JP2001171546A - クローラ式作業車における差動走行装置 - Google Patents

クローラ式作業車における差動走行装置

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JP2001171546A
JP2001171546A JP35704399A JP35704399A JP2001171546A JP 2001171546 A JP2001171546 A JP 2001171546A JP 35704399 A JP35704399 A JP 35704399A JP 35704399 A JP35704399 A JP 35704399A JP 2001171546 A JP2001171546 A JP 2001171546A
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Japan
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gear
turning
shaft
transmission
clutch
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JP35704399A
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English (en)
Inventor
Hisayuki Satoji
久幸 里路
Takahiko Kamimura
孝彦 上村
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HSTレバーが中立でもパワステレバーだけ操
作して機体を旋回できるようにする。 【解決手段】25は、旋回用HSTの可変容量ポンプ
で、図示しないエンジンの動力を入力プーリ30を介し
て入力し、併設の旋回用HSTモータ27を駆動する。
28は、旋回用HST出力軸で、旋回用HSTモータ2
7の出力側に接続して第1旋回ギア29を固着する。8
0は方向旋回軸で、第2中間軸35と同軸線上に配設し
て第2旋回ギア81と第3旋回ギア82を固着する。第
3旋回ギア82は、旋回用HST出力軸28の第1旋回
ギア29に常時噛合する。83は、旋回制御軸で、方向
旋回軸80の下流に配設して第2旋回ギア81に常時噛
合する第4旋回ギア84を固着し、制御軸38と同一軸
線上に一体に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラにより走
行するコンバインやハーベスタのような作業車の差動走
行装置(ミッション)に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】クローラ式の作業車の
進路を変更するには、左右いづれか一方のクローラを制
動して旋回する基本のブレーキターンの他に、左右のク
ローラを互いに逆方向に回転させて旋回するスピンター
ンと、左右のクローラの一方を減速させて旋回するマイ
ルドターンの3通りの方法がある。
【0003】本出願人は、基本のブレーキターンの他
に、スピンターンとマイルドターンの3通りの旋回モー
ドを自在に選択できる走行制御装置の改良を研究開発
し、これを特願平6−261937号として出願した。
この走行制御装置は、ブレーキターンはクラッチ・ブレ
ーキ軸と切換クラッチ軸を組合せて行い、スピンターン
とマイルドターンはクラッチ・ブレーキ軸、方向旋回軸
および切換クラッチ軸を組合せて行うのであるが、それ
ぞれの機能を分散して必要な伝動軸を設けていたため、
ミッションを小型化するのが困難で重量が増大してコス
トが上昇した。
【0004】そこで本出願人は、これらクラッチ・ブレ
ーキ軸、方向旋回軸および切換クラッチ軸の機能を集約
した制御軸を設け、左右のクローラのいずれか一方ある
いは両方を、この制御軸あるいは入力軸のいずれかに断
続自在に接続する左右一対のサイドクラッチと切換クラ
ッチを設けてミッションを小型化し、ミッションの重量
を軽減した。
【0005】ところがこの制御軸は、走行用無段変速装
置の変速後の動力をギアを切換えて入力し、正回転ある
いは逆回転させていたので、それぞれのターンにおいて
車速に対し旋回半径や旋回速度が一定となり、作業者の
意図する細かな旋回操作ができなかった。また、ギアを
切換えるときにショックがあり、操作がスムーズでな
く、乗り心地が悪かった。
【0006】この対応策として、走行用無段変速装置と
は別に旋回用無段変速装置を設け、走行用無段変速装置
の動力をこの旋回用無段変速装置に直接入力して旋回方
向内側のクローラの回転を正回転から逆回転まで無段階
に変速することにより、任意の旋回半径や旋回速度でタ
ーンを実行すると共に、ターン時の切換えをスムーズに
できる差動走行装置が考えられた。
【0007】ところがこの差動走行装置は、走行用無段
変速装置の動力を旋回用無段変速装置に入力していたた
め、走行用無段変速装置の回転を操作するHSTレバー
を中立にすると、旋回用無段変速装置に動力が伝わらな
いため、旋回を操作するパワステレバーだけで機体を旋
回させることができなかった。このため、HSTレバー
を倒しながらパワステレバーを操作する必要があり、旋
回操作が面倒であった。
【0008】そこで本発明は、エンジンの動力を旋回用
無段変速装置に直接入力することにより、HSTレバー
