JP2001169642A - 刈取収穫機 - Google Patents

刈取収穫機

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JP2001169642A
JP2001169642A JP35913099A JP35913099A JP2001169642A JP 2001169642 A JP2001169642 A JP 2001169642A JP 35913099 A JP35913099 A JP 35913099A JP 35913099 A JP35913099 A JP 35913099A JP 2001169642 A JP2001169642 A JP 2001169642A
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高原  一浩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 畦越え時に刈取部が土中に突っ込むことを回
避したり、軟弱な圃場での刈取作業であっても刈高さを
極力設定高さにできるようにすることが可能となる刈取
収穫機を提供する。 【解決手段】 走行機体Vを走行装置1R,1Lの接地
部に対して前後方向に傾ける前後姿勢変更手段が設けら
れ、刈取昇降レバー28の上昇指令に基づいて、刈取部
Aが走行機体Vに対して上昇するように刈取シリンダC
1を作動させる刈取部上昇動作、並びに、走行機体Vを
走行装置1R,1Lの接地部に対して後傾姿勢側に傾け
る機体後傾動作を実行し、刈取昇降レバー28の下降指
令に基づいて、刈取部Aが走行機体Vに対して下降する
ように刈取シリンダC1を作動させる刈取部下降動作、
並びに、走行機体Vを走行装置1R,1Lの接地部に対
して前傾姿勢側に傾ける機体前傾動作を実行するように
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行装置を備えた
走行機体に対して刈取部を昇降操作する刈取部昇降手段
と、前記刈取部の上昇指令及び下降指令を指令する手動
操作式の昇降指令手段と、前記昇降指令手段の指令情報
に基づいて、前記刈取部昇降手段の作動を制御する制御
手段とが設けられている刈取収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の刈取収穫機において、従来で
は、例えば特開平9‐74854号公報に示すように、
走行装置の一例であるクローラ式走行装置を備えた走行
機体の前部側に、圃場の植立穀稈を刈り取るための刈取
部が、刈取部昇降手段としての刈取部昇降用の油圧シリ
ンダにて、走行機体に対して所定の昇降調節範囲にわた
り昇降調節自在な状態で備えられ、手動操作式の昇降指
令手段としての刈取昇降レバーの手動操作による上昇指
令に基づいて上記油圧シリンダを作動させて刈取部を上
昇させたり、刈取昇降レバーの手動操作による下降指令
に基づいて上記油圧シリンダを作動させて刈取部を下降
させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来技術においては、次のような面で未だ改善
の余地があった。上記したような刈取収穫機にて刈取作
業を行う場合に、刈取対象となる圃場が軟弱な圃場であ
れば、走行装置を駆動して機体を走行させながら刈取作
業を実行すると、例えば、図7に示すように、走行装置
による泥土の掻き込み等により走行機体Vが大きく後に
傾く前上がり状態になってしまうことがある。このと
き、刈取部による刈高さを設定高さにするために、運転
者は刈取昇降レバーを操作して刈取部を走行機体に対し
て下降させることになる。しかし、上記従来技術におい
ては、機体の前上がりの程度が大きい場合には、図7に
仮想線で示すように、刈取部を走行機体に対して前記昇
降調節範囲の下限位置まで下降させても、刈高さが所望
の設定高さになるまで刈取部Aを降ろすことができず、
刈高さが設定高さよりも高い値になってしまうおそれが
ある。
【0004】又、上記したような刈取収穫機にてある圃
場で刈取作業を行う場合、畦を乗り越えながら圃場内に
進入することがある。このとき、例えば図8に示すよう
に、畦の方が圃場面よりも高いために畦を乗り越えて圃
場内に進入するときに機体が前下がり状態になるが、こ
のときに、刈取部Aが圃場面に接触したり、突っ込まな
いようにするために、運転者は刈取昇降レバーを操作し
て刈取部Aを走行機体Vに対して上昇させることにな
る。しかし、上記従来技術では、機体の前下がりの程度
が大きい場合には、図8に仮想線で示すように、刈取部
を走行機体に対する昇降調節範囲の上限位置まで上昇さ
せても、刈取部を充分上昇させることができずに刈取部
の先端が圃場面に接触したり、突っ込んだりして、刈取
部等を損傷させるおそれがあった。
【0005】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、上述したような従来技術の不利を
解消して、操縦操作性を低下させない状態で、刈取部の
上昇指令及び下降指令を指令する手動操作式の昇降指令
手段による指令によって、畦越え時に刈取部が土中に突
っ込むことを回避したり、軟弱な圃場での刈取作業であ
っても刈高さを極力設定高さにできるようにすることが
可能となる刈取収穫機を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、走行装置を備えた走行機体に対して刈取部
を昇降操作する刈取部昇降手段と、前記刈取部の上昇指
令及び下降指令を指令する手動操作式の昇降指令手段
と、前記昇降指令手段の指令情報に基づいて、前記刈取
部昇降手段の作動を制御する制御手段とが設けられてい
る刈取収穫機において、前記走行機体を前記走行装置の
接地部に対して前後方向に傾ける前後姿勢変更手段が設
