JP2001172881A - 人工皮革及びその製造方法 - Google Patents

人工皮革及びその製造方法

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JP2001172881A
JP2001172881A JP35856699A JP35856699A JP2001172881A JP 2001172881 A JP2001172881 A JP 2001172881A JP 35856699 A JP35856699 A JP 35856699A JP 35856699 A JP35856699 A JP 35856699A JP 2001172881 A JP2001172881 A JP 2001172881A
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Meiji Muraoka
明治 村岡
Kazuo Tanabe
一雄 田邊
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Asahi Kasei Corp
Nicca Chemical Co Ltd
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Asahi Kasei Corp
Nicca Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 極細ポリエステル繊維基材にポリウ
レタン樹脂を含浸してなる人工皮革に、(A) フッ素系撥
水剤、(B) 酸性燐酸エステル及びその塩、または燐酸及
びその塩からなる帯電防止剤との混合水性組成物を付与
した人工皮革及び方法。 フッ素系撥水剤(A) に対す
る帯電防止剤(B) の混合比率は0.05〜10.0倍、
且つ混合水性組成物中の有効成分の人工皮革への付着量
が0.05〜8.0%(w/w)であること。 【効果】 工業的に簡単な方法で、高品位の人工皮革を
製造できる。染色堅牢性の低下等がなく、且つ非常に高
レベルの帯電防止性能を発揮して全ての使用条件下で静
電気の発生を抑え、人工皮革の製造工程中や製品の縫性
段階などに生ずる静電気抑制でき、人工皮革が与える静
電気による不快感を解消できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工皮革及びその
製造方法の改良に関するものである。より詳しくは、本
発明は、染色堅牢性の低下等がなく、且つ撥水性能を保
持しつつ、高い制電性能を有する極細ポリエステル繊維
基材を用いた人工皮革及びその製造方法の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、人工皮革の仕上加工として撥
水剤と帯電防止剤の混合水性組成物を付与し、染色製品
に撥水・制電機能を付加することは一般的である。ポリ
エステルを素材とする染色製品の場合、分散染料の特性
により、使用する帯電防止剤によっては著しく染色堅牢
度を低下させる恐れがあり、使用量を含めて仕上加工に
は細心の注意を払う必要がある。特に、ポリウレタン樹
脂との複合素材である人工皮革の場合にはその影響が顕
著であって、ポリウレタン樹脂に染着している分散染料
の引き出しによるにじみ、染色堅牢度の低下が起こる。
この傾向は、濃色になるほど顕著である。
【0003】また、ポリエステル繊維の制電加工に従来
一般的に使用されるグアニジン塩類、カチオン性界面活
性剤類或いは両性界面活性剤類、カチオン性ポリマー
類、及びその混合水性組成物からなるカチオン性帯電防
止剤と、フッ素系撥水剤の併用においては撥水性能が低
下する恐れもあった。我々の経験によれば、フッ素系撥
水剤と上記のカチオン性帯電防止剤併用処理の場合、フ
ッ素系撥水剤の使用量を適正化することにより、撥水性
能は50点以上、必要に応じて70点以上保持させるこ
とは比較的容易に可能である。これはフッ素系樹脂の製
膜性に起因していると考えられる。
【0004】しかし、撥水性能と制電性能という相矛盾
する性能を同時に満足するに十分な制電性能の付与につ
いては上記のカチオン性帯電防止剤では限界があり、2
0℃,40%RHという標準条件での摩擦帯電圧で精々
1,000V程度までが限界であった。この制電性能の
レベルは、日本では真冬の厳寒期、欧州の冬季、中でも
北欧の冬季に室内で暖房を使用しているような低湿度の
条件下では、この制電性能ではとても不十分であり、消
費者は安心して使用することが出来ない。人工皮革を使
った衣料、家具いずれにも当てはまる状況である。この
ような状況での対応策としては、撥水性を少々犠牲にし
て帯電防止剤の濃度アップにより制電性能を高める手法
を取らざるを得なかったが、上記従来の帯電防止剤では
染色堅牢度の低下につながるだけでなく、生地表面にマ