が中立でもパワステレバーだけ操作して機体を旋回でき
るようにすることを目的になされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下のように構成した。
【0010】すなわち、エンジンの出力を機体左右のク
ローラ駆動軸に独立して伝達するミッションを有するク
ローラ式作業車において、前記ミッションに、機体を直
進させる走行用無段変速手段と、機体を方向旋回させる
旋回用無段変速手段と、前記左右のクローラ駆動軸の一
方を前記走行用無段変速手段から切離して前記旋回用無
段変速手段に接続する切換手段と、を備え、前記走行用
無段変速手段と旋回用無段変速手段は共に前記エンジン
の動力を常時入力して駆動することを特徴とする差動走
行装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0012】図1に、本発明を実施したコンバインの全
体図を示す。図中、11はコンバイン1のクローラで、
12(12R,12L)はクローラ駆動軸、13は刈取
部、14は脱穀した穀物を貯留する穀物タンクを示す。
【0013】図2は、本発明を実施したコンバインの差
動走行装置を展開して示す縦断面図である。本発明の差
動走行装置は、図示しないエンジンの動力を入力プーリ
15を介して走行用HST(静油圧式無段変速装置)の
可変容量ポンプ16に入力し、併設の走行用HSTモー
タ17を駆動する。
【0014】まず、走行用の動力伝達経路を有する第1
伝動系について説明する。18は、走行用HST出力軸
で、走行用HSTモータ17の出力側に接続して第1伝
動ギア19を固着する。
【0015】20は、走行用HST出力軸18の下流に
配設する変速軸で、変速軸20の外周に外周筒21を回
転自在に嵌合し、外周筒21に低速ギア22、中速ギア
23および高速ギア24をスプライン結合する。低速ギ
ア22、中速ギア23および高速ギア24は一体に回転
し、図示しないフォーク部材により外周筒21上を横移
動し、高速ギア24は第1伝動ギア19に常時噛合す
る。
【0016】変速軸20の右端部には刈取クラッチ26
を配設する。
【0017】31は第1中間軸で、変速軸20の下流に
配設し、第2伝動ギア32、第3伝動ギア33および第
4伝動ギア34をそれぞれ固着する。第2伝動ギア32
は低速ギア22に、第3伝動ギア33は中速ギア23
に、第4伝動ギア34は高速ギア24にそれぞれ択一的
に噛合する。
【0018】35は第2中間軸で、第1中間軸31の下
流に配設し、中央に第5伝動ギア36を、右端に第6伝
動ギア37をそれぞれ固着する。第6伝動ギア37は、
第1中間軸31の第4伝動ギア34に常時噛合する。
【0019】38は制御軸で、第2中間軸35の下流に
配設し、中央部に左右の切換クラッチ40、41をそれ
ぞれ配設する。左右の切換クラッチ40、41の原動側
は制御軸38に固着し、受動側は切換ギア42、43に
固着する。左右の切換クラッチ40、41の原動側と受
動側の向かい合う面には、両者を結合する係合歯40
a、41aを形成する。切換ギア42、43は左右の切
換クラッチ40、41の受動側と一体に回転し、かつ軸
方向に一体的に移動する。
【0020】46はサイドクラッチ軸で、制御軸38の
下流に配設し、中央部に直進ギア47を固着し、左出力
ギア48と右出力ギア49を遊嵌する。左出力ギア48
と右出力ギア49には、直進ギア47と向かい合う面に
係合歯48a、49aを形成し、ばねにより付勢して左
出力ギア48と右出力ギア49を直進ギア47に係合さ
せて左右のサイドクラッチを構成する。
【0021】左出力ギア48には第7伝動ギア50を固
着して、左出力ギア48と切換ギア42を常時噛合す
る。そして、左出力ギア48と第7伝動ギア50は一体
的に軸方向に移動する。同様に、右出力ギア49には第
8伝動ギア51を固着して、右出力ギア49と切換ギア
43を常時噛合する。そして、右出力ギア49と第8伝
動ギア51は一体的に軸方向に移動する。
【0022】第7伝動ギア50と第8伝動ギア51には
溝部を形成して、この溝部に係合するサイドクラッチシ
フトフォーク52L、52Rを配設する。第7伝動ギア
50と第9伝動ギア53を常時噛合し、第8伝動ギア5
1と第10伝動ギア54を常時噛合する。第9伝動ギア
53は左クローラ駆動軸12Lに固定し、第10伝動ギ
ア54は右クローラ駆動軸12Rに固定する。
【0023】次に、旋回用の動力伝達経路を有する第2
伝動系について説明する。25は、旋回用HSTの可変
容量ポンプで、図示しないエンジンの動力を入力プーリ
30を介して入力し、併設の旋回用HSTモータ27を
駆動する。
【0024】28は、旋回用HST出力軸で、旋回用H
STモータ27の出力側に接続して第1旋回ギア29を
固着する。
【0025】80は方向旋回軸で、第2中間軸35と同
軸線上に配設して第2旋回ギア81と第3旋回ギア82
を固着する。第3旋回ギア82は、旋回用HST出力軸
28の第1旋回ギア29に常時噛合する。
【0026】83は、旋回制御軸で、方向旋回軸80の
下流に配設して第2旋回ギア81に常時噛合する第4旋
回ギア84を固着し、制御軸38と同一軸線上に一体に
連結する。
【0027】図3に、左右のサイドクラッチを「入り」
「切り」する油圧系統の回路図を示す。油圧系統は、油
タンク70にリリーフ弁71を設けて油圧ポンプ72を
接続し、油圧ポンプ72に方向切換用ソレノイド76
