JP2001168604A - 非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置 - Google Patents

非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置

Info

Publication number
JP2001168604A
JP2001168604A JP34844599A JP34844599A JP2001168604A JP 2001168604 A JP2001168604 A JP 2001168604A JP 34844599 A JP34844599 A JP 34844599A JP 34844599 A JP34844599 A JP 34844599A JP 2001168604 A JP2001168604 A JP 2001168604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
strip line
strip
lines
reciprocal circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34844599A
Other languages
English (en)
Inventor
Kengo Shiiba
健吾 椎葉
Munenori Fujimura
宗範 藤村
Hitoshi Uchi
仁志 内
Shuichiro Yamaguchi
修一郎 山口
Takayuki Takeuchi
孝之 竹内
Yasuhiko Horio
泰彦 堀尾
Hiroshi Kono
浩志 河野
Hiromi Tokunaga
裕美 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP34844599A priority Critical patent/JP2001168604A/ja
Priority to KR1020000011473A priority patent/KR20000062780A/ko
Priority to SE0000769A priority patent/SE524748C2/sv
Priority to DE10011174A priority patent/DE10011174A1/de
Priority to CNB001041185A priority patent/CN1181595C/zh
Priority to US09/522,233 priority patent/US6850751B1/en
Publication of JP2001168604A publication Critical patent/JP2001168604A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主にマイクロ波帯において使用される自動車
電話、携帯電話などの移動体通信機器に用いられる集中
定数型アイソレータにおいて、特性のばらつきが少な
く、生産性の良い非可逆回路素子及び製造方法及び無線
端末装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ストリップ線路2,3,4を予め個別に
作製し、そのストリップ線路を所定の角度にポリイミド
円板100,101,102を介して積層してストリッ
プ線路集合体を構成し、ストリップ線路集合体1をフェ
ライト基板に設ける際に、ストリップ線路2,3,4に
設けられた接地円板2b,3b,4bをフェライト基板
上に重畳しないように設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主にマイクロ波帯に
おいて使用される自動車電話、携帯電話などの移動体通
信機器に用いられる非可逆回路素子及び製造方法及び無
線端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集中定数型アイソレータは小型で構成で
きることから、移動体通信機器の端末機に早くから使用
されてきた。アイソレータは、移動体通信機器の送信段
においてパワーアンプとアンテナの間に配置され、パワ
ーアンプへの不要信号の逆流を防ぐ、パワーアンプの負
荷側のインピーダンスを安定させる等の目的で用いられ
ている。最近の移動体通信機器の急激な小型化により、
アイソレータ自体の小型化とバッテリー消費を抑制する
ための低ロス化が強く要請されいる。
【0003】現在携帯電話等の端末機に広く利用されて
いる集中定数型アイソレータの一般的な構成について図
19を用いて簡単に説明する。電気的に絶縁され略12
0度の角度で交差し重ね合わされた3組のストリップ線
路61a,61b,61cが、フェライト円板62に近
接配置され、前記フェライトを磁化するための磁石63
が前記フェライトに対向して配置される。ストリップ線
路61a,61b,61cにはそれぞれコンデンサ64
a,64b,64cが並列に付加され、61a,61b
については入出力端子65a,65bに、61cについ
ては終端抵抗66に接続される。また、それぞれのスト
リップ線路の他端は共通の接地円板67に接続され、接
地円板67は前記3個のコンデンサ64a,64b,6
4cと抵抗66の接地側電極とともに接地フレーム60
に電気的に接続される。また、接地フレーム60は外部
接続用の接地端子を備えた下ケース69に電気的に接続
される。さらに、前記下ケース69とともに、前記フェ
ライト62及び前記磁石63を内包し磁気回路の一部を
構成する上ケース68が図のように構成される。従来3
組のストリップ線路は図7に抽出したように、それぞれ
のストリップ線路が略120度で交差するようにすべて
のストリップ線路がフェライト円板上でストレートに構
成されていた。なお、図示していないが各ストリップ線
路は絶縁シートなどを挟み込んで互いに電気的に接触し
ない様に構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近のアイソレータの
小型、低損失化要請に伴い、アイソレータの組立精度の
高精度化、すなわち特性の安定した、ばらつきの小さな
アイソレータの組立工法が必要となってきた。しかしな
がら、従来のストリップ線路の共通の接地円板上にフェ
ライトを載置し、このフェライトを包み込むように、近
接して、3組のストリップ線路を絶縁部材を挟み込みな
がら、略120度の所望の交差角度で折り曲げ加工する
ことは、要求される交差角度の精度(略±1〜3度)を
安定に、ばらつき無く実現することには限界があった。
【0005】本発明は、前記従来の課題を解決するた
め、小型、低損失でばらつきの小さい非可逆回路素子及
び製造方法及び無線端末装置を安定して容易に提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のストリ
ップ線路を複数に分割すると共に、そのストリップ線路
を所定の角度で積層固定してストリップ線路集合体を作
製し、そのストリップ線路集合体を基板の一方の面に積
層部を配置し、基板の他方の面において、互いに重畳し
ないように基板に取り付けた。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、磁性を有
する基板と、前記基板に対向して設けられ前記基板に磁
界を印可する磁石と、前記基板の近傍に設けられ、複数
のストリップ線路を電気的に非接触となるように絶縁さ
れて積層されたストリップ線路集合体と、前記ストリッ
プ線路集合体と接続されるコンデンサとを備えた非可逆
回路素子であって、前記複数のストリップ線路は基板の
一方の面で絶縁体を介して積層され、しかも前記基板の
他方の面では、互いに重畳しないように前記基板に取り
付けられたことによって、精度良く各ストリップ線路間
の角度を決めることができるので、特性のばらつきを非
常に小さくすることができ、しかも生産性が向上する。
【0008】請求項2記載の発明は、複数のストリップ
線路は、それぞれ個別に作製されており、各ストリップ
線路は、端子と接地部及び、端子と接地部の間の線路部
を有しており、前記線路部は基板の一面で絶縁されて積
層されており、前記接地部は前記基板の他方の面におい
て、互いに重畳しないように取り付けられている事を特
徴とする請求項1記載の非可逆回路素子とする事によっ
て、精度良く各ストリップ線路間の角度を決めることが
