JP2001163888A - セファロスポリン結晶 - Google Patents

セファロスポリン結晶

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JP2001163888A JP2000260682A JP2000260682A JP2001163888A JP 2001163888 A JP2001163888 A JP 2001163888A JP 2000260682 A JP2000260682 A JP 2000260682A JP 2000260682 A JP2000260682 A JP 2000260682A JP 2001163888 A JP2001163888 A JP 2001163888A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 7−フェニルアセトアミド−3−ホルミ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジ
ルエステルが本来有する高い反応性を保持しながら、し
かも安定で分解を起すことがない該エステル化合物の結
晶を提供する。 【解決手段】 7−フェニルアセトアミド−3−ホルミ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジ
ルエステルとジメチルホルムアミドとの包接化合物であ
るセファロスポリン結晶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセファロスポリン結
晶に関する。詳しくは、本発明は、式(1)で表される
7−フェニルアセトアミド−3−ホルミル−3−セフェ
ム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(以
下特に断らない限り「3−ホルミルセフェム化合物
(1)という)の結晶に関するものである。
【0002】
【化1】
【0003】3−ホルミルセフェム化合物(1)は分子
内に反応性の高いホルミル基を有し、各種イリド化合物
と反応(ビッティッヒ反応)して容易に各種アルケニル
セフェム化合物に導くことができるので、例えば、現在
幅広く利用されている抗生物質であるセフィキシム(最
新抗生物質要覧第10版、酒井克治著、83頁)等の合
成中間体として非常に有用である。
【0004】
【従来の技術】従来、3―ホルミルセフェム化合物
(1)は、例えば、Tetrahedron Lett.,23,21
87(1982)記載の方法に従って7−フェニルアセ
トアミド−3−クロロメチルセフェム−4−カルボン酸
p−メトキシベンジルエステルを製造し、このエステル
とヨウ化カリウムとを反応させ、該エステル中の塩素原
子をヨウ素原子に置換して7−フェニルアセトアミド−
3−ヨードメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキ
シベンジルエステルとし、これを、Synlett,660
(1990)や特開平3−258783号公報等に記載
の方法に従って酸素酸化することにより、油状物又は非
晶質粉末として製造されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】3−ホルミルセフェム
化合物(1)は、溶液、油状物又は非晶質粉末の状態で
はホルミル基が空気酸化を受けて分解反応を起し易いと
いう特性を有する(試験例1)。このため、工業スケー
ルで3−ホルミルセフェム化合物(1)からセフィキシ
ム等の抗生物質を製造する際に、該化合物(1)の分解
により、目的とする抗生物質を高収率且つ高純度で得る
ことが出来ない。しかも、分解性を低下させるために、
貧溶媒による晶析法等の公知の結晶化方法をこれらの油
状物又は非晶質粉末に施しても、結晶を成長させること
が出来ず、得られるのは非晶質粉末にすぎない(参考例
2)。
【0006】そこで、長期に亘って分解を起さずに安定
でしかも高純度な3−ホルミルセフェム化合物(1)の
