JP2014001252A - 乳化物、乳化物の製造方法、撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、撥水性繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 界面活性剤を使用しないか、またはきわめて少量の使用で製造可能なカチオン性乳化物、前記乳化物の製造方法、前記乳化物を用いた撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、撥水性繊維製品を提供する。
【解決手段】 パラフィンワックス、カチオン性アクリルポリマーおよび水を含み、
前記カチオン性アクリルポリマーが、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である乳化物。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
【選択図】 なし
【解決手段】 パラフィンワックス、カチオン性アクリルポリマーおよび水を含み、
前記カチオン性アクリルポリマーが、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である乳化物。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
【選択図】 なし
Description
本発明は、乳化物、乳化物の製造方法、撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、撥水性繊維製品に関する。
パラフィンワックスを乳化物として撥水剤とすること、または、フッ素系撥水剤に前記乳化物をエクステンダーとして加えて使用することは、従来から行われている(例えば、特許文献1の第0002〜0004および0072段落)。前記エクステンダーは、例えば、染色布の染色堅牢度を低下させず、布の目ずれ現象を起こさないという特性を発現するために使用されることがある。
パラフィンワックスを乳化するには多量の界面活性剤を乳化剤として使用する必要があり、これが撥水性を低下させる要因となっていた。その対策として、例えば、特許文献1には、パラフィンワックスに比較的乳化の容易なカルボキシル基含有ポリエチレンワックスを一部併用して乳化物とする方法が記載されている。しかし、この方法でも、ワックスエマルションとするために、パラフィンワックスに対して10質量%以上の界面活性剤を用いる必要があり、十分な撥水性が得られない。
また、従来は、炭素数8のポリフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマー(以下「炭素数8フッ素ポリマー」という。)が撥水剤として用いられていたが、生分解性や人体蓄積性の問題がある。このため、近年は、炭素数8フッ素ポリマーに代えて、炭素数6のポリフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマー(以下「炭素数6フッ素ポリマー」という。)等が用いられている。しかし、これらの代替品は、炭素数8フッ素ポリマーと比べて撥水性が低いという問題がある。このため、これらの代替品を用いて高い撥水性を得るためには、撥水性を高める撥水助剤が必要になる。
さらに、繊維に対して撥水剤を使用する場合は、撥水剤以外に柔軟剤や帯電防止剤等の薬剤を併用する場合が多い。これら薬剤は一般的にカチオン性の薬剤が多いため、撥水剤もカチオン性であることが望ましい。
そこで、本発明は、界面活性剤を使用しないか、またはきわめて少量の使用で製造可能なカチオン性乳化物、前記乳化物の製造方法、前記乳化物を用いた撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、撥水性繊維製品を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の乳化物は、パラフィンワックス、カチオン性アクリルポリマーおよび水を含み、前記カチオン性アクリルポリマーが、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
本発明の第1の乳化物の製造方法は、パラフィンワックス中で、下記成分(a)および(b)を含む単量体組成物を溶液重合により共重合させてカチオン性アクリルポリマーとし、前記パラフィンワックスと前記カチオン性アクリルポリマーとの混合物を製造する溶液重合工程と、前記混合物に水を加えて前記カチオン性アクリルポリマーの作用により乳化させる乳化工程とを含む、乳化物の製造方法である。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
本発明の第2の乳化物の製造方法は、パラフィンワックス、下記成分(a)および(b)を含む単量体組成物、ならびに水を混合して乳化混合物を製造する乳化混合物製造工程と、前記乳化混合物中で、前記単量体組成物を乳化重合により共重合させてカチオン性アクリルポリマーとする乳化重合工程とを含む、乳化物の製造方法である。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
本発明の第1の撥水剤は、本発明の乳化物を含む撥水剤である。
本発明の撥水助剤は、フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤であって、本発明の乳化物を含む撥水助剤である。
本発明の第2の撥水剤は、フッ素系撥水剤と、本発明の撥水助剤とを含む撥水剤である。
本発明の第1の撥水加工方法は、撥水剤を用いた繊維の撥水加工方法であって、前記撥水剤が、本発明の第1または第2の撥水剤であることを特徴とする。
本発明の第2の撥水加工方法は、フッ素系撥水剤を用いた繊維の撥水加工方法であって、前記フッ素系撥水剤とともに、前記フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤を併用し、前記撥水助剤が、本発明の撥水助剤であることを特徴とする。
本発明の撥水性繊維製品の製造方法は、本発明の第1または第2の撥水加工方法により繊維を撥水加工する工程を含むことを特徴とする。
本発明の撥水性繊維製品は、本発明の撥水性繊維製品の製造方法により製造される撥水性繊維製品である。
本発明によれば、界面活性剤を使用しないか、またはきわめて少量の使用で製造可能なカチオン性乳化物、前記乳化物の製造方法、前記乳化物を用いた撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、撥水性繊維製品を提供することを目的とする。
以下、本発明について例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
1. 乳化物
本発明の乳化物は、前述のとおり、パラフィンワックス、カチオン性アクリルポリマーおよび水を含み、前記カチオン性アクリルポリマーが、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方」を意味する。すなわち、例えば「(メタ)アクリル酸エステル」は、「アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの少なくとも一方」を意味する。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
本発明の乳化物は、前述のとおり、パラフィンワックス、カチオン性アクリルポリマーおよび水を含み、前記カチオン性アクリルポリマーが、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方」を意味する。すなわち、例えば「(メタ)アクリル酸エステル」は、「アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの少なくとも一方」を意味する。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
本発明の乳化物において、前記パラフィンワックスの含有率は、特に限定されないが、例えば5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。前記カチオン性アクリルポリマーの含有率は、特に限定されないが、例えば0.5〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは1.5〜10質量%である。前記水の含有率は、特に限定されないが、製品化や使用のしやすさを考えると、通常50質量%以上が好ましい。本発明の乳化物は、前記パラフィンワックス、前記カチオン性アクリルポリマーおよび水以外の他の成分を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。本発明の乳化物において、前記他の成分の含有率は、特に限定されないが、例えば1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
(1)パラフィンワックス
本発明において、パラフィンワックスは、特に限定されないが、例えば、直鎖状の炭化水素であり炭素数20〜36のn−パラフィンを主成分とするもの、または、これを酸化してカルボキシル基を導入した酸化パラフィンがあげられる。また、前記パラフィンワックスは、単一の成分からなっていても良いし、複数の成分を含んでいても良い。前記パラフィンワックスの主成分の分子量は、特に限定されないが、好ましくは300〜500である。本発明において、パラフィンワックスは、市販のものを用いることができる。市販のパラフィンワックスとしては、例えば、日本精鑞社製「HNP−5」「NPS−9210」、および新日本石油社製「145°パラフィン」(いずれも商品名)等が挙げられる。
