JP4007626B2 - 接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物および前処理方法に関するものである。本発明の水性金属表面前処理剤組成物および前処理方法は、金属を接着剤により接着するときの接着耐久性を著しく増進させることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より金属と金属または金属と非金属との接合には、一般に溶接やねじを用いる手段が用いられている。しかしこれらの手段を用いると、接合された金属材料に変形力をかけたとき、金属材料の応力分布が接合部付近に集中しやすく、また接合部に機械的な疲労を与えると強度が低下するという問題がある。このような問題を解消するために、最近は接着接合法が適用されている。しかしながら、接着剤による接合は、金属の表面状態によって、初期の接着強度がばらつき、かつその接着耐久性も低下するので、これらを一定化するために、金属表面に前処理を施すことが行われている。
【0003】
一般に接着剤を用いる接着は、接合する金属表面と接着剤との界面における分子間引力および水素結合によって、接着強度が発生するものと考えられている。したがって、接着すべき金属表面に存在する不純物や異物を除去し、これを清浄化する必要がある。このような金属表面の清浄化法としては、酸、アルカリ、または有機溶剤を用いる方法、および物理的、又は化学的研磨法などが知られている。
【0004】
しかしながら、実際の金属接着においては、接着温度や湿度、並びに接合部分にかかる荷重などの環境要因が複雑に関与するので、接合すべき金属表面の清浄化のみにより十分な接着耐久性を得ることは困難である。そのため、以前から接着剤を金属に塗布する前に、この金属表面にクロメート処理、りん酸塩処理、又はプライマー処理などの前処理を施すことが行われている。
【0005】
例えば特公平7−120569号公報には、銅箔の表面には、Ni,Cr,Feなどの合金からなる抵抗層を形成し、その上にクロムを含有するクロメート層を形成し、さらにその上にシランカップリング剤層を設けることにより、絶縁支持体と抵抗層との接着強度を向上させる方法が開示されている。しかし、この方法では、クロメート層の形成が必須要件であるが、このクロメート処理から発生するクロム含有廃液は、環境問題を生じないように処理しなければならないという問題を生ずる。
【0006】
また、特公平2−28449号公報には、一次プライマーとしてポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物及びシランカップリング剤を含有する溶液を金属表面に塗布し、その上に二次プライマーとしてイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを塗布し、更にその上にウレタンエラストマーを塗布することにより金属表面の接着性を向上させる前処理方法が開示されている。しかしながらこの前処理方法は、多数の塗布工程を含み、生産効率が低くなるので、工業的方法としては好ましくない。
【0007】
従って、安全且つ簡易な操作により接着耐久性を著しく増進することができる金属表面前処理剤および前処理方法の開発が強く望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術において、接着耐久性が低いという問題点を解決できる、接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物および前処理方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの諸問題を解決すべく鋭意検討を重ねてきた結果、反応性官能基を有するシランカップリング剤と、この官能基と反応する他の官能基を有するシランカップリング剤とを併用することにより、金属表面の接着耐久性を著しく増進させ得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物は、(A)1個以上のエポキシ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤、(B)1個以上の活性水含有アミノ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤並びに、(C)りん酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化水素酸、酸性りん酸亜鉛から選ばれた1種以上の無機酸を含み、前記シランカップリング剤(A)に含まれるエポキシ基と、前記シランカップリング剤(B)に含まれる活性水素含有アミノ基との当量比が0.25:1〜4:1の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の接着耐久性増進用金属表面前処理方法は、前記本発明の接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物を含む水性処理液を、金属材料表面に付着させ、これを乾燥して接着用アンダーコート層を形成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の金属表面前処理方法において、前記接着用アンダーコート層の付着量を0.002〜3.0g/m2にコントロールすることが好ましい。
【0013】
本発明の金属表面前処理方法において、前記水性処理液のpH値を4.0〜10.0にコントロールすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物の構成を下記において詳細に説明する。
本発明の接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物は、互に異なる官能基を有する2種のシランカップリング剤(A)および(B)並びに無機酸(C)を含むものである。シランカップリング剤(A)は、1個以上のエポキシ基を有する1種以上のシランカップリング化合物(a)からなるものであり、シランカップリング剤(B)は、1個以上の活性水素含有アミノ基を有する1種以上のシランカップリング化合物(b)からなるものである。
【0015】
シランカップリング化合物(a)および(b)の種類には、それらが、所定の官能基を有し、互に反応し得る限り、格別の限定はないが、例えば下記化合物から選択することができる。
(a)エポキシ基を有するシランカップリング化合物
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトエリメトキシシラン
(b)活性水素を有するアミノ基含有シランカップリング化合物
N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
