JP2001169452A - ワイヤハーネス巻取装置 - Google Patents

ワイヤハーネス巻取装置

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JP2001169452A JP34309699A JP34309699A JP2001169452A JP 2001169452 A JP2001169452 A JP 2001169452A JP 34309699 A JP34309699 A JP 34309699A JP 34309699 A JP34309699 A JP 34309699A JP 2001169452 A JP2001169452 A JP 2001169452A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 円滑にワイヤハーネスを繰り出しかつ巻き取
れるようにしたワイヤハーネス巻取装置を提供する。 【解決手段】 ケース本体12に設けたドラム回転支軸
12b上で巻取ドラム14が回転し、ワイヤハーネス2
0を繰り出しまた巻き戻す。ドラム回転支軸12bの外
側同心円上に、ワイヤハーネス繰り出し時、巻取ばね1
5を内側から当接して動作規制するばね当て内板12c
を設け、巻取ドラム14の回転中心の外側同心円上に前
記ばね当て内板12cと同一径のばね当て内板14eを
設けている。それら双方のばね当て内板12c,14e
を縮径作動時の巻取ばね15に内周面から当接させ、ば
ねのそれ以上の縮径動作を規制する。それによって、巻
取ばね4がケース本体12および巻取ドラム14間に咬
み込むのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車におい
て配索済みの電線,ケーブルおよびワイヤハーネスなど
のハーネス類を繰り出しかつ巻き取るワイヤハーネス巻
取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハーネス類を繰り出して長く延伸させた
り巻き取ったりする一般的な巻取装置として、たとえば
特開平9−84244号公報に記載のケーブル巻き取り
機構がある。また、特に自動車のボディ・パネルとドア
との間に渡って配索したハーネス類を、ドアの開閉動作
に追従させて長く繰り出しまた巻き戻しするハーネス巻
取装置も周知である。
【0003】代表的に、後者の自動車用ハーネス巻取装
置について、図7の分解断面図および図8の組立断面図
を用いて概略的に説明する。この場合、装置本体を形成
する巻取ケース1を有し、この巻取ケース1は円筒形状
のケース本体2と、この内部に回転可能に軸支された巻
取ドラム3などからなっている。また、それら両部材間
にコイルばねによる巻取ばね4が装着され、この弾発力
に抗して図8中仮想線で示すワイヤハーネス5を繰り出
し、また巻き戻す方向へ巻取ドラム3を回転付勢してい
る。さらに、両図に示されてはいないが、ケース本体2
に被せて塞ぐケース蓋が巻取ケース1の構成部材として
備わっている。
【0004】ケース本体2は、円筒形状の周壁2aによ
って囲まれる内部中心位置にドラム回転支軸2bが立ち
上げられ、これと同心円上に内外二重に環状のばね当て
内板2cと略半円状のばね当て外板2dが形成されてい
る。また、ケース本体2自体はドラム回転支軸2bに嵌
合させたロッド6を介してたとえばボディ・パネル側に
取り付けて固定される。
【0005】巻取ドラム3は、ドラム胴部3aの中心軸
上に突出させた筒状の軸受ボス3bを有し、この軸受ボ
ス3bを上記ケース本体2側のドラム回転支軸2bに嵌
合させて回転可能に支持されている。軸受ボス3bはそ
の外側からもケース本体2側に設けた環状のボス受2e
によって受け止められている。また、ドラム胴部3aの
外周に沿って断面凹状にハーネス巻取溝部3cが形成さ
れ、ここにワイヤハーネス5を巻き付ける。また、ドラ
ム胴部3aの内面適所には巻取ばね4の両端部4aを係
止するためのばね止め3dが突起形状に設けられてい
る。さらに、図8に示すように、ケース本体2に巻取ド
ラム3を組み込んだ段階で、ドラム抜け止め用に止め輪
7をケース本体2側のドラム回転支軸2bの上部に装着
