JP2001172867A - 耐光堅牢度に優れた繊維構造物 - Google Patents

耐光堅牢度に優れた繊維構造物

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JP2001172867A
JP2001172867A JP36150399A JP36150399A JP2001172867A JP 2001172867 A JP2001172867 A JP 2001172867A JP 36150399 A JP36150399 A JP 36150399A JP 36150399 A JP36150399 A JP 36150399A JP 2001172867 A JP2001172867 A JP 2001172867A
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yarn
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Nobuhiro Kuwabara
展宏 桑原
Kiyoshi Mori
潔 森
Kimio Sasaki
喜己雄 佐々木
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糸あるいは織物、編物、不織布等の布帛として
風合いが損なわれずに吸湿性が高められ、かつ耐光堅牢
度に優れた繊維構造物及び繊維製品を提供する。 【解決手段】 親水性ビニル系モノマーがグラフト重合
された繊維を70重量%以下含有し、JIS-L0842における
耐光堅牢度が3級以上であることを特徴とする繊維構造
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーテン、ドレス
シャツ、ブラウス、スポーツシャツ、肌着、寝具、作業
服、ユニフォーム、靴下、手袋、カーシート等に用いら
れ、吸湿性が高められて、かつ耐光堅牢度に優れた繊維
構造物及び繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、親水性ビニル系モノマーの繊
維に対するグラフト重合加工は、ポリエステル繊維に親
水性を付与する加工、セルロース系繊維、再生セルロー
ス系繊維、アクリル系繊維等の繊維構造物に消臭性や抗
菌性を付与する加工、吸湿発熱性を付与する加工として
知られている。
【0003】しかし、このような親水性ビニルモノマー
がグラフト重合加工された布帛は、耐光堅牢度が悪く、
屋外で着用する衣料品や、カーテン、カーシート等のよ
うに常に光に当っている場所では使用することは困難で
あった。そのために、グラフト重合加工されたものは、
光の当らない用途にしか使用されていないのが現状であ
る。
【0004】また、糸、あるいは織物、編物、不織布等
の布帛の状態でグラフト重合加工を行うと、風合いが硬
くなり、また、反応性染料、酸性染料、直接染料、分散
染料等を用いて染色加工する場合、ホモポリマー、モノ
マー等が布帛全体に付着するために濃色化が出来ず淡色
化することが問題であった。さらに、生産性を考慮する
と、染色時の色合わせが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糸あるいは
織物、編物、不織布等の布帛として風合いが損なわれず
に吸湿性が高められ、かつ耐光堅牢度に優れた繊維構造
物及び繊維製品を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する為に
本発明の繊維構造物は次の構成を有する。すなわち、親
水性ビニル系モノマーがグラフト重合された繊維を70
重量%以下含有し、JIS-L0842における耐光堅牢度が3級
以上であることを特徴とする繊維構造物及び繊維製品で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、綿(わた)の状態で親水性ビニ
ル系モノマーがグラフト重合される繊維は、ポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維
等の合成繊維や、レーヨン繊維、トリアセテート繊維等
の再生もしくは半合成繊維、木綿、羊毛、シルク等の天
然繊維等である。また、本発明における繊維構造物と
は、糸、織物、編物、不織布及びこれらを用いた繊維製
品である。
【0008】本発明において、親水性ビニル系モノマー
としては、分子構造内に重合性のビニル基を有し、かつ
