JP2001167511A - ディスク駆動装置の回転バランサ - Google Patents

ディスク駆動装置の回転バランサ

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JP2001167511A
JP2001167511A JP34672599A JP34672599A JP2001167511A JP 2001167511 A JP2001167511 A JP 2001167511A JP 34672599 A JP34672599 A JP 34672599A JP 34672599 A JP34672599 A JP 34672599A JP 2001167511 A JP2001167511 A JP 2001167511A
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drive shaft
rotation
spindle motor
rotating
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JP34672599A
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Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
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Akai Electric Co Ltd
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】スピンドルモータ(S・M)の姿勢に関わりな
く安定的に、駆動軸と直交するいずれの方向にも均等か
つほぼ平行に移動でき、ディスクの偏重心に即座に応答
して確実に重心移動できる回転バランサの提供。 【解決手段】S・Mと共に回転する第1の回転体と、駆
動軸の軸方向に延在する弾性部材を介して第1の回転体
に結合され、軸方向と直交する平面内で移動可能な第2
の回転体とを具え、第1の回転体の駆動軸周りの回転
で、第2の回転体がほぼ駆動軸周りに相対回転移動時
に、第1の回転体と第2の回転体とが、相対回転軸周り
の円周上のほぼ等角度に離隔の3箇所で当接し、該接点
群での束縛力がほぼ軸対称であると共に、当接点での円
との接線方向と束縛力の方向とを交差して構成する。第
2の回転体とS・Mのステータ側との間に配設され、該
S・Mの回転で第2の回転体と異る大きさの駆動軸周り
の回転角速度を与える制動手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偏重心のあるコ
ンパクトディスク(CD) 、デジタルパーサタイルデ
ィスク(DVD)等の光ディスクや、ミニディスク(M
D)等の光磁気ディスク等の記録媒体の回転に応じて発
生するスピンドルモータの軸振れを抑制するディスク駆
動装置の回転バランサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報データのディスクへの記録や
再生が高倍速化され、またディスクヘの記録密度が飛躍
的に向上するなどしてデータの転送速度が高速度化する
のに伴い、ディスクは高速回転状況下において使用され
ることが多くなってきた。このため、成形されたディス
クの寸法誤差や密度のばらつき等を原因とする、ディス
ク重心位置の本来の回転中心軸からのずれ、所謂偏重心
によって、ディスク駆動用の駆動軸に対して半径方向に
偏った遠心力を生じるようになる。遠心力の大きさは回
転角速度の二乗に比例して増大するので,高速回転によ
り著しい軸振れを生じ、情報データの記録や再生が困難
になったり、騒音の発生や軸受の損傷を引き起こすなど
の問題を生じることが多くなった。このような問題を解
決する先行技術として、たとえば特開平第11−126
418号において提案されているディスク駆動装置の回
転バランサがある。
【0003】このような回転バランサは、図22および
図23に示すように、ターンテーブル3上に固定された
不図示のディスクを回転駆動するスピンドルモータ1の
駆動軸2を貫通するようにして回転自由かつ長孔4bに
沿ってスライドできるように配設された回転プレート4
と、駆動軸2に巻回され、放射方向に延在するアーム両
端が回転プレートに形成した突出部4aに係止されるコ
イルばね5とから構成される。
【0004】この回転プレート4の中心部分に形成され
た長孔4bの長軸6は、回転プレート4の外周方向に向
かって形成されており、回転プレート4が駆動軸2に対
して長軸6に沿って相対的にスライドできるようになっ
ている。コイルばね5は回転プレート4の重心と駆動軸
2の中心とが一致するように回転プレート4を保持して
いる。そして、駆動軸2の側面と回転プレート4の長孔
4bの内側面およびコイルばね5の巻回内周とは、それ
ぞれ微小な間隙が形成されていて回転プレート4および
コイルばね5は駆動軸2に対して自由に回転することが
可能となっている。
【0005】このような先行技術によれば、偏重心の小
さなディスクを駆動する場合には、コイルばね5の押圧
力により回転プレート4の重心と駆動軸2の中心とが一
致した位置に保持されたままで回転させることができ、
備重心の大きなディスクを駆動する場合には、生じた振
動と駆動軸2の振れによって、回転プレートがコイルば
ね5の押圧力に抗して駆動軸2を中心に長孔4bの長軸
6に沿って外周方向にスライドして駆動軸2の中心に対
してディスクの重心と対角をなす位置に重心を移動さ
せ、ディスクの偏重心を相殺して駆動軸2の中心を回転
中心とすることができて、振動や軸振れを抑制できるも
のとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術においては、回転プレート4のスライド可能な方
向は長孔4bの形成された長軸方向に限られるので、駆