L、76Rで駆動する方向制御用切換弁76を接続す
る。方向制御用切換弁76には、サイドクラッチシフト
フォーク52L、52Rを作動する方向制御用シリンダ
77L、77Rをそれぞれ接続する。
【0028】油圧系統は以上のような構成で、エンジン
駆動中は一定油量を方向制御用切換弁76に供給し、方
向制御用切換弁76を左側あるいは右側に切換えて方向
制御用シリンダ77L、77Rを作動し、直進ギア47
から左出力ギア48あるいは右出力ギア49を離間し
て、左側の切換クラッチ40あるいは右側の切換クラッ
チ41を「入り」の状態にする。
【0029】本発明を実施したコンバインの差動走行装
置は以上のような構成で、HSTレバーを傾動して走行
用HSTの可変容量ポンプ16の斜板を正転側に傾け、
走行用HSTモータ17を回転して走行用HST出力軸
18に伝達し、第1伝動ギア19と高速ギア24を回転
する。そして、高速ギア24の回転と一体に低速ギア2
2と中速ギア23が回転し、図示しないシフタフォーク
により低速、中速或いは高速に切換えることにより、第
2伝動ギア32または第3伝動ギア33または第4伝動
ギア34を介して第1中間軸31を回転する。
【0030】第1中間軸31の回転が第4伝動ギア34
から第6伝動ギア37を介して第2中間軸35を回転
し、第5伝動ギア36と第5伝動ギア36に噛合する直
進ギア47が回転する。
【0031】コンバインを直進する場合は、ばねにより
付勢して直進ギア47に左右の出力ギア48、49を結
合し、同時に左右の切換クラッチ40、41を「切り」
の状態にする。そして、左出力ギア48から第7伝動ギ
ア50、第9伝動ギア53を介して左クローラ駆動軸1
2Lを回転すると共に、右出力ギア49から第8伝動ギ
ア51、第10伝動ギア54を介して右クローラ駆動軸
12Rを回転する。これにより左右のクローラは同一方
向、同一速度で回転して機体が直進する。このとき、可
変容量ポンプ25の斜板を中立にして旋回用HSTモー
タ27が回転しないようにする。
【0032】図4と図5に、パワステ機構の正面図と側
面図を示す。パワステ機構154は、パワステレバー1
55、カムプレート156、揺動プレート157、旋回
作用アーム右163および旋回作用アーム左164など
から構成されている。パワステレバー155はカムプレ
ート156に固着され、該カムプレート156は揺動プ
レート157の揺動中心となる揺動プレート支持軸16
2よりも上方に固着突出するカムプレート支持軸159
に回動自在に支持されている。
【0033】揺動プレート157の上端付近には若干の
間隔をおいて2本の当接ピン158L、158Rを固着
突出している。2本の当接ピン158L、158Rの間
の若干の間隔は、パワステレバー155を左右に移動し
た場合に操舵作用をしない遊びを設けるためのものであ
る。
【0034】パワステレバー155を右側に傾倒する
と、パワステレバー155が当接ピン158Lに当接
し、同時にカムプレート156のカムが接触してリミッ
トスイッチ右161Rの接点がONになり方向切換用ソ
レノイド76Rと方向切換用シリンダ77Rなどにより
サイドクラッチシフトフォーク52Rを回転させて、旋
回用HSTモータ27で設定された正方向の緩速度の右
旋回モードとなる。
【0035】さらに、パワステレバー155を右側に傾
けると、パワステレバー155は当接ピン158Rを介
して揺動プレート157を押圧し、従って揺動プレート
157は揺動プレート支持軸162を中心にして反時計
回り方向に回動し、該揺動プレート157の下端に固着
突出する回動作用ピン160が、後述するスプリング1
66の弾発力に抗して旋回作用アーム右163を押圧す
る。
【0036】旋回作用アーム右163はその上端を揺動
プレート支持軸162により回動自在に支持され、常時
はスプリング166に牽引されてストッパーピン165
に当接している。旋回作用アーム右163の下端部には
ブラケット部163bが一体的に設けられる該ブラケッ
ト部163bにはプッシュプルケーブルインナ169の
ケーブルアウタ168を貫通固着している。
【0037】旋回作用アーム左164は旋回作用アーム
右163と同様に、その上端を揺動プレート支持軸16
2により回動自在に支持され、常時はスプリング166
に牽引されてストッパーピン165に当接している。旋
回作用アーム左164の下端部にはケーブルエンド接続
ピン164bが突出固着して設けられ、該ケーブルエン
ド接続ピン164bにはプッシュプルケーブルインナ1
69の一端部のケーブルエンド169aを接続してい
る。
【0038】揺動プレート157の下端部の回動作用ピ
ン160が旋回作用アーム右163を押圧すると、旋回
作用アーム右163は図4において反時計回りに回動
し、ブラケット部163bは図示位置よりも右方向に移
動し、ケーブルアウタ168の一端部168aも右方向
に移動する。ケーブルアウタ168の他端部168bは
制御モータ99の出力軸に固定されたピニオン99aに
噛み合う部分円弧ギヤ98bの半径方向に延出するカウ
ンタアーム98cの先端部に貫通固着している。油圧ポ
ンプ制御モータ99はブレーキ付きモータである。この
モータ99は常時は外力により回転することがないか
ら、カウンタアーム98cは固定されて、ケーブルアウ
タ168の他端部168bは固定点となる。また、プッ
シュプルケーブルインナ169を内包するケーブルアウ
タ168は可撓性であり、かつ長さ方向に伸縮不能の構
