JP3723361B2 - バランス補正装置及びこれを備えた回転装置 - Google Patents

バランス補正装置及びこれを備えた回転装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ等の回転装置に取り付けられ、その回転時におけるアンバランスを修正するバランス補正装置及びこれを備えた回転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、モータには各種のものがあり、そのひとつにデータの記録・再生を行うための記録ディスク駆動用のものがある。そして、その記録ディスクには、CD、FD、MO、MD、DVD等種々のものがある。これらの記録ディスクは、記録・再生方式やデータ容量、回転速度、記録密度等の仕様あるいはディスクの材料、価格が異なるため、各ディスクごとにそれを駆動するモータとして種々のものが存在する。
【0003】
近年、電子情報が文字から画像へと移行し、それに伴う情報の高度化、大容量化によって、その情報を大量にかつ素早く記録・再生ができること、更には低コストであることなどが記録ディスク及びこれを駆動する駆動装置に対して要求されている。
【0004】
例えばCDの場合、当初は音楽再生用として登場したが、その利点を生かしCD−ROMとしてコンピュータ用へと用途が拡大した。これにより、データ容量が増大し、動作時間(シークタイム)の短縮化と共に記録ディスク側を速く回転させること、即ち記録ディスク駆動用モータが高速化されるに至り、最近では音楽用CDを基準速度として、20倍速を超えるものが実現化されている。
【0005】
ところで、従来の記録ディスク駆動用モータの具体的構成について図9を参照して説明する。
【0006】
【図9】に示すように、シャーシ等の固定部材1に形成された開口にほぼ円筒状を成す静止部材としての保持部材2の下端部が嵌着され、保持部材2の底面開口部が閉塞板3により閉塞され、スラスト受4が閉塞板3上に載置されて保持部材2内の底部に配設され、滑り軸受5が保持部材2の内側に嵌着されている。
【0007】
更に、保持部材2の外側にはコア7aが嵌着され、このコア7aに巻線7bが巻装され静止部材であるステータ7を構成している。また、回転部材であるシャフト8が滑り軸受5に嵌入され、その下端がスラスト受け4に当接し上端部が保持部材2の上方に突出して配設されている。シャフト8の上端部にはアルミニウム等の非磁性材から成る回転部材としてのハブ部材9が嵌着され、鉄等の磁性材から成る回転部材であるヨーク部材10がハブ部材9に取り付けられている。
【0008】
このヨーク部材10は、ほぼ円板状の基部とこの基部の周縁に下方に垂下して一体形成された垂下部とにより構成され、その基部の中央部に形成された開口の周りの部分がハブ部材9の下端部に加締めにより取り付けられている。更に、駆動用マグネット11がヨーク部材10の垂下部の内側に嵌入され、ステータ7に相対向する位置に配設されている。
【0009】
また図9に示すように、ハブ部材9の外側にターンテーブル部13が形成され、このハブ部材9の中央にこの上面とほぼ同一面を形成するようにクランプマグネット14が埋設され、このクランプマグネット14により図示しない駆動装置側のディスク押圧手段が磁気吸引されて記録ディスクDが固定される。そして、ステータ7の巻線7bへの電流の通流方向が制御されてステータ7が回転磁界を発生し、この回転磁界と駆動用マグネット11との静磁界との吸引及び反発の繰り返しによって、静止状態のステータ7に対して駆動用マグネット11、ヨーク部材10、ハブ部材9及びシャフト8が回転し、これによりターンテーブル部13及び記録ディスクDが一定方向に回転する。
【0010】
ところで、モータの高速化は、それまで問題にはならなかったような各部の寸法誤差等による重量バランスの偏り(アンバランス)を招来し、このようなアンバランスを修正するバランス補正装置として、従来例えば図9に示すように、ハブ部材9におけるターンテーブル部13の下面とヨーク部材10の基部とで環状空間から成る移動路16を形成し、この移動路16にバランス体として複数個の球体17を周方向に移動自在に収容して成るバランス補正装置18を組み込んだ記録ディスク駆動用モータ19が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CD−ROM等の記録ディスクDでは、その記録面と反対側の面に様々な印刷がなされ、印刷に使用されるインクの重量に起因して記録ディスクDに微少なアンバランスが生じる。ところが、このアンバランスが極めて少なければ上記した環状空間の移動路16とそこに収容された複数個の球体17とから成るバランス補正装置18では完全に補正することができず、極めてアンバランスが少ない記録ディスクD等を搭載して回転したモータ19では、上記したバランス補正装置18を備えていない場合よりもむしろバランス補正装置18を備えた場合の方が、回転振れが大きくなるという問題が生じる。