結晶が強く望まれていた。本発明の課題は、3−ホルミ
ルセフェム化合物(1)が本来有する高い反応性を保持
しながら、しかも安定で分解を起すことがない3−ホル
ミルセフェム化合物(1)の結晶を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は7−フェニルア
セトアミド−3−ホルミル−3−セフェム−4−カルボ
ン酸p−メトキシベンジルエステルとジメチルホルムア
ミドとの包接化合物であるセファロスポリン結晶に係
る。
【0008】本発明によれば、油状物又は非晶質粉末の
3−ホルミルセフェム化合物(1)に対して、ジメチル
ホルムアミド中で超臨界又は亜臨界の二酸化炭素を用い
る晶析法を適用する場合には、安定でしかも高純度の3
―ホルミルセフェム化合物(1)の結晶を含む包接結晶
体が得られることが明らかになった。包接化合物とは2
種の分子が適当な条件で組み合わさって結晶ができると
き、一方の分子がトンネル形、層状または網状構造等を
つくり、その隙間に他の分子が入り込んだ構造の化合物
のことである。本発明のセファロスポリン結晶を用いれ
ば、セフィキシム等の抗生物質を90%以上の高収率及
び95%以上の高純度で製造することができる。
【0009】なお、本発明においては、X線粉末回折ス
ペクトルの測定は、(株)リガク製の商品名:RAD−
IIAという装置を用いて、下記測定条件で行った。 線源:モノクロメーターを通した波長1.5418オン
グストロームの銅放射線。 管球電圧:40KV 管球電流:40mA スキャン角度(2θ):5〜60度 サンプリング幅:0.020度 スキャン速度:3度/分
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセファロスポリン結晶の
中でも、上記と同条件で得られる下記のX線粉末回折パ
ターンによって特徴づけられる結晶性固形物が好まし
い。
【0011】 格子面間隔(d) 10.87〜11.71 8.42〜9.30 6.35〜6.79 5.64〜6.24 4.67〜4.87 4.49〜4.60 4.38〜4.48 4.09〜4.18 3.92〜3.99 3.83〜3.91 3.63〜3.71 3.33〜3.36
【0012】更に本発明のセファロスポリン結晶の中で
も、上記と同条件で得られる下記のX線粉末回折パター
ンによって特徴づけられる白色結晶性固形物が好まし
い。
【0013】 格子面間隔(d) 相対強度(I/Io) 10.87〜11.71 0.61〜0.67 8.42〜9.30 0.50〜0.56 6.35〜6.79 0.70〜0.78 5.64〜6.24 0.32〜0.36 4.67〜4.87 0.69〜0.77 4.49〜4.60 0.27〜0.29 4.38〜4.48 0.41〜0.45 4.09〜4.18 0.30〜0.36 3.92〜3.99 0.42〜0.46 3.83〜3.91 1.00 3.63〜3.71 0.46〜0.50 3.33〜3.36 0.29〜0.32
【0014】本発明のセファロスポリン結晶の一例とし
ては、例えば、上記と同条件で得られる下記のX線粉末
回折パターンを有するものを挙げることができる。
【0015】 格子面間隔(d) 相対強度(I/Io) 10.87〜11.71 0.61〜0.67 8.42〜9.30 0.50〜0.56 7.30〜7.70 0.04〜0.05 7.20〜7.00 0.19〜0.21 6.80〜6.99 0.18〜0.20 6.35〜6.79 0.70〜0.78 5.64〜6.24 0.32〜0.36 5.36〜5.60 0.04〜0.06 5.20〜5.35 0.06〜0.08 5.09〜5.19 0.09〜0.11 4.88〜5.08 0.20〜0.22 4.67〜4.87 0.69〜0.77 4.49〜4.60 0.27〜0.29 4.38〜4.48 0.41〜0.45 4.30〜4.37 0.06〜0.08 4.19〜4.28 0.08〜0.10 4.09〜4.18 