JP2001163548A - エレベータ装置 - Google Patents

エレベータ装置

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JP2001163548A
JP2001163548A JP35230399A JP35230399A JP2001163548A JP 2001163548 A JP2001163548 A JP 2001163548A JP 35230399 A JP35230399 A JP 35230399A JP 35230399 A JP35230399 A JP 35230399A JP 2001163548 A JP2001163548 A JP 2001163548A
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relative displacement
building
hoistway
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JP35230399A
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Hiroshi Katayama
山 洋 片
Shigeru Fujimoto
本 滋 藤
Hiroaki Ito
東 弘 晃 伊
Masakatsu Okamoto
本 正 勝 岡
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B7/00Other common features of elevators
    • B66B7/02Guideways; Guides
    • B66B7/023Mounting means therefor
    • B66B7/024Lateral supports

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  • Lift-Guide Devices, And Elevator Ropes And Cables (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基礎部建物である非免震部建物と上部建物で
ある免震部建物との間に地震によって生じる大きな相対
変位を吸収して耐震性と安全性を向上させることを可能
にする。 【解決手段】 相対変位を生じさせる変位力を受けた場
合に、変位力が所定値以下のときは、相対変位がほぼ零
となるように一方の部材と他方の部材とを支持し、変位
力が所定値Fを超えたときには、相対変位が生じる方
向に変位するように構成されている相対変位吸収装置
を、ガイドレールを支持するガイドレール支持装置とし
て用い、相対変位吸収装置の一端がガイドレールに取り
付けられ他端が昇降路の壁面に取り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震時に非免震部
建物と免震部建物との間に生じる大きな相対変位を吸収
する相対変位吸収装置を用いたエレベータ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、免震建物の非免震部建物と免震部
建物とにまたがって昇降するエレベータ装置において
は、地震時に非免震部建物と免震部建物との間に大きな
相対変位が生じた場合の対策として、特開平10−88
846号公報に記載されているように、各建物の上下多
層階に渡りエレベータのガイドレールを支柱体により支
持し、この支柱体の上端を非免震部建物に下端を免震部
建物に連結し、ガイドレールの上下端の支持間隔を長く
する構造が提案されている。
【0003】この構造においては、地震時に非免震部建
物と免震部建物との間に大きな相対変位が生じた場合で
も、支柱体とそれに固定されているガイドレールを長い
支持間隔で緩やかに変形させ、ガイドレールに大きな応
力を発生させないことを目的としている。
【0004】また地震時のエレベータの運行方法とし
て、エレベータ昇降時に地震を感知した場合には、従来
はエレベータに近い最寄りの乗降階にエレベータを停止
させて乗客を速やかにエレベータ外部へ避難させる方法
が安全対策として採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のエ
レベータ装置の問題を図22を参照して説明する。
【0006】図22において、免震建屋構造をなす基礎
部建物17および免震装置19により支持されている上
部建物18のエレベータの昇降路21の上部および下部
に渡り複数の支柱体76を設置する。これら支柱体76
は上端が上部建物18に固定され、下端が基礎部建物1
7に固定されている。ガイドレール22は連結部材80