している。
【0006】そこで、巻取ばね4は、その作動前の通常
状態つまりワイヤハーネス5が巻取ドラム3に巻き取ら
れた状態のとき、ばね内周面がケース本体2のばね当て
内板2cの外周面に当接し、ばね外周面がばね当て外板
2dの内周面に当接することで、ばね軸のずれなど無用
な動きが規制される。また、ばね作動時つまりワイヤハ
ーネス5が巻取ドラム3から長く繰り出されるとき、巻
取ばね4は縮径する。その際、ばね内周面がケース本体
2側のばね当て内板2cの外周面に当接することによ
り、それ以上のばね縮径動作を規制するようになってい
る。
【0007】なお、ワイヤハーネス5は、その一端側で
ボディ・パネルの電気回路に接続され、他端側をドアの
電気回路に接続して配索される。したがって、ドアの開
き動作に追従してワイヤハーネス5は巻取ばね4に抗し
て巻取ケース1から長く繰り出され、ドアの閉じ動作に
追従してワイヤハーネス5は巻取ばね4によって巻取ケ
ース1内に巻き戻される。巻取ドラム3は、巻取ばね4
によってワイヤハーネス5を巻き取る正転方向へ回転付
勢され、繰り出し時は巻取ばね4に抗して逆転方向へ回
転することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この図7お
よび図8で示された自動車用のワイヤハーネス巻取装置
の場合、機構的な改善部分が残されている。
【0009】巻取ばね4は、ワイヤハーネス5の繰り出
しと巻き戻しに対応してばね径を縮径作動し、また元の
ばね径に戻るべく拡径作動する。そうしたばね拡縮作動
を許容しかつ動作規制するために、前述のように、ケー
ス本体2側にばね当て内板2cとばね当て外板2dを設
けている。これら内外二重のばね当て内板2cおよびば
ね当て外板2d間にはばね拡縮に対応するだけの径差に
よる隙間があるため、それが巻取ばね4のがたつきの原
因となる不都合がある。
【0010】さらに問題点の一つに、巻取ばね4を縮径
作動させてつまり弾発力に抗してワイヤハーネス5を繰
り出す際、縮径作動中の巻取ばね4がばね当て内板2c
の上周縁と巻取ドラム3のドラム胴部3aの内面との間
に生じた隙間(図8中、符号8で示す)に入り込んで咬
み込む。そうした巻取ばね4の咬み込みで巻取ドラム3
の回転動作に支障を与え、ワイヤハーネス5の繰り出し
および巻き取りに円滑性を欠く不具合がある。
【0011】したがって、本発明の目的は、特に自動車
において車体のボディ・パネルおよびドア間に渡って配
索されたハーネス類をドアの開閉動作に連動させて繰り
出しかつ巻き取るワイヤハーネス巻取装置に好適であ
り、巻取ばねのがたつきや咬み込みを防止して巻取ドラ
ムの回転に支障を与えることなく、円滑にワイヤハーネ
スを繰り出しかつ巻き取れるようにしたワイヤハーネス
巻取装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる請求項1に記載のワイヤハーネス巻
取装置は、構造本体およびこの構造本体に対して開閉動
する可動体のそれぞれに両端を接続してワイヤハーネス
が配索され、このワイヤハーネスを巻取ケースの内部に
回転可能に設けた巻取ドラムによって前記可動体の開閉
動に追従させて繰り出しまたは巻き取り、また前記巻取
ケースの内部に設けた巻取ばねによって前記巻取ドラム
をワイヤハーネスの巻取方向である正転方向へ回転付勢
してなっている装置であって、前記巻取ケースは、ケー
ス本体の内部中心に前記巻取ドラムを回転可能に軸支す
るドラム回転支軸を有するとともに、ドラム回転支軸の
外側同心円上に環状または円弧状に設けられてワイヤハ
ーネス繰り出し時の前記巻取ばねを内側から当接して動
作規制する第1のばね規制壁を有し、前記巻取ドラム
は、この回転中心の外側同心円上に前記第1のばね規制
壁と同一径の環状または円弧状に設けられ、その第1の
ばね規制壁と共働して前記巻取ばねを内側から当接して
動作規制する第2のばね規制壁を有することを特徴とす
る。
【0013】以上の構成から、ケース本体および巻取ド
ラムの双方に同一外径の第1,第2のばね規制壁を回転
軸線と同心円上に設けることで、それら第1,第2のば
ね規制壁を特に縮径作動時の巻取ばねに内周面から当接