できるので、特性のばらつきを非常に小さくすることが
でき、しかも生産性が向上する。
【0009】請求項3記載の発明は、磁性を有する基板
と、前記基板に対向して設けられ前記基板に磁界を印可
する磁石と、前記基板の近傍に設けられ、複数のストリ
ップ線路を電気的に非接触となるように絶縁されて積層
されたストリップ線路集合体と、前記ストリップ線路集
合体と接続されるコンデンサと、上記各構成部材を収納
するケースとを備えた非可逆回路素子の製造方法であっ
て、第1のストリップ線路上に第1の絶縁部材を設けて
第2のストリップ線路を前記第1のストリップ線路と所
定の角度を持って積層し、前記第2のストリップ線路の
上に第2の絶縁部材を設けて第3のストリップ線路を前
記第1,2のストリップ線路と所定の角度を持って積層
してストリップ線路集合体を形成し、その後前記基板の
一面で前記ストリップ線路集合体の積層部分を配置する
と共に、前記基板の他方の面で各ストリップ線路が重畳
しないように、前記ストリップ線路集合体を前記基板に
取り付け、更に、上記各構成部品をケース内に収納した
事によって、精度良く各ストリップ線路間の角度を決め
ることができるので、特性のばらつきを非常に小さくす
ることができ、しかも生産性が向上する。、請求項4記
載の発明は、表示手段と、データ信号もしくは音声信号
の少なくとも一方を送信信号に変換するか受信信号をデ
ータ信号もしくは音声信号の少なくとも一方に変換する
変換手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信す
るアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた無線端
末装置であって、アンテナと変換手段の間に請求項1,
2いずれか1記載の非可逆回路素子を設けたこと省電力
を実現でき、しかも広い周波数帯域に対応させることが
できる。
【0010】以下、本実施の形態について説明する。
【0011】なお、前段で本実施の形態が適応できる非
可逆回路素子及び集中定数型アイソレータについて説明
し、後段で本実施の形態の特徴点について説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態における非可
逆回路素子を示す分解斜視図である。
【0013】図1において、1はストリップ線路集合体
で、ストリップ線路集合体1は複数のストリップ線路
2,3,4で構成されている。また、ストリップ線路
2,3,4の端部には端子2a,3a,4aがそれぞれ
設けられている。
【0014】5はストリップ線路集合体1を巻き付けた
フェライト基板、6はフェライト基板5に磁界を印可す
る磁石、7は下ケースで、下ケース7には絶縁物8が設
けられているとともにコンデンサ9,10,11それぞ
れが実装され、下ケース7にはコンデンサ9,10,1
1それぞれの少なくとも一方の電極が電気的に接合され
ている。
【0015】コンデンサ9,10,11の他方の電極に
は端子2a,3a,4aがそれぞれ接合されている。
【0016】12は端子ベースで、端子ベース12には
端子13,14が設けられており、この端子13,14
にはそれぞれ端子2a,3aがそれぞれ電気的に接続さ
れる。
【0017】また、7は断面コ字型の下ケース、16は
片側開放のケースである。
【0018】上記構成において、下ケース7に抵抗器1
7の一方の電極を接合し、他方の電極に端子4aを接続
させる事によって、集中定数型アイソレータを構成する
ことができる。
【0019】上記非可逆回路素子の組立としては、ま
ず、フェライト基板5にストリップ線路集合体1を覆う
ように巻き付け、そのフェライト基板5の一面を下ケー
ス7に当接させる。また、下ケース7に一方の電極を接
合したコンデンサ9,10,11を実装し、コンデンサ
9,10,11の他方の電極に端子2a,3a,4aを
それぞれ接合する。端子13,14には端子2a,3a
を接続し、しかも端子ベース12の貫通穴15にストリ
ップ線路集合体1を覆うように巻き付けたフェライト基
板5を囲み込む様に取り付け端子ベース12により、コ
ンデンサ9,10,11の他方の電極に端子2a,3
a,4aをそれぞれ接合下部分を押さえるように下ケー
ス7に接合固定される。
【0020】上記各構成部材と磁石6をケース7,16
で囲って、非可逆回路素子が組み立てられる。
【0021】以下、各構成について、詳細に説明する。
【0022】まず、ストリップ線路集合体1について説
明する。
【0023】図2に示すように、ストリップ線路集合体
1は、銅,金,銀等の金属材料を所定形状のシート状体
に形成することが好ましく、特に銅或いは銅合金或いは
銅に所定量の添加物を添加したものを用いることが、電
気特性,加工性,コストの各面で非常に有利になる。な
お、本実施の形態では、ストリップ線路集合体1をシー
ト状体として構成したが、線状体でもよい。なお、図2
に示すように、一対のストリップ線路4を拡張させると
ともに、互いに非平行にする事で、特性を向上させる事
ができる。この一対のストリップ線路を拡張させ、しか
も互いに非平行にする構成については、後述する。
【0024】更に、ストリップ線路2,3,4はそれぞ
れ別体で構成されている。
【0025】また、本実施の形態では、ストリップ線路
集合体1をフェライト基板5に巻き付けて配置すること
で、省スペース化を図ることができるが、フェライト基
板5の一方の面に絶縁シートなどを挿入した後、近接さ
せるなどの構成を取ることも可能である。
【0026】なお、図示していないが、ストリップ線路
2,3,4それぞれの間には、絶縁シートが設けられて
おり、電気的に絶縁されている。このとき、絶縁シート
の形状は、円形、多角形などの他、ストリップ線路間の
絶縁が確保される形状であればどのような形であっても
良い。
【0027】また、具体的には、ストリップ線路集合体
1としては、圧延銅箔(25μm〜60μm)を用いる
ことが好ましく、25μm以下であると、断線などが起
こりやすくなり、生産性等が悪くなり、60μm以上で
あると、薄型に不向きとなる。また、前記圧延銅箔に
銀,金などの導電性金属材料を厚さ1μm〜5μmでメ
ッキすることが好ましく、この様に構成することで、ス
トリップ線路集合体1の表面の導電性を向上させる事が
でき、挿入損失の低減などの電気的特性を向上させるこ
とができる。
【0028】次に、フェライト基板5について説明す
る。
【0029】フェライト基板5は、円板状,方形板状,
楕円板状,多角形板状等の形を取ることができ、特性面
等から判断すると、円板状または、六角形板状であるこ
とが好ましい。
【0030】また、フェライト基板5はFe,Y,A
l,Gdなどを含んだ磁性材料であることが好ましい。
【0031】フェライト基板5に、ストリップ線路集合
体1を巻回する場合には、角部に所定の面取りを施すこ
とが、ストリップ線路集合体1の断線や、フェライト基
板5との擦れによる特性劣化等を抑える事ができる。
【0032】フェライト基板5の大きさとしては、厚み
として0.2mm〜0.8mm(好ましくは0.3mm
〜0.6mm)とすることが、特性面強度面から見て好
ましく、例えば、フェライト基板5を円板状とすると、
直径は1.6mm〜3.5mm(好ましくは2.5mm
〜2.9mm)とする事が、小型化や特性面から見て好
ましい。
【0033】また、フェライト基板5の両主面には、研
磨加工などを施す事によって、所定の厚みに形成した
り、特性のばらつきを抑えることができる。
【0034】次に磁石6について説明する。
【0035】磁石6は十分にフェライト基板5に磁界を
印可できる程の磁力を有する事が好ましく、特に好まし
い材料としては配向性Sr系フェライトを用いることが
好ましい。
【0036】更に、磁石6の大きさとしては、フェライ
ト基板5より大きいことが好ましく、更に、磁石6の投
影面積内にフェライト基板5が収納されることが好まし
い。特に好ましいのは、磁石6の中心とフェライト基板
5の中心を一致させるように、配置する事が均一に磁界
をフェライト基板5に印可できるので、最も特性面から
見て好ましい。
【0037】磁石6の具体的な、形状としては、円板
状,方形板状,楕円板状,多角形板状等の形を取ること
ができ、特に、フェライト基板5が円板状である場合に
は、方形板状とすることが、均一な磁界をフェライト基
板5に加えることができ、しかも位置決めなどが行いや
すいので好ましい。
【0038】磁石6の厚さとしては、0.3mm〜1.