によって複数の支柱体76に連結されるとともにこの支
柱体76間を連結した横梁77上に支持される。そして
支柱体76を上方向および下方向で越えた部分はそれぞ
れの建物の昇降路21にガイドレール固定部材78によ
り固定されている。
【0007】鉄筋構造の建物などに多く見られるよう
に、ガイドレール22を支柱体76と横梁77により支
持し、これを建物の鉄筋構造へ溶接やボルトなどに固定
する構造は周知のものである。ここではこれらの建物へ
の固定間隔を長くすることが特徴となっている。
【0008】地震時には免震建屋では、地震力を低減す
るために免震装置19が大きく水平方向に変形するた
め、基礎部建物17と上部建物18との間に大きな相対
変位が生じる。
【0009】このような免震建屋においては、それぞれ
の建物に固定されている支柱体76およびガイドレール
22は梁として、相対的には基礎部建物17側の支持部
を固定端として、上部建物18側の支持端を作用点とし
て、水平方向に大きく曲げ変形をする。
【0010】局部変形を考えない場合でも、基礎部建物
17と上部建物18との相対変位が500mm程度の設
計条件で、標準的な24キロレール(T型レール)を使
用した場合、ガイドレール22の変形応力を許容応力内
に抑えるためには、支柱体76を建物に固定する支持間
隔は約10m程度が必要となる。支柱体76の曲げ剛性
は一般的にはガイドレール22より大きく設計する必要
があると考えられるため、支柱体76にはガイドレール
22よりさらに大きな応力が発生すると考えられる。ま
た支持部の局部応力なども考慮すると支柱体76とその
支持構造部79やガイドレール22の損傷を防ぐために
はさらに長い支持間隔が必要となる。
【0011】また基礎部建物17と上部建物18との相
対変位量がさらに大きな免震設計においては、支柱体7
6の支持間隔を非常に長くする必要がある。また上下方
向への支柱体76やガイドレール22の幾何学的な伸び
上がりも大きいため、基礎部建物17と上部建物18と
の相対変位が大きい場合には支柱体76とその支持構造
部79やガイドレール22の塑性変形や破断といった破
壊が発生する危険性がある。
【0012】また支柱体76とその支持構造部79やガ
イドレール22などの剛性を低く柔に設計し、基礎部建
物17と上部建物18との相対変位による発生応力を低
く抑えた場合にも、通常運転時に発生する振動によって
エレベータが大きく揺れるなどの問題が発生する。
【0013】また、従来のように地震時に最寄りの乗降
階にエレベータを停止させる運転方法を採用した場合、
エレベータが基礎部建物17と上部建物18との中間付
近を通過する場合には、基礎部建物17と上部建物18
との境界付近の乗降階にエレベータが停止し扉が開かれ
ることになる。ここではエレベータのガイドレール22
が基礎部建物17と上部建物18との相対変位によって
激しく揺れるためエレベータの揺れも大きく、またエレ
ベータと乗降階床面との相対変位も大きいため、乗客に
大きな被害を与える恐れがある。
【0014】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
のであって、地震時に基礎部建物である非免震部建物と
上部建物である免震部建物との間に生じる大きな相対変
位を吸収して耐震性と安全性を大幅に向上させることの
できる相対変位吸収装置を備え、耐震性と安全性を向上
させることのできるエレベータ装置を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によるエレベータ
装置は、地盤基礎上に構築される基礎部建物およびこの
基礎部建物上に免震装置を介して据え付けられる上部建
物からなる免震建屋と、前記基礎部建物と前記上部建物
の間を通して設けられた昇降路を昇降するエレベータ
と、前記昇降路内に設けられて前記エレベータを案内す
るガイドレールと、前記基礎部建物と前記上部建物との
境界の近傍の前記昇降路内に設けられて前記ガイドレー
ルを支持するガイドレール支持装置と、を備えているエ
レベータ装置において、相対変位を生じる2つの部材の
一方の部材に一端が取り付けられ、他方の部材に他端が
取り付けられて前記相対変位を吸収する相対変位吸収装
置であって、前記相対変位を生じさせる変位力を受けた
場合に、前記変位力が所定値以下のときは、前記相対変
位がほぼ零となるように前記一方の部材と前記他方の部
材とを支持し、前記変位力が前記所定値を超えたときに
は、前記相対変位が生じる方向に変位するように構成さ
れている相対変位吸収装置を、前記ガイドレールを支持
するガイドレール支持装置として用い、前記相対変位吸
収装置の一端が前記ガイドレールに取り付けられ他端が
前記昇降路の壁面に取り付けられたことを特徴とする。
【0016】なお、前記相対変位吸収装置は、前記ガイ
