JP2001170557A - めっき鋼板用表面処理液およびその処理方法 - Google Patents

めっき鋼板用表面処理液およびその処理方法

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JP2001170557A
JP2001170557A JP36216199A JP36216199A JP2001170557A JP 2001170557 A JP2001170557 A JP 2001170557A JP 36216199 A JP36216199 A JP 36216199A JP 36216199 A JP36216199 A JP 36216199A JP 2001170557 A JP2001170557 A JP 2001170557A
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phosphate
silane coupling
coupling agent
treatment liquid
silica sol
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Shigeyasu Morikawa
茂保 森川
Tadashi Nakano
忠 中野
Hirobumi Taketsu
博文 武津
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、耐指紋性、塗膜密着性に優れたリ
ン酸塩皮膜を形成できる表面処理液および処理方法を提
供する。 【解決手段】 第1の表面処理液は、マンガン、マグ
ネシウム、モリブデン、亜鉛、カルシウムまたはジルコ
ニウムから選んだ1種または2種以上の金属のリン酸塩
の処理液にオキシカルボン酸化合物を添加して、耐食
性、塗膜密着性を向上させる。第2の表面処理液はこの
第1の表面処理液にシランカップリング剤とシリカゾル
とを混合し、耐指紋性をさらに向上させる。処理方法は
前記第1、第2の表面処理液をめっき鋼板表面にリン酸
塩のP量が5〜200mg/m2になるように塗布した
後、水洗せず、板温80〜250℃で乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性、耐指紋性およ
び塗装後密着性に優れたリン酸塩皮膜を形成できるめっ
き鋼板用表面処理液および処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】亜鉛、アルミニウム、銅またはこれらの各
金属の合金等のめっき鋼板の後処理や塗装前処理には、
従来よりクロメ−ト処理が広く使用されているが、形成
されるクロメ−ト皮膜が人体に有害な6価クロムイオン
を微量含有しているため、従来よりその安全性が問題に
なっている。例えば、めっき鋼板の塗装材を家電製品や
事務機器のように人体が日常頻繁に接触する用途に使用
した場合、塗装が摩耗して、クロメ−ト皮膜が露出し、
クロメ−ト皮膜に接触することが考えられる。このた
め、めっき鋼板の後処理や塗装前処理には、非クロム酸
系の表面処理を施して、めっき鋼板の安全性を高めるこ
とが試みられ、従来より種々の表面処理液が開発されて
いる。
【0003】この非クロム酸系処理液の1種として、マ
ンガン、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、カルシウム
またはジルコニウムから選んだ1種または2種以上の金
属のリン酸塩を水に溶解したリン酸塩処理液があるが、
リン酸塩の金属が前記のようなものは水への溶解度が小
さく、また、処理液の安定性も悪い。このため、めっき
鋼板の処理に濃度の高い処理液を用いて、耐食性の大き
いリン酸塩皮膜を形成することは困難であった。リン酸
塩の溶解度を高めるには、無機酸や有機酸を添加して、
処理液を強酸性にすれば可能であるが、処理液を強酸性
にすると、めっき鋼板との反応性が強すぎるため、均一
なリン酸塩皮膜が得られず、処理液の劣化も早いという
問題があった。また、形成されるリン酸塩皮膜は従来の
クロメ−ト皮膜やその上に樹脂皮膜を形成したものより
耐食性、塗膜密着性が劣るものであった。
【0004】リン酸塩皮膜の耐食性を改善する方法とし
ては、リン酸塩処理液にシリカゾルを添加して、リン酸
塩皮膜にシリカを含有させることが知られているが、シ
リカを多量に含有させると、塗膜密着性が低下してしま
う。また、リン酸塩皮膜の塗膜密着性を向上させる方法
としては、リン酸塩処理液にシランカップリング剤を添
加して処理することが知られているが、リン酸塩処理液
にシランカップリング剤を添加すると、シランカップリ
ング剤は加水分解、脱水縮合を起こすため、それらの程
度により塗膜密着性が変動したり、処理液の増粘、ゲル
化が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐食性、耐
指紋性および塗膜密着性に優れたリン酸塩皮膜を形成で
きるめっき鋼板用表面処理液およびその処理方法を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の表面処理
液は、マンガン、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、カ
ルシウムまたはジルコニウムから選んだ1種または2種
以上の金属のリン酸塩の処理液にオキシカルボン酸化合
物を添加して、リン酸塩濃度をP量として2.0〜10
0g/L、オキシカルボン酸化合物濃度をリン酸塩のP
量に対してモル比でオキシカルボン酸化合物/P=0.