0.30〜0.36 4.00〜4.08 0.16〜0.18 3.92〜3.99 0.42〜0.46 3.83〜3.91 1.00 3.72〜3.85 0.22〜0.24 3.63〜3.71 0.46〜0.50 3.57〜3.62 0.14〜0.16 3.52〜3.56 0.06〜0.08 3.45〜3.51 0.11〜0.13 3.41〜3.44 0.09〜0.11 3.37〜3.40 0.10〜0.12 3.33〜3.36 0.29〜0.32 3.29〜3.32 0.14〜0.16 3.10〜3.24 0.15〜0.17 3.01〜3.07 0.14〜0.16 2.94〜3.00 0.07〜0.09 2.83〜2.93 0.11〜0.13
【0016】本発明のセファロスポリン結晶における、
3−ホルミルセフェム化合物(1)の結晶とジメチルホ
ルムアミドとの割合は、両者の使用割合、超臨界又は亜
臨界二酸化炭素の使用量、温度や圧力、晶析時の温度条
件等に応じて適宜変化するが、通常3−ホルミルセフェ
ム化合物(1)の結晶を1〜99モル%、好ましくは4
0〜90モル%含有している 。
【0017】なお本発明のセファロスポリン結晶が、3
−ホルミルセフェム化合物(1)とジメチルホルムアミ
ドとの包接結晶物であることは、例えば、H−NMR
スペクトルの積分比から確認できる。
【0018】本発明のセファロスポリン結晶は、3−ホ
ルミルセフェム化合物(1)の非晶質粉末及び/又は油
状物を含水ジメチルホルムアミドに溶解し、超臨界二酸
化炭素又は亜臨界二酸化炭素を導入して晶析することに
より製造できる。
【0019】含水ジメチルホルムアミドにおける含水率
は特に制限はないが、通常0.2〜20容量%、好まし
くは1〜10容量%とするのが良い。また、ジメチルホ
ルムアミドと共にジメチルホルムアミド以外の有機溶媒
の1種又は2種以上を併用することもできる。該有機溶
媒としては、ジメチルホルムアミドとの相溶性が良好
で、晶析反応に悪影響を与えないものであれば特に制限
されず、例えば、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド系溶媒等を挙げることができる。ジ
メチルホルムアミドとの併用割合は特に制限されない
が、ジメチルホルムアミドが3容量%以上、好ましくは
10容量%以上含まれるようにすればよい。
【0020】超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素の臨界
点(温度31℃、圧力7.3MPa)を超える温度と圧
力をもつ二酸化炭素である。亜臨界二酸化炭素とは、臨
界点に僅かに達しない温度(20〜30℃付近)と圧力
(6〜7.2MPa付近)を持つ二酸化炭素である。本
発明では、超臨界又は亜臨界状態の二酸化炭素として、
通常3〜40MPa程度、望ましくは6〜30MPa程
度の圧力を有するものを使用する。超臨界又は亜臨界二
酸化炭素の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜
選択できるが、通常ジメチルホルムアミド/超臨界又は
亜臨界二酸化炭素=30/70〜10/90(V/V)
となるように使用するのが好ましい。
【0021】晶析反応の温度条件は、超臨界又は亜臨界
二酸化炭素の圧力等に応じて適宜選択できるが、通常5
〜70℃程度、好ましくは20〜50℃程度がよい。こ
の様にして得られるセファロスポリン結晶は、公知の精
製手段に従って反応系から単離できる。例えば、反応系
内に析出するセファロスポリン結晶を濾取し、常圧もし
くは減圧下、好ましくは約25〜45℃の温度で乾燥し
てもよい。
【0022】上記のように本発明のセファロスポリン結
晶は、例えば前述の抗生物質セフィキシムの合成におけ
る中間体となりうる。セフィキシムの合成を以下の反応
式の様に行うことができる。
【0023】即ち本発明のセファロスポリン結晶を、メ
チルトリフェニルホスホニウムアイオダイド及び炭酸ナ
トリウムと反応させることにより7−フェニルアセトア
