JP2001175832A - カード - Google Patents

カード

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JP2001175832A
JP2001175832A JP35712199A JP35712199A JP2001175832A JP 2001175832 A JP2001175832 A JP 2001175832A JP 35712199 A JP35712199 A JP 35712199A JP 35712199 A JP35712199 A JP 35712199A JP 2001175832 A JP2001175832 A JP 2001175832A
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card
sheet
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plastic sheet
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Toshinao Kagami
利直 鏡
Takehiro Shimizu
剛宏 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックシートを基材とするカードの耐
熱性を向上させ、ICモジュール等を装着する際のザグ
リ加工による発熱がもたらすカードのカール等の欠点を
解消したカードを提供することを課題とする。 【解決手段】 磁気記録層やICモジュール4を有する
カード1のカード基材2を耐熱性プラスチックシート、
特に非結晶ポリエステルシート、もしくはその耐熱型の
シートを使用して、ザグリ加工による欠点が生じないよ
うにして課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の電子回路も
しくはその一部、情報記録手段、もしくは情報表示手段
を有するカードに関するものであり、特に、耐熱性が高
い基材で構成され、情報記録手段もしくは情報表示手段
を基材に埋め込むためのザグリ加工により、欠点の生じ
にくいカードに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、銀行カード、クレジットカードを
始めとして、多くのカードが用いられている。これらの
カードの基材としては、種々のものが使用できるが、通
常は、内側にコアシートと呼ばれる2枚の白色の厚いプ
ラスチックシートを、表裏の外側にオーバーシートと呼
ばれる2枚の透明のプラスチックシートを配置して、合
計4枚のプラスチックシートを互いに熱融着してカード
基材としており、プラスチックとしてはポリ塩化ビニル
樹脂が使用されている。
【0003】このように構成されたカード基材には、さ
らに各種の電子回路もしくはその一部、情報記録手段、
もしくは情報表示手段が設けられて、それぞれの用途に
おいて使用されている。代表的な例がICカードであ
り、ICチップ、端子、あるいはアンテナ等を樹脂モー
ルドにより一体化したICモジュールを、カード基材に
設けており、その際に、カード基材に凹部を設け、その
凹部にICモジュールを装着し、接着剤により固着し、
ICモジュールの表面がカード基材の表面と連続した均
一な表面を与えるよう構成している。
【0004】ところで、従来のカードは、ポリ塩化ビニ
ル樹脂を主体とする樹脂のシートを基材として構成され
ていることが多い。この理由は、ポリ塩化ビニル樹脂の
シートが印刷やラミネートにおける接着性が適度にある
上、エンボス加工によって文字等を形成することが容易
であり、また十分とは言えないまでも、通常の環境では
支障のない耐熱性を有しており、また、自己消炎性であ
って、難燃性である等の利点を有しているからである。
【0005】しかし、ポリ塩化ビニル樹脂のシートはあ
らゆるケースにおいて万能であるのではなく、問題点も
有している。上記のICモジュールを設ける際には凹部
を形成しなければならず、樹脂の成形により、予め凹部
のあるカード基材を準備したり、加熱および加圧により
カード基材内に埋めこむ等の方法もあるが、通常のカー
ドにおいては、カード基材を構成するコアシートに印刷
を施したり、オーバーシート上に磁気記録層を転写して
形成する等の工程を伴う必要があるので、樹脂の成形に
よる方法は現実的でなく、また、加熱および加圧により
カード基材内に埋めこむ方法では、ICモジュールに過
度な高温がもたれされるので、ICチップの性質上、好
ましくない。
【0006】そこで、カード基材にざぐり加工を行なっ
て、機械的な掘削で凹部を形成する検討が行なわれた
が、ざぐり加工の際に、カード基材が高温になるため、
カード基材が変形したり、平面性が損なわれる欠点が生
じるため、磁気記録層やIC等の情報記録手段へのデー
タの書き込みや読み取りの際に、カードの機械内の搬送
が困難になったり、書き込みや読み取りのヘッドや、端
子との接触が十分行なえなくなることがある。また、カ
ード基材が高温により劣化し、カード基材が変色した
り、折れたり裂ける原因となることもある。また、ポリ
塩化ビニル樹脂のシートを基材とするカードの更新の際