20〜3.0にしたこと特徴としており、第2の表面処
理液はシランカップリング剤にシリカゾルを混合して、
シランカップリング剤の一部をシリカゾルのシリカ表面
に結合させることにより、シリカゾルに反応していない
シランカップリング剤に起因した29Si(−O−)3
シリカゾルに起因した29Si(−O−)4の核磁気共鳴
分析(NMR)ピ−ク強度比R=29Si(−O−)3
29Si(−O−)4が0.16〜1.85の範囲に調整し
たシリカゾル含有シランカップリング剤を前記第1の表
面処理液に添加して、シランカップリング剤添加量Sを
リン酸塩のP量に対してモル比でS/P=0.002〜
2.0にしたことを特徴としている。処理方法はこの第
1、第2の表面処理液をめっき鋼板表面にリン酸塩のP
量が5〜200mg/m2になるように塗布した後、水
洗せず、板温80〜250℃で乾燥することを特徴とし
ている。
【0007】
【作用】リン酸塩の水系処理液にオキシカルボン酸化合
物を添加すると、P量が100g/Lの濃度になるまで
濃度を高めても、処理液は安定している。このオキシカ
ルボン酸化合物の添加によりリン酸塩処理液が安定する
理由は明確ではないが、リン酸塩の金属をオキシカルボ
ン酸のヒドロキシル基およびカルボキシル基の酸素とで
キレ−ト化し、リン酸塩の沈降を防止しているものと推
定される。また、オキシカルボン酸化合物はリン酸イオ
ンとリン酸エステルを生成するので、その添加の副作用
として、リン酸塩皮膜の防錆効果を高める作用もある。
処理液のリン酸塩濃度はP量として2.0〜100g/
L含有されるようにする。リン酸塩のP量が2.0g/
Lより低いと、リン酸塩皮膜の耐食性が不十分で、10
0g/Lより高いと、塗膜密着性が低下する傾向があ
る。ここで、リン酸塩のP量とは、処理液に含有される
リン酸塩の重量×(リン酸塩の化学式中に含まれるリン
の量/リン酸塩の分子量)で算出される数値である。
【0008】リン酸塩としては、従来と同様に、マンガ
ン、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、カルシウムまた
はジルコニウムから選んだ1種または2種以上の金属の
リン酸塩にする。これら以外のリン酸塩では十分なる耐
食性が得られず、また、リン酸塩以外の炭酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、酢酸塩、フッ化物塩、塩化塩等を添加する
と、処理液の安定性やリン酸塩皮膜の耐食性が低下す
る。リン酸塩は正塩M1 3PO4、M2 3(PO42、二水
素塩M12PO4、M2(H2PO42、一水素塩M1 2
PO4、M2HPO4のいずれでも構わず、これらを2種
以上用いても構わない(M1、M2はそれぞれ1価、2価
の金属)。
【0009】オキシカルボン酸化合物の添加量は、リン
酸塩のP量に対してモル比でオキシカルボン酸化合物/
P=0.20〜3.0にする。この比率が0.20より小
さいと、水溶液の安定性が劣り、3.0より大きいと、
未反応のオキシカルボン酸化合物がリン酸塩皮膜中に多
く存在するため、リン酸塩皮膜の耐水性が弱まり、耐食
性や塗装後の耐水2次密着性などの低下を招く。ここ
で、オキシカルボン酸化合物とは、例えば、酒石酸、マ
ロン酸、クエン酸、乳酸、グルコ−ル酸、グリセリン
酸、トロパ酸、ベンジル酸、ヒドロキシ吉草酸等が挙げ
られる。これらは単独または複数を併用しても構わな
い。
【0010】オキシカルボン酸化合物を添加したリン酸
塩処理液には、シリカゾルを添加すると、耐指紋性が向
上するが、多量に添加すると、前述のように、塗膜密着
性が低下してしまう。また、この塗膜密着性低下を防止
するため、シランカップリング剤を添加すると、その加
水分解物であるシラノ−ルの脱水縮合により増粘、ゲル
化が生じる。このため、シリカゾル添加による塗膜密着
性低下を回復させるのにシランカップリング剤は無制限
に添加できず、シランカップリング剤はシラノ−ルの脱
水縮合が進行してしまう程まで添加しなくてよいように
シリカゾル添加量を予め制限する必要があった。
【0011】シラノ−ルを脱水縮合の生じない濃度まで
低減させる方法としては、予めシランカップリング剤と
シリカゾルを混合し、シランカップリング剤をシリカゾ
ルに反応させることでシラノ−ル濃度を低減する方法が
知られている。この方法を利用すれば、シラノ−ルが脱
水縮合を生じない濃度になるようにシランカップリング
剤とシリカゾルとの混合量を調節することができる。し
かし、その反応程度を把握し管理する手段が従来なかっ
た。本発明はこの管理手段を可能にして、両者をリン酸
塩処理液に添加した表面処理液を提供するものである。
【0012】すなわち、シリカゾルとシランカップリン
グ剤とは、リン酸塩皮膜の耐指紋性と塗膜密着性とに改
善効果が認められる濃度までリン酸塩処理液に直接添加
しても、濃度が薄いため、両者は反応しないが、両者を