動軸2と回転プレート4とがそれぞれ同一の定速回転を
しているときには、ディスクの偏重心方向と長孔4bの
長軸6方向とが偶然に一致していない限り、回転バラン
サとして機能させることができない。従って、スピンド
ルモータ1の起動時や変速時の如く、回転プレート4が
すべって、その回転角速度が駆動軸2の回転角速度と相
違しているときに、駆動軸2の軸振れの方向が長孔4b
の長軸6方向と一致する瞬間にスライドさせなければな
らず、回転バランサとしての調心機能の応答性が悪く、
また調心動作に移行する確率が低い。さらに、回転プレ
ート4およびコイルばね5の駆動軸2に対する摩擦力の
設定が難しいうえ、放射方向に延在するコイルばね5に
より支えられているだけであるので、回転に際して面振
れを生じ易く、安定した回転が得られないばかりか、駆
動軸2に対してスラスト方向の加速度がかかり易くなっ
てスピンドルモータ1の耐久性を低下せしめることにな
るという問題があった。
【0007】さらに上記回転プレート4は、コイルばね
5により係止されているだけであるので、静止時におい
て駆動軸2を水平方向に倒すなどの姿勢変化が生じて回
転プレート4の半径方向に重力加速度が加わるようにな
ると自重によって変位し、その重心位置がと駆動軸2の
軸心力らずれることになる。このため、この状態から回
転を開始すると、逆に回転プレート4が偏重心を生じて
スピンドルスピンドルモータ1の回転を不安定なものと
してしまう。
【0008】この発明は、従来技術が抱える上述したよ
うな問題点を解消するためになされたものであり、その
主たる目的は、スピンドルモータの姿勢に関わりなく安
定的に、駆動軸と直交するいずれの方向に対しても均等
かつほぼ平行に移動させることができ、かつディスクの
偏重心に即座に応答して確実に重心移動をさせることの
できる回転バランサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記目的
の実現に向け鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨
構成とする発明に想到した。すなわち、請求項1にかか
るディスク駆動装置の回転バランサは、情報記録媒体を
回転駆動させるスピンドルモータを含んだディスク駆動
装置において、スピンドルモータの駆動軸に同軸に固定
され、そのスピンドルモータとともに回転する第1の回
転体と、その第1の回転体に対して、前記駆動軸の軸方
向に延在する弾性部材を介して結合され、前記軸方向と
直交する平面内で移動可能なように構成される第2の回
転体とを具え、前記第1の回転体の前記駆動軸周りの回
転によって、前記第2の回転体がほぼ前記駆動軸周りに
相対回転移動されたときに、前記第1の回転体と前記第
2の回転体とが、相対回転軸周りの円周上のほぼ等角度
に隔てた少なくとも3箇所において当接し、それらの当
接点におけるそれぞれの束縛力がほぼ軸対称をなしてい
るとともに、前記当接点における前記円との接線方向と
前記束縛力の方向とが交差するように構成され、更に、
第2の回転体とスピンドルモータのステータ側との間に
配設され、かつ前記スピンドルモータの回転に伴なって
前記第2の回転体と相対的に相違する大きさの前記駆動
軸周りの回転角速度を発生するように構成された制動手
段とを備えることを特徴とする。
【0010】請求項2にかかるディスク駆動装置の回転
バランサは、請求項1に記載された発明において、前記
制動手段は、スピンドルモータのステータ側に配設され
た磁場発生手段と、その磁場発生手段から湧出した磁場
領域内にある前期第2の回転体の少なくとも一部に配設
された導電体とから構成されることを特徴とする。
【0011】請求項3にかかるディスク駆動装置の回転
バランサは、請求項1に記載された発明において、前記
制動手段は、第2の回転体に配設された磁場発生手段
と、その磁場発生手段から湧出した磁場領域内にあるよ
うにスピンドルモータのステータ側に配置された導電体
とから構成されることを特徴とする。
【0012】請求項4にかかるディスク駆動装置の回転
バランサは、請求項1ないし3のいずれかに記載された
発明において、前記第1の回転体および第2の回転体
は、スピンドルモータの駆動軸と直交する方向における
前記スピンドルモータを支持する駆動系の共振周波数以
上の回転周波数となる回転角速度において、非接触状態
となるように構成されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の回転バランサの
実施形態について、添付図面を参照にして説明する。図
1〜図9は、この発明の第1の実施形態を示す。図1に
おいて符号Dで示される駆動系は、ディスク等の情報記
録媒体を駆動するためのスピンドルモータ1を含み、そ
のスピンドルモータ1は、緩衝部材12を介して記録お
よび/または再生装置の主筐体に保持された副筐体11
上に固定されている。
【0014】上記スピンドルモータ1の駆動軸2の軸方
向と同一方向に、その中央部に形成された開口部7aを
向けて配置されるほぼ円柱状の第1の回転体7は、駆動
軸2とともに回転できるようにその開口部7aを駆動軸
2に嵌合・固定させている。この第1の回転体7のフラ
ンジ状部分7bには、駆動軸2とほぼ同一方向に延在し
て駆動軸2と直交する方向に平行変位可能である、たと
えば金属、炭素繊維、セラミック、プラスチック等より
なる3本以上たとえば4本の線条の弾性部材9の一端側
がたとえば駆動軸2の中心とほぼ同軸をなす円周上にほ
ぼ等間隔をなして固定されている。第1の回転体7の外
周側面7cは、駆動軸2とほぼ同軸のほぼ正多角柱形
状、たとえば正六角柱状になるように形成されている。
【0015】一方、弾性部材9の他端側は、その対称軸
が駆動軸2とほぼ一致する環状の第2の回転体8の内側
フランジ状部分8bに接続され、第2の回転体8は駆動
軸22と直交する方向に移動自由なように懸架支持され
ている。
【0016】そして、第2の回転体8の内周側面8cも