けられ、前記制御手段は、前記昇降指令手段の前記上昇
指令に基づいて、前記刈取部が前記走行機体に対して上
昇するように前記刈取部昇降手段を作動させる刈取部上
昇動作、並びに、前記走行機体を前記走行装置の接地部
に対して後傾姿勢側に傾けるように前記前後姿勢変更手
段を作動させる機体後傾動作を実行し、前記昇降指令手
段の前記下降指令に基づいて、前記刈取部が前記走行機
体に対して下降するように前記刈取部昇降手段を作動さ
せる刈取部下降動作、並びに、前記走行機体を前記走行
装置の接地部に対して前傾姿勢側に傾けるように前記前
後姿勢変更手段を作動させる機体前傾動作を実行するよ
うに構成されている。
【0007】すなわち、手動操作により昇降指令手段の
上昇指令が指令されると、刈取部が走行機体に対して上
昇する刈取部上昇動作、並びに、走行機体を走行装置の
接地部に対して後傾姿勢側に傾ける機体後傾動作を実行
するので、刈取部が走行機体に対して上昇するとともに
走行機体が後傾姿勢側に傾くことにより、刈取部が大き
く上昇することになり、例えば畦から圃場内への進入時
に走行機体が大きく前下がり状態になるような場合であ
っても、従来技術のように、刈取部が走行機体に対して
昇降調節範囲内で上昇するだけのものに比べて、刈取部
を圃場面に対してより高い位置まで上昇操作することが
可能となる。
【0008】又、昇降指令手段の手動操作にて下降指令
を指令されると、刈取部が走行機体に対して下降する刈
取部下降動作、並びに、走行機体を走行装置の接地部に
対して前傾姿勢側に傾ける機体前傾動作を実行するの
で、刈取部が走行機体に対して下降するとともに走行機
体が前傾姿勢側に傾くことにより、従来技術のように刈
取部が走行機体に対して昇降するだけのものに比べて、
刈取部を圃場に対してより低く下降させることが可能と
なる。
【0009】しかも、前記昇降指令手段の手動操作によ
って、上記刈取部の昇降動作並びに走行機体の前後姿勢
変更動作を実行するようにしたので、例えば刈取部の昇
降を指令する操作具と、走行機体の前後姿勢変更動作を
指令する操作具とを各別に操作するものに比べて運転者
の操作負担を増加させることがなくなる。さらに、上記
したような走行機体の前後姿勢変更動作は、走行機体の
姿勢を前上がり姿勢や前下がり姿勢の状態から水平姿勢
に近づくように変更させるものであるから、前後姿勢変
更動作が走行機体に搭乗している運転者に違和感を与え
ることなく、むしろ安心感を与えるようになる。
【0010】従って、運転者への操作負担を増加するこ
となく、操縦操作性を低下させないようにしながら、し
かも、運転者に安心感を与える状態で、例えば畦越え進
入時に刈取部を走行装置の接地部に対して大きく上昇さ
せて圃場面への接触や突っ込み等を適切に回避させるこ
とが可能となり、軟弱な圃場での刈取作業を行う場合に
走行機体が大きく後に傾く前上がり状態になっても、刈
取部を走行装置の接地部に対して大きく下降させて刈高
さを極力設定高さにすることが可能となる刈取収穫機を
提供できるに至った。
【0011】請求項2に記載の特徴構成によれば、請求
項1において、前記制御手段は、前記上昇指令に基づい
て、前記刈取部上昇動作を優先的に実行し、その刈取部
上昇動作によって前記刈取部が前記走行機体に対する昇
降調節範囲の上限位置に達すると前記機体後傾動作を実
行するとともに、前記下降指令に基づいて、前記刈取部
下降動作を優先的に実行し、その刈取部下降動作によっ
て前記刈取部が前記走行機体に対する昇降調節範囲の下
限位置に達すると前記機体前傾動作を実行するように構
成されている。
【0012】すなわち、前記制御手段は、上昇指令又は
下降指令に基づいて、前記刈取部上昇動作や前記刈取部
下降動作を、前記機体後傾動作や前記機体前傾動作より
も優先して実行することにより、走行機体に比べて質量
が少ない刈取部を優先的に昇降操作させることで、質量
の多い走行機体の姿勢変更を優先するものに比べて迅速
に刈取部を昇降させることができる。そして、前記刈取
部上昇動作や前記刈取部下降動作では昇降量が充分でな
いときに、前記機体後傾動作や前記機体前傾動作を実行
することで、刈取部を大きく昇降させることが可能とな
るのである。尚、前記刈取部上昇動作と前記機体後傾動
作とを同時に実行する、及び、前記刈取部下降動作と前
記機体前傾動作と同時に実行する、構成とすることも考
えられるが、このように構成した場合には、昇降操作の
指令あれば常に走行機体が前後に姿勢変更することにな
り、機体が前後に傾くので運転者が不快感を感じる不利
があるが、上記構成によれば、前記刈取部上昇動作や前
記刈取部下降動作では昇降量が充分でないときにだけ、
前記機体後傾動作や前記機体前傾動作を実行することに
より、上記したような不利を回避させることが可能とな
った。従って、昇降操作の指令がある毎に機体が前後に
傾くことにより運転者に不快感を与えるおそれが少ない
状態で請求項1の実施に好適な手段が得られる。
【0013】請求項3に記載の特徴構成によれば、請求
項2において、前記制御手段は、前記上昇指令が指令さ
れたときに、前記刈取部が前記走行機体に対する昇降調
節範囲の下限位置で且つ前記走行機体が前記走行装置の
接地部に対して前傾姿勢になっていると、前記刈取部上
昇動作に先立って、前記走行機体を前記走行装置の接地
部に対して平行となる水平姿勢へ戻す操作を優先的に実
行するとともに、前記下降指令が指令されたときに、前
記刈取部が前記走行機体に対する昇降調節範囲の上限位
置で且つ前記走行機体が前記走行装置の接地部に対して
後傾姿勢になっていると、前記刈取部下降動作に先立っ
て、前記走行機体を前記走行装置の接地部に対して平行
となる水平姿勢へ戻す操作を優先的に実行するように構
成されている。
【0014】すなわち、刈取部が前記下限位置にあり且
つ走行機体が前記前傾姿勢になっている状態で前記上昇