イグレートした帯電防止剤によって、生地を触ることで
手に付いたり、油状の感触になったりしてきわめて不快
な感触を与えることになる。
【0005】制電性能に着目すれば、特開昭56−16
5075号公報や特開昭57−143525号公報に示
されているような有機導電繊維の使用があるが、その多
くはカーボン入りのもので、染色する色合いに制限があ
ったり、コストを考慮すると実用的な技術ではない。従
って、人工皮革として十分な撥水性能を保持し、同時に
北欧の厳冬期にも耐えうる制電性能を有する技術は未だ
開発されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極細
ポリエステル繊維基材からなる人工皮革に、染色堅牢度
の低下や生地表面に油状の不快な感触が無く、且つ撥水
性能と制電性能を同時に高レベルで満足するための人工
皮革及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
ついて種々検討した結果、(A) フッ素系撥水剤と(B)酸
性燐酸エステルまたは燐酸及びそれらの塩の帯電防止剤
からなる水性混合組成物をポリウレエタン樹脂含有極細
ポリエステル繊維基材からなる人工皮革に適用すること
により、染色堅牢度の低下や生地表面に油状の不快な感
触が無く、且つ撥水性能と制電性能を同時に高レベルで
保つことができることを見出し、本発明を完成するに至
った。本発明は; 0.55dt以下の極細ポリエステル繊維基材にポ
リウレタン樹脂を含浸してなる人工皮革に、(A) フッ素
系撥水剤および、(B) 酸性燐酸エステル及びその塩、ま
たは燐酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも
一種の成分からなる帯電防止剤との混合水性組成物を付
与してなることを特徴とする、染色堅牢性の低下等がな
く、撥水性能と制電性能を同時に高いレベルで満足する
人工皮革を提供する。また、 0.55dt以下の極細ポリエステル繊維基材にポ
リウレタン樹脂を含浸してなる人工皮革に、(A) フッ素
系撥水剤および、(B) 酸性燐酸エステル及びその塩、ま
たは燐酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも
一種の成分からなる帯電防止剤との混合水性組成物を付
与することを特徴とする、染色堅牢性の低下等がなく、
撥水性能と制電性能を同時に高いレベルで満足する人工
皮革の製造方法を提供する。また、 フッ素系撥水剤(A) に対する帯電防止剤(B) の混合
比率は有効成分比で0.05〜10.0倍であり、且つ
混合水性組成物中の有効成分の人工皮革への付着量が
0.05〜8.0%(w/w)である点にも特徴を有す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における人工皮革として
は、0.55dt以下の極細繊維からなるポリエステル
を素材としたものが用いられる。基材の構造は、不織布
又は織編物からなるものに適用できる。不織布の場合
に、ニードルパンチに代表される乾式法、スパンレース
に代表される湿式法を問わず、また内部に織編物を封入
したものなど、その構造は問わない。基材に使用するポ
リエステル繊維の繊度は、極細繊維に通常用いる範囲の
0.55dt以下、より好ましくは0.022〜0.3
7dtで良い。
【0009】基材に含浸・付与するポリウレタン樹脂と
しては、ポリオール成分としてポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、或いはアクリルポリオールなどから選ばれる一
種、或いは二種以上の化合物と、イソシアネート成分と
してヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−
4,4ジイソシアネート、或いはイソホロンジイソシア
ネートなどから選ばれる一種、或いは二種以上の化合
物、更に鎖伸長剤としてエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコー
ル類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ピペリ
ジンなどのジアミン類、或いはアミノエチルジエタノー
ルアミン、ジメチロールブタン酸などのアイオノマーか
ら選ばれる一種、或いは二種以上の化合物の共重合体で
ある。
【0010】また、これらのポリウレタン樹脂はトルエ
ン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミドなどの
有機溶剤に溶解した形態、一般的非イオン性、カチオン
性、或いはアニオン性界面活性剤などの乳化剤を添加す
ることによりなる水性分散物、水性エマルジョンの形