ドレールおよび前記昇降路の壁面のうちの一方の部材に
一端が取り付けられた第1の部材と、他方の部材に一端
が取り付けられて前記一方の部材と摺動可能なように構
成された第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部
材との摺動面の静止摩擦力の大きさを調整可能な摩擦力
調整部と、を備えるように構成しても良い。
【0017】なお、前記相対変位吸収装置は、前記ガイ
ドレールおよび前記昇降路の壁面のうちの一方に一端が
取り付けられ他方に他端が取り付けられてばね力による
予圧力を発生する予圧力発生部を備えているように構成
しても良い。
【0018】なお、前記相対変位吸収装置は、前記ガイ
ドレールおよび前記昇降路の壁面のうちの一方に一端が
取り付けられ、他方に他端が取り付けられて弾塑性領域
で履歴特性を有する材料からなる部材を備えているよう
に構成しても良い。
【0019】本発明によるエレベータ装置は、地盤基礎
上に構築される基礎部建物およびこの基礎部建物上に免
震装置を介して据え付けられる上部建物からなる免震建
屋と、前記基礎部建物と前記上部建物の間を通して設け
られた昇降路を昇降するエレベータと、前記昇降路内に
設けられて前記エレベータを案内するガイドレールと、
前記基礎部建物と前記上部建物との境界の近傍の前記昇
降路内に設けられて前記ガイドレールを支持するガイド
レール支持装置と、を備えているエレベータ装置におい
て、前記ガイドレール支持装置は、前記ガイドレールを
複数本連結するガイドレール連結部材と、相対変位を生
じる2つの部材の一方の部材に一端が取り付けられ、他
方の部材に他端が取り付けられて前記相対変位を吸収す
る相対変位吸収装置であって前記相対変位を生じさせる
変位力を受けた場合に、前記変位力が所定値以下のとき
は、前記相対変位がほぼ零となるように前記一方の部材
と前記他方の部材とを支持し、前記変位力が前記所定値
を超えたときには、前記相対変位が生じる方向に変位す
るように構成され、一端が前記ガイドレール連結部材に
取り付けられ、他端が前記昇降路の壁面に取り付けられ
た相対変位吸収装置と、を備えたことを特徴とする。
【0020】なお、前記相対変位吸収装置は、前記ガイ
ドレール連結部材および前記昇降路の壁面のうちの一方
の部材に一端が取り付けられた第1の部材と、他方の部
材に一端が取り付けられて前記一方の部材と摺動可能な
ように構成された第2の部材と、前記第1の部材と前記
第2の部材との摺動面の静止摩擦力の大きさを調整可能
な摩擦力調整部と、を備えるように構成しても良い。
【0021】なお、前記相対変位吸収装置は、前記ガイ
ドレール連結部材および前記昇降路の壁面のうちの一方
に一端が取り付けられ他方に他端が取り付けられてばね
力による予圧力を発生する予圧力発生部を備えているよ
うに構成しても良い。
【0022】なお、前記相対変位吸収装置は、前記ガイ
ドレール連結部材および前記昇降路の壁面のうちの一方
に一端が取り付けられ、他方に他端が取り付けられて弾
塑性領域で履歴特性を有する材料からなる部材を備えて
いるように構成しても良い。
【0023】なお、前記ガイドレール支持装置は、一端
が前記ガイドレール連結部材に取り付けられ他端が前記
と昇降路の壁面に取り付けられて前記エレベータの昇降
方向に垂直な方向に伸縮可能なリンク機構を更に備える
ように構成しても良い。
【0024】なお、前記ガイドレール支持装置は、一端
が前記ガイドレール連結部材に取り付けられ他端が前記
昇降路の壁面に取り付けられて前記相対変位を減衰させ
る減衰装置を更に備えるように構成しても良い。
【0025】なお、前記ガイドレール支持装置は、中間
ジョイントを有し一端が前記昇降路の壁面に取り付けら
れ他端がスライド機構を介して前記ガイドレール連結部
材に取り付けられた一対のリンク機構と、前記一対のリ
ンク機構の中間ジョイントを連結する減衰装置と、を備
えるように構成しても良い。
【0026】なお、前記ガイドレール連結部材は、複数
台のエレベータのガイドレールを一体化して支持するよ
うに構成しても良い。
【0027】なお、前記ガイドレール支持装置は、前記
ガイドレール連結部材と前記昇降路の壁面を連結する連
結部の少なくとも一部を昇降路より外側の乗降階床構造
内部に設置するように構成しても良い。
【0028】なお、ガイドレール支持装置は、ガイドレ
ール連結部材と昇降路壁面を連結する連結部が乗降床の
少なくとも一部を形成するように構成しても良い。
【0029】なお、ガイドレール支持装置において、一
方をガイドレールあるいはガイドレール支持装置あるい
はガイドレール連結部材に、他方を建物に連結し、ガイ
ドレール位置を調整する装置を有するあるいはガイドレ
ール位置を調整する装置の取り付け手段を有するように
構成しても良い。
