本体7の下面側の誤記録防止孔11が設けら
れた側とは反対側の他方のコーナ部には、図1に示すよ
うに、カートリッジ本体7に収納されたフレキシブルデ
ィスクの種類を示すディスク識別孔12が設けられてい
る。このディスク識別孔12を検出することによって、
カートリッジ本体7に収納されたフレキシブルディスク
が2メガバイトの記録容量を有するものであることが識
別される。
【0034】また、カートリッジ本体7の下面側には、
図2に示すように、第1のディスクカートリッジ1を磁
気ディスク装置に装着したとき、この第1のディスクカ
ートリッジ1を磁気ディスク装置側に設けられた装着位
置に位置決めするための位置決めピン係合孔18,19
が設けられている。これら位置決めピン係合孔18,1
9は、図2に示すように、記録及び/又は再生用の開口
部9,10の両側に位置するように設けられている。
【0035】第1のディスクカートリッジ1には、図1
及び図2に示すように、記録及び/又は再生用の開口部
9,10を開閉するシャッタ部材13が取り付けられて
いる。シャッタ部材13は、アルミニウム、ステンレス
等の金属板を用いて、あるいは合成樹脂を成形して断面
コ字状に形成され、カートリッジ本体7の前面側から記
録及び/又は再生用の開口部9,10を覆うように嵌合
され、これら開口部9,10を開閉する方向、すなわち
図3及び図4中矢印C1方向及び矢印C2方向に移動可能
に取り付けられている。
【0036】シャッタ部材13のカートリッジ本体7の
上下面に延在され記録及び/又は再生用の開口部9,1
0を覆うシャッタ部13a,13bには、シャッタ部材
13が図1及び図2中矢印C1方向に移動され、記録及
び/又は再生用の開口部9,10を開放した位置に移動
したとき 開口部9,10に対応してこれら記録及び/
又は再生用の開口部9,10を開放する矩形状の切り欠
き穴14,15が設けられている。
【0037】なお、シャッタ部材13は、シャッタ部1
3a,13bが記録及び/又は再生用の開口部9,10
を閉塞する図1及び図2中矢印C2方向へ、カートリッ
ジ本体7内に配設された図示しないバネ部材により付勢
されている。
【0038】第2のディスクカートリッジ21は、図3
及び図4に示すように、第1の記録密度よりも記録密度
が高い第2の記録密度でデータが記録され、200メガ
バイト程度の記録容量を有する第2のフレキシブルディ
スク22を収納するものである。そして、この第2のデ
ィスクカートリッジ21は、前述した第1のディスクカ
ートリッジ1と大きさ及び厚さを共通に形成されてい
る。
【0039】第2のディスクカートリッジ21に収納さ
れる第2のフレキシブルディスク22は、前述した第1
のフレキシブルディスク2と同様に、可撓性を有する合
成樹脂製のディスク基板23を有し、このディスク基板
23の両主面に磁性層を被着して信号記録部を形成して
いる。ディスク基板23の中心には円形の中心孔が穿設
され、この中心孔を閉塞するようにハブ24が取り付け
られている。
【0040】ハブ24は、ステンレスや鉄等の磁性材料
を用いて形成され、筒状に形成した突出部を中心孔に嵌
合し、突出部の外周囲に設けたフランジ部を中心孔の周
縁に接着させてディスク基板23に取り付けられてい
る。このハブ24の中心部には、磁気ディスク装置側に
設けられるディスク回転駆動機構のスピンドルが挿通さ
れる円形をなすスピンドル孔24aが穿設され、中心部
に対し偏心した位置にディスク回転駆動機構に設けられ
る駆動ピンが挿通する長方形状をなす駆動ピン挿通孔2
4bが穿設されている。
【0041】以上のように形成された第2のフレキシブ
ルディスク22は、上下一対のハーフ25,26を突き
合わせ結合して形成したカートリッジ本体27内に回転
可能に収納される。
【0042】第2のフレキシブルディスク22を収納し
たカートリッジ本体27の下面側の略中央部には、図3
に示すように、ディスク回転駆動機構を構成するディス
クテーブルが進入する円形をなす中央開口部28が設け
られている。また、カートリッジ本体27の上下面の相
対向する位置には、図3及び図4に示すように、矩形状
の記録及び/又は再生用の開口部29,30が設けられ
ている。これら記録及び/又は再生用の開口部29,3
0は、カートリッジ本体27の左右方向の中央部に位置
し、中央開口部28の近傍からカートリッジ本体27の
前面側に亘って形成されている。
【0043】カートリッジ本体27に収納された第2の
フレキシブルディスク22は、記録及び/又は再生用の
開口部29,30を介しては信号記録部の一部が内外周
に亘って外方に臨まされる。
【0044】ところで、第2のフレキシブルディスク2
2は、高容量化を実現するため、外周縁近傍まで信号記
録部としている。第2のフレキシブルディスク22の外
周縁近傍まで形成された信号記録部をカートリッジ本体
27の外方のに臨ませ、磁気ディスク装置側の磁気ヘッ
ドによってアクセスし得るように、記録及び/又は再生
用の開口部29,30は、前述した第1のディスクカー
トリッジ1に設けた記録及び/又は再生用の開口部9,
10に比し大きく形成されている。すなわち、第2のデ
ィスクカートリッジ21に設けられる記録及び/又は再
生用の開口部29,30は、図3に示すように、カート
リッジ本体27の前面近傍まで拡大して形成されてい
る。
【0045】さらに、カートリッジ本体27の背面側の
他方のコーナ部には、図3及び図4に示すように、収納
されている第2のフレキシブルディスク22にデータの
重ね記録を規制する誤記録防止孔31が設けられてい
る。誤記録防止孔31は、第1のディスクカートリッジ
1とは逆の位置に設けられている。また、カートリッジ
本体27の下面側の誤記録防止孔31が設けられた側と
は反対側の一方のコーナ部には、図4に示すように、検
出孔32が設けられている。この検出孔32は、第1の
ディスクカートリッジ1の誤記録防止孔11が設けられ
る位置に設けられて、第1のディスクカートリッジ1の
みを用いる磁気ディスク装置に装着されたとき、この磁
気ディスク装置に設けられた誤記録検出機構によって検
出され、第2のフレキシブルディスク22へのデータの
記録を禁止し、第2のフレキシブルディスク22に高密
度で記録されたデータが消去されてしまうことを防止す
るものである。
【0046】また、カートリッジ本体27の下面側に
は、図4に示すように、第2のディスクカートリッジ2
1を磁気ディスク装置に装着したとき、この装置側に設
けられた装着位置を位置決めする位置決めピン係合孔3
8,39が設けられている。これら位置決めピン係合3
8,39は、図4に示すように、記録及び/又は再生用
の開口部29,30の両側に位置するように設けられて
いる。そして、カートリッジ本体27の下面側には、図
4に示すように、一方の位置決めピン係合孔38に隣接
するようにして、カートリッジ本体27に収納されたフ
レキシブルディスクの種類を示すディスク識別孔33が
設けられている。このディスク識別孔33を検出するこ
とによって、カートリッジ本体27に収納されたフレキ
シブルディスクが200メガバイトの記録容量を有する
ものであることが識別される。
【0047】さらに、カートリッジ本体27の上面側
で、記録及び/又は再生用の開口部29,30が設けら
れる前面側の一方のコーナ部に位置して、磁気ディスク
装置への挿入方向を規制する誤挿入防止用の溝部40が
設けられている。
【0048】また、第2のディスクカートリッジ21に
は、第1のディスクカートリッジ1と同様に記録及び/
又は再生用の開口部29,30を開閉するシャッタ部材
43が取り付けられている。このシャッタ部材43は、
第1のディスクカートリッジ1のシャッタ部材13と同
様にアルミニウム、ステンレス等の金属板を用いて、あ
るいは合成樹脂を成形して形成されている。
【0049】第2のディスクカートリッジ21に設けら
れるシャッタ部材43は、記録及び/又は再生用の開口
部29,30を閉塞するに足る大きさのシャッタ部43
a,43bを有し、これらシャッタ部43a,43bを
連結するとともに、このシャッタ部材43をカートリッ
ジ本体27に支持させるための断面コ字状をなすシャッ
タ支持部44,45がシャッタ部43a,43bの基端
部側の両側に突設され、全体で略T字状をなすように形
成されている。
【0050】ところで、第2のディスクカートリッジ2
1に設けられる記録及び/又は再生用の開口部29,3
0は、第2のフレキシブルディスク22の外周縁近傍ま
で形成された信号記録部をカートリッジ本体27の外方
のに臨ませるようにするため、カートリッジ本体27の
前面近傍まで形成され、前述した第1のディスクカート
リッジ1に設けた記録及び/又は再生用の開口部9,1
0に比し大きく形成されている。このように大型化され
た記録及び/又は再生用の開口部29,30を確実に開
放するため、図3に示すように、シャッタ部材43の一
方のシャッタ支持部44には、シャッタ部材43が記録
及び/又は再生用の開口部29,30を開放した位置に
移動されたとき、これら記録及び/又は再生用の開口部
29,30のカートリッジ本体27の前面側を開放する
切り欠き凹部46が形成されている。すなわち、シャッ
タ支持部44のカートリッジ本体27の上下面に延長さ
れる部分に切り欠き凹部46が形成されている。
【0051】上述のように形成されたシャッタ部材43
は、カートリッジ本体27の前面側からシャッタ部43
a,43bが記録及び/又は再生用の開口部29,30
上に延長されるように嵌合され、シャッタ部43a,4
3bがこれら開口部29,30を開閉する図3及び図4
中矢印C1方向及び矢印C2方向に移動可能に取り付けら
