JP2001172075A - 磁性フェライト用粉末、磁性フェライトおよび積層型フェライト部品 - Google Patents

磁性フェライト用粉末、磁性フェライトおよび積層型フェライト部品

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JP2001172075A JP35813999A JP35813999A JP2001172075A JP 2001172075 A JP2001172075 A JP 2001172075A JP 35813999 A JP35813999 A JP 35813999A JP 35813999 A JP35813999 A JP 35813999A JP 2001172075 A JP2001172075 A JP 2001172075A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応力に対する磁気特性、特に透磁率μの劣化
が少なく、かつ低温焼成、つまり電極材料として用いら
れているAgまたはAg合金の融点以下での焼成が可能
な磁性フェライトを低コストで提供する。 【解決手段】 Fe23:40〜51mol%、CuO:
7〜30mol%、ZnO:0.5〜35mol%、MgO:
5〜35mol%の組成を有し、粒度分布のピーク位置が
0.3〜1.2μmの範囲にある磁性フェライト用粉末
を用いて積層型フェライト部品を製造する。以上のMg
CuZnフェライトは透磁率μの劣化が少なく、かつ粒
度分布のピーク位置が0.3〜1.2μmの範囲の粉末
を用いているのでAgまたはAg合金からなる内部電極
と同時焼成ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層型チップビー
ズ、積層型インダクタなどの積層型チップフェライト部
品、LC複合積層型部品を代表とする複合積層型部品に
用いられる磁性フェライトおよび積層型フェライト部品
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層型チップフェライト部品および複合
積層型部品(本明細書中では積層型フェライト部品と総
称する。)は、体積が小さいこと、信頼性が高いことな
どから、各種電気機器に用いられている。この積層型フ
ェライト部品は、通常、磁性フェライトからなる磁性層
用のシートまたはペーストと内部電極用のペーストとを
厚膜積層技術によって積層一体化した後、焼成し、得ら
れた焼成体表面に外部電極用ペーストを印刷または転写
した後に焼き付けて製造される。なお、積層一体化した
後に焼成することを同時焼成と呼んでいる。内部電極用
の材料としてはその低抵抗率からAgまたはAg合金が
用いられているため、磁性層を構成する磁性フェライト
材料としては、同時焼成が可能、換言すればAgまたは
Ag合金の融点以下の温度で焼成ができることが絶対条
件となる。したがって、高密度、高特性の積層型フェラ
イト部品を得るためには、AgまたはAg合金の融点以
下の低温で磁性フェライトを焼成できるかが鍵となる。
【0003】AgまたはAg合金の融点以下の低温で焼
成できる磁性フェライトとしてNiCuZnフェライト
が知られている。つまり、微粉砕によって比表面積を6
2/g程度以上とした粉末を用いたNiCuZnフェ
ライトは、Agの融点(960℃)以下で焼成できるた
め、積層型フェライト部品に広く用いられている。とこ
ろが、NiCuZnフェライトは、磁気特性、特に透磁
率μが外部応力、熱衝撃に対して敏感であるため(例え
ば、「粉体及び粉末冶金」vol.39,8号,612-617(1992
年)参照)、積層型フェライト部品製造の際に以下のよ
うな問題を生ずる。つまり、製造過程で行われるバレル
研磨およびメッキ作業による応力、磁性層と内部電極と
の線膨張係数の差異からくる応力、さらにはプリント基
板への実装時に生ずる応力によって、透磁率μが劣化
し、インダクタンスLが設計値からずれるという問題で
ある。この問題を解決するために、本発明者はすでに2
つの提案を行っている。1つは、磁性層と内部電極とを
空隙を介して対向させることを要旨とするものである
(特開平4−65807号公報)。この提案は、磁性層
と内部電極との線膨張係数の差異からくる応力を回避し
ようというものである。他の1つは、NiCuZnフェ
ライトの結晶粒界にBiを存在させることにより、焼成
後に結晶粒子に引張応力を生じさせ、外部応力に対する
磁気特性の感受性を鈍感にしようというものである(特
開平10−223414号公報)。以上の2つの提案
は、NiCuZnフェライトの応力に対する磁気特性の
劣化に対して有効な手法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、NiCuZ
nフェライトは、その原料であるNiOが高価であるた
め、自ずと高価な材料となってしまう。したがって、N
iOよりも安価なMgO、Mg(OH)2またはMgC
3を用いたMgCuZnフェライトが注目され、種々
の改良がなされている。例えば、特開平10−3245
64号公報では、MgCuZnフェライトにおいて、含
有されるB(硼素)の量を2〜70ppmとすることが
提案されている。ところが、特開平10−324564
号公報のMgCuZnフェライトはその実施例によれば
1200℃で焼成されているため、このMgCuZnフ
ェライトを本発明が指向する積層型フェライト部品に適
用することは困難である。電極材料であるAgまたはA
g合金との同時焼成ができないからである。また、特許
第2747403号公報にもMgOを含有する磁性フェ
ライトの開示があるが、焼成条件についての記載がな
く、同時焼成を満足するものではないと判断される。そ
こで本発明は、応力に対する磁気特性、特に透磁率μの
劣化が少なく、かつ低温焼成、つまり電極材料として用
いられているAgまたはAg合金の融点以下での焼成が
可能な磁性フェライトを低コストで製造技術の提供を課
題とする。また本発明はそのような磁性フェライトを用
いた積層型フェライト部品の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明は、Fe23:40〜51mol%、Cu
O:7〜30mol%、ZnO:0.5〜35mol%、Mg
O:5〜35mol%の組成を有し、粒度分布のピーク位
置が0.3〜1.2μmの範囲にあることを特徴とする
磁性フェライト用粉末を提供する。この磁性フェライト
用粉末において、MgOの一部をNiOで置換すること