造を有する。
【0039】旋回作用アーム右163が上記したように
反時計方向に回動すると、スプリング166は旋回作用
アーム左164を反時計方向に牽引するが、旋回作用ア
ーム左164はストッパーピン165に当接して移動で
きないから、ケーブルエンド接続ピン164b、ケーブ
ルエンド169aとも移動しない。しかし、旋回作用ア
ーム右163の反時計回り回動、ブラケット部163b
の右方向移動にともなうケーブルアウタ168の一端部
168aの右方向移動は、ケーブルアウタ168の他端
部168b(他端部168bの位置は制御モータ99の
設定した位置で固定されている)を移動させることはで
きないが、相対的にケーブルアウタ168内のプッシュ
プルケーブルインナ169を牽引する方向に所定値だけ
移動させることになる。旋回作用アーム右163のスプ
リング牽引ピン163aと旋回作用アーム左164のケ
ーブルエンドピン164aは牽引スプリング166で付
勢連結されている。
【0040】プッシュプルケーブルインナ169の他端
にはケーブルエンド169bが固着されていて、該ケー
ブルエンド169bは旋回用HSTの可変容量ポンプ2
5のポンプ斜板軸25aに固着した斜板軸回動レバー2
5bの先端部の接続ピン25cに接続されているから、
プッシュプルケーブルインナ169の前記移動により斜
板軸25aを時計回り方向に回動させて、この場合可変
容量ポンプ25の吐き出し流量を減少方向に制御し、旋
回用HSTモータ27の初期回転速度を所定値だけ遅く
する。
【0041】一方、パワステレバー155を図4の左側
に傾倒すると、パワステレバー155が当接ピン158
Rに当接し、同時にカムプレート156のカムが接触し
てリミットスイッチ左161Lの接点がONになり左旋
回モードとなる。さらに、パワステレバー155を左側
に傾けるとパワステレバー155は当接ピン158Rを
介して揺動プレート157を押圧し、従って揺動プレー
ト157は揺動プレート支持軸162を中心にして時計
回り方向に回動し、該揺動プレート157の下端に固着
突出する回動作用ピン160が、スプリング166の弾
発力に抗して旋回作用アーム左164を押圧する。
【0042】揺動プレート157の下端部の回動作用ピ
ン160が旋回作用アーム左164を押圧し、旋回作用
アーム左164が図4において時計回りに回動すると、
ケーブルエンド接続ピン164bは図示位置よりも左方
向に移動し、プッシュプルケーブルインナ169のケー
ブルエンド169aも左方向に移動する。このとき、ス
プリング166は旋回作用アーム右163を時計方向に
牽引するが、旋回作用アーム右163はストッパーピン
165に当接して移動できないから、ケーブルアウタ1
68の一端部168aは移動しない。このときカウンタ
アーム98cに固着されたケーブルアウタ168の他端
部168bも移動しないから、プッシュプルケーブルイ
ンナ169のケーブルエンド169aの左方向移動によ
り、プッシュプルケーブルインナ169はケーブルアウ
タ168内を牽引されることになる。
【0043】プッシュプルケーブルインナ169の他端
のケーブルエンド169bは、旋回用HSTの斜板軸2
5aに固着した斜板軸回動レバー25bの先端部の接続
ピン25cに接続されているから、プッシュプルケーブ
ルインナ169の牽引により斜板軸25aを時計回り方
向に回動して、この場合可変容量ポンプ25の吐き出し
流量を減少方向に制御し、旋回用HSTモータ27の初
期回転速度を所定値だけ減少させる。
【0044】すなわち、図4および図5に示すパワステ
機構154を用いることにより、パワステレバー155
を傾倒すれば、傾倒の方向によりリミットスイッチ16
1Lまたは161RがONとなるほかは、左右どちらに
傾倒しても傾倒の度合いにより可変容量ポンプ25の吐
き出し流量を減少方向に制御し、旋回用HSTモータ2
7の回転度速度を減少せしめるように作用する。
【0045】コンバインを左方向に旋回する場合は、パ
ワステレバー155を傾動して旋回用HSTの可変容量
ポンプ25の斜板を正転側に傾け、旋回用HSTモータ
27を回転して旋回用HST出力軸28、第1旋回ギア
29、第3旋回ギア82、第2旋回ギア81、第4旋回
ギア84を介して制御軸38を回転する。
【0046】さらに、リミットスイッチ161Lの作動
により、方向切換用ソレノイド76Lを作動して方向制
御用切換弁76を左側に切換え、方向制御用シリンダ7
7Lを作動して左サイドクラッチシフトフォーク52L
を左に移動し、直進ギア47から左出力ギア48を離間
する。そして、左側のクローラが一時的につき回りした
後、左側の切換クラッチ40が「入り」の状態になり、
右側の切換クラッチ41は「切り」の状態になる。これ
により制御軸38の回転を左側の切換クラッチ40と切
換ギア42を介して左出力ギア48に伝達する。このと
き、左出力ギア48は直進ギア47から離間しており、
左出力ギア48の回転は第7伝動ギア50、第9伝動ギ
ア53を介して左クローラ駆動軸12Lに伝達する。
【0047】パワステレバー155を傾動して旋回用H
STの可変容量ポンプ25の斜板を正転側に傾けると、
旋回用HSTモータ27が正回転して左クローラ駆動軸
12Lを右クローラ駆動軸12Rと同一方向に回転す
る。このとき、左クローラ駆動軸12Lの回転数は右ク
ローラ駆動軸12Rの回転数より少ないため、左側のク
ローラが右側のクローラより遅く進み、機体が左方向に