れている。
【0052】なお、シャッタ部材43は、シャッタ部4
3a,43bが記録及び/又は再生用の開口部29,3
0を閉塞する図3及び図4中矢印C2方向に、カートリ
ッジ本体27内に配設された図示しないバネ部材により
付勢されている。
【0053】磁気ディスク装置 次に、上述したように構成された第1の記録密度でデー
タが記録される第1のフレキシブルディスク2を収納し
た第1のディスクカートリッジ1と、第1の記録密度よ
り記録密度が高い第2の記録密度でデータが記録される
第2のフレキシブルディスク22を収納した第2のディ
スクカートリッジ21のいずれか一方を選択的に用いて
データの記録及び/又は再生を行うことを可能とする磁
気ディスク装置について説明する。
【0054】この磁気ディスク装置50は、図5及び図
6に示すように、薄い金属板を断面コ字状に折り曲げて
形成した一対の上下カバー51,52突き合わせて形成
した装置本体53を有し、この装置本体53内に金属板
やアルミダイキャスト等により形成されたベース54を
収納している。
【0055】装置本体53の前面側には、合成樹脂など
によって形成されたフロントパネル55が着脱自在に取
り付けられている。フロントパネル55の上縁側には、
第1又は第2のディスクカートリッジ1,21がシャッ
タ部材13,43が取り付けられた前面側を挿入端とし
て水平に挿入されるに足る大きさを有するカートリッジ
挿脱口56が設けられている。カートリッジ挿脱口56
は、第1又は第2のディスクカートリッジ1,21が装
置本体53内に装着されない状態において、装置本体5
3の内方に向かって回動可能にフロントパネル55に取
り付けられた開閉蓋57により閉塞されている。
【0056】フロントパネル54の下縁側には、装置本
体53内に装着された第1又は第2のディスクカートリ
ッジ1,21を装置本体53内から排出させるイジェク
ト機構を動作させるイジェクト釦58が設けられてい
る。
【0057】装置本体53内に配設されたベース54に
は、装置本体53内に装着された第1又は第2のディス
クカートリッジ1,21に収納された第1又は第2の磁
気ディスク2,22を回転駆動するディスク回転駆動機
構61が配設されている。このディスク回転駆動機構6
1は、図6に示すように、ベース54に取り付けられた
スピンドルモータ62と、スピンドルモータ62のスピ
ンドル63の先端側にこのスピンドル63と一体に回転
するように取り付けられたディスクテーブル64を備え
ている。
【0058】ディスクテーブル64の第1又は第2のフ
レキシブルディスク2,22が載置される面側には、フ
レキシブルディスク2,22に取り付けたハブ4,24
を吸引するためのマグネット65が取り付けられてい
る。また、ディスクテーブル64のフレキシブルディス
ク2,22の載置面側には、スピンドル63に対し偏心
した位置にハブ4,24に設けた駆動ピン係合孔4b又
は駆動ピン挿通孔24bに係合又は挿通する駆動ピン6
6が突設されている。駆動ピン66は、ディスクテーブ
ル64の外周側に向かって図示しない引っ張りバネなど
の付勢部材を介して付勢されている。
【0059】そして、ベース54の下面側には、電子回
路基板70が取り付けけられている。この電子回路基板
70上には、種々の電子回路及び検出スイッチが配設さ
れている。
【0060】また、ベース54のディスクテーブル64
が配設される上面側には、カートリッジ挿脱口56を介
して装置本体53内に挿入された第1又は第2のディス
クカートリッジ1,21を保持するカートリッジ保持部
材を構成するカートリッジホルダ71が配設されてい
る。
【0061】このカートリッジホルダ71は、相対向す
る両側に装置本体53内に挿入された第1又は第2のデ
ィスクカートリッジ1,21の両側を保持するカートリ
ッジ保持部71a,71bを有し、前方側及び下方側が
開放された薄い筐体状に形成されている。このカートリ
ッジホルダ71は、カートリッジ挿脱口56を介して装
置本体53内に挿入された第1又は第2のディスクカー
トリッジ1,21を保持してベース54に組み込まされ
たカートリッジローディング機構によって、ディスク回
転駆動機構61のディスクテーブル64から離間した位
置とディスクテーブル64側に近接した位置間に亘る上
下方向に移動操作され、このカートリッジホルダ71に
保持した第1又は第2のディスクカートリッジ1,21
に収納された第1又は第2のフレキシブルディスク2,
22をディスクテーブル64上にローディングさせ、又
はディスクテーブル64上にローディングされたフレキ
シブルディスク2,22をアンローディングさせる。
【0062】そして、ベース54の上面側には、このベ
ース54とカートリッジホルダ71間に位置して、カー
トリッジホルダ71をベース54に配設されたディスク
回転駆動機構61に対し近接離間する方向に昇降操作す
るカートリッジローディング機構を構成する昇降操作板
72が配設されている。
【0063】この昇降操作板72の相対向する両側に
は、図6に示すように、傾斜面を設けたカム片73,7
4が立ち上がり形成されている。これらカム片73,7
4上には、カートリッジホルダ71の両側に突設した支
持ピン69が載置されている。そして、昇降操作板72
は、図示しない付勢部材により、図6中矢印X2方向に
移動付勢されている。また、ベース54上の後方側に
は、昇降操作板72が図6中矢印X1方向の後方側に移
動されたとき、昇降操作板72を後方側に移動させた位
置にロックするためのロックレバー77が設けられてい
る。
【0064】また、ベース54上の後方側には、図示し
ないが、昇降操作板72を付勢部材の付勢力に抗して図
6中矢印X1方向に移動操作するイジェクト用モータが
配設されている。
【0065】昇降操作板72は、カートリッジ挿脱口5
6を介して装置本体53内に第1又は第2のディスクカ
ートリッジ1,21を挿入可能な状態とするとき、イジ
ェクト用モータにより図6中矢印X1方向に移動操作さ
れ、ベース54の後方側の位置に移動されている。この
とき、昇降操作板72は、ロックレバー77にロックさ
れ、ベース54の後方側に移動された位置に保持されて
いる。昇降操作板72がロックレバー77にロックされ
た状態にあるとき、カートリッジホルダ71は、支持ピ
ン69を昇降操作板72のカム片73,74の上面側に
支持され、ディスク回転駆動機構61のディスクテーブ
ル64から離間された上昇位置に保持されている。
【0066】カートリッジホルダ71は、上昇位置に保
持されているとき、前面側の開放端をカートリッジ挿脱
口56に対向させた状態に置かれている。ここで、カー
トリッジ挿脱口56を介して第1又は第2のディスクカ
ートリッジ1,21をカートリッジホルダ71内に挿入
すると、ロックレバー77が第1又は第2のディスクカ
ートリッジ1,21によって回動操作される。第1又は
第2のディスクカートリッジ1,21が、カートリッジ
ホルダ71内のカートリッジ挿入位置まで挿入される
と、ロックレバー77の昇降操作板72に対するロック
が解除される。
【0067】昇降操作板72は、ロックレバー77によ
るロックが解除されると、付勢部材の付勢力を受けて図
6中矢印X2方向に移動操作される。昇降操作板72が
図6中矢印X2方向に移動すると、支持ピン69がカム
片72,73の傾斜面に沿って移動し、カートリッジホ
ルダ71が図6中矢印L1方向のベース54側のディス
クテーブル64側に降下され、カートリッジホルダ71
に保持された第1又は第2のディスクカートリッジ1,
21をベース54上に構成されたカートリッジ装着部7
5に位置決め装着させるとともに第1又は第2のディス
クカートリッジ1,21に収納された第1又は第2のフ
レキシブルディスク2,22をディスクテーブル64上
にローディングする。このとき、第1又は第2のフレキ
シブルディスク2,22は、スピンドル63がハブ4,
24に設けたスピンドル孔4a,24aに挿通し、駆動
ピン66が駆動ピン係合孔4b又は駆動ピン挿通孔24
bに挿通し、マグネット65によりハブ4,24が吸引
されてディスクテーブル64上に載置され、ディスクテ
ーブル64と一体に回転可能な状態となる。
【0068】ここで、スピンドルモータ62が駆動され
ることにより、第1又は第2のフレキシブルディスク
2,22はディスクテーブル64と一体に回転駆動され
る。
【0069】なお、第1のフレキシブルディスク2は、
ディスクテーブル64と一体に回転駆動されることによ
り、駆動ピン66が駆動ピン係合孔4bの外周側の一側
面に圧着することにより、矩形状に形成されたスピンド
ル孔4aのコーナ部をスピンドル63の周面に圧着さ
せ、スピンドル63の回転中心に回転中心を一致させた
センタリングが図られる。
【0070】なお、カートリッジ装着部75には、第1
又は第2のディスクカートリッジ1,21に設けた位置
決めピン係合孔18,19又は38,39に相対係合す
る位置決めピンが設けられている。これら位置決めピン
が、位置決めピン係合孔18,19又は38,39に係
合することにより、カートリッジ装着部75に装着され
る第1又は第2のディスクカートリッジ1,21の水平
方向及び高さ方向の位置決めが図られる。
【0071】第1又は第2のフレキシブルディスク2,
22がディスクテーブル64上にローディングされたと
き、第1又は第2のディスクカートリッジ1,21は位
置決めピンにより水平方向及び高さ方向の位置決めが図
られてカートリッジ装着部75に装着されることから、
第1又は第2のフレキシブルディスク2,22は、カー
トリッジ本体7,27の上下面の略中間位置に位置して