態、或いはポリウレタン樹脂自体に水溶性をもたせソー
プフリーの自己乳化した形態で基材に付与する方法が一
般的に用いられる。このポリウレタン樹脂は、基材とな
る繊維に対し、2.0〜100.0%(w/w)、好ま
しくは5.0〜40.0%(w/w)の範囲で付与され
る。
【0011】本発明に使用されるフッ素系撥水剤(A)
は、構成単位(a) として下式(1): CH2 =C(−X)−COO−Y−Rf・・・(1) (但し、式中、Xは水素またはメチル基を示す。Yは炭
素数1〜3のアルキレン基、−CH2 CH2 N(x)S
2 −基[但し、xは炭素数1〜4のアルキル基]、ま
たは−CH2 CH(Oy)CH2 −基[但し、yは水素
またはアセチル基]を示す。Rfは炭素数3〜21のフ
ルオロアルキル基[但し、アルキル鎖中に1〜10の酸
素を含んでも良い]を示す。)で表されるフルオロアル
キル基を含有するアクリル酸エステル、またはメタクリ
ル酸エステルから誘導された単量体と、構成単位(b)
として一種類以上の共重合可能なエチレン性不飽和単量
体からなる共重合により合成される含フッ素化合物であ
る。
【0012】構成単位(b)としては、例えばエチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、フッ化
ビニル、ハロゲン化ビニルスチレン、α−メチルスチレ
ン、β−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸とそのア
ルキルエステル、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)
アクリルアミド、メチロール化(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルア
ルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、
ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イ
ソシアナートエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリシロキサンを
有する(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール
などが挙げられる。構成単位(b)としては、これらに
特に限定されるものではないが、好ましくは塩化ビニ
ル、及びアルキル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0013】本発明に於けるフッ素系撥水剤(A) に含ま
れる含フッ素共重合体中、上記構成単位(a)で示され
るような含フッ素化合物と、共重合可能なエチレン性不
飽和単量体でる構成単位(b)の構成比は任意に選定で
きるが、好ましくは構成単位(a)が50〜90%(w
/w)、好ましくは60〜80%(w/w)、構成単位
(b)が10〜50%(w/w)好ましくは20〜40
%(w/w)の範囲で共重合された含フッ素共重合体で
ある。
【0014】上記含フッ素化合物の重合方法や条件は、
乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、放射重合、
光重合など、各種の重合法が任意に選択できる。更に重
合開始剤としては有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩
のような各種重合開始剤、またはγ線のような電離性放
射線などが使用され得る。本発明で使用される上記含フ
ッ素重合体は、一般的非イオン性、アニオン性、カチオ
ン性、或いは両性界面活性剤などの各種乳化剤を添加す
ることによりなる水性分散物、水性エマルジョンの形態
で使用される。
【0015】また、本発明の主たる構成である帯電防止
剤(B) の、酸性燐酸エステル及びその塩とは、下式(2)
: 化合物(a) :(R−O)3-n−P(=O)−(OM)n ・・・(2) (上記化合物(a) 式中のRはアルキル基、アルケニル
基、フェニルまたは置換フェニル基、ポリオキシアルキ
レンアルキル基、ポリオキシアルキレンアルケニル基、
ポリオキシアルキレンアルキルフェニル基を示す。ま
た、式中のMはアルカリ金属、アンモニウム、アルキル
アミン、アルカノールアミン、または水素を示す。また
式中、n=1〜2である)燐酸、及びその塩とは、下式
(3) : 化合物 (b):(HO)3-n−P(=O)−(OMe)・・・(3) (上記化合物 (b)式中のMeはアルカリ金属、アンモニ
ウム、アルキルアミン、アルカノールアミンを示し、ま
た式中のn=0〜2である)で代表される化合物であ
る。
【0016】即ち、酸性燐酸エステル及びその塩として
は、例えばモノ/ジメチルホスフェート、モノ/ジエチ
