JP2001098215A - 保管安定性に優れためっき鋼板用表面処理液および処理方法 - Google Patents

保管安定性に優れためっき鋼板用表面処理液および処理方法

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JP2001098215A
JP2001098215A JP27823399A JP27823399A JP2001098215A JP 2001098215 A JP2001098215 A JP 2001098215A JP 27823399 A JP27823399 A JP 27823399A JP 27823399 A JP27823399 A JP 27823399A JP 2001098215 A JP2001098215 A JP 2001098215A
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silane coupling
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plated steel
resin
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JP27823399A
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Masaya Yamamoto
雅也 山本
Tadashi Nakano
忠 中野
Shigeyasu Morikawa
茂保 森川
Shinya Furukawa
伸也 古川
Hirobumi Taketsu
博文 武津
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤とシリカゾルとを添
加した水性有機樹脂の分散水溶液において、保管安定性
に優れ、樹脂皮膜を抵抗溶接可能な薄膜にしても、耐食
性、塗膜密着性が低下しないめっき鋼板用表面処理液お
よびその処理方法を提供する。 【解決手段】 シランカップリング剤とシリカゾルの
水溶液への添加は添加前に両者を混合して、シランカッ
プリング剤の一部をシリカゾルのシリカ表面に結合さ
せ、シリカゾルに反応してないシランカップリング剤に
起因した29Si(−O−)3とシリカゾルに起因した29
Si(−O−)4の核磁気共鳴分析(NMR)ピ−ク強
度比R=29Si(−O−)329Si(−O−)4を0.
48〜2.15の範囲に調整した後に行い、シランカッ
プリング剤添加量は水性有機樹脂に対して1〜90重量
%の比率にする。めっき鋼板の処理はこれらの表面処理
液をめっき鋼板表面に乾燥塗膜厚が0.1〜5μmにな
るように塗布した後、水洗せず、板温80〜250℃で
乾燥することにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機系の非クロム酸系
処理液において、保管安定性に優れ、樹脂皮膜を抵抗溶
接可能な薄膜にしても、耐食性、塗膜密着性が低下しな
いめっき鋼板用表面処理液およびその処理方法を提供す
るものである。
【0002】
【従来技術】亜鉛、アルミニウム、銅またはこれらの各
金属の合金等のめっき鋼板の後処理や塗装前処理には、
従来よりクロメ−ト処理が広く使用されているが、形成
されるクロメ−ト皮膜が人体に有害な6価クロムイオン
を微量含有しているため、従来よりその安全性が問題に
なっている。例えば、めっき鋼板の塗装材を家電製品や
事務機器のように人体が日常頻繁に接触する用途に使用
した場合、塗装が摩耗して、クロメ−ト皮膜が露出し、
クロメ−ト皮膜に接触することが考えられる。このた
め、めっき鋼板の後処理や塗装前処理には、非クロム酸
系の表面処理を施して、めっき鋼板の安全性を高めるこ
とが試みられ、従来より種々の表面処理液が開発されて
いる。
【0003】本発明者らは、この非クロム酸系処理液の
1種として、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂などの水性有機樹脂分散水溶液で
ある水性クリヤ−塗料を利用して薄膜を形成することを
考えた。特に、塗料の水性有機樹脂として、ポリマ−骨
格中にスルホン酸基、カルボキシル基、イソシアネ−ト
基、水酸基などの親水成分を直接導入した自己乳化型の
水性ウレタン樹脂を用いたものは乳化剤を使用せずにウ
レタン樹脂粒子を水溶液中に分散できるので、製造が安
価で、しかも、樹脂皮膜はウレタン樹脂がアクリル、エ
ポキシ、ポリエステルなどの樹脂に比較して延性、強
度、密着性に優れていることから、薄膜にできる。しか
し、従来の水性クリヤ−塗料は通常の10μm以上の塗
膜厚を目的とするものであるため、抵抗溶接を可能にす
るため、樹脂皮膜を乾燥皮膜厚で0.1〜5μmとなる