カートリッジ本体7,27の上下の内面に接触しないよ
うに回転駆動される。
【0072】また、第1又は第2のディスクカートリッ
ジ1,21に設けたシャッタ部材13,43は、カート
リッジホルダ71に挿入されるとき、ロックレバー77
と一体に設けられたシャッタ部材開放ピン78により記
録及び/又は再生用の開口部9,10又は29,30を
開放する方向に移動され、これら開口部9,10又は2
9,30を開放する。
【0073】第1又は第2のフレキシブルディスク2,
22をディスクテーブル64上にローディングさせるよ
うにカートリッジ装着部75に装着された第1又は第2
のディスクカートリッジ1,21を装置本体53内から
イジェクトするには、フロントパネル54に設けたイジ
ェクト釦58を操作する。イジェクト釦58が操作され
ると、イジェクト用モータが駆動され、このモータによ
って昇降操作板72が付勢部材の付勢力に抗して図6中
矢印X1方向に移動操作される。昇降操作板72が図6
中矢印X1方向に移動されると、支持ピン69がカム片
72,73の傾斜面に沿って移動し、カートリッジホル
ダ71が図6中矢印L2方向のベース54から離間する
方向の上昇方向に移動され、第1又は第2のディスクカ
ートリッジ1,21をベース54上に構成されたカート
リッジ装着部75から上昇させ、第1又は第2のフレキ
シブルディスク2,22をディスクテーブル64からア
ンローディングする。
【0074】カートリッジホルダ71がベース54から
離間した上昇位置に移動されると、ロックレバー77が
回動され、カートリッジホルダ71に保持された第1又
は第2のディスクカートリッジ1,21をカートリッジ
ホルダ71から排出する方向に押圧操作し、その一部を
カートリッジ挿脱口56から突出させる。
【0075】ロックレバー77は、第1又は第2のディ
スクカートリッジ1,21をカートリッジホルダ71か
ら排出する方向に押圧操作すように回動したとき、昇降
操作板72に係合し、この昇降操作板72を付勢部材の
付勢力に抗して図6中矢印X1方向に移動させたイジェ
クト位置に保持する。
【0076】装置本体53内に配設されるベース54の
下面側に配設される電子回路基板70上には、図6に示
すように、操作子をベース54の上面側に突出させるよ
うにして、第1又は第2のディスクカートリッジ1,2
1の装着の有無を有無を検出するディスクイン検出スイ
ッチ81と、第1又は第2のディスクカートリッジ1,
21に設けた誤記録防止穴11,31の開放の有無を検
出する第1及び第2の誤記録防止検出スイッチ82,8
3が設けられている。また、電子回路基板70上には、
図6に示すように、第2のディスクカートリッジ21に
設けたディスク識別孔33を検出するディスク容量検出
スイッチ84が設けられている。このディスク容量検出
スイッチ84は、カートリッジ装着部75に装着する第
2のディスクカートリッジ21に設けたディスク識別孔
33に対応する位置に設けられ、カートリッジ装着部7
5に装着されるディスクカートリッジに設けたディスク
識別孔の有無を検出することによってディスクカートリ
ッジに収納された磁気ディスクの容量を検出する。
【0077】また、電子回路基板70上には、磁気ディ
スク装置50の動作状態を表示する発光表示器85が設
けられている。この発光表示器85は、表示部が、装置
本体53の前面側に取り付けられたフロントパネル55
に設けられた開口部を介して外部に露呈され、磁気ディ
スク装置50の動作状態に応じて発光又は消灯すること
により、磁気ディスク装置50の動作状態を表示する。
【0078】ベース54上には、ディスクテーブル64
上にローディングされ、ディスクテーブル64と一体に
回転操作される第1又は第2のフレキシブルディスク
2,22の両主面に形成された信号記録部をアクセスし
てデータの記録及び/又は再生を行う磁気ヘッド装置1
00が配設されている。以下、この磁気ヘッド装置10
0について、詳細に説明する。
【0079】磁気ヘッド装置 磁気ヘッド装置100は、図6に示すように、装置本体
53の内方側に位置して、装置本体53に装着される第
1又は第2のディスクカートリッジ1,21と対向する
ように配設されている。そして、磁気ヘッド装置100
は、ディスクテーブル64上にローディングされた第1
又は第2のフレキシブルディスク2,22の信号記録部
が形成された両主面側にそれぞれ延長される第1及び第
2のサスペンションアーム102,103を備え、これ
らサスペンションアーム102,103の先端側に第1
又は第2のフレキシブルディスク2,22の両主面に形
成された信号記録部にそれぞれアクセスする磁気ヘッド
部105,105が取り付けられている。
【0080】本発明に係る磁気ヘッド装置100をさら
に詳細に説明すると、この磁気ヘッド装置100は、図
7乃至図9に示すように、磁気ヘッド部105,105
を支持した第1及び第2のサスペンションアーム10
2,103が連結され、これらサスペンションアーム1
02,103と一体にディスクテーブル64上にローデ
ィングされた第1又は第2のフレキシブルディスク2,
22の径方向に移動操作されるヘッドキャリッジ本体1
06を備える。
【0081】ヘッドキャリッジ本体106は、合成樹脂
やアルミニウム、マグネシウム合金などの合成を有する
材料を用いて形成されている。ヘッドキャリッジ本体1
06は、ディスクテーブル64上にローディングされる
第1又は第2のフレキシブルディスク2,22の径方向
と平行にベース54上に配設される主ガイド軸107及
び図示しない副ガイド軸に支持されている。ヘッドキャ
リッジ本体106の基端部側の両側には一対のコイル支
持片108,109が突設され、これらコイル支持片1
08,109を介して、ベース54上に配設される図示
しないボイスコイルモータのヨークに挿通される駆動用
コイル110,111が取り付けられている。ヘッドキ
ャリッジ本体106は、駆動用コイル110,111に
駆動電流が供給されることにより、ディスクテーブル6
4上にローディングされた第1又は第2のフレキシブル
ディスク2,22の径方向に移動操作される。
【0082】ヘッドキャリッジ本体106に連結される
第1及び第2のサスペンションアーム102,103
は、ヘッドキャリッジ本体106への連結部となる連結
板112と、この連結板112の先端側に取り付けられ
るヘッド支持バネ113とから構成されている。連結板
112は、合成樹脂やアルミニウム、マグネシウム合金
などの合成を有する材料を用いて形成され、ヘッド支持
バネ113は、板バネを用いて形成されている。
【0083】ヘッド支持バネ113は、図7に示すよう
に、先端側に向かって先細り状となす略三角形状に形成
され、その先端側に磁気ヘッド部105が取り付けら
れ、基端部側が連結板112の先端側に固定ネジ114
を用いて固定されている。
【0084】また、ヘッド支持バネ113の幅方向の両
端部には、ヘッド支持バネ113の主面113aに対し
て略垂直に立設された折り返しリブ115が形成されて
いる。この折り返しリブ115は、ヘッド支持バネ11
3を構成する板バネの幅方向の両端部がヘッド支持バネ
113の主面113aに対して略垂直な方向へ立ち上げ
られることにより形成される。ヘッド支持バネ113
は、このように幅方向の両端部に折り返しリブ115が
形成されることにより、強度の向上が図られている。
【0085】第1のサスペンションアーム102を構成
する連結板112は、ヘッドキャリッジ本体106の下
端側一側から一体に延長されている。すなわち、第1の
サスペンションアーム102は、図10に示すように、
ヘッドキャリッジ本体106に固定された状態で、ディ
スクテーブル64上にローディングされる第1又は第2
のフレキシブルディスク2,22の下方側の主面に向か
って延長されている。
【0086】一方、第2のサスペンションアーム103
は、先端側に取り付けた磁気ヘッド部105が第1のサ
スペンションアーム102側の磁気ヘッド部105に近
接離間する図10中矢印E方向及び図11中矢印F方向
に回動可能にヘッドキャリッジ本体106に支持されて
いる。すなわち、第2のサスペンションアーム103
は、連結板112の基端部側の両側に突設した図示しな
い一対の支軸をヘッドキャリッジ本体106の上端面側
に形成した図示しない軸係合溝に係合して取り付けられ
ることにより、これら支軸を中心にして図10中矢印E
方向及び図11中矢印F方向に回動可能に取り付けられ
ている。
【0087】第2のサスペンションアーム103は、上
述したカートリッジホルダ71のベース54に対する昇
降操作に連動して図10中矢印E方向及び図11中矢印
F方向に回動操作される。第2のサスペンションアーム
103は、連結板112の先端側の両側に突設した係止
片117,117を、図6に示すように、カートリッジ
ホルダ71に形成した磁気ヘッド装置進入用開口部11
8の両側に係止させることによりカートリッジホルダ7
1の昇降に連動して図10中矢印E方向及び図11中矢
印F方向に回動操作される。
【0088】また、第2のサスペンションアーム103
は、図8に示すように、連結板112とヘッドキャリッ
ジ本体106との間に亘って配設されたねじりコイルバ
ネ120により、先端側の磁気ヘッド部105が第1の
サスペンションアーム102側の磁気ヘッド部105に
近接する図10中矢印E方向に回動付勢されている。
【0089】なお、第2のサスペンションアーム103
を回動付勢するねじりコイルバネ120は、図8に示す
ように、ヘッドキャリッジ本体106の上端面側に固定
ネジ121を介して取り付けられる支持板122により