ができる。具体的には、MgOおよびNiOの合計量を
5〜35mol%とすればよい。本発明によれば、Fe2
3:40〜51mol%、CuO:7〜30mol%、Zn
O:0.5〜35mol%、MgO:5〜35mol%の組成
を有し、940℃以下の温度での焼成に供されることを
特徴とする磁性フェライトが提供される。この本発明磁
性フェライトによれば、940℃以下の温度での焼成に
供されるものであるから、良好な特性の積層型フェライ
ト部品を得ることができる。本発明の磁性フェライト
は、940℃以下の温度域で焼成した場合に、収縮率が
10%以上となる。このことは、940℃以下の温度で
の焼成が可能であることを示している。また、本発明磁
性フェライトにおいて、その組成をFe23:45〜4
9.8mol%、CuO:8〜25mol%、ZnO:15〜
25mol%、MgO: 7〜26mol%とすることが望ま
しい。
【0006】以上の本発明磁性フェライトを用いること
により、磁性フェライト層と内部電極とが交互に積層さ
れるとともに、前記内部電極と電気的に接続された外部
電極とを有する積層型フェライト部品であって、前記磁
性フェライト層はFe23:40〜51mol%、Cu
O:7〜30mol%、ZnO:0.5〜35mol%、Mg
O:5〜35mol%の組成を有する磁性フェライト焼成
体から構成され、前記内部電極はAgまたはAg合金か
ら構成されることを特徴とする積層型フェライト部品を
得ることができる。本発明の積層型フェライト部品は、
誘電体層と内部電極とが交互に積層されるとともに、前
記内部電極と電気的に接続された外部電極とを有する積
層コンデンサ部品と一体複合化した形態としてもよい。
つまり本発明においては、LC複合積層型部品等の複合
積層型部品も積層型フェライト部品と定義している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。ま
ず、本発明は、磁性フェライトとしてMgCuZnフェ
ライトを採用する。これは、MgCuZnフェライトが
NiCuZnフェライトに比べて透磁率μの応力による
劣化の度合いが少ないことを知見したことによる。この
事実は後述する実施例において示すこととして、ここで
はMgCuZnフェライトが透磁率μの応力による劣化
の度合いが少なくなる原因について言及しておく。初透
磁率(μi)は以下の式で定義されることが知られてい
る。 μi=AMs2/(aK1+bλsσ) (Ms=飽和磁束密度、K1=異方性定数、λs=磁歪定
数、σ=応力) MgCuZnフェライトとNiCuZnフェライトの磁
歪常数を比較すると、NiCuZnフェライトよりMg
CuZnフェライトの方が磁歪常数が低い。磁歪常数は
組成により変動するものの、NiCuZnフェライトの
磁歪常数は10×10-6を越えるのに対しNiCuZn
フェライトは10×10-6以下の値を示す。このことが
MgCuZnフェライトを用いると透磁率μの応力によ
る劣化の度合いが少なくなる原因と推察される。
【0008】従来は、前記特開平4−65807号公報
に開示されるように、内部電極からの応力を緩和するた
めに磁性層と内部電極とを空隙を介して対向させる、あ
るいは特開平10−223414号公報のように結晶粒
界にBiを存在させることにより結晶粒界からの応力を
緩和するという提案がなされている。つまり、従来の提
案は、上記式中の応力項(σ)を小さくすることにより
透磁率の劣化を防止しようというものであった。以上に
対して本発明は、磁歪定数(λs)の小さい材料を用い
ることにより透磁率の劣化を防止しようというものであ
るから、従来とは異なる思想に基づいているということ
ができる。しかも、MgCuZnフェライトはNiCu
Znフェライトに比べて低コストで製造することが可能
であり、低コスト化が一段と進む電子機器部品にとって
大きなメリットとなる。
【0009】次に、本発明における組成の限定理由を説
明する。Fe23の量は透磁率に大きな影響を与える。
Fe23が40mol%より少ないと透磁率が小さく、フ
ェライトとしての化学量論組成に近づくにしたがって透
磁率は上昇するが、化学量論組成をピークとして急激に
低下する。したがって、上限を51mol%とする。望ま
しいFe23の量は、45.0〜49.8mol%であ
る。CuOは、本発明において焼成温度低減に寄与する
化合物であり、7mol%未満では940℃以下の低温焼
成を実現できなくなる。ただし、30mol%を越えると
フェライトの固有抵抗が低下して品質係数Qが劣化する
ので7〜30mol%とする。望ましいCuO量は、8〜
25mol%である。
【0010】ZnOは、その量の増加とともに透磁率μ
を向上させることができるが、多すぎるとキュリー温度
が100℃以下となり、電子部品に要求される温度特性
を満足することができなくなる。したがって、ZnO量
は0.5〜35mol%とする。望ましいZnO量は15
〜25mol%である。MgOは、磁性フェライトの磁歪
定数を下げる効果を有する。この効果を得るためには5
mol%以上の量とすることが必要である。しかし、Mg
Oの量が増加するにつれて透磁率μが低下する傾向にあ
るため35mol%以下とする。望ましいMgOの量は、
7〜26mol%である。なお、本発明磁性フェライト用
粉末および磁性フェライトにおいて、MgOの一部をN
iOで置換することもできるが、その際の添加量はMg
Oと合計で5〜35mol%、望ましくは7〜26mol%と
する。MgOの一部をNiOで置換する場合、NiOの
量は前記合計量の70%以下とすることが望ましい。7
0%を越えると得られる磁性フェライトの磁歪定数が高
くなり、透磁率μの劣化防止効果を得にくくなるからで
ある。さらに、MgOとともに、またはMgOに代えて
Mg(OH)2、MgCO3を用いることもできる。磁性
フェライトの磁気特性は組成依存性が非常に強く、上記
組成範囲をはずれた領域では、透磁率μや品質係数Qが
低くなり、積層型フェライト部品として適さなくなる。
【0011】本発明の磁性フェライト用粉末は、上記組
成を有するとともに、粒度分布のピーク位置が0.3〜
1.2μmの範囲にあることを特徴としている。これ
は、940℃以下の低温域における同時焼成を可能にす
るためである。つまり、本発明者はMgCuZnフェラ
イトを低温焼成するための検討を行ったところ、従来に
は低温焼成が困難であったMgCuZnフェライトを、
焼成前の粉末の粒度分布のピーク位置を1.2μm以下
とすることにより低温焼成が可能となることを知見し
た。そして、このような粒度分布の粉末を得るために