緩かに旋回するマイルドターンとなる。また、HSTレ
バーを中立にして走行用HSTモータ17の回転を停止
した状態で旋回用HSTモータ27を正回転すると、左
クローラ駆動軸12Lだけが正回転して機体が右方向に
前進しながら旋回する。
【0048】次に、パワステレバー155を傾動して旋
回用HSTの可変容量ポンプ25の斜板を中立側に戻し
ていくと、傾角に比例して旋回用HSTモータ27の回
転数が減少していく。この段階で、機体は左側のクロー
ラを軸にして旋回するブレーキターンに移行する。
【0049】さらにパワステレバー155を傾動して旋
回用HSTの可変容量ポンプ25の斜板を戻すと、旋回
用HSTの可変容量ポンプ25の斜板が逆転側に傾き、
旋回用HSTモータ27が逆回転し、傾角に比例して回
転数が増加する。この段階で、機体は左右のクローラを
互いに逆転して旋回するスピンターンに移行する。ま
た、HSTレバーを中立にして走行用HSTモータ17
の回転を停止した状態で旋回用HSTモータ27を逆回
転すると、左クローラ駆動軸12Lだけが逆回転して機
体が左方向に後進しながら旋回する。
【0050】なお、以上左方向への旋回を述べたが右方
向への旋回も同様である。
【0051】次に、本発明に関連して、駆動用ギアから
ブレーキ用ギアに切換えるクラッチを設けてサイドクラ
ッチを抜かずに駐車ブレーキを掛ける差動走行装置につ
いて説明する。この差動走行装置は、図4に示すよう
に、旋回用HSTモータ27を使用しないで、第2伝動
系をスピン・マイルド軸56とマイルド中間軸58とス
ピン・マイルド制御軸61を組合せて構成する。
【0052】56は逆転伝動軸としてのスピン・マイル
ド軸で、第2中間軸35と同軸線上にスプライン結合で
連結して両軸を一体に回転すると共に、スピン・マイル
ド入力ギア57をスピン・マイルド軸56にスプライン
結合する。スピン・マイルド入力ギア57は図示しない
フォーク部材により軸方向に移動する。
【0053】58は減速伝動軸としてのマイルド中間軸
で、スピン・マイルド軸56の下流に配設し、第11伝
動ギア59と第12伝動ギア60を固着する。
【0054】61は、スピン・マイルド制御軸で、スピ
ン・マイルド軸56の下流に配設して制御軸38と同一
軸線上に一体に連結する。スピン・マイルド制御軸61
には、ディスク形式のメインクラッチ62を配設する。
メインクラッチ62は、クラッチ本体側に一体のディス
クとクラッチケース側に一体のディスクを交互に配置し
た構造である。クラッチ本体をスピン・マイルド制御軸
61にスプライン結合し、クラッチケースに第13伝動
ギア63を連結する。第13伝動ギア63はスピン・マ
イルド制御軸61に遊嵌する。
【0055】制御軸38の左端には、ブレーキ39を配
設する。ブレーキ39はディスク形式で、ブレーキ本体
44とブレーキケース45からなり、ブレーキ本体44
は制御軸38に固着し、ブレーキケース45はミッショ
ンケースに固着する。ブレーキ39は、ブレーキ本体4
4側に一体のディスクと、ブレーキケース45側に一体
のディスクを交互に複数枚づつ配置した構造である。
【0056】さらに、第2中間軸35に駆動用ギア55
とブレーキ用ギア64を遊嵌し、その中間に軸方向に移
動して左右の駆動用ギア55とブレーキ用ギア64のい
ずれかに噛合する切換クラッチ65を配設する。そし
て、制御軸38に第14伝動ギア66を固着する。駆動
用ギア55は第1中間軸31の第4伝動ギア34に常時
噛合し、ブレーキ用ギア64は制御軸38の第14伝動
ギア66に常時噛合する。
【0057】この差動走行装置は以上のような構成で、
図5に示す駐車ブレーキのペダルPを踏むと、ワイヤA
が引かれてシフタフォーク67を右に移動し、切換クラ
ッチ65を駆動用ギア55から離間して上流からの動力
を断ち切り、ブレーキ用ギア64に結合する。同時に、
ワイヤBが引かれてブレーキアーム68が回動し、ブレ
ーキ39を作動してブレーキ用ギア64と一体の第2中
間軸35を制動する。これにより、第5伝動ギア36を
介して直進ギア47を制動し、左出力ギア48、第7伝
動ギア50、第9伝動ギア53を介して左クローラ駆動
軸12Lを制動すると共に、右出力ギア49、第8伝動
ギア51、第10伝動ギア54を介して右クローラ駆動
軸12Rを制動する。以上により、左右のクローラの回
転を停止して駐車ブレーキ状態にする。
【0058】従来の駐車ブレーキは、左右のサイドクラ
ッチシフトフォーク52L、52Rにより直進ギア47
から左右の出力ギア48、49を離間して左右の切換ク
ラッチ40、41を「入り」にし、ブレーキ39を作動
して制御軸38を制動し、左右の切換クラッチ40、4
1、左右の切換ギア42、43、左右の出力ギア48、
49、第7伝動ギア50、第8伝動ギア51、第9伝動
ギア53、第10伝動ギア54を介して左右のクローラ
駆動軸12L、12Rを制動していた。
【0059】左右のサイドクラッチを構成する爪クラッ
チは、トルクが大きく外しにくい。また、一般に動力伝
達系の下手は上手より重いので、従来は非常に大きな踏
力を必要とし、坂道など負荷の大きなところではブレー
キペダルを踏み切れないこともあった。
【0060】この差動走行装置は、左右のサイドクラッ
チを切らないで、それより上手に設けた切換クラッチ6
5を駆動用ギア55からブレーキ用ギア64に切換えて
駐車ブレーキを掛ける。従って、ペダル荷重が軽くな
り、爪クラッチの当たりやショックなども小さくなって