支持されて、ヘッドキャリッジ本体106からの脱落が
防止されている。
【0090】そして、第2のサスペンションアーム10
3は、カートリッジホルダ71がベース54から上昇さ
れ、第1又は第2のディスクカートリッジ1,21の挿
脱を可能となすイジェクト位置に上昇されたとき、上記
支軸を中心にして図11中矢印F方向に回動される。
【0091】また、第2のサスペンションアーム103
は、カートリッジホルダ71に第1又は第2のディスク
カートリッジ1,21が挿入され、カートリッジホルダ
71がベース54側に降下されると、ねじりコイルバネ
120の付勢力を受け、カートリッジホルダ71の降下
に連動して上記支軸を中心にして図10中矢印E方向に
回動される。第2のサスペンションアーム103が図1
0中矢印E方向に回動されると、この第2のサスペンシ
ョンアーム103の先端側に取り付けられた磁気ヘッド
部105が、図10に示すように、カートリッジホルダ
71に保持された第1又は第2のディスクカートリッジ
1,21内に開放された記録及び/又は再生用の開口部
9,10又は29,30を介して進入し、ディスクテー
ブル64上にローディングされる第1又は第2のフレキ
シブルディスク2,22の上方側の主面に接触する。
【0092】カートリッジホルダ71がベース54側に
降下し、このカートリッジホルダ71に保持された第1
又は第2のディスクカートリッジ1,21がベース54
上に構成されたカートリッジ装着部75に装着される
と、第1のサスペンションアーム102の先端側に取り
付けられた磁気ヘッド部105が、図10に示すよう
に、カートリッジホルダ71に保持された第1又は第2
のディスクカートリッジ1,21内に、開放された記録
及び/又は再生用の開口部9,10又は29,30を介
して進入し、ディスクテーブル64上にローディングさ
れる第1又は第2のフレキシブルディスク2,22の下
方側の主面に接触する。
【0093】磁気ヘッド装置100の裏面側には、図9
に示すように、キャリッジ本体106上に位置して、第
1のフレキシブルディスク2又は第2のフレキシブルデ
ィスク22に記録すべきデータを磁気ヘッド部105に
供給し、又は磁気ヘッド部105により第1のフレキシ
ブルディスク2又は第2のフレキシブルディスク22か
ら読み出されたデータを電子回路基板70に設けられた
図示しない信号処理回路に供給するための記録再生用I
C回路123が設けられている。この記録再生用IC回
路123は、例えば可撓性を有するフレキシブル配線基
板上にICチップ等の電子部品が搭載されてなり、磁気
ヘッド装置100の裏面側のキャリッジ本体106上
に、接着剤等により取り付けられている。また、この記
録再生用IC回路123は、図示しないコネクタを備え
ており、このコネクタを介して電子回路基板70上に設
けられた図示しない信号処理回路に接続される。
【0094】また、第1及び第2のサスペンションアー
ム102,103の磁気ヘッド部105,105が取り
付けられた先端側には、図7乃至図9に示すように、ヘ
ッド支持バネ113上とこのヘッド支持バネ113に支
持された磁気ヘッド部105上とに跨って、可撓性を有
するフレキシブル配線基板124が取り付けられてい
る。
【0095】このフレキシブル配線基板124は、上記
記録再生用IC回路123と磁気ヘッド部105との中
継基板となるものであり、例えば、全体として略E字状
を呈するように形成されている。そして、このフレキシ
ブル配線基板124は、図7乃至図9に示すように、そ
の一部がヘッド支持バネ113上に位置し、他の一部が
磁気ヘッド部105上に位置するように取り付けられて
いる。
【0096】磁気ヘッド部105は、コイルを構成する
線材の一端部がこのフレキシブル配線基板124の端子
領域にはんだ付けされることにより、フレキシブル配線
基板124、接続線材125、記録再生用IC回路12
3を介して、電子回路基板70上に設けられた図示しな
い信号処理回路に接続される。
【0097】磁気ヘッド部 次に、第1及び第2のサスペンションアーム102,1
03の先端側に取り付けられる磁気ヘッド部105につ
いて詳細に説明する。各サスペンションアーム102,
103の先端側に取り付けられる磁気ヘッド部105は
共通の構成を有するので、以下の説明では一方のみを挙
げて説明する。
【0098】本発明に係る磁気ディスク装置に用いられ
る磁気ヘッド部105は、図12に示すように、低容量
の記録容量を有し、低記録密度型の第1のフレキシブル
ディスク2がディスクテーブル64にローディングされ
たとき、この第1のフレキシブルディスク2に対しデー
タの記録及び/又は再生を行うために用いられる第1の
ヘッドチップ131と、高容量の記録容量を有し高記録
密度型の第2のフレキシブルディスク22がディスクテ
ーブル64にローディングされたとき、この第2のフレ
キシブルディスク22に対しデータの記録及び/又は再
生を行う高記録密度用の第2のヘッドチップ132が組
み込まれたヘッドスライダ133を備える。
【0099】ヘッドスライダ133の第1又は第2のフ
レキシブルディスク2,22と対向する面とは反対側の
基端面側には、図12に示すように、磁気ヘッド部10
5の基部を構成するコア形成部材135と、このコア形
成部材135の両側に取り付けられる第1及び第2のボ
ビン139,140とからなる第1のコア部138が設
けられる。第1のコア部138を構成する第1及び第2
のボビン139,140には、図12に示すように、第
1及び第2のコイル141,142が巻回されている。
【0100】磁気ヘッド部105を構成するヘッドスラ
イダ133は、第2のヘッドチップ132が組み込まれ
た第1のスライダ部146と、この第1のスライダ部1
46と第1のヘッドチップ131との間に配される第2
のスライダ部147と、この第2のスライダ部147と
ともに第1のヘッドチップ131を挟み込むように配さ
れる第3のスライダ部148とから構成される。すなわ
ち、ヘッドスライダ133は、図12及び図13に示す
ように、中央に配設される第2のスライダ部147の両
側に第1のスライダ部146と第1のヘッドチップ13
1をそれぞれ接合し、さらに第1のヘッドチップ131
の側面に第3のスライダ部137を接合して構成されて
いる。
【0101】ヘッドスライダ133の第1又は第2のフ
レキシブルディスク2,22と対向する面側には、この
ヘッドスライダ133を用いて構成された磁気ヘッド部
105が第1及び第2のサスペンションアーム102,
103に取り付けられて磁気ディスク装置に配設された
とき、第1及び第2のフレキシブルディスク2,22に
形成される図12に示す記録トラックの接線方向Rと略
平行に2本のレール部149,150が互いに平行に形
成されている。これらレール部149,150は、第2
のフレキシブルディスク22が図12中矢印R方向に3
600rpm程度の回転速度で回転されたとき、この第
2のフレキシブルディスク22に近接されたヘッドスラ
イダ133と第2のフレキシブルディスク22との間に
エアーフィルムを形成し、ヘッドスライダ133を第2
のフレキシブルディスク22の主面から浮上させる機能
を有する。
【0102】ディスクテーブル64上にローディングさ
れ、このディスクテーブル64と一体に回転駆動される
フレキシブルディスク2,22が図12中矢印R方向に
回転するとき、レール部149,150のフレキシブル
ディスク2,22が進入する側に、図12に示すよう
に、フロントテーパ部151,151が形成され、フレ
キシブルディスク2,22の退出側にリアテーパ部15
2,152が形成されている。フロントテーパ部15
1,151は、ヘッドスライダ133がフレキシブルデ
ィスク2,22の主面に平行に接触した状態にあると
き、フレキシブルディスク2,22の主面に対して、例
えば約0.5゜の傾斜角度を有するように形成され、リ
アテーパ部152,152は、フレキシブルディスク
2,22の主面に表面に対して、例えば約10゜の傾斜
角度を有するように形成されている。
【0103】ヘッドスライダ133を構成する第1のヘ
ッドチップ131は、その長手方向の略中心付近に記録
再生用ヘッド部153と消去用ヘッド部154が設けら
れている。消去用ヘッド部154は、フレキシブルディ
スク2,22が図12中矢印R方向に回転するとき、記
録再生用ヘッド部153よりもフレキシブルディスク
2,22の回転方向の下流側に位置して設けられてい
る。
【0104】第1のヘッドチップ131に設けられる記
録再生用ヘッド部153は、第1のフレキシブルディス
ク2に形成される記録トラックのトラック幅よりやや大
きな幅の磁気ギャップG1を有する。また、消去用ヘッ
ド部154は、記録再生用ヘッド部153の磁気ギャッ
プG1よりも第1のフレキシブルディスク2の回転方向
の下流側に位置し、この磁気ギャップG1の幅方向の両
端部に位置する部分に磁気ギャップG2,G3を有す
る。
【0105】第1のフレキシブルディスク2に対しデー
タの記録再生を行う第1のヘッドチップ131は、第1
のフレキシブルディスク2に対しデータの記録を行う場
合には、記録再生用ヘッド部153の磁気ギャップG1
により第1のフレキシブルディスク2に対しデータの記
録を行い、消去用ヘッド部154の磁気ギャップG2,
G3により、記録再生用ヘッド部153によりデータが
記録されることにより形成される記録トラックの幅方向
の両側を一定幅に亘って消去することにより、互いに隣
接する記録トラック間にガードバンドを形成している。
【0106】また、ヘッドスライダ133を構成する第
1のスライダ部146に組み込まれた第2のヘッドチッ