【0012】
また、アンバランスが少ない記録ディスクD等を搭載して回転したモータ19では、上記したバランス補正装置18を備えていると、同じ構成のモータ19であっても起動毎に回転振れの振動値が変化するといった問題もある。
【0013】
これらの問題の原因として、モータ回転時に、バランス補正装置18内の球体17に作用する摩擦力が密接に関与していることが挙げられ、この摩擦力によって、球体17がバランス補正点に正確に移動できずにこの点を含むある範囲内でバラツキを持って分布し、不釣り合いの位置で停止してしまうことになる。そこで、摩擦力を低減するために球体17の移動面を鏡面研磨することも考えられるが、この鏡面研磨処理に非常に大きなコストがかかるという問題が生じる。
【0014】
この発明が解決しようとする課題は、微少なアンバランスがあってもこれを確実に補正できるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明におけるバランス補正装置は、回転部材に連動して回転する連動部材と、前記連動部材に形成された環状空間から成る移動路と、前記移動路内に移動自在に収容されたバランス体と、前記バランス体に対して前記移動路の方向への調整振動外力を強制的に付加する非回転の付加手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
いま、回転部材等に微少なアンバランスがある場合、この微少アンバランスにより遠心力が発生し、回転部材の回転軸心が撓んで回転振れが生じる。危険速度以上の回転速度では、回転体は重心回りに回転しようとするので、回転部材の重心は徐々に軸受中心に近付いて行くが、回転部材の重心と移動路が形成されている連動部材の回転中心との間にはずれがあるため、移動路内に収容されたバランス体に働く遠心力は移動路壁面に垂直とはならず、移動路接線方向に分力を持ち、バランス体は徐々に移動させられ、最終的に回転部材とバランス体とから成る総合的な重心位置が回転体中心と一致する釣合位置にバランス体が移動し、このとき軸受中心とも一致するので完全にバランスがとれた状態で回転部材は回転することができるようになる。
【0017】
そして、このバランス体のスムーズな移動を妨げる摩擦力に対し、この遠心力の移動路接線方向への分力と、付加手段による調整力の移動路接線方向分力との合成力が、バランス体にかかる最大静止摩擦力を上回るように調整力を回転軸心と交差する一定の方向に静止側から非回転で付加すれば、調整力は回転しているバランス体に対しては交番振動外力として働くので、バランス体は釣合位置付近で微少振動し、バランス補正位置に移動し易くなる。
【0018】
従って、上記したような構成によれば、アンバランスの少ないディスクを搭載したモータ等の回転装置を回転するような場合に、バランス体の不釣り合い位置での停止によるアンバランスの発生が極力抑えられると共に、バランス体が移動路内を迅速に移動することによって微少なアンバランスが確実に補正される。
【0019】
このとき、付加手段としては、バランス体に重力或いは磁力などを調整力として付加することが望ましい。また、バランス体は球体等の転動体のほか、流動体や半流動体、粉体等が好ましい。更に、移動路は、仕切壁や隔壁等によって形成されたもののほか、円盤状部材に形成された凹部から成るものが望ましい。
【0020】
同様な効果は、前記連動部材を傾斜した状態に支持することで重力に基づく前記調整力を前記バランス体に付加することでも得られる
【0021】
このように、連動部材を傾斜して移動路を傾斜することで、バランス体に対して移動路の傾斜面に平行方向への重力の分力を調整振動外力として作用させることが可能になり、この調整振動外力の移動路接線方向分力と、バランス体への遠心力の前記調整振動外力と同方向への分力との合成力により、バランス体を釣合位置付近で微少振動させてバランス体のバランス補正位置への移動を容易にし、微少なアンバランスを確実に補正することが可能になる。
【0022】
発明におけるバランス補正装置は、前記非回転の付加手段が、磁力による前記調整振動外力を前記バランス体に付加する手段であることを特徴としている。
【0023】
こうすれば、連動部材を傾けるなどしなくても、バランス体に調整振動外力を付加することができ、例えば設置スペースの関係から連動部材を傾斜させることができない場合などに効果的である。
【0024】