フィーリングが良くなる。また、サイドクラッチがロッ
クすることもなくなり、ブレーキワイヤも安くてシンプ
ルなものでよくなる。また、従来はスピンターンあるい
はマイルドターン中にブレーキペダルを踏むと、機体が
後進あるいは前進してしまうため牽制スイッチを必要と
したが、これが不要になる。
【0061】次に、シフトクラッチギアを設けてサイド
クラッチを抜かずに駐車ブレーキを掛ける差動走行装置
について説明する。この差動走行装置は、図6に示すよ
うに、第2伝動系を有しないブレーキターンのみ可能な
構成で、制御軸38の右端にブレーキ39を配設する。
そして、第2中間軸35にシフトクラッチギア69を配
設する。シフトクラッチギア69は、シフタフォーク7
3により軸方向に移動して第6伝動ギア37と第13伝
動ギア63のいずれかに噛合する。第6伝動ギア37は
第1中間軸31の第4伝動ギア34に常時噛合して走行
用無段変速装置の変速後の動力を伝達し、第13伝動ギ
ア63はブレーキケース45に連結してブレーキ39の
制動を伝達する。
【0062】この差動走行装置は以上のような構成で、
駐車ブレーキを掛けるときは、図7に示すように、シフ
タフォーク73によりシフトクラッチギア69を右に移
動し、シフトクラッチギア69を第6伝動ギア37から
離間して上流からの動力を断ち切り、第13伝動ギア6
3に結合する。同時に、ブレーキ39を作動してブレー
キケース45と一体の第13伝動ギア63を制動し、第
13伝動ギア63に噛合するシフトクラッチギア69を
介して第2中間軸35を制動する。これにより、第5伝
動ギア36を介して直進ギア47を制動し、左出力ギア
48、第7伝動ギア50、第9伝動ギア53を介して左
クローラ駆動軸12Lを制動すると共に、右出力ギア4
9、第8伝動ギア51、第10伝動ギア54を介して右
クローラ駆動軸12Rを制動する。
【0063】図7は、コンバインを右方向にブレーキタ
ーンするときに駐車ブレーキを掛けた場合の接続図を示
し、右サイドクラッチシフトフォーク52Rにより直進
ギア47から右出力ギア49が離間して、右側の切換ク
ラッチ41が「入り」の状態になっている。この場合、
ブレーキ39を作動することにより制御軸38を制動し
て、右切換クラッチ41、右切換ギア43、右出力ギア
49、第8伝動ギア51、第10伝動ギア54および右
クローラ駆動軸12Rを介して右側のクローラを制動す
る。
【0064】従来の駐車ブレーキは、パワステレバー1
55の旋回操作と同時に駐車ブレーキを踏むと、サイド
クラッチの爪クラッチが一軸上でねじり合い、爪クラッ
チが噛み合ったまま戻らないメカロック状態が発生して
走行不能となる。このメカロックを解除するには、機体
を牽引するか、クローラを外す必要があり、大変な作業
となる。この差動走行装置は、左右のサイドクラッチを
切らないで、それより上手に設けたシフトクラッチギア
69を第6伝動ギア37と第13伝動ギア63のいずれ
かに切換えて駐車ブレーキを掛ける。従って、サイドク
ラッチを抜かないので、メカロックが発生して走行不能
になるような不具合がなくなる。
【0065】次に、1つのクラッチで3通りのターンを
すべて行える差動走行装置について説明する。この差動
走行装置は、図8に示すように、図4のスピン・マイル
ド入力ギア57の代わりに3モードターン切換ギア85
をスピン・マイルド軸56にスプライン結合する。3モ
ードターン切換ギア85は、図9に示すモード切換レバ
ー86を傾動し、シフタフォーク87を回動して軸方向
に移動する。そして、制御軸38の左端に配設したブレ
ーキ39は撤去する。
【0066】この差動走行装置は以上のような構成で、
コンバインを右方向にマイルドターンする場合は、図8
に示すように、左側の動力伝達経路は第2中間軸35の
回転によりスピン・マイルド軸56が一体に回転する。
シフタフォーク87により3モードターン切換ギア85
と第11伝動ギヤ59を噛合し、マイルド中間軸58、
第12伝動ギヤ60、第13伝動ギヤ63およびメイン
クラッチ62を介して制御軸38を回転する。
【0067】右切換クラッチ41を「入り」にして左切
換クラッチ40を「切り」にし、右切換クラッチ41の
原動側の回転により受動側を回転する。そして、切換ギ
ア43、右出力ギヤ49を回転し、右出力ギヤ49を直
進ギヤ47から離間して右出力ギヤ49の回転を第8伝
動ギヤ51、第10伝動ギヤ54を介して右クローラ軸
12Rに伝達する。
【0068】マイルドターンの場合、左側の動力伝達経
路と右側の動力伝達経路のギヤ比の違いにより、右側の
クローラが左側のクローラよりも進行方向同一でかつ遅
く進むために、機体は右方向に旋回する。
【0069】コンバインを右方向にスピンターンする場
合は、図10に示すように、第1中間軸31の回転が第
4伝動ギヤ34、第6伝動ギヤ37を介して第2中間軸
35を回転する。そして、第2中間軸35と一体にスピ
ン・マイルド軸56が回転して、シフタフォーク87に
より3モードターン切換ギア85と第13伝動ギヤ63
を噛合することによりメインクラッチ62を介して制御
軸38を回転する。
【0070】このとき、右の切換クラッチ41を「入
り」にして左の切換クラッチ40を「切り」にし、制御
軸38の回転により右切換クラッチ41および右切換ギ
ヤ43を介して右出力ギヤ49を回転する。右出力ギヤ
49は直進ギヤ47から離間しており、右出力ギヤ49