5mmとすることが、薄型化や磁界の強さから見て好ま
しい。
【0039】次に、下ケース7について説明する。
【0040】下ケース7は一般的に導電性の良い金属材
料で構成されており、特に好ましくは、銅,銀,鉄等を
含む導電性の良い磁性金属基板が好適に用いられ、更
に、この金属基板上に、銀,金等の導電性の良い金属材
料をメッキなどで1μm〜5μm形成することが電気特
性や、他の部品との接合性の面から見て好ましい。
【0041】また、下ケース7に設けられている絶縁物
8は、抵抗器17のホット端子側及びコンデンサ9,1
0が下ケース7に近接する側面の下ケースに形成する。
この絶縁物は粘着性のシートあるいは非粘着性のシート
あるいは熱硬化性樹脂などの絶縁材料を印刷などの少な
くとも1方法で構成することが好ましい。
【0042】次に、コンデンサ9,10,11(以下コ
ンデンサ群と略す)について説明する。
【0043】また、コンデンサ群を構成するコンデンサ
の誘電体基板の誘電率は80以上であることが望まし
く、誘電率を80以上とすることで、コンデンサ9,1
0,11を薄く形成することができ、素子の小型化を行
うことができる。
【0044】また、誘電体基板の両面に形成される電極
としては、金,銅,銀,ニッケルの内少なくとも一つか
ら選ばれる電極材料で構成される。
【0045】また、コンデンサ群の外形形状は、好まし
くは方形状とすることが実装の面や位置決めの点で有利
になる。また、コンデンサ群の外形形状としては、円形
や楕円形状としてもよい。
【0046】次に、端子ベース12について説明する。
【0047】端子ベース12の特徴は、端子ベース12
に貫通孔15を設け、その貫通孔の中に、フェライト基
板5及び磁石6を収納することによって、端子ベース1
2がフェライト基板5及び磁石6を囲うように設け、図
1に示すように磁石6を固定する事ができる様に構成さ
れ、かつストリップ線路集合体3とコンデンサ9,1
0,11の接合部、抵抗器17の接合部を押さえること
により新たに各部を押さえるための押さえ部材を必要と
せず装置の小型化を行うことができる。また、図4に示
すように、貫通孔15を段付きにすることによって、確
実にフェライト基板5と磁石の位置決めなどを正確にし
かも簡単に行うことができる。さらに端子ベース12に
入出力用の端子13,14をインサートしたことによ
り、より小型化ができ、製造が容易になる。
【0048】端子ベース12は樹脂(エポキシ樹脂,液
晶ポリマー等),セラミック等の非導電材料にインサー
ト成型などを利用して端子13,14を設けた構成とな
っている。端子13,14はリン青銅,真鍮などの導電
性材料で構成され、この導電性材料の上に銀等の両導体
でメッキ処理を施すことが好ましい。
【0049】また、端子ベース12は、接合材などで他
の回路基板上に実装する際に、熱が加えられる可能性が
高いので、好ましくは耐熱性を有する材質で構成するこ
とが好ましい。具体的には250℃以上(好ましくは2
90℃以上)の耐熱性を有する事が好ましい。
【0050】端子ベース12は図3,図4,図5に示す
ように、コンデンサ9,10と端子13,14の間に端
子2a,3aを挟むように設けられ、しかも少なくとも
下ケース7に接着材や勘合などで接合される。なお、図
1に示すように、下ケース7に端子ベース12の位置決
めを容易にできるように、凹部7aが設けられており、
この凹部7aにはまり合う突部12aは端子ベース12
に設けられている。なお、この突起12aと凹部7aの
関係は逆にしても良い。すなわち、端子ベース12に凹
部を設け、下ケース7に突起を設ける構成としても良
い。
【0051】また、好ましくは端子ベース12には、端
子13,14以外の端子及び電極パターンなどを設けな
い方が、更に端子ベース12を小型軽量化することがで
きる。
【0052】又、本実施の形態では、樹脂などで構成さ
れた端子ベース12にインサート成型などで端子13,
14を設けたが、端子13,14を端子ベース12に接
着材などで接着する構成としても良いし、端子ベース1
2に係止部等を設け、その係止部を変形させて機械的に
端子13,14を固定する方法でも良く、この場合には
更に接着材などを用いて確実に固定しても良い。更に、
本実施の形態では、端子13,14を金属などの導電材
で構成された板状体に曲げ加工などを施したが、端子ベ
ース12上にメッキやスパッタ法などの薄膜形成技術に
て、薄膜で端子13,14を形成しても良く、この場合
に、端子13,14は端子ベース12の表面に形成した
り、或いは、端子ベース12の内部に端子13,14を
形成し、一部を端子ベース12の表面に露出させる構成
としても良い。
【0053】次に下ケース7,ケース16について説明
する。
【0054】下ケース7は導電性を有する金属材料など
で構成することが好ましく、本実施の形態では、圧延鋼
板を用いた。更に電気特性を向上できるように、圧延鋼
板上に銀,銅等の金属材料で構成されるメッキ膜を1〜
5μmで形成することが好ましい。又、下ケース7には
前述した突起7aの他に他端部に突起7b,7c,7
d,7eが設けられており、この突起7b〜7eはアー
ス端子として用いても良い。
【0055】下ケース7にはストリップ線路集合体1
が、はんだ、導電ペーストなどの導電性接合材等によっ
て接合されている。
【0056】下ケース7は、断面略コ字型に形成されて
いるおり、しかも調整用の窓等は形成されていない。
【0057】また、ケース16も同じ様な材料で構成さ
れ、しかも調整用の窓等は設けられていない。
【0058】ケース16には少なくとも磁石6が接合材
によって接着あるいは端子ベース12とともに内装され
ている。
【0059】(ストリップ線路集合体1の変形例)以
下、ストリップ線路集合体1に関して、変形例につい
て、詳細に説明する。
【0060】(サンプル1)図5において、5はフェラ
イト円板、1はフェライト円板5を囲むように構成され
たストリップ線路集合体で、ストリップ線路集合体1は
ストリップ線路2,3,4で構成されている。ストリッ
プ線路2,3,4はフェライト円板5の裏面,側面(図
示せず)によって折り曲げられ、フェライト円板5の表
面上にて互いに交差する構成となっている。
【0061】また、ストリップ線路2,3,4はそれぞ
れ、一対の線路を一つのストリップ線路として構成され
ているが、複数の線路で構成されるストリップ線路であ
ればよい。
【0062】図5に示すように少なくとも一つのストリ
ップ線路4に対して、非平行な部分を設ける事を特徴と
する。すなわち、図5に示すように、ストリップ線路4
を構成する2つの線路が互いに非平行となる部分を設け
る点で従来と異なる。この様な構成によって、非常に低
損失でしかも広帯域な通過特性を有する非可逆性素子を
得ることができる。
【0063】又、好ましくは、図5に示すように、スト
リップ線路4の幅を広げるように非平行にすること(略
菱形状)が好ましく、具体的には、ストリップ線路4を
構成する2つの線路を外方に膨らむように屈曲部Z1
(円弧状屈曲部あるいは角部を有する屈曲部など)を設
けた構成とすることで、ストリップ線路4の幅を広げる
ようにする。この様に、ストリップ線路4の幅が広がる
ように線路を互いに非平行にすることで、最も好ましい
低損失と広帯域の通過を有することになる。
【0064】また、図5では、ストリップ線路4とスト