させ、ばねのそれ以上の縮径動作を規制する。それによ
って、巻取ばねがケース本体および巻取ドラム間に咬み
込むのを防止する。
【0014】また、請求項2に記載のワイヤハーネス巻
取装置は、前記第1,第2のばね規制壁同士が回転軸線
上で対向方向から突き合わされ、それら両ばね規制壁を
突き合わせた高さ寸法が前記巻取ばねのばね長さにほぼ
相当するように形成したことを特徴とする。
【0015】以上の構成から、第1,第2のばね規制壁
を突き合わせた高さ寸法を前記巻取ばねのばね長さに相
当させて形成することで、巻取ばねが拡径作動するとき
も、縮径するときもばね内周面から当接させてばね全体
の動作を規制する。それにより、巻取ばねの一部がケー
ス本体および巻取ドラム間に入り込み得ないようにし
て、咬み込みを防止する。
【0016】これについてさらに詳しくは、巻取ばねの
ばね長さ寸法のほぼ半分に相当する位置に第1,第2の
ばね規制壁を突き合わせた場合、つまり第1,第2のば
ね規制壁の突き合わせ部位を中央部にすると咬み込み防
止に有効である点である。すなわち、セットされた巻取
ばねはばね長さ方向の中央部が螺旋形状となっている
が、ばね両端は直線状になる。そのため、従来はその直
線状のばね両端が突き合わせ面に平行となって咬み込み
やすかった。それを解消するため、第1,第2のばね規
制壁の突き合わせ面を中央部にして直線状のばね両端の
位置から大きく外せば、突き合わせ面へのばね咬み込み
を危惧しなくて済むということである。
【0017】また、請求項3に記載のワイヤハーネス巻
取装置は、前記ケース本体においてさらに前記第2のば
ね規制壁の外側同心円上に、ワイヤハーネス巻取時の前
記巻取ばねを外側から当接して動作規制する第3のばね
規制壁を設けたことを特徴とする。
【0018】以上の構成から、この場合、上記請求項
1,2の発明で設けた同一径の第1,第2のばね規制壁
の外側同心円上において、さらに第3のばね規制壁を設
けている。この第3のばね規制壁を巻取ばねの外周面に
当接させて、巻取ばねの特に拡径方向への動作を規制す
る。それにより、巻取ばねの無用な動きをなくし、がた
つきなどを防止する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるワイヤハー
ネス巻取装置の実施の形態について、図面に基づいて詳
細に説明する。
【0020】図1および図2は、本例のワイヤハーネス
巻取装置10を示す透視斜視図と組立斜視図である。ワ
イヤハーネス20は、複数本の電線を束ねたり撚ったり
した組み電線を保護チューブ21で被覆保護してなって
いるもので、構造本体に対して可動体が開閉動作する場
合に、その構造本体と可動体との間に渡って配索して電
気的に接続する。
【0021】上記構造本体が、たとえば自動車のアッパ
ーバックパネルのごときボディ・パネルである場合、ワ
イヤハーネス20の一端側の電線端22がブラケット形
状のクリップ24を介してそのアッパーバックパネルの
電気回路に接続される。また、上記可動体がたとえばラ
ゲージドア(通称トランクルームドア)である場合、ワ
イヤハーネス20の他端側の電線端23を樹脂モールド
クリップ25を介してそのラゲージドアの電気回路に接
続して配索される。
【0022】ワイヤハーネス巻取装置10は、アッパー
バックパネルとの間に配索済みのワイヤハーネス20に
後付けして組み込むことができ、配索済みワイヤハーネ
ス20の途中余長部をラゲージドアの開閉動作に連動さ
せて長く繰り出し、また巻き戻せるようになっている。
【0023】図3以下の各図に示すように、本装置10
の本体を構成する巻取ケース11は、円筒形状のケース
本体12とこれに弾性凹凸嵌合などして結合されるケー
ス蓋13を有し、内部に巻取ドラム14および巻取ばね
15などを収容している。
【0024】まず、ケース本体12は、円筒形状の周壁
12aによって囲まれる内部中心位置にドラム回転支軸
12bが立ち上げられ、この同心円の内外二重に環状の
ばね当て内板(第1のばね規制壁)12cと略半円形の
ばね当て外板(第3のばね規制壁)12dが形成されて
いる。また、ケース本体12自体はドラム回転支軸12