また、本発明におけるバランス補正装置は、前記バランス体が、転動体から成ることを特徴としている。この場合、転動体であれば移動路内を移動する際の摩擦が小さくて済み、しかも移動路内に収容する際の取り扱いが容易になるという利点がある。
【0025】
更に、本発明の回転装置は、静止部材及びこの静止部材に対して回転自在に設けられた回転部材とにより構成され、前記回転部材に連動して回転する連動部材と、前記連動部材に形成された環状空間から成る移動路と、前記移動路内に移動自在に収容されたバランス体とから成るバランス補正装置を備えた回転装置において、前記バランス体に対して前記移動路の方向への調整力を強制的に付加する付加手段を備えていることを特徴としている。
【0026】
このような構成によれば、回転部材等に微少なアンバランスがある場合、この微少アンバランスにより回転振れが生じると、危険速度以上の回転速度では回転部材とバランス体とから成る総合的な重心位置と回転体形状中心と軸受中心との間にずれが生じて軸受中心を中心にバランス体に遠心力が作用し、この遠心力の移動路接線方向への分力と、付加手段による調整力の移動路接線方向分力との合成力が、バランス体にかかる最大静止摩擦力を上回るように調整力を回転軸心と交差する一定の方向に静止側から非回転で付加すれば、調整力は回転しているバランス体に対しては交番振動外力として働くので、バランス体は釣合位置付近で微少振動し、バランス補正位置に移動し易くなる。そのため、バランス体の不釣り合い位置での停止によるアンバランスの発生が極力抑えられると共に、バランス体が移動路内を迅速に移動することによって微少なアンバランスが確実に補正される。
【0027】
同様な効果は、前記静止部材、前記回転部材及び前記連動部材を内部に収容する筐体、及びこの筐体を傾斜した状態で支持することで重力に基づく前記調整力を前記バランス体に付加することでも得られる
【0028】
このようにすれば、筐体自体を傾斜して移動路を傾斜することで、バランス体に対して移動路の傾斜面に平行方向への重力の分力を調整力として作用させることが可能になり、この調整力の移動路接線方向分力と、バランス体への遠心力の前記調整力と同方向への分力との合成力により、バランス体を釣合位置付近で微少振動させてバランス体のバランス補正位置への移動を容易にし、微少なアンバランスを確実に補正することが可能になる。
【0029】
更に、本発明の回転装置は、前記付加手段が、前記静止部材、前記回転部材及び前記連動部材を内部に収容する筐体、及びこれら各部材を前記筐体内で傾斜した状態で支持することで重力に基づく前記調整力を前記バランス体に付加する部材により構成されていることを特徴としている。
【0030】
こうすることで、筐体内で連動部材を傾斜して移動路を傾斜することで、バランス体に対して移動路の傾斜面に平行方向への重力の分力を調整力として作用させることが可能になり、この調整力移動路接線方向分力と、バランス体への遠心力の前記調整力と同方向への分力との合成力により、バランス体を釣合位置付近で微少振動させてバランス体のバランス補正位置への移動を容易にし、微少なアンバランスを確実に補正することが可能になる。
【0031】
また、本発明の回転装置は、前記付加手段が、前記連動部材のみを傾斜した状態に支持して重力に基づく前記調整力を前記バランス体に付加する部材から成ることを特徴としている。
【0032】
こうすれば、連動部材を傾斜して移動路を傾斜することで、バランス体に対して移動路の傾斜面に平行方向への重力の分力を調整力として作用させることが可能になり、この調整力移動路接線方向分力と、バランス体への遠心力の前記調整力と同方向への分力との合成力により、バランス体を釣合位置付近で微少振動させてバランス体のバランス補正位置への移動を容易にし、微少なアンバランスを確実に補正することが可能になる。
【0033】
更に、本発明の回転装置は、前記付加手段が、磁力による前記調整力を前記バランス体に付加する手段であることを特徴としている。この場合、連動部材を傾けるなどしなくても、バランス体に調整力を付加することができる。
【0034】
また、本発明の回転装置は、前記バランス体が、転動体から成ることを特徴としている。こうすると、転動体であれば移動路内を移動する際の摩擦が小さくて済み、しかも移動路内に収容する際の取り扱いが容易になるという利点がある。
【0035】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。本実施形態は、バランス補正装置を備えた回転装置としてのCD−ROM駆動用モータの例であり、図1は概略構成を示す正面図、図2ないし図5は動作説明図である。但し、以下の説明では図9も参照する。
【0036】