は、仮焼き温度を900℃以下、望ましくは850℃以
下と低く抑えることが有効であることも知見した。以上
の仮焼き温度および粉末の粒度分布の条件を備えること
により、低温、つまり940℃以下の温度でもMgCu
Znフェライトを十分な特性を確保しつつ焼成できるこ
とが明らかとなった。
【0012】本発明の磁性フェライト用粉末を得るにあ
たって、仮焼き温度は900℃以下とする。そうするこ
とにより、低温焼成を可能とする。すなわち、仮焼き温
度が900℃を越えてしまうと仮焼き体が硬くなり、低
温焼成を可能とする粉末の粒度分布を得ることが困難と
なるからである。望ましい仮焼き温度は730〜850
℃である。仮焼き後に仮焼き体は粉砕され、その粉砕さ
れた粉末が焼成される。その粉末の粒度分布を、そのピ
ーク位置が0.3〜1.2μmの範囲とすることが本発
明にとって重要である。つまり、粒度分布のピーク位置
が1.2μmを越えると低温焼成、より具体的には94
0℃以下の温度での焼成が困難となる。逆に粒度分布の
ピーク位置が1.2μm以下であると、940℃以下の
温度での焼成における収縮率が10%以上を確保できる
ため、十分な特性を有する磁性フェライトを得ることが
できる。ただし、0.3μm未満になると比表面積が大
きくなり、積層型フェライト部品を得るためのペースト
やシートを得ることが困難となる。望ましい粒度分布の
ピーク位置は、0.5〜1.0μmである。なお、この
ような粒度分布の粉末を得るためには粉砕条件を制御す
ればよいが、特に条件を制御することなく粉砕した後の
粉末からこのような粒度分布の粉末を採集することもで
きる。
【0013】本発明の磁性フェライト用粉末は、MgO
粉末、Fe23粉末、CuO粉末、ZnO粉末の混合粉
末である。MgOの一部をNiOで置換する場合には、
NiO粉末も混合される。また、MgOとともに、また
はMgOに代えてMg(OH)2、MgCO3を用いる場
合には、Mg(OH)2、MgCO3を混合すればよい。
なお、本発明の低温焼成をより加速するために、ホウケ
イ酸ガラス等の各種ガラスや、V25、Bi23、B2
3、WO3、PbO等の低融点酸化物を添加することも
できる。
【0014】次に、積層型フェライト部品の一形態であ
る積層型チップインダクタについて説明する。図1は積
層型チップインダクタの概略断面図、図2は図1のII−
II断面図である。図1に示すように、積層型チップイン
ダクタ1は、磁性フェライト層2および内部電極3とが
交互に積層された多層構造のチップ体4と、このチップ
体4の両端部に内部電極3と電気的に導通するように配
置した外部電極5とから構成される。磁性フェライト層
2に本発明による磁性フェライト材料を用いる。つま
り、前記粒度分布のピーク位置が0.3〜1.2μmの
粉末を、バインダおよび溶剤とともに混練して磁性フェ
ライト層2形成用のペーストを得る。このペーストと内
部電極3形成用のペーストとを交互に印刷、積層した後
に焼成して一体のチップ体4を得る。前記バインダとし
ては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹
脂等の公知のバインダを用いることができる。また、溶
剤も、テルピオネール、ブチルカルビトール、ケロシン
等の公知の溶剤を用いることができる。バインダおよび
溶剤の添加量には制限はない。ただし、バインダについ
ては1〜5重量部、溶剤については10〜50重量部の
範囲とすることが推奨される。バインダおよび溶剤の他
に、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10重量部以
下の範囲で添加することもできる。分散剤としては、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを
添加することができる。また、可塑剤としては、ジオク
チルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルフタリル
グリコール酸ブチルを添加することができる。
【0015】磁性フェライト層2は、磁性フェライト層
2用シートを用いて形成することもできる。すなわち、
前記粒度分布のピーク位置が0.3〜1.2μmの粉末
を、ポリビニルブチラールを主成分とするバインダと、
トルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミル中で混
練してスラリを得る。このスラリを、ポリエステルフィ
ルム等のフィルム上に、例えばドクターブレード法によ
り塗布、乾燥して磁性フェライト層2用シートを得るこ
とができる。この磁性フェライト層2用シートを、内部
電極3用のペーストと交互に積層した後に、焼成すれば
多層構造のチップ体4を得ることができる。なお、バイ
ンダの量に制限はないが、1〜5重量部の範囲とするこ
とが推奨される。また、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁
体等を10重量部以下の範囲で添加することもできる。
【0016】内部電極3は、インダクタとして実用的な
品質係数Qを得るために抵抗率の小さいAgまたはAg
合金、例えばAg−Pd合金を用いることが望ましい。
しかし、これに限るものではなく、Cu、Pdまたはこ
れらの合金を用いることもできる。内部電極3を得るた
めのペーストは、AgまたはAg合金の粉末、若しくは
これらの酸化物粉末と、バインダおよび溶剤とを混合、
混練して得ることができる。バインダおよび溶剤として
は、前記磁性フェライト層2を形成するためのペースト
に用いられていたものと同様のものを適用することがで
きる。内部電極3は、各層が長円形状をなし、隣接する
内部電極3の各層は図3に示されるように、スパイラル
状になって導通が確保されているので、閉磁路コイル
(巻線パターン)を構成する。外部電極5の材質として
は、Ag、Ni、Cu、Ag−Pd合金といった公知の
材料を用いることができる。外部電極5は、これら材料
を印刷法、メッキ法、蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタ法等の各種の方法により形成することがで
きる。
【0017】積層型チップインダクタ1のチップ体4の
外径、寸法には特に制限はない。用途に応じて適宜設定
することができる。一般的には、外形はほぼ直方体形状
であり、寸法としては1.0〜4.5mm×0.5〜
3.2mm×0.6〜1.9mmの範囲のものが多い。