カルボン酸、スルホン酸等の酸性基および/またはその
塩、水酸基、アミド基等の親水性基を有するモノマーで
ある。
【0009】これらの中で好ましいのは、カルボン酸系
ビニル化合物であり、具体的にはアクリル酸、メタアク
リル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン
酸等、及びこれらの金属塩があげられるが、これらは単
独もしくは混合されて使用されても良い。この中でもグ
ラフト重合加工性の点で、メタクリル酸及びアクリル酸
が好ましい。
【0010】本発明におけるグラフト重合されたセルロ
ース繊維とは、グラフト率が1〜30重量%で、綿の状
態で親水性ビニル系モノマーがグラフト重合されたセル
ロース繊維である。該セルロース繊維のグラフト率は、
1重量%未満では本発明の効果は十分ではない。また、3
0重量%を超えると綿の硬化や強伸度低下が起こり、後の
紡績工程の工程通過が悪くなる。好ましいグラフト率
は、3〜25重量%である。
【0011】これらのモノマーを綿の状態の繊維にグラ
フト重合させるに際しては、これらモノマーと共に重合
開始剤として過酸化水素と2価鉄塩などのレドックス
系、過硫酸カリウムやアンモニウムなどの過酸化物、
2,2アゾビス塩酸塩などのアゾ系重合開始剤、硝酸2ア
ンモニウムセリウムなどのセリウム塩などが使用され
る。重合開始剤は、加工浴中に添加する方法、予め繊維
に付与する方法等が採用できる。
【0012】綿の状態で親水性ビニル系モノマーをグラ
フト重合させる具体的方法としては、繊維をオーバーマ
イヤー加工機等の加工浴中に浸漬して加熱処理する方法
が挙げられるが、処理条件は通常50℃以上170℃以下で5
min以上180min以下であり、好ましくは60℃以上150℃以
下で30min以上120min以下である。加工雰囲気としては
窒素ガス雰囲気が好ましい。その後、重合開始剤の失活
処理と洗浄処理、油剤付与、乾燥処理等が必要により実
施される。
【0013】また、グラフト重合方法として、放射線、
電子線、紫外線、マイクロウェーブ等の活性エネルギー
線を利用する方法も採用することができる。
【0014】織物、編物、不織布等の布帛の状態で親水
性ビニル系モノマーのグラフト重合を実施する場合は、
風合いが硬くなる、反応性染料や直接染料等を用いて染
色加工する場合、染料と繊維とがイオン反発して淡色化
する、耐光堅牢度が悪い、染色時の色合わせが困難にな
るなどの問題があるが、本発明のように綿の状態で親水
性ビニル系モノマーをグラフトさせた綿を他の綿と混
紡、混繊等で混用すると、風合い硬化も少なく、淡色化
傾向も少なく、かつ驚くべきことには、著しく耐光堅牢
度が向上する効果がある。
【0015】グラフト重合された繊維の繊維構造物中の
含有量は、70重量%以下であり、好ましくは、55重
量%以下、より好ましくは、40重量%以下である。7
0重量%を超えると、耐光堅牢度が悪くなる。含有量が
少ないほど耐光堅牢度の点では好ましいが、吸湿性、消
臭性など必要とする特性に応じて下限の含有量は、決め
られるが、通常、1〜3重量%である。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。実施例また比較例における繊維構造物及び繊維製
品の評価方法は以下の通りである。
【0017】グラフト率(GT%)の測定:反応前の絶乾重
量(W0)から、グラフト重合し洗浄した後の絶乾重量(W1)
への重量増加率から計算した。 グラフト率(GT%)=(W1−W0)×100/W0
【0018】耐光堅牢度の測定:JIS-0842(カーボンア
ーク灯光に対する染色堅牢度試験法)に準拠した方法で
実施した。測定機器は耐光堅牢度測定機(密閉式紫外線
フェードメーター、スガ試験機株式会社製)を使用し
た。耐光3級照射、耐光4級照射を実施、退色させて、グ
レースケール基準で評価した。
【0019】親水性ビニルモノマーがグラフト重合され
たセルロース繊維の製造例:精練処理した木綿綿をメタ
クリル酸20.0g/l、硫酸第1鉄アンモニウム0.6g/l、過酸
化水素0.3g/lの水溶液で浴比1:40、80℃×60minでオー
バーマイヤー加工機を用いて、浸漬し処理した。この
後、水洗、湯洗を繰り返した。この時のグラフト率は約
10.15%であった。処理した綿を以下「GT木綿」と呼ぶ。
【0020】親水性ビニルモノマーがグラフト重合され
たポリエステル繊維の製造例:ポリエチレンテレフタレ
ート綿(6.6dtex-64mm)を、ベンゾイルパーオキサイド0.