には、焼却時に塩素に起因した問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、ポ
リ塩化ビニル樹脂等の通常のプラスチックシートを基材
とするカードにおける上記の欠点を解消すること、即
ち、カード基材が変形したり、平面性が損なわれる欠点
を解消すること、およびカード基材が高温により劣化
し、カード基材が変色したり、折れたり裂ける原因とな
る欠点を解消することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明においては、各種の電子
回路もしくはその一部、情報記録手段、もしくは情報表
示手段をカード基材の埋め込む際の従来技術の欠点を、
耐熱性プラスチックシートで構成したカード基材に、ザ
グリ加工を施すことにより、解決したものである。
【0009】第1の発明は、耐熱性プラスチックシート
のコアシートと前記コアシートの表裏両面に積層された
耐熱性プラスチックシートのオーバーシートからなるカ
ード基材に、一方のオーバーシートの外面から凹部がザ
グリ加工により形成されており、前記凹部には、電子回
路もしくはその一部、情報記録手段、もしくは情報表示
手段が装着されて固着されていることを特徴とするカー
ドに関するものである。第2の発明は、第1の発明にお
いて、耐熱性プラスチックシートが、ポリプロピレン樹
脂、非結晶性環状オレフィン系共重合体、ABS、ポリ
エステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアリレート樹脂、もしくはポリイミド
樹脂から選ばれた樹脂のシートであることを特徴とする
カードに関するものである。第3の発明は、第1の発明
において、耐熱性プラスチックシートが、テレフタル酸
と、エチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサン
ジメタノールの2種類のジオール成分からなる非結晶ポ
リエステル樹脂のシートであることを特徴とするカード
に関するものである。第4の発明は、第3の発明におい
て、前記ジオール成分が、エチレングリコール60〜8
0モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール2
0〜40モル%からなることを特徴とするカードに関す
るものである。第5の発明は、第1の発明において、耐
熱性プラスチックシートが、非結晶性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の質量比が95
/5〜5/95の混合樹脂のシートであることを特徴と
するカードに関するものである。第6の発明は、第1の
発明において、耐熱性プラスチックシートが、非結晶性
ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹
脂の質量比が80/20〜20/80の混合樹脂のシー
トであることを特徴とするカードに関するものである。
第7の発明は、第1〜6いずれかの発明において、前記
コアシートおよび前記オーバーシートが各々の延伸方向
が直交する向きで積層されていることを特徴とするカー
ドに関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は一般的なカード1の構造を
示すための平面図であって、このカード1においては、
カード基材2上に磁気ストライプ(または磁気記録層と
も言う)3、ICモジュール4、およびエンボス加工に
よる浮き出し文字や通常の文字5等を備えたものであ
る。ICモジュール4は、ICチップ、端子、あるいは
アンテナ等を樹脂でモールドしたものである。浮き出し
文字5はカード毎の固有な番号、保持者(=契約者)の
氏名、有効期限等の情報を示したものである。このほ
か、図示はしていないが、カード基材2には、適宜な印
刷が施されていたり、これら以外の情報記録手段が備え
られている。
【0011】図2は、カード1を図1中に示す線で切断
した断面を矢印方向に眺めた状態を示すもので、カード
基材2は、上面側から、オーバーシート2a、コアシー
ト2bおよび2b’、およびオーバーシート2a’が順
に積層した構造を有している。通常、オーバーシート2
a、および2bは、透明プラスチックシートで構成さ
れ、コアシート2b、および2b’は、二酸化チタン等
を練り込んだ隠蔽性プラスチックシートで構成される。
【0012】図2におけるような、2枚のオーバーシー
ト、および2枚のコアシートからなる4層の積層構造
は、一般的な銀行カードやクレジットカードにおいて、
よく普及している構造である。このような構造とするこ
とにより、コアシートの外面に印刷を行なっておけば、
印刷面をオーバーシートで被覆して保護することがで
き、表裏に異なる印刷を施すことが容易であるが、オー
バーシートの枚数もしくはコアシートの枚数を増減し
て、4層以外の構造とすることもできる。一般に、カー
ド基材2においては、厚み方向の中心を含み、カードの
面方向に平行な面を想定したとき、その面に対して対象
になる積層構造とすることにより、カード基材2、ひい
てはカード1のカールを防止しやすい。その意味で、図
2においては、2枚のオーバーシート2a、および2
a’どうしの厚みは等しく、2枚のコアシート2b、お
よび2b’どうしの厚みも等しくすることにより、2枚