本発明において、パラフィンワックスは、特に限定されないが、例えば、直鎖状の炭化水素であり炭素数20〜36のn−パラフィンを主成分とするもの、または、これを酸化してカルボキシル基を導入した酸化パラフィンがあげられる。また、前記パラフィンワックスは、単一の成分からなっていても良いし、複数の成分を含んでいても良い。前記パラフィンワックスの主成分の分子量は、特に限定されないが、好ましくは300〜500である。本発明において、パラフィンワックスは、市販のものを用いることができる。市販のパラフィンワックスとしては、例えば、日本精鑞社製「HNP−5」「NPS−9210」、および新日本石油社製「145°パラフィン」(いずれも商品名)等が挙げられる。
(2)カチオン性アクリルポリマー
本発明の乳化物において、前記カチオン性アクリルポリマーは、前述のとおり、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である。前記単量体組成物は、下記単量体(a)および(b)以外の成分を、適宜含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
本発明の乳化物において、前記カチオン性アクリルポリマーは、前述のとおり、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である。前記単量体組成物は、下記単量体(a)および(b)以外の成分を、適宜含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
アルコール部分の炭素数が10以上である前記単量体(a)が、前記単量体組成物に含まれることで、本発明の乳化物を撥水剤または撥水助剤に用いた場合に、高い撥水性を発揮しやすい。前記単量体(a)のアルコール部分の炭素数は、12以上であることが、より好ましい。また、前記炭素数(a)において、アルコール部分の炭素数の上限は、特に限定されないが、コスト、実用性等の観点から、炭素数24以下が好ましい。すなわち、前記単量体(a)のアルコール部分の炭素数は、10〜24であることが好ましく、12〜24であることがより好ましい。
また、前記単量体組成物において、前記成分(b)は、前述のとおり、(メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体である。前記成分(b)は、前記カチオン性アクリルポリマーにカチオン性および親水性を付与する。前記3級アミノアルコールは、特に限定されないが、例えば、ジアルキルアミノアルカナール(ジアルキルアミノ基を有する飽和脂肪族アルコール)があげられる。前記アルカナール(飽和脂肪族アルコール)は、例えば、炭素数1〜4の直鎖または分枝アルカナールであり、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール(n−プロピルアルコール)、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等があげられる。前記ジアルキルアミノアルカナールとしては、ジアルキルアミノメタノール、2−(ジアルキルアミノ)エタノール、または3−(ジアルキルアミノ)プロパノールが特に好ましい。また、前記ジアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状でも分枝状でも良く、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基である。
これら単量体(a)と単量体(b)との比率、およびアルコール部分のアルキル鎖長等は、パラフィンの乳化と撥水性付与を鑑みて適宜組み合わせることができる。前記単量体(a)および(b)の、前記単量体組成物(カチオン性アクリルポリマー)中に占める割合は、合計で80質量%以上が好ましい。また、(a)/(b)の比率は質量比で80/20〜20/80が好ましい。この比率の範囲内であれば、界面活性剤を使用しないか、または少量の使用であってもパラフィンワックスの乳化が可能であり、高い撥水性が得られやすい。
また、前記単量体組成物は、パラフィンの乳化をさらに容易にする為に、さらに、アルコール部分の炭素数が9以下または11以下の(メタ)アクリル酸エステル単量体(g)を副成分として含んでいても良い。前記単量体(g)により、例えば、カチオン性アクリルポリマーによるパラフィンの乳化に際し、カチオン性アクリルポリマーの親水疎水バランスを調整することができる。単量体(g)の添加量は、単量体(a)および単量体(b)の種類、量等により適宜決定できる。前記単量体(g)は、より好ましくは、アルコール部分の炭素数が3〜6の単量体(e)である。前記単量体(e)のアルコール部分の炭素数は、例えば、汎用性およびコストの観点から、3〜5がさらに好ましく、4が特に好ましい。また、前記単量体(g)の、前記単量体組成物中における含有率は、特に限定されないが、例えば1〜30質量%、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
また、本発明の乳化物において、前記単量体(a)が、下記単量体(c)および(d)を含み、かつ、
前記単量体組成物が、さらに、下記単量体(e)を含むことが好ましい。
(c)(メタ)アクリル酸と、炭素数10〜14のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(d)(メタ)アクリル酸と、炭素数16〜24のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(e)(メタ)アクリル酸と、炭素数3〜6のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
前記単量体組成物が、さらに、下記単量体(e)を含むことが好ましい。
(c)(メタ)アクリル酸と、炭素数10〜14のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(d)(メタ)アクリル酸と、炭素数16〜24のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(e)(メタ)アクリル酸と、炭素数3〜6のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
撥水性およびその他の実用性、コスト等の観点から、前記単量体(c)において、アルコール部分の炭素数が18であることが特に好ましく、前記単量体(d)において、アルコール部分の炭素数が12であることが特に好ましい。また、前記単量体(e)において、アルコール部分の炭素数が4であることが特に好ましい。
また、前記カチオン性アクリルポリマーは、さらに、任意の官能基を有する誘導体であっても良い。前記官能基は、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種であっても良い。これにより、例えば、本発明の乳化物を撥水剤または撥水助剤として繊維製品等に付着させて用いた場合に、さらに洗濯耐久性のある優れた撥水性を発現することができる。
(3)他の成分
本発明の乳化物は、さらに、界面活性剤を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。界面活性剤を含む場合は、撥水性低下防止の観点から、前記界面活性剤の含有率が、前記乳化物に対し5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。前記界面活性剤は、特に限定されず、ノニオン(非イオン)性界面活性剤、カチオン(陽イオン)性界面活性剤、アニオン(陰イオン)性界面活性剤のいずれでも良いが、ノニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン系界面活性剤等があげられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩等があげられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸等があげられる。
本発明の乳化物は、さらに、界面活性剤を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。界面活性剤を含む場合は、撥水性低下防止の観点から、前記界面活性剤の含有率が、前記乳化物に対し5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。前記界面活性剤は、特に限定されず、ノニオン(非イオン)性界面活性剤、カチオン(陽イオン)性界面活性剤、アニオン(陰イオン)性界面活性剤のいずれでも良いが、ノニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン系界面活性剤等があげられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩等があげられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸等があげられる。
本発明の乳化物において、前記パラフィンワックス以外に、撥水性を有する他のワックスをさらに含んでいても良い。前記他のワックスとしては、ポリエチレンワックス、ロジンエステルやカルナバワックス等の天然系ワックス、石油樹脂等があげられる。また、本発明の乳化物は、繊維素材に柔軟性や可縫性を付与するために、脂肪酸アミド化合物、シリコーン化合物等をさらに含んでいても良い。
2.乳化物の製造方法