ような薄膜にすると、耐食性、塗膜密着性が低下してし
まうという欠点があった。
【0004】樹脂皮膜の耐食性や塗膜密着性を改善した
り、耐アルカリ性や耐溶剤性を改善したりする方法の一
つとして、処理液にシランカップリング剤を添加する方
法が知られている。これはシランカップリング剤が水溶
液中で加水分解してシラノ−ルとなり、そのシラノ−ル
がめっき鋼板表面の水酸基と脱水縮合して樹脂皮膜の耐
食性、塗膜密着性を高めるもので、シランカップリング
剤の添加効果を良好にするには、めっき鋼板表面の水酸
基と脱水縮合できるようにシラノ−ルが多量に存在する
ようにする必要がある。しかし、シラノ−ルは化学的に
不安定なため、濃度が高くなると、シラノ−ル同士が脱
水縮合を起こし易く、処理液を調製後保管しておくと、
シランカップリング剤の脱水縮合が次第に進行して、処
理液に増粘、ゲル化が生じ、塗布が困難になる場合があ
る。このため、シラノ−ル濃度を管理する必要があった
が、従来適確なシラノ−ル濃度把握手段がないため、濃
度を管理することは困難であった。
【0005】また、シラノ−ル濃度を低減する方法とし
ては、シランカップリング剤とシリカゾルとを直接混合
して、オルガノシラノ−ルをシリカゾルに反応させるも
のが知られている。しかし、シランカップリング剤とシ
リカゾルとの混合比率を一定にしても、それらの反応程
度は必ずしも一定ではないので、処理液の保管安定性を
満足できるものであるか否かの確認は処理液に添加して
性能試験を行うしかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シランカッ
プリング剤とシリカゾルとを添加した水性有機樹脂の分
散水溶液において、シランカップリング剤の加水分解に
よるシラノ−ルのシリカゾルと反応していないものを管
理することにより保管安定性に優れ、樹脂皮膜を抵抗溶
接可能な薄膜にしても、耐食性、塗膜密着性が低下しな
いめっき鋼板用表面処理液およびその処理方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の表面処理液は、
シランカップリング剤とシリカゾルとを添加した水性有
機樹脂の分散水溶液において、シランカップリング剤と
シリカゾルの水溶液への添加は添加前に両者を混合し
て、シランカップリング剤の一部をシリカゾルのシリカ
表面に結合させ、シリカゾルに反応してないシランカッ
プリング剤に起因した29Si(−O−)3とシリカゾル
に起因した29Si(−O−)4の核磁気共鳴分析(NM
R)ピ−ク強度比R=29Si(−O−)329Si(−
O−)4を0.01〜1.85の範囲に調整した後に行
い、シランカップリング剤添加量は水性有機樹脂に対し
て1〜90重量%の比率にすることを特徴としている。
ここで、水性有機樹脂をポリマ−骨格中に親水成分を直
接導入した自己乳化型水性ウレタン樹脂にして、この樹
脂をノニオンイオン性のものだけにするか、樹脂がアニ
オン、カチオン、ノニオンの3種のイオン性親水成分を
有するものの混合物の場合は、ノニオンイオン性のもの
/(アニオンイオン性のもの+カチオンイオン性のもの
+ノニオンイオン性のもの)の比率を0.9以上にする
のが好ましい。めっき鋼板の処理はこれらの表面処理液
をめっき鋼板表面に乾燥塗膜厚が0.1〜5μmになる
ように塗布した後、水洗せず、板温80〜250℃で乾
燥することにより行う。
【0008】
【作用】水性有機樹脂の分散水溶液にシランカップリン
グ剤とシリカゾルとをそれぞれ塗膜密着性や加工後耐食
性の改善のために直接添加しても、濃度が薄いため、両
者は反応しないが、両者を直接混合すると反応する。こ
こで、シランカップリング剤として、オルガノトリアル
コキシシランR1Si(OR23[R1はアルキル基、エ
ポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリル基、アミノ基、
2は水素またはアルキル基など]を使用すると、シラ
ノ−ルの構造はR1Si(OH)3となる。そして、シリ
カゾルに反応していないシラノ−ル濃度は核磁気共鳴分
析(NMR)でシリカゾルに起因する29Si(−O−)
4のピ−クとシリカゾルに反応していないシランカップ
リング剤に起因するSi(−O−)3のピ−クを測定
し、それらのピ−ク強度比から把握できる。そのため、
それらのピ−ク強度比を測定できれば、処理液の保管安
定性と樹脂皮膜の加工後耐食性の管理が可能になる。
【0009】そこで、シランカップリング剤とシリカゾ
ルとは、水性有機樹脂の分散水溶液に添加する前予め混
合して、両者の添加量を調整した後、分散水溶液に添加
するようにする。この混合は40〜90℃の雰囲気中で
行うと、両者の反応が促進される。また、pHを3〜5
にすると、シラノ−ル同士の脱水縮合反応が起こりにく
く、シランカップリング剤とシリカゾルとの反応が優先