駆動軸2とほぼ同軸のほぼ正多角柱形状、たとえば正六
角柱状に削孔され、駆動軸2側に配設された第1の回転
体7の外周側面7cのそれぞれの頂角が、弾性部材9の
復元力により、ほぼ駆動軸2周りに相対回転させられて
相互に当接し、第2の回転体8の内周側面8cに内接さ
せられている。
【0017】さらに、第2の回転体8の少なくとも底面
81の一部を、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の
金属や黒鉛等を混合した樹脂等からなる導電体13で形
成するとともに、スピンドルモータ1のステ一夕側に
は、空隙を介して第2の回転体8の底面81に対向する
ような位置に永久磁石もしくはコイル等の磁場発生手段
10を配設し、第2の回転体8が回転する際に、磁場発
生手段10から湧き出す磁場が導電体13によって横断
されるように形成されている。その際、導電体13内に
は、横断する磁場の変化を打ち消すような渦電流が流れ
るので、第2の回転体8の回転方向と逆の方向の制動力
が導電体13に対して作用するようになっている。
【0018】このように、第2の回転体8とスピンドル
モータ1のステータ側との間には、磁場発生手段10と
導電体13とからなり、第2の回転体8の回転に制動力
を与える制動手段が配設され、第1の回転体7、第2の
回転体8、弾性部材9とともに回転バランサBを構成す
る。
【0019】上記導電体13は、第2の回転体8の底面
81の少なくとも一部に形成すれば十分な制動力を得る
ことができるが、底面81の全表面に亘って形成すれ
ば、第2の回転体8の回転角度に関わらず底面81のい
ずれかの場所を磁場が貫通しているので、常に安定した
制動力を得ることが可能となるので、より望ましい実施
の形態である。
【0020】尚、磁場発生手段10から湧き出す磁場の
方向は、いずれの方向であってもよいが、矢印Zで示す
ような駆動軸2の軸方向あるいは矢印Sで示すような回
転円周方向とすることが、駆動軸2の回転方向と逆向き
の大きな制動力を得るのに効果的である。また、ディス
クを保持するターンテーブルは、回転バランサBとは別
に、たとえばその上部側において駆動軸2に装着しても
よいし、この回転バランサBをターンテーブルと兼用し
てもよい。
【0021】上記第1の回転体7は、円盤形状のフラン
ジ状部分7bの外周面がその水平断面がほぼ多角形状、
たとえば正六角形をなすような外周側面7cを有して形
成されるが、図3において一部が縦断面で示される分解
斜視図から理解されるように、水平断面がほぼ多角形
状、たとえば正六角形であるような外周面を有する環状
接触部材7dをフランジ状部分7bの外周面に嵌合・固
定させて形成することもできる。すなわち、中心部が開
口された形状である環状の接触部材7dを第1の回転体
7と別体に形成し、嵌合およびねじり等により、外周側
面7cの頂角が第2の回転体8の内周側面8cに内接す
るように形成することもできる。
【0022】上述したような第1の回転体7は、弾性部
材9の一端部が第2の回転体8のフランジ状部分8bの
内側に形成された接続孔8gに挿入固定され、弾性部材
9の他の端部は第1の回転体7のフランジ状部分7bの
接続孔7gに挿入固定された状態で、フランジ状部分7
bのほぼ円柱状外周面において、半径方向外側に突出さ
れ、かつ軸方向に延設された突出部7fを備えて形成さ
れ、そして、環状の接触部材7dの内周面には、フラン
ジ状部分7bのほぼ円柱形状に対応して、突出部7fに
嵌合される凹部7eが形成されている。すなわち、環状
の接触部材7dの凹部7eにフランジ状部分7bの突出
部7fが嵌合されることによって、それらの中心軸がほ
ぼ一致するようになっている。
【0023】このように形成された回転バランサBは、
その接触部材7dの外周側面7cと、第2の回転体8の
内周側面8cとのそれぞれの当接点においては、図4に
示すように、駆動軸2に対応する相対回転軸に関してほ
ぼ軸対称関係をなすとともに、相対回転軸を中心とする
円周上のそれぞれの当接点における接線方向に対して交
差するような方向に束縛力(抗力)Prが生じる。この
ため、これらの束縛力Prによって接触部材7dと第2
の回転体8とはそれらの中心軸が一致する方向に相対移
動して、第2の回転体8の重心が駆動軸2の軸心上に存
在するようになる。
【0024】この実施形態にかかる回転バランサBの組
立ては、たとえば図5(a)に示すように、外周側面7
cの頂角が第2の回転体8の内周側面8cに内接しない
ように、凹部7eおよび突出部7fにて案内され、さら
に図5(b)に示すように、接触部材7dを凹部7eと
突出部7fとのクリアランスの範囲内でねじり回転させ
て、外周側面7cの頂角を第2の回転体8の内周側面8
cに内接させることにより可能である。弾性支持部材9
は、この内接状態においてそれぞれ無変形状態となるよ
うに設定してもよいが、図6に模式的に示すように、嵌
合させた接触部材7dを第1の回転体7に対してねじり
回転させて外周側面7cの頂角が第2の回転体8の内周
側面8cに接触した後も、さらに接触部材7dと第2の
回転体8とを所望角度△θだけ回転させた後、接触部材
7 dと第1の回転体7とを相互に固定する。こうして4
本の弾性部材9全体を駆動軸2周りにたわみおよびねじ
れ変形させて、オフセットを与えておくことにより、そ
の復元力を適切に設定して、スピンドルスピンドルモー
タ1の回転開始時の起動トルクや後述する制動部材10
による制動力とのバランスを図りつつ、外周側面7cの
頂角と第2の回転体8の内周側面8cとが確実に内接す
るようにしてもよい。
【0025】このような回転バランサBは、第2の回転
体8と接触部材7dとが相互にねじれ関係にある場合
に、弾性部材9の復元力によって接触部材7dの頂角が
第2の回転体8の内周側面8cに内接するように形成さ
れるが、その作用について、図7(a)、(b)〜図9
(a)、(b)を用いて説明する。
【0026】スピンドルモータ1に電力が供給されない