本発明の乳化物の製造方法は、特に限定されないが、前記本発明の第1の乳化物の製造方法(以下「第1の製造方法」ということがある。)、または、前記本発明の第2の乳化物の製造方法(以下「第2の製造方法」ということがある。)が好ましい。前記第1の製造方法は、前記パラフィンワックス中で、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体組成物の溶液重合を行った後、水を加えて乳化する方法である。前記第2の製造方法は、あらかじめ前記パラフィンワックス、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体組成物および水を混合し、乳化混合物としてから乳化重合を行う方法である。
本発明の乳化物の製造方法は、特に限定されないが、前記本発明の第1の乳化物の製造方法(以下「第1の製造方法」ということがある。)、または、前記本発明の第2の乳化物の製造方法(以下「第2の製造方法」ということがある。)が好ましい。前記第1の製造方法は、前記パラフィンワックス中で、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体組成物の溶液重合を行った後、水を加えて乳化する方法である。前記第2の製造方法は、あらかじめ前記パラフィンワックス、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体組成物および水を混合し、乳化混合物としてから乳化重合を行う方法である。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法のいずれにおいても、(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合反応と、主たる撥水成分であるパラフィンの乳化とを、同一系内で行うことができる。このように製造工程を簡略化することで、本発明の乳化物を安価に提供できる。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、前記パラフィンワックス、前記単量体組成物、および前記水の使用量の比率は特に限定されない。例えば、前記使用量の比率は、製造目的とする本発明の乳化物における前記パラフィンワックス、前記カチオン性アクリルポリマー、および前記水の含有率に対応するように適宜決定すれば良い。前記含有率は、例えば、前記「1.乳化物」において説明したとおりである。前記パラフィンワックス、前記カチオン性アクリルポリマー、および前記水以外の他の成分を用いる場合も同様である。また、前記カチオン性アクリルポリマーの原料となる前記単量体組成物において、各成分の使用量の比率は、特に限定されないが、例えば、前記「1.乳化物」において説明したとおりである。
前記第1の製造方法において、溶液重合後には、界面活性剤を加えなくても良いが、さらに乳化しやすくするために界面活性剤を加えても良い。界面活性剤を加える場合は、前記界面活性剤の使用量が、前記乳化物に対し5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることが好ましい。このように、界面活性剤が極めて少量であることにより、例えば、撥水性が高い、または撥水剤の撥水性を低下させない乳化物を製造できる。前記界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、前記「1.乳化物」の「(3)他の成分」で説明したとおりである。
前記第2の製造方法において、あらかじめ前記パラフィンワックス、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体組成物および水を混合し、乳化混合物とする方法は、特に限定されず、例えば、ホモジナイザー等を用いても良い。前記乳化混合物は、界面活性剤を含まなくても良いが、さらに乳化しやすくするために界面活性剤を含んでいても良い。界面活性剤を含む場合は、前記界面活性剤の使用量が、前記乳化物に対し5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることが好ましい。前記第2の製造方法によれば、このように界面活性剤がきわめて少量でも乳化重合可能であるため、例えば、撥水性が高い、または撥水剤の撥水性を低下させない乳化物を製造できる。前記界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、前記「1.乳化物」の「(3)他の成分」で説明したとおりである。
前記第1の製造方法および前記第2の製造方法において、重合反応のメカニズムとしては、例えば、ラジカル重合反応、放射線重合反応、光重合反応等が選択可能であり、特に、ラジカル重合反応を用いる乳化重合法が好ましい。前記重合反応において、適宜、重合開始剤を用いても良い。前記重合開始剤は特に限定されず、有機酸過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の各種の重合開始剤を用いることができ、1種類でも複数種類併用しても良い。
前記溶液重合または前記乳化重合における反応時間および反応温度も特に限定されず、例えば、公知のカチオン性アクリルポリマーの製造方法等を参考にして適宜決定すれば良い。前記溶液重合における反応時間は、例えば0.5〜12hr、好ましくは1〜6hr、より好ましくは2〜4hrである。反応温度は、例えば80〜140℃、好ましくは85〜120℃、より好ましくは90〜110℃である。前記乳化重合における反応時間は、例えば0.5〜8hr、好ましくは1〜6hr、より好ましくは2〜4hrである。反応温度は、例えば80〜100℃、好ましくは85〜100℃、より好ましくは90〜100℃である。
なお、前述のとおり、本発明の乳化物の製造方法は、前記第1の製造方法および前記第2の製造方法に限定されない。例えば、あらかじめ、重合により前記カチオン性アクリルポリマーを製造し、それをパラフィンワックスと混合して乳化し、本発明の乳化物とすることもできる。
3.乳化物の用途(撥水剤、撥水助剤等)
本発明の乳化物の用途は特に限定されないが、例えば、前記本発明の第1の撥水剤(以下「第1の撥水剤」ということがある。)もしくは前記本発明の第2の撥水剤(以下「第2の撥水剤」ということがある。)、または前記本発明の撥水助剤として用いることができる。具体的には、例えば、本発明の乳化剤は、そのまま撥水剤として用いても良いし、フッ素系撥水剤に添加して、前記フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤として用いても良い。
本発明の乳化物の用途は特に限定されないが、例えば、前記本発明の第1の撥水剤(以下「第1の撥水剤」ということがある。)もしくは前記本発明の第2の撥水剤(以下「第2の撥水剤」ということがある。)、または前記本発明の撥水助剤として用いることができる。具体的には、例えば、本発明の乳化剤は、そのまま撥水剤として用いても良いし、フッ素系撥水剤に添加して、前記フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤として用いても良い。
前記フッ素系撥水剤は、フッ素含有ポリマーを含む撥水剤である。前記フッ素含有ポリマーは、例えば、ポリフルオロアルキル基を有するポリマーである。前記ポリフルオロアルキル基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子で置換された基を意味する。前述のように、従来は、炭素数8のポリフルオロアルキル基を有する炭素数8フッ素ポリマーが、撥水剤として用いられていたが、生分解性や人体蓄積性の問題がある。このため、近年は、炭素数8フッ素ポリマーに代えて、炭素数6のポリフルオロアルキル基を有する炭素数6フッ素ポリマーが用いられているが、炭素数8フッ素ポリマーと比較して撥水性が低いという問題がある。このため、炭素数6フッ素ポリマーに助剤を添加して用いた場合、さらに撥水性が低くなるおそれがある。しかし、本発明の撥水助剤によれば、フッ素系撥水剤の撥水性を低下させずに維持する、または撥水性をさらに向上させることができる。このため、例えば、炭素数6フッ素ポリマーに本発明の撥水助剤を加えることで、炭素8フッ素ポリマーと同等以上の撥水性を得ることも可能である。
本発明において、前記フッ素系撥水剤は、特に限定されず、1種類でも良いし、複数種類併用しても良い。前記フッ素系撥水剤は、前述のとおり、例えば、ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す。)を含む、フッ素含有ポリマーである。前記フッ素含有ポリマーは、例えば、従来のフッ素系撥水剤と同様のフッ素含有ポリマーでも良い。
Rf基は、前述のとおり、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子で置換された基である。Rf基の炭素数は、特に限定されないが、1〜20が好ましく、4〜16がより好ましい。前記フッ素含有ポリマーの生分解性、人体蓄積性等の観点からは、Rf基の炭素数は、8未満が特に好ましい。Rf基の炭素数が8未満であるフッ素含有ポリマーは、例えば、炭素数6フッ素ポリマー(Rf基の炭素数が6であるフッ素含有ポリマー)であっても良い。Rf基は、直鎖状または分岐状のいずれでもよい。分岐状である場合には、分岐部分がRf基の末端部分またはその付近に存在するのが好ましい。Rf基の炭素原子の一部は、エーテル性の酸素原子またはチオエーテル性のイオウ原子に置換されていてもよい。さらに、Rf基は、フッ素原子以外の他のハロゲン原子、例えば塩素原子等を含んでいてもよい。
Rf基中のフッ素原子の数は、Rf基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原子をフッ素原子で置換するとして、その置換割合で表現した場合に、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。また、Rf基の末端部分が、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基であるペルフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。さらに、Rf基全体がペルフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