ルホスフェート、モノ/ジプロピルホスフェート、モノ
/ジイソプロピルホスフェート、モノ/ジn−ブチルホ
スフェート、モノ/ジイソブチルホスフェート、モノ/
ジラウリルホスフェート、モノ/ジ2−エチルヘキシル
ホスフェート、モノ/ジポリオキシエチレンステアリル
ホスフェート、モノ/ジポリオキシエチレンオレイルホ
スフェートなど、及びこれらのナトリウム、カリウム、
アンモニウム、アルキルアミン、アルカノールアミンな
どの塩が挙げられる。これらのうち、モノ/ジプロピル
ホスフェート、モノ/ジイソプロピルホスフェート、モ
ノ/ジn−ブチルホスフェート、モノ/ジイソブチルホ
スフェートのナトリウム、またはカリウム塩が好適に用
いられる。
【0017】また燐酸及びその塩としては、例えば燐酸
二水素一ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水
素一カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸二水素一アン
モニウム、燐酸水素二アンモニウムなどが挙げられる。
これらの内、燐酸水素二ナトリウム、燐酸水素二カリウ
ムが好適に用いられる。化合物(a) 、 (b)のいずれか一
方が単独で使用されたり、また化合物(a) のいずれか一
種、或いは二種以上と化合物 (b)のいずれか一種、或い
は二種以上を混合して使用してもよく、その混合比率は
任意に選定できる。また、本発明にて使用する酸性燐酸
エステル及びその塩、または燐酸及びその塩は、併用す
るフッ素系撥水剤(A) に対する混合比率が有効成分比で
0.05〜10.0倍で、且つ混合水性組成物中の有効
成分としての人工皮革への付着量が0.05〜8.0%
(w/w)であり、より好ましくは、混合比率が0.2
〜3.0倍で、付着量として0.5〜5.0%(w/
w)のとき、本発明の効果が著しく発揮される。
【0018】本発明における撥水剤と帯電防止剤混合水
性組成物の人工皮革への付与方法としては、浸漬法、ス
プレー法、或いはコーティング法など、一般的繊維加工
にて行われている方法が適用できる。乾燥はテンタード
ライヤーが一般的で、温度は人工皮革の場合、120℃
程度の温度条件が望ましい。これ以上の高温は温度によ
って染料がブリードし染色堅牢度の低下につながる。ま
た、上記混合水性組成物中には、更にシリコーンエマル
ジョンなどの柔軟処理剤、可縫性向上剤、或いはメラミ
ン系、アクリル系、またはポリウレタン系樹脂などの各
種機能性付与加工剤、更に酢酸、蟻酸などの有機酸、或
いはグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石
酸、グリセリン酸などのヒドロキシ酸などをpH調整剤
として添加した組成物としても、本発明の効果には何ら
支障はない。本発明に係るポリウレタン樹脂含有極細ポ
リエステル繊維製人工皮革の染色に当たっては、ポリエ
ステル繊維の染色に通常使用される分散染料による方法
を採用される。
【0019】
【実施例】本発明を下記の実施例により説明するが、そ
れらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、実
施例中、特に断りのない限り%は重量%を示す。実施例
の説明中に用いられる評価方法は下記の通りである。 (1)撥水性能: JIS L 1092 スプレー試験に準ずる方法にて評価 (2)制電性能: 摩擦帯電圧・・JIS L 1094 B法に準ずる方法 にて評価 条件: 綿金巾3号、20℃/40%RH 漏洩抵抗値・・SM−5E型超絶縁計 (東亜電波工業 (株)製)にて測定 条件: 20℃/40%RH (3)染色堅牢度: JIS L 0844(A−2号)に準ずる方法にて評価 (4)表面感触: 触感による評価
【0020】実施例中の帯電防止剤は下記表1に示した
水性組成物を使用した。
【表1】
【0021】また、フッ素撥水剤は下記表2に示した水
性組成物を使用した。
【表2】
【0022】(実施例1〜3及び比較例1〜3)直接紡
糸法によって単繊維繊度0.12dtのポリエステル繊
維を製造し、長さ5mmに切断した短繊維を水中に分散
せしめ、抄造法で目付50g/m2 のシートを製造し
た。このシートを2枚積層し、その中心に目付量55g
/m2 のポリエステル繊維からなる平織物を挿入した
後、柱状流処理し、3次元交絡した不織布を製造した。
この不織布を#400のエメリーペーパーでバフした
後、水系ポリウレタン樹脂エマルジョン(非イオン系強
制乳化型ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、エバファノ
ールAP−12;日華化学(株)製)を、この不織布重
量に対し付着量10%(w/w)で含浸処理した。この
人工皮革原反を分散染料(商品名「レゾリン・ブルー