時には、駆動軸2は回転せず、図7(a)に示すよう
に、弾性部材9の復元力によって、第1の回転体7の外
周側面7 cの頂角と、第2の回転体8の内周側面8cと
が内接し、第2の回転体8の重心は駆動軸2の軸心と一
致している。このため、駆動軸2を水平方向に倒すなど
の姿勢変化が生じて、第2の回転体8の半径方向に重力
加速度が加わるようになっても、弾性部材9の復元力に
よって第2の回転体8は、駆動軸2の軸心に向って押さ
れているので,外周側面7cの頂角と第2の回転体8の
内周側面8cとの内接状態力ら外れることはなく、した
がってスピンドルスピンドルモータ1の姿勢に関わりな
く、第2の回転体8はその重心と駆動軸2の軸心との一
致を維持することができる。さらに、スピンドルモータ
1のステータ側に配設された制動手段としての磁場発生
手段10から湧き出る磁場は、空隙を介して対向し、少
なくとも一部が導電体13により形成された第2の回転
体8の底面81を貫通するが、第2の回転体8が制動手
段に対して相対変位しないために制動力が発生しない。
【0027】一方、スピンドルモータ1に電力が供給さ
れると、図8(a)に示すように、駆動軸2に矢印CW
方向の角加速度が発生し、第1の回転体7や接触部材7
d、第2の回転体8等は駆動軸2とともに矢印CWの方
向に回転を開始する。そして、このような角加速度が加
わっている立ち上がりの回転期間中、第2の回転体8は
図8(b)に示すように接触部材7dに対して相対的に
回転方向とは逆の矢印CCW1の方向にトルクを受け
て、弾性部材9の復元力に抗する方向に力を生じるよう
になる。さらに、少なくとも一部が導電体13で形成さ
れた第2の回転体8の底面81は、磁場発生手段1 0か
ら湧き出る磁場を横切って駆動軸2周りに回転移動する
ので、第2の回転体8の導電体13部分には貫通する磁
場を相殺するように渦電流が発生して制動力を生じ、回
転方向と逆の矢印CCW2の方向にトルクを受けて弾性
支持部材9の復元力に抗する方向に力を生じるようにな
る。
【0028】上記渦電流による制動力は、導電体13の
移動速度ひいては第2の回転体8の回転角速度に比例す
るので、角加速度の印加時間の経過とともに増大し、矢
印CCW1およびCCW2で示される方向の両トルクの
和が弾性支持部材9の復元力を上回るようになると、外
周側面7との頂角と第2の回転体8の内周側面8cとは
内接状態が解かれて、一旦非接触状態とされる。
【0029】さらに回転角速度が増大すると、渦電流に
よる制動力がより増大して第2の回転体8は第1の回転
体7に対して相対的に回転方向とは逆方向にさらに回転
移動し、図8(b)に示すように外周側面7cの頂角が
第2の回転体8の隣接する内周側面8cに内接するよう
になって、再度第2の回転体8の重心と駆動軸2の軸線
とが一致した状態を得ることができる。
【0030】このような制動力は、弾性部材9のばね定
数、制動手段の大きさや空隙の間隔、磁場の向き、導電
体13の材料等の変更により、種々の設定が可能であ
り、外周側面7cの頂角と第2の回転体8の内周側面8
cとの内接状態が解かれた非接触状態のまま定角速度回
転に移行させることも可能である。
【0031】さて、所定の回転角速度に到達すると、起
動のための角加速度は零となって、図9(b)に示され
るように、第2の回転体8に回転方向CWの逆向きに加
わるトルクは、磁場発生手段10による制動力に起因す
る矢印CCW2で示されるもののみとなって、外周側面
7cの頂角と第2の回転体8の内周側面8cとは内接状
態が解かれ、相互に非接触状態として第2の回転体8の
重心を駆動軸2の軸心と一致させた状態で回転させるこ
とができる。
【0032】ここで、駆動軸と直交する方向の駆動系D
全体の共振周波数と同程度の回転周波数となる回転角速
度において、外周側面7cの頂角と第2の回転体8の内
周側面8cとの内接状態が解かれて非接触状態となるよ
うに制動力を発生させるべく、弾性部材8のばね定数、
制動手段の大きさや空隙間隔、磁場の向き、導電体13
の材料等を適切に設定すれば、最も有効に、駆動系Dの
共振周波数以上の回転周波数領域において回転バランサ
Bを動作させることができる。
【0033】また、駆動系Dの共振周波数を越える回転
周波数において外周側面7cの頂角と第2の回転体8の
内周側面8cとの内接が外れた非接触状態となるように
制動力を発生させるようにしても、外周側面7cの頂角
と第2の回転体8の内周側面8cとが非接触状態となる
回転周波数以上の領域において回転バランサBを動作さ
せることができるので、所定の高回転角速度以上の駆動
速度範囲において回転バランサBを動作させるなどの操
作が可能となる。
【0034】しかしながら、駆動系Dの共振周波数を越
えない回転周波数領域において、外周側面7cの頂角と
第2の回転体8の内周側面8cとの内接状態が外れた非
接触状態となるように制動力を発生させるようにして
も、回転バランサBとしての機能がまったく損なわれて
しまうわけではなく、駆動系Dの共振周波数以上の周波
数領域内においても回転バランサBを障害なく動作させ
ることができる。
【0035】このように回転バランサBが動作可能な状
態においては、第2の回転体8は接触部材7dの外周側
面7cの頂角と非接触状態にあり、駆動軸2と直交する
面内における全方向の力に対応して移動可能であるの
で、偏重心のあるディスクを駆動した場合、駆動系Dは
ディスクの重心と駆動軸2の軸心との間に位置する軸を
回転軸として回転するようになり、駆動軸2の軸心と一
致する位置に重心をおいた第2の回転体8には、この回
転軸から見てディスクの重心とは反対の方向に偏った遠
心力が作用するようになって、第2の回転体8はこの偏
った遠心力の作用する方向に弾性部材8を変形させて釣
り合う位置まで移動する。その結果、ディスクの回転軸
は駆動軸2の軸心近傍にもどって、偏重心による駆動系
Dの振動や軸振れを効果的に抑制することができる。
【0036】またディスクの偏重心に対し、これによっ