プ132としては、例えば、MIG(Metal in Gap)ヘッ
ドが用いられ、上述した記録再生用ヘッド部153より
も幅狭な記録トラックを形成することができる磁気ギャ
ップを有する。この第1のスライダ部146は、この第
2のヘッドチップ132がセラミック等を用いて形成さ
れたヘッドスライダ133に埋め込まれることにより形
成される。
【0107】第2のヘッドチップ132が組み込まれた
第1のスライダ部146には、図12及び図14に示す
ように、ヘッドスライダ133の第1又は第2のフレキ
シブルディスク2,22と対向する面とは反対側の基端
面及びヘッドスライダ133の側面にて開口する切り欠
き凹部155が形成されている。この切り欠き凹部15
5は、レール部149,150と平行な方向の開口幅W
1が、第2のヘッドチップ132用のコイルの巻き線幅
に対応した大きさとなるように形成されている。
【0108】第2のヘッドチップ132は、第1のスラ
イダ部146に切り欠き凹部155が形成されることに
よって、磁路が開放された状態とされている。すなわ
ち、第2のヘッドチップ132は、第1のスライダ部1
46に切り欠き凹部155が形成されることによって、
磁気コアの一部が切り欠かれた状態とされている。
【0109】第1のスライダ部146の切り欠き凹部1
55が形成された箇所には、第2のヘッドチップ132
のバックコアを構成するバックコア部材156が接合さ
れている。このバックコア部材156は、磁性材料が例
えば棒状に形成されてなる。そして、このバックコア部
材156には、第2のヘッドチップ132用のコイル1
57が巻回されている。
【0110】第2のヘッドチップ132用のコイル15
7が巻回されたバックコア部材156は、切り欠き凹部
155を跨ぐように、例えばヘッドスライダ133の基
端面に接合される。このとき、バックコア部材156に
巻回された第2のヘッドチップ132用のコイル157
は、一部が切り欠き凹部155内に収容される。そし
て、第2のヘッドチップ132用のコイル157は、そ
の一端部が、上述したように、記録再生用IC回路12
3と磁気ヘッド部105との中継基板となるフレキシブ
ル配線基板124の端子領域にはんだ付けされている。
【0111】第2のヘッドチップ132は、第1のスラ
イダ部146の切り欠き凹部155が形成された箇所に
バックコア部材156が接合されることにより、切り欠
き凹部155により開放された磁路が閉じられ、閉磁路
が構成される。
【0112】上述したヘッドスライダ133に取り付け
られるコア形成部材135は、図12に示すように、磁
性体からなる略L字状に形成された連結部159と、連
結部159の端部上に略垂直に立設された非磁性体から
なる第1の脚部160と、連結部159の一側に略垂直
に立設された磁性体からなる第2、第3及び第4の脚部
161,162及び163とを備える。ここで、第2及
び第4の脚部161,163は、連結部159のコーナ
部に位置して立設され、第3の脚部162は、第2の脚
部161と第4の脚部163との間に立設されている。
第3の脚部162のヘッドスライダ133と対向する上
端面側には、溝部164が形成され、この溝部164の
両側に第1及び第2の突部165,166が形成されて
いる。
【0113】そして、コア形成部材135には、筒状に
形成され、両端にフランジ部139a,139bが形成
された第1のボビン139が取り付けられ、このボビン
129の周面に第1のコイル141が巻回されている。
第1のボビン139は、中心部に、第2の脚部161が
挿通し得るように、第2の脚部161に対応する貫通孔
139cが形成されている。
【0114】また、コア形成部材135には、第1のボ
ビン139と同様に、筒状に形成され、両端にフランジ
部140a,140bが形成された第2のボビン140
が設けられ、このボビン140の周面に第2のコイル1
42が巻回されている。第2のボビン140は、中心部
に、第4の脚部163が挿通し得るように、第4の脚部
163に対応する貫通孔140cが形成されている。
【0115】そして、第1のボビン139及び第2のボ
ビン140は、それぞれ第1及び第2のコイル141,
142を巻回した状態で、貫通孔139c,140cを
第2及び第4の脚部161,163に挿通し、コア形成
部材135の両側に相対向して取り付けられて第1のコ
ア部138を構成する。
【0116】なお、第1のボビン139に巻回された第
1のコイル141及び第2のボビン140に巻回された
第2のコイル142の一端部は、上述したように、記録
再生用IC回路123と磁気ヘッド部105との中継基
板となるフレキシブル配線基板124の端子領域にはん
だ付けされている。
【0117】第1のコア部138は、図14乃至図16
に示すように、コア形成部材135に設けた第1〜第4
の脚部160〜163の先端面をヘッドスライダ133
の第1又は第2のフレキシブルディスク2,22対向す
る面とは反対側の下面側に当接させ、エポキシ系樹脂な
どからなる接着剤を用いてヘッドスライダ133に接合
されて一体化される。このとき、第1の脚部160は、
図14に示すように、ヘッドスライダ133を構成する
第1のスライダ部146の一方の端部に当接される。ま
た、第2の脚部161は、先端面を第1のヘッドチップ
131を構成する記録再生用ヘッド部153と磁気的に
結合するようにヘッドスライダ133の下面側に当接さ
れ、第4の脚部163は、先端面を第1のヘッドチップ
131を構成する消去用ヘッド部154と磁気的に結合
するようにヘッドスライダ133の下面側に当接され
る。さらにまた、第3の脚部162は、記録再生用ヘッ
ド部153と消去用ヘッド部154との間に位置し、第
1の突部165の先端面が記録再生用ヘッド部153と
磁気的に結合され、第2の突部166の先端面が消去用
ヘッド部154と磁気的に結合されるようにヘッドスラ
イダ133の下面側に当接される。
【0118】このように第1のコア部138とヘッドス
ライダ133とが当接されることにより、第2の脚部1
61と第3の脚部162とが記録再生用ヘッド部153
の磁気コアを構成する。すなわち、記録再生用ヘッド部
153は、第1のコイル141が取り付けられた第2の
脚部161と第3の脚部162の第1の突部165との
間に磁路が形成される。また、第1のコア部138とヘ
ッドスライダ133とが当接されることにより、第4の
脚部163と第3の脚部162とが消去用ヘッド部15
4の磁気コアを構成する。すなわち、消去用ヘッド部1
54は、第2のコイル142が取り付けられた第4の脚
部163と第3の脚部162に設けられた第2の突部1
66との間に磁路が形成される。
【0119】磁気ヘッド装置100は、上述のように構
成された磁気ヘッド部105を第1及び第2のサスペン
ションアーム102,103の先端側に、揺動可能に支
持するためのジンバルバネ171を備えている。このジ
ンバルバネ171は、ステンレス板やリン青銅などの薄
い金属板を打ち抜いて形成されなるものであって、図1
7に示すように、平板な矩形状に形成され、中央部に磁
気ヘッド部105を構成するヘッドスライダ133が取
り付けられるヘッド取付部172が設けられている。
【0120】また、ジンバルバネ171には、ヘッド取
付部172の外周囲を囲むように第1の環状枠部173
が形成されている。ヘッド取付部172は、短辺方向の
相対向する両側から突設された一対の第1の連結部17
4,175を介して第1の環状枠部173に連結されて
いる。ヘッド取付部172は、第1の連結部174,1
75を回動軸として回動変位可能となされている。
【0121】さらに、ジンバルバネ171には、第1の
環状枠部173の外周囲を囲むように第2の環状枠部1
76が形成されている。第1の環状枠部173は、一対
の第1の連結部174,175が設けられた短辺方向と
直交する長辺方向の相対向する両側から突設された一対
の第2の連結部177,178を介して第2の環状枠部
176に連結されている。第1の環状枠部173は、ヘ
ッド取付部172とともに第2の連結部177,178
を回動軸として回動変位可能となされている。
【0122】このジンバルバネ171は、磁気ヘッド部
105に組み込まれて磁気ヘッド装置100に取り付け
られるとき、第1の連結部174,175の連結方向が
第1又は第2のフレキシブルディスク2,22に形成さ
れる記録トラックの接線方向Rと平行となされる。
【0123】また、ジンバルバネ171に形成されたヘ
ッド取付部172には、第1又は第2のフレキシブルデ
ィスク2,22に形成される記録トラックの接線方向R
と平行となされる第1の連結部174,175の連結方
向と平行に、一対の第1及び第2の開口部179,18
0が形成されている。
【0124】上述のように形成されたジンバルバネ17
1は、ヘッドスライダ133と第1のコア部138を備
えた磁気ヘッド部105に取り付けられる。具体的に
は、ジンバルバネ171は、ヘッドスライダ133と第
1のコア部138との間に取り付けられる。このとき、
ヘッドスライダ133は、第1のスライダ部146を第
1の開口部169に位置させ、第1のヘッドチップ13
1を第2の開口部170に位置させ、ジンバルバネ17
1のヘッド取付部172上に取り付けられる。
【0125】そして、第1のコア部138は、第1の開
口部179にコア形成部材135の第1の脚部160を
挿通し、この第1の脚部160の先端面を第1のスライ
ダ部146の下面側に当接させる。また、第1のコア部
138は、第2の開口部180にコア形成部材135の
第2〜第4の脚部161,162,163を挿通し、こ