ミド−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸p−
メトキシベンジルエステルに導く。このものを五塩化リ
ン/ピリジンで処理し、イソブタノールを加えることに
よって7位側鎖を切除し、得られた7−アミノ−3−ビ
ニル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベン
ジルエステルの4位p−メトキシベンジルエステルの脱
保護を行って、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム
−4−カルボン酸を得る。この化合物は特開昭63−2
0435号に記載の方法によりセフィキシムへと導くこ
とができる。
【0024】
【化2】
【0025】
【実施例】以下に、参考例、実施例及び試験例を挙げ、
本発明を具体的に説明する。本発明の安定性セファロス
ポリン結晶及び出発原料である油状物の製造についてそ
れぞれ記載する。
【0026】参考例1(7−フェニルアセトアミド−3
−ホルミルセフェム−4−カルボン酸p−メトキシベン
ジルエステル油状物の製造) 100mlの四つ口フラスコに7−フェニルアセトアミ
ド−3−ヨードメチル−セフェム−4−カルボン酸p−
メトキシベンジルエステル5g、アルミニウム粉末5g
及び塩化ロジウム250mgを秤取り、ジメチルホルム
アミド50mlを加え攪拌する。反応液を十分に攪拌し
ながら酸素を導入し、高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)にて原料の消失を確認する。反応終了後、反応
液を3〜5℃の1規定塩酸200ml中に注ぎ、酢酸エ
チル300mlを加え攪拌、静置、分液を行う。得られ
た有機層はさらに水100mlにて2回水洗を行った
後、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濃縮を行うと7−フ
ェニルアセトアミド−3−ホルミル−3−セフェム−4
−カルボン酸p−メトキシベンジルエステルの油状物
3.5gが得られる。このときの油状物の純度は71%
であった。 H−NMR(CDCl)δ:3.23(d,J=1
8Hz,1H),3.62(d,J=16Hz,1
H),3.69(d,J=16Hz,1H),3.81
(s,3H),3.97(d,J=18Hz,1H),
4.98(d,J=5.1Hz,1H),5.26(d,
J=12Hz,1H),5.31(d,J=12Hz,
1H),5.94(dd,J=5.1,9.3Hz,1
H),6.00(d,J=9.3Hz,1H),6.87
〜7.41(m,9H),9.78(s,1H)
【0027】実施例1(安定性セファロスポリン結晶の
製造) 容量50mlの焼結フィルター付き耐圧容器に7−フェ
ニルアセトアミド−3−ホルミル−3−セフェム−4−
カルボン酸p−メトキシベンジルエステル油状物12g
及び2%含水ジメチルホルムアミド12mlを仕込み十
分攪拌溶解する。次に内温を35℃に保ちながら、二酸
化炭素を15MPaになるまで攪拌しながら圧入する。
溶液の圧入終了後、内温を45℃に昇温し、30分間攪
拌熟成すると、7−フェニルアセトアミド−3−ホルミ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジ
ルエステルの結晶が析出する。熟成終了後、析出した結
晶を温度、圧力を保ったまま、15MPaの二酸化炭素
を用いて濾過、洗浄を行う。洗浄終了後、脱圧を行って
乾燥すると、本発明のセファロスポリン結晶が10g得
られる。
【0028】得られたセファロスポリン結晶のH−N
MRスペクトル[H−NMR(CDCl)δpp
m]を図1に示す。図1から明らかな様に、該セファロ
スポリン結晶の主要ピークは、7−フェニルアセトアミ
ド−3−ホルミル−3−セフェム−4−カルボン酸p−
メトキシベンジルエステルのそれと一致した。また、該
NMRスペクトルにはジメチルホルムアミド由来の2.