て生じる偏った遠心力に即座に応答して重心移動するこ
とができるため、回転バランサBとしての調心機能の応
答性がよい。さらに駆動軸2と同一の方向に延在する3
本以上の弾性部材9の上下端により支えられているの
で、駆動軸と直交する方向に平行変位が可能で、回転に
際して面振れを生じることがなく、安定した回転が得ら
れる。また駆動軸2に対してスラスト方向の加速度が力
力ることもなく、スピンドルモータ1の耐久性を損なう
こともない。
【0037】なお、弾性部材9は線条に限らず、柱状や
板状をなすものを使用することも可能である。このよう
に、当接点を相対回転軸周りの円周上のほぼ等角度に隔
てた3箇所以上に亘って形成して、これら当接点におい
て相互に生じるそれぞれの束縛力Prを、相対回転軸に
関してほぼ軸対称関係をなすとともに、相対回転軸を中
心とする円周上のそれぞれの当接点における接線方向と
束縛力の方向とが交差するように発生するように構成す
ればよく、ここで示したような当接点を6箇所に限定す
るものではない。
【0038】図10は、この発明の第2の実施形態を示
す一部断面斜視図である。この実施形態は、図2に示し
た第1の実施形態と実質的には同様であるが、永久磁石
もしくはコイル等よりなる磁場発生手段10を、矢印V
でしめすような駆動軸2と同一の方向に移動可能に、ス
ピンドルモータ1のステータ側に配設されている点で異
なる。
【0039】すなわち、制動手段を構成する磁場発生手
段10を、第2の回転体8の底面81に接近させたり離
間させたりすることによって、第2の回転体8に対する
制動力の大きさを変化させることができ、回転バランサ
Bを動作状態もしくは非動作状態に切り替えて使用する
ことができる。
【0040】すなわち、回転バランサBとして機能させ
る必要のないときには、磁場発生手段10を第2の回転
体8の底面から遠ざけることにより、接触部材7dの外
周側面7cの頂角が第2の回転体8の内周側面8cに内
接した状態を維持させて、第2の回転体8の重心位置が
駆動軸2の軸心と一致するようにし、回転バランサBと
して機能させるときには磁場発生手段10を第2の回転
体8の底面に近づけて制動力を増加させ、接触部材7d
の外周側面7cの頂角と第2の回転体8の内周側面8c
とを非接触状態として偏った遠心力に対応する重心移動
が可能となるようにすればよい。
【0041】図11は、この発明の第3の実施形態を示
す斜視図であり、磁場発生手段10として、交互に異な
る極性の磁場を湧き出すリング形状の永久磁石もしくは
コイル等を駆動軸2の周囲に配設した点で、第1の実施
形態と異なる。このような磁場発生手段10の配置によ
り、第2の回転体8の底面81を横切る磁場の変化が急
峻になるので、底面81に形成した導電体13の部分に
回転時に発生する渦電流が増大して大きな刺動力を得る
ことができるようになる。
【0042】上記磁場発生手段1 0は、第1の実施形態
のように、スピンドルモータ1のステータ側に固定する
ことも可能であるが、駆動軸2の軸心周りに、図中の矢
印Rで示すように駆動軸2の回転方向と同一もしくは逆
の回転方向に回転可能にステータ側に配設してもよい。
この場合、第2の回転体8の底面81と磁場発生手段1
0との相対回転角速度を増減させることにより、第2の
実施形態と同様に第2の回転体8に対する制動力の大き
さを変化させることができ、回転バランサBを動作状態
もしくは非動作状態に切り替えて使用することができる
という効果がある。
【0043】図12は、この発明の第4の実施形態を示
す一部断面斜視図であり、制動手段の配置個所が異なる
点で第1の実施形態と異なる。この回転バランサBにお
いては、第2の回転体8の外周側面82の少なくとも一
部が導電体13で形成され、その外周側面82と空隙を
介して対向するスピンドルモータ1のステ一夕側には、
永久磁石もしくはコイル等の磁場発生手段10が配設さ
れ、このような導電体83と磁場発生手段10とで制動
手段が構成される。
【0044】すなわち、第2の回転体8の外周側面82
の一部に形成した導電体13が、第2の回転体8の回転
時に、磁場発生手段10から湧き出す磁場を横断するよ
うに形成され、磁場発生手段10から湧き出す磁場の方
向は、いずれの方向に向けてもよいが、矢印rで示す回
転半径方向または矢印Sで示す回転円周方向を向けるの
が効果的である。
【0045】この場合もまた、静止時においてスピンド
ルモータ1の姿勢に関わりなく、第2の回転体8はその
重心と駆動軸2の軸心との一致を維持することができる
ので、偏重心を生じにくく、また偏重心のあるディスク
を駆動した場合、駆動系Dはディスクの重心と駆動軸2
の軸心との間に位置する軸を回転軸として回転するよう
になり、駆動軸2の軸心と一致する位置に重心をおいた
第2の回転体8には、この回転軸から見てディスクの重
心とは反対の方向に偏った遠心力が作用するようになっ
て、第2の回転体8はこの偏った遠心力の作用する方向
に弾性部材8を変形させて釣り合う位置まで移動する。
【0046】その結果、ディスクの回転軸は、駆動軸2
の軸心近傍にもどって、偏重心による駆動系Dの振動や
軸振れを効果的に抑制することができる。また、ディス
クの偏重心に対し、これによって生じる遠心力に即座に
応答して重心移動することができるため、回転バランサ
Bとしての調心機能の応答性がよい。さらに、駆動軸2
と同一の方向に延在する3本以上の弾性支持部材9の上
下端により支えられているので、駆動軸と直交する方向
にほぼ平行変位が可能で、回転に際して面振れを生じる
ことがなく、安定した回転が得られる。さらに、駆動軸
2に対してスラスト方向の加速度がかかることもなく、
スピンドルスピンドルモータ1の耐久性を損なうことも
ない。
【0047】図13は、この発明の第5の実施形態を示
す一部断面の分解斜視図であり、第3の実施形態とは、
第1の回転体7に対して第2の回転体8を支持する弾性
部材9の構成が異なる。すなわち、この回転バランサB
においては、第1の回転体7のフランジ状部分部7bの