のコアシート2b、および2b’の積層される面に対し
て、対象な構造とすることができる。
【0013】図2に示すカード1においては、ICモジ
ュール4は、カード1の上面から、上方のオーバーシー
ト2aおよび上方のコアシート2bを貫通し、ただし、
下方のコアシート2b’の下側を残して形成された、全
体としてはカード1に貫通していない凹部6に装着さ
れ、ICモジュール4の上面とカード基材の上面とは、
連続した一つの平面を形成するよう構成されている。コ
アシート2b’の下側が切削されていないので、カード
1を下面側から眺めると、ICモジュール4よりも手前
に、オーバーシート2a’とコアシート2b’の残った
部分とがあるため、ICモジュール4の下面側からの隠
蔽と保護がより確実になる。
【0014】図2中で、装着されたICモジュール4
は、その底部の下面に接着剤を適用する等して、カード
基材2に固着されている。接着剤は、さらに、ICモジ
ュール4の上方のつば部分の下面等に適用してもよい。
接着剤としては、例えば、比較的低温で接着性のでるホ
ットメルト型接着剤を用いるとよい。
【0015】カード基材2に形成されたICモジュール
装着用の凹部6は、ザグリ加工により形成されたもので
ある。図2に示す例では、ICモジュールのカード表面
に露出する部分の径が大きく、下部の径が小さい、ちょ
うど「T」の文字を上下逆にしたような断面形状になる
よう切削してある。
【0016】なお、ザグリ加工とは、通常は、板にボル
ト孔を開けるときに、ボルトの頭が板面より突き出すの
を防止する目的で、ボルト孔と同一中心でボルト頭部の
直径と厚み分を収容する大きさの穴をあける意味で使う
が、ここで言うザグリ加工は、ICモジュール等の各種
の電子回路もしくはその一部、情報記録手段、もしくは
情報表示手段をカード基材に収容するための凹部を形成
することを、ルーター等の加工機により、カード基材を
切削して行なうことを指すものとする。これらの加工機
においては、ドリルのような回転刃を一軸もしくは多軸
で有し、回転刃が高速回転しており、この回転刃がカー
ド基材に対して鉛直なZ方向に上下に移動する手段と、
カード基材に平行な面上を、X−Y方向に移動できる手
段とを備え、しかもそれらの移動を所定の形状の凹部を
形成できるよう制御する制御部を有している。
【0017】刃が高速回転してカード基材に接するの
で、カード基材の加工部およびその周辺において温度が
上昇すると、カード基材の素材によっては、軟化、溶
融、劣化、構成成分の蒸発が起き、カード基材の伸び、
もしくは収縮が起こって、不均一性が生じる。このた
め、カード基材の形状が変化する、もしくはカールして
平面性が保たれなくなることが生じたり、あるいは、加
工後に、カールを矯正したとしても、潜在的な歪みが残
り、後に高温下や低温下で伸縮やカールを生じることが
ある。
【0018】カード基材2を構成するコアシート(=隠
蔽性プラスチックシート)、およびオーバーシート(=
透明プラスチックシート)の素材となるプラスチックと
しては、耐熱性のある、ポリプロピレン樹脂、非結晶性
環状オレフィン系共重合体、ABS、ポリエステル樹脂
(中でも非結晶性ポリエステル樹脂)、ポリカーボネート
樹脂、ポリアリレート樹脂、もしくはポリイミド樹脂を
使用することが好ましい。
【0019】上記の好ましい樹脂のうちでも、非結晶性
ポリエステル樹脂は、耐熱性がある上、エンボス加工に
も適しているので、より好ましい。非結晶性ポリエステ
ル樹脂の「非結晶性」とは、再度加熱処理を行っても再
結晶化による物性低下を起こさず、後に述べる結晶性成
分のブレンドによるものを除き、結晶性成分を持たない
物を指す。なお、結晶性とはJIS K7121に準
拠し測定し、示差熱分析装置を用い、毎分10℃の昇温
速度で、30℃から280℃まで昇温し、その後、毎分
10度の降温速度で30℃まで冷却し、再度、上記と同
じ昇温速度で昇温させた際に融解ピークが生じないもの
を非結晶性と称する。
【0020】非結晶性ポリエステル樹脂シートは、好ま
しくは、ガラス転移点が35〜100℃の非結晶性ポリ
エチレンテレフタレート樹脂からなり、この樹脂は、加
熱時の成形性が優れており、成形によって、所定の形に
変形した後、変形の戻りが少ない利点がある。
【0021】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
シートは、ガラス転移点が上記の下限値未満であると、
シートの熱安定性が悪くなり、逆にガラス点移転が高く
なると、シートの成形性が悪くなる傾向がある。従っ
て、ガラス転移点としては、35〜100℃、好ましく
は50〜95℃、より好ましくは、65〜95℃であ
る。
【0022】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
シートにおける、非結晶性ポリエチレンテレフタレート
樹脂としては、例えばジカルボン酸として、テレフタル
酸、またはジメチルテレフタル酸、更に必要であれば、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニレン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セ
バチン酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸、およびそ
