JP2001171944A - エレベータのガイドレール用潤滑装置 - Google Patents

エレベータのガイドレール用潤滑装置

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JP2001171944A
JP2001171944A JP36325599A JP36325599A JP2001171944A JP 2001171944 A JP2001171944 A JP 2001171944A JP 36325599 A JP36325599 A JP 36325599A JP 36325599 A JP36325599 A JP 36325599A JP 2001171944 A JP2001171944 A JP 2001171944A
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oil
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guide
oil retaining
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JP36325599A
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English (en)
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Terunobu Ooishi
照展 大石
Masateru Nakano
政輝 中野
Tomoji Onishi
友治 大西
Shizuo Nishikawa
志津雄 西川
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Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗りかごの移動速度が毎分120m〜240
mという高速エレベータに適用しても保油シートの凹部
に設けた耐摩耗性編物体が長時間破損することがない、
耐久性に優れたエレベータのガイドレール用潤滑装置を
提供すること。 【解決手段】 ガイドレール3のガイド部3Aに摺接す
る保油シート36,36A,37の凹部46の側辺縁4
6A,46Bおよび底辺縁46Cを、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維によりよ
こ編のうちの両面編構造とした耐摩耗性編物体50,5
1,52で覆う。これにより、乗りかごの移動速度が毎
分120m〜240mという高速エレベータに適用して
も、耐摩耗性編物体50,51,52は長時間破損する
ことがない。また、ガイドレール3に対する潤滑油の供
給にも何ら支障をきたさない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの昇降
体に取り付けられてガイドレールのガイド部に潤滑油を
供給するガイドレール用潤滑装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先に、エレベータのガイドレ
ール用潤滑装置として、ガイドレールのガイド部(案内
部)に沿って昇降路内を昇降する昇降体に取り付けられ
た有底の収納ケースと、前記ガイド部が挿入される凹部
を有する保油シートを複数枚積層してなり前記収納ケー
ス内に収納された保油シート積層体と、前記収納ケース
の上面開口を覆う位置に開閉可能に配設された蓋体とを
備え、保油シートに含浸されている潤滑油が前記ガイド
部に供給されるように構成したのものを開発している。
すなわち、カポック繊維からなる保油シートの凹部にガ
イドレールのガイド部を挿入して、このガイド部に前記
凹部の周縁部分を摺接させておくことにより、乗りかご
等の昇降体が昇降すると、保油シート中の潤滑油が前記
ガイド部へ供給されるようになっている。なお、収納ケ
ースと蓋体には、ガイドレールのガイド部が遊挿される
逃げ用の切欠き部が設けてある。
【0003】また、上述したガイドレール用潤滑装置に
あっては、保油シートの凹部の周縁部分に懸念されるほ
ぐれを防止つつ、潤滑油を過不足なくガイドレールのガ
イド部に塗布できるようにするため、保油シートの前記
凹部の両側辺縁と底辺縁の計3個所に、アラミッド繊維
製あるいはナイロン繊維製の耐摩耗性編物体を取着する
ようにしていた。
【0004】なお、上述した従来技術の詳細は、特開平
8−91735号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】上述した従来のガ
イドレール用潤滑装置は、通常のエレベータに適用する
場合には耐久性に何ら問題を生じるものではないが、こ
れを乗りかごの移動速度が毎分120m以上の高速エレ
ベータに適用して、そのガイドレールのガイド部に沿っ
て保油シートを摺動させる実験を行ったところ、保油シ
ートの凹部の周縁に取り付けてあるアラミッド繊維製あ
るいはナイロン繊維製の耐摩耗性編物体が、比較的短時
間で破損してしまうという問題点のあることがわかっ
た。
【0006】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み
てなされたもので、その目的は、乗りかごの移動速度が
毎分120m〜240mという高速エレベータに適用し