下面と、円環状の第2の回転体8の内側フランジ状部分
8bの上面とが、駆動軸2と直交する平面内において平
行変位可能な、たとえばゴム等の発泡性または非発泡性
の高分子よりなる環状の弾性部材9を介して連結されて
おり、第2の回転体8が駆動軸2の回転円の円周方向お
よび半径方向に移動自由に支持されている。
【0048】上記環状の弾性部材9を歪ませることな
く、接触部材7dを第1の回転体7に対してねじり回転
させて、外周側面7 cの頂角を第2の回転体8の内周側
面8cに内接させてもよいが、第1の実施形態において
図5に模式的に示したのと同様に、外周側面7cの頂角
が第2の回転体8の内周側面8cに接触した後も、さら
に接触部材7dと第2の回転体8とを所望角度△θだけ
回転させてオフセットを与えた後、接触部材7dと第1
の回転体7とを相互に固定してもよい。
【0049】この場合もまた、第2の回転体8は、環状
の弾性部材9の上下を介して駆動軸2側に接続されてい
るので、駆動軸2と直交する方向に平行変位が可能であ
り、回転に際して面振れを生じることがなく、安定した
回転が得られる。そして、第2の回転体8は、静止時に
おいて、スピンドルモータ1の姿勢に関わりなく、その
重心と駆動軸2の軸心との一致を維持することができる
ので、偏重心を生じにくい。
【0050】駆動しようとするディスクに偏重心のある
場合には、駆動系Dはディスクの重心と駆動軸2の軸心
との間に位置する軸を回転軸として回転するようにな
り、駆動軸2の軸心と一致する位置に重心をおいた第2
の回転体8には、この回転軸から見てディスクの重心と
は反対の方向に偏った遠心力が作用するようになって、
第2の回転体8は、この遠心力の作用する方向にその大
きさと釣り合うまで弾性部材9を変形させて移動する。
【0051】その結果、ディスクの回転軸は駆動軸2の
軸心近傍にもどって、偏重心による駆動系Dの振動や軸
振れを効果的に抑制することができる。またディスクの
偏重心に対し、これによって生じる遠心力に即座に応答
して重心移動することができるため、回転バランサBと
しての調心機能の応答性がよい。
【0052】さらに、駆動軸2と直交する平面内におい
て平行変位可能な弾性部材9により支えられているの
で、回転に際して面振れを生じることがなく、安定した
回転が得られる。また駆動軸2に対してスラスト方向の
加速度がかかることもなく、スピンドルスピンドルモー
タ1の耐久性を損なうこともない。
【0053】図14は、この発明の第6の実施形態を示
す一部断面分解斜視図であり、前述した第5の実施形態
とは、第2の回転体8を支持する弾性部材9の構成が異
なる。すなわち、この回転バランサBにおいては、第1
の回転体7のフランジ状部分7bの下面と、円環状の第
2の回転体8の内側フランジ状部分8bの上面とが、駆
動軸2と直交する平面内において平行変位可能な、たと
えばゴム等の発泡性または非発泡性の高分子よりなる中
空環状の弾性部材9を介して連結されており、第2の回
転体8が駆動軸2の回転円の円周方向および半径方向に
移動自由に支持された構造である。
【0054】このような構成によれば、駆動軸2側と第
2の回転体8とが環状の弾性部材9の上下を介して接続
されているので、第2の回転体8は、駆動軸2と直交す
る方向に平行変位が可能であり、回転に際して面振れを
生じることがなく、安定した回転が得られ、静止時にお
いては、スピンドルモータ1の姿勢に関わりなく、第2
の回転体8は偏重心を生じにくく、回転するディスクの
偏重心による駆動系Dの振動や軸振れを効果的に抑制す
ることができる。
【0055】図15は、この発明の第7の実施形態を示
す一部断面分解斜視図であり、前述した第5の実施形態
とは、第2の回転体8を支持する弾性部材9の構成が異
なる。すなわち、この回転バランサBにおいては、第1
の回転体7のフランジ状部分7bの下面と、円環状の第
2の回転体8の内側フランジ状部分8bの上面とが、駆
動軸2と直交する平面内において平行変位可能な、たと
えばゴム等の発泡性または非発泡性の高分子よりなり、
放射状に配列された板状の弾性部材9を介して連結され
ており、第2の回転体8が駆動軸2の回転円の円周方向
および半径方向に移動自由に支持された構成である。
【0056】このような構成によれば、駆動軸2側と第
2の回転体8とが環状の弾性部材9の上下を介して接続
されているので、第2の回転体8は、駆動軸と直交する
方向に平行変位が可能であり、回転に際して面振れを生
じることがなく、安定した回転が得られ、静止時におい
ては、スピンドルモータ1の姿勢に関わりなく、偏重心
を生じにくく、偏重心による駆動系Dの振動や軸振れを
効果的に抑制することができる。
【0057】図16は、この発明の第8の実施形態を示
す一部断面分解斜視図であり、前述した第5の実施形態
とは、第2の回転体8を支持する弾性部材9の構成が異
なる。すなわち、この回転バランサBにおいては、第1
の回転体7のフランジ状部分7bと円環状の第2の回転
体8の内側フランジ状部分8bとが、駆動軸2と直交す
る平面内においてほぼ平行変位可能に、第1の回転体7
の外周側と第2の回転体の内周側とが、たとえばゴム等
の発泡性または非発泡性の高分子よりなり、放射状に配
列された板状の弾性部材9を介して連結されており、第
2の回転体8が駆動軸2の回転円の円周方向および半径
方向に移動自由に支持された構成である。
【0058】このような構成によれば、第2の回転体8
は、駆動軸と直交する方向にほぼ平行変位が可能で、回
転に際して面振れを生じにくく、安定した回転が得られ
る。また、静止時においては、スピンドルモータ1の姿
勢に関わりなく、偏重心を発生しにくく、偏重心による
駆動系Dの振動や軸振れを効果的に抑制することができ
る。
【0059】図17は、この発明の第9の実施形態を示
す一部断面斜視図であり、第2の回転体8の底面81の
一部に永久磁石もしくはコイル等の磁場発生手段10が
配設され、これから湧き出す磁場を貫いて、スピンドル