の回転を第8伝動ギヤ51、第10伝動ギヤ54を介し
て右クローラ軸12Rに伝達する。
【0071】右方向のスピンターンの場合、右側クロー
ラの動力伝達経路は、左側クローラの動力伝達経路に比
較して、制御軸38が介在しているため、左側クローラ
の回転に対して逆回転している。一方、左側のクローラ
は、直進時と同一に回転するため機体は右方向へ旋回す
る。
【0072】コンバインを右方向にブレーキターンする
場合は、図11に示すように、右サイドクラッチシフト
フォーク52Rにより直進ギヤ47から右出力ギヤ49
が離間して、右側の切換クラッチ41が「入り」の状態
になる。このとき左側の切換クラッチ40は「切り」の
状態にある。
【0073】そして、シフタフォーク87により3モー
ドターン切換ギア85の爪部をミッションケースの側面
に設けた爪部に結合して3モードターン切換ギア85を
制動し、3モードターン切換ギア85に噛合する13伝
動ギヤ63によりメインクラッチ62を介して制御軸3
8を制動する。これにより、右切換クラッチ41、切換
ギヤ43、右出力ギヤ49、第8伝動ギヤ51、第10
伝動ギヤ54および右側のクローラ軸12Rを介して右
側のクローラを制動する。
【0074】なお、以上左方向への旋回を述べたが右方
向への旋回も同様である。
【0075】以上説明したように、この差動走行装置
は、従来はブレーキやクラッチの数が合計で4〜2個必
要であったものを、1個のクラッチで3通りのターンを
すべて行えるようにしている。従って、極めて安価な3
モードターン可能なミッションとなる。また、ミッショ
ンケースの側面にブレーキポジションを設けているの
で、従来制御軸の左端に配設していたブレーキが不要に
なる。ションケースの側面に設けた爪部に結合して3モ
ードターン切換ギア85を制動し、3モードターン切換
ギア85に噛合する13伝動ギヤ63によりメインクラ
ッチ62を介して制御軸38を制動する。これにより、
右切換クラッチ41、切換ギヤ43、右出力ギヤ49、
第8伝動ギヤ51、第10伝動ギヤ54および右側のク
ローラ軸12Rを介して右側のクローラを制動する。
【0076】なお、以上左方向への旋回を述べたが右方
向への旋回も同様である。
【0077】以上説明したように、この差動走行装置
は、従来はブレーキやクラッチの数が合計で4〜2個必
要であったものを、1個のクラッチで3通りのターンを
すべて行えるようにしている。従って、極めて安価な3
モードターン可能なミッションとなる。また、ミッショ
ンケースの側面にブレーキポジションを設けているの
で、従来制御軸の左端に配設していたブレーキが不要に
なる。
【0078】次に、差動遊星ギアを用いてスピン・マイ
ルド・ターンのスピードを可変にした差動走行装置につ
いて説明する。この差動走行装置は、図12に示すよう
に、スピン・マイルド制御軸61のメインクラッチ62
の代わりにブレーキ88と差動遊星ギア89を配設す
る。差動遊星ギア89は、ブレーキ88の効かせ具合に
よってプラネタリアギア89bの公転スピードが変化
し、サンギア89aと一体の制御軸38の回転が0〜高
速まで変化する。これにより、パワステレバー155の
倒し具合によってブレーキ88の効かせ具合を調節し、
制御軸38の回転を徐々に増速させてマイルド・ターン
のスピードを変えられるようにする。
【0079】従来のスピン・マイルド・ターンは、走行
用無段変速装置の変速後の動力をギアを切換えて入力し
ていたので、ギア比の関係から旋回内側と外側のクロー
ラの回転比率が1/3程度に固定され、それぞれのター
ンにおいて車速に対し旋回半径や旋回速度が一定であっ
た。しかも、パワステレバー155を目いっぱい倒さな
いとクラッチが滑ってターンの切換えができなかった。
特に、スピンターンはショックが大きいため、HSTレ
バーをいったん微速に戻してから増速していく必要があ
った。
【0080】図13に示すように、従来はパワステレバ
ー155を最大に傾したバルブ最大圧時にマイルドター
ンあるいはスピンターンに移行する。このとき、旋回外
側のクローラの回転速度は一定であるが、旋回内側のク
ローラの回転速度は、外側の約1/3の回転速度で正転
あるいは逆転している。このため、切換えのショックが
大きかった。この差動走行装置は、パワステレバー15
5の傾き具合に応じて徐々に旋回内側のクローラの回転
速度が上がり、パワステレバー155を最大に倒したと
きに外側の約1/3の回転速度になる。従って、切換え
がスムーズになってショックが小さくなる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の差動走行
装置は、走行用無段変速手段と旋回用無段変速手段は共
にエンジンの動力を常時入力して駆動する。従って、パ
ワステレバー155だけで機体を旋回できるようになる
ので、従来のようにHSTレバーを倒しながらパワステ
レバー155を操作するという面倒がなくなる。また、
機体を前進または後進したりせずにその場で旋回できる
ので、回転半径が小さくなって狭い場所でも旋回可能に
なる。さらに、遠心力も小さくなるので乗り心地がよく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したコンバインの全体図である。
【図2】本発明を実施したコンバインの差動走行装置の
縦断面図である。
【図3】サイドクラッチを「入り」「切り」する油圧系
統の回路図である。