する。シランカップリング剤とシリカゾルの添加量決定
は核磁気共鳴分析による29Si(−O−)32 9Si
(−O−)4のピ−ク強度比R=29Si(−O−)329
Si(−O−)4によればよい。実験の結果、Rが0.0
1より小さくなると、樹脂皮膜の密着性が劣り、1.8
5より大きいと、処理液に添加した場合、保管安定性が
不充分になることが判明した。なお、pHが3〜5の場
合、シランカップリング剤として、エポキシ系のオルガ
ノトリアルコキシシランを使用すると、理由は不明であ
るが、処理液の保管安定性が著しく良好になる。
【0010】シランカップリング剤の添加量は、水性有
機樹脂の1重量%未満であると、樹脂皮膜の耐アルカリ
性、耐溶剤性が劣り、90重量%より高いと、処理液安
定性が低下することから、水性有機樹脂の1〜90重量
%にする。なお、処理液はシランカップリング剤の加水
分解促進と脱水縮合抑制のため、pHを2.5〜4.5に
調節する。シランカップリング剤の添加により樹脂皮膜
の密着性を改善するには、シランカップリング剤を処理
液中で加水分解させる必要があるが、あまり加水分解さ
せると、ゲル化して、処理液の安定性が損なわれ、樹脂
皮膜の耐食性も低下することがある。加水分解速度、脱
水縮合速度ともpHの影響を受け、加水分解速度はpH
7前後で最も遅くなり、それよりpHが大きくなって
も、小さくなっても次第に速くなる。脱水縮合速度はp
H4.5前後で最も遅くなり、それよりpHが大きくな
っても、小さくなっても次第に速くなる。したがって、
pHが4.5より低ければ、加水分解速度とともに脱水
縮合速度も促進されるが、pHが2.5より低くなる
と、処理液のゲル化、安定性損失が大きくなる。一方、
pHを4.5より高くすると、脱水縮合速度が速く、加
水分解速度が遅くなるため、添加効果が小さくなる。p
Hの調節を無機酸により行う場合はリン酸、硝酸を用い
るのが好ましく、有機酸により行う場合には蟻酸、酢
酸、マロン酸を用いるのが好ましい。とくに、リン酸を
用いると、理由は不明であるが、耐食性が向上する。
【0011】水溶液の水性有機樹脂を自己乳化型のウレ
タン樹脂にする場合、ウレタン樹脂には導入した親水成
分によりイオン性がアニオン、カチオン、ノニオンのも
のがあるが、シランカップリング剤やシリカゾルを添加
していない従来の水性クリヤ−塗料の場合、どのイオン
性のものを使用しても問題は生じない。しかし、本発明
のように、処理液にシランカップリング剤とシリカゾル
とを添加すると、イオン性がアニオンやカチオンのもの
にはウレタン樹脂粒子の凝集が起こり、平均粒径の増
大、ゲル化を招くことが判明した。これに対して、イオ
ン性がノニオンのものにはこのような現象が生じないこ
とが判明した。そこで、水性ウレタン樹脂はイオン性が
ノニオンのものだけを使用するか、イオン性がアニオン
のものやカチオンのものが混合している場合には、ノニ
オンイオン性のもの/(アニオンイオン性のもの+カチ
オンイオン性のもの+ノニオンイオン性のもの)の比率
を0.9以上にして、処理液がゲル化しないようにす
る。ウレタン樹脂のイオン性をノニオンにするにはポリ
マ−骨格中にポリエチレングリコ−ル、イソシアネ−ト
などを導入すればよく、アニオンにするには水酸基を、
カチオンにするにはスルホン酸(塩)基、カルボキシル
(塩)基などを導入すればよい。
【0012】本発明でのウレタン樹脂は、以下の有機ポ
リイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応さ
せて得られるものでかまわない。まず、有機ポリイソシ
アネ−ト化合物としては、フェニレンジイソシアネ−
ト、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−ト、トルイレ
ンジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシアネ−トやヘキ
サメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト
等の脂肪族ジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシ
アネ−ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、
イソホロンジイソシアネ−ト、ノルボルナンジイソシア
ネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネ−ト等の脂環族ジイソシアネ−ト
が挙げられる。また、ポリオ−ル化合物としては、ポリ
エステルポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリカ
−ボネ−トポリオ−ル、ポリアセタ−ルポリオ−ル、ポ