bに嵌合させたロッド16を介して構造本体であるたと
えば上記アッパーバックパネルに固定して取り付けるこ
とができる。さらに、このケース本体12では、周壁1
2aの一部を開口する形で外側に突出した断面コ字形状
のハーネス繰り出し口部12fが設けられている。
【0025】ケース蓋13は、ケース本体12の周縁1
2aに凹凸嵌合などさせて組み立てられる。このケース
蓋13では、外部表面のほぼ中心位置から突出してハー
ネス係止口部13aが設けられ、また外周縁の一部から
外側に突出して断面コ字形状のハーネス繰り出し口部1
3bが設けられている。このハーネス繰り出し口部13
bは上記ケース本体12に設けたハーネス繰り出し口部
12fと上下に合わさって結合される。さらに、ケース
蓋13の中心から外部に突出して軸受部13cが設けら
れている。
【0026】これらケース本体12とケース蓋13から
なる巻取ケース11の内部に、ワイヤハーネス20を繰
り出しかつ巻き戻すための巻取ドラム14が収容され、
さらにこの巻取ドラム14とケース本体12との間にコ
イルばねによる巻取ばね15が装着されている。巻取ば
ね15は、これに抗して上記ハーネス繰り出し口部12
f,13bから繰り出されたワイヤハーネス20を巻き
戻す方向へ巻取ドラム14を正回転方向へ復帰付勢して
いる。
【0027】図4に示すように、巻取ドラム14は、ド
ラム胴部14aの中心軸上に筒状の軸受ボス14bが設
けられ、この軸受ボス14bを上記ケース本体12側の
ドラム回転支軸12bに嵌合させて回転可能に支持され
ている。軸受ボス14bは外側からケース本体12側に
設けた環状のボス受12eによって受け止められてい
る。また、ドラム胴部14aの外周に沿って断面凹溝状
の巻取溝部14cが形成され、ここにワイヤハーネス2
0を巻き付けるようになっている。さらに、ドラム胴部
14aの内面適所には巻取ばね15の両端部15a,1
5bを係止するためのばね止め14dが突起形状に設け
られている。
【0028】また、かかる巻取ドラム14では、軸受ボ
ス14bの外側の同心円上に円筒状の本発明の要旨部で
あるばね当て内板(第2のばね規制壁)14eが設けら
れている。この円筒状のばね当て内板14eの外周径
は、上記ケース本体12に設けたばね当て内板(第1の
ばね規制壁)12cの外周径と同一の寸法dに形成され
ている。また、これらばね当て内板14e,12cの立
ち上がり高さ寸法はほぼ同一で寸法hに形成され、双方
の高さhを加えて巻取ばね15のばね高さHとほぼ同一
となるように設定されている。
【0029】次に、以上の構成による本実施の形態のワ
イヤハーネス巻取装置10について、たとえば自動車の
アッパーバックパネルおよびラゲージドア間に配索済み
のワイヤハーネス20に後付けして組み込む場合の動作
および作用について説明する。
【0030】図1および図2に示されているように、ワ
イヤハーネス20は、一端側の電線端22をクリップ2
4を介してアッパーバックパネルに接続し、他端側の電
線端23をクリップ25を介してラゲージドアに接続し
て配索されている。
【0031】そうした配索済みのワイヤハーネス20の
途中余長部を利用して、その任意の位置に本巻取装置1
0が後付けして組み込まれるが、それに臨んで巻取ケー
ス11ではケース本体12からケース蓋13を取り外し
て巻取ドラム14を開放状態にする。巻取ドラム14の
巻取溝部14cにワイヤハーネス20の途中の余長部を
巻き付ける。
【0032】この巻き付けたワイヤハーネス20の一端
側の電線端22は巻取ドラム14のハーネス引き出し凹
部14fに捻って通し、さらにケース蓋13のハーネス
係止口部13aから外部に引き出した形にする。そこか
ら引き出された一端側のハーネス長さ部分は、その先端
の電線端22で前述のようにクリップ24を介して係止
され、アッパーバックパネル側の電気回路に接続されて
いる。
【0033】それに対し、ワイヤハーネス20の他端側
の電線端23は、ケース本体12とケース蓋13の双方
の合わさったハーネス繰り出し口部12f,13bから
外部に引き出した形にする。そこから引き出された他側
のハーネス長さ部分は、その先端の電線端23で前述の