直接混合すると、反応する。ここで、シランカップリン
グ剤として、オルガノトリアルコキシシランR1Si
(OR23[R1はアルキル基、エポキシ基、ビニル
基、(メタ)アクリル基、アミノ基、R2は水素または
アルキル基など]を使用すると、シラノ−ルの構造はR
1Si(OH)3となる。そして、シリカゾル表面へのシ
ラノ−ルの反応程度は核磁気共鳴分析(NMR)でシリ
カゾルに起因する29Si(−O−)4のピ−クとシリカ
ゾルに反応していないシランカップリング剤に起因する
29Si(−O−)3のピ−クを測定し、それらのピ−ク
強度比から把握できる。そのため、それらのピ−ク強度
比を測定できれば、処理液保管安定性とリン酸塩皮膜の
耐指紋性や塗膜密着性の管理が可能になる。
【0013】そこで、シリカゾルとシランカップリング
剤とは、リン酸塩処理液に添加する前予め混合して、シ
リカゾルにシランカップリング剤を反応させた後、反応
していないシランカップリング剤濃度を確認し、処理液
に添加するようにすれば、処理液の耐指紋性と保管安定
性とを調和させることができる。シリカゾルに反応して
いないシランカップリング剤濃度の確認は核磁気共鳴分
析による29Si(−O−)329Si(−O−)4のピ−
ク強度比R=29Si(−O−)329Si(−O−)4
よればよい。実験の結果、Rが0.16より小さいと、
リン酸塩皮膜の耐指紋性が不十分で、1.85より大き
くなると、処理液に添加した場合、保管安定性が低下す
ることが判明した。このため、ピ−ク強度比Rは0.1
6〜1.85にする必要があった。
【0014】シリカゾルとシランカップリング剤の混合
物の処理液への添加は、シランカップリング剤の添加量
Sがリン酸塩のP量に対してモル比でS/P=0.00
2〜2.0になるように行う。S/P=0.002より小
さいと、リン酸塩皮膜の塗膜密着性向上効果が小さく、
S/P=2.0より大きいと、シランカップリング剤同
士が脱水縮合反応を起こし易くなるため、処理液の安定
性が低下する。
【0015】シランカップリング剤の種類としては、と
くに制限はなく、例えば、アミノ系、ウレイド系、ビニ
ル系、メタクリル系、エポキシ系、メルカプト系、イソ
シアネ−ト系のアルコキシシランの1種または2種以上
を使用すればよい。具体的には、アミノ系として、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルア
ミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、ウレ
イド系としては、ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、ビニル系としては、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シランなどが挙げられる。また、メタクリル
系としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シランが、エポキシ系としては、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
さらに、メルカプト系としては、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランが、イソシアネ−ト系としては、
γ−イソシアネ−トプロピルトリエトキシシランなどが
挙げられる。
【0016】処理液は、pHを1.5〜6.0にするのが
好ましい。pHが1.5未満であると、めっき鋼板との
反応性が強すぎて、リン酸塩皮膜が均一にならず、処理
液中へのめっき金属溶解が多くなり、処理液の劣化が早
まる。一方、pHが6.0超であると、処理液の反応性
が小さくなり、耐食性が低下する傾向がある。pHの調
整はリン酸塩やオキシカルボン酸化合物の添加量により
調整できるが、必要に応じてpH調整剤を使用しても構
わない。例えば、pHを上げる場合はアンモニア水や水
酸化物塩を用い、pHを下げる場合はリン酸等の無機酸
を用いる。
【0017】リン酸塩皮膜は、リン酸塩のP量が5〜2
00mg/m2の範囲になるようにする。P量が5mg
/m2未満では十分な耐食性が得られず、200mg/
2を超えると、塗膜密着性、抵抗溶接性が低下する。
ここで、リン酸塩のP量とは、皮膜に含有されるリン酸
塩の重量×(リン酸塩の化学式中に含まれるリンの量/
リン酸塩の分子量)で算出される数値である。
【0018】めっき鋼板への処理液の塗布は、公知方
法、例えば、ロ−ルコ−ト法、エア−カ−テン法、静電
霧化法、スクイズロ−ル法などにより行えばよいが、塗
布後は水洗せずに乾燥する。乾燥は板温80〜250℃
で行う。80℃より低いと、リン酸塩皮膜を十分乾燥で
きず、皮膜を形成できない。250℃より高温で乾燥す
ると、リン酸塩皮膜の耐食性が低下する。
【0019】めっき鋼板としては、Zn系めっき鋼板、
