JP2001163986A - 成形品の製造方法および溶融粘度の改良方法 - Google Patents

成形品の製造方法および溶融粘度の改良方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイレクトブロー成形またはインフレーシ
ョン成形を適用することができる、高い溶融粘度を備え
るとともに溶融粘度の制御が容易な、ポリエチレンナフ
タレンジカルボキシレート成形品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 多官能芳香族カルボン酸および/または
その酸無水物を0.1〜5重量%含有するポリエチレン
ナフタレンジカルボキシレートのペレットであるマスタ
ーペレットとポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
トのペレットとの混合物を成形機に供給して溶融混練を
行ない賦形して成形品を得る成形品の製造方法であっ
て、ペレットおよびマスターペレットとして特定の条件
を満足するものを用いることを特徴とする、成形品の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンナフ
タレンジカルボキシレートの成形品の製造方法および溶
融粘度の改良方法に関する。さらに詳しくは、ダイレク
トブロー成形およびインフレーション成形による賦形を
好適に適用することのできる、ポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレート成形品の製造方法および溶融粘度の
改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
ートは、耐熱性、ガスバリア性、低吸着性、耐薬品性に
優れ、包装容器材料として注目されている。しかし、ポ
リエチレンナフタレンジカルボキシレート自体は、加工
温度での溶融粘度が低く、ダイレクトブロー成形性およ
びインフレーション成形性に劣る。溶融粘度を改良する
方法として、ポリエチレンテレフタレートについては、
酸無水物を添加する方法(特開平8-239502号公報)およ
び多官能芳香族カルボン酸を重合時に添加する方法が知
られている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかし、これらの方法
を、そのままポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
トの生産プロセスに適用して溶融粘度を向上しようとし
ても、ポリエチレンテレフタレートに比較して溶融粘度
特性の制御が困難である。成形方法の応じて最適な溶融
粘度特性のものを得ようとしても困難であり、特に、ダ
イレクトブロー成形およびインフレーション成形に供す
ることのできる高い溶融粘度を備えながら溶融粘度の制
御の容易なポリエチレンナフタレンジカルボキシレート
を得るのは困難である。
【0004】そこで、本発明の目的は、賦形方法として
ダイレクトブロー成形またはインフレーション成形を適
用することができる、高い溶融粘度を備えるとともに溶
融粘度の制御が容易な、ポリエチレンナフタレンジカル
ボキシレート成形品の製造方法を提供することにある。
本発明は、また、上記目的のためにポリエチレンナフタ
レンジカルボキシレートの溶融粘度の改良方法、すなわ
ち、溶融粘度を向上し、かつその制御を容易にする方法
を提供することを課題とする。さらに、ダイレクトブロ
ー成形またはインフレーション成形を適用することがで
きる、耐熱性、ガスバリア性、低吸着性および耐薬品性
に優れる成形品の製造方法を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 多官能
芳香族ジカルボン酸および/またはその酸無水物をマス
ターペレットとして、ポリエチレンナフタレンジカルボ
キシレートのペレットに配合し、このときのマスターペ
レットの樹脂の溶融粘度とペレットの樹脂の溶融粘度が
特定の条件を満足すると、ダイレクトブロー成形および
/またはインフレーション成形を適用して、耐熱性、ガ
スバリア性、低吸着性に優れるポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレートの成形品を製造することができるこ
とをみいだし、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、 項1)多官能芳香族カルボン酸および/またはその酸無
水物を0.1〜5重量%含有するポリエチレンナフタレ
ンジカルボキシレートのペレットであるマスターペレッ
トとポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのペレ
ットとの組成物を、成形機に供給し賦形して成形品を得
る成形品の製造方法であって、ペレットおよびマスター
ペレットとして下記の条件を全て満足するものを用いる
ことを特徴とする、成形品の製造方法、 50% < (M2/M1)×100% < 150% 60% > (M3/M1)×100% (ただし、M1はポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
ートのペレットのメルトインデックス値、M2はマスター
ペレットのメルトインデックス値、M3は組成物の賦形後
のメルトインデックス値である) 項2)成形機により賦形する際に、溶融粘度の低下率が
60%未満となる条件で組成物を溶融混練する請求項1
記載の、成形品の製造方法、 項3)マスターペレットが、水分含有率1000ppm
以下のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用
いて溶融状態で30〜180秒の滞留時間の条件で溶融
混練して製造されたマスターペレットである、項1記載
の成形品の製造方法、 項4)賦形がダイレクトブロー成形またはインフレーシ
