JP2001175117A - 電子写真装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】バッファの変位量によって用紙の張力が変わる
機構において、様々な用紙の種類や幅に対して、用紙の
張力を適切に制御することで安定した用紙の搬送を得
る。 【解決手段】記録材の連量に応じてバッファプレート
(1)のニュートラルポジションデータを設定し、位置検
出機構により検出される現在のバッファプレートの位置
データとニュートラルポジションデータとの差によっ
て、バッファプレートがニュートラルポジションを保つ
ように定着ローラ(17)の回転を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に関
するものであり、特に用紙として連続紙を用いる電子写
真装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３に電子写真装置における用紙への張
力付与機構の構成図を示す。用紙搬送方向への張力を用
紙２に与える機構であるバッファ１は、用紙搬送部６と
定着部７の間に配置され、用紙搬送部６による用紙搬送
速度と定着部７による用紙搬送速度の差を吸収する為の
ものである。用紙２を掛けていない状態では、図示しな
いコイルばねの弾性力により点線部のバッファのホーム
ポジション３まで戻される力が働く。バッファ１の位置
が下がりバッファのホームポジション３からの変位量が
大きくなるほど、用紙２の張力として働く前記コイルば
ねの弾性力が大きくなる。また、バッファ１の位置は用
紙搬送部６と定着部７との間に蓄えられている用紙２の
長さにより変化し、前記用紙の長さが長いほど前記バッ
ファ１の位置が上に、短いほど下に位置する。

【０００３】バッファ１の位置は位置検出機構としての
エンコーダ９により検出される。図４にエンコーダ９の
構造を示す。エンコーダ９はエンコーダディスク１０、
センサ１１、エンコーダスリット１２からなり、バッフ
ァ１の移動に合わせてエンコーダディスク１０が回転す
る機構になっている。

【０００４】エンコーダディスク１０の回転角度、すな
わち、バッファ１の位置は、３つのセンサ１１により、
バッファ１の位置が8種類の領域に特定できるように配
置された複数のエンコーダスリット１２を検出して、セ
ンサ１１の出力の組み合わせにより識別する構造となっ
ている。バッファ１の移動可能な範囲は、バッファのホ
ームポジション３からバッファの下限１３までである。

【０００５】印刷中の定着部７の用紙搬送速度は、用紙
搬送部６の用紙搬送速度と基本的に同じであり、定着ロ
ーラであるヒートロール１７の回転速度に依存している
が、バッファ１の変位に応じて前記ヒートロール１７の
回転速度を次のように制御している。バッファ１が印刷
中に制御しようとする位置（以下、ニュートラルポジシ
ョンと称する）よりも上にある時、用紙搬送部６と定着
部７間には、バッファ１がニュートラルポジションにあ
る時よりも多くの用紙が蓄えられているため、ヒートロ
ール１７の回転速度を速くして用紙搬送部６の用紙搬送
速度よりも定着部７の用紙搬送速度を速めることで、用
紙搬送部６と定着部７の間にある用紙の蓄えを少なく
し、バッファ１の位置を下げることができる。バッファ
１がニュートラルポジションよりも下にある場合は、逆
にヒートロール１７の回転速度を遅くして定着部７の用
紙搬送速度を遅くすることで、バッファ１の位置を上げ
ることができる。また、印刷開始時の駆動開始タイミン
グについても同じ理由で、ヒートロール１７の駆動開始
タイミングを用紙搬送部６の駆動開始よりも早めるとバ
ッファ１の位置を下げることが、遅くするとバッファ１
の位置を上げることができる。

【０００６】このように、用紙搬送部６と定着部７との
駆動開始を異なるタイミングにすること、または、用紙
搬送部６と定着部７との用紙の搬送速度を一時的に異な
る速度にすることで、印刷中のバッファ１をニュートラ
ルポジションに保持するよう制御している。定着部7の
搬送速度及び駆動開始タイミングの補正量は、バッファ
１のニュートラルポジションからの変位量より算出す
る。用紙２の張力は、コイルばねの弾性力によるバッフ
ァ１の引っ張り力とほぼ同じになるため、用紙２の張力
は、上記制御によりほぼ一定に保たれる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術においては、バッファ１のニュートラルポジションが
固定であり、用紙の種類に関わらず、常に用紙の張力を
一定にして印刷していた。また、用紙の張力を変更する
ためには、コイルばねを交換するか、コイルばねのプレ
ロードを変更する機構を新たに付加する必要があった。

【０００８】また、厚紙、薄紙、プラスチックシートの
何れの用紙においても、また、何れの用紙の幅において
も張力が一定であるため、すべての媒体において適切な
張力で印刷することが難しく、用紙のばたつきによる搬
送不良や用紙の破損と言った不具合に対して、マージン
が小さくなっていた。