本実施形態において、モータの基本的構成は上記した従来のものとほぼ同じであり、次の点だけが大きく相違している。即ち本実施形態では、図1に示すように、図9に示す構成のモータ19を筐体21内に収容し、その際に筐体21の内面に固着された支持部材22a、22bによりモータ19全体を筐体21内で傾斜した状態に支持し、これによりバランス体である各球体17に対して移動路の方向への調整力を強制的に付加するようにしている。
【0037】
このとき、ハブ部材9のターンテーブル部13が連動部材に相当し、筐体21及び支持部材22a、22bがこのような調整力を付加する付加手段に相当する。また、図1において、24はモータ基板、25はシャーシ1と支持部材22a、22bとの間に介挿された防振ゴム、26は紙面に垂直方向に移動するディスクDの読み取り用ピックアップ、27はピックアップ駆動用モータである。
【0038】
次に、この発明の原理について図2、図3を参照して簡単に説明する。但し、図2は移動路16の傾斜がない場合、図3はこれとは逆に移動路16の傾斜がある場合を示す。
【0039】
いま、図2、図3に示すように、例えばディスクD等に微少なアンバランスがある場合、この微少アンバランスに起因してモータの回転(図2、図3中のR矢印方向への回転)に伴って遠心力が発生し、回転軸心が撓んで回転振れが生じると、軸受5の中心位置(以下、これを軸受中心と称する)BとディスクDの回転体形状中心Sとの間にずれが生じて軸受中心Bを中心に球体17に遠心力F1が作用する。
【0040】
そして、この遠心力F1は、回転体形状中心Sと球体17の中心とを結ぶ直線Lに平行な分力F1pと直交する方向への分力F1vとに分けられ、この分力F1vの存在により、球体17は移動路16を周方向に移動することになり、更に球体17の移動に伴ってディスクDと球体17とから成る総合重心Gは移動する。図2は、本発明の動作原理を示す概念図であるため、球体17は1個しか図示されていないが、球体17が図2の周上に複数個配設された場合には、上記した総合重心Gと軸受中心Bと回転体形状中心Sとが完全に一致して球体17に分力F1vが作用しなくなると、球体17は停止することになる。これが自動調整機構の動作原理である。
【0041】
ところで、実際では、球体17には移動路16の壁面との接触による摩擦力F2が作用しており、移動路16の傾斜がなく、しかも球体17に何ら外力が作用しない場合で、分力F1vが最大静止摩擦力よりも小さいときには、分力F1v=摩擦力F2となり、球体17はその位置で停止することになる。
【0042】
従って、図9に示す従来のバランス補正装置18を備えたモータ19の場合には、上記したように、摩擦力F2によって、球体17がバランス補正点に正確に移動できずにこの点を含むある範囲内でバラツキを持って分布し、不釣り合いの位置で停止してしまうのである。
【0043】
これに対し、図3に示すように、移動路16の傾斜がある場合には、球体17に働く重力のこの傾斜面に平行方向の成分を重力成分Fmとすると、この重力成分Fmは上記直線Lに平行な分力Fmpと直交する方向への分力Fmvとに分けられ、このときの分力Fmvが球体17に対して調整力として作用し、遠心力F1の分力F1vと、調整力である重力成分Fmの分力Fmvとの合成力が、バランス体にかかる最大静止摩擦力F3を上回れば、球体17は図中のRと逆方向、即ち反時計回り方向に移動する。更に、回転体が回転して球体17が図中の左方に位置したとき、分力Fmvは壁面に対し今度はR方向、即ち時計回り方向に作用する。このように、球体17と壁面との関係を中心に見たとき、重力成分Fmの分力Fmvは球体17に作用する振動外力となるため、球体17は釣合位置付近で微少振動し、バランス補正位置に移動し易くなる。
【0044】
また、このように移動路16を傾けることで、球体17がバランス補正位置に移動し易くなることを実験的に検証するために、直径3.5mmの球体2個を移動路16に収容し、防振用のスポンジを介して実験台上に設置したモータについて、モータの起動、停止を50回繰り返して両球体17の中心と回転中心との成す角度の分散を調べたところ、モータの傾斜角度が0゜及び60゜である場合の結果はそれぞれ図4及び図5に示すようになった。
【0045】
これら図4、図5から、モータを傾斜させた方が両球体17の中心と回転中心との成す角度はほぼ160゜〜180゜の範囲にバラツキなく収まり、殆ど分散がなく非常に再現性がよいことがわかる。また、モータの傾斜角度が大きいほど、両球体17の中心と回転中心との成す角度のバラツキが少なくなる傾向が強くなることも検証できた。
【0046】