リップ線路3の交差角度を110度とし、同様にストリ
ップ線路4とストリップ線路2の交差角度を110度と
している。この交差角度は、ストリップ線路4と他のス
トリップ線路の交差部C1〜C8において、ほぼ110
度の角度で交差するように構成することが、特性の面で
は最も好ましいが、多少交差角度がばらついてもある程
度許容される範囲が存在する。交差部C1〜C8の最大
角度と最小角度の差を30度以内、好ましくは10度以
内、更に好ましくは5度以内とすることが望ましい。
【0065】(サンプル2)図6は他の実施の形態を示
すもので、略菱形状のストリップ線路4を他のストリッ
プ線路2,3と交差させる点については、図5に示すも
のとほとんど同じであるが、交差角度を90度とした点
で異なる。本実施の形態の様に、交差角度を略90度と
する事によって、最も優れた広帯域の通過特性を示して
おり、好ましくは交差角度を90度±10度に設定する
事が好ましい。
【0066】(サンプル3)図7は他の実施の形態を示
すもので、略菱形状のストリップ線路4を他のストリッ
プ線路2,3と交差させる点については、図1に示すも
のとほとんど同じであるが、交差角度を70度とした点
で異なる。
【0067】(サンプル4)図8は他の実施の形態を示
すもので、図5と異なるところは、ストリップ線路4を
円状或いは楕円状等の円弧状形状とし、他のストリップ
線路2,3と交差させている点である。この場合、例え
ば、ストリップ線路4を構成する一つの線路とストリッ
プ線路2を構成する2つの線路との交差角度が例えば8
5度と105度で異なっており、ストリップ線路4の前
記一つの線路とストリップ線路3を構成する2つの線路
との交差角度が例えば85度と105度で異なってい
る。
【0068】(サンプル5)図9は他の実施の形態を示
すもので、図5と異なるところは、ストリップ線路4を
多角形状形状とし、他のストリップ線路2,3と交差さ
せている点である。更に図8との違いは、図8において
は、ストリップ線路を構成する一つの線路と、他のスト
リップ線路を構成する2つの線路は互いに異なる角度で
交差しているのに対しては、図9に示すものでは、スト
リップ線路4を構成する一つの線路とストリップ線路2
を構成する2つの線路との交差角は90度であるのに対
して、ストリップ線路4を構成する一つの線路とストリ
ップ線路3を構成する2つの線路との交差角は120度
である点で異なる。
【0069】(各サンプルの特性比較)図10は本発明
の一実施の形態における非可逆回路素子の周波数に対す
る損失を示すグラフを示す。本実施の形態におけるアイ
ソレータの評価としては、順方向の中心周波数における
通過損失(図10中ILmin)と帯域両端での通過損失
(図10中ILlow及びILhigh)を用いた。(表1)
に本実施の形態のストリップ線路構成を用いたアイソレ
ータと従来の技術のストリップ線路構成を用いたアイソ
レータの電気特性を比較して示した。
【0070】
【表1】
【0071】逆方向の通過特性であるアイソレーション
はいずれのアイソレータも帯域内で10dB以上の減衰
量であった。(表1)より、本発明の実施の形態による
ストリップ線路構成を用いることにより、使用周波数帯
内での通過損失特性が従来の技術のものに比べて向上し
ていることがわかる。また、本発明の実施の形態におい
ては中心周波数周辺での通過損失が従来の技術に比べて
平坦(帯域内でのリップルが小さい)になっているた
め、温度による変動にも有利であることがわかる。
【0072】サンプル5とその他の実施の形態を比較す
ることにより、すべての交差角度を70度以上120度
未満に構成することが好ましいことがわかる。
【0073】また、前記交差角度をサンプル3のように
90度を下回って小さくしていくと通過損失の最小値が
劣化してくるため、帯域内で補償できる通過損失が大き
くなってくる。したがって、前記交差角度は70度以上
で120度未満であることが好ましいことがわかる。ま
た、帯域内で補償できる通過損失が最も小さくなるのは
前記交差角度が90度近辺の場合であることもわかる。
【0074】なお本実施の形態におけるストリップ線路
の構成においては、いずれの構成も入出力端子に接続さ
れるストリップ線路の交差角度は120度としたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、入出力端子に接
続されたストリップ線路の交差角度が120度以上であ
ったり120度未満であった場合でも同様に有効であ
る。
【0075】(特性の無調整構造について)本実施の形
態では、コンデンサ9,10,11の構成材料や形状の
精度を特定の範囲内に収まるように構成したり、各部材
間の接合材の塗布量などを所定範囲内にする事によっ
て、後調整が不要な可逆回路素子を得ることができるの
で、検査工程が不要になり、生産性が向上すると共に、
従来のようにケースに、調整用のための孔をケース6,
下ケース7等に設けなくても良いので、部材の構造が簡
単になる。特に5mm(縦)×5mm(横)×2.0m
m(高さ)以下の非可逆回路素子の場合に特に有効であ
る。すなわち、小型薄型の非可逆回路素子では、調整用
の窓が小さくなり、非常に後調整が難しいからである。
つまり、コンデンサ9,10,11の電極をトリミング
したりすることは、上記小型化の中では、非常に困難で
あり、事実上不可能である。
【0076】つまり、本実施の形態の特徴としては、ケ
ース6,下ケース7に調整用の窓が無く、コンデンサ
9,10,11のトリミング痕がない事を特徴とするこ
とで、組立後の無調整の非可逆回路素子を得るこができ
る。
【0077】次に、コンデンサ9,10,11(以下コ
ンデンサ群と略す)について説明する。
【0078】全て組み上げられた非可逆回路素子を無調
整とするには、このコンデンサの精度が非常に大きく関
係することが判った。
【0079】従って、詳細にコンデンサ群について説明
する。
【0080】コンデンサ群は、誘電体基板の両主面に電
極を形成したいわゆる平行平板コンデンサを用いること
が好ましい。
【0081】コンデンサ群は1pF〜22pFの容量を
目標値として、±1.6%以内(好ましくは±0.8%
以内)のばらつきで構成することが好ましい。
【0082】例えば、コンデンサ群が皆同じ10pFが
目標値である場合には、コンデンサ群は最小で9.84
pFで、最大で10.16pFの間の容量を有するコン
デンサ群を用いることで、非可逆回路素子を組み上げた
後の後調整が不要となる可能性が非常に高くなる。
【0083】更に別な見方をすれば、コンデンサ群の容
量のばらつきが最大容量がC1最小容量がC2とする
と、Cz=(C1+C2)÷2で求められるCzが仮想
目標値であり、|C1−Cz|÷Cz×100<1.6
あるいは、|C2−Cz|÷Cz×100<1.6であ
ればよい(以下この求め方を仮想目標値による式と略
す)。
【0084】また、非可逆回路素子を集中定数型アイソ
レータとして用いる場合には、コンデンサ9,10はほ
ぼ同じ容量を得る様にし、すなわち、目標値に対して±
1.6%以内のばらつきにするか、仮想目標値による式
で求められるばらつきにする。また、コンデンサ9,1
0の容量をそれぞれC9,C10とし、抵抗器17に並
列に接続されるコンデンサ11の容量をC11とする
と、1pF<C9,C10,C11<22pFの関係を