ョン成形により行われる、項1記載の成形品の製造方
法、および、 項5)多官能芳香族カルボン酸および/またはその酸無
水物を0.1〜5重量%含有するポリエチレンナフタレ
ンジカルボキシレートのペレットであるマスターペレッ
トとポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのペレ
ットとの組成物を、成形機に供給して溶融混練するとき
に、ペレットおよびマスターペレットとして下記の条件
を全て満足するものを用いることを特徴とする、ポリエ
チレンナフタレンジカルボキシレートの溶融粘度の改良
方法である。 50% < (M2/M1)×100% < 150% 60% > (M3/M1)×100% (ただし、M1はポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
ートのペレットのメルトインデックス値、M2はマスター
ペレットのメルトインデックス値、M3は組成物の賦形後
のメルトインデックス値である) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】[ポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
ート]ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、
ナフタレンジカルボン酸を主体とするジカルボン酸単位
とエチレングリコールを主体とするジオール単位とから
なるポリエステルである。本発明において、エチレング
リコールは、全ジオール単位の50〜100モル%、好
ましくは81〜100モル%、さらに好ましくは、91
〜100モル%を占め、ナフタレンジカルボン酸は、全
ジカルボン酸単位の50〜100モル%、好ましくは8
1〜100モル%、さらに好ましくは、91〜100モ
ル%を占める。
【0008】共重合可能なジオール成分としては、プロ
ピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどの脂肪
族グリコール;1,4−シクロヘキンサングリコール等
の脂環族グリコール;ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオー
ル;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コールなどポリオール;レゾルシン、ハイドロキノン、
ジヒドロキシジフェニル、ビスヒドロキシエトキシフェ
ニルフルオレンなどフルオレン等を例示することができ
る。
【0009】共重合可能なジカルボン酸成分としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルフタル酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等脂肪族ジカル
ボン酸;ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、フェ
ニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン
酸、ジフェニルスルフィドジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸等を例示することができる。
【0010】共重合可能なオキシカルボン酸成分として
は、オキシ安息香酸、ヒドロキシジフェニルカルボン酸
等を例示することができる。
【0011】特性を損なわない範囲で、三官能基以上の
化合物、例えばグリセリン、トリメチルプロパン、ペン
タエリスリトール、トリメリット酸等を共重合しても良
い。
【0012】上記ポリエステルは、従来公知の、ポリエ
ステルの一般的な重合方法を適用して得ることができ
る。その一例として、エチレングリコール、ナフタレン
ジカルボン酸ジメチル、および必要に応じて共重合成分
を、メチルアルコールを留去しながらエステル交換反応
させ、その後減圧下で重縮合反応を行う方法を例示する
ことができる。更に、得られたポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレートの極限粘度数を上げるために、固相
重合を行っても良い。本発明に用いられるポリエチレン
ナフタレンジカルボキシレートは、その極限粘度数が、
25℃オルトクロロフェノール溶媒中で、通常0.4〜1.1
dl/g、好ましくは0.5〜1.0dl/gのものである。
【0013】上述のポリエチレンナフタレンジカルボキ
シレートは、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
トのペレットとして用いられるとともに、マスターペレ
ットのポリエチレンナフタレンジカルボキシレートとし
て用いられる。
【0014】[マスターペレット]マスターペレットに
は、多官能芳香族カルボン酸および/またはその酸無水
物が配合されている。本発明において、多官能芳香族カ
ルボン酸とは、3官能であるトリメリット酸、4官能で
あるピロメリット酸である。したがって、多官能芳香族
カルボン酸の無水物はトリメリット酸の無水物およびピ
ロメリット酸の無水物である。他方、2官能であるフタ
ル酸は、溶融粘度改善の効果が発現しないため適さな
い。
【0015】マスターペレットの製造に用いるポリエチ
レンナフタレンジカルボキシレートとしては、水分含有
率1000ppm以下、好ましくは500ppm以下の
ものを用いる。この水分含有率は、ポリエチレンナフタ
レンジカルボキシレートのペレットを通常の方法で乾燥
することにより達成することができる。水分含有率が1
000ppmを超えると、本発明の溶融粘度特性の改良
効果が発現しない。
【0016】マスターペレットは、ポリエチレンナフタ
レンジカルボキシレートに、多官能芳香族カルボン酸お
よび/またはその酸無水物を配合し、その含有量を0.