このように、遠心力F1の移動炉壁面接線方向への分力F1v(図3参照)と、調整力である重力成分Fmの分力Fmv(図3参照)との合成力が、球体17にかかる最大静止摩擦力F3(図3参照)を上回るように調整力を付加すれば、バランス体は釣合位置付近で微少振動し、バランス補正位置に移動し易くなる。
【0047】
従って、上記した実施形態によれば、移動路16を傾斜させて球体17に調整力を付加することにより、アンバランスの少ないディスクDを搭載したモータ19を回転するような場合であっても、球体17の不釣り合い位置での停止によるアンバランスの発生を極力抑えることができると共に、球体17が移動路16内を迅速に移動することができて、微少なアンバランスを確実に補正することができる。
【0048】
なお、類似の実施形態として、図6に示すように、筐体30内に防振ゴム31を介してモータ19を固定し、このようにモータ19を収容した筐体30全体を支持部材32により傾斜した状態に保持するようにしてもよく、この場合も上記した実施形態と同等の効果を得ることができるのはいうまでもなく、筐体30自体の厚みが図1の場合よりも薄くて済むものの、 60 °を越すような大きな傾斜を設けるには使用者の利便性が悪いという欠点がある。
【0049】
また、上記した各実施形態では、モータの構成部材であるハブ部材9のターンテーブル部13及びヨーク部材10の基部(図9参照)にバランス補正装置を形成し、バランス補正装置18を一体的に組み込んだモータ19を例として説明したが、更に異なる実施形態として、図7に示すように、モータの構成部材とは別の連動部材35を、ハブ部材9等の回転部材に連動して回転するように設け、この連動部材35に環状空間から成る移動路を形成し、この移動路にバランス体である球体36を収容してユニット化したバランス補正装置37を形成し、このユニット化したバランス補正装置37のみを傾斜させて球体36に重力に基づく調整力を付加してもよい。この場合も、図1の場合と同等の効果を得ることができる。但し、図7において図6と同一符号は、同一若しくは相当するものを示す。
【0050】
更に、上記した各実施形態では、移動路16を傾斜させることで、球体17に調整力を付加する場合について説明したが、図8に示すように、球体17を磁性体により形成し、移動路16の外部の静止部材に配設した静止磁石38等により、回転方向で変動する磁力を球体17に与えることで振動力を付加する磁気手段を、調整振動外力の付加手段として用いてもよく、こうすると連動部材を傾けるなどしなくても、球体17等のバランス体に調整力を付加することができ、例えば設置スペースの関係から連動部材を傾斜させることができない場合などに非常に効果がある。
【0051】
また、上記した各実施形態では、バランス体を球体17、36とした場合について説明したが、バランス体は必ずしも球体である必要はなく、樽型や円錐型等のその他の転動体であってもよく、流動体や半流動体であってもよい。
【0052】
更に、上記した各実施形態では、シャフト8が回転するタイプのモータ19にこの発明を適用した場合について説明したが、その他にインナーロータタイプのモータやシャフトが固定されたタイプのモータにもこの発明を適用することができるのは勿論である。
【0053】
また、この発明は、上記した各実施形態のようにモータに対して適用できるのに留まらず、回転部材を有し回転時にアンバランスを生じ得る全ての回転装置に対しても適用することが可能である。
【0054】
更に、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、アンバランスの少ないディスクを搭載したモータ等の回転装置を回転するような場合、バランス体の不釣り合い位置での停止によるアンバランスの発生を極力抑えることができると共に、バランス体が移動路内を迅速に移動することができて、微少なアンバランスを確実に補正することができ、精度の高いバランス補正により回転装置の回転のいっそうの安定化を図ることが可能になる。
【0056】
【0057】
また、請求項に記載の発明によれば、連動部材を傾けるなどしなくても、バランス体に調整力を付加することができ、例えば設置スペースの関係から連動部材を傾斜させることができない場合などに効果的である。
【0058】
また、請求項に記載の発明によれば、バランス体が転動体であるため、移動路内を移動する際の摩擦が小さくて済み、移動路内に収容する際の取り扱いが容易になる。
【0059】
また、請求項に記載の発明によれば、付加手段により調整力を付加するため、バランス体の不釣り合い位置での停止によるアンバランスの発生を極力抑えることができると共に、バランス体が移動路内を迅速に移動することができて、微少なアンバランスを確実に補正でき、安定した回転性能を有するモータ等の回転装置を提供することが可能になる。
【0060】
【0061】