満たすようにコンデンサ9,10,11の容量が決定さ
れる。
【0085】(鉛レス構造について)次に各部を接合す
る接合材について説明する。
【0086】各部の接合材としては、基本的に鉛を用い
ない材料で構成した。
【0087】すなわち、本実施の形態の非可逆回路素子
の中には0.005g以下好ましくは0.001g以下
しか鉛成分は存在しないように構成することで、この素
子を有する電子機器などを解体分別するときに、僅かし
か鉛が存在しないか全く存在しないので、環境に非常に
よいものとなる。
【0088】接合材等を用いる箇所としては、ストリッ
プ線路集合体とコンデンサの間、コンデンサとベースの
間、ケースとストリップ線路集合体の間、端子ベースの
端子と端子の間、抵抗と端子及びベースとの間等が考え
られる。
【0089】具体的な、接合材としては、Sn単体、あ
るいはSnにAg,Cu,Zn,Bi,Inの少なくと
も一つを含んだいわゆる鉛フリー半田を用いる。この様
な接合材を各所に用いることによって、素子内における
鉛の含有量をほとんど0にする事ができる。
【0090】なお、上記は接合材についてのみ説明した
が、素子に用いられる部材を構成する材料などにも実質
的に鉛を含まないような材料とすることが好ましい。
【0091】(実施の形態の特徴点)以上のように構成
された非可逆回路素子或いはアイソレータについて、本
実施の形態の特徴点について、説明する。
【0092】(実施の形態1)図11において、100
は、例えば熱圧着が可能なエポキシ樹脂を少なくとも紙
面表面側に塗布した絶縁用のポリイミド円板であり、こ
のポリイミド円板100の上に略3等分された接地円板
4bを有するストリップ線路4を載置する。
【0093】この上にさらに、ポリイミド円板100と
同様の熱圧着が可能なエポキシ樹脂を塗布した絶縁用の
ポリイミド円板101を載置し、略3等分された接地円
板3bを有するストリップ線路3を載置する。そして、
さらに、ポリイミド円板100,101と同様の熱圧着
が可能なエポキシ樹脂を塗布した絶縁用のポリイミド円
板10cを載置し、略3等分された接地円板2bを有す
るストリップ線路2を載置する。
【0094】次に、図12に示すようにこの積み上げら
れた3組のポリイミド板とストリップ線路を、熱圧着加
工して一体化されたストリップ線路集合体1にする。こ
のストリップ線路集合体1の上にフェライト基板5を載
置し、略3等分された接地円板2b,3b,4bをフェ
ライト基板5に近接して、かつ、包み込むように折り曲
げ加工する。
【0095】このとき、略3等分された接地円板2b,
3b,4bが電気的に接触しても良いが重ならないよう
にフェライト基板5に対して、折り曲げ加工をすること
が特性面等で好ましく、この場合には、折り曲げ加工の
角度ばらつきが発生しても重ならないように、接地円板
2b,3b,4bの各々に隙間が生じるように、100
〜500ミクロンのスリットを設けることが好ましい。
【0096】続いて、接地円板2b,3b,4bの面が
下ケース7と対向するように下ケース7上にフェライト
基板5にストリップ線路集合体1を設けたものを載置
し、接地円板2b,3b,4bと下ケース7をはんだ付
け等により、電気的にも、機械的にも一体化させる。
【0097】この後の構成は、ストリップ線路2b,3
b,4bに、それぞれコンデンサ9,10,11が並列
に付加される。
【0098】従来3組のストリップ線路は下ケース7に
接続される接地円板から略Y字状に一体に延設されてお
り、ストリップ線路はフェライト基板5に近接して包み
込むように折り上げ、フェライト基板5の上円部に沿っ
て再び水平に、折り曲げられるように構成されていた
為、折り曲げの際に、フェライト基板5の上で3組のス
トリップ線路を所望の交差角度で精度良く交差させるこ
とは非常に困難であった。この為、ストリップ線路の交
差角度のばらつきによる特性にばらつきが発生し、特性
の優れた製品を安定に供給することが非常に困難であっ
た。
【0099】本実施の形態では、あらかじめ、3組のス
トリップ線路2,3,4を熱圧着が可能なエポキシ樹脂
を塗布したポリイミド円板100,101,102を挟
み込みながら所望の交差角度で精度良く交差させ熱圧着
により一体化し1てストリップ線路集合体にしてしまう
ため、3組のストリップ線路を所望の交差角度で精度良
く交差させることが、容易に行える。
【0100】また、本実施の形態では、各ストリップ線
路2,3,4を絶縁する部材として、ポリイミド円板1
00,101,102を用いたが、他の絶縁材料を用い
ても良い、すなわち、ポリイミド以外の絶縁性を有する
樹脂材料のシート状体や板状体のものを用いたり、或い
は、セラミックなどの他の絶縁材料を用いることができ
る。
【0101】更に、本実施の形態では、ポリイミド円板
100,101,102などの絶縁部材の一方の面のみ
に熱圧着可能なエポキシ樹脂を設けたが、両面に設けて
も良く、更には、熱圧着可能なエポキシ樹脂に代えて、
常温で硬化可能な接着性を有する材料等を絶縁部材の少
なくとも一方の面に設けたり、或いは、両面テープなど
の粘着性を有する材料を表面に有するものを絶縁部材の
代わりに設けても良い。
【0102】また、本実施の形態では、ポリイミド円板
100,101,102の3枚を設けたが、少なくとも
ポリイミド円板101,102を設けることが必須とな
る。ポリイミド円板100は仕様等を考慮して、適宜設
けることが良い。
【0103】更に、本実施の形態では、ポリイミド円板
100,101,102はほぼ同じ形状でしかもほぼ同
じ面積を有するものを用いたが、形状としては、多角形
状,楕円形状,星形等の形状のものを仕様や特性面に応
じて、設定することが好ましく、また、面積も適宜決定
することが好ましい。
【0104】また、ストリップ線路2,3,4はそれぞ
れ、個片になっているが、生産性を向上するため、それ
ぞれの個片を2次元的に配列された3組のシートにそれ
ぞれ形成して、熱圧着や接着などにより前記3組のシー
トを一体化されたストリップ線路集合体が2次元的に配
列された集合体として出来上がるようにしても良い。
【0105】さらに、ストリップ線路集合体に載置され
たフェライト基板5にストリップ線路集合体1を折り曲
げ加工する際に作業性や加工精度を向上させるために、
フェライト基板5を多角形にすることも有用である。
【0106】なお、本実施の形態では、接地円板2b,
3b,4bを直接下ケース7に電気的或いは機械的に接
合したが、別途接地フレームを設け、この接地フレーム
を下ケース7と接地円板2b,3b,4bの間に配置し
て、この接地フレームに接地円板2b,3b,4bを機
械的或いは電気的に接合させても良い。
【0107】本実施の形態の特徴は、図12に示すよう
に所望の交差角で精度良くストリップ線路集合体1を構
成することができる点にある。略3等分された接地円板
2b,3b,4bの交差角度、すなわち、接地円板2
b,3b,4b間のスリットの交差角度は、ストリップ
線路2,3,4の交差角度ほど精度を要求されないのに
対して、ストリップ線路2,3,4の交差角の精度は、
製品の電気特性のレベルやばらつきに密接に関わってお
り、通常、このストリップ線路2,3,4の交差角度の
精度は、±3度望ましくは、±1度以内に抑える必要が
あり、また、公差の中心がフェライト基板5の中心と一
致していることが重要である。本実施の形態では、これ