【0016】
本発明の水性前処理剤組成物は、上記シランカップリング剤(A)および(B)をアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノールなど、または水に溶解または分散させさらに無機酸(C)を添加することにより調製することができる。シランカップリング剤(A)および(B)の配合割合は、シランカップリング剤(A)中に含まれるエポキシ基の、シランカップリング剤(B)中に含まれる活性水素含有アミノ基に対する当量比が、0.25:1〜4:1であるように、好ましくは0.75:1〜1.25:1であるように設定される。これらのシランカップリング剤(A)および(B)中のエポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比が0.25:1未満では、得られる前処理剤組成物の成膜性が不良になり、本発明の目的である接着耐久性が充分に増進されない。また前記当量比が4:1を越えると上記と同様に成膜性が不良になる。
【0017】
本発明の水性金属表面前処理剤組成物において、シランカップリング剤(A)および(B)の合計濃度は、0.2〜60重量%であることが好ましい。このようなシランカップリング剤(A),(B)合計濃度を有する前処理剤組成物は、これを水により適宜に希釈し、又は希釈せずに、本発明の前処理方法に、水性処理液として用いることができる。
【0018】
本発明の接着耐久性増進用金属表面前処理方法において、前記水性金属表面前処理剤組成物から水性処理液を調製し、この水性処理液を金属材料の表面に付着させ、これを乾燥して、接着用アンダーコート層を形成する。
本発明方法に用いられる水性処理液中のシランカップリング剤(A)および(B)の合計濃度は、0.2〜30重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。水性処理液中のシランカップリング剤(A),(B)の合計濃度が、0.2重量%未満であると、形成されるアンダーコート層の量が不十分になり、従って、接着性および接着耐久性増進効果が不十分になることがある。また、それが30重量%を超えると、アンダーコート層の厚さが過大になり、却って、接着性および接着耐久性増進効果が不十分になることがある。
【0019】
本発明方法の金属表面前処理剤組成物は、りん酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化水素酸及び酸性りん酸亜鉛から選ばれた1種以上の無機酸(C)を含み、それによって、水性処理液のpHは4.0〜10.0にコントロールされることが好ましく、pH6.0〜9.0の範囲がより好ましい。水性処理液のpHが4.0未満では、金属表面に対するエッチングが過多となり、溶出してくる過剰の金属イオンにより水性処理液の成膜性が阻害されることがある。また、水性処理液のpHが10.0を越えると、形成される接着用アンダーコート層と金属表面との密着性が不良になるため、十分な接着耐久性が得られないことがある。水性処理液のpHを調整する方法、添加物質の供給源、および添加量には特に限定はない。更にpHの微調整を行うために、金属イオンを併用することができる。この目的のためにはニッケルイオン、マンガンイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、チタンイオン及びジルコニウムイオンを用いるのが好ましい。また、水性処理液中に、有機樹脂を含有させることにより、皮膜強度を調整することもできる。これらの添加剤は、金属表面前処理剤組成物中に含まれていてもよく、或は、水性処理液を調整する際に添加されてもよい。
【0020】
本発明方法において、水性処理液を金属材料表面に塗布し、乾燥して、金属材料表面上に接着用アンダーコート層を形成する。この接着用アンダーコート層の皮膜量は0.002〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.005〜2.0g/m2である。アンダーコート層の皮膜量が0.002g/m2未満では、得られるアンダーコート層と接着剤との接着性が不十分になることがあり、また、それが3.0g/m2を越えると、金属表面とアンダーコート層との密着性が不十分になることがある。
【0021】
本発明方法に用いられる金属材料の種類には特に限定はないが、例えば冷延鋼板、亜鉛含有金属めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板などを用いることができる。これらの金属材料に対して、前処理前にリン酸塩処理、クロメート処理等の化成処理を施してもよい。化成処理の種類、程度などは、金属材料の種類により適宜選択することができる。金属材料表面に水性処理液を付着させる方法には格別の限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法等が使用できる。また、前処理温度、および時間についても特に限定はないが、一般に10〜80℃の温度において、適宜な時間、例えば0.1〜10秒間の前処理を施すことが好ましい。
【0022】
本発明の前処理剤組成物を用い、また本発明方法により前処理された金属材料は、適宜の接着剤、例えば、フェノール系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、およびエポキシ系接着剤などを用いることにより、強固に、かつ高い接着耐久性をもって、接着される。
本発明により前処理された金属材料は、他の金属材料のみではなく、他の剛性材料、たとえばポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂フィルム、セラミック材料などと貼り合せて、接着耐久性の高い金属ラミネート材料の製造に応用することができる。
【0023】
本発明の表面前処理により金属材料表面の接着耐久性が著しく増進するメカニズムは次のように考えられる。通常一種のシランカップリング剤含有水性処理液を金属材料表面に塗布乾燥すると、シランカップリング剤の加水分解により生成した−OH基が金属表面とオキサン結合を形成し、更に有機材料に対し親和性のある官能基が、この前処理表面に塗布された接着剤と反応する。このようにして形成された従来の接着においては、接着剤と金属表面との界面に水分の侵入を積極的に抑制することができないため、初期の接着強度は良好であっても、その接着耐久性は不十分になる。これに対して、本発明の前処理においては、互いに反応する相異なる官能基を有するシランカップリング剤(A)および(B)を用いることにより、シランカップリング剤の前記利点を確保したままで、互に異なる官能基の一部が乾燥時に互いに反応して、かつ緻密な連続皮膜を形成し、これが金属表面に強固に密着するため、得られる接着用アンダーコート層は、すぐれたバリアー効果を発揮し、それを接着剤により接着すると初期の接着強度と接着耐久性とをともに著しく増進させることができる。