ても保油シートの凹部に設けた耐摩耗性編物体が長時間
破損することがない、耐久性に優れたエレベータのガイ
ドレール用潤滑装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的
は、ガイドレールのガイド部に沿って昇降路内を昇降す
る昇降体に取り付けられて、前記ガイド部が遊挿される
切欠き部を有する有底の収納ケースと、この収納ケース
内に収納されて、前記ガイド部が挿入される凹部を有す
る保油シートを複数枚積層してなる保油シート積層体
と、前記収納ケースの上面開口を覆う位置に開閉可能に
配設されて、前記ガイド部が遊挿される切欠き部を有す
る蓋体とを備え、かつ、前記保油シートの前記凹部の両
側辺縁にそれぞれ第1耐摩耗性編物体で覆われた舌状部
を形成して、これら舌状部を前記ガイド部の側面に摺接
させると共に、前記凹部の底辺縁を第2耐摩耗性編物体
で覆って該第2耐摩耗性編物体を前記ガイド部の頂面に
摺接させて、前記保油シートに含浸させた潤滑油が前記
ガイド部に供給されるようにしたエレベータのガイドレ
ール用潤滑装置において、前記第1耐摩耗性編物体およ
び前記第2耐摩耗性編物体を、ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維によりよこ編の
うちの両面編構造とすることにより、達成される。
【0008】このようにして、ガイドレールのガイド部
に摺接する保油シートの凹部の周縁部分の耐摩耗性を飛
躍的に高めておけば、乗りかごの移動速度が毎分120
m以上の高速エレベータに適用して1年間経過した場合
にも、第1耐摩耗性編物体および第2耐摩耗性編物体が
破損することがなく、ガイドレールに対する潤滑油の供
給に支障をきたすこともない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるガイドレール
用潤滑装置の一実施形態例を、図1〜図17を参照しつ
つ説明する。
【0010】図1,2において、エレベータの昇降路1
内にはガイドレール3が立設されており、乗りかごもし
くは釣合い錘からなる昇降体4をガイドレール3に沿っ
て昇降させるため、ガイドレール3のガイド部3Aに対
して摺動自在に係合するガイドシュー9が、ガイドシュ
ー支持枠5等を介して昇降体4の上部に配設されてい
る。そして、L形の鋼材からなるブラケット7が、ボル
ト8,8Aによりガイドシュー支持枠5に固定されてい
て、このブラケット7上にガイドレール用潤滑装置2が
配設されている。なお、ガイドシュー支持枠5は、昇降
体4の上部に固定された取付部材6に取り付けられてい
る。
【0011】具体的に説明すると、図2に示すように、
ガイドシュー支持枠5には、断面形状がコ字状のガイド
シュー9が圧入固定されている。このガイドシュー9
は、ガイドレール3のガイド部3Aの両面側3A−1,
3A−2および頂面3A−3に摺接している。取付部材
6は、昇降体4が乗りかごの場合には、その乗りかごの
上部に位置するクロスヘッド(図示せず)に取り付けら
れている。ブラケット7には例えば長孔10,10Aを
設けておき、これらの長孔10,10Aに挿通したボル
ト11,11Aによってガイドレール用潤滑装置2を着
脱自在に取り付けておけばよい。
【0012】ガイドレール用潤滑装置2は、図1および
図3,4に示すように、合成樹脂製の有底箱状の収納ケ
ース12と、この収納ケース12の上面開口が開閉可能
な合成樹脂製の蓋体13と、収納ケース12内に取り出
し可能に収納された保油シート積層体14とによって主
に構成されている。収納ケース12には、その正面12
Aの略中央に、ガイドレール3のガイド部3Aを遊挿さ
せるための切欠き部15が形成されている(図3〜6参
照)。同様に、蓋体13には、その正面13Aの略中央
に、ガイドレール3のガイド部3Aを遊挿させるための
切欠き部16が形成されている(図3〜7参照)。保油
シート積層体14は、カポック繊維等の吸油性および保
油性に優れた材料からなるものであって、保形性を有し
ており、その正面14Aの略中央に、ガイドレール3の
ガイド部3Aを挿入させる凹部17が形成されている
(図3,4および図7,8参照)。ここで、吸油性とは
油吸着能力をいい、保油性とは油量の保持能力をいう。
また、カポック繊維とは、パンヤ科の喬木の実の中に含
まれる繊維をいう。
【0013】収納ケース12の内底には、図5に示すよ
うに、合成樹脂製の3本の柱状体18,18A,18B
が略垂直に突出形成されていると共に、蓋体13の天井
面に嵌合リング19,19A,19Bが形成されてい
て、各柱状体18,18A,18Bの先端がそれぞれ、
閉状態の蓋体13の嵌合リング19,19A,19Bに
嵌合するようにしてある。柱状体18は、収納ケース1
2の切欠き部15の左側辺15Aに近接している。柱状
体18Aは、該切欠き部15の底辺15Bに近接してい
る。柱状体18Bは、該切欠き部15の右側辺15Cに
近接している。柱状体18と柱状体18Bは、該切欠き
部15の左右に対称に配設されているが、柱状体18A
は、該切欠き部15の底辺15Bの中心後方に配設され
ている。なお、柱状体18,18A,18Bは径6mm
の円柱としているが、これに限定されるものではなく、
四角柱や楕円柱などの形状でもよい。収納ケース12の
内底には、この収納ケース12に保油シート積層体14
を逆にセットするのを防止するための逆セット防止突出