リアクリレ−トポリオ−ル、ポリエステルアミドポリオ
−ル、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオ−ル
等が挙げられる。
【0013】シランカップリング剤の種類としては、と
くに制限はなく、例えば、アミノ系、ウレイド系、ビニ
ル系、メタクリル系、エポキシ系、メルカプト系、イソ
シアネ−ト系のアルコキシドシランの1種または2種以
上を使用すればよい。具体的には、アミノ系として、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニル
アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、ウ
レイド系としては、ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、ビニル系としては、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シランなどが挙げられる。また、メタクリル
系としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シランが、エポキシ系としては、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
さらに、メルカプト系としては、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランが、イソシアネ−ト系としては、
γ−イソシアネ−トプロピルトリエトキシシランなどが
挙げられる。
【0014】処理液には、耐食性をさらに高めるため、
リン酸マンガンなどを添加することも可能である。ま
た、樹脂皮膜の潤滑性、加工性を高めるために必要に応
じて固体潤滑剤、例えば、フッ素樹脂、高圧ポリエチレ
ンのようなオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレ−
トのようなポリエステル樹脂の粉末を添加することも可
能である。この場合、添加量は処理液を安定させるため
ウレタン樹脂の20重量%以下にするのが好ましい。
【0015】めっき鋼板への処理液の塗布は、公知方
法、例えば、ロ−ルコ−ト法、エア−カ−テン法、静電
霧化法、スクイズロ−ルコ−ト法などにより行えばよい
が、塗布後は水洗せずに乾燥する。乾燥は板温80〜2
50℃で行う。80℃より低いと、樹脂皮膜が十分乾燥
していないため、めっき鋼板を重ねたり、コイルに巻取
った場合、ブロッキングを起こし易く、250℃より高
いと、ウレタン樹脂が部分的に分解して、下地めっき鋼
板との密着性、皮膜の耐食性などが低下する。
【0016】樹脂皮膜の厚みは、0.1〜5.0μmにす
るのが好ましい。0.1μm未満では耐食性や塗装後の
塗膜密着性が不十分となり、5μmより厚くすると、家
電製品の部材に加工後スポット溶接する場合の抵抗溶接
性が低下する。
【0017】めっき鋼板としては、Zn系めっき鋼板、
例えば、Zn、Zn−Al系合金、Zn−Ni系合金、
Zn−Mn系合金、Zn−Mg系合金、Zn−Al−M
g系合金などのめっき鋼板、Al系めっき鋼板として
は、Al、Al−Zn系合金、Al−Si系合金などの
めっき鋼板が挙げられる。さらに、Cu系めっき鋼板、
Ni系めっき鋼板などの処理も可能である。
【0018】
【実施例】実施例1 シランカップリング剤とシリカゾルとを種々の割合に混
合して、シランカップリング剤の一部をシリカゾルのシ
リカ表面に反応させた後、核磁気共鳴分析でシリカゾル
に反応していないシランカップリング剤に起因した29
i(−O−)3とシリカゾルに起因した29Si(−O
−)4のピ−ク強度比R=29Si(−O−)329Si
(−O−)4を求め、シランカップリング剤とシリカゾ
ルとの割合を調整する方法で添加液を調製した。一方、
これとは別に、イオン性がノニオンの自己乳化型水性ウ
レタン樹脂の分散水溶液を調製した。そして、この水溶
液にシランカップリング剤とシリカゾルの割合が種々異
なる前記添加液を加えて、めっき鋼板用表面処理液とし
て、これを電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.6mm、めっ
き付着量20g/m2)にロ−ルコ−ト法で塗布し、板
温120℃で乾燥した。表1に表面処理液組成、樹脂皮
膜厚みを示す。
【0019】
【表1】 (注)シランカップリング剤の種類 A:アミノ系(γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン) B:エポキシ系(γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン) C:AとBとを1:1のモル比で混合したもの