【図4】パワステ機構の正面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】駐車ブレーキ用切換クラッチを設ける差動走行
装置の縦断面図である。
【図7】図4の駐車ブレーキの模式図である。
【図8】駐車ブレーキ用シフトクラッチギアを設ける差
動走行装置の縦断面図である。
【図9】図6の駐車ブレーキを掛けるときの縦断面図で
ある。
【図10】1つのクラッチでマイルドターンを行う差動
走行装置の縦断面図である。
【図11】図8のモード切換レバーの模式図である。
【図12】図8のスピンターンを行うときの縦断面図で
ある。
【図13】図8のブレーキターンを行うときの縦断面図
である。
【図14】差動遊星ギアでターンスピードを可変にした
差動走行装置の縦断面図である。
【図15】図12のクローラの回転速度とパワステレバ
ー155の傾動角の関係グラフである。
【符号の説明】
1 コンバイン 11 クローラ 12 クローラ駆動軸 13 刈取部 14 穀物タンク 15 入力プーリ 16 走行用HSTポンプ 17 走行用HSTモータ 18 走行用HST出力軸 19 第1伝動ギア 20 変速軸 21 外周筒 22 低速ギア 23 中速ギア 24 高速ギア 25 旋回用HSTポンプ 25a 斜板軸 25b 斜板軸回動レバー 25c 接続ピン 26 刈取クラッチ 27 旋回用HSTモータ 28 旋回用HST出力軸 29 第1旋回ギア 30 入力プーリ 31 第1中間軸 32 第2伝動ギア 33 第3伝動ギア 34 第4伝動ギア 35 第2中間軸 36 第5伝動ギア 37 第6伝動ギア 38 制御軸 39 ブレーキ 40、41 切換クラッチ 42、43 切換ギア 44 ブレーキ本体 45 ブレーキケース 46 サイドクラッチ軸 47 直進ギア 48 左出力ギア 49 右出力ギア 50 第7伝動ギア 51 第8伝動ギア 52 サイドクラッチシフトフォーク 53 第9伝動ギア 54 第10伝動ギア 55 駆動用ギア 56 スピン・マイルド軸 57 スピン・マイルド入力ギア 58 マイルド中間軸 59 第11伝動ギア 60 第12伝動ギア 61 スピン・マイルド制御軸 62 メインクラッチ 63 第13伝動ギア 64 ブレーキ用ギア 65 切換クラッチ 66 第14伝動ギア 67 シフタフォーク 68 ブレーキアーム 69 シフトクラッチギア 70 油タンク 71 リリーフ弁 72 油圧ポンプ 73 シフタフォーク 76 方向制御用切換弁 77 方向制御用シリンダ 80 方向旋回軸 81 第2旋回ギア 82 第3旋回ギア 83 旋回制御軸 84 第4旋回ギア 85 3モードターン切換ギア 86 モード切換レバー 87 シフタフォーク 88 ブレーキ 89 差動遊星ギア 98b 円弧ギヤ 98c カウンタアーム 99 制御モータ 99a ピニオン 154 パワステ機構 155 パワステレバー 156 カムプレート 157 揺動プレート 158 当接ピン 159 カムプレート支持軸 160 回動作用ピン 161 リミットスイッチ 162 揺動プレート支持軸 163 旋回作用アーム右 163b ブラケット部 164 旋回作用アーム左 164a ケーブルエンド接続ピン 165 ストッパーピン 166 スプリング 168 ケーブルアウタ 169 プッシュプルケーブルインナ 169a ケーブルエンド169a
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B043 AA04 AB08 AB20 BA02 BA05 BB14 DB04 DB18 3D052 AA05 AA17 AA18 BB10 BB11 CC04 DD04 EE01 FF01 FF02 GG04 HH01 HH02 JJ12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力を機体左右のクローラ駆
    動軸に独立して伝達するミッションを装備したクローラ
    式作業車において、 前記ミッションに、 機体を直進させる走行用無段変速手段と、 機体を方向旋回させる旋回用無段変速手段と、 前記左右のクローラ駆動軸の一方を前記走行用無段変速
    手段から切離して前記旋回用無段変速手段に接続する切
    換手段と、を備え、 前記走行用無段変速手段と旋回用無段変速手段は共に前
    記エンジンの動力を常時入力して駆動することを特徴と
    する差動走行装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032712A1 (fr) * 2000-10-19 2002-04-25 Yanmar Agricultural Equipment Co., Ltd. Tracteur

Cited By (2)

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WO2002032712A1 (fr) * 2000-10-19 2002-04-25 Yanmar Agricultural Equipment Co., Ltd. Tracteur
US6889782B2 (en) 2000-10-19 2005-05-10 Yanmar Agricultural Equipment Co., Ltd. Tractor

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