体20が一体的に形成されている。この逆セット防止突
出体20は、合成樹脂製の径6mmの円柱であり、柱状
体18,18A,18Bの約半分の長さとしているが、
柱状体18,18A,18Bと同等の長さであってもよ
い。
【0014】収納ケース12の外底には、図6に示すよ
うに、全外周縁に形成される囲いリブ21と、この囲い
リブ21内に形成される補強リブ22とが一体的に形成
されている。また、収納ケース12の外底には、砲金な
どの金属からなる雌ねじ体30が2個埋設されていると
共に、各雌ねじ体30の周囲に補強のための仕切りリブ
31が多数形成されている。この収納ケース12は、2
個の雌ねじ体30にブラケット7を介してボルト11,
11A(図2参照)を螺合させることにより、ブラケッ
ト7の上面に固定される。なお、収納ケース12の内底
に形成されている突出部21C(図5参照)は、収納ケ
ース12の外底に雌ねじ体30を埋設させるためのもの
である。収納ケース12の外底において、囲いリブ21
と補強リブ22とにより画成される空間H1の高さ寸法
は、昇降体4に収納ケース12を取り付けるための前記
ボルト11,11Aが底板部分に当接しない寸法として
ある。また、この収納ケース12は、潤滑油を含浸させ
た状態で収納している保油シート積層体14の上面と該
収納ケース12の上端との間に、油溜空間H2(図4参
照)が確保されるような容積としてある。
【0015】収納ケース12の上端全周には、図4,5
に示すように、水平フランジ24が形成されている。ま
た、この水平フランジ24には、蓋体13を収納ケース
12に連結しているプラスチックヒンジ構造の3個のヒ
ンジ部25と、蓋体13を上面開口12Bを閉じた状態
に保持するための2個の弾性係止爪26とが形成されて
いる。
【0016】蓋体13の内面には、収納ケース12の上
面開口12Bを閉じたときに該上面開口12Bの内縁に
接触する変形防止リブ27が形成されている。蓋体13
の外周縁には、切欠き部16等を除いて垂直フランジ2
8が形成されている。この垂直フランジ28は、蓋体1
3が閉状態のときに収納ケース12の水平フランジ24
の外側に位置する。また、この垂直フランジ28には2
個の弾性係止体29が形成されていて、これらの弾性係
止体29に収納ケース12の弾性係止爪26を弾性係合
させることにより、蓋体13の閉じた状態が保持され
る。そして、閉状態の蓋体13を開く際には、弾性係止
体29を外方に変形させて弾性係止爪26との係合を解
除した後、蓋体13を上方へ持ち上げればよい。
【0017】蓋体13の上面における切欠き部16の左
右両側には、図7に示すように、収納ケース12に収納
した保油シート積層体14の凹部17に挿入されるガイ
ド部3Aの挿入位置を決める目安となる第1挿入位置決
め標示体32,32Aおよび第2挿入位置決め標示体3
3,33Aが設けられている。また、蓋体13の上面に
おける切欠き部16の底辺近傍には、この切欠き部16
の底辺縁中央を、ガイド部3Aの厚さ方向(その厚さ寸
法はW1)の中心位置Xに合わせるための中心位置決め
標示体34が設けられている。収納ケース12の上面開
口12Bを蓋体13で閉じた状態では、収納ケース12
の切欠き部15の底辺縁15B(図6参照)の中心と蓋
体13の切欠き部16の底辺縁中心とが略一致するよう
になっている。したがって、中心位置決め標示体34を
ガイド部3Aの厚さ方向の中心位置Xに合わせれば、収
納ケース12と蓋体13の各切欠き部15,16の中心
にガイド部3Aを配置させた状態となすことができる。
【0018】なお、収納ケース12と蓋体13は、2種
類のガイドレール(30Kのガイドレールと18Kのガ
イドレール)のいずれにも適用可能な設計になってい
る。すなわち、収納ケース12の切欠き部15および蓋
体13の切欠き部16の大きさは、30Kのガイドレー
ルのガイド部が入り込んでも差し支えないものとしてい
る。そして、30Kのガイドレール用と18Kのガイド
レール用の2種類の保油シート積層体を用意しておき、
これら2種類の保油シート積層体を入れ替えさえすれ
ば、収納ケース12および蓋体13は30Kのガイドレ
ールにも18Kのガイドレールにも使用することができ
る。
【0019】具体的には、図2,7において、30Kの
ガイドレールにガイドレール用潤滑装置2を設置する場
合には、蓋体13の第1挿入位置決め標示体32,32
Aの位置とガイド部3Aの頂面3A−3の位置とが一致
するように、ブラケット7に設けた長孔10,10Aを
利用して該ブラケット7上で収納ケース12を移動させ
た後、その収納ケース12をボルト11,11Aにより
該ブラケット7に固定すればよい。また、18Kのガイ
ドレールにガイドレール用潤滑装置2を設置する場合に
は、蓋体13の第2挿入位置決め標示体33.33Aの
位置とガイド部3Aの頂面3A−3の位置とが一致する
ように、ブラケット7の長孔10,10Aを利用して該
ブラケット7上で収納ケース12を移動させた後、その
収納ケース12をボルト11,11Aにより該ブラケッ
ト7に固定すればよい。
【0020】本実施形態例で図示している保油シート積
層体14は、30Kのガイドレール用である。この保油
シート積層体14は、ガイドレール3のガイド部3Aに
接触しない非接触形保油シート35,35A,35B
と、ガイド部3Aに接触する第1接触形保油シート3
6,36Aおよび第2接触形保油シート37とを有して