例えば、Zn、Zn−Al系合金、Zn−Ni系合金、
Zn−Mn系合金、Zn−Mg系合金、Zn−Al−M
g系合金などのめっき鋼板、Al系めっき鋼板として
は、Al、Al−Zn系合金、Al−Si系合金などの
めっき鋼板が挙げられる。さらに、Cu系めっき鋼板、
Ni系めっき鋼板などの処理も可能である。
【0020】
【実施例】実施例1 種々のリン酸塩水溶液にオキシカルボン酸化合物を添加
して、pH2.5の処理液を調製した。そして、この処
理液を電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっき片
面付着量20g/m2)に塗布し、板温160℃で乾燥
した。表1に処理液組成、リン酸塩皮膜のP量を示す。
【0021】
【表1】 (注1)オキシカルボン酸の添加量はリン酸塩のP量に
対するモル比である。 (注2)比較例No.4は処理液調製後スラジの発生が
認められたので、塗布できなかった。
【0022】次に、表1の処理液で、処理液安定性の良
好なもので処理した電気亜鉛めっき鋼板について、次の
ような性能試験を実施した。この結果を表2に示す。 (1)平坦部耐食性試験 塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を72時間実施
して、白錆発生率が全面積の10%未満のものを記号○
で、10%以上、30%未満のものを記号△で、30%
以上のものを記号×で評価した。 (2)塗膜密着性試験 有機溶剤系のアクリル塗料を乾燥塗膜厚30μm塗装し
て、JIS K 5400の碁盤目法に準拠した塗膜密
着性試験を行い、塗膜残存率が100%のものを記号◎
で、80%以上、100%未満のものを記号○で、40
%以上、80%未満のものを記号△で、40%未満のも
のを記号×で評価した。この塗膜密着性は塗装後そのま
まのものに実施した1次密着性と、40℃の温水に24
0時間浸漬したものに実施した2次密着性を調査した。
【0023】(3)耐指紋性試験 試験片に対して人工指紋液に浸漬したゴム栓を押し付け
て、試験前後の明度差をJIS Z 8730に準じた
Lab法によるL値から測定し、ΔLが2未満のものを
記号○で、2以上、4未満のものを記号△で、4以上の
ものを記号×で評価した。 (4)抵抗溶接性試験 CF型のCu−Cr電極(先端径5mm)を用いて連続
スポット溶接を行い、連続打点数が1000打点以上の
ものを記号○、300打点以上、999打点以下のもの
を記号△で、299打点以下のものを記号×で評価し
た。 (5)処理液の経時変化試験 調製後1週間経過した処理液を塗布して、(1)の平坦
部耐食性試験と同じ試験を実施して、平坦部耐食性が低
下していないものを記号○で、低下していたものを記号
×で評価した。
【0024】
【表2】
【0025】実施例2 リン酸二水素マンガンと酒石酸との配合割合を種々変更
した処理液を調製した。また、これとは別にシリカゾル
とシランカップリング剤とを種々の割合に混合して、シ
ランカップリング剤の一部をシリカゾルのシリカ表面に
反応させた後、核磁気共鳴分析でシリカゾルに反応しな
いシランカップリング剤に起因した29Si(−O−)3
とシリカゾルに起因した29Si(−O−)4のピ−ク強
度比R=29Si(−O−)329Si(−O−)4を求
め、シリカゾルに反応していないシランカップリング剤
濃度を確認する方法で添加液を調製した。そして、この
添加液を前記処理液に加えて、溶融亜鉛めっき鋼板(板
厚0.8mm、めっき付着量片面40g/m2)にロ−ル
コ−ト法で塗布し、到達板温150℃で乾燥した。表3
にこのようにして調製した処理液組成、リン酸塩皮膜中
のP量を示す。また、表4に実施例1と同様の試験結果
を示す。
【0026】
【表3】 (注1)シランカップリング剤の種類で、A、B、Cは
次のとおりである。 A;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン B;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン C;AとBとを1:1のモル比で混合したもの (注2)シランカップリング剤の添加量は(シランカッ
プリング剤/リン酸二水素マンガンのP量)のモル比で
ある。 (注3)比較例No.13は処理液調製後スラジの発生
が認められたので、塗布できなかった。
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の表面処理
液は、マンガン、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、カ
ルシウムまたはジルコニウムから選んだ1種または2種
以上の金属のリン酸塩の処理液にオキシカルボン酸化合
物を添加して、リン酸塩濃度をP量として2.0〜10
0g/L、オキシカルボン酸化合物濃度をリン酸塩のP
量に対してモル比でオキシカルボン酸化合物/P=0.