【0020】次に、クロメ−ト処理鋼板に以下のような
性能試験を実施した。この結果を表2に示す。 (1)処理液の安定性試験 処理液を容器中に密封して、40℃の雰囲気中に放置
し、処理液に増粘やゲル化が認められるまでの時間を測
定した。そして、3カ月経過しても増粘やゲル化の認め
られないものを記号◎で、1カ月経過するまで増粘やゲ
ル化が認められないものを記号○で、1カ月経過前に増
粘やゲル化が認められたものを記号×で評価した。 (2)未加工部耐食性試験 塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を120時間実
施して、白錆発生率が全面積の3%未満のものを記号◎
で、3%以上、10%未満のものを記号○で、10%以
上、30%未満のものを記号△で、30%以上のものを
記号×で評価した。
【0021】(3)加工部耐食性試験 ドロ−ビ−ド(摺動変形)試験を加圧力200kgf、
引き抜き速度500mm/minの条件で実施した後、
上記塩水噴霧試験を72時間実施して、白錆発生率が全
面積の5%未満のものを記号◎で、5%以上、10%未
満のものを記号○で、10%以上、30%未満のものを
記号△で、30%以上のものを記号×で評価した。 (4)塗膜密着性試験 有機溶剤系のアクリル塗料を乾燥塗膜厚30μm塗装し
て、40℃の温水に240時間浸漬した後、JIS K
5400の碁盤目法に準拠した塗膜密着性試験を行
い、塗膜残存率が100%のものを記号◎で、80%以
上、100%未満のものを記号○で、40%以上、80
%未満のものを記号△で、40%未満のものを記号×で
評価した。
【0022】(5)抵抗溶接性試験 CF型のCu−Cr電極(先端径5mm)を用いて連続
スポット溶接を行い、連続打点数が2000打点以上の
ものを記号◎、500打点以上、1999打点以下のも
のを記号○で、200打点以上、499打点以下のもの
を記号△で、199打点以下のものを記号×で評価し
た。 (6)耐アルカリ性試験 試験片を40℃のNaOH水溶液(pH12)に2分間
浸漬した後、水洗、乾燥した。そして、試験前後の試験
片皮膜を赤外分光光度計により測定して、吸収ピ−クに
変化のないものを記号○で、吸収ピ−クに変化のあるも
のを記号×で評価した。 (7)耐溶剤性試験 エタノ−ルを含浸させたガ−ゼで試験片表面を5往復擦
った後、試験前後の試験片皮膜を赤外分光光度計により
測定して、吸収ピ−クに変化のないものを記号○で、吸
収ピ−クに変化のあるものを記号×で評価した。
【0023】
【表2】
【0024】実施例2 実施例1において、添加液として、シランカップリング
剤をエポキシ系のもの(γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン)だけにして、その添加量とシリカゾル
添加量とを変動させたものを用いた。また、水性ウレタ
ン樹脂の分散水溶液として、水性ウレタン樹脂がイオン
性がアニオン、カチオン、ノニオンのものの混合物で、
ノニオンイオン性のもの/(アニオンイオン性のもの+
カチオンイオン性のもの+ノニオンイオン性のもの)の
比率を0.9に調整したものにして、リン酸マンガン・
四水和物[Mn(H2PO4)2・4H2O]の添加後pHを
リン酸で4.0に調整したものを用いた。さらに、処理
液を塗布した電気亜鉛めっき鋼板の乾燥温度を160℃
に変更した。この処理液組成を表3に示す。また、実施
例1と同様の性能試験を実施した結果を表4に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】実施例3 実施例2において、処理液として、実施例No.21、
22、23、25、27に合成樹脂粉末を添加したもの
を用いた。また、処理液を塗布した電気亜鉛めっき鋼板
の乾燥温度を140℃に変更した。表5に表面処理液組
成を、表6に実施例1と同様の性能試験を実施した結果
を示す。
【0028】
【表5】 (注)合成樹脂粉末の種類 A: フッ素樹脂 B: ポリエチレン樹脂 C: 重量でポリエチレン樹脂/フッ素樹脂=9/1の
混合物
【0029】
【表6】
【0030】
【発明の効果】以上のように、シランカップリング剤と
シリカゾルとを添加した水性有機樹脂の分散水溶液にお
いて、シランカップリング剤とシリカゾルの水溶液への
添加は添加前に両者を混合して、シランカップリング剤
の一部をシリカゾルのシリカ表面に結合させ、シリカゾ
ルに反応してないシランカップリング剤に起因した29
i(−O−)3とシリカゾルに起因した29Si(−O
−)4の磁気共鳴分析(NMR)ピ−ク強度比R=29
i(−O−)329Si(−O−)4を0.01〜1.85
の範囲に調整した後に行い、シランカップリング剤添加
量は水性有機樹脂に対して1〜90重量%の比率にする
と、水溶液の保管安定性を良好にでき、また、樹脂皮膜