モータ1のステータ側に配置された銅(Cu)、アルミ
ニウム(Al)等の金属や黒鉛等を混合した樹脂等から
なる環状の導電体13が配設されている。
【0060】このような構成によれば、第2の回転体8
の底面81に配設された磁場発生手段10が、駆動軸2
周りに回転を始めると、それに伴って生じる貫通磁場の
変化を打ち消すように環状の導電体13内に渦電流が流
れ、磁場発生手段10には回転方向とは逆の方向に向い
た制動力が発生する。したがって、第2の回転体8は、
静止時においてはスピンドルモータ1の姿勢に関わりな
く、偏重心を生じにくく、偏重心による駆動系Dの振動
や軸振れを効果的に抑制することができる。
【0061】図18は、この発明の第1 0の実施形態を
示す平面図であり、弾性部材9の復元力により、ほぼ正
四角柱状をなす第1の回転体7と、ほぼ正四角柱状に削
孔された第2の回転体8とがほぼ駆動軸2周りに相対回
転させられて、第1の回転体7の外周側面7cと第2の
回転体8の内周側面8c上に等間隔に形成された突起部
84とが相互に当接するように構成したものである。
【0062】このような構成によれば、静止時において
はスピンドルモータ1の姿勢に関わりなく、第2の回転
体8は偏重心を生じにくく、偏重心による駆動系Dの振
動や軸振れを効果的に抑制することができる。
【0063】図19は、この発明の第11の実施形態を
示す平面図であり、第2の回転体8にはほぼ駆動軸2を
中心とする円周上の等角度間隔をおいて、駆動軸と平行
な方向に延在する4本の円柱状の当接部材22が形成さ
れている。弾性部材9の復元力により、ほぼ正四角柱状
をなす第1の回転体7と第2の回転体8とが、ほぼ駆動
軸2周りに相対回転させられて、第1の回転体7の外周
側面7cと第2の回転体8に形成された当接部材22と
が相互に当接するように構成されたものである。
【0064】このような構成によれば、静止時において
は、スピンドルモータ1の姿勢に関わりなく、第2の回
転体8は偏重心を生じにくく、偏重心による駆動系Dの
振動や軸振れを効果的に抑制することができる。
【0065】図20および図21は、この発明の第12
の実施形態を示す平面図および斜視(断面)図である。
この実施形態における回転バランサBは、第1の回転体
7のフランジ状部分7bの下面と、円環状の第2の回転
体8の内側フランジ状部分8bの上面とが、駆動軸2と
直交する平面内において平行変位可能な、たとえばゴム
等の発泡性または非発泡性の高分子よりなり、ほぼ駆動
軸2を中心とする円周上において等角度間隔において、
駆動軸と平行な方向に延在する4本の円柱状の弾性部材
9を介して連結され、第2の回転体8が駆動軸2の回転
円の円周方向および半径方向に移動自由に支持されてい
る。
【0066】上記第1の回転体7のフランジ状部分7b
には、ほぼ駆動軸2を中心とする仮想円周C1上におい
て等角度間隔をおいて駆動軸と平行な方向に延在する4
本の円柱状の当接部材21が形成され、第2の回転体8
の内周フランジ状部分8bには、ほぼ駆動軸2を中心と
し、当接部材21の配設される仮想円周C1上とはやや
異なる径の仮想円周C2上において、等角度間隔をおい
て駆動軸と平行な方向に延在する4本の円柱状の当接部
材22が形成されている。
【0067】すなわち、これらの仮想円C1、C2の半
径は等しくなく、かつその差がそれぞれの当接部材2
1、22の半径の和を超えない範囲に設定され、それに
よって、それぞれの当接部材21、22は、弾性部材9
の復元力により、第1の回転体7と第2の回転体8とが
ほぼ駆動軸2周りに相対回転させられたときの、当接部
材21と当接部材22との当接点における相互の束縛力
(抗力)Prが、駆動軸2に対応する相対回転軸に関し
てほぼ軸対称関係をなすとともに、相対回転軸を中心と
する円周上のそれぞれの当接点における束縛力の方向が
接線方向と交差するようになる。
【0068】この実施形態においても同様に、第2の回
転体8は、駆動軸2側と円柱状の弾性支持部材9の上下
を介して接続されているので、駆動軸と直交する方向に
平行変位が可能で、回転に際して面振れを生じることが
なく、安定した回転が得られる。そして、静止時におい
て、スピンドルモータ1の姿勢に関わりなく第2の回転
体8は偏重心を生じにくく、偏重心による駆動系Dの振
動や軸振れを効果的に抑制することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、スピンドルモータの駆動軸に回転可能に連結された
第1の回転体と、駆動軸と直交する方向にほぼ平行変位
可能な弾性部材を介して第1の回転体に結合される第2の
回転体とが、ほぼ駆動軸周りの円周上のほぼ等角度に隔
てた3箇所以上の個所において当接し、それぞれの当接
点における束縛力がほぼ軸対称をなすとともに、それら
の束縛力の方向と駆動軸周りの円の接線方向とが交差す
るように支持され、さらに、磁場発生手段と導電体とか
らなる制動手段が、スピンドルモータのステータ側と第
2の回転体との間に空隙を介して対向配置されるので、
回転時においては、第2の回転体に対して、それと相対
的に相違する大きさの駆動軸周りの回転角速度を与える
ように作用し、静止時においては、スピンドルモータの
姿勢に関わりなく、第2の回転体はその重心と駆動軸の
軸心との一致を維持することができるので、偏重心を生
じにくく、また偏重心のあるディスクを駆動した場合、
駆動系Dはディスクの重心と駆動軸の軸心との間に位置
する軸を回転軸として回転するようになり、駆動軸の軸
心と一致する位置に重心をおいた第2の回転体には、こ
の回転軸から見てディスクの重心とは反対の方向に偏っ
た遠心力が作用するようになって、第2の回転体はこの
偏った遠心力の作用する方向に弾性部材を変形させて釣
り合う位置まで移動する。その結果、ディスクの回転軸
は駆動軸の軸心近傍にもどって、偏重心による駆動系の
振動や軸振れを効果的に抑制することができる。
【0070】またディスクの偏重心に対し、これによっ