【0024】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により特に限定されるものでない。
下記実施例および比較例において、下記金属材料を使用し、この金属材料を下記方法により清浄化した。
【0025】
1.金属材料
(イ)冷延鋼板(市販の板厚1.0mm,JIS G3141 SPCC,以下SPC材と記す)
(ロ)亜鉛含有金属めっき鋼板(市販の板厚1.0mmの両面電気亜鉛めっき鋼板:目付量20g/m2,以下EG材と記す)
(ハ)アルミニウム板(市販の板厚1.5mmのA1100,以下Al材と記す)
(ニ)ステンレス鋼板(市販の板厚1.0mmのSUS304,以下SUS材と記す)
【0026】
2.金属材料の清浄方法
前記金属材料表面を、強アルカリ系脱脂剤の(商標:パーコクリーナーN364S、日本パーカライジング(株)製、薬剤濃度:20g/リットル)を用い、処理温度:60℃、処理時間:20秒の条件でスプレー処理し、表面に付着しているゴミや油を除去した。次に表面に残存しているアルカリ分を水道水により洗浄し、基体表面を清浄化した。
【0027】
実施例1
前記方法により表面清浄化されたSPC材に、反応型りん酸鉄表面処理剤(商標:パルホス−1077、日本パーカライジング(株)製、薬剤濃度:50g/リットル)を用いて、処理温度:60℃、処理時間:60秒の条件でスプレー処理を施した後、このSPC材表面に残存しているりん酸鉄表面処理液を水道水により洗浄した。上記のように化成処理されたSPC材を、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.4重量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン4.4重量%(エポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比=2:1)、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解し、さらに酸性りん酸亜鉛水溶液により pH 5.0に調整された前処理液に浸漬した後、これを引き上げて1分間静置させ、次にこれを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0029】
実施例2
前記方法により清浄化されたEG材に、反応型クロメート剤(商標:ジンクロム−3367、日本パーカライジング(株)製、薬剤濃度:86g/リットル)を用い、処理温度:50℃、処理時間:10秒の条件においてスプレー処理を施し、処理面を水道水により洗浄した。上記のようにしてクロメート処理されたEG材を、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14.1重量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン4.4重量%(エポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比=3:1)、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解し、りん酸によりpH8.0に調整された前処理液に浸漬し、これを引き上げて20秒間静置させ、次にこれを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0030】
実施例3
前記方法により清浄化されたAl材の表面に、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン0.44重量%、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.41重量%(エポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比=0.5:1)、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解し、H2 ZrF6 によりpH7.0に調整された前処理液を、 No.3バーコートを用いて塗布し、これを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0031】
実施例4
前記方法により清浄化されたAl材をγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン13.2重量%、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン4.1重量%(エポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比=1.5:1)、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解し、H2 ZrF6 によりpH7.5に調整された前処理液に浸漬し、これを引き上げて1分間静置し、これを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0032】
実施例5
前記方法により清浄化されたSUS材の表面に、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン6.6重量%、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン2.1重量%(エポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比=1.5:1)、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解し、HFによりpH6.0に調整された前処理液を、 No.3バーコートを用いて塗布し、これを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0033】
実施例6
前記方法により清浄化されたSUS材を、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.4重量%、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン4.7重量%(エポキシ基の活性水素含有アミノ基に対する当量比=1:1)、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解し、H2 TiF5 によりpH9.0に調整された前処理液に浸漬し、これを引き上げて1分間静置し、次にこれを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0034】