れらの誘導体を用い、ジオールとしてエチレングリコー
ル、更に必要であれば、ブタンジオール等のアルキレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の
芳香族ジオール、およびそれらの誘導体を用いて、製造
することができる。
【0023】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
としては、より好ましくは、ジオール成分が2種類以上
のものから構成されるものであり、最適には、そのジカ
ルボン酸分がテレフタル酸であり、ジオール成分がエチ
レングリコール50〜99モル%、および1,4−シク
ロヘキサンジメタノール1〜50モル%であるものがよ
い。とくに、エチレングリコール60〜80モル%およ
び1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル
%のものがなおよい。
【0024】具体的な非結晶性ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂で市販品としては、イーストマンコダック社製
の商品名;KODAR PETG6763(ジカルボン
酸成分;テレフタル酸、ジオール成分;エチレングリコ
ール70重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール
30重量%)を利用することができる。
【0025】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
シート中には、その性能を損なわない範囲で、そのほか
の樹脂、例えば結晶性ポリエチレンテレフタレート樹
脂、難燃剤、もしくは無機微粒子等の各種添加剤が配合
してあってもよい。
【0026】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
シート中に配合する他の樹脂の中でも、特に興味深いも
のとして、芳香族ポリカーボネートがある。芳香族ポリ
カーボネートとしては、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、もしくは4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテルの1種もしくは2種以上
を主原料とするもので、特にビスフェノールAを主原料
として製造されたポリカーボネート樹脂を使用すること
が好ましい。非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
と上記ポリカーボネート樹脂とは、各々の質量比で、非
結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂/上記ポリカー
ボネート樹脂=95/5〜5/95が好ましく、より好
ましくは、80/20〜20/80である。
【0027】上記の種々の樹脂をカード基材2とすると
きは、二酸化チタンを始めとする隠蔽性の高い充填剤を
配合した隠蔽性プラスチックシートと、充填剤を配合し
ないか、もしくは透明性を損なわない範囲で配合した透
明プラスチックシートを所定の厚みで準備し、各々を用
いて積層する。隠蔽性プラスチックシートおよび透明性
プラスチックシートの厚みは、任意に選択できるが、一
般的に言って、コアシートに使用する隠蔽性プラスチッ
クシートの厚みは、100μm〜1mm、透明性プラス
チックシートの厚みは20μm〜150μmの間とする
ことが好ましい。
【0028】なお、カード基材2を構成する隠蔽性プラ
スチックシートおよび透明性プラスチックシートは、各
々のプラスチックシートの延伸方向が直交するように積
層してあることがカール防止の観点から好ましい。延伸
方向が一方向のみの一軸延伸の場合には、延伸方向とカ
ード1の長手方向とを一致させた方がよく、二軸延伸の
場合には、延伸率が方向により異なるときは、延伸率の
高い方をカード1の長手方向とすることが好ましい。
【0029】ここで、カード基材2には、難燃性を向上
させる意味で、難燃剤を少なくとも表面を構成するオー
バーシート中に配合するか、あるいは、難燃剤を配合し
た難燃性塗布膜を最上面もしくは最下面の、いずれか一
方、または両方に形成するとよい。難燃剤としては、
(1)臭素系化合物、塩素系化合物等のハロゲン系化合
物、(2)リン化合物、もしくは(3)無機系化合物等
が使用できる。これらの難燃剤のうちで、(3)の無機
系化合物に属する金属水酸化物、例えば、水酸化アルミ
ニウム、もしくは水酸化マグネシウム等が安全性の点で
好ましい。
【0030】上記のような素材からなるカード基材2に
ザグリ加工により形成された凹部には、ICモジュール
以外にも、種々の電子回路もしくはその一部、情報記録
手段、もしくは情報表示手段が装着可能である。例え
ば、液晶表示装置、磁気表示媒体、リライト層(感熱発
消色が可能な層をPETフィルム等の上に積層したも
の。)、光メモリ(光カードで使用する。)、および太
陽電池等である。
【0031】凹部6に装着されるものの厚み等により、
図2の例のICモジュールの場合のように、4枚構成の
カード基材のうち、片方の表面から2枚のシートを貫通