なお、本発明において「ポリフルオロアルキル基」は、ポリフルオロアルキル(Rf基)に対応する構造のポリフルオロアルキレン基も含むものとする。また、前記Rf基の両端の炭素原子にそれぞれフッ素原子が結合しているように前記Rf基を定義して前記Rf基の炭素数を数えるものとする。例えば、フッ素含有ポリマー中に、下記式(A)で表される3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基が存在する場合、Rf基は、下記式(A)で表される構造全体でなく、−(CF2)5CF3で表されるトリデカフルオロヘキシル基(−C6F13)部分であるものとする。したがって、この場合、Rf基の炭素数は6である。また、下記式(B)で表される3,3,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基が存在する場合、Rf基は、1,1,6,6,6−ペンタフルオロヘキシル基(−CF2(CH2)4CF3)部分であるものとする。この場合、Rf基の炭素数は6である。また、下記式(C)で表される3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロノニレン基が存在する場合、Rf基は、−(CF2)5−部分であり、Rf基の炭素数は5であるものとする。下記式(D)で表される3,3,8,8−テトラフルオロデシレン基が存在する場合、Rf基は、−CF2(CH2)4CF2−部分であり、Rf基の炭素数は6であるものとする。
−CH2CH2(CF2)5CF3 ・・・(A)
−CH2CH2CF2(CH2)4CF3 ・・・(B)
−CH2CH2(CF2)5CH2CH2− ・・・(C)
−CH2CH2CF2(CH2)4CF2CH2CH2− ・・・(D)
−CH2CH2(CF2)5CF3 ・・・(A)
−CH2CH2CF2(CH2)4CF3 ・・・(B)
−CH2CH2(CF2)5CH2CH2− ・・・(C)
−CH2CH2CF2(CH2)4CF2CH2CH2− ・・・(D)
前記フッ素系撥水剤としては、側鎖にRf基を含有する重合体、または、主鎖中にRf基に対応する構造のポリフルオロアルキレン基を含有するポリウレタン化合物が好ましく、特に、側鎖にRf基を含有する重合体が好ましい。
側鎖にRf基を含有する重合体としては、Rf基を含有するアクリレートおよび/またはメタクリレートに基づく重合単位を含む重合体が好ましい。なお、以下において、アクリレートおよび/またはメタクリレートを、まとめて(メタ)アクリレートと記す。
Rf基含有(メタ)アクリレートとしては、下記式1で表される化合物が好ましい。
CH2=C(R)COO−Q−Rf ・・・(式1)
前記式1において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Qは2価の有機基を示し、Rfは上記のRf基を示す。
CH2=C(R)COO−Q−Rf ・・・(式1)
前記式1において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Qは2価の有機基を示し、Rfは上記のRf基を示す。
前記式1におけるQは、アルキレン基またはアルキレン基から誘導される2価の有機基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。前記Qとしては、具体的には、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2N(CH3)CO−、−CH2CH2N(CH3)SO2−、−CH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2−等が好ましい。
式1におけるRfは、前記のようにペルフルオロアルキル基が好ましく、CnF2n+1−(ただし、nは4〜16の整数を示す。)で表される直鎖構造のペルフルオロアルキル基がより好ましく、nが6〜12である直鎖構造のペルフルオロアルキル基がさらに好ましい。
前記式1で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されない。ここで、Rは水素原子またはメチル基を示し、RfはRf基を示す。
CH2=CRCOOCH2CH2Rf、
CH2=CRCOOCH(CH3)CH2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(CH3)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C2H5)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C3H7)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(CH3)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C2H5)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C3H7)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2Rf。
CH2=CRCOOCH(CH3)CH2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(CH3)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C2H5)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C3H7)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(CH3)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C2H5)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C3H7)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2Rf。
Rf基含有(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、Rf基の炭素数の異なる化合物を2種以上併用してもよい。
また、フッ素系撥水剤として、上記Rf基含有(メタ)アクリレートに基づく重合単位を含む重合体を用いる場合には、重合体中のフッ素含有量を調節する等の目的で、Rf基含有(メタ)アクリレート以外のその他の単量体に基づく重合単位を含有させることが好ましい。前記その他の単量体としては、ラジカル重合性の不飽和結合を有する単量体が好ましい。
前記その他の単量体としては、塩化ビニル、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレン、酢酸ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化ビニルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール等が挙げられ、特に塩化ビニル、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。
Rf基含有(メタ)アクリレートに基づく重合単位を含む重合体における、Rf基含有(メタ)アクリレートの重合単位の含有量は、該重合体の25質量%以上であることが、撥水性発現の観点から好ましい。
フッ素系撥水剤として、Rf基含有(メタ)アクリレートの重合単位を含む重合体を用いる場合、前記重合体の製造方法は特に限定されず、例えば、公知の製造方法(重合方法)および反応条件等を任意に選択できる。前記重合方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合等があげられる。また、重合反応のメカニズムとしては、例えば、ラジカル重合反応、放射線重合反応、光重合反応等が選択可能であり、特に、ラジカル重合反応を用いる乳化重合法が好ましい。
乳化重合法を用いる場合には、単量体、界面活性剤などを水の存在下に乳化させ、撹拌し、重合させる方法が好ましい。また、ホモジナイザー等の乳化機を用いて、単量体、界面活性剤、水等を、予め乳化した後、撹拌下に重合させる方法も好ましい。
重合開始剤としては、有機酸過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の各種の重合開始剤が好ましい。また、界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、両性またはノニオン性の各種界面活性剤を使用できる。
また、フッ素系撥水剤としてRf基に対応する構造のポリフルオロアルキレン基を含有するポリウレタン化合物を用いる場合には、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含むRf化合物と、ポリイソシアネート化合物との反応生成物が好ましい。
イソシアネート基との反応性を有する官能基を含むRf化合物としては、Rf基と水酸基とを有する化合物、Rf基とアミノ基とを有する化合物、Rf基とカルボキシ基とを有する化合物が好ましい。また、ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらの多量体、ヌレート変性体、ビュレット変性体等が挙げられる。