また、磁性フェライト層2の電極間厚さt1およびベー
ス厚さt2にも特に制限はなく、電極間厚さt1として
は10〜100μm、ベース厚さt2としては250〜
500μm程度で設定できる。さらに内部電極3自体の
厚さt3としては、通常、5〜30μmの範囲で設定で
き、また、巻線パターンのピッチは10〜100μm、
巻数は1.5〜20.5ターン程度とすることができ
る。
【0018】磁性フェライト層2用のペーストまたはシ
ートと内部電極3用のペーストとを交互に積層した後の
焼成温度は、940℃以下とする。940℃を越える
と、磁性フェライト層2中に内部電極3を構成する材料
が拡散して、磁気特性を著しく低下させるおそれがある
からである。本発明の磁性フェライトが低温焼成に適し
ているとはいえ、800℃未満の温度では焼成が不十分
となる。したがって、焼成は800℃以上とすることが
望ましい。望ましい焼成温度は820〜930℃、さら
に望ましくは875〜920℃である。なお、焼成時間
は、0.05〜5時間、望ましくは0.1〜3時間の範
囲で設定すればよい。
【0019】次に、積層型LC複合部品の一実施形態で
あるLC複合部品について説明する。図3はLC複合部
品の概略断面図である。図3に示すように、LC複合部
品11は、チップコンデンサ部12とチップフェライト
部13とを一体化したものである。チップコンデンサ部
12は、セラミックス誘電体層21と内部電極22とが
交互に積層一体化された多層積層構造を有する。セラミ
ックス誘電体層21の材質に制限はなく、従来公知の種
々の誘電体材料を用いることができる。本発明において
は、焼成温度の低い酸化チタン系誘電体が望ましいが、
チタン酸系複合酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、ある
いはこれらの混合物を用いることができる。さらに焼成
温度を下げるために、ホウケイ酸ガラス等の各種ガラス
を添加してもよい。内部電極22としては、先に説明し
た積層型チップインダクタ1の内部電極3と同様の材料
を用いることができる。各内部電極22は、交互に別の
外部電極15に電気的に接続されている。
【0020】チップフェライト部13は、磁性フェライ
ト層32と電極層33とが交互に積層した積層型チップ
インダクタ1から構成されている。この構成は先に説明
した積層型チップインダクタ1と同様である。したがっ
て、ここでの詳細な説明は省略する。LC複合部品11
の外径、寸法に制限がないことは先に説明した積層型チ
ップインダクタ1と同様である。したがって、用途に応
じて適宜設定することができる。通常、ほぼ直方体の外
形を有し、1.6〜10.0mm×0.8〜15.0m
m×1.0〜5.0mm程度の寸法を有している。
【0021】
【実施例】以下本発明を具体的実施例に基づき説明す
る。 (実施例1)表1に示す配合組成および以下説明する製
造条件により磁性フェライト材料を製造した。焼成前の
粉末の粒度分布、および得られた磁性フェライトの透磁
率μ、抗応力特性、磁歪定数、密度を以下の条件で測定
した。透磁率μ、磁歪定数、密度の結果を表2に、抗応
力特性を図4に示す。 <製造条件>ステンレス製ポット、スチールボールメデ
ィアからなるボールミルを用いて表1に従って秤量され
た原料粉末を16時間湿式混合(分散媒は純水)した。
混合終了後、スプレードライヤにより混合粉末を乾燥し
た。乾燥後760℃で10時間仮焼きを行った。仮焼き
終了後、前記ボールミルにて66時間仮焼き体を粉砕
し、粉砕された粉末を焼成してトロイダル形状の焼成体
および直方体形状の焼成体を得た。焼成温度は900
℃、保持時間は2時間である。
【0022】また、各特性の測定方法は以下の通りであ
る。 <磁歪定数>5×5×20mmの試料を用い、成瀬科学
機器(株)製の飽和磁歪測定装置を用いて測定した。 <粒度分布>粒度分布を測定する粉末0.02gを10
0ccの水に分散させる。粒度分布計の測定経路を洗浄
し、粒度分布計のリファレンスを測定後、粉末の粒度分
布を測定した。なお、粉末の分散および粒度分布の測定
には、シンパテック(SYMPATEC)社のへロス(HELOS)
システムを用いた。粒度分布および頻度は、レーザ回折
法を用い、粒度分布計のプログラムにより計算した。 <透磁率>トロイダル形状の試料に銅製ワイヤ(線径
0.35mm)を20ターン巻き、測定周波数100K
Hz、測定電流0.2mAでLCRメータ(ヒューレッ
トパッカード(株)製)を用いてインダクタンスを測定
し、下記の式を用いて透磁率を求めた。 透磁率μ=(le×L)/(μ0×Ae×N2) le:磁路長 L:試料のインダクタンス μ0:真空の透磁率=4π×10-7(H/m) Ae:
試料の断面積 N:コイルの巻数 <抗応力特性>角形トロイダル形状の試料に銅製ワイヤ
(線径0.35mm)を20ターン巻き、LCRメータ
(ヒューレットパッカード(株)製)に接続し、その状
態で抗折強度試験器で加重を加えつつ、測定周波数10
0kHz、測定電流0.2mAの条件でのインダクタン
スの減少率を測定した。なお、インダクタンスの減少率
は透磁率μの減少率と比例するため、図4および図5に
おいては透磁率μの減少率として示してある。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1及び表2より次のことが判明した。ま
ず、No.3とNo.1とは、No.3がMgOを14
mol%、No.1がNiOを14mol%を添加する点で異
なるが、他の組成は一致している。両者の磁歪定数(λ
s)を比べると、No.3は3×10-6、No.1は1
2×10-6である。つまり、MgCuZnフェライトは
NiCuZnフェライトに比べて磁歪定数が著しく低い
ことがわかる。このことは、MgOおよびNiOを除き
組成が一致するNo.4とNo.2の磁歪定数からも理
解できる。また、No.1とNo.2とを比べると、N
iO量が14mol%から21mol%に増えたことにより磁
歪定数が12×10-6から18×10-6へと大きく変動
している。これに対しNo.3とNo.4とを比べる
と、MgOが14mol%から21mol%に増えても、磁歪
定数は3×10-6から3.2×10-6へ変動したにすぎ
ない。つまり、MgOは量が増えても基本的には磁歪定
数を高くすることはないものと解される。No.5はM
gOとともにNiOを添加した例であるが、No.1お
よび2に比べると磁歪定数が低く、かつ透磁率μも良好
な値を得ている。
【0026】図4はNo.3およびNo.1の透磁率μ
の抗応力特性を、また図5はNo.4およびNo.2の