ようにクリップ25を介して係止され、ラゲージドア側
の電気回路に接続されている。そのようにしてワイヤハ
ーネス20の途中の余長部を巻取ドラム14に巻き付け
た後、ケース蓋13をケース本体12に弾性凹凸嵌合さ
せて組み立てる。
【0034】実機装着後の使用に際し、ラゲージドアが
閉じられている場合、ワイヤハーネス20の長さの大部
分は巻取ケース11内で巻取ドラム14に巻き取られて
収容されている。
【0035】図5(a),(b)は、作動前のハーネス
巻取収容状態を示している。このとき巻取ばね15は通
常時のばね径となっており、ばね内外周面がばね当て内
板12c,14eの外周面と、ばね当て外板12dの内
周面にそれぞれ当接している。それにより、ばね中心軸
のずれなど無用な動きを規制する。
【0036】この状態からラゲージドアが開けられる
と、そのドア開き動作に追従してワイヤハーネス20が
他端側の電線端23から引っ張られる。その引張力によ
ってワイヤハーネス20が巻取ケース11のハーネス繰
り出し口部12f,13bから引き出され、巻取ドラム
14が巻取ばね15に抗して逆回転して必要な長さだけ
ワイヤハーネス20を繰り出す。巻取ばね15はそのハ
ーネス繰り出し力によって縮径作動する。
【0037】図6(a),(b)は、このハーネス繰り
出し作動中の状態を示している。巻取ばね15はハーネ
ス繰り出し力で圧縮されて縮径し、そのばね内周面がケ
ース本体12と巻取ドラム14の双方のばね当て内板1
2c,14eの外周面に当接する。それにより、巻取ば
ね15がそれ以上縮径する動作を規制する。
【0038】その際、ケース本体12および巻取ドラム
14の双方のばね当て内板12c,14eは互いに上下
から突き合わさって高さ寸法h+hの円筒壁を形成す
る。そうした円筒壁の高さは巻取ばね15のばね高さ寸
法Hとほぼ同等であるから、円筒壁が邪魔して特に縮径
作動中の巻取ばね15がそれ以上縮径してドラム回転支
軸12bと軸受ボス14bとの回転軸周りに近づくのを
阻止する。それにより、巻取ばね15が咬み込んで巻取
ドラム14の回転を阻害するのを防ぐ。
【0039】すなわち、高さ寸法h+hの円筒壁を形成
するばね当て内板12c,14eは互いに上下から突き
合わさり、その突き合わせ面は巻取ばね15のばね高さ
寸法Hのほぼ半分に相当する個所であるから、セットさ
れた巻取ばね15の直線状となっているばね両端が全く
位置の異なるばね当て内板12c,14eの突き合わせ
面に平行に揃って咬み込むことはあり得ない。
【0040】このようにして、ハーネス繰り出し中およ
び巻き戻し中のいずれの状態にあっても、巻取ばね15
の動きが好適に規制されるので、ばねのばたつきは封じ
られ、また巻取ドラム14の円滑な回転動作を可能とす
る。
【0041】なお、本例では、ワイヤハーネス巻取装置
10を配索済みワイヤハーネス20に後付けで組み込
み、それをアッパーバックパネル30およびラゲージド
ア31間で配索した例を示したが、むろんアッパーバッ
クパネル30およびラゲージドア31に限らず、ハッチ
バックなどのドア周りへの適用も可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる請
求項1に記載のワイヤハーネス巻取装置は、ケース本体
および巻取ドラムの双方に同一外径の第1,第2のばね
規制壁を回転軸線と同心円上に設けることで、それら第
1,第2のばね規制壁を特に縮径作動時の巻取ばねに内
周面から当接させ、ばねのそれ以上の縮径動作を規制す
る。それによって、巻取ばねがケース本体および巻取ド
ラム間に咬み込むのを防止し、ワイヤハーネスを円滑に
繰り出したり、また巻き戻したりできる。
【0043】また、請求項2に記載のワイヤハーネス巻
取装置は、第1,第2のばね規制壁を突き合わせた高さ
寸法を前記巻取ばねのばね長さに相当させて形成するこ
とで、巻取ばねが拡径作動するときも、縮径するときも
ばね内周面から当接させてばね全体の動作を規制する。
それにより、巻取ばねの一部がケース本体および巻取ド
ラム間に入り込み得ないようにして、咬み込みを防止す
る。
【0044】また、請求項3に記載のワイヤハーネス巻
取装置は、請求項1,2の発明で設けた同一径の第1,