指令が指令されたときには、走行機体を不安定な前傾姿
勢に維持しておく必要がなく、刈取部が前記上限位置に
あり且つ走行機体が前記後傾姿勢になっている状態で前
記下降指令が指令されたときにも同様に、走行機体を不
安定な後傾姿勢に維持しておく必要がないので、このよ
うなときは、前記走行機体を前記水平姿勢へ戻す操作を
優先的に実行することにより、走行機体を水平姿勢にし
て姿勢が安定した状態で刈取部の昇降操作を実行するこ
とができる。従って、走行機体を水平姿勢にして姿勢が
安定した状態で刈取部の昇降操作を実行することによ
り、運転者に不快感を与えるおそれをより少なくさせる
ことが可能となる状態で請求項2の実施に好適な手段が
得られる。
【0015】請求項4に記載の特徴構成によれば、請求
項1〜3のいずれかにおいて、前記前後姿勢変更手段
は、前記走行機体の前部側を前記接地部に対して昇降操
作自在な前部側機体昇降手段と、前記走行機体の後部側
を前記接地部に対して昇降操作自在な後部側機体昇降手
段とを備えて構成され、前記前部側機体昇降手段が前記
走行機体の前部側を前記走行装置の接地部に接近させる
とともに、前記後部側機体昇降手段が前記走行機体の後
部側を前記走行装置の接地部から離間させることによ
り、前記走行機体を前記前傾姿勢側に傾けるように構成
され、前記前部側機体昇降手段が前記走行機体の前部側
を前記走行装置の接地部から離間させるとともに、前記
後部側機体昇降手段が前記走行機体の後部側を前記走行
装置の接地部に接近させることにより、前記走行機体を
前記後傾姿勢側に傾けるように構成されている。
【0016】前部側機体昇降手段によって走行機体の前
部側を走行装置の接地部に接近させるとともに、後部側
機体昇降手段によって走行機体の後部側を走行装置の接
地部から離間させることにより、走行機体を前傾姿勢側
に傾けることができる。又、前部側機体昇降手段によっ
て走行機体の前部側を走行装置の接地部から離間させる
とともに、後部側機体昇降手段によって走行機体の後部
側を走行装置の接地部に接近させることにより、走行機
体を後傾姿勢側に傾けることができるのである。従っ
て、例えば、走行機体を走行装置に対して一つの横軸芯
周りで回動自在に支持して、アクチュエータ等によって
走行機体を走行装置に対して前記横軸芯周りで回動させ
ることにより、前記前傾姿勢や後傾姿勢にさせる構成と
することも考えられるが、このように構成した場合に
は、前傾姿勢から後傾姿勢にわたる広い範囲で回動させ
るためにアクチュエータによる操作量が大になるが、上
記構成によれば、走行機体の前後両側夫々を各別に前記
接地部に接近・離間させることで、姿勢変更用の操作量
を少ないものにしながら、前傾姿勢から後傾姿勢にわた
る広い範囲で姿勢変更させることが可能となる状態で、
請求項1〜3のいずれか1項を実施するのに好適な手段
が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1に示すように、左右一対の
クローラ走行装置1R,1L(走行装置に相当する)、
刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置3、脱穀された穀粒を
貯留する穀粒タンク4、搭乗運転部2等を備えた走行機
体Vに対して、稲や麦等の植立穀稈を刈り取って脱穀装
置3に供給する刈取部Aが昇降調節自在に備えられて、
刈取収穫機としてのコンバインを構成してある。
【0018】刈取部Aは、先端部に設けた分草具6、分
草具6にて分草された植立穀稈を引き起こす引起し装置
5、引き起こされた穀稈の株元側を切断するバリカン型
の刈刃7、刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢に変更しながら
後方側に搬送する縦搬送装置8等にて構成され、走行機
体Vの前部に横軸芯P1周りに刈取部昇降手段の一例と
しての油圧式の刈取シリンダC1によって揺動昇降自在
に設けられている。尚、上記分草具6の後方側箇所に、
刈取部Aの地面に対する高さを検出する刈高さ検出手段
としての超音波式の刈高さセンサ9が設けられている。
詳述はしないが、この刈高さセンサ9は、下方側に向け
て超音波を発信してから受信するまでの時間を計測する
ことで、刈取部Aの地面に対する高さを検出するように
非接触式に構成されている。又、上記横軸芯P1の機体
箇所には、刈取部Aの揺動に伴って出力値が変化するポ
テンショメータ式の昇降位置センサ10が設けられてい
る。つまり、この昇降位置センサ10が刈取部Aの走行
機体Vに対する昇降位置を検出する昇降位置検出手段を
構成する。
【0019】そして、このコンバインでは、走行機体V
を左右のクローラ走行装置1R,1Lの接地部に対して
前後方向に傾ける前後姿勢変更手段が設けられている。
以下、その構成について説明する。先ず、左右のクロー
ラ走行装置1R,1Lの走行機体Vへの取付構造を説明
する。尚、左右のクローラ走行装置1R,1Lは夫々同
一構成であるから、そのうち左側のクローラ走行装置1
Lについて以下に説明し、右側のクローラ走行装置1R
についてはその説明を省略する。図2に示すように、走
行機体Vを構成する前後向き姿勢の主フレーム11に対
して固定される支持フレーム12の前端側には駆動スプ
ロケット13が回転自在に支持されるとともに、この複
数個の遊転輪体14を前後方向に並べた状態で枢支さ
れ、且つ、後端部にテンション輪体15を支持したトラ
ックフレーム16が前記支持フレーム12に対して上下
動可能に装着されている。そして、前記駆動スプロケッ
ト13とテンション輪体15及び各遊転輪体14にわた
り無端回動体であるクローラベルトBが巻回されてい
る。前記支持フレーム12の前部側には水平軸芯P2周
りで回動可能に側面視で略L字形に構成される前ベルク
ランク17aが枢支され、支持フレーム12の後部側に
は水平軸芯P3周りで回動可能に側面視で略L字形に構