いる。そして、3枚の非接触形保油シート35,35
A,35Bと2枚の第1接触形保油シート36,36A
と1枚の第2接触形保油シート37を、図8に示すよう
に積層した後、4本の結束体38,38A,38B,3
8Cで結束することにより、保油シート積層体14が作
られている。4本の結束体38,38A,38B,38
Cは、図9に示すように、糸状部38−1と、この糸状
部38−1の上端に一体的に形成された上端係止片部3
8−2と、糸状部38−1の下端に一体的に形成された
下端係止棒状部38−3とからなっていて、幅広に形成
されている上端係止片部38−2を、保油シート積層体
14を持ち上げるための把持部材39となしている。な
お、これらの糸状部38−1、上端係止片部38−2
(把持部材39)および下端係止棒状部38−3は、合
成樹脂の一体成形品である。
【0021】非接触形保油シート35,35A,35B
は、図10に示すように、吸油性および保油性に優れた
カポック繊維などからなる本体部40と、この本体部4
0の一辺端の中央に形成された凹部41と、収納ケース
12の柱状体18,18A,18Bを嵌挿するための位
置決め貫通孔42,42A,42Bと、収納ケース12
の逆セット防止突出体20を嵌挿するための逆セット防
止嵌挿孔43と、位置決め貫通孔42,42A,42B
よりも開口面積が大きい3個の給油孔44,44A,4
4Bとを有している。なお、凹部41は、ガイド部3A
に接触しない大きさに形成されている。
【0022】第1接触形保油シート36,36Aは、図
11やその要部拡大図である図14に示すように、カポ
ック繊維などからなる本体部45と、この本体部45の
一辺端の中央に形成された凹部46と、柱状体18,1
8A,18Bを嵌挿するための位置決め貫通孔47,4
7A,47Bと、逆セット防止突出体20を嵌挿するた
めの逆セット防止嵌挿孔48と、位置決め貫通孔42,
42A,42Bよりも開口面積が大きい3個の給油孔4
9,49A,49Bとを有している。凹部46はガイド
部3Aに接触可能な大きさに形成されていて、この凹部
46の左右両側辺縁46A,46Bにはそれぞれ、ガイ
ド部3Aとの摺動抵抗に起因するほぐれを防止するため
の第1耐摩耗性編物体50,51が設けられている。ま
た、この凹部46の底辺縁46Cには、ガイド部3Aと
の摺動抵抗に起因するほぐれを防止するための第2耐摩
耗性編物体52が設けられている。
【0023】第1耐摩耗性編物体50,51および第2
耐摩耗性編物体52は、ポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾールを液晶紡糸した太さ約0.1mmの繊維で
よこ編のうちの両面編構造としたものである。第1耐摩
耗性編物体50,51および第2耐摩耗性編物体51
は、同一材料のものが用いられ、厚さ略1mmとしてあ
る。図14に示すように、第1耐摩耗性編物体50,5
1はそれぞれ凹部46の側辺縁46A,46Bに沿っ
て、タック銃などにより3個所ずつ、合成樹脂製のタッ
ク53にて縫着されている。同様に、第2耐摩耗性編物
体52は凹部46の底辺縁46Cに沿って、タック銃な
どにより3個所ずつ、合成樹脂製のタック54にて縫着
されている。これらのタック53,54は、図15に示
すように、接続棒状部53Aと、この接続棒状部53A
の上端に一体形成された上端係止棒状部53Bと、接続
棒状部53Aの下端に一体形成された下端係止棒状部5
3Cとからなる。接続棒状部53Aの長さは約3mmと
し、上端係止棒状部53Bおよび下端係止棒状部53C
の長さは約6mmに設定してある。接続棒状部53A、
上端係止棒状部53Bおよび下端係止棒状部53Cは、
直径約1mmの太さの真円としてある。第1耐摩耗性編
物体50,51のタック53による縫着部分は、非接触
形保油シート35,35A,35Bの凹部41における
側辺縁41A,41Bに略沿って延在させてある。その
際、第1耐摩耗性編物体50,51はそれぞれ、凹部4
6の側辺縁46A,46Bの端面および表裏両面を密着
状態で覆った後、タック53で縫着することにより、第
1接触形保油シート36,36Aとの間に隙間ができな
いようにしている。同様に、第2耐摩耗性編物体52
は、凹部46の底辺縁46Cの端面および表裏両面を密
着状態で覆った後、タック54で縫着することにより、
第1接触形保油シート36,36Aとの間に隙間ができ
ないようにしている。
【0024】図14に示すように、第1接触形保油シー
ト36,36Aの凹部46の両側辺縁46A,46Bと
底辺縁46Cとの間には、底辺縁46Cに沿って左右に
延びる切り込み溝55,55Aが設けてあり、これらの
切り込み溝55,55Aによって、第1耐摩耗性編物体
50で覆われた舌状部56と、第1耐摩耗性編物体51
で覆われた舌状部56Aとが形成された状態となってい
る。また、切り込み溝55,55Aの切り込み幅W3を
第2耐摩耗性編物体52の厚さよりも大きい約2mmと
することにより、舌状部56,56Aと底辺縁46Cと
の間には隙間G3が形成されている。この隙間G3の存
在で、舌状部56,56Aは第2耐摩耗性編物体52と
接触しないようになっている。
【0025】舌状部56,56Aの根元部分は、タック
53による縫着部分と一致させてあるので、その根元部
分の表裏両面が内方に向かって凹んだ状態となってい
る。すなわち、舌状部56,56Aの根元部分がタック