【０００９】従って、本発明の目的は、用紙の種類や幅
などの要素を認識させ、それらの要素に合わせた用紙張
力で印刷することができ、用紙のばたつきや破損を抑え
て安定した用紙の搬送を行うことが可能な電子写真装置
を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、正転／逆
転切替自在な駆動源に接続され、長尺に連続した記録材
を搬送する搬送手段と、前記記録材にトナー像を転写さ
せる転写手段と、前記トナー像を前記記録材に定着させ
る一対の定着ローラと、前記搬送手段と定着ローラとを
結ぶ記録材搬送パスに対し揺動自在に支持され、前記搬
送手段と定着ローラとの記録材搬送速度差を吸収し、前
記記録材に対して張力を与え、変位量が大きい程記録材
に対する張力が大きいバッファプレートを備え、前記バ
ッファプレートの位置検出機構を有する電子写真装置に
おいて、前記記録材の連量に応じてバッファプレートの
ニュートラルポジションデータを設定し、前記位置検出
機構により検出される現在のバッファプレートの位置デ
ータと前記ニュートラルポジションデータとの差によっ
て、前記バッファプレートが前記ニュートラルポジショ
ンを保つように前記定着ローラの回転を制御することに
より達成される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
用いて説明する。本発明は、先に述べた従来技術に対し
て次の制御を追加することで用紙張力の調整機能を実現
している。

【００１２】電子写真装置の制御プログラムおよび電子
写真装置に実装されるセンサ類やスイッチ類にて認識さ
れる用紙連量データや用紙の種類、用紙幅データを基
に、制御プログラムに格納されているバッファ１のニュ
ートラルポジションデータを設定する。

【００１３】制御プログラムに格納されるニュートラル
ポジションデータは、用紙連量が重く用紙幅が広けれ
ば、バッファ１の位置が下がり用紙張力が強くなるよう
に、用紙連量が軽く用紙幅が狭ければ、バッファ１の位
置が上がり用紙張力が弱くなるように設定する。 本発明の一実施例における用紙連量によるバッファ１の
ニュートラルポジションについて図２に示す。薄紙印刷
時には薄紙印刷時の位置１４に、普通紙印刷時には普通
紙印刷時の位置１５に、厚紙印刷時には厚紙印刷時の位
置１６に、それぞれ、バッファ１のニュートラルポジシ
ョンを設定する。

【００１４】バッファ１の位置制御の構成について図５
に示す。ヒートロール起動タイミングデータは、制御プ
ログラムにあるバッファ１の位置とニュートラルポジシ
ョンをパラメータとした配列に格納する。バッファ１の
現在位置と用紙連量および種類から設定されたニュート
ラルポジションをパラメータとして前記配列からヒート
ロールの起動タイミングデータを読み込み、タイミング
データを基にヒートロールを起動する。 以上の制御方法を用いて、印刷時のバッファ１の位置
を、用紙に合わせた張力が得られるような位置で一定に
制御することで、各用紙に適した張力を実現できる。

【００１５】

【発明の効果】以上述べた様に本発明によれば、バッフ
ァ１を更に下の位置に制御することで用紙の張力を強め
たり、更に上の位置に制御することで前記張力を弱めた
りすることができるため、電子写真装置の状態、用紙の
種類や幅などの要素を電子写真装置に認識させること
で、それらの要素に合わせた用紙張力で印刷することが
でき、用紙のばたつきや破損を抑えて安定した用紙の搬
送を提供することができる。また、本発明により、調整
作業や交換作業なしに用紙の張力を変更することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に基づく構成図。

【図２】本発明の一実施例における用紙連量によるバッ
ファの印刷開始直後の制御位置。

【図３】従来例に基づく構成図。

【図４】図1および図３に示す張力付与機構における位
置検出機構の構成図。

【図５】本発明の一実施例におけるバッファ位置制御の
構成図。

【符号の説明】

１…バッファ、２…用紙、３…バッファのホームポジシ
ョン、６…用紙搬送部、７…定着部、９…エンコーダ、
１０…エンコーダディスク、１１…センサ、１２…エン
コーダスリット、１３…バッファ下限位置、１４…薄紙
印刷時の位置、１５…普通紙印刷時の位置、１６…厚紙
印刷時の位置、１７…ヒートロール。

フロントページの続き (72)発明者 岩永 秀規 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 Ｆターム(参考） 2H033 BA08 BA11 BA59 BB01 BB37 CA01 CA16 CA26 CA30 CA35 CA37 CA40 3F103 AA01 BA01 3F105 AA01 AB02 BA02 BA18 CA13 CB01 DA08 DB02 DC07

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】正転／逆転切替自在な駆動源に接続され、
   長尺に連続した記録材を搬送する搬送手段と、前記記録
   材にトナー像を転写させる転写手段と、前記トナー像を
   前記記録材に定着させる一対の定着ローラと、前記搬送
   手段と定着ローラとを結ぶ記録材搬送パスに対し揺動自
   在に支持され、前記搬送手段と定着ローラとの記録材搬
   送速度差を吸収し、前記記録材に対して張力を与え、変
   位量が大きい程記録材に対する張力が大きいバッファプ
   レートを備え、前記バッファプレートの位置検出機構を
   有する電子写真装置において、 前記記録材の連量に応じてバッファプレートのニュート
   ラルポジションデータを設定し、前記位置検出機構によ
   り検出される現在のバッファプレートの位置データと前
   記ニュートラルポジションデータとの差によって、前記
   バッファプレートが前記ニュートラルポジションを保つ
   ように前記定着ローラの回転を制御することを特徴とす
   る電子写真装置。
2. 【請求項２】前記ニュートラルポジションデータによっ
   て予め設定された定着ローラの起動タイミングデータを
   格納する手段を有し、使用する前記記録材の連量に基づ
   き前記データ格納手段から前記起動タイミングデータを
   選定することを特徴とする請求項１記載の電子写真装
   置。