成される後ベルクランク17bが枢支されている。そし
て、前ベルクランク17aの下方側端部がトラックフレ
ーム16の前部側個所に枢支連結され、後ベルクランク
17bの下方側端部は、ストローク吸収用の補助リンク
17b1を介して、トラックフレーム16の後部側個所
に枢支連結されている。一方、前後ベルクランク17
a,17bの夫々の上方側端部には、夫々、油圧シリン
ダC2,C3のシリンダロッドが連動連結されている。
前記各油圧シリンダC2,C3のシリンダ本体側は主フ
レーム11における横フレーム部分に枢支連結されてお
り、前記各油圧シリンダC2,C3は夫々複動型の油圧
シリンダにて構成されている。
【0020】そして、前ベルクランク17aに対応する
油圧シリンダC2(以下、左前シリンダという)を最も
伸張させるとともに、後ベルクランク17bに対応する
油圧シリンダC3(以下、左後シリンダという)を最も
短縮させると、図2に示すように、トラックフレーム1
6が支持フレーム12に受け止め支持され、トラックフ
レーム16が主フレーム11に最も近づいてほぼ平行状
態となる。この状態を下限基準姿勢という。この下限基
準姿勢にある状態から、左後シリンダC3をそのままの
状態に維持しながら左前シリンダC2を短縮作動させる
と、図3に示すように、走行機体Vの前部側を接地部に
対して離間する方向に姿勢変更(即ち、上昇操作)する
ことになる。又、前記下限基準姿勢にある状態から、左
前シリンダC2をそのままの状態に維持しながら左後シ
リンダC3を伸長作動させると、図4に示すように、走
行機体Vの後部側を接地部に対して離間する方向に姿勢
変更(即ち、上昇操作)することになる。
【0021】尚、図5に示すように、右側のクローラ走
行装置1Rにおいても同様に、機体前部側に位置する右
前シリンダC4と、機体後部側に位置する右後シリンダ
C5とが夫々備えられ、左側のクローラ走行装置1Lと
同様な動作を行うことになる。
【0022】従って、前記下限基準姿勢にある状態か
ら、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を、夫々、
そのままの状態に維持しながら、左前シリンダC2及び
右前シリンダC4を同時に短縮作動させると、走行機体
Vの前部側が左右クローラ走行装置1R,1Lの夫々の
接地部に対してほぼ同量づつ上昇して後傾姿勢に姿勢変
化することになる。又、前記下限基準姿勢にある状態か
ら、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を、夫々、
そのままの状態に維持しながら、左後シリンダC3及び
右後シリンダC5を同時に伸長作動させると、走行機体
Vの後部側が左右クローラ走行装置1R,1Lの夫々の
接地部に対してほぼ同量づつ上昇して前傾姿勢に姿勢変
化することになる。このようにして、前記走行機体Vを
前記接地部に対して前後方向に傾けるピッチング作動を
実行することができる。そして、上述したような、前記
左前シリンダC2及び右前シリンダC4が前部側機体昇
降手段に対応し、左後シリンダC3及び右後シリンダC
5が後部側機体昇降手段に対応して、これら4個の機体
姿勢変更用のシリンダC2〜C5にて前後姿勢変更手段
が構成されることになる。
【0023】尚、前記4個の機体姿勢変更用のシリンダ
C2,C3,C4,C5を利用して、左右のクローラ走
行装置1R,1Lの接地部に対して走行機体Vの左右傾
斜角を変更操作するローリング作動を実行することがで
きる。例えば、左右クローラ走行装置1R,1Lが夫々
前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリンダC2を
短縮作動させるとともに、左後シリンダC3を伸長作動
させると、走行機体Vの右側がそのままに維持されて走
行機体Vの左側が接地部に対して上昇して、機体が左上
がり傾斜姿勢に変更することになる。同様にして右側の
クローラ走行装置1Rを作動させると、機体が右上がり
傾斜姿勢に変更することになる。尚、図5にも示すよう
に、左右クローラ走行装置1R,1Lにおける前記各ベ
ルクランク17a,17bの回動支点部に対応する箇所
に、その回動量に基づいて前記各油圧シリンダC2,C
3,C4,C5の伸縮作動したストローク量を検出する
ポテンショメータ形のストロ−クセンサ18,19,2
021が設けられている。
【0024】図5に示すように、マイクロコンピュータ
利用の制御装置22(制御手段の一例)が設けられ、こ
の制御装置22に、前記各ストロークセンサ18〜2
1、昇降位置センサ10、刈高さセンサ9、及び、走行
機体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を検出する重力
式の左右傾斜角センサ23、走行機体Vの水平基準面に
対する前後傾斜角を検出する重力式の前後傾斜角センサ
24の各検出情報が入力されている。又、搭乗運転部2
には、走行機体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を設
定する左右傾斜角設定器25、走行機体Vの水平基準面
に対する前後傾斜角を設定する前後傾斜角設定器26、
及び、走行機体Vに対する刈取部Aの地面に対する高さ
即ち刈取高さを設定するボリューム式の刈高さ設定器2
7が設けられ、その各情報も制御装置22に入力されて
いる。
【0025】更に、搭乗運転部2には、刈取部Aの上昇
指令及び下降指令を指令する手動操作式の昇降指令手段
としての刈取昇降レバー28が設けられている。つま
り、この刈取昇降レバー28を中立位置から上昇位置に
操作すると上昇スイッチSW1がオンするとともに、下
降位置に操作すると下降スイッチSW2がオンするよう
に構成され、その各スイッチSW1,SW2の検出情報
(指令情報)が制御装置22に入力されている。従っ