比較例1
実施例1と同様に清浄化およびりん酸鉄処理されたSPC材を、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン12.0重量%、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解して調製された比較処理液に浸漬し、これを引き上げてリンガーロールにより水切りを施した後、これを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0035】
比較例2
実施例2と同様に清浄化および反応クロメート処理されたEG材を、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン18.0重量%、およびメタノール10.0重量%を脱イオン水に溶解して調製された比較処理液に浸漬し、これを引き上げて1分間静置し、次にこれを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0036】
比較例3
前記方法により清浄化されたAl材を、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン3.0重量%、およびメタノール10.0重量%を脱イオン水に溶解して調製された比較処理液に浸漬し、これを引き上げてリンガーロールによる水切りを施し、次にこれを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0037】
比較例4
前記方法により清浄化されたSUS材の表面に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5.0重量%、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解して調製された比較処理液を、 No.3バーコートを用いて塗布し、これを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0038】
比較例5
前記方法により清浄化されたSUS材の表面に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン12.1重量%、およびメタノール10重量%を脱イオン水に溶解して調製された比較処理液を、 No.3バーコートを用いて塗布し、これを到達板温が80℃になるように乾燥した。
【0039】
テスト
上記実施例1〜および比較例1〜5により作製されたシランカップリング剤前処理金属材料を下記テストに供した。
(1)評価試験板の作製
前処理された金属材料を、100mm×25mmのサイズにカットして2枚の供試片の先端の25mm×12.5mmの部分上に、2液型エポキシ接着剤AZ15(主剤)、HZ15(硬化剤)(ともに商標、チバガイギー社製)を、重量比AZ15:HZ15=100:30の割合に混合して調製された接着剤を塗布し、乾燥した。接着剤の塗布された部分を重ね合わせてクリップで固定し、10日間室温で放置して接着供試片を作製した。この接着供試片に対し、下記のような初期、高温処理後、および高湿処理後引っ張りせん断試験を行った。
【0040】
(2)初期の引っ張りせん断強度
米倉製作所の万能材料試験機を用いて、接着供試片の初期接着強度(引っ張りせん断強度)を5回測定しその平均値を算出した。
【0041】
(3)高温処理後引っ張りせん断強度
接着供試片を温度80℃の雰囲気中に10分放置した後、その引っ張りせん断強度を前記と同様に5回測定し、その平均値を算出した。
【0042】
(4)高湿処理後の引っ張りせん断強度
接着供試片を温度45℃、相対湿度95%の雰囲気中に30日間放置した後、それから4時間以内にその引っ張りせん断強度を前記と同様に5回測定し、その平均値を求めた。
【0043】
(5)皮膜量
前記実施例および比較例の各々において形成された前処理アンダーコート層の皮膜量を下記のようにして測定した。
前処理された供試片のアンダーコート層中のシリコン含有量を、蛍光X線法により測定し、この測定値と、使用されたシランカップリング剤の化学構造から、全皮膜重量を算出した。
【0044】
上記テスト結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004007626
【0045】
表1の結果から明らかなように、本発明の前処理剤組成物および前処理法により得られた前処理金属材料は、接着剤接着において初期の初期せん断強度はもちろんのこと、高温処理後や高湿処理後のせん断強度がともに良好な結果を示していた。しかし、比較例1〜5においては、得られた前処理供試片の高湿処理後の引っ張りせん断試験が明瞭に不良であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物および前処理方法は、接着剤により接着された金属材料の、特に高温高湿条件下における接着強度に著るしく増進させることができるものであって、近年の接着用途の多様化に対して要求されるスペックに、十分に対応して実用することができる。

Claims (4)

  1. (A)1個以上のエポキシ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤、(B)1個以上の活性水素含有アミノ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤並びに、(C)りん酸、硝酸、フッ酸、ケイフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化水素酸及び酸性りん酸亜鉛から選ばれた1種以上の無機酸を含み、前記シランカップリング剤(A)に含まれるエポキシ基と、前記シランカップリング剤(B)に含まれる活性水素含有アミノ基との当量比が0.25:1〜4:1の範囲内にある、接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物。
  2. 請求項1に記載の接着耐久性増進用水性金属表面前処理剤組成物を含む水性処理液を、金属材料表面に付着させ、これを乾燥して接着用アンダーコート層を形成することを特徴とする、接着耐久性増進用金属表面前処理方法。
  3. 前記接着用アンダーコート層の付着量を0.002〜3.0g/m2にコントロールする、請求項2に記載の金属表面前処理方法。
  4. 前記水性処理液のpHを4.0〜10.0にコントロールする、請求項2に記載の金属表面前処理方法。
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