20〜3.0にして、めっき鋼板にリン酸塩皮膜を形成
できるようにしたものであるが、リン酸塩濃度が高く、
処理液が安定しているので、耐食性、塗膜密着性に優れ
たリン酸塩皮膜を形成できる。また、第2の表面処理液
はシランカップリング剤を前記第1の表面処理液に添加
する際、シランカップリング剤にシリカゾルを混合し
て、シランカップリング剤の一部をシリカゾルのシリカ
表面に結合させることにより、シリカゾルに反応してい
ないシランカップリング剤に起因した29Si(−O−)
3とシリカゾルに起因した29Si(−O−)4の核磁気共
鳴分析(NMR)ピ−ク強度比R=29Si(−O−)3
29Si(−O−)4が0.16〜1.85の範囲に調整
したシリカゾル含有シランカップリング剤を前記第1の
表面処理液に添加して、シランカップリング剤添加量S
をリン酸塩のP量に対してモル比でS/P=0.002
〜2.0にしたものであるが、この方法で調製した処理
液は保管安定性とリン酸塩皮膜の耐指紋性、塗膜密着性
とが調和している。さらに、この第1、第2の表面処理
液をめっき鋼板表面にリン酸塩のP量が5〜200mg
/m2になるように塗布した後、水洗せず、板温80〜
250℃で乾燥すれば、耐指紋性、塗膜密着性に優れた
リン酸塩皮膜を1段処理で形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武津 博文 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所表面処理研究部内 Fターム(参考) 4D075 BB24Y BB75Y BB92Y BB93Y CA13 CA33 CA34 DA06 DB05 DB06 DB07 DC18 DC38 EA06 EA07 EB01 EB56 EC01 EC03 EC07 EC45 EC54 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 AA22 BA03 BB06 BB08 BB10 CA13 CA23 CA37 CA38 CA41 DA11 DA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン、マグネシウム、モリブデ
    ン、亜鉛、カルシウムまたはジルコニウムから選んだ1
    種または2種以上の金属のリン酸塩の処理液にオキシカ
    ルボン酸化合物を添加して、リン酸塩濃度をP量として
    2.0〜100g/L、オキシカルボン酸化合物濃度を
    リン酸塩のP量に対してモル比でオキシカルボン酸化合
    物/P=0.20〜3.0にしたことを特徴とするめっき
    鋼板用表面処理液。
  2. 【請求項2】 シランカップリング剤にシリカゾルを
    混合して、シランカップリング剤の一部をシリカゾルの
    シリカ表面に結合させることにより、シリカゾルに反応
    していないシランカップリング剤に起因した29Si(−
    O−)3とシリカゾルに起因した29Si(−O−)4の核
    磁気共鳴分析(NMR)ピ−ク強度比R=29Si(−O
    −)329Si(−O−)4が0.16〜1.85の範囲に
    調整したシリカゾル含有シランカップリング剤を請求項
    1の表面処理液に添加して、シランカップリング剤添加
    量Sをリン酸塩のP量に対してモル比でS/P=0.0
    02〜2.0にしたことを特徴とするめっき鋼板用表面
    処理液。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の表面処理液
    をめっき鋼板表面にリン酸塩のP量が5〜200mg/
    2になるように塗布した後、水洗せず、板温80〜2
    50℃で乾燥することを特徴とするめっき鋼板の表面処
    理方法。
JP36216199A 1999-12-21 1999-12-21 めっき鋼板用表面処理液およびその処理方法 Pending JP2001170557A (ja)

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