て、上昇スイッチSW1がオンする上昇指令が指令さ
れ、下降スイッチSW2がオンすると下降指令が指令さ
れることになる。一方、制御装置22からは、前記刈取
シリンダC1及び前記4個の機体姿勢変更用のシリンダ
C2〜C5を油圧制御するための油圧制御用の電磁弁2
9〜33に対する駆動信号が夫々出力される構成となっ
ている。
【0026】前記制御装置22は、刈取作業中等におい
て、自動入切スイッチ34にて自動制御モードが設定さ
れていると、刈高さセンサ9の検出値が刈高さ設定器2
7にて設定された設定刈高さに維持されるように刈取シ
リンダC1を作動させる刈高さ制御、左右傾斜角センサ
23の検出値が左右傾斜角設定器25にて設定された値
になるように自動でローリング作動するローリング制
御、前後傾斜角センサ24の検出値が前後傾斜角設定器
26にて設定された値になるように自動でピッチング作
動するピッチング制御の夫々を実行するように構成され
ている。
【0027】そして、制御装置22は、刈取昇降レバー
28の手動操作による昇降指令があれば、後述するよう
な手動による刈取部昇降操作を実行するように構成され
ている。尚、自動制御モードがオフになっているときに
は、この手動による昇降操作を実行し、上記したような
自動制御モードにて各制御が実行されているときであっ
ても、刈取昇降レバー28による昇降指令があれば、手
動による昇降操作がそれらの制御に優先して実行するこ
とになる。
【0028】制御装置22は、刈取昇降レバー28の上
昇指令に基づいて、刈取部Aが走行機体Vに対して上昇
するように刈取シリンダC1を作動させる刈取部上昇動
作、並びに、走行機体Vを左右クローラ走行装置1R,
1Lの接地部に対して後傾姿勢側に傾けるように前記4
個の機体姿勢変更用のシリンダC2〜C5のうちのいず
れかのシリンダを作動させる機体後傾動作を実行するよ
うに構成され、しかも、刈取部上昇動作を優先的に実行
し、その刈取部上昇動作によって刈取部が走行機体Vに
対する昇降調節範囲の上限位置に達すると前記機体後傾
動作を実行するように構成されている。又、刈取昇降レ
バー28による手動の下降指令に基づいて、刈取部Aが
走行機体Vに対して下降するように刈取シリンダC1を
作動させる刈取部下降動作、並びに、走行機体Vをクロ
ーラ走行装置1R,1Lの接地部に対して前傾姿勢側に
傾けるように前記4個の姿勢変更用のシリンダC2〜C
5のうちのいずれかのシリンダを作動させる機体前傾動
作を実行するように構成され、しかも、刈取部下降動作
を優先的に実行し、その刈取部下降動作によって刈取部
が走行機体Vに対する昇降調節範囲の下限位置に達する
と機体前傾動作を実行するように構成されている。
【0029】更に、制御装置22は、前記上昇指令が指
令されたときに、刈取部Aが走行機体Vに対する昇降調
節範囲の下限位置で且つ走行機体Vが前記接地部に対し
て前傾姿勢になっていると、前記刈取部上昇動作に先立
って、走行機体Vを接地部に対して平行となる水平姿勢
へ戻す操作を優先的に実行するとともに、前記下降指令
が指令されたときに、刈取部Aが走行機体Vに対する昇
降調節範囲の上限位置で且つ走行機体Vが接地部に対し
て後傾姿勢になっていると、前記刈取部下降動作に先立
って、走行機体Vを接地部に対して平行となる水平姿勢
へ戻す操作を優先的に実行するように構成されている。
【0030】前記機体後傾動作について説明を加える
と、左後シリンダC3と右後シリンダC5の夫々に対応
するストロークセンサ19,21の検出値により、走行
機体Vの後部側が接地部に対して昇降調節範囲の下限位
置に達していなければ、左後シリンダC3と右後シリン
ダC5とを同時に短縮作動させて後傾姿勢に傾ける動作
を実行する。又、走行機体Vの後部側が前記昇降調節範
囲の下限位置に達していれば、左前シリンダC2と右前
シリンダC4とを同時に短縮作動させて後傾姿勢に傾け
る動作を実行する。
【0031】前記機体前傾動作について説明を加える
と、左前シリンダC2と右前シリンダC4の夫々に対応
するストロークセンサ18,20の検出値により、走行
機体Vの前部側が前記接地部に対して昇降調節範囲の下
限位置に達していなければ、左前シリンダC2と右前シ
リンダC4とを同時に伸長作動させて前傾姿勢に傾ける
動作を実行する。又、走行機体Vの前部側が前記昇降調
節範囲の下限位置に達していれば、左後シリンダC3と
右後シリンダC5とを同時に伸長作動させて前傾姿勢に
傾ける動作を実行する。尚、上記刈取部Aの走行機体V
に対する昇降調節範囲の上限位置又は下限位置に達して
いるか否かは前記昇降位置センサ10の検出値に基づい
て判断するようになっている。
【0032】次に、刈取昇降レバー28の指令情報に基
づく刈取部昇降制御について、図6のフローチャートに
基づいて説明する。尚、制御装置22は、この制御を実
行する際に、4個の機体姿勢変更用のシリンダC2〜C
5を作動制御するとき、機体姿勢を図2に示す下限基準
姿勢にするように制御する構成としている。図6に示す
ように、刈取昇降レバー28の手動操作にて上昇スイッ
チSW1がオンして上昇指令が指令されたときは、昇降
位置センサ10の検出情報に基づいて、刈取部Aが昇降
調節範囲の上限位置又は下限位置になくそれらの中間位
置にあることが判断されると、刈取シリンダC1を作動
させて刈取部Aを上昇操作する(ステップ1、2、
3)。この動作が刈取部上昇動作に対応する。そして、
ステップ3における上記したような上昇操作が実行され
ることにより刈取部Aが上限位置に達した後にも上昇指
令が指令されていれば、又は、刈取昇降レバー28にて
上昇指令が指令されたときに刈取部Aが既に上限位置に
あれば、前記各ストロークセンサ18〜21の検出結果
に基づいて、走行機体Vの後部側が左右クローラ走行装
置1R、1Lの接地部に対して昇降調節範囲の下限位置
に達しているか否かが判断され(ステップ4)、下限位