また、Rf基含有ポリウレタン化合物は、イソシアネートとの反応性を有する官能基を含むRf化合物以外に、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含み、Rf基を含まない化合物をポリイソシアネート化合物と反応させた化合物であってもよい。イソシアネートとの反応性を有する官能基を含み、Rf基を含まない化合物としては、アルコール、アミン、カルボン酸等が挙げられる。好ましいRf基含有ポリウレタン化合物としては特開昭58−189284号公報および特開昭59−157166号公報に記載される化合物が挙げられる。
本発明において、前記フッ素系撥水剤は、市販されているものを用いてもよい。たとえば、旭硝子社製のアサヒガード「AG−E061」、「AG−E081」等、ダイキン社製のユニダイン「TG−5601」、「TG−5541」(いずれも商品名)等が挙げられる。
なお、フッ素系撥水剤と、前記本発明の撥水助剤とを含む前記本発明の第2の撥水剤において、フッ素系撥水剤の含有率は、例えば10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
本発明によれば、例えば、前述のように、本発明の乳化剤を単独で撥水剤として用いて、または、フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤として用いて繊維を撥水加工することができる。これにより、撥水性に優れた撥水性繊維製品を製造可能である。
本発明による、繊維の撥水加工方法および撥水性繊維製品の製造方法は、特に限定されない。例えば、従来の撥水剤に代えて本発明の前記第1の撥水剤または前記第2の撥水剤を用いること以外は、公知の繊維の撥水加工方法または撥水性繊維製品の製造方法と同様でも良い。例えば、本発明の前記第1の撥水剤または前記第2の撥水剤を、水等の媒体と混合して撥水処理液を調製し、繊維または繊維製品に染み込ませた後に、前記繊維または繊維製品を乾燥させても良い。前記媒体は、水が好ましい。前記撥水処理液における前記フッ素系撥水剤および前記撥水助剤の合計質量は、特に限定されないが、前記媒体(例えば水)の質量に対し、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは2〜20%、さらに好ましくは3〜15%、特に好ましくは5〜10%である。
また、フッ素系撥水剤と前記本発明の撥水助剤とは、混合して前記第2の撥水剤として用いる使用形態でも良いが、これに代えて、それぞれを単独で繊維の撥水加工方法または撥水性繊維製品の製造方法に用いる使用形態でも良い。以下において「第2の撥水剤」という場合、前者および後者の使用形態をまとめて示すこととする。なお、前記第2の撥水剤において、前記フッ素系撥水剤と前記撥水助剤との質量比は、特に限定されないが、好ましくは90:10〜10:90、より好ましくは80:20〜20:80、さらに好ましくは70:30〜30:70である。
本発明の繊維の撥水加工方法または撥水性繊維製品の製造方法に用いることのできる撥水加工方法としては、より具体的には、例えば、連続法またはバッチ法等があげられる。
前記連続法は、例えば、まず、水性媒体(例えば水)により、本発明の前記第1の撥水剤または前記第2の撥水剤を希釈して撥水処理液を調整する。つぎに、前記撥水処理液で満たされた含浸装置に、被処理物である繊維または繊維製品を連続的に送り込み、前記被処理物に前記撥水処理液を含浸させた後、不要な撥水処理液を除去する。含浸装置としては特に限定されないが、パッダ式付与装置、キスロール式付与装置、グラビアコーター式付与装置、スプレー式付与装置、フォーム式付与装置、コーティング式付与装置が好ましく、パッダ式が特に好ましい。続いて、乾燥器を用いて被処理物に残存する水を除去する。前記乾燥機としては、特に限定されないが、ホットフルー、テンター等の拡布乾燥機が好ましい。前記連続法は、例えば、被処理物が織物等の布帛状の場合に用いるのが好ましい。
前記バッチ法は、例えば、被処理物である繊維または繊維製品を撥水処理液に浸漬する浸漬工程、および、前記撥水処理液に浸漬した前記被処理物に残存する水を除去する水除去工程からなる。前記バッチ法は、例えば、前記被処理物が連続法による処理に適さない場合に用いるのが好ましい。より具体的には、前記被処理物が布帛状でない場合、例えば、前記被処理物が、バラ毛、トップ、スライバ、かせ、トウ、糸等である場合、または、前記被処理物が編み物である場合等があげられる。前記浸漬工程においては、例えば、ワタ染機、チーズ染色機、液流染色機、工業用洗濯機、ビーム染色機等を用いることができる。前記水除去工程においては、例えば、チーズ乾燥機、ビーム乾燥機、タンブルドライヤー等の温風乾燥機、高周波乾燥機等を用いることができる。
本発明の前記第1の撥水剤または前記第2の撥水剤を付着させた被処理物には、乾熱処理を行うことが好ましい。前記乾熱処理を行うと、本発明の前記第1の撥水剤または前記第2の撥水剤の有効成分が、前記被処理物に、より強固に付着しやすいためである。ただし、本発明は、乾熱処理を行わなくても良い。また、本発明の撥水剤及び撥水助剤は、紙製品、木質板(例えば、パーティクルボード、MDFボード等)等にも用いることができる。
また、本発明の乳化剤の用途は、前述のとおり、撥水剤および撥水助剤に限定されず、他の用途に用いても良い。前記他の用途としては、例えば、染色布の染色堅牢度を低下させず、布の目ずれ現象を起こさないという特性を発現するためのエクステンダーとして、フッ素系撥水剤に添加して用いることもできる。また、例えば、本発明の乳化剤は、前記他の用途を兼ねる撥水助剤として用いても良い。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
[実施例1〜7:乳化物の製造]
下記表1または表2に示す原料組成により、乳化物を製造した。比較対照のために、カチオン性アクリルポリマー((メタ)アクリル酸エステル単量体の重合体)を含まない乳化物(比較例1および2)も製造した。表中において、pH以外の数値は、特に単位を示さない限り、乳化物から調整水を除いた全質量を100質量部とした場合の、各成分の質量部数を表す。また、有効成分の含有率(%)は、質量%で表している。有効成分の含有率は、調整水の添加量により調整した。乳化物の外観は、目視で評価した。乳化物のpHは、蒸留水を用いて1質量%に希釈した後、PHメーターを用いて測定した。また、乳化物の平均粒子径は、BECKMAN社製のサブミクロン粒子アナライザー(レーザー回折/散乱法)を用いて、数平均分子量を測定し、前記数平均分子量に基づいて算出した。そして、実施例1〜7および比較例1〜2における原料成分は、特に断らない限り、下記の商品を用いた。
下記表1または表2に示す原料組成により、乳化物を製造した。比較対照のために、カチオン性アクリルポリマー((メタ)アクリル酸エステル単量体の重合体)を含まない乳化物(比較例1および2)も製造した。表中において、pH以外の数値は、特に単位を示さない限り、乳化物から調整水を除いた全質量を100質量部とした場合の、各成分の質量部数を表す。また、有効成分の含有率(%)は、質量%で表している。有効成分の含有率は、調整水の添加量により調整した。乳化物の外観は、目視で評価した。乳化物のpHは、蒸留水を用いて1質量%に希釈した後、PHメーターを用いて測定した。また、乳化物の平均粒子径は、BECKMAN社製のサブミクロン粒子アナライザー(レーザー回折/散乱法)を用いて、数平均分子量を測定し、前記数平均分子量に基づいて算出した。そして、実施例1〜7および比較例1〜2における原料成分は、特に断らない限り、下記の商品を用いた。
140°Fパラフィン:TAIWAN WAX CO.,LTD.製、パラフィンワックス140F(商品名)
酸化パラフィンワックス:日本精鑞株式会社製、NPS−9210(商品名)
メタクリル酸ステアリル:三菱レイヨン社製、アクリエステルS(商品名)
メタクリル酸ジメチルアミノエチル:三菱レイヨン社製、アクリエステルDM(商品名)
メタクリル酸ジエチルアミノエチル:三菱レイヨン社製、アクリエステルDE(商品名)
メタクリル酸ラウリル:三菱レイヨン社製、アクリエステルL(商品名)
メタクリル酸ブチル:三菱レイヨン社製、アクリエステルB(商品名)
アゾイソブチロニトリル:日本ヒドラジン工業株式会社製、ABN−R(商品名)
柔軟剤:ステアリン酸・ジエチレントリアミン・尿素縮合物、融点70℃、一方社油脂工業製
過硫酸カリウム:三菱ガス化学株式会社製
ポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテル:ライオン株式会社製、レオックスSC−631(商品名)
ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミン:ライオン株式会社製、エソミンHT−14(商品名)
ポリエチレン:「4202E(商品名)」(三井化学社製、融点100℃、酸価17mgKOH/g)
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル:花王社製、エマルゲン210P(商品名)
酸化パラフィンワックス:日本精鑞株式会社製、NPS−9210(商品名)
メタクリル酸ステアリル:三菱レイヨン社製、アクリエステルS(商品名)
メタクリル酸ジメチルアミノエチル:三菱レイヨン社製、アクリエステルDM(商品名)
メタクリル酸ジエチルアミノエチル:三菱レイヨン社製、アクリエステルDE(商品名)
メタクリル酸ラウリル:三菱レイヨン社製、アクリエステルL(商品名)
メタクリル酸ブチル:三菱レイヨン社製、アクリエステルB(商品名)
アゾイソブチロニトリル:日本ヒドラジン工業株式会社製、ABN−R(商品名)
柔軟剤:ステアリン酸・ジエチレントリアミン・尿素縮合物、融点70℃、一方社油脂工業製
過硫酸カリウム:三菱ガス化学株式会社製
ポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテル:ライオン株式会社製、レオックスSC−631(商品名)
ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミン:ライオン株式会社製、エソミンHT−14(商品名)
ポリエチレン:「4202E(商品名)」(三井化学社製、融点100℃、酸価17mgKOH/g)
ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル:花王社製、エマルゲン210P(商品名)
実施例1〜7および比較例1〜2の乳化物の製造は、以下のようにして行った。
実施例1:溶液重合による乳化物の製造
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを100g、メタクリル酸ステアリルを12g、メタクリル酸ジメチルアミノエチルを4g配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温して攪拌し、均一になるまで混合した。この混合物中に、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを0.02g添加し、さらに、100℃に昇温して2時間加熱し、溶融パラフィン中での溶液重合を行なった。その後、酢酸(90%)を8g添加し、均一に混合した。これに80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行なった後冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えてpH4.3(1%水溶液)、有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は536nmであった。
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを100g、メタクリル酸ステアリルを12g、メタクリル酸ジメチルアミノエチルを4g配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温して攪拌し、均一になるまで混合した。この混合物中に、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを0.02g添加し、さらに、100℃に昇温して2時間加熱し、溶融パラフィン中での溶液重合を行なった。その後、酢酸(90%)を8g添加し、均一に混合した。これに80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行なった後冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えてpH4.3(1%水溶液)、有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は536nmであった。
実施例2〜3:溶液重合による乳化物の製造
パラフィン、各単量体および重合開始剤の組成を、前記表1の「実施例2」または「実施例3」の組成とする以外は実施例1と同様にして溶液重合を行った後、実施例1と同様にして乳化し、有効成分30%の乳化物を得た。なお、実施例2および3のいずれも、140°Fパラフィンの使用量を80gとした。
パラフィン、各単量体および重合開始剤の組成を、前記表1の「実施例2」または「実施例3」の組成とする以外は実施例1と同様にして溶液重合を行った後、実施例1と同様にして乳化し、有効成分30%の乳化物を得た。なお、実施例2および3のいずれも、140°Fパラフィンの使用量を80gとした。
実施例4:溶液重合による乳化物の製造
パラフィン、各単量体および重合開始剤の組成を、前記表1の「実施例4」の組成とする以外は実施例1と同様にして溶液重合を行った。なお、140°Fパラフィンの使用量は80gとした。その後、乳化剤として非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテル1.6g、ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミン0.4g)を添加して均一混合した。その後、酢酸(90%)を8g添加均一混合した後、80℃の温水を徐々に加えながら攪拌、転相乳化を行ない、合成例1と同様にして有効成分30%の乳化物を得た。
パラフィン、各単量体および重合開始剤の組成を、前記表1の「実施例4」の組成とする以外は実施例1と同様にして溶液重合を行った。なお、140°Fパラフィンの使用量は80gとした。その後、乳化剤として非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテル1.6g、ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミン0.4g)を添加して均一混合した。その後、酢酸(90%)を8g添加均一混合した後、80℃の温水を徐々に加えながら攪拌、転相乳化を行ない、合成例1と同様にして有効成分30%の乳化物を得た。
実施例5:溶液重合による乳化物の製造
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを80g、酸化パラフィンワックスを8g、メタクリル酸ステアリルを7.2g、メタクリル酸ジメチルアミノエチルを2g、メタクリル酸ラウリルを0.16g、メタクリル酸ブチルを0.16gを配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温して攪拌し、均一に混合した。この混合物中に、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを0.016g添加し、さらに、100℃に昇温して2時間加熱し、溶融パラフィン中での溶液重合を行なった。続いて、柔軟剤を20g加えて溶解させ、さらに酢酸(90%)を9g添加し、均一に混合した。これに80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行なった後冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えてpH4.3(1%水溶液)、有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は100nmであった。
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを80g、酸化パラフィンワックスを8g、メタクリル酸ステアリルを7.2g、メタクリル酸ジメチルアミノエチルを2g、メタクリル酸ラウリルを0.16g、メタクリル酸ブチルを0.16gを配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温して攪拌し、均一に混合した。この混合物中に、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを0.016g添加し、さらに、100℃に昇温して2時間加熱し、溶融パラフィン中での溶液重合を行なった。続いて、柔軟剤を20g加えて溶解させ、さらに酢酸(90%)を9g添加し、均一に混合した。これに80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行なった後冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えてpH4.3(1%水溶液)、有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は100nmであった。
実施例6:乳化重合による乳化物の製造
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを80g、酸化パラフィンワックスを20g、メタクリル酸ステアリルを8g、メタクリル酸ジエチルアミノエチルを4g、メタクリル酸ラウリルを2.8g、メタクリル酸ブチルを1.2g、乳化剤としてポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテルを2.8g、ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミンを0.8g配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃に昇温して均一混合した。つぎに、塩酸(35%)を5.6g添加した後、80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行い、全量200gのプレエマルションを得た。さらに、重合開始剤として過硫酸カリウム0.04gを1gの水に希釈して添加した後、95℃で2時間、乳化重合を行った。さらに、80℃の温水を添加して希釈後、常温まで冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えて有効成分30%の乳化物を得た。
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを80g、酸化パラフィンワックスを20g、メタクリル酸ステアリルを8g、メタクリル酸ジエチルアミノエチルを4g、メタクリル酸ラウリルを2.8g、メタクリル酸ブチルを1.2g、乳化剤としてポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテルを2.8g、ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミンを0.8g配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃に昇温して均一混合した。つぎに、塩酸(35%)を5.6g添加した後、80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行い、全量200gのプレエマルションを得た。さらに、重合開始剤として過硫酸カリウム0.04gを1gの水に希釈して添加した後、95℃で2時間、乳化重合を行った。さらに、80℃の温水を添加して希釈後、常温まで冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えて有効成分30%の乳化物を得た。