880(s,3H)、2.954(s,3H)、8.01
0(s,1H)の3つのピークを有していた。また、N
MRスペクトルの積分比から、該セファロスポリン結晶
が、7−フェニルアセトアミド−3−ホルミル−3−セ
フェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル
とジメチルホルムアミドとを50モル%ずつ含む包接結
晶体であることが確認された。該セファロスポリン結晶
の、モノクロメーターを通したλ=1.5418Åの銅
放射線で得られるX線粉末回折パターンを以下に記載す
る。
【0029】 d I/Io 11.4 0.64 8.86 0.53 7.51 0.04 7.12 0.20 6.98 0.19 6.67 0.74 5.95 0.34 5.47 0.05 5.33 0.07 5.14 0.10 4.94 0.21 4.80 0.73 4.53 0.28 4.44 0.43 4.35 0.07 4.23 0.09 4.15 0.32 4.04 0.17 3.95 0.44 3.89 1.00 3.80 0.23 3.69 0.48 3.60 0.15 3.55 0.07 3.50 0.12 3.43 0.10 3.39 0.11 3.35 0.30 3.33 0.15 3.17 0.16 3.05 0.15 2.97 0.08 2.88 0.12
【0030】参考例2 500mlのナス型フラスコにジイソプロピルエーテル
200mlを入れ、予め3℃に冷却する。これとは別
に、7−フェニルアセトアミド−3−ホルミル−3−セ
フェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル
油状物12gをジメチルホルムアミド12mlに溶解す
る。あらかじめ冷却したジイソプロピルエーテルにジメ
チルホルムアミド溶液を攪拌しながらゆっくりと仕込む
と7−フェニルアセトアミド−3−ホルミル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステルの
粉末が析出する。内温を5〜10℃に保ちながら1時間
熟成後、減圧濾過、ジイソプロピルエーテルにて洗浄、
真空乾燥を行うと、7−フェニルアセトアミド−3−ホ
ルミル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベ
ンジルエステル10.5gが得られた。このときの純度
は89%であり、モノクロメーターを通したλ=1.5
418Åの銅放射線で得られるX線粉末回折パターンを
測定した結果、明確なピークが得られなかったことか
ら、このものは結晶ではなく非晶質粉末であることが判
明した。
【0031】試験例1 安定性試験 実施例1で得られたセファロスポリン結晶及び参考例2
で得られた非晶質7−フェニルアセトアミド−3−ホル
ミル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベン
ジルエステル(非晶質物)各100gを用い、20〜2
5℃の恒温室及び3〜5℃の冷蔵庫中に所定の時間保存
し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分解率
を求めた。結果を表1に示した。表より本発明のセファ
ロスポリン結晶は分解を殆ど起こさず安定性に優れてい
ることが判る。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、反応上高活性でありな
がら、高度に安定化された7−フェニルアセトアミド−
3−ホルミル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メト
キシベンジルエステル結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明セファロスポリン結
晶の1H−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬尾 芳香 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 Fターム(参考) 4C075 BB02 CC02 CC13 CC40 CD09 CD16 DD02 DD12 DD30 EE02 EE05 EE10 FF01 GG01 HH01 HH02 KK06 LL01 LL08 MM10 MM90

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7−フェニルアセトアミド−3−ホルミ
    ル−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジ
    ルエステルとジメチルホルムアミドとの包接化合物であ
    るセファロスポリン結晶。
  2. 【請求項2】 モノクロメーターを通したλ=1.54
    18Åの銅放射線で得られるX線粉末回折パターンで下
    記格子面間隔(d)にピークを有する請求項1記載のセ
    ファロスポリン結晶。 格子面間隔(d) 10.87〜11.71 8.42〜9.30 6.35〜6.79 5.64〜6.24 4.67〜4.87 4.49〜4.60 4.38〜4.48 4.09〜4.18 3.92〜3.99 3.83〜3.91 3.63〜3.71 3.33〜3.36
  3. 【請求項3】 モノクロメーターを通したλ=1.54
    18Åの銅放射線で得られる下記のX線粉末回折パター
    ンを有する請求項2記載のセファロスポリン結晶。 格子面間隔(d) 相対強度(I/Io) 10.87〜11.71 0.61〜0.67 8.42〜9.30 0.50〜0.56 6.35〜6.79 0.70〜0.78 5.64〜6.24 0.32〜0.36 4.67〜4.87 0.69〜0.77 4.49〜4.60 0.27〜0.29 4.38〜4.48 0.41〜0.45 4.09〜4.18 0.30〜0.36 3.92〜3.99 0.42〜0.46 3.83〜3.91 1.00 3.63〜3.71 0.46〜0.50 3.33〜3.36 0.29〜0.32
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