置に達していなければ、左後シリンダC3と右後シリン
ダC5とを同時に短縮作動させて機体後部側を下降させ
て後傾姿勢に傾ける動作を実行する(ステップ5)。ス
テップ4にて、走行機体Vの後部側が前記昇降調節範囲
の下限位置に達していれば、左前シリンダC2と右前シ
リンダC4とを同時に短縮作動させて機体前部を上昇さ
せて後傾姿勢に傾ける動作を実行する(ステップ6)。
前記ステップ5及びステップ6の動作が機体後傾動作に
対応する。従って、刈取部Aが昇降調節範囲の中間位置
にあれば、刈取部上昇動作を優先的に実行し、その刈取
部上昇動作によって刈取部が走行機体Vに対する昇降調
節範囲の上限位置に達すると機体後傾動作を実行するこ
とになる。
【0033】そして、前記上昇指令が指令されたとき
に、刈取部が走行機体Vに対する昇降調節範囲の下限位
置であるときに、前記各ストロークセンサ18〜21の
検出結果に基づいて、走行機体Vの後部側が左右クロー
ラ走行装置1R,1Lの接地部に対して昇降調節範囲の
下限位置に達しているか否かが判断され(ステップ
7)、下限位置に達していなければ、つまり、走行機体
Vが前記接地部に対して前傾姿勢になっていれば、左後
シリンダC3と右後シリンダC5とを同時に短縮作動さ
せて機体後部側を下降させて、前記走行機体Vを前記接
地部に対して平行となる水平姿勢へ戻す操作を優先して
実行する(ステップ8)。
【0034】次に、刈取昇降レバー28の手動操作にて
下降スイッチSW2がオンして下降指令が指令されたと
きは、昇降位置センサ10の検出情報に基づいて、刈取
部Aが昇降調節範囲の上限位置又は下限位置になくそれ
らの中間位置にあることが判断されると、昇降シリンダ
C1を作動させて刈取部Aを下降操作する(ステップ
1、9、10)。この動作が刈取部下降動作に対応す
る。そして、ステップ10における上記したような下降
操作が実行されることにより刈取部Aが下限位置に達し
た後にも下降指令が指令されていれば、又は、刈取昇降
レバー28にて下降指令が指令されたときに既に刈取部
Aが下限位置にあれば、前記各ストロークセンサ18〜
21の検出結果に基づいて、走行機体Vの前部側が前記
接地部に対して昇降調節範囲の下限位置に達しているか
否かが判断され(ステップ11)、下限位置に達してい
なければ、左前シリンダC2と右前シリンダC4とを同
時に短縮作動させて機体前部側を下降させて前傾姿勢に
傾ける動作を実行する(ステップ12)。ステップ11
にて、走行機体Vの前部側が前記昇降調節範囲の下限位
置に達していれば、左後シリンダC3と右後シリンダC
5とを同時に伸長作動させて機体後部を上昇させて前傾
姿勢に傾ける動作を実行する(ステップ13)。前記ス
テップ12及びステップ13の動作が機体前傾動作に対
応する。従って、刈取部Aが昇降調節範囲の中間位置に
あれば、刈取部下降動作を優先的に実行し、その刈取部
下降動作によって刈取部が走行機体Vに対する昇降調節
範囲の下限位置に達すると機体前傾動作を実行すること
になる。
【0035】そして、前記下降指令が指令されたとき
に、刈取部が走行機体Vに対する昇降調節範囲の上限位
置であるときに、前記各ストロークセンサ18〜21の
検出結果に基づいて、走行機体Vの前部側が接地部に対
して昇降調節範囲の下限位置に達しているか否かが判断
され(ステップ14)、下限位置に達していなければ、
つまり、走行機体Vが前記接地部に対して後傾姿勢にな
っていれば、左前シリンダC2と右前シリンダC4とを
同時に伸長作動させて機体前部側を下降させて、前記走
行機体Vを前記走行装置の接地部に対して平行となる水
平姿勢へ戻す操作を優先して実行する(ステップ1
5)。
【0036】上記したように構成することで、刈取昇降
レバー28による手動の昇降指令に伴う刈取部Aの昇降
調節可能な範囲を、刈取シリンダC1による昇降調節範
囲よりも大きくすることができる。その結果、乾田圃場
等での刈取作業を実行するときには、刈取部の昇降操作
は、前記刈取シリンダC1による昇降操作にて充分対応
することができるが、例えば、非常に軟弱な圃場で刈取
作業を行う場合において、刈取作業走行を行うと、図7
に仮想線で示すようにクローラ走行装置1R、1Lによ
る泥土の掻き込みや機体重量の慣性力等により走行機体
Vが極端な後傾姿勢になってしまうことがあり、このと
き、刈取シリンダC1による昇降操作だけでは、刈取部
Aの下降量が充分でないおそれがあるが、このような場
合であっても、上記したような機体前傾動作を実行する
ことで、図7に実線で示すように刈取部Aを適切な位置
にまで下降させることができる。
【0037】又、ある圃場での刈取作業を開始する場合
に、図8に示すように、畦越えして圃場内に進入するよ
うに走行しながら刈取作業を開始する場合があるが、こ
のとき、畦を越えて圃場内に進入するときに、図8に仮
想線で示すように極端な前傾姿勢になってしまうおそれ
がある。このとき、刈取シリンダC1による昇降操作だ
けで刈取部Aを上昇させると、上昇量が充分でなく、圃
場面に刈取部Aの先端が突っ込んでしまうおそれがある
が、このとき、上記したような機体後傾動作を実行する
ことで、図8に実線で示すように刈取部Aの突っ込みを
回避できる位置まで上昇させることができるのである。
しかも、上記構成によれば、一つの刈取昇降レバー28
の前後揺動操作によって、上記刈取部の昇降動作並びに
走行機体の前後姿勢変更動作を実行するようにしたの
で、例えば刈取部の昇降を指令する操作具と、走行機体
の前後姿勢変更動作を指令する操作具とを各別に操作す
るものに比べて、操作負担を軽減させることができる。
【0038】〔別実施形態〕次に別実施形態を列記す
る。
【0039】(1)上記実施形態では、前記上昇指令が
指令されたときに、刈取部が走行機体に対する昇降調節
範囲の下限位置で且つ走行機体が走行装置の接地部に対