透磁率μの抗応力特性を示している。図4、図5から、
応力付与により透磁率μは劣化することが理解できる。
しかし、図4から、磁歪定数の小さいNo.3(3×1
-6)は磁歪定数の大きいNo.1(12×10-6)よ
りも、透磁率μの劣化の度合いが小さいことがわかる。
図5からも同様のことが言える。したがって、応力によ
る透磁率μの劣化の度合いを低減するためには、磁歪定
数の小さいMgCuZn系フェライトを用いることが有
効である。
【0027】次に、表1の組成を有する各粉末100重
量部に対して、エチルセルロース2.5重量部、テルピ
ネオール40重量部を加え、3本ロールにて混練して磁
性フェライト層用ペーストを調整した。一方、平均粒径
0.8μmのAg100重量部に対して、エチルセルロ
ース2.5重量部、テルピネオール40重量部を加え、
3本ロールにて混練して内部電極用ペーストを調整し
た。前記磁性フェライト層用ペーストと前記内部電極用
ペーストとを交互に印刷積層した後、900℃で2時間
の焼成を行って図1及び図2に示す積層型チップインダ
クタ1を得た。この2012タイプの積層型チップイン
ダクタ1の寸法は、2.0mm×1.2mm×1.1m
mであり、コイルの巻数は4.5ターンとした。次い
で、上記の積層型チップインダクタ1の端部にAgから
なる外部電極5を600℃で焼き付けて形成した。得ら
れた積層型チップインダクタ1を測定周波数100kH
z、測定電流0.2mAでLCRメータ(ヒューレット
パッカード(株)製)を用いてインダクタンスLおよび
品質係数Qを測定した。結果を表2に示す。MgCuZ
nフェライトおよびMgNiCuZnフェライトを用い
ても、従来のNiCuZnフェライトを用いた積層型チ
ップインダクタと同等の特性を得ることができた。
【0028】(実施例2)実施例2はCuO量が及ぼす
影響を確認することを目的として行われた。表3に示す
配合組成で、実施例1と同様の製造条件で試料を作成し
て透磁率μおよび密度を測定した。透磁率μの測定条件
は実施例1と同様である。結果を表4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表3及び表4より、CuO量が増加するに
つれて透磁率μは向上するが、24mol%を越えると大
きく低下することがわかる。また、CuO量が4.0mo
l%では実用上十分な磁気特性が得られず、28.0mol
%となるとやはり磁気特性が劣化する。したがって、磁
気特性の観点からは、CuO量は5mol%以上25mol%
以下とするのが望ましい。表3のNo.6(CuO量:
4.0mol%)、No.7(CuO量:8.0mol%)、
No.8(CuO量:12.0mol%)、No.9(C
uO量:16.0mol%)、No.11(CuO量:2
4.0mol%)の仮焼き後の粉砕粉末を用いて所定温度
まで加熱した際の収縮率(△L/L)を測定した。この
収縮率は、焼成のしやすさの目安となるもので、収縮率
が大きいほど焼成しやすいとみなすことができる。結果
を図6に示す。なお、図6中の線図を加熱収縮曲線と呼
ぶ。図6からCuO量の増加に伴い収縮率は大きくなる
ことがわかる。つまり、CuOの添加により焼成がしや
すくなり、より低温での焼成が可能となることを示して
いる。No.9(CuO量:16.0mol%)およびN
o.11(CuO量:24.0mol%)を比較すると、
各温度での収縮率がほぼ等しい。したがって、焼成のし
やすさの観点からは、CuO量は20.0mol%程度の
添加で足りるものと解される。一方、No.6(CuO
量:4.0mol%)はNo.7(CuO量:8.0mol
%)に比べて収縮率が小さいことから、低温焼成を十分
に可能とするためには、CuO量は7mol%、より望ま
しくは10.0mol%以上の添加量とすべきである。
【0032】また、実施例1と同様に積層チップインダ
クタを作成し、やはり実施例1と同様にインダクタンス
Lおよび品質係数Qを測定した。結果を表4に示す。積
層チップインダクタにおいても、CuO量が8.0〜2
4.0mol%の例で良好なインダクタンスLおよび品質
係数Qが得られることが確認された。
【0033】(実施例3)実施例3は仮焼き温度が及ぼ
す影響を確認することを目的として行われた。表5に示
す配合組成で、種々の温度で仮焼きを行う以外は実施例
1と同様の製造条件(焼成温度 900℃)で試料を作
成して、実施例1と同様に透磁率μおよび密度を測定し
た。表6に、仮焼き温度毎の粒度分布のピーク位置、透
磁率μおよび密度の測定結果を示す。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】全体的な傾向としては、仮焼き温度が85
0℃の範囲までは仮焼き温度が高くなると透磁率μおよ
び密度が高くなる。これは、仮焼き温度の向上とともに
仮焼きの効果が発揮されることを意味している。また、
仮焼き温度が900℃と高くなると、透磁率μおよび密
度が低下してしまう。また、表5に示す配合組成の原料
粉末を850℃で仮焼きした後、粉砕条件を変えること
により図7に示す2種類の粉末を得た。この2種類の粉
末を用いて、粒度分布のピーク位置が焼成に与える影響
を観察するために、加熱収縮曲線を求めた。その結果を
図8に示す。粒度分布のピーク位置が1.38μmの粉
末に比べて0.62μmの粉末の方が測定した750〜
1000℃の範囲で収縮率が大きいことがわかる。収縮
率が大きいほど焼成が進行しやすいといえるから、粒度
分布のピーク位置が1.38μmの粉末に比べて0.6
2μmの粉末の方が焼成性に優れることがわかる。本発
明においては内部電極を形成するAgまたはAg合金と
の同時焼成を可能にするために940℃以下の低温で焼
成することが要求されていることは前述の通りである。
これに対して、粒度分布のピーク位置が0.62μmの
粉末は940℃以下の範囲での収縮率が1.38μmの
粉末に比べ大きく、低温焼成に適しているといえる。
【0037】また、表6のNo.15(仮焼き温度:7
60℃)、No.18(仮焼き温度:850℃)および
No.19(仮焼き温度:900℃)の仮焼き後の粉砕
粉末を用いて所定温度まで加熱した際の収縮率を測定し
た。結果を図9に示す。3つの仮焼き温度の中で850
℃のNo.18が最も収縮率が大きく、低温焼成に適し
ていることがわかる。仮焼き温度が900℃のNo.1
9は、仮焼き体が硬くなりすぎて粉砕が十分に行われな
かったために収縮率がNo.18よりも小さくなったも
のと推測される。また、仮焼き温度が760℃のNo.