53によりくびれた状態となっている。したがって、各
舌状部56,56Aは、その根元部分を基端として上下
に首振りしやすくなっている。また、舌状部56,56
A間の間隙寸法G1(図14参照)は、ガイド部3Aの
厚さ寸法W1(図2参照)よりも小さくなるように、第
1接触形保油シート36,36Aの凹部46の大きさが
設定されている。例えば、30Kのガイドレールのガイ
ド部3Aの厚さ寸法W1が約19mmであるのに対し、
舌状部56,56A間の間隙寸法G1は約15mmとし
てある。そのため、ガイド部3Aに沿ってガイドレール
用潤滑装置2を昇降させると、ガイド部3Aの両側面3
A−1,3A−2に舌状部56,56Aが適切な押圧力
で摺接する。一方、凹部46の底辺縁46Cに設けた第
2耐摩耗性編物体52は、その先端がガイド部3Aの頂
面3A−3に軽く摺接するようにしている。つまり、第
1耐摩耗性編物体50,51のガイド部側面3A−1,
3A−2に対する押圧力は、第2耐摩耗性編物体52の
ガイド部頂面3A−3に対する押圧力よりも大きくなる
ように設定しておく。
【0026】第2接触形保油シート37は、図12,1
4に示すように、第1接触形保油シート36,36Aと
ほぼ同等の構成で、給油孔49,49A,49Bを設け
ていない点のみが相違するにすぎない。なお、第2接触
形保油シート37と第1接触形保油シート36,36A
とをまとめて表現する場合には、以下、単に接触形保油
シートと称する。
【0027】非接触形保油シート35,35A,35B
は、その本体部分40の表裏両面全体が網状体57で覆
われている。同様に、第1接触形保油シート36,36
Aと第2接触形保油シート37は、図13に示すよう
に、その本体部分45の表裏両面全体が網状体58で覆
われている。これらの網状体57,58は、径約0.2
mmのナイロン製糸を格子状に編んだものである。ま
た、本体部分40,45はそれぞれ、カポック繊維を厚
さ6mm程度に積み重ねてシート状にして、その表裏両
面全体に網状体57,58を載せた後、このシート状の
ものと網状体57,58とを一緒に所望の大きさに切断
することで作られる。
【0028】なお、保油シート積層体14を作る際に
は、下から順に、第2接触形保油シート37、非接触形
保油シート35B、第1接触形保油シート36A、非接
触形保油シート35A、第1接触形保油シート36、非
接触形保油シート35を積層すればよい。換言するな
ら、接触形保油シート37,36A,36と、非接触形
保油シート35B,35A,35とを交互に積層するこ
とで、保油シート積層体14が作られる。したがって、
保油シート積層体14の凹部17は、非接触形保油シー
ト35,35A,35Bの凹部41と、接触形保油シー
ト36,36A,37の凹部46とによって構成されて
おり、この凹部17内に、第1耐摩耗性編物体50,5
1で覆われた舌状部56,56Aが、非接触形保油シー
ト35,35A,35Bの厚さ分の間隙を存して上下方
向に並設された状態となっている。また、非接触形保油
シート35,35A,35Bの凹部41と接触形保油シ
ート36,36A,37の凹部46とは左右方向の中心
が略一致させてあるので、蓋体13の中心位置決め標示
体34を保油シート積層体14の凹部17の左右方向中
心位置に合わせると、ガイドレール3のガイド部3Aの
両側面3A−1,3A−2に、接触形保油シート36,
36A,37の第1耐摩耗性編物体50,51が左右均
等に摺接することになる。
【0029】非接触形保油シート35,35A,35B
の本体部分40の外形や寸法と、接触形保油シート3
6,36A,37の本体部分45の外形や寸法は、凹部
41部分と凹部46部分とが異なるのみである。また、
非接触形保油シート35,35A,35Bと接触形保油
シート36,36A,37とを交互に積層した状態で、
非接触形保油シート35,35A,35Bの本体部分4
0に設けた位置決め貫通孔42,42A,42Bと接触
形保油シート36,36A,37の本体部分45に設け
た位置決め貫通孔47,47A,47Bが重なり、かつ
前者の本体部分40に設けた逆セット防止嵌挿孔43と
後者の本体部分45に設けた逆セット防止嵌挿孔48が
重なり、かつ前者の本体部分40に設けた給油孔44,
44A,44Bと後者の本体部分45に設けた給油孔4
9,49A,49B(ただし、第2接触形保油シート3
7は給油孔を有さない)が重なるようにしてある。つま
り、保油シート積層体14には、連通する給油孔44,
49,44A,49A,44B,49Bによって、非接
触形保油シート35の上面から第2接触形保油シート3
7の上面に至る給油連結孔59(図16,17参照)が
形成されている。
【0030】なお、位置決め貫通孔42,42A,42
Bおよび位置決め貫通孔47,47A,47Bの直径
は、約6.5mmとしてある。給油孔44,44A,4
4Bおよび給油孔49,49A,49Bの直径は、約1
2mmとしてある。逆セット防止嵌挿孔43,48の直
径は、約6.5mmとしてある。柱状体18,18A,
18Bの先端は、位置決め貫通孔42〜42Bおよび位
置決め貫通孔47〜47Bに挿入しやすいように、先細
り形状にしてある。逆セット防止突出体20の先端は、
逆セット防止嵌挿孔43,48に挿入しやすいように、
先細り形状にしてある。
【0031】30Kのガイドレール用の潤滑装置2を1
8Kのガイドレール用の潤滑装置とするには、収納ケー