1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%としたもの
である。配合量が0.1重量%未満では溶融粘度改良効
果が低く、5重量%を超えると三次元状に分岐した未溶
融ポリマーの「ゲル」が多量に発生するため使用に適し
ない。
【0017】マスターペレットは、多官能芳香族カルボ
ン酸および/またはその無水物とポリエチレンナフタレ
ンジカルボキシレートとを、溶融混合して製造すること
ができる。このとき、一般的には、スクリュ式押出機を
用いることができる。
【0018】本発明の用いられるマスターペレットは、
その製造に当たり、溶融状態で混合される時間が重要で
ある。この溶融混合される時間すなわち押出機内での滞
留時間は好ましくは30〜180秒、さらに好ましくは
30〜120秒である。180秒を超えると、多官能カ
ルボン酸とポリエチレンナフタレンジカルボキシレート
末端との反応が進みすぎて網目状に架橋したポリマーと
なり、マスターペレットとして用いたときに、成形中に
フィッシュアイが多発する原因となる。
【0019】本発明に用いるマスターペレットは、多官
能カルボン酸がポリマー末端と未反応の状態で存在し、
成形品の製造のために、ポリエチレンナフタレンジカル
ボキシレートのペレットに配合されて溶融混練により可
塑化される段階で、速やかにポリエチレンナフタレンジ
カルボキシレートの末端との反応が進むものであり、こ
のようなマスターペレットとするためには、上述のよう
に、マスターペレットの製造に用いるポリエチレンナフ
タレンジカルボキシレートの水分含有率を1000pp
m以下とし、さらにマスターペレットの製造における溶
融混練時間を180秒以下とすることが好ましい。
【0020】ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
ト末端と多官能カルボン酸および/またはその酸無水物
との反応量は、測定が困難であるため、本発明では、マ
スターペレットのメルトインデックス値を指標として用
いる。この指標を用いれば、本発明におけるマスターペ
レットは、次の条件を満足するものである。 50% < (M2/M1)×100% < 150% (ただし、M1はポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
ートのペレットのメルトインデックス値、M2はマスター
ペレットのメルトインデックス値である)
【0021】[溶融混練]本発明において、成形品の製
造のときに、このマスターペレットは、ポリエチレンナ
フタレンジカルボキシレートのペレットに配合されて、
マスターペレットとペレットの組成物、好ましくは均一
な混合物として溶融混練されるが、この溶融混練は、溶
融粘度の低下率が60%未満となる条件で行われ、式で
表せば次のようになる。 60% > (M3/M1)×100% (ただし、 M1はポリエチレンナフタレンジカルボキシ
レートのペレットのメルトインデックス値、M3は組成物
の賦形後のメルトインデックス値である)
【0022】マスターペレットの配合量は、ポリエチレ
ンナフタレンジカルボキシレートのペレット100重量
部に対して、好ましくは1〜30重量部、さらに好まし
くは5〜15重量部である。この範囲で配合することに
より、マスターペレットが均一に分散し溶融粘度改善効
果が得られる。なお本発明の手法ではマスターペレット
の添加量を調整することより溶融粘度を調整することが
可能なため、成形方法に適した溶融粘度となるように適
宜マスターペレット添加量を調整する必要が有る。
【0023】本発明では、上記の溶融混練により、マス
ターペレットとペレットとを溶融混練した組成物とし、
これを任意の形状に賦形して成形品を得る。本発明は、
特にダイレクトブロー成形、インフレーション成形およ
び異形押出成形など高い溶融粘度が必要とされる成形方
法に好適に適用することができる。
【0024】[添加剤等]なお、本発明の溶融粘度の改
善効果を阻害しない範囲で、各種ポリマー、添加剤、改
質剤、染料、顔料などを配合してもよい。
【0025】特に、ポリエチレンテレフタレートは、本
発明におけるマスターペレットに対して好適な反応性を
有するため、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
トにブレンドして併用することができる。ポリエチレン
ナフタレンジカルボキシレートの特性を損なわない範囲
の量、すなわち、樹脂成分の10〜40重量%のポリエ
チレンテレフタレートを配合することは、コストダウン
のうえで有利である。