らの要求、すなわち、接地円板2b,3b,4b間のス
リットの交差角度は、多少犠牲にしても性能に直接関わ
るストリップ線路の2,3,4交差角度を高精度に加工
する必要があるという要求を容易に満たすことができ、
性能の優れた、ばらつきの少ない製品を容易に供給する
ことができる。この様な構成によって、非常に小型でし
かも低損失の通過特性を有する非可逆性素子を得ること
ができる。
【0108】(実施の形態2)図13は他の実施の形態
を示すもので、図12と異なるところは、ストリップ線
路の略3等分された接地円板2b,3b,4bの形状で
ある。図12では、円形の接地円板をほぼ3等分に直線
で分割し、フェライトを包み込むようにストリップ線路
を折り曲げ加工した後の接地板が、100〜500ミク
ロンのスリットを有する略円形になるように構成してい
る。このため、各々の接地部は、略扇形の形をしてい
る。これに対して、図13に示すように、接地部の形状
を対向する略円弧に挟まれたような形にする。こうする
と、フェライト基板5を包み込むようにストリップ線路
2,3,4を折り曲げ加工する際に接地板2b,3b,
4bが本来の位置からずれてフェライト基板5に近接す
るように加工され接地板同士が重なる危険性を大幅に低
減することができる。そして、この様な形態でも、図1
2とほぼ同等の効果を得ることができる。
【0109】(実施の形態3)図14は図13と同様に
他の実施の形態を示すもので、図12と異なるところ
は、ストリップ線路の接地板を多角形状形状とした点で
ある。そして、この様な形態でも、上述とほぼ同等の効
果を得ることができる。
【0110】(実施の形態4)図15は上述と同様に他
の実施の形態を示すもので、図12と異なるところは、
ストリップ線路の接地板を略3等分ではなく、少なくと
もどれかひとつに重点的にその面積を配分した点にあ
る。このようにすることで、ストリップ線路集合体に構
成した際に3組のストリップ線路の一部が重なったり、
接近したりして、生産性を損ねたり加工精度を悪化させ
たりすることを防止することができる。そして、この様
な形態でも、上述とほぼ同等の効果を得ることができ
る。
【0111】(実施の形態5)図16は上述と同様に他
の実施の形態を示すもので、図12と異なるところは、
ストリップ線路の接地円板2b,3b,4bの総面積が
フェライト基板5の底面積と略同等ではなく、フェライ
ト基板5の底面積の略40%、望ましくは、80%以下
を占めるようにした点にある。このようにすることで、
接地円板2b,3b,4bを接地フレーム、または、下
ケース7にはんだ付けなどにより電気的、機械的に一体
化するのを容易に行うことができると同時に、フェライ
ト基板5と接地フレーム、または、下ケース7間の空隙
部を最小限に抑えることができ、特性の安定、ばらつき
の抑制に寄与することができる。ここでは、接地板の形
状を扇形の場合について記載しているが、図13,1
4,15に示したように、他の形状であってもかまわな
い。また、図15に示したように面積の異なる接地円板
についても、同様である。従って、この様な形態でも、
上記構成とほぼ同等の効果を得ることができる。
【0112】(評価について)(表2)に、本発明の実
施の形態1と従来の技術の比較を示す。どちらも、理想
的に製作された製品を評価したものである。この場合、
通過帯域内の挿入損失、アイソレーション、及び帯域幅
などの電気特性は、同等であり、どちらも、優れた性能
を実現している。しかしながら、本発明による方法と従
来の方法で多数の製品を製作した場合のばらつきは、
(表3)に示すように、本発明による場合のほうが、は
るかに、ばらつきが小さく、特性の平均値も優れてい
る。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】次に、上述の非可逆回路素子或いは集中定
数型アイソレータを用いた無線端末装置について、説明
する。
【0116】図17及び図18は本発明における携帯端
末装置を示す斜視図及びブロック図である。図17及び
図18において、29は音声を音声信号に変換するマイ
ク、30は音声信号を音声に変換するスピーカー、31
はダイヤルボタン等から構成される操作部、32は着信
等を表示する表示部、33はアンテナ、34はマイク2
9からの音声信号を復調して送信信号に変換する送信部
で、送信部34で作製された送信信号は、アンテナを通
して外部に放出される。35はアンテナで受信した受信
信号を音声信号に変換する受信部で、受信部35で作成
された音声信号はスピーカー30にて音声に変換され
る。36は送信部34,受信部35,操作部31,表示
部32を制御する制御部である。
【0117】以下その動作の一例について説明する。
【0118】先ず、着信があった場合には、受信部35
から制御部36に着信信号を送出し、制御部36は、そ
の着信信号に基づいて、表示部32に所定のキャラクタ
等を表示させ、更に操作部31から着信を受ける旨のボ
タン等が押されると、信号が制御部36に送出されて、
制御部36は、着信モードに各部を設定する。即ちアン
テナ33で受信した信号は、受信部35で音声信号に変
換され、音声信号はスピーカー30から音声として出力
されると共に、マイク29から入力された音声は、音声
信号に変換され、送信部34を介し、アンテナ33を通
して外部に送出される。
【0119】次に、発信する場合について説明する。
【0120】まず、発信する場合には、操作部31から
発信する旨の信号が、制御部36に入力される。続いて
電話番号に相当する信号が操作部31から制御部36に
送られてくると、制御部36は送信部34を介して、電
話番号に対応する信号をアンテナ33から送出する。そ
の送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、
その旨の信号がアンテナ33を介し受信部35を通して
制御部36に送られると、制御部36は発信モードに各
部を設定する。即ちアンテナ33で受信した信号は、受
信部35で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー
30から音声として出力されると共に、マイク29から
入力された音声は、音声信号に変換され、送信部34を
介し、アンテナ33を通して外部に送出される。
【0121】なお、本実施の形態では、音声を送信受信
した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声
以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行
う装置についても同様な効果を得ることができる。
【0122】以上の様に構成された無線端末装置におい
て、本実施の形態の非可逆回路素子或いは集中定数型ア
イソレータは、一般的に、送信部34の中に設けられた
パワーアンプとアンテナ33の間に設けられ、場合によ
っては、送信部34中に設けられる。この様に構成され
た無線端末装置は、少なくとも非可逆回路素子或いは集
中定数型アイソレータにおいては、低損失であるので、
無線端末装置の省電力を図ることができ、電源にバッテ
リーなどを用いる場合には、長時間の機器使用が可能と
なる。また、広帯域での通過特性が向上するので、広い
範囲の周波数信号を送信できるので、非常に通話精度や