ス12と蓋体13はそのまま利用して、30Kのガイド
レール用の保油シート積層体14を、18Kのガイドレ
ール用の保油シート積層体と交換すればよい。18Kの
ガイドレール用の保油シート積層体は、30Kのガイド
レール用の保油シート積層体14と比べて、ガイド部を
挿入させる凹部の大きさが異なるものの、基本的な構成
は同等でよい。
【0032】さて、上述したガイドレール用潤滑装置2
を使用する際には、蓋体13を閉じた状態にして、ガイ
ドレール3のガイド部3Aの厚さ方向の中心位置X(図
7参照)に合わせると共に、第1位置決め標示体32,
32Aの位置にガイド部3Aの頂面3A−3の位置を合
わせてから、収納ケース12をボルト11.11Aによ
りブラケット7に固定する。
【0033】こうして昇降体4の上部に収納ケース12
を位置決め固定したならば、蓋体13を開いて、柱状体
18,18A,18Bを保油シート積層体14の位置決
め貫通孔42〜42Bおよび位置決め貫通孔47〜47
Bに挿入すると共に、逆セット防止突出体20を保油シ
ート積層体14の逆セット防止嵌挿孔43,48に挿入
すれば、図4に示すように、収納ケース12内に保油シ
ート積層体14が正しく設置される。このとき、保油シ
ート積層体14を上下逆にして収納ケース12内へ入れ
ようとすると、つまり第2接触形保油シート37を一番
上にした状態で保油シート積層体14を収納ケース12
内へ入れようとすると、逆セット防止嵌挿孔43,48
が逆セット防止突出体20のある位置からずれてしまう
ので、逆セット防止突出体20が逆セット防止嵌挿孔4
3,48に挿入されず、それゆえ収納ケース12内へ保
油シート積層体14を設置することができない。したが
って、このガイドレール用潤滑装置2は、収納ケース1
2内に保油シート積層体14を上下逆向きに設置したま
ま使用されることがない。また、非接触形保油シート3
5,35A,35Bと接触形保油シート36,36A,
37を一枚ずつ収納ケース12内へ設置するのではな
く、非接触形保油シート35,35A,35Bおよび接
触形保油シート36,36A,37を結束体38,38
A,38Bで結束してなる保油シート積層体14を収納
ケース12内へ設置するので、その設置作業を簡単かつ
迅速に行うことができる。
【0034】次に、蓋体13を開いたまま、保油シート
積層体14の給油連結口59(非接触形保油シート35
の給油孔44,44A,44B)に、規定量の潤滑油を
図示せぬ給油用ラッパ(油さし)で注入する。給油連結
口59に注がれた潤滑油は、収納ケース12内の最下部
に位置する第2接触形保油シート37の上面から該保油
シート37の内部へ浸透していくと共に、網状体57,
58を伝わって、第1接触形保油シート36,36Aお
よび非接触形保油シート35A,35Bの表裏両面から
これらの保油シート36,36a,35,35Aの内部
へと浸透していく。また、非接触形保油シート35の裏
面から該保油シート35の内部へも浸透していく。した
がって、保油シート積層体14に対する潤滑油の給油作
業は、短時間で完了させることができる。なお、第2接
触形保油シート37には給油孔がないので、給油連結口
59へ注入した潤滑油が収納ケース12の内底部に溜っ
て溢れ出てしまうような事態は起こらない。
【0035】こうして保油シート積層体14に潤滑油を
給油したなら、蓋体13を閉じておけば、昇降体4の昇
降に伴い、ガイドレール3のガイド部3Aに対して保油
シート積層体14が潤滑油を塗布することとなる。すな
わち、図16に示すように、昇降体4が矢印P方向へ下
降すると、第1耐摩耗性編物体50で覆われた舌状部5
6と第1耐摩耗性編物体51で覆われた舌状部56A
が、それぞれ、根元部分から先を上方へ首振りしてガイ
ド部3Aの側面3A−1,3A−2に沿って摺動するの
で、これらの舌状部56,56Aから両側面3A−1,
3A−2に対して潤滑油が供給されていく。また、図1
7に示すように、昇降体4が矢印Q方向へ上昇すると、
第1耐摩耗性編物体50,51で覆われた舌状部56,
56Aがそれぞれ、根元部分から先を下方へ首振りして
ガイド部3Aの側面3A−1,3A−2に沿って摺動す
るので、これらの舌状部56,56Aから両側面3A−
1,3A−2に対して潤滑油が供給されていく。このと
き、第1接触形保油シート36,36Aの凹部46の両
側辺縁46,46Aと底辺縁46Cとの間に前記間隙G
3が設けてあって、第2耐摩耗性編物体52が舌状部5
6,56Aに接触しないようにしてあるので、舌状部5
6,56Aが第2耐摩耗性編物体52に押されて変形す
る心配はない。それゆえ、舌状部56,56Aはガイド
部3Aの側面3A−1,3A−2に対して均一に摺接
し、効率よく潤滑油を塗布することができると共に、舌
状部56,56Aが第2耐摩耗性編物体52に押されて
変形した場合に懸念される第1耐摩耗性編物体50,5
1の異常損傷が防止できて、その長寿命化が図れる。ま
た、仮にガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2に潤
滑油が過剰に塗布されるようなことがあったとしても、
舌状部56,56Aが均一に側面3A−1,3A−2に
摺接しているため、余分に塗布された潤滑油は、これら
舌状部56,56Aを構成しているカポック繊維によっ
て吸引されやすく、それゆえガイドレール3を伝わって
潤滑油がエレベータのピット内へ流れ落ちるようなこと
はない。