第2のばね規制壁の外側同心円上において、さらに第3
のばね規制壁を設けることにより、この第3のばね規制
壁を巻取ばねの外周面に当接させて、巻取ばねの特に拡
径方向への動作を規制する。それにより、巻取ばねの無
用な動きをなくし、がたつきなどを有効に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態のワイヤハーネス巻
取装置の一部透視した斜視図である。
【図2】本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の組立
斜視図である。
【図3】本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の分解
斜視図である。
【図4】本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の分解
断面図である。
【図5】同図(a),(b)は、本実施の形態のワイヤ
ハーネス巻取装置においてハーネス巻取時の巻取ばねの
態様を示す平面断面図と側面断面図である。
【図6】同図(a),(b)は、本実施の形態のワイヤ
ハーネス巻取装置においてハーネス繰り出し作動時の巻
取ばねの態様を示す平面断面図と側面断面図である。
【図7】従来例のワイヤハーネス巻取装置の分解断面図
である。
【図8】従来例のワイヤハーネス巻取装置において巻取
ばねが巻取ドラム周りに咬み込む態様を示す組立断面図
である。
【符号の説明】
10 ワイヤハーネス巻取装置 11 巻取ケース 12 ケース本体 12b ドラム回転支軸 12c ばね当て内板(第1のばね規制壁) 12d ばね当て外板(第3のばね規制壁) 13 ケース蓋 13a ハーネス繰り出し口部 13b ハーネス係止口部 14 巻取ドラム 14b 軸受ボス 14c 巻取溝部 14e ばね当て内板(第2のばね規制壁) 15 巻取ばね 20 ワイヤハーネス 21 保護チューブ 22 一端側の電線端 23 他端側の電線端

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造本体およびこの構造本体に対して開
    閉動する可動体のそれぞれに両端を接続してワイヤハー
    ネスが配索され、このワイヤハーネスを巻取ケースの内
    部に回転可能に設けた巻取ドラムによって前記可動体の
    開閉動に追従させて繰り出しまたは巻き取り、また前記
    巻取ケースの内部に設けた巻取ばねによって前記巻取ド
    ラムをワイヤハーネスの巻取方向である正転方向へ回転
    付勢してなっているワイヤハーネス巻取装置であって、 前記巻取ケースは、ケース本体の内部中心に前記巻取ド
    ラムを回転可能に軸支するドラム回転支軸を有するとと
    もに、ドラム回転支軸の外側同心円上に環状または円弧
    状に設けられてワイヤハーネス繰り出し時の前記巻取ば
    ねに内周側から当接して動作規制する第1のばね規制壁
    を有し、 前記巻取ドラムは、この回転中心の外側同心円上に前記
    第1のばね規制壁と同一径の環状または円弧状に設けら
    れ、その第1のばね規制壁と共働して前記巻取ばねに内
    周側から当接して動作規制する第2のばね規制壁を有す
    る、ことを特徴とするワイヤハーネス巻取装置。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2のばね規制壁同士が回転
    軸線上で対向方向から突き合わされ、それら両ばね規制
    壁を突き合わせた高さ寸法が前記巻取ばねのばね長さに
    ほぼ相当するように形成したことを特徴とする請求項1
    に記載のワイヤハーネス巻取装置。
  3. 【請求項3】 前記ケース本体においてさらに前記第2
    のばね規制壁の外側同心円上に、ワイヤハーネス巻取時
    の前記巻取ばねを外周側から当接して動作規制する第3
    のばね規制壁を設けたことを特徴とする請求項1または
    2に記載のワイヤハーネス巻取装置。
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