データ送信性能を向上させることができる。
【0123】
【発明の効果】複数のストリップ線路をあらかじめ所望
の交差角度で、かつ、高精度に熱圧着乃至は、接着性絶
縁部材によって一体的に構成されるよう加工し、この一
体化された3組のストリップ線路を、フェライトを包み
込むように、近接して、折り曲げ加工し、略3等分され
た接地円板上に載置されるように構成すると共に、この
接地円板を下ケースにはんだ付けする等して、略3等分
された接地円板を電気的にも、機械的にも一体化するよ
うにしたことにより、ばらつきが小さく、特性の優れた
非可逆回路素子及び集中定数型アイソレータ及び無線端
末装置を容易に提供することができる。
【0124】また、上記素子を用いた無線端末装置によ
って、省電力が実現でき、バッテリーなどの寿命を長く
でき、しかも広範囲の周波数帯域に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
を示す分解斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
の内部部品を示す平面図
【図3】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
を示す斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
を示す側断面図
【図5】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
の内部部品を示す平面図
【図6】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
の内部部品を示す平面図
【図7】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
の内部部品を示す平面図
【図8】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
の内部部品を示す平面図
【図9】本発明の一実施の形態における非可逆回路素子
の内部部品を示す平面図
【図10】本発明の一実施の形態における非可逆回路素
子の周波数に対する損失を示すグラフ
【図11】本発明の実施の形態1における非可逆回路素
子の組立を示す図
【図12】本発明の実施の形態1における非可逆回路素
子の組立を示す図
【図13】本発明の実施の形態2における非可逆回路素
子の内部部品を示す平面図
【図14】本発明の実施の形態2における非可逆回路素
子の内部部品を示す平面図
【図15】本発明の実施の形態2における非可逆回路素
子の内部部品を示す平面図
【図16】本発明の実施の形態2における非可逆回路素
子の内部部品を示す平面図
【図17】本発明における携帯端末装置を示す斜視図
【図18】本発明における携帯端末装置を示すブロック
【図19】従来の非可逆回路素子を示す分解図
【符号の説明】
1 ストリップ線路集合体 2,3,4 ストリップ線路 5 フェライト基板 6 磁石 7 下ケース 8 絶縁物 9,10,11 コンデンサ 12 端子ベース 13,14 端子 16 ケース 100,101,102 ポリイミド円板 33 アンテナ 34 送信部 35 受信部 36 制御部
フロントページの続き (72)発明者 内 仁志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 修一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 竹内 孝之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 堀尾 泰彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 河野 浩志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 徳永 裕美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J013 EA01 FA05 FA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性を有する基板と、前記基板に対向して
    設けられ前記基板に磁界を印可する磁石と、前記基板の
    近傍に設けられ、複数のストリップ線路を電気的に非接
    触となるように絶縁されて積層されたストリップ線路集
    合体と、前記ストリップ線路集合体と接続されるコンデ
    ンサとを備えた非可逆回路素子であって、前記複数のス
    トリップ線路は基板の一方の面で絶縁体を介して積層さ
    れ、しかも前記基板の他方の面では、互いに重畳しない
    ように前記基板に取り付けられたことを特徴とする非可
    逆回路素子。
  2. 【請求項2】複数のストリップ線路は、それぞれ個別に
    作製されており、各ストリップ線路は、端子と接地部及
    び、端子と接地部の間の線路部を有しており、前記線路
    部は基板の一面で絶縁されて積層されており、前記接地
    部は前記基板の他方の面において、互いに重畳しないよ
    うに取り付けられている事を特徴とする請求項1記載の
    非可逆回路素子。
  3. 【請求項3】磁性を有する基板と、前記基板に対向して
    設けられ前記基板に磁界を印可する磁石と、前記基板の
    近傍に設けられ、複数のストリップ線路を電気的に非接
    触となるように絶縁されて積層されたストリップ線路集
    合体と、前記ストリップ線路集合体と接続されるコンデ
    ンサと、上記各構成部材を収納するケースとを備えた非
    可逆回路素子の製造方法であって、第1のストリップ線
    路上に第1の絶縁部材を設けて第2のストリップ線路を
    前記第1のストリップ線路と所定の角度を持って積層
    し、前記第2のストリップ線路の上に第2の絶縁部材を
    設けて第3のストリップ線路を前記第1,2のストリッ
    プ線路と所定の角度を持って積層してストリップ線路集
    合体を形成し、その後前記基板の一面で前記ストリップ
    線路集合体の積層部分を配置すると共に、前記基板の他
    方の面で各ストリップ線路が重畳しないように、前記ス
    トリップ線路集合体を前記基板に取り付け、更に、上記
    各構成部品をケース内に収納した事を特徴とする非可逆
    回路素子の製造方法。
  4. 【請求項4】表示手段と、データ信号もしくは音声信号
    の少なくとも一方を送信信号に変換するか受信信号をデ
    ータ信号もしくは音声信号の少なくとも一方に変換する
    変換手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信す
    るアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた無線端
    末装置であって、アンテナと変換手段の間に請求項1,
    2いずれか1記載の非可逆回路素子を設けたことを特徴
    とする無線端末装置。