て生じる遠心力に即座に応答して重心移動することがで
きるため、回転バランサとしての調心機能の応答性がよ
い。さらに回転バランサは弾性部材によりほぼ平行変位
が可能となるように支持されているので、回転に際して
面振れを生じることがなく、安定した回転が得られる。
加えて、駆動軸に対してスラスト方向の加速度がかから
ないので、スピンドルモータの耐久性を損なうこともな
い。
【0071】さらに、駆動軸と直交する方向におけるス
ピンドルモータを支持する駆動系の共振周波数以上の回
転周波数となる回転角速度において、第1の回転体と第2
の回転体との当接点が非接触状態となるように構成され
るので、駆動系の共振周波数以上の回転周波数領域にお
いて、有効な回転バランサとして動作させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図2】同じく、第1の実施形態を示す一部断面斜視図
である。
【図3】同じく、第1の実施形態を示す一部断面分解斜
視図である。
【図4】同じく、第1の実施形態の一部を省略した平面
図である。
【図5】同じく、第1の実施形態の組立て方法を説明す
るための平面図である。
【図6】同じく、第1の実施形態の動作を説明するため
の模式図である。
【図7】同じく、第1実施形態の動作を説明するための
平面図である。
【図8】同じく、第1実施形態の動作を説明するための
平面図である。
【図9】同じく、第1実施形態の動作を説明するための
平面図である。
【図10】この発明の第2の実施形態を示す一部断面斜
視図である。
【図11】この発明の第3の実施形態を示す一部分解斜
視図である.
【図12】この発明の第4の実施形態を示す一部断面斜
視図である。
【図13】この発明の第5の実施形態を示す一部断面分
解斜視図である。
【図14】この発明の第6の実施形態を示す一部断面分
解斜視図である。
【図15】この発明の第7の実施形態を示す一部断面分
解斜視図である。
【図16】この発明の第8の実施形態を示す一部断面分
解斜視図である。
【図17】この発明の第9の実施形態を示す一部分解斜
視図である。
【図18】この発明の第1 0の実施形態を示す平面図で
ある。
【図19】この発明の第11の実施形態を示す平面図で
ある。
【図20】この発明の第12の実施形態を示す平面図で
ある。
【図21】同じく、この発明の第12の実施形態を示す
一部断面斜視図である。
【図22】従来例を示す側面図である。
【図23】同じく、従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 スピンドルモータ 2 駆動軸 7 第1の回転体 8 第2の回転体 9 弾性部材 10 磁場発生手段 13 導電体 21、22 当接部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体を回転駆動させるスピンド
    ルモータを含んだディスク駆動装置において、 前記スピンドルモータの駆動軸に同軸に固定され、その
    スピンドルモータとともに回転する第1の回転体と、 前記第1の回転体に対して、前記駆動軸の軸方向に延在
    する弾性部材を介して結合され、前記軸方向と直交する
    平面内で移動可能なように構成される第2の回転体とを
    備え、 前記第1の回転体の前記駆動軸周りの回転によって、前
    記第2の回転体がほぼ前記駆動軸周りに相対回転移動さ
    れたときに、前記第1の回転体と前記第2の回転体と
    が、相対回転軸周りの円周上のほぼ等角度に隔てた少な
    くとも3箇所において当接し、それらの当接点における
    それぞれの束縛力がほぼ軸対称をなしているとともに、
    前記当接点における前記円との接線方向と前記束縛力の
    方向とが交差するように構成され、さらに、 前記第2の回転体とスピンドルモータのステータ側との
    間に配設され、かつ、前記スピンドルモータの回転に伴
    なって前記第2の回転体と相対的に相違する大きさの前
    記駆動軸周りの回転角速度を発生させる制動手段を備え
    ることを特徴とするディスク駆動装置の回転バランサ。
  2. 【請求項2】 上記制動手段は、前記スピンドルモータ
    のステータ側に配設された磁場発生手段と、その磁場発
    生手段からの湧出した磁場領域内にある前記第2の回転
    体の少なくとも一部に配設された導電体とから構成され
    ることを特徴とする、請求項1に記載のディスク駆動装
    置の回転バランサ。
  3. 【請求項3】 上記制動手段は、前記第2の回転体に配
    設された磁場発生手段と、その磁場発生手段からの湧出
    した磁場領域内にある前記スピンドルモータのステータ
    側に配設された導電体とから構成されることを特徴とす
    る、請求項1に記載のディスク駆動装置の回転バラン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記第1の回転体および第2の回転体
    は、前記駆動軸と直交する方向における前記スピンドル
    モータを支持する駆動系の共振周波数以上の回転周波数
    となる回転角速度において、非接触状態となることを特
    徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のディス
    ク駆動装置の回転バランサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6717298B2 (en) * 1998-12-10 2004-04-06 Canon Kabushiki Kaisha Motor apparatus
CN103023196A (zh) * 2012-12-25 2013-04-03 昆山奥德鲁自动化技术有限公司 电机主轴带保护翻转装置

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