FBL150」、バイエル(株)製)を用い、サーキュ
ラー染色機で130℃×30分染色した後、還元洗浄し
テンター乾燥機にて100℃で乾燥し巻き上げた。この
染色反を用いて、下記表3に記した配合により調整した
水性組成物を含浸し、絞り率80%で絞った後、テンタ
ー乾燥機にて120℃で乾燥した。
【0023】
【表3】
【0024】(実施例4〜6及び比較例4〜6)直接紡
糸法によって単繊維繊度0.12dtのポリエステル繊
維を製造し、長さ3mmに切断した短繊維を水中に分散
せしめ、抄造法で目付40g/m2 のシートを製造し
た。このシートを2枚積層し、その中心に目付量55g
/m2 のポリエステル繊維からなる平織物を挿入した
後、柱状流処理し、3次元交絡した不織布を製造した。
この不織布を#400のエメリーペーパーでバフした
後、水系ポリウレタン樹脂エマルジョン(非イオン系強
制乳化型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、エバフ
ァノールAPC−55;日華化学(株)製)を、この不
織布重量に対し付着量10%(w/w)で含浸処理し
た。この人工皮革原反を分散染料(商品名「スミカロン
・イエロー S−BRFL」、住友化学工業(株)製)
を用い、サーキュラー染色機で130℃×30分染色し
た後、還元洗浄しテンター乾燥機にて100℃で乾燥し
巻き上げた。この染色反を用いて、下記表4に記した配
合により調整した水性組成物を含浸し、絞り率80%で
絞った後、テンター乾燥機にて120℃で乾燥した。
【0025】
【表4】 上記表3,4に記載の結果から、本実施例にかかる水性
組成物を付与した人工皮革は非常に良好な帯電防止性能
を有しており、しかも併用して処理されたフッ素系撥水
剤の本来発揮すべき撥水性への影響が殆ど無く、制電性
能、撥水性能が高度に両立した人工皮革が得られている
ことが判る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に簡単な方法
で、高品位の人工皮革を製造することが可能となる。す
なわち本発明の方法によって製造された人工皮革は、従
来の方法により製造された人工皮革製品に比較し、非常
に高レベルな帯電防止性能を発揮するので、あらゆる使
用条件下で静電気の発生を抑え、人工皮革の製造工程
中、或いは製品の縫性段階などに生ずる静電気に関わる
問題を解決でき、さらには人工皮革を使った商品が消費
者に対し与える静電気による不快感を解消できるという
効果が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田邊 一雄 福井市文京4丁目23番1号 日華化学株式 会社内 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA12 BA16 CA12 CA16 EA04 EA11 FA15 HA17 HA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.55dt以下の極細ポリエステル繊
    維基材にポリウレタン樹脂を含浸してなる人工皮革に、
    (A) フッ素系撥水剤および、(B) 酸性燐酸エステル及び
    その塩、または燐酸及びその塩からなる群より選ばれる
    少なくとも一種の成分からなる帯電防止剤との混合水性
    組成物を付与してなることを特徴とする、染色堅牢性の
    低下等がなく、撥水性能と制電性能を同時に高いレベル
    で満足する人工皮革。
  2. 【請求項2】 0.55dt以下の極細ポリエステル繊
    維基材にポリウレタン樹脂を含浸してなる人工皮革に、
    (A) フッ素系撥水剤および、(B) 酸性燐酸エステル及び
    その塩、または燐酸及びその塩からなる群より選ばれる
    少なくとも一種の成分からなる帯電防止剤との混合水性
    組成物を付与することを特徴とする、染色堅牢性の低下
    等がなく、撥水性能と制電性能を同時に高いレベルで満
    足する人工皮革の製造方法。
  3. 【請求項3】 フッ素系撥水剤(A) に対する帯電防止剤
    (B) の混合比率は有効成分比で0.05〜10.0倍で
    あり、且つ混合水性組成物中の有効成分の人工皮革への
    付着量が0.05〜8.0%(w/w)であることを特
    徴とする請求項1記載の人工皮革の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519281A (ja) * 1999-12-29 2003-06-17 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 撥水撥油性帯電防止組成物
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