実施例7:乳化重合による乳化物の製造
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを80g、酸化パラフィンワックスを10g、メタクリル酸ステアリルを7.2g、メタクリル酸ジエチルアミノエチルを2g、メタクリル酸ラウリルを0.2g、メタクリル酸ブチルを0.2g、乳化剤としてポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテルを2g、ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミンを0.56g、柔軟剤を16g配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃に昇温して均一混合した。つぎに、塩酸(35%)を5.6g添加した後、80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行い、全量200gのプレエマルションを得た。つぎに、重合開始剤として過硫酸カリウム0.04gを1gの水に希釈して添加した後、95℃で2時間、乳化重合を行った。その後、80℃の温水を添加して希釈した後、常温まで冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えてpH4.3(1%水溶液)、有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は114nmであった。
攪拌羽根付き500mlコルベン(フラスコ)内に、140°Fパラフィンを80g、酸化パラフィンワックスを10g、メタクリル酸ステアリルを7.2g、メタクリル酸ジエチルアミノエチルを2g、メタクリル酸ラウリルを0.2g、メタクリル酸ブチルを0.2g、乳化剤としてポリオキシエチレン(7)ステアリルエーテルを2g、ポリオキシエチレン(4)ステアリルアミンを0.56g、柔軟剤を16g配合し、窒素ガスを吹き込みながら80℃に昇温して均一混合した。つぎに、塩酸(35%)を5.6g添加した後、80℃の温水を徐々に加えながら攪拌し、転相乳化を行い、全量200gのプレエマルションを得た。つぎに、重合開始剤として過硫酸カリウム0.04gを1gの水に希釈して添加した後、95℃で2時間、乳化重合を行った。その後、80℃の温水を添加して希釈した後、常温まで冷却し、全量400gとした。最後に調整水を加えてpH4.3(1%水溶液)、有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は114nmであった。
比較例1
攪拌羽根付き1Lオートクレーブ内に、140°Fパラフィンを170g、ポリエチレンを100g、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテルを30g、水を490g、およびトリエタノールアミンを5g入れて密閉した。これらを撹拌しながら110〜120℃に昇温して、約30分間、高圧下で乳化した後、90℃まで冷却した。これに90℃の温水を加えて希釈した後、常温まで冷却し、全量1000gとした。最後に調整水を加えて有効成分 30%の乳化物とした。
攪拌羽根付き1Lオートクレーブ内に、140°Fパラフィンを170g、ポリエチレンを100g、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテルを30g、水を490g、およびトリエタノールアミンを5g入れて密閉した。これらを撹拌しながら110〜120℃に昇温して、約30分間、高圧下で乳化した後、90℃まで冷却した。これに90℃の温水を加えて希釈した後、常温まで冷却し、全量1000gとした。最後に調整水を加えて有効成分 30%の乳化物とした。
比較例2
攪拌羽根付き1Lオートクレーブに、パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP−5)を170g、ポリエチレンを100g、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテルを30g、水を490g、およびトリエタノールアミンを5g入れて密閉した。これらを撹拌しながら110〜120℃に昇温して、約30分間、高圧下で乳化した後、常温まで冷却し、全量1000gとした。これに調整水を加えて有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は255nmであった。
攪拌羽根付き1Lオートクレーブに、パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP−5)を170g、ポリエチレンを100g、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテルを30g、水を490g、およびトリエタノールアミンを5g入れて密閉した。これらを撹拌しながら110〜120℃に昇温して、約30分間、高圧下で乳化した後、常温まで冷却し、全量1000gとした。これに調整水を加えて有効成分30%の乳化物を得た。得られた乳化物は、白色液体であり、平均粒子径は255nmであった。
[評価1:撥水剤および撥水性繊維製品の評価]
実施例1〜7で製造した乳化物を撥水剤として用いて綿ツイル布を撥水加工し、JIS L1092(1998)のスプレー法により撥水性を評価した。また、比較例1および2の乳化物についても、同様に撥水性を評価した。
実施例1〜7で製造した乳化物を撥水剤として用いて綿ツイル布を撥水加工し、JIS L1092(1998)のスプレー法により撥水性を評価した。また、比較例1および2の乳化物についても、同様に撥水性を評価した。
まず、実施例1で得られた乳化物に水道水を加えて有効成分濃度が3質量%となるように希釈したものを、評価液とした。前記評価液に、綿ツイル布を浸漬し、2本のゴムローラーの間で布を絞ってウェットピックアップを70質量%とした。なお、「ウェットピックアップ」は、前記綿ツイル布に吸収された前記評価液の質量を、前記綿ツイル布の乾燥質量に対する比率で表した数値である(以下、同様)。次に、ピンテンターを用いて、前記綿ツイル布を130℃で120秒間乾燥し、さらに170℃で60秒間乾熱処理することにより、評価布(撥水性繊維製品)を製造した。前記評価布の撥水性評価結果は、後述の表3に示す。
実施例2〜7の乳化物および比較例1〜2の乳化物についても、実施例1の乳化物と同様にして綿ツイル布の撥水加工(評価布の製造)を行い、撥水性を評価した。結果は、後述の表3に示す。
実施例1〜7、および比較例1〜2の乳化剤を用いて撥水加工し、製造した評価布(撥水性繊維製品)の撥水性評価結果を、下記表3にまとめて示す。なお、撥水性は、前述のとおり、JIS L1092(1998)のスプレー法により評価した。下記表3において、撥水性は、下記の撥水性ナンバー(級数)で表している。なお、JISの級数には記載はないが、下記それぞれの級数の間の撥水性を示す場合には、例えば、1−2級(1級と2級の間の撥水性)、3−4級(3級と4級の間の撥水性)、4−5級(4級と5級の間の撥水性)などと表示した。
1級:表面全体に湿潤を示すもの。
2級:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの。
3級:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。
4級:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
5級:表面に湿潤及び水滴の付着がないもの。
1級:表面全体に湿潤を示すもの。
2級:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの。
3級:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。
4級:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
5級:表面に湿潤及び水滴の付着がないもの。
上記表3から分かるとおり、比較例1および2の乳化物によれば、綿ツイル布を加工しても、表面全体に湿潤を示し、撥水効果が得られなかった。これに対し、実施例1〜7のいずれかの乳化物で綿ツイル布を加工した場合は、いずれも、撥水効果が得られた。これらの結果は、本発明の乳化物が撥水剤として使用可能であることを示す。なお、前記表1および2に示したように、実施例5および7の乳化物は、柔軟剤を含み、その他の実施例の乳化物は、柔軟剤を含んでいない。このことと、上記表3の結果とから、本発明の乳化物は、柔軟剤の含有の有無にかかわらず、撥水剤として、繊維の撥水加工または撥水性繊維製品の製造等に使用可能であることが確認された。
[評価2:撥水助剤、撥水剤および撥水性繊維製品の評価]