れら第2〜第4の脚部161,162,163の先端面
を第1のヘッドチップ131の下面側に当接させてヘッ
ドスライダ133に一体化される。この場合にも、コア
形成部材135は、エポキシ系樹脂等の接着剤を用いて
ヘッドスライダ133に接合されて一体化される。
【0126】また、ジンバルバネ171の第1の開口部
179には、コア形成部材135の第1の脚部160と
共に、ヘッドスライダ133に接合されたバックコア部
材156が挿通される。
【0127】磁気ヘッド部105は、ジンバルバネ17
1の一方の面側にヘッドスライダ133が取り付けら
れ、ジンバルバネ171の他方の面側から第1のコア部
138のコア形成部材135をヘッドスライダ133に
突き当て一体化して形成されてなる。すなわち、この磁
気ヘッド部105においては、ヘッドスライダ133と
第1のコア部138との間である磁気ヘッド部105の
高さ方向の中間に位置して、ジンバルバネ171が配設
されている。
【0128】そして、磁気ヘッド部105は、第1及び
第2のサスペンションアーム102,103の先端側に
取り付けられるスペーサ181の先端面側にジンバルバ
ネ171の第2の環状枠部176を接合して、第1及び
第2のサスペンションアーム102,103に支持され
る。
【0129】磁気ヘッド部105をサスペンションアー
ム102,103の先端側に取り付けるためのスペーサ
181は、図18乃至図21に示すように、矩形状をな
す筒状に形成されたスペーサ本体182を有し、このス
ペーサ本体182の基端部側の一側からスペーサ本体1
82の中心に向かって突設された突出部183の先端部
に略半球状をなすピボット184を突設している。
【0130】スペーサ181を構成するスペーサ本体1
82は、磁気ヘッド部105の第1のコア部138を収
納するに足る大きさの筒状に形成され、ジンバルバネ1
71の第2の環状枠部176と略等しい大きさに形成さ
れている。また、突出部183の先端部に形成されたピ
ボット184は、図19に示すように、先端がスペーサ
本体182の先端側のジンバルバネ171が取り付けら
れるバネ取り付け面182aから僅かに突出する高さを
有する。
【0131】このように構成されたスペーサ181は合
成樹脂により形成され、スペーサ本体182、突出部1
83及びピボット184が一体に成形される。なお、こ
のスペーサ181は、第1及び第2のサスペンションア
ーム102,103の先端側に取り付けた磁気ヘッド部
105,105がディスクテーブル64上の第1又は第
2のフレキシブルディスク2,22の両主面に接触され
たとき、第1及び第2のサスペンションアーム102,
103がカートリッジ装着部75に装着された第1又は
第2のディスクカートリッジ1,21に接触することな
く第1又は第2のディスクカートリッジ1,21の上下
面上に延在させるに足る高さを有するように形成されて
いる。
【0132】スペーサ本体182の内周側には、図22
に示すように、このスペーサ本体182の内周面に沿っ
て、磁気シールドリング185が配設される。この磁気
シールドリング185は、透磁率の高い磁性材料が矩形
状の筒状に形成されて矩形状の筒状に形成されてなり、
スペーサ本体182の内周面に沿って嵌合される。この
磁気シールドリング185は、スペーサ本体182の内
周面に形成した突出部183が取り付けられた部分に対
応して切り欠き部186が形成されている。このよう
に、切り欠き部186を形成することにより、磁気シー
ルドリング185は、スペーサ本体182の内周面の略
全面を覆うことができる。
【0133】そして、スペーサ181には、図23乃至
図26に示すように、磁気ヘッド部105を支持したジ
ンバルバネ171が取り付けられる。ジンバルバネ17
1は、一方の面側に取り付けたヘッドスライダ133を
上方に向け、第2の環状枠部176の他方の面側をスペ
ーサ本体182の先端側のバネ取り付け面182aに接
合し、ヘッド取付部172をピボット184上に載置さ
せてスペーサ181の先端側に取り付けられる。このよ
うにジンバルバネ171をスペーサ181に取り付ける
ことにより、ヘッド取付部172の略中心部がバネ取り
付け面182aから僅かに突出する高さを有するピボッ
ト184により支持される。
【0134】ヘッド取付部172は、略中心部をピボッ
ト184により一点で支持されるため、ピボット184
を支点にして、一対の第1の連結部174,175及び
一対の第2の連結部177,178を回動軸として互い
に直交する2軸方向に回動変位される。これにより、ジ
ンバルバネ171のヘッド取付部172に取り付けられ
たヘッドスライダ133とこのヘッドスライダ133に
接合された第1のコア部138は、揺動変位が可能とな
される。
【0135】上述のようにジンバルバネ171が取り付
けられたスペーサ181は、図27に示すように、ジン
バルバネ171が取り付けられた先端面とは反対側の基
端面を第1及び第2のサスペンションアーム102,1
03の先端部に取り付けられる。
【0136】本発明に係る磁気ヘッド装置100は、上
述したように、第2のヘッドチップ132用のコイル1
57がバックコア部材156に巻回されており、この第
2のヘッドチップ132用のコイル157が巻回された
バックコア部材156が、第1のスライダ部146に設
けられた切り欠き凹部155を跨ぐようにヘッドスライ
ダ133の基端面に接合されることにより、第2のヘッ
ドチップ132に閉磁路が構成されている。
【0137】以上のように構成される本発明に係る磁気
ヘッド装置100は、ヘッドスライダ133を薄型化し
た場合であっても、第2のヘッドチップ132用のコイ
ル157の一部を収容する切り欠き凹部155の巻き線
方向に対応した幅W1を小さくする必要がないので、ヘ
ッドスライダ133の第1又は第2のフレキシブルディ
スク2,22と対向する面に形成されたレール部150
に変形を生じさせることなく、ヘッドスライダ133の
薄型化を図ることが可能となる。
【0138】すなわち、ヘッドスライダの側面にて開口
する切り欠き凹部を有し、この切り欠き凹部から外部に
露呈する第2のヘッドチップにコイルを巻回するタイプ
の従来の磁気ヘッド装置においては、コイルの巻き線方
向がヘッドスライダの厚み方向と一致するので、ヘッド
スライダを薄型化するには、切り欠き凹部の巻き線方向
に対応した幅を小さくする必要がある。そして、切り欠
き凹部の巻き線方向に対応した幅を小さくすると、コイ
ルが切り欠き凹部内において密に巻回されることにな
り、ヘッドスライダに切り欠き凹部を厚み方向に広げる
歪みが加わる。その結果、ヘッドスライダのレール部に
変形を生じさせてしまい、電磁変換特性の劣化を招いて
しまう場合があった。
【0139】しかしながら、本発明に係る磁気ヘッド装
置100においては、切り欠き凹部155の巻き線方向
に対応した幅W1は、ヘッドスライダ133の厚み方向
と直交する方向となるので、ヘッドスライダ133の厚
みを薄くした場合であっても、切り欠き凹部155の巻
き線方向に対応した幅W1を小さくする必要はない。し
たがって、本発明に係る磁気ヘッド装置100は、電磁
変換特性の劣化当を招くようなレール部150の変形を
生じさせることなく、適切にヘッドスライダ133の薄
型化を図り、磁気ヘッド装置100全体の小型化を図る
ことができる。
【0140】なお、以上は、磁性材料が棒状に形成され
てなるバックコア部材156を例に説明したが、本発明
に係る磁気ヘッド装置100の備えるバックコア部材1
56は、この例に限定されるものではなく、例えば図2
8に示すように、磁性材料が略コ字状に形成されなるも
のであってもよい。この図28に示すように、略コ字状
に形成されたバックコア部材156に第2のヘッドチッ
プ132用のコイル157を巻回し、これをヘッドスラ
イダ133に接合した場合、第2のヘッドチップ132
用のコイル157は、切り欠き凹部155内に収容され
ることはなく、切り欠き凹部155は、第2のヘッドチ
ップ132の磁路を開放する機能のみを有することにな
る。したがって、この場合は、切り欠き凹部155は第
2のヘッドチップ132の磁路を開放する大きさに形成
されていればよく、ヘッドスライダ133に必要な強度
及び磁気特性を維持しながら、ヘッドスライダ133の
更なる薄型化を図ることが可能となる。
【0141】磁気ヘッド装置の動作 次に、以上のような磁気ヘッド部105を備える磁気ヘ
ッド装置100の動作について説明する。この磁気ヘッ
ド装置100は、上述したように、第1の記録密度でデ
ータが記録される第1のフレキシブルディスク2と、第
1の記録密度より記録密度が高い第2の記録密度でデー
タが記録される第2のフレキシブルディスク22の双方
に対してデータの記録及び/又は再生を行うことが可能
とされており、磁気ディスク装置50に装着された第1
のフレキシブルディスク2又は第2のフレキシブルディ
スク22に対してデータの記録及び/又は再生を行う。
【0142】第1のフレキシブルディスク2がディスク
回転駆動機構61のディスクテーブル64にローディン
グされると、第1及び第2のサスペンションアーム10
2,103の先端側に取り付けた磁気ヘッド部105,
105が第1のフレキシブルディスク2の信号記録部に
接触した状態で、第1のフレキシブルディスク2が回転
駆動される。このとき、第1のディスク2は、約300
rpmの回転速度で回転され、磁気ヘッド部105の第
1のヘッドチップ131によりデータの記録再生が行わ
れる。
【0143】第1のヘッドチップ131は、第1のボビ
ン139に巻回された第1のコイル141から発生する