15は、仮焼きによりスピネルの単相組織が得られてい
ないために加熱による収縮率がNo.18よりも劣る結
果となったものと推測される。なお、別途行った検討に
よれば、800℃以上の温度で仮焼きを行うことにより
スピネルの単相組織を得ることができることを確認して
いる。したがって、仮焼き温度の設定はこの点を考慮す
ることも重要である。
【0038】次に、実施例1と同様に積層チップインダ
クタを作成し、やはり実施例1と同様にインダクタンス
Lおよび品質係数Qを測定した。結果を表6に示す。仮
焼き温度が850℃以下では良好なインダクタンスLお
よび品質係数Qが得られるが、900℃となるとインダ
クタンスLおよび品質係数Qが急激に低下することが確
認された。
【0039】(実施例4)実施例4は焼成温度が及ぼす
影響を確認することを目的として行われた。表7に示す
配合組成で、種々の温度で焼成を行う以外は実施例1と
同様の製造条件(仮焼き温度760℃)で試料を作成し
て、実施例1と同様に透磁率μおよび密度を測定した。
焼成温度毎の透磁率μおよび密度の測定結果を表8に示
す。また、実施例1と同様に積層チップインダクタを作
成し、やはり実施例1と同様にインダクタンスLおよび
品質係数Qを測定した。結果を表8に併せて示す。
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】表8において、焼成体の透磁率μおよび密
度は焼成温度が高くなるにつれて向上している。したが
って、この結果だけを看れば高い焼成温度を選択するこ
とが望ましいと言うことができる。しかし、積層チップ
インダクタのインダクタンスL、品質係数Qは、焼成温
度が950℃において急激に低下している。これは、内
部電極を構成するAgが磁性フェライト層に拡散したた
めである。したがって、AgまたはAg合金を内部電極
とする積層型フェライト部品を製造する場合には、95
0℃未満の温度で焼成することが必要である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
応力に対する透磁率μの劣化が少なく、かつ低温焼成、
つまり電極材料として用いられているAgまたはAg合
金の融点以下での焼成が可能な磁性フェライトおよびそ
れを用いた積層型フェライト部品を低コストで得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係る積層型チップインダクタ
の概略断面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 本実施の形態に係るLC複合部品の断面図で
ある。
【図4】 MgCuZnフェライトおよびNiCuZn
フェライトにおける透磁率μの抗応力特性を示すグラフ
である。
【図5】 MgCuZnフェライトおよびNiCuZn
フェライトにおける透磁率μの抗応力特性を示すグラフ
である。
【図6】 CuO量を変えた場合の熱収縮曲線を示すグ
ラフである。
【図7】 実施例3で測定した粒度分布を示すグラフで
ある。
【図8】 粒度分布のピーク位置を変えた場合の熱収縮
曲線を示すグラフである。
【図9】 仮焼き温度を変えた場合の熱収縮曲線を示す
グラフである。
【符号の説明】
1…積層型チップインダクタ、2…磁性フェライト層、
3…内部電極、4…チップ体、5…外部電極、11…L
C複合部品、12…チップコンデンサ部、13…チップ
フェライト部、15…外部電極、21…セラミックス誘
電体層、22…内部電極、32…磁性フェライト層、3
3…電極層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月23日(2000.6.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】積層型チップフェライト部品および複合
積層型部品(本明細書中では積層型フェライト部品と総
称する。)は、体積が小さいこと、信頼性が高いことな
どから、各種電気機器に用いられている。この積層型フ
ェライト部品は、通常、磁性フェライトからなる磁性層
用のシートまたはペーストと内部電極用のペーストとを
厚膜積層技術によって積層一体化した後、焼成し、得ら
れた焼成体表面に外部電極用ペーストを印刷または転写
した後に焼き付けて製造される。なお、積層一体化した
後に焼成することを同時焼成と呼んでいる。内部電極用
の材料としてはその低抵抗率からAgまたはAg合金が
用いられているため、磁性層を構成する磁性フェライト
材料としては、同時焼成が可能、換言すればAgまたは
Ag合金の融点以下の温度で焼成ができることが絶対条
件となる。したがって、高密度、高特性の積層型フェラ
イト部品を得るためには、AgまたはAg合金の融点以
下の温度で磁性フェライトを焼成できるかが鍵となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】AgまたはAg合金の融点以下の温度で焼
成できる磁性フェライトとしてNiCuZnフェライト
が知られている。つまり、微粉砕によって比表面積を6
2/g程度以上とした粉末を用いたNiCuZnフェ
ライトは、Agの融点(960℃)以下の温度で焼成で
きるため、積層型フェライト部品に広く用いられてい
る。ところが、NiCuZnフェライトは、磁気特性、
特に透磁率μが外部応力、熱衝撃に対して敏感であるた
め(例えば、「粉体及び粉末冶金」vol.39,8号,612-617
(1992年)参照)、積層型フェライト部品製造の際に以下
のような問題を生ずる。つまり、製造過程で行われるバ
レル研磨およびメッキ作業による応力、磁性層と内部電
極との線膨張係数の差異からくる応力、さらにはプリン
ト基板への実装時に生ずる応力によって、透磁率μが劣
化し、インダクタンスLが設計値からずれるという問題
である。この問題を解決するために、本発明者はすでに
2つの提案を行っている。1つは、磁性層と内部電極と
を空隙を介して対向させることを要旨とするものである
(特開平4−65807号公報)。この提案は、磁性層
と内部電極との線膨張係数の差異からくる応力を回避し
ようというものである。他の1つは、NiCuZnフェ
ライトの結晶粒界にBiを存在させることにより、焼成
後に結晶粒子に引張応力を生じさせ、外部応力に対する
磁気特性の感受性を鈍感にしようというものである(特
開平10−22344号公報)。以上の2つの提案
は、NiCuZnフェライトの応力に対する磁気特性の
劣化に対して有効な手法であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。ま
ず、本発明は、磁性フェライトとしてMgCuZnフェ
ライトを採用する。これは、MgCuZnフェライトが
NiCuZnフェライトに比べて透磁率μの応力による
劣化の度合いが少ないことを知見したことによる。この
事実は後述する実施例において示すこととして、ここで
はMgCuZnフェライトが透磁率μの応力による劣化
の度合いが少なくなる原因について言及しておく。初透
磁率(μi)は以下の式で定義されることが知られてい
る。 μi=AMs2/(aK1+bλsσ) (Ms=飽和磁束密度、K1=異方性定数、λs=磁歪定
数、σ=応力) MgCuZnフェライトとNiCuZnフェライトの磁
数を比較すると、NiCuZnフェライトよりMg
CuZnフェライトの方が磁歪数が小さい。磁歪
は組成により変動するものの、NiCuZnフェライト
の磁歪数は10×10-6えるのに対しMgCuZ
nフェライトは10×10-6以下の値を示す。このこと
がMgCuZnフェライトを用いると透磁率μの応力に
よる劣化の度合いが少なくなる原因と推察される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、本発明における組成の限定理由を説
明する。Fe23の量は透磁率に大きな影響を与える。
Fe23が40mol%より少ないと透磁率が小さく、フ
ェライトとしての化学量論組成に近づくにしたがって透
磁率は上昇するが、化学量論組成をピークとして急激に
低下する。したがって、上限を51mol%とする。望ま
しいFe23の量は、45.0〜49.8mol%であ