【0026】また、染料など着色剤のマスターペレット
と本発明の溶融粘度改良のためのマスターペレットを併
用することも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により、さらに詳細に本発明を
説明する。なお、特性は以下の方法で測定した。
【0028】[メルトインデックス値(MI)値]MFR測
定機を用いて温度290℃、荷重2.16kg、滞留時間2minで
測定した。賦形後の組成物のMI値(M3)は、成形機から
吐出されたパリソンを破砕してサンプルとして用いた。
【0029】[ダイレクトブロー性]成形機から吐出さ
れたパリソンの表面を目視にて観察して、ブツの発生状
況をみて、評価した。
【0030】[原料]原料としては、次のものを用い
た。なお、表1において、ポリエチレンナフタレンジカ
ルボキシレートを「PEN」、ポリエチレンテレフタレ
ートを「PET」と略記する。
【0031】(1)ポリエチレンナフタレンジカルボキ
シレート ジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレートとエ
チレングリコールとを常法に従って酢酸マンガン触媒で
エステル交換反応させた後、リン酸を添加して反応を停
止させ、その後二酸化ゲルマニウムを添加して溶融重合
反応を行い、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
トを得た。これはナフタレンジカルボン酸100mol%およ
びエチレングリコール100mol%で構成され、MI値(M1)
は19g/10minであり、極限粘度数が25℃のオルトクロ
ロフェノール溶媒中にて0.55であった。これを、水分含
有量480ppmの状態で実施例1〜3および比較例2
のマスターペレットの原料に用い、水分含有率2600
ppmの状態で比較例3のマスターペレットの原料なら
びに実施例1〜3および比較例1〜3のポリエチレンナ
フタレンジカルボキシレートのペレットとして用いた。
【0032】(2)ポリエチレンテレフタレート ポリエチレンテレフタレートとして帝人(株)製ポリエ
チレンテレフタレートTR-8550Tを用いた。
【0033】(3)多官能カルボン酸 多官能カルボン酸としてピロメリット酸2無水物を使用
した。
【0034】[実施例1〜3、比較例1〜3]次のよう
にしてマスターペレットを製造した。除湿式乾燥機にて
予め水分量を調整したポリエチレンナフタレンジカルボ
キシレート100重量部とピロメリット酸2無水物1重
量部とを、同方向二軸押出機(日本製鋼所製TEX-30)に
投入して、シリンダー温度280℃にて溶融混合した。
このとき、原料供給量およびスクリュ回転数を適宜変更
することより、滞留時間を調整し、MI値(M2)を調整し
た。滞留時間およびMI値(M2)を表1に示す。
【0035】ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
トのペレット、ポリエチレンテレフタレートのペレット
および上記マスターペレットとを、表1に記載の配合割
合で混合して、ダイレクトブロー成形機(日本製鋼所製
JEB-7)に供給して、100ml丸底ボトルの金型を用いて
ブロー成形して成形品を得た。なお、ダイレクトブロー
成形機では、シリンダー温度280℃、滞留時間4.5分
で組成物を溶融混練した。
【0036】実施例および比較例の条件および評価の結
果を表1にまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】マスターペレットを配合した場合には、溶
融粘度特性が改善され、成形性が良好であった。得られ
た成形品は、ブツの発生も無く、均一な表面状態であっ
た。
【0039】マスターペレットを配合しない場合には、
比較例1のようにダイレクトブローには適さずドローダ
ウンが激しいため成形は困難な状況であった。
【0040】マスターペレット製造時の溶融状態での滞
留時間が長いと、溶融粘度の改善効果が低下して、多く
の場合成形不可能となった。この場合は、たとえ成形品
が得られても、マスターペレット自体の溶融粘度が極端
に増加して、成形品のパリソンの表面には、一般にフィ
ッシュアイと呼ばれる透明だが粒状の異物が多発した
(比較例2)。
【0041】マスターペレットの製造に用いるポリエチ
レンナフタレンジカルボキシレートの水分含有率が本発
明の範囲を超えて大きい(水分含有率2600ppm)場合、
マスターペレット自体の溶融粘度が極端に低下し、この
マスターペレットをポリエチレンナフタレンジカルボキ
シレートに配合しても、溶融粘度の改善の効果は無く、