実施例1〜7の乳化物を、それぞれ、撥水助剤としてフッ素系撥水撥油剤(フッ素系撥水剤)に添加(混合)して撥水剤を製造した。混合比は、下記表4に記載のとおりとした。この撥水剤を、実施例1〜7の乳化物に代えて用いる以外は、前記評価1と同様にして綿ツイル布を撥水加工して評価布(撥水性繊維製品)を製造し、同様に、JIS L1092(1998)のスプレー法により撥水性を評価した。また、比較例1および2の乳化物についても、同様に、下記表4の混合比で撥水剤を製造し、綿ツイル布の撥水加工および撥水性評価を行った。さらに、比較対照用として、前記フッ素系撥水撥油剤(フッ素系撥水剤)のみからなり、撥水助剤を含まない撥水剤についても、同様にして綿ツイル布の撥水加工および撥水性評価を行った(比較例3)。なお、これらの評価において、前記フッ素系撥水撥油剤(フッ素系撥水剤)は、ポリフルオロアルキル基の炭素数が6のフッ素系ポリマーを含む撥水撥油剤(日華化学社製 、有効成分20%)を用いた。下記表4中の混合比(%)は、質量比である。また、下記表4中の撥水性の評価(級数)の意味は、前記表3(前記評価1)で説明したとおりである。
実施例1〜7の乳化物を、それぞれ、撥水助剤としてフッ素系撥水撥油剤(フッ素系撥水剤)に添加(混合)して撥水剤を製造した。混合比は、下記表4に記載のとおりとした。この撥水剤を、実施例1〜7の乳化物に代えて用いる以外は、前記評価1と同様にして綿ツイル布を撥水加工して評価布(撥水性繊維製品)を製造し、同様に、JIS L1092(1998)のスプレー法により撥水性を評価した。また、比較例1および2の乳化物についても、同様に、下記表4の混合比で撥水剤を製造し、綿ツイル布の撥水加工および撥水性評価を行った。さらに、比較対照用として、前記フッ素系撥水撥油剤(フッ素系撥水剤)のみからなり、撥水助剤を含まない撥水剤についても、同様にして綿ツイル布の撥水加工および撥水性評価を行った(比較例3)。なお、これらの評価において、前記フッ素系撥水撥油剤(フッ素系撥水剤)は、ポリフルオロアルキル基の炭素数が6のフッ素系ポリマーを含む撥水撥油剤(日華化学社製 、有効成分20%)を用いた。下記表4中の混合比(%)は、質量比である。また、下記表4中の撥水性の評価(級数)の意味は、前記表3(前記評価1)で説明したとおりである。
上記表4に示すとおり、撥水助剤を含まない比較例3のフッ素系撥水剤で綿ツイル布を撥水加工した場合の撥水性は、JIS L1092(1998)の試験方法に基づく評価では、3−4級であった。一方、比較例1または比較例2の乳化物を含む撥水剤は、撥水性が3級であり、比較例3よりも撥水性が低下していた。すなわち、比較例1および比較例2の乳化物は、フッ素系撥水剤の撥水効果を維持することができず、撥水助剤として機能しなかった。これに対し、実施例1〜7のいずれかの乳化物(撥水助剤)を含む撥水剤で綿ツイル布を加工した場合は、いずれも、比較例3の撥水効果(3−4級)と同等またはそれよりも優れた撥水効果が得られた。これらの結果は、本発明の乳化物が、フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤として使用可能であることを示す。また、表4の結果は、炭素数6のポリフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマー(炭素数6フッ素ポリマー)であっても、本発明の撥水助剤の添加により、炭素数8のポリフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマー(炭素数8フッ素ポリマー)と同等の撥水効果を奏し得ることを示す。さらに、前記表1および2に示したように、実施例5および7の乳化物は、柔軟剤を含み、その他の実施例の乳化物は、柔軟剤を含んでいない。このことと、上記表4の結果とから、本発明の乳化物は、柔軟剤の含有の有無にかかわらず、フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤として、繊維の撥水加工または撥水性繊維製品の製造等に使用可能であることが確認された。
以上のとおり、本発明によれば、界面活性剤を使用しないか、またはきわめて少量の使用で製造可能なカチオン性乳化物、前記乳化物の製造方法、前記乳化物を用いた撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、撥水性繊維製品を提供することができる。本発明の乳化物は、フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤として、特に好ましい。例えば、本発明の乳化物は、炭素数6フッ素ポリマーに添加することで、前記ポリマーの撥水効果を低下させない、または、炭素数8フッ素ポリマーと同等まで向上させる撥水助剤として使用可能である。これにより、安全性に優れる炭素数6フッ素ポリマーを、炭素数8フッ素ポリマーと同等の撥水性を有する撥水剤として用いることもできる。
本発明の乳化物は、例えば、低コストで効率良く使用可能であり、かつ、撥水性、加工浴の安定性、保存安定性等に優れることで、前述した本発明の撥水剤、撥水助剤、撥水加工方法、撥水性繊維製品の製造方法、および撥水性繊維製品に好ましく用いることができる。前記撥水性繊維製品は特に限定されず、衣服、雨傘、レインコート、テント地、日用品、インテリア、カーシート等の繊維製品、さらには撥水紙、撥水ボード等に広く適用可能である。さらに、本発明の乳化物の用途は、前記各用途に限定されず、任意の用途に広く用いることができる。
Claims (16)
- パラフィンワックス、カチオン性アクリルポリマーおよび水を含み、
前記カチオン性アクリルポリマーが、下記単量体(a)および(b)を含む単量体組成物の共重合体である乳化物。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体 - 前記単量体(a)が、下記単量体(c)および(d)を含み、かつ、
前記単量体組成物が、さらに、下記単量体(e)を含む、請求項1記載の乳化物。
(c)(メタ)アクリル酸と、炭素数10〜14のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(d)(メタ)アクリル酸と、炭素数16〜24のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(e)(メタ)アクリル酸と、炭素数3〜6のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体 - 界面活性剤を含まないか、または、
界面活性剤を含む場合は、前記界面活性剤の含有率が、前記乳化物に対し5質量%以下である請求項1または2記載の乳化物。 - パラフィンワックス中で、下記成分(a)および(b)を含む単量体組成物を溶液重合により共重合させてカチオン性アクリルポリマーとし、前記パラフィンワックスと前記カチオン性アクリルポリマーとの混合物を製造する溶液重合工程と、
前記混合物に水を加えて前記カチオン性アクリルポリマーの作用により乳化させる乳化工程とを含む、乳化物の製造方法。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体 - パラフィンワックス、下記成分(a)および(b)を含む単量体組成物、ならびに水を混合して乳化混合物を製造する乳化混合物製造工程と、
前記乳化混合物中で、前記単量体組成物を乳化重合により共重合させてカチオン性アクリルポリマーとする乳化重合工程とを含む、乳化物の製造方法。
(a) (メタ)アクリル酸と、炭素数10以上のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(b) (メタ)アクリル酸と、3級アミノアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体 - 前記乳化混合物が界面活性剤を含まないか、または、
界面活性剤を含む場合は、前記界面活性剤の使用量が、前記乳化物に対し5質量%以下である請求項5記載の製造方法。 - 前記単量体(a)が、下記単量体(c)および(d)を含み、かつ、
前記単量体組成物が、さらに、下記単量体(e)を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の製造方法。
(c)(メタ)アクリル酸と、炭素数10〜14のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(d)(メタ)アクリル酸と、炭素数16〜24のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体
(e)(メタ)アクリル酸と、炭素数3〜6のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル単量体 - 請求項4から7のいずれか一項に記載の製造方法により製造される乳化物。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の乳化物または請求項8記載の乳化物を含む撥水剤。
- フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤であって、
請求項1から3のいずれか一項に記載の乳化物または請求項8記載の乳化物を含むことを特徴とする撥水助剤。 - 前記フッ素系撥水剤が、炭素数6のポリフルオロアルキル基を有するフッ素含有ポリマーを含む請求項10記載の撥水助剤。
- フッ素系撥水剤と、請求項10または11記載の撥水助剤とを含む撥水剤。
- 撥水剤を用いた繊維の撥水加工方法であって、
前記撥水剤が、請求項9または12記載の撥水剤であることを特徴とする撥水加工方法。 - フッ素系撥水剤を用いた繊維の撥水加工方法であって、
前記フッ素系撥水剤とともに、前記フッ素系撥水剤の撥水効果を維持または向上させる撥水助剤を併用し、前記撥水助剤が、請求項10または11記載の撥水助剤であることを特徴とする撥水加工方法。 - 撥水性繊維製品の製造方法であって、
請求項13または14記載の撥水加工方法により繊維を撥水加工する工程を含むことを特徴とする製造方法。 - 請求項15記載の製造方法により製造される撥水性繊維製品。
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