1重量%、N-ブチルフタルイミド、炭酸ナトリウム及びポ
リエチレングリコールとアニオン系の界面活性剤よりな
る乳化水溶液にアクリル酸とメタクリル酸の等量混合モ
ノマー2.5重量%を加えて調整したグラフト重合浴に
浴比1:15で浸漬した。そして、窒素ガス雰囲気下、
100℃で1hrグラフト重合を行った。次いで、80℃の熱水
で10min処理し、その後、炭酸ナトリウム3g/L及びジエ
チレンジアミンテトラ酢酸-4-ナトリウム塩0.5g/Lの水
溶液を用いて、70℃×10minの処理を処理液が所定のpH
になるまで繰り返し、その後、湯水洗を行い、乾燥機を
用いて140℃×10min乾燥させた。この時のグラフト率は
約10.35%であった。処理したポリエステルを以下「GTポ
リエステル」と呼ぶ。
【0021】実施例1 「GT木綿」の混率が50重量%、未加工木綿の混率が50重
量%である40番手の紡績糸(以下、木綿糸)を作成し、
ブロード織物(経糸40番手の木綿糸×緯糸40番手の木綿
糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を
製織した。
【0022】実施例2 「GTポリエステル」の混率が50重量%、未加工のポリエ
ステルの混率が50重量%である40番手の紡績糸(以下、
ポリエステル糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手
のポリエステル糸×緯糸40番手のポリエステル糸/経糸
密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織し
た。
【0023】実施例3 「GT木綿」の混率が10重量%、未加工木綿の混率が90重
量%である40番手の紡績糸(以下、木綿糸)を作成し、
ブロード織物(経糸40番手の木綿糸×緯糸40番手の木綿
糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を
製織した。
【0024】実施例4 「GTポリエステル」の混率が10重量%、未加工のポリエ
ステルの混率が90重量%である40番手の紡績糸(以下、
ポリエステル糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手
のポリエステル糸×緯糸40番手のポリエステル糸/経糸
密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織し
た。
【0025】比較例1「 GT木綿」の混率が80重量%、未加工木綿の混率が20重量%
である40番手の紡績糸(以下、木綿糸)を作成し、ブロ
ード織物(経糸40番手の木綿糸×緯糸40番手の木綿糸/
経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製
織した。
【0026】比較例2 「GTポリエステル」の混率が80重量%、未加工のポリエ
ステルの混率が20重量%である40番手の紡績糸(以下、
ポリエステル糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手
のポリエステル糸×緯糸40番手のポリエステル糸/経糸
密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織し
た。
【0027】実施例1〜4、比較例1〜2で得られた織物を
精錬、漂白、染色し繊維製品を得た。なお、染色は、以
下の方法によった。 Sumifix Supra Red 4BNF(住友化学工業社製) 0.1%omf Sumifix Supra Blue BRF(住友化学工業社製) 0.05%omf Sumifix Supra Yellow 3RF(住友化学工業社製) 0.05%omf ソーダ灰 1.0g/l 60℃×45min 浴比 1:20 染色後、湯洗、水洗を繰り返す。
【0028】実施例1〜4、比較例1〜2で得られた繊維製
品の耐光堅牢度を測定した結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は、グラフト重合加工した綿を用
いて混紡等で製糸し、該糸から布帛を得ることにより、
従来のグラフト重合加工布帛では達成できなかった、良
好な風合いで、かつ耐光堅牢度に優れた繊維製品を提供
することが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性ビニル系モノマーがグラフト重合
    された繊維を70重量%以下含有し、JIS-L0842における
    耐光堅牢度が3級以上であることを特徴とする繊維構造
    物。
  2. 【請求項2】 前記のグラフト重合された繊維のグラフ
    ト率が1〜30重量%である請求項1記載の繊維構造物。
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