また、請求項に記載の発明によれば、筐体内で連動部材を傾斜して移動路を傾斜することで、バランス体に調整力を簡単に付加することができるため、バランス体を釣合位置付近で微少振動させてバランス体のバランス補正位置への移動を容易にして、微少なアンバランスを確実に補正することができ、安定した回転性能を有するモータ等の回転装置を提供することが可能になる。
【0062】
また、請求項に記載の発明によれば、連動部材を傾斜して移動路を傾斜することで、バランス体に調整力を簡単に付加することができるため、バランス体を釣合位置付近で微少振動させてバランス体のバランス補正位置への移動を容易にして、微少なアンバランスを確実に補正することができ、安定した回転性能を有するモータ等の回転装置を提供することが可能になる。
【0063】
また、請求項に記載の発明によれば、連動部材を傾けるなどしなくても、バランス体に調整力を付加することができ、安定した回転性能を有するモータ等の回転装置を提供することが可能になる。
【0064】
また、請求項に記載の発明によれば、バランス体が転動体であるため、移動路内を移動する際の摩擦が小さくて済み、移動路内に収容する際の取り扱いが容易になり、安定した回転性能を有するモータ等の回転装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の概略構成を示す正面図である。
【図2】一実施形態の動作説明図である。
【図3】一実施形態の動作説明図である。
【図4】一実施形態の動作説明図である。
【図5】一実施形態の動作説明図である。
【図6】この発明の他の実施形態の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図7】この発明の異なる実施形態の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図8】この発明の更に異なる実施形態の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図9】従来例の切断正面図である。
【符号の説明】
2 保持部材(静止部材)
7 ステータ(静止部材)
8 シャフト(回転部材)
9 ハブ部材(回転部材)
10 ヨーク部材(回転部材)
13 ターンテーブル部(連動部材)
17、36 球体
18、37 バランス補正装置
19 モータ
21、30 筐体(非回転付加手段)
22a、22b、32 支持部材(非回転付加手段)
35 連動部材
38 磁石(非回転付加手段)

Claims (8)

  1. 回転部材に連動して回転する連動部材と、前記連動部材に形成された環状空間から成る移動路と、前記移動路内に移動自在に収容されたバランス体と、前記バランス体に対して前記移動路の方向への調整振動外力を強制的に付加する非回転の付加手段とを備えていることを特徴とするバランス補正装置。
  2. 前記非回転の付加手段が、磁力による前記調整振動外力を前記バランス体に付加する手段であることを特徴とする請求項1に記載のバランス補正装置。
  3. 前記バランス体が、転動体から成ることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のバランス補正装置。
  4. 静止部材及びこの静止部材に対して回転自在に設けられた回転部材とにより構成され、前記回転部材に連動して回転する連動部材と、前記連動部材に形成された環状空間から成る移動路と、前記移動路内に移動自在に収容されたバランス体とから成るバランス補正装置を備えた回転装置において、前記バランス体に対して前記移動路の方向への調整振動外力を強制的に付加する非回転の付加手段を備えていることを特徴とする回転装置。
  5. 前記非回転の付加手段が、前記静止部材、前記回転部材及び前記連動部材を内部に収容する筐体、及びこれら各部材を前記筐体内で傾斜した状態で支持することで重力に基づく前記調整振動外力を前記バランス体に付加する部材により構成されていることを特徴とする請求項に記載の回転装置。
  6. 前記非回転の付加手段が、前記連動部材のみを傾斜した状態に支持して重力に基づく前記調整振動外力を前記バランス体に付加する部材から成ることを特徴とする請求項に記載の回転装置。
  7. 前記非回転の付加手段が、磁力による前記調整振動外力を前記バランス体に付加する手段であることを特徴とする請求項に記載の回転装置。
  8. 前記バランス体が、転動体から成ることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の回転装置。
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