【0036】また、舌状部56,56Aをガイド部3A
の側面3A−1,3A−2に摺接させても、保油シート
積層体14の位置決め貫通孔42,42A,42B,4
7,47A,47Bに柱状体18,18A,18Bを嵌
挿させているので、舌状部56,56Aの位置が左右に
大きくずれることがない。したがって、一方の舌状部5
6がガイド部3Aの側面3A−1から離れて他方の舌状
部56Aがガイド部3Aの側面3A−2に強く押し付け
られたり、あるいは逆に舌状部56Aが側面3A−2か
ら離れて舌状部56が側面3A−1に強く押し付けられ
たりするという片接触現象が発生せず、その結果、ガイ
ド部3Aの両側面3A−1,3A−2に潤滑油を確実に
塗布することができる。しかも、舌状部56,56Aが
ガイド部3Aの側面3A−1,3A−2に過度に強く押
し付けられた状態にならないことから、第1耐摩耗性編
物体50,51の異常損傷が防止できて、その長寿命化
が図れる。
【0037】また、第1耐摩耗性編物体50,51のタ
ック53による縫着部分が非接触形保油シート35,3
5A,35Bの凹部41の側辺縁41,41A,41B
に沿って延在させてあり、この縫着部分(舌状部56,
56Aの根元部分)の表裏両面がタック53により内方
へくぼませてあるので、昇降体4の昇降に伴って舌状部
56,56Aをガイド部3Aの側面3A−1,3A−2
に摺接させる際に、これらの舌状部56,56Aは、円
滑に無理なく首振りできるようになっている。しかも、
こうして舌状部56,56Aが円滑に首振りを行うこと
から、舌状部56,56Aのうちガイド部3Aの側面3
A−1,3A−2に摺接する個所は、昇降体4の移動方
向が変わるたびに変化し、よって同一個所の摺接が回避
できて第1耐摩耗性編物体50,51のさらなる長寿命
化が図れる。
【0038】また、接触形保油シート36,36A,3
7の凹部46の両側辺縁46A,46Bに設けた第1耐
摩耗性編物体50,51と、該凹部46の底辺縁46C
に設けた第2耐摩耗性編物体52がいずれも、ポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維
によりよこ編のうちの両面編(スムーズ)構造としてあ
るので、ガイド部3Aの側面3A−1,3A−2に摺接
する第1耐摩耗性編物体50,51および第2耐摩耗性
編物体52にほぐれが発生する可能性はかなり低くなっ
ている。具体的には、乗りかごの移動速度が毎分120
m〜240mという高速で使用頻度も高いエレベータ
に、上述したガイドレール用潤滑装置2を常時設置した
状態で調査したところ、1年間経過しても、第1耐摩耗
性編物体50,51および第2耐摩耗性編物体52にほ
ぐれは全く認められず、また、これら耐摩耗性編物体5
0〜52の摺接音がエレベータの正常動作音以下に抑え
られて静音効果のあることもわかった。
【0039】また、接触形保油シート36,36A,3
7の凹部46の底辺縁46Cに設けた第2耐摩耗性編物
体52は、その先端がガイド部3Aの頂面3A−3に軽
く摺接するようにしてあるので、大きく変形させられる
ことなく、該頂面3A−3に対して潤滑油を塗布するこ
とができる。そして、ガイド部3Aの側面3A−1,3
A−2に対する第1耐摩耗性編物体50,51の押圧力
が、ガイド部3Aの頂面3A−3に対する第2耐摩耗性
編物体52の押圧力よりも大きくなるようにしてあるの
で、該側面3A−1,3A−2に対する潤滑油の塗布は
満遍なく確実に行われる。
【0040】さらに、保油シート積層体14は、非接触
形保油シート35,35A,35Bと接触形保油シート
36,36A,37とを交互に積層することにより、舌
状部56,56Aの上下に逃げ空間を確保しているの
で、舌状部56どうし、あるいは舌状部56Aどうしが
重なり合った状態で、ガイド部3Aの側面3A−1,3
A−2に押し付けられることはなく、それゆえ舌状部5
6,56Aの圧接力の増大に起因して過剰な潤滑油がガ
イド部3Aの側面3A−1,3A−2側へ流出するとい
う不具合は起こらない。
【0041】また、昇降体4が図16に示すように矢印
P方向へ下降しても、蓋体13の切欠き部16は一番上
に位置する舌状部56,56Aの上方への首振りを規制
しないので、蓋体13が舌状部56,56Aをガイド部
3Aの側面3A−1,3A−2に押し付けた場合に懸念
される、蓋体13の上面側からの潤滑油の流出が回避さ
れている。同様に、昇降体4が図17に示すように矢印
Q方向へ上昇しても、収納ケース12の切欠き部15は
一番下に位置する舌状部56,56Aの下方への首振り
を規制しないので、収納ケース12が舌状部56,56
Aをガイド部3Aの側面3A−1,3A−2に押し付け
た場合に懸念される、収納ケース12の外底面側からの
潤滑油の流出も回避されている。
【0042】なお、収納ケース12は合成樹脂製ではあ
るが、その上面開口12Bを蓋体13で閉じると、変形
防止リブ27が上面開口12Bの内縁に接触するので、
収納ケース12の切欠き部15は容易には変形しない。
また、蓋体13も合成樹脂製ではあるが、この蓋体13
にも垂直フランジ28や変形防止リブ27が形成してあ
るので、容易には変形しない。
【0043】また、上述したガイドレール用潤滑装置
は、30Kのガイドレール用の保油シート積層体14と
18Kのガイドレール用の保油シート積層体とを交換し
さえすれば、収納ケース12および蓋体13は交換する