して前傾姿勢になっていると、刈取部上昇動作に先立っ
て、走行機体を接地部に対して平行となる水平姿勢へ戻
す操作を優先的に実行するとともに、前記下降指令が指
令されたときに、刈取部が走行機体に対する昇降調節範
囲の上限位置で且つ走行機体が走行装置の接地部に対し
て後傾姿勢になっていると、刈取部下降動作に先立っ
て、走行機体を走行装置の接地部に対して平行となる水
平姿勢へ戻す操作を優先的に実行するように構成した。
具体的には、図6のステップ7,8及びステップ11,
12を夫々実行する構成としたが、このような動作を実
行しない構成としてもよい。
【0040】例えば、図9に示すように、前記上昇指令
が指令されたときには、刈取部が走行機体に対する昇降
調節範囲の上限位置にあるか否かだけを判断し(ステッ
プ21、22)、上限位置になければ刈取シリンダによ
る刈取部上昇動作を実行し(ステップ23)、上限位置
ならば、前記機体後傾動作を実行する(ステップ24、
25、26)ように構成し、前記下降指令が指令された
ときには、刈取部が走行機体に対する昇降調節範囲の下
限位置にあるか否かだけを判断し(ステップ21、2
7)、下限位置になければ刈取シリンダによる刈取部下
降動作を実行し(ステップ28)、下限位置ならば、前
記機体前傾動作を実行する(ステップ29、30、3
1)ように構成するものでもよい。
【0041】(2)上記実施形態では、前記上昇指令が
指令されたときに刈取部が上限位置になければ、前記刈
取部上昇動作を機体後傾動作に優先して実行し、前記下
降指令が指令されたときに刈取部が下限位置になけれ
ば、前記刈取部下降動作を機体前傾動作に優先して実行
する構成としたが、このような構成に代えて、次のよう
に構成してもよい。例えば、図10に示すように、刈取
昇降レバー28の握り部28aの先端部に押しボタン式
のスイッチSW3を備えて、このスイッチSW3を押し
操作しながら上昇指令や下降指令が指令されると、上昇
指令に基づいて刈取部上昇動作と機体後傾動作とを同時
に行い、下降指令に基づいて刈取部下降動作と機体前傾
動作とを同時に行う同時操作構成とし、前記押しボタン
式のスイッチを押し操作しなけば、上記したような刈取
部上昇動作や機体下降動作を、機体後傾動作や機体前傾
動作よりも優先して実行する優先動作構成としてもよ
い。又、上記したような押し操作式のスイッチに代え
て、2位置切換式で且つ位置保持形のスイッチにて、上
記した同時操作構成と優先動作構成とを切り換える構成
でもよい。その場合、このスイッチは刈取昇降レバーの
握り部でなく搭乗運転部のパネルに備えてもよい。
【0042】(3)上記実施形態では、前記上昇指令に
基づいて、刈取部上昇動作を行って刈取部Aが上限位置
に達した後、すぐに、機体後傾動作を行う構成とした
が、このような構成に代えて、刈取部上昇動作を行って
刈取部Aが上限位置に達した後、前記上昇指令が設定時
間以上継続して指令されているときにのみ、機体後傾動
作を行うようにしてもよい。このような動作は、上昇指
令に限らず、下降指令に対しても同様に実施してもよ
い。
【0043】(4)上記実施形態では、常に、前記昇降
指令手段(刈取昇降レバー)の上昇指令に基づいて前記
刈取部上昇動作並びに前記機体後傾動作を実行し、前記
昇降指令手段の下降指令に基づいて、前記刈取部下降動
作並びに前記機体前傾動作を実行する構成としたが、次
のように構成してもよい。例えば、動作併用モードと、
刈取部単独昇降モードとに切り換え自在な手動操作式の
モード切換スイッチを備え、このモード切換スイッチを
動作併用モードに切り換えておくと、前記昇降指令手段
の上昇指令に基づいて前記刈取部上昇動作並びに前記機
体後傾動作を実行し、前記昇降指令手段の下降指令に基
づいて、前記刈取部下降動作並びに前記機体前傾動作を
実行する状態となり、刈取部単独昇降モードに切り換え
ると、前記昇降指令手段に指令に基づいて刈取部上昇動
作と刈取部下降動作だけを行う状態となるように構成し
てもよい。尚、前記刈取部単独昇降モードにおいて前記
前後姿勢変更手段を作動させる指令手段を別途設ける構
成としてもよい。
【0044】(5)上記実施形態では、前記前後姿勢変
更手段が、前部側機体昇降手段(前記左前シリンダC2
及び前記右前シリンダC4)と、後部側機体昇降手段
(前記左後シリンダC3及び前記右後シリンダC5)と
を備えて構成されるものを例示したが、このような構成
に代えて、次のように構成してもよい。例えば、走行機
体を走行装置のフレーム(トラックフレーム)に対し
て、一つの横軸芯周りで前後傾動操作自在に支持して一
つのアクチュエータにて、走行機体を走行装置の接地部
に対して前後方向に傾動させる構成としてもよい。この
とき、前記横軸芯の配置箇所は機体前部側でもよく後部
側箇所でもよく、前後中間位置でもよい。
【0045】(6)上記実施形態では、走行装置を、左
右一対のクローラ走行装置1で構成したが、これに限る
ものではなく、例えば、単一の走行装置でもよく、又、
クローラ式ではなく車輪式の走行装置でもよい。又、上
記実施形態では、刈取部昇降手段、前部側機体昇降手
段、及び、後部側機体昇降手段の夫々を油圧シリンダに
て構成したが、これに限るものではなく、電動モータと
ネジ送り機構等、他の駆動機構にて構成してもよい。
【0046】(7)上記実施形態では、手動操作式の昇
降指令手段を、刈取昇降レバーにて構成したが、これに
限るものではなく、例えば刈取部の上昇と下降を各別に
指令する一対の押しボタン式のスイッチ等で構成しても
よい。
【0047】(8)上記実施形態では、コンバインを自
脱型のコンバインにて構成したが、これ以外に、全稈投
入式の普通型コンバイン等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの前部を示す側面図