磁界により、第2の脚部161、第3の脚部162及び
記録再生用ヘッド部153の間に磁路が形成される。そ
して、ディスクテーブル64と一体に回転駆動される第
1のフレキシブルディスク2に対して、記録再生用ヘッ
ド部153によりデータの記録再生が行われる。なお、
第1のヘッドチップ131を用いて第1のフレキシブル
ディスク2にデータの記録を行うときには、第2のボビ
ン140に巻回された第2のコイル142から発生する
磁界により、第4の脚部163、第3の脚部162及び
消去用ヘッド部154の間に形成される磁界により、記
録再生用ヘッド部153により形成された記録トラック
のトラック幅方向の両側付近のみが消去され、データの
記録を行うことによって形成される記録トラック間にガ
ードバンドが形成される。
【0144】一方、第2の記録密度でデータが記録され
る第2のフレキシブルディスク22がディスクテーブル
64にローディングされると、ディスク回転駆動機構6
1により第2のフレキシブルディスク22は約3600
rpmの回転速度で回転駆動される。このように、第2
のフレキシブルディスク22が高速で回転されると、ヘ
ッドスライダ133に形成されたレール部149,15
0と第2のフレキシブルディスク22との間に空気の対
流が発生し、いわゆるエアーフィルムが形成される。そ
して、第1及び第2のサスペンションアーム102,1
03の先端側に取り付けた磁気ヘッド部105,105
が、このエアーフィルムの作用により、第2のフレキシ
ブルディスク22の主面から一定量、例えば50nm程
度浮上される。
【0145】磁気ヘッド部105,105は、このよう
に第2のフレキシブルディスク22の主面上を一定量浮
上した状態で、第2のヘッドチップ132により第2の
フレキシブルディスク22に対しデータの記録再生を行
う。
【0146】磁気ディスク装置の動作 次に、磁気ヘッド装置100を備える磁気ディスク装置
50により、第1のフレキシブルディスク2又は第2の
フレキシブルディスク22に対してデータの記録再生を
行う動作について説明する。
【0147】磁気ヘッド装置100を備える磁気ディス
ク装置50は、図29に示すように、装置全体の制御を
行うコントローラとしてのDSP(digital signal pro
cessor)201を有している。DSP201によって、
ディスクテーブル64上にローディングされて回転駆動
される第1又は第2のフレキシブルディスク2,22の
回転制御や磁気ヘッド装置100の移動制御、データが
高記録密度される第2のフレキシブルディスク22用の
記録再生系の制御などが行われる。DSP201はバス
202に接続されている。DSP201は、バス202
に接続されているフラッシュメモリ203に記憶されて
いるプログラムを読み出し、そのプログラムに従って制
御動作を実行する。
【0148】また、磁気ディスク装置50は、ディスク
テーブル64にローディングされたフレキシブルディス
クが第1の記録密度でデータが記録される第1のフレキ
シブルディスク2であるか、第1の記録密度より記録密
度が高い第2の記録密度でデータが記録される第2のフ
レキシブルディスク22であるかをカートリッジ本体
7,27に設けたディスク識別孔12,33等を利用し
て検出するディスク種類検出部204を有している。こ
のディスク種類検出部204の出力信号は、モード信号
SMDとしてDSP201に供給される。DSP201
は、このモード信号SMDに応じて、ディスク回転駆動
機構61のディスクテーブル64にローディングされる
第1又は第2のフレキシブルディスク2,22の回転速
度を切換制御をする。
【0149】また、磁気ディスク装置50は、第1又は
第2のフレキシブルディスク2,22を回転駆動するデ
ィスク回転駆動機構61のスピンドルモータ62を駆動
するためのモータ駆動回路206を有している。スピン
ドルモータ62より得られるその回転速度に対応した周
波数の周波数信号SFGはモータ駆動回路206を介し
てDSP201に供給される。DSP201は、周波数
信号SFGを参照し、ディスクテーブル64にローディ
ングにされた第1又は第2のフレキシブルディスク2,
22の回転速度が所定値となるようにモータ駆動回路2
06を制御する。
【0150】また、磁気ディスク装置50は、磁気ヘッ
ド装置100を構成する磁気ヘッド部105,155を
それぞれ支持する第1及び第2のサスペンションアーム
102,103が連結されたヘッドキャリッジ本体10
6をディスクテーブル64にローディングにされた第1
又は第2のフレキシブルディスク2,22の半径方向に
移動させるVCM(ボイスコイルモータ)208と、こ
のVCM208を駆動するためのVCMドライバ209
とを有している。DSP201は、後述するR/Wチャ
ネルIC313より出力される磁気ヘッド装置50のト
ラッキング情報などに基づき、磁気ヘッド装置50が第
1又は第2のフレキシブルディスク2,22の目標トラ
ックに正しく位置するようにVCMドライバ209を制
御する。
【0151】また、磁気ディスク装置50は、第2のフ
レキシブルディスク22を用いた高記録密度用の記録再
生系と、第1の磁気ディスク2を用いた標準記録密度用
の記録再生系とを有する。高記録密度(上位モード)用
の記録再生系は、ホストコンピュータ側とデータ、ステ
ータス、コマンドのやり取りを行うためのディスクコン
トローラ211と、データバッファとしてのDRAM
(Dynamic random access memory)212と、記録信号
処理および再生信号処理を行うR/WチャネルIC21
3と、R/WチャネルIC213より出力される記録信
号を増幅して磁気ヘッド部105,105のヘッドスラ
イダ133に設けられた高記録密度(上位モード)用の
第2のヘッドチップ132に供給する記録アンプ及び第
2のヘッドチップ132で再生された再生信号を増幅し
てR/WチャネルIC213に供給する再生アンプを備
えるアンプ部214とを有している。
【0152】ディスクコントローラ211はバス202
に接続されている。ディスクコントローラ211及びR
/WチャネルIC213の動作は、それぞれDSP20
1によって制御される。ディスクコントローラ211
は、図示しないホストコンピュータとEIDE(Extend
ed Intelligent Drive Electronics)インタフェースで
接続されている。
【0153】また、本発明に係る磁気ディスク装置50
は、第1の記録密度の第1のフレキシブルディスク2に
対しデータの記録再生を行う標準記録密度用の記録再生
系として、FDDコントローラ215を有している。こ
のFDDコントローラ215はホストコンピュータ(図
示せず)とFDD(Floppy Disk Drive)インタフェー
スで接続されている。このFDDコントローラ215
は、データの記録時にホストコンピュータより送られて
くるMFM(Modified Frequency Moduration)デー
タより記録信号を生成して磁気ヘッド部105,105
の第1のヘッドチップ131の記録再生用ヘッド部15
3に供給すると共に、再生時に記録再生用ヘッド部15
3からの再生信号よりMFMデータを得てホストコンピ
ュータに供給する機能等を備えている。
【0154】以上のように構成される磁気ディスク装置
50に標準記録密度の第1のフレキシブルディスク2を
収納した第1のディスクカートリッジ1が装着される
と、ディスク種類検出部204よりDSP201に供給
されるモード信号SMDは下位モードを示すものとな
る。これにより、ディスク回転駆動機構61のスピンド
ルモータ62からの周波数信号SFGに基づき、DSP
201によってモータ駆動回路206が制御され、第1
のフレキシブルディスク2が標準速度の例えば300r
pmで回転駆動される。また、DSP201の制御によ
って第1の記録密度である標準記録密度用の記録再生系
が使用される状態とされる。次に、第1のフレキシブル
ディスク2にデータを記録するときには、磁気ヘッド部
105,105が第1のフレキシブルディスク2の両主
面に接触した状態で、ホストコンピュータよりFDDイ
ンタフェースを介してFDDコントローラ215に書き
込みデータとしてのMFMデータが供給される。そし
て、このFDDコントローラ215よりMFMデータに
対応する記録信号が出力され、この記録信号が第1のヘ
ッドチップ131の記録再生用ヘッド部153に供給さ
れて、第1のフレキシブルディスク2の目標トラックの
所定セクタに記録される。
【0155】一方、第1のフレキシブルディスク2に記
録されたデータを再生するときには、第1のフレキシブ
ルディスク2の目標トラックの所定セクタより第1のヘ
ッドチップ131の記録再生用ヘッド部153で再生さ
れた信号がFDDコントローラ215に供給され、この
FDDコントローラ215より再生信号に対応するMF
Mデータが出力されてホストコンピュータに供給され
る。
【0156】次に、ディスク装置50に第1の記録密度
より記録密度が高い第2の記録密度でデータが記録され
る第2のフレキシブルディスク22を収納した第2のデ
ィスクカートリッジ21が装着されると、ディスク種類
検出部204よりDSP201に供給されるモード信号
SMDは上位モードを示すものとなる。これにより、ス
ピンドルモータ62からの周波数信号SFGに基づき、
DSP201によってモータ駆動回路206が制御さ
れ、ディスクテーブル64にローディングされた第2の
フレキシブルディスク22が高速度で、例えば3600
rpmで回転駆動される。また、DSP201の制御に
よって高記録密度(上位モード)用の記録再生系が使用