ことなく、30Kと18Kの2種類のガイドレールに対
して共用できるという利点がある。
【0044】
【発明の効果】本発明によるエレベータのガイドレール
用潤滑装置は以上説明したような形態で実施され、以下
に記載されるような効果を奏する。
【0045】ガイドレールのガイド部に摺接する保油シ
ートの凹部の周縁部分を、ポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾールを液晶紡糸した繊維によりよこ編のうち
の両面編構造とした耐摩耗性編物体で覆っているので、
乗りかごの移動速度が毎分120m〜240mという高
速エレベータに適用しても、前記耐摩耗性編物体は長時
間破損することがなく、それゆえ保油シートの耐久性が
飛躍的に向上すると共に、ガイドレールに対する潤滑油
の供給にも何ら支障をきたさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係るガイドレール用潤
滑装置の取付状態を示す概略説明図である。
【図2】エレベータに取り付けられた該潤滑装置の底面
図である。
【図3】エレベータに取り付けられた該潤滑装置の蓋体
を開いた状態を示す平面図である。
【図4】該潤滑装置の蓋体を開いた状態を示す斜視図で
ある。
【図5】蓋体を開いた状態における該潤滑装置の収納ケ
ースを示す斜視図である。
【図6】蓋体を閉じた状態における該収納ケースを示す
斜視図である。
【図7】エレベータに取り付けられた該潤滑装置の蓋体
を閉じた状態を示す平面図である。
【図8】該潤滑装置の保油シート積層体を示す斜視図で
ある。
【図9】該保油シート積層体の結束体を示す斜視図であ
る。
【図10】該保油シート積層体の非接触形保油シートを
示す平面図である。
【図11】該保油シート積層体の第1接触形保油シート
を示す平面図である。
【図12】該保油シート積層体の第2接触形保油シート
を示す平面図である。
【図13】図12のA−A線に沿う断面拡大図である。
【図14】図11のZ部拡大図である。
【図15】図14に示すタックの拡大斜視図である。
【図16】エレベータの下降運転時における該潤滑装置
の動作を模式的に示す説明図である。
【図17】エレベータの上昇運転時における該潤滑装置
の動作を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 昇降路 2 ガイドレール用潤滑装置 3 ガイドレール 3A ガイド部 12 収納ケース 13 蓋体 14 保油シート積層体 15 収納ケースの切欠き部 16 蓋体の切欠き部 17 保油シート積層体の凹部 35,35A,35B 非接触形保油シート 36,36A 第1接触形保油シート 37 第2接触形保油シート 41,46 保油シートの凹部 50,51 第1耐摩耗性編物体 52 第2耐摩耗性編物体 55,55A 切り込み溝 56,56A 舌状部 59 給油連結口 G3 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 友治 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 西川 志津雄 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 Fターム(参考) 3F305 BD01 EA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドレールのガイド部に沿って昇降路
    内を昇降する昇降体に取り付けられて、前記ガイド部が
    遊挿される切欠き部を有する有底の収納ケースと、この
    収納ケース内に収納されて、前記ガイド部が挿入される
    凹部を有する保油シートを複数枚積層してなる保油シー
    ト積層体と、前記収納ケースの上面開口を覆う位置に開
    閉可能に配設されて、前記ガイド部が遊挿される切欠き
    部を有する蓋体とを備え、かつ、前記保油シートの前記
    凹部の両側辺縁にそれぞれ第1耐摩耗性編物体で覆われ
    た舌状部を形成して、これら舌状部を前記ガイド部の側
    面に摺接させると共に、前記凹部の底辺縁を第2耐摩耗
    性編物体で覆って該第2耐摩耗性編物体を前記ガイド部
    の頂面に摺接させて、前記保油シートに含浸させた潤滑
    油が前記ガイド部に供給されるようにしたエレベータの
    ガイドレール用潤滑装置において、 前記第1耐摩耗性編物体および前記第2耐摩耗性編物体
    を、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを液晶
    紡糸した繊維によりよこ編のうちの両面編構造としたこ
    とを特徴とするエレベータのガイドレール用潤滑装置。
  2. 【請求項2】前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサ
    ゾールを液晶紡糸した繊維の太さを約0.1mmとした
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータのガイド
    レール用潤滑装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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