【図2】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図3】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図4】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図5】制御構成を示すブロック図
【図6】制御作動を示すフローチャート
【図7】湿田での刈取作業状態を示すコンバインの側面
【図8】畦越え進入時のコンバインの側面図
【図9】別実施形態の制御作動を示すフローチャート
【図10】別実施形態の昇降操作レバーの斜視図
【符号の説明】
1R,1L 走行装置 22 制御手段 28 昇降指令手段 A 刈取部 C1 刈取部昇降手段 C2,C4 前部側機体昇降手段 C3,C5 後部側機体昇降手段 V 走行機体
フロントページの続き Fターム(参考) 2B076 AA03 BA07 BB06 CC02 CC12 2B382 GA03 GA09 GC03 GD02 HB02 HF03 LA09 LA17 LA18 LC04 MA29 3D001 AA09 BA00 CA05 DA02 DA17 EA01 EA05 EA13 EA42 EB08 EC02 EC08 ED04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置を備えた走行機体に対して刈取
    部を昇降操作する刈取部昇降手段と、前記刈取部の上昇
    指令及び下降指令を指令する手動操作式の昇降指令手段
    と、前記昇降指令手段の指令情報に基づいて、前記刈取
    部昇降手段の作動を制御する制御手段とが設けられてい
    る刈取収穫機であって、 前記走行機体を前記走行装置の接地部に対して前後方向
    に傾ける前後姿勢変更手段が設けられ、 前記制御手段は、 前記昇降指令手段の前記上昇指令に基づいて、前記刈取
    部が前記走行機体に対して上昇するように前記刈取部昇
    降手段を作動させる刈取部上昇動作、並びに、前記走行
    機体を前記走行装置の接地部に対して後傾姿勢側に傾け
    るように前記前後姿勢変更手段を作動させる機体後傾動
    作を実行し、 前記昇降指令手段の前記下降指令に基づいて、前記刈取
    部が前記走行機体に対して下降するように前記刈取部昇
    降手段を作動させる刈取部下降動作、並びに、前記走行
    機体を前記走行装置の接地部に対して前傾姿勢側に傾け
    るように前記前後姿勢変更手段を作動させる機体前傾動
    作を実行するように構成されている刈取収穫機。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記上昇指令に基づい
    て、前記刈取部上昇動作を優先的に実行し、その刈取部
    上昇動作によって前記刈取部が前記走行機体に対する昇
    降調節範囲の上限位置に達すると前記機体後傾動作を実
    行するとともに、 前記下降指令に基づいて、前記刈取部下降動作を優先的
    に実行し、その刈取部下降動作によって前記刈取部が前
    記走行機体に対する昇降調節範囲の下限位置に達すると
    前記機体前傾動作を実行するように構成されている請求
    項1記載の刈取収穫機。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、 前記上昇指令が指令されたときに、前記刈取部が前記走
    行機体に対する昇降調節範囲の下限位置で且つ前記走行
    機体が前記走行装置の接地部に対して前傾姿勢になって
    いると、前記刈取部上昇動作に先立って、前記走行機体
    を前記走行装置の接地部に対して平行となる水平姿勢へ
    戻す操作を優先的に実行するとともに、前記下降指令が
    指令されたときに、前記刈取部が前記走行機体に対する
    昇降調節範囲の上限位置で且つ前記走行機体が前記走行
    装置の接地部に対して後傾姿勢になっていると、前記刈
    取部下降動作に先立って、前記走行機体を前記走行装置
    の接地部に対して平行となる水平姿勢へ戻す操作を優先
    的に実行するように構成されている請求項2記載の刈取
    収穫機。
  4. 【請求項4】 前記前後姿勢変更手段は、 前記走行機体の前部側を前記接地部に対して昇降操作自
    在な前部側機体昇降手段と、前記走行機体の後部側を前
    記接地部に対して昇降操作自在な後部側機体昇降手段と
    を備えて構成され、 前記前部側機体昇降手段が前記走行機体の前部側を前記
    走行装置の接地部に接近させるとともに、前記後部側機
    体昇降手段が前記走行機体の後部側を前記走行装置の接
    地部から離間させることにより、前記走行機体を前記前
    傾姿勢側に傾けるように構成され、 前記前部側機体昇降手段が前記走行機体の前部側を前記
    走行装置の接地部から離間させるとともに、前記後部側
    機体昇降手段が前記走行機体の後部側を前記走行装置の
    接地部に接近させることにより、前記走行機体を前記後
    傾姿勢側に傾けるように構成されている請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の刈取収穫機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011097880A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Yanmar Co Ltd 作業機
JP2014143967A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd コンバイン

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