る。CuOは、本発明において焼成温度低減に寄与する
化合物であり、7mol%未満では940℃以下の低温焼
成を実現できなくなる。ただし、30mol%をえると
フェライトの固有抵抗が低下して品質係数Qが劣化する
ので7〜30mol%とする。望ましいCuO量は、8〜
25mol%である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】ZnOは、その量の増加とともに透磁率μ
を向上させることができるが、多すぎるとキュリー温度
が100℃以下となり、電子部品に要求される温度特性
を満足することができなくなる。したがって、ZnO量
は0.5〜35mol%とする。望ましいZnO量は15
〜25mol%である。MgOは、磁性フェライトの磁歪
定数を下げる効果を有する。この効果を得るためには5
mol%以上の量とすることが必要である。しかし、Mg
Oの量が増加するにつれて透磁率μが低下する傾向にあ
るため35mol%以下とする。望ましいMgOの量は、
7〜26mol%である。なお、本発明磁性フェライト用
粉末および磁性フェライトにおいて、MgOの一部をN
iOで置換することもできるが、その際の添加量はMg
Oと合計で5〜35mol%、望ましくは7〜26mol%と
する。MgOの一部をNiOで置換する場合、NiOの
量は前記合計量の70%以下とすることが望ましい。7
0%をえると得られる磁性フェライトの磁歪定数が
くなり、透磁率μの劣化防止効果を得にくくなるから
である。さらに、MgOとともに、またはMgOに代え
てMg(OH)2、MgCO3を用いることもできる。磁
性フェライトの磁気特性は組成依存性が非常に強く、上
記組成範囲をはずれた領域では、透磁率μや品質係数Q
小さくなり、積層型フェライト部品として適さなくな
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明の磁性フェライト用粉末を得るにあ
たって、仮焼き温度は900℃以下とする。そうするこ
とにより、低温焼成を可能とする。すなわち、仮焼き温
度が900℃をえてしまうと仮焼き体が硬くなり、低
温焼成を可能とする粉末の粒度分布を得ることが困難と
なるからである。望ましい仮焼き温度は730〜850
℃である。仮焼き後に仮焼き体は粉砕され、その粉砕さ
れた粉末が焼成される。その粉末の粒度分布を、そのピ
ーク位置が0.3〜1.2μmの範囲とすることが本発
明にとって重要である。つまり、粒度分布のピーク位置
が1.2μmをえると低温焼成、より具体的には94
0℃以下の温度での焼成が困難となる。逆に粒度分布の
ピーク位置が1.2μm以下であると、940℃以下の
温度での焼成における収縮率が10%以上を確保できる
ため、十分な特性を有する磁性フェライトを得ることが
できる。ただし、0.3μm未満になると比表面積が大
きくなり、積層型フェライト部品を得るためのペースト
やシートを得ることが困難となる。望ましい粒度分布の
ピーク位置は、0.5〜1.0μmである。なお、この
ような粒度分布の粉末を得るためには粉砕条件を制御す
ればよいが、特に条件を制御することなく粉砕した後の
粉末からこのような粒度分布の粉末を採集することもで
きる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】次に、積層型フェライト部品の一形態であ
る積層型チップインダクタについて説明する。図1は積
層型チップインダクタの概略断面図、図2は図1のII−
II断面図である。図1に示すように、積層型チップイン
ダクタ1は、磁性フェライト層2および内部電極3とが
交互に積層された多層構造のチップ体4と、このチップ
体4の両端部に内部電極3と電気的に導通するように配
置した外部電極5とから構成される。磁性フェライト層
2に本発明による磁性フェライト材料を用いる。つま
り、前記粒度分布のピーク位置が0.3〜1.2μmの
粉末を、バインダおよび溶剤とともに混練して磁性フェ
ライト層2形成用のペーストを得る。このペーストと内
部電極3形成用のペーストとを交互に印刷、積層した後
に焼成して一体のチップ体4を得る。前記バインダとし
ては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹
脂等の公知のバインダを用いることができる。また、溶
剤も、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン
等の公知の溶剤を用いることができる。バインダおよび
溶剤の添加量には制限はない。ただし、バインダについ
ては1〜5質量部、溶剤については10〜50質量部の
範囲とすることが推奨される。バインダおよび溶剤の他
に、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10質量部以
下の範囲で添加することもできる。分散剤としては、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを
添加することができる。また、可塑剤としては、ジオク
チルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルフタリル
グリコール酸ブチルを添加することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】磁性フェライト層2は、磁性フェライト層
2用シートを用いて形成することもできる。すなわち、
前記粒度分布のピーク位置が0.3〜1.2μmの粉末
を、ポリビニルブチラールを主成分とするバインダと、
トルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミル中で混
練してスラリを得る。このスラリを、ポリエステルフィ
ルム等のフィルム上に、例えばドクターブレード法によ
り塗布、乾燥して磁性フェライト層2用シートを得るこ
とができる。この磁性フェライト層2用シートを、内部
電極3用のペーストと交互に積層した後に、焼成すれば
多層構造のチップ体4を得ることができる。なお、バイ
ンダの量に制限はないが、1〜5質量部の範囲とするこ
とが推奨される。また、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁
体等を10質量部以下の範囲で添加することもできる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】磁性フェライト層2用のペーストまたはシ
ートと内部電極3用のペーストとを交互に積層した後の
焼成温度は、940℃以下とする。940℃をえる
と、磁性フェライト層2中に内部電極3を構成する材料
が拡散して、磁気特性を著しく低下させるおそれがある
からである。本発明の磁性フェライトが低温焼成に適し
ているとはいえ、800℃未満の温度では焼成が不十分
となる。したがって、焼成は800℃以上とすることが
望ましい。望ましい焼成温度は820〜930℃、さら
に望ましくは875〜920℃である。なお、焼成時間
は、0.05〜5時間、望ましくは0.1〜3時間の範
囲で設定すればよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、各特性の測定方法は以下の通りであ
る。 <磁歪定数>5×5×20mmの試料を用い、成瀬科学
機器(株)製の飽和磁歪測定装置を用いて測定した。 <粒度分布>粒度分布を測定する粉末0.02gを10
mlの水に分散させる。粒度分布計の測定経路を洗浄
し、粒度分布計のリファレンスを測定後、粉末の粒度分
布を測定した。なお、粉末の分散および粒度分布の測定
には、シンパテック(SYMPATEC)社のへロス(HELOS)
システムを用いた。粒度分布および頻度は、レーザ回折
法を用い、粒度分布計のプログラムにより計算した。 <透磁率>トロイダル形状の試料に銅製ワイヤ(線径
0.35mm)を20ターン巻き、測定周波数100
Hz、測定電流0.2mAでLCRメータ(ヒューレッ
トパッカード(株)製)を用いてインダクタンスを測定
し、下記の式を用いて透磁率を求めた。 透磁率μ=(le×L)/(μ0×Ae×N2) le:磁路長 L:試料のインダクタンス μ0:真空の透磁率=4π×10-7(H/m) Ae:
試料の断面積 N:コイルの巻数 <抗応力特性>角形トロイダル形状の試料に銅製ワイヤ
(線径0.35mm)を20ターン巻き、LCRメータ
(ヒューレットパッカード(株)製)に接続し、その状
態で抗折強度試験器で加重を加えつつ、測定周波数10
0kHz、測定電流0.2mAの条件でのインダクタン
スの減少率を測定した。なお、インダクタンスの減少率
は透磁率μの減少率と比例するため、図4および図5に
おいては透磁率μの減少率として示してある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】表1及び表2より次のことが判明した。ま
ず、No.3とNo.1とは、No.3がMgOを14
mol%、No.1がNiOを14mol%を添加する点で異
なるが、他の組成は一致している。両者の磁歪定数(λ
s)を比べると、No.3は3×10-6、No.1は1
2×10-6である。つまり、MgCuZnフェライトは
NiCuZnフェライトに比べて磁歪定数が著しく小さ
いことがわかる。このことは、MgOおよびNiOを除
き組成が一致するNo.4とNo.2の磁歪定数からも
理解できる。また、No.1とNo.2とを比べると、
NiO量が14mol%から21mol%に増えたことにより
磁歪定数が12×10-6から18×10-6へと大きく変
動している。これに対しNo.3とNo.4とを比べる
と、MgOが14mol%から21mol%に増えても、磁歪
定数は3×10-6から3.2×10-6へ変動したにすぎ
ない。つまり、MgOは量が増えても基本的には磁歪定
数を大きくすることはないものと解される。No.5は
MgOとともにNiOを添加した例であるが、No.1
および2に比べると磁歪定数が小さく、かつ透磁率μも
良好な値を得ている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】次に、表1の組成を有する各粉末100
部に対して、エチルセルロース2.5質量部、テルピ
ネオール40質量部を加え、3本ロールにて混練して磁
性フェライト層用ペーストを調整した。一方、平均粒径
0.8μmのAg100質量部に対して、エチルセルロ
ース2.5質量部、テルピネオール40質量部を加え、
3本ロールにて混練して内部電極用ペーストを調整し
た。前記磁性フェライト層用ペーストと前記内部電極用
ペーストとを交互に印刷積層した後、900℃で2時間
の焼成を行って図1及び図2に示す積層型チップインダ
クタ1を得た。この2012タイプの積層型チップイン
ダクタ1の寸法は、2.0mm×1.2mm×1.1m
mであり、コイルの巻数は4.5ターンとした。次い
で、上記の積層型チップインダクタ1の端部にAgから
なる外部電極5を600℃で焼き付けて形成した。得ら
れた積層型チップインダクタ1を測定周波数100kH
z、測定電流0.2mAでLCRメータ(ヒューレット
パッカード(株)製)を用いてインダクタンスLおよび
品質係数Qを測定した。結果を表2に示す。MgCuZ
nフェライトおよびMgNiCuZnフェライトを用い
ても、従来のNiCuZnフェライトを用いた積層型チ
ップインダクタと同等の特性を得ることができた。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】表3及び表4より、CuO量が増加するに
つれて透磁率μは向上するが、24mol%をえると大
きく低下することがわかる。また、CuO量が4.0mo
l%では実用上十分な磁気特性が得られず、28.0mol
%となるとやはり磁気特性が劣化する。したがって、磁
気特性の観点からは、CuO量は5mol%以上25mol%
以下とするのが望ましい。表3のNo.6(CuO量:
4.0mol%)、No.7(CuO量:8.0mol%)、
No.8(CuO量:12.0mol%)、No.9(C
uO量:16.0mol%)、No.11(CuO量:2
4.0mol%)の仮焼き後の粉砕粉末を用いて所定温度
まで加熱した際の収縮率(△L/L)を測定した。この
収縮率は、焼成のしやすさの目安となるもので、収縮率
が大きいほど焼成しやすいとみなすことができる。結果
を図6に示す。なお、図6中の線図を加熱収縮曲線と呼
ぶ。図6からCuO量の増加に伴い収縮率は大きくなる
ことがわかる。つまり、CuOの添加により焼成がしや
すくなり、より低温での焼成が可能となることを示して
いる。No.9(CuO量:16.0mol%)およびN
o.11(CuO量:24.0mol%)を比較すると、
各温度での収縮率がほぼ等しい。したがって、焼成のし
やすさの観点からは、CuO量は20.0mol%程度の
添加で足りるものと解される。一方、No.6(CuO
量:4.0mol%)はNo.7(CuO量:8.0mol
%)に比べて収縮率が小さいことから、低温焼成を十分
に可能とするためには、CuO量は7mol%、より望ま
しくは10.0mol%以上の添加量とすべきである。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
フロントページの続き Fターム(参考) 4G002 AA03 AA06 AA07 AB01 AE02 4G018 AA01 AA07 AA23 AA24 AA25 AB08 AB09 AC16 5E041 AB03 AB12 AB19 CA01 HB01 HB03 NN02 NN06 NN18 5E070 AA01 AA05 AB02 AB04 AB10 BA12 BB01 CB01 CB13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe23:40〜51mol%、CuO:
    7〜30mol%、ZnO:0.5〜35mol%、MgO:
    5〜35mol%の組成を有し、粒度分布のピーク位置が
    0.3〜1.2μmの範囲にあることを特徴とする磁性
    フェライト用粉末。
  2. 【請求項2】 MgOおよびNiOの合計量が5〜35
    mol%である請求項1に記載の磁性フェライト用粉末。
  3. 【請求項3】 Fe23:40〜51mol%、CuO:
    7〜30mol%、ZnO:0.5〜35mol%、MgO:
    5〜35mol%の組成を有し、940℃以下の温度での
    焼成に供されることを特徴とする磁性フェライト。
  4. 【請求項4】 940℃以下の温度での焼成における収
    縮率が10%以上である請求項3に記載の磁性フェライ
    ト。
  5. 【請求項5】 Fe23:45〜49.8mol%、Cu
    O:8〜25mol%、ZnO:15〜25mol%、Mg
    O:7〜26mol%である請求項3または4に記載の磁
    性フェライト。
  6. 【請求項6】 磁性フェライト層と内部電極とが交互に
    積層されるとともに、前記内部電極と電気的に接続され
    た外部電極とを有する積層型フェライト部品であって、 前記磁性フェライト層はFe23:40〜51mol%、
    CuO:7〜25mol%、ZnO:0.5〜35mol%、
    MgO:5〜35mol%の組成を有する磁性フェライト
    焼成体から構成され、 前記内部電極はAgまたはAg合金から構成されること
    を特徴とする積層型フェライト部品。
  7. 【請求項7】 前記積層型フェライト部品は、誘電体層
    と内部電極とが交互に積層されるとともに、前記内部電
    極と電気的に接続された外部電極とを有する積層コンデ
    ンサ部品と一体複合化されたものである請求項6に記載
    の積層型フェライト部品。
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JP2015211019A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 Jfeケミカル株式会社 マイクロ波吸収発熱体用MgCuZn系フェライト粉およびその粉末を用いたマイクロ波吸収発熱体

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