を抵抗溶接可能な薄膜にしても、樹脂皮膜は耐食性、塗
膜密着性に優れている。また、水性有機樹脂をポリマ−
骨格中に親水成分を直接導入した自己乳化型水性ウレタ
ン樹脂にして、この樹脂をノニオンイオン性のものだけ
にするか、樹脂がアニオン、カチオン、ノニオンの3種
のイオン性親水成分を有するものの混合物の場合は、ノ
ニオンイオン性のもの/(アニオンイオン性のもの+カ
チオンイオン性のもの+ノニオンイオン性のもの)の比
率を0.9以上にすると、樹脂のゲル化を抑制できる。
さらに、表面処理液をめっき鋼板表面に乾燥塗膜厚が
0.1〜5μmになるように塗布した後、水洗せず、板
温80〜250℃で乾燥すると、抵抗溶接可能な樹脂皮
膜を形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 茂保 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所表面処理研究部内 (72)発明者 古川 伸也 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所表面処理研究部内 (72)発明者 武津 博文 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所表面処理研究部内 Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB92Z CA13 CA33 CA44 DA03 DA06 DB01 DB05 DB06 DB07 DC18 EA06 EA10 EB38 EC03 EC45 EC54 4J038 CL002 DG031 DG111 DG131 DG171 DG191 DL052 DL082 DL092 DL112 GA02 GA03 GA06 GA13 HA446 KA08 KA16 LA03 LA04 MA08 MA10 NA03 NA12 NA26 PA19 PB02 PB06 PB09 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シランカップリング剤とシリカゾルと
    を添加した水性有機樹脂の分散水溶液において、シラン
    カップリング剤とシリカゾルの水溶液への添加は添加前
    に両者を混合して、シランカップリング剤の一部をシリ
    カゾルのシリカ表面に結合させ、シリカゾルに反応して
    ないシランカップリング剤に起因した29Si(−O−)
    3とシリカゾルに起因した29Si(−O−)4の核磁気共
    鳴分析(NMR)ピ−ク強度比R=29Si(−O−)3
    29Si(−O−)4を0.01〜1.85の範囲に調整
    した後に行い、シランカップリング剤添加量は水性有機
    樹脂に対して1〜90重量%の比率にすることを特徴と
    する保管安定性に優れためっき鋼板用表面処理液。
  2. 【請求項2】 水性有機樹脂をポリマ−骨格中に親水
    成分を直接導入した自己乳化型水性ウレタン樹脂にし
    て、この樹脂をノニオンイオン性のものだけにするか、
    樹脂がアニオン、カチオン、ノニオンの3種のイオン性
    親水成分を有するものの混合物の場合は、ノニオンイオ
    ン性のもの/(アニオンイオン性のもの+カチオンイオ
    ン性のもの+ノニオンイオン性のもの)の比率を0.9
    以上にすることを特徴とする請求項1に記載の保管安定
    性に優れためっき鋼板用表面処理液。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の表面処理液
    をめっき鋼板表面に乾燥塗膜厚が0.1〜5μmになる
    ように塗布した後、水洗せず、板温80〜250℃で乾
    燥することを特徴とする処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001170557A (ja) * 1999-12-21 2001-06-26 Nisshin Steel Co Ltd めっき鋼板用表面処理液およびその処理方法
JP6055133B1 (ja) * 2016-03-11 2016-12-27 日本ペイント防食コーティングス株式会社 有機無機複合ジンクリッチ塗料組成物
KR101858869B1 (ko) 2016-12-23 2018-05-16 주식회사 포스코 다공성 무기물을 이용한 표면처리 강판 및 이의 제조방법
CN115011226A (zh) * 2022-01-17 2022-09-06 德锡化学(山东)有限公司 一种水溶性低流挂高耐蚀的镀锌及锌合金封闭剂

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