される状態とされる。
【0157】次に、第2のフレキシブルディスク22に
データを記録するときは、磁気ヘッド部105,105
が第2のフレキシブルディスク22の両主面に近接され
た状態にあるデータの記録可能状態にあるとき、ホスト
コンピュータよりEIDEインタフェースを使用してデ
ィスクコントローラ211に書き込み用のデータが供給
される。この書き込み用のデータはDRAM212に一
時的に格納される。そして、この書き込み用のデータに
対して、ディスクコントローラ211で誤り訂正符号の
付加処理やインターリーブ処理が施されて書き込みデー
タWDが生成される。生成された書き込みデータWD
は、ディスクコントローラ211よりR/WチャネルI
C213に供給される。そして、このR/WチャネルI
C213より書き込みデータWDに対応する記録信号S
Rが出力され、この記録信号SRがアンプ部214の記
録アンプを介して磁気ヘッド部105,105のヘッド
スライダ133に設けられた第2のヘッドチップ132
に供給され、第2のフレキシブルディスク22の目標ト
ラックの所定セクタに記録される。
【0158】一方、第2のフレキシブルディスク22に
記録されたデータを再生するときには、第2のフレキシ
ブルディスク22の目標トラックの所定セクタより第2
のヘッドチップ132で再生された信号がアンプ部21
4の再生アンプで増幅されてR/WチャネルIC213
に供給される。そして、このR/WチャネルIC213
で波形等化処理、データ識別処理や16/17符号の復
号化処理等が行われて読み出しデータRDが得られる。
この読み出しデータRDがディスクコントローラ211
に供給されてデインターリーブ処理や誤り訂正処理が行
われて最終的な読み出しデータが得られ、この読み出し
データがDRAM212に一時的に格納された後にホス
トコンピュータに供給される。
【0159】以上説明したように、この磁気ディスク装
置50は、標準記録密度である第1の記録密度の第1の
フレキシブルディスク2が装着される場合、磁気ヘッド
部105,105の第1のヘッドチップ131の記録再
生用ヘッド部153が第1のフレキシブルディスク2の
主面に形成した信号記録部に接触した状態でデータの記
録再生が行われる。一方、磁気ディスク装置50は、高
記録密度である第2の記録密度の第2のフレキシブルデ
ィスク22が装着される場合、磁気ヘッド部105,1
05を構成するヘッドスライダ133が第2のフレキシ
ブルディスク22の信号記録部が形成された両主面から
浮上した状態でデータの記録再生が行われる。
【0160】以上のように、磁気ディスク装置50は、
高記録密度の第2のフレキシブルディスク22の他に標
準記録密度の第1のフレキシブルディスク2に対しても
データの記録再生を行うことが可能となり、下位互換性
を有するものとなる。
【0161】
【発明の効果】上述したように、本発明に係る磁気ヘッ
ド装置においては、磁気ヘッド素子用のコイルがバック
コア部材に巻回されており、この磁気ヘッド素子用のコ
イルが巻回されたバックコア部材がヘッドスライダに設
けられた凹部を跨ぐようにヘッドスライダに接合される
ことにより、磁気ヘッド素子に閉磁路が構成されるよう
になされているので、ヘッドスライダを薄型化した場合
であっても、ヘッドスライダに設けられた凹部の巻き線
方向に対応した幅を小さくする必要がない。したがっ
て、本発明に係る磁気ヘッド装置は、ヘッドスライダに
変形を生じさせて電磁変換特性の劣化を招く等の不都合
を生じさせることなく、適切にヘッドスライダの薄型化
を図ることができ、装置全体の小型化を図ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の記録密度の第1の磁気ディスクを収納し
た第1のディスクカートリッジを示す斜視図である。
【図2】上記第1のディスクカートリッジの下面側を示
す底面図である。
【図3】第2の記録密度の第2の磁気ディスクを収納し
た第2のディスクカートリッジを示す斜視図である。
【図4】上記第2のディスクカートリッジの下面側を示
す底面図である。
【図5】本発明に係る磁気ヘッド装置を用いた磁気ディ
スク装置の外観を示す斜視図である。
【図6】上記磁気ディスク装置を示す分解斜視図であ
る。
【図7】本発明に係る磁気ヘッド装置を示す斜視図であ
る。
【図8】上記磁気ヘッド装置の平面図である。
【図9】上記磁気ヘッド装置の底面図である。
【図10】磁気ヘッドを取り付けた第1及び第2のサス
ペンションアームがディスクカートリッジ内に進入して
データの記録再生を行う状態を示す上記磁気ヘッド装置
の側面図である。
【図11】磁気ヘッドを取り付けた第2のサスペンショ
ンアームが第1のサスペンションアームから離間する方
向に回動され、ディスクカートリッジをイジェクトする
状態を示す上記磁気ヘッド装置の側面図である。
【図12】本発明に係る磁気ヘッド装置の備える磁気ヘ
ッド部を示す分解斜視図である。
【図13】上記磁気ヘッド部の平面図である。
【図14】上記磁気ヘッド部の側面図である。
【図15】上記磁気ヘッド部の底面図である。
【図16】上記磁気ヘッド部の側面図である。
【図17】磁気ヘッドをサスペンションアームに揺動可
能に支持するジンバルバネを示す平面図である。
【図18】磁気ヘッドに組み込まれたジンバルバネが取
り付けられるスペーサを示す平面図である。
【図19】上記スペーサの断面図である。
【図20】上記スペーサの底面図である。
【図21】上記スペーサの断面図である。
【図22】上記スペーサとこのスペーサ内に配設される
磁気シールドリングの斜視図である。
【図23】ジンバルバネに支持された磁気ヘッド部を示
す平面図である。
【図24】ジンバルバネに支持された磁気ヘッド部を示
す断面図である。
【図25】ジンバルバネに支持された磁気ヘッド部を示
す底面図である。
【図26】ジンバルバネに支持された磁気ヘッド部を示
す断面図である。
【図27】サスペンションアームの先端側に取り付けら
れた磁気ヘッド部を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図28】ヘッドスライダに接合されたバックコア部材
の他の例を示す斜視図である。
【図29】上記磁気ディスク装置の記録再生系を示すブ
ロック回路図である。
【図30】従来の磁気ヘッド装置を備えた磁気ディスク
装置の要部を示す模式図である。
【図31】従来の磁気ヘッド装置の先端側を拡大して示
す斜視図である。
【図32】従来の磁気ヘッド装置の備えるヘッドスライ
ダの側面図である。
【図33】従来の磁気ヘッド装置の備えるヘッドスライ
ダの上面の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 第1のディスクカートリッジ、2 第1のフレキシ
ブルディスク、21第2のディスクカートリッジ、22
第2のフレキシブルディスク、50 磁気ディスク装
置、100 磁気ヘッド装置、105 磁気ヘッド部、
132、第2のヘッドチップ、155 切り欠き凹部、
156 バックコア部材、157 第2のヘッドチップ
用のコイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サスペンションアームの先端部に磁気ヘ
    ッド素子が組み込まれたヘッドスライダが取り付けられ
    てなり、上記磁気ヘッド素子の磁気ギャップを回転操作
    されるディスク状記録媒体の情報記録面に対向させて、
    上記ディスク状記録媒体の情報記録面に対して情報の書
    き込み及び/又は読み出しを行う磁気ヘッド装置におい
    て、 上記ヘッドスライダには、上記サスペンションアームと
    対向する底面及びその側面にて開口する凹部が形成され
    ており、 上記磁気ヘッド素子は、磁性材よりなるバックコア部材
    が上記凹部を跨ぐように上記ヘッドスライダに接合され
    ることにより閉磁路が構成されていると共に、 上記バックコア部材には上記磁気ヘッド素子用のコイル
    が巻回されていることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 上記ヘッドスライダには、記録密度の異
    なる複数のディスク状記録媒体に対応して、それぞれ異
    なる記録密度でディスク状記録媒体に対して情報の書き
    込み及び/又は読み出しを行う複数の磁気ヘッド素子が
    組み込まれており、 上記複数の磁気ヘッド素子のうち少なくとも一つは、上
    記バックコア部材が上記凹部を跨ぐように上記ヘッドス
    ライダに接合されることにより閉磁路が構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 上記ヘッドスライダには、第1の記録密
    度で情報が記録される第1のディスク状記録媒体に対し
    て情報の書き込み及び/又は読み出しを行う第1の磁気
    ヘッド素子と、上記第1の記録密度よりも記録密度が高
    い第2の記録密度で情報が記録される第2のディスク状
    記録媒体に対して情報の書き込み及び/又は読み出しを
    行う第2の磁気ヘッド素子とが組み込まれており、 上記第2の磁気ヘッド素子は、上記バックコア部材が上
    記凹部を跨ぐように上記ヘッドスライダに接合されるこ
    とにより閉磁路が構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド装置。
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