して3枚目のシートの途中まで切削して凹部が形成され
ていてもよいが、厚みによっては、カードの片方の表面
から1枚目の途中まで、以下、順に、1枚めのみ貫通、
2枚目の途中まで、2枚すべてを貫通、3枚目の途中ま
で、3枚すべてを貫通、4枚めの途中まで、もしくは4
枚すべてを貫通、の種々の切削が可能である。
【0032】また、上記の種々の切削ではいずれもカー
ド基材の片方の表面に開孔した凹部を形成したが、凹部
に装着するものを隠蔽、または保護する目的で、片方の
コアシートに上側から非貫通穴を開ける、片方のコアシ
ートを貫通して隣接するコアシートに非貫通穴を開け
る、もしくは両方のコアシートを貫通する孔を開ける3
通りを切削により行なうことが可能であり、この3通り
のうち、前2者では、上方のオーバーシートの該当位置
に、積層時の内側になる方から非貫通穴を切削により開
けておいてもよく、3通りの最後の場合では、上方、ま
たは/および両方のオーバーシートの内側に、切削によ
り非貫通穴を開けておいてもよい。
【0033】カード基材2には、一般的なカードを作成
するに当たって通常行なう、様々な加工が施してあって
もよい。まず、文字、絵柄としては、(1)カードの発
行元の商号、カードの名称、又は会員に配付されるもの
であれば会の名称等、地紋、キャラクター、(2)カー
ドのリーダーライターへの挿入方向を示すための矢印等
のマーク、および(3)利用に関する一般的な注意書き
等が、カード表面又は裏面に形成される。
【0034】カード基材2には、凹部を形成して設ける
必要のない、公知の様々な情報記録手段を任意に選択し
て設けてもよい。公知の情報記録手段としては、(4)
ホログラムや回折格子、(5)カード保持者が署名する
ための筆記しやすい材料で構成された筆記性層、(6)
レーザ光での記録可能な光記録層、(7)昇華転写や写
真の貼り付けによる画像、もしくはそれらの形成可能な
区域、等である。
【0035】
【発明の効果】 【図面の簡単な説明】
【図1】ICカードの平面図である。
【図2】4層構造のカードの断面図である。
【符号の説明】
1 カード 2 カード基材(2a;オーバーシート、2b;コアシ
ート) 3 磁気記録層(磁気ストライプ) 4 ICモジュール 5 文字
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 MA07 MA11 NB13 PA02 PA18 PA22 QA02 QB01 QB03 QB05 QC12 QC15 RA03 RA11 RA15 5B035 AA07 BA03 BB02 BB09 CA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性プラスチックシートのコアシート
    と前記コアシートの表裏両面に積層された耐熱性プラス
    チックシートのオーバーシートからなるカード基材に、
    一方のオーバーシートの外面から凹部がザグリ加工によ
    り形成されており、前記凹部には、電子回路もしくはそ
    の一部、情報記録手段、もしくは情報表示手段が装着さ
    れて固着されていることを特徴とするカード。
  2. 【請求項2】 耐熱性プラスチックシートが、ポリプロ
    ピレン樹脂、非結晶性環状オレフィン系共重合体、AB
    S、ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ポ
    リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、もしくはポ
    リイミド樹脂から選ばれた樹脂のシートであることを特
    徴とする請求項1記載のカード。
  3. 【請求項3】 耐熱性プラスチックシートが、テレフタ
    ル酸と、エチレングリコールおよび1,4−シクロヘキ
    サンジメタノールの2種類のジオール成分からなる非結
    晶ポリエステル樹脂のシートであることを特徴とする請
    求項1記載のカード。
  4. 【請求項4】 前記ジオール成分が、エチレングリコー
    ル60〜80モル%および1,4−シクロヘキサンジメ
    タノール20〜40モル%からなることを特徴とする請
    求項3記載のカード。
  5. 【請求項5】 耐熱性プラスチックシートが、非結晶性
    ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹
    脂の質量比が95/5〜5/95の混合樹脂のシートで
    あることを特徴とする請求項1記載のカード。
  6. 【請求項6】 耐熱性プラスチックシートが、非結晶性
    ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹
    脂の質量比が80/20〜20/80の混合樹脂のシー
    トであることを特徴とする請求項1記載のカード。
  7. 【請求項7】 前記コアシートおよび前記オーバーシー
    トが各々の延伸方向が直交する向きで積層されているこ
    とを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のカード。
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