成形不可能な状態であった(比較例3)。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、賦形方法としてダイレ
クトブロー成形またはインフレーション成形を適用する
ことができる、高い溶融粘度を備えるとともに溶融粘度
の制御が容易な、ポリエチレンナフタレンジカルボキシ
レート成形品の製造方法を提供することができる。さら
に、本発明によれば、ポリエチレンナフタレンジカルボ
キシレートの溶融粘度を高くし、かつ粘度の制御を容易
にする方法を提供することができる。この結果、ダイレ
クトブロー成形またはインフレーション成形を適用する
ことができる、耐熱性、ガスバリア性、低吸着性および
耐薬品性に優れる成形品の製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA47 AB24 AC40 AC88 FA03 FB04 FC05 4F071 AA45 AA88 AC09 AF02 AF08 AF10 AF45 AH04 BA01 BB06 BB09 BB13 BC01 BC04 4J029 AA03 AE01 BA02 BA03 BA05 BA08 BA10 BB13A CA04 CA06 CB05A CB06A FC35 FC36 KH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能芳香族カルボン酸および/または
    その酸無水物を0.1〜5重量%含有するポリエチレン
    ナフタレンジカルボキシレートのペレットであるマスタ
    ーペレットとポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
    トのペレットとの組成物を、成形機に供給し賦形して成
    形品を得る成形品の製造方法であって、ペレットおよび
    マスターペレットとして下記の条件を全て満足するもの
    を用いることを特徴とする、成形品の製造方法。 50% < (M2/M1)×100% < 150% 60% > (M3/M1)×100% (ただし、M1はポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
    ートのペレットのメルトインデックス値、M2はマスター
    ペレットのメルトインデックス値、M3は組成物の賦形後
    のメルトインデックス値である)
  2. 【請求項2】 成形機により賦形する際に、溶融粘度の
    低下率が60%未満となる条件で組成物を溶融混練する
    請求項1記載の成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 マスターペレットが、水分含有率100
    0ppm以下のポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
    ートを用いて溶融状態で30〜180秒の滞留時間の条
    件で溶融混合して製造されたマスターペレットである、
    請求項1記載の成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 賦形がダイレクトブロー成形またはイン
    フレーション成形により行われる、請求項1記載の成形
    品の製造方法。
  5. 【請求項5】 多官能芳香族カルボン酸および/または
    その酸無水物を0.1〜5重量%含有するポリエチレン
    ナフタレンジカルボキシレートのペレットであるマスタ
    ーペレットとポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
    トのペレットとの組成物を、成形機に供給して溶融混練
    するときに、ペレットおよびマスターペレットとして下
    記の条件を全て満足するものを用いることを特徴とす
    る、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの溶融
    粘度の改良方法。 50% < (M2/M1)×100% < 150% 60% > (M3/M1)×100% (ただし、M1はポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
    ートのペレットのメルトインデックス値、M2はマスター
    ペレットのメルトインデックス値、M3は組成物の賦形後
    のメルトインデックス値である)
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