JP34844599A 1999-03-09 1999-12-08 非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置 Pending JP2001168604A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34844599A JP2001168604A (ja) 1999-12-08 1999-12-08 非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置
KR1020000011473A KR20000062780A (ko) 1999-03-09 2000-03-08 비가역 회로 소자 및 그 제조 방법과 그를 이용한 무선단말 장치
SE0000769A SE524748C2 (sv) 1999-03-09 2000-03-08 Irreciprok kretsanordning, tillverkningsförfarande av sådan samt mobil kommunikationsapparat där denna kretsanordning används
DE10011174A DE10011174A1 (de) 1999-03-09 2000-03-08 Wechselwirkungsfreies Schaltungsgerät, Verfahren zu dessen Herstellung, und dieses einsetzende Mobilkommunikationseinrichtung
CNB001041185A CN1181595C (zh) 1999-03-09 2000-03-09 不可逆电路元件及其制法以及使用该元件的无线终端装置
US09/522,233 US6850751B1 (en) 1999-03-09 2000-03-09 Non-reciprocal circuit device, method of manufacturing, and mobile communication apparatus using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34844599A JP2001168604A (ja) 1999-12-08 1999-12-08 非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001168604A true JP2001168604A (ja) 2001-06-22

Family

ID=18397062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34844599A Pending JP2001168604A (ja) 1999-03-09 1999-12-08 非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001168604A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6734753B2 (en) * 2001-10-04 2004-05-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Nonreciprocal circuit element and communication device
US6876267B2 (en) * 2001-10-29 2005-04-05 Alps Electric Co., Ltd. Nonreciprocal circuit device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6734753B2 (en) * 2001-10-04 2004-05-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Nonreciprocal circuit element and communication device
US6876267B2 (en) * 2001-10-29 2005-04-05 Alps Electric Co., Ltd. Nonreciprocal circuit device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01198802A (ja) 非可逆回路素子
US20020079981A1 (en) Center-electrode assembly and manufacturing method therefor, nonreciprocal circuit device and communication apparatus using the same
KR20010090579A (ko) 비가역 회로소자 및 이를 사용한 무선 통신기기
JPH1154336A (ja) チップ型分配トランス
US6850751B1 (en) Non-reciprocal circuit device, method of manufacturing, and mobile communication apparatus using the same
JP3885749B2 (ja) 2ポート型非可逆回路素子、複合電子部品および通信装置
JPH07111405A (ja) 高周波用非可逆回路素子
JP2001168604A (ja) 非可逆回路素子及び製造方法及び無線端末装置
JPH0955607A (ja) 非可逆回路素子
JP2002026615A (ja) 非可逆回路素子および通信装置
JP3539351B2 (ja) 非可逆回路素子の製造方法
JP3680682B2 (ja) 非可逆回路素子および通信機装置
JP4517326B2 (ja) 非可逆回路素子及びこれを用いた無線通信機器
JPH10284907A (ja) 非可逆回路素子
JP4639540B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP4345691B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP2000349511A (ja) 非可逆回路素子及び集中定数型アイソレータ
JP2000261213A (ja) 非可逆回路素子及び集中定数型アイソレータ
JP4530165B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
US6888432B2 (en) Laminated substrate, method of producing the same, nonreciprocal circuit element, and communication device
JP2000349510A (ja) 非可逆回路素子及び集中定数型アイソレータ
JP4329079B2 (ja) 2ポート型非可逆回路素子
JP2000261212A (ja) 非可逆回路素子及び集中定数型アイソレータ
JP3714220B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP2002237702A (ja) 集中定数型アイソレータ

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060627