【0030】なお、ガイドレールを上下方向に拘束しな
い、あるいはガイドレールの上下剛性より低い剛性の支
持構造物でガイドレールを上下方向に支持してガイドレ
ール支持装置を構成しても良い。
【0031】なお、ガイドレール支持装置において、ガ
イドレールをガイドレールの軸回転以外の回転方向で拘
束しない、あるいはガイドレールの軸回転以外の回転方
向においてガイドレールの回転剛性より低い回転剛性を
有する支持構造物でガイドレールを支持するように構成
しても良い。
【0032】なお、地盤基礎上に構築される基礎部建物
と、この建物上に免震装置を介して据え付けられる上部
建物とからなる免震建屋の内部に設置された基礎部建物
と上部建物の間を通して昇降するエレベータのガイドレ
ールを設置した免震建物用エレベータ装置において、非
常止め用のレールをガイドレールと別途設置するように
構成しても良い。なお、地盤基礎上に構築される基礎部
建物と、この建物上に免震装置を介して据え付けられる
上部建物とからなる免震建屋の内部に設置された基礎部
建物と上部建物の間を通して昇降するエレベータのガイ
ドレールを設置した免震建物用エレベータ装置におい
て、エレベータのガイドレールあるいは釣り合いおもり
のガイドレールの少なくとも一区間の断面を変化させガ
イドレールの曲げ剛性に係わる断面2次モーメントを減
少させて剛性を分布させるようにしたガイドレールを構
成しても良い。
【0033】なお、断面2次モーメントを減少させた区
間の上側と下側の任意区間において断面を変化させある
いは補強することでガイドレールの曲げ剛性に係わる断
面2次モーメントを増加させて剛性を分布させるように
したガイドレールを構成しても良い。
【0034】なお、ガイドレールは、少なくとも断面2
次モーメントを減少させた区間のガイドレール部材の降
伏強さが、曲げ剛性を変化させない一般部のガイドレー
ルの降伏強さより大きくなる材料より構成しても良い。
【0035】なお、ガイドレールは、ガイドレールの曲
げ変形により発生するレール部材応力とレール部材の各
許容応力との比が、断面2次モーメントを減少させた区
間のガイドレール部材において最も大きくなるよう曲げ
剛性を変化させ、少なくとも断面2次モーメントを減少
させた区間のガイドレール部材を取り外し可能に構成し
ても良い。
【0036】なお、ガイドレールは、断面2次モーメン
トを減少させた区間を挟み込み、この区間のガイドレー
ルの変形量を制限する変形制限機構を設けるように構成
しても良い。
【0037】なお、地盤基礎上に構築される基礎部建物
と、この建物上に免震装置を介して据え付けられる上部
建物とからなる免震建屋の内部に設置された基礎部建物
と上部建物の間を通して昇降するエレベータのガイドレ
ールを設置した免震建物用エレベータ装置において、基
礎部建物と上部建物との境界部に向かって昇降路の上部
から、また昇降路の下部から昇降路の水平断面を拡幅し
昇降路を形成するように構成しても良い。
【0038】なお、地盤基礎上に構築される基礎部建物
と、この建物上に免震装置を介して据え付けられる上部
建物とからなる免震建屋の内部に設置された基礎部建物
と上部建物の間を通して昇降するエレベータのガイドレ
ールを設置した免震建物用エレベータ装置において、ガ
イドレールあるいはガイドレールの連結部材あるいは昇
降路に、ばね部材あるいは衝撃力を吸収する緩衝部材を
設置し、エレベータのかごやその昇降を支持する構造部
材と昇降路との間に衝突力の緩衝構造を形成しても良
い。
【0039】なお、地盤基礎上に構築される基礎部建物
と、この建物上に免震装置を介して据え付けられる上部
建物とからなる免震建屋の内部に設置された基礎部建物
と上部建物の間を通して昇降するエレベータのガイドレ
ールを設置した免震建物用エレベータ装置において、地
震発生時および建物の地震応答が停止するまでの時間
は、走行中のエレベータを基礎部建物と上部建物との境
界部に隣接する乗降階を除いた乗降階にエレベータを停
止させるように構成しても良い。
【0040】なお、地盤基礎上に構築される基礎部建物
と、この建物上に免震装置を介して据え付けられる上部
建物とからなる免震建屋の内部に設置された基礎部建物
と上部建物の間を通して昇降するエレベータのガイドレ
ールを設置した免震建物用エレベータ装置において、地
震発生時および建物の地震応答が停止するまでの時間
は、エレベータのガイドレールとエレベータの昇降路と
の間に相対変位が発生する位置に、走行中のエレベータ
を停止させることを禁止する、またこの位置に停止し乗
降扉を閉じているエレベータの乗降扉を開くことを禁止
するように構成しても良い。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1乃至図
21を参照して説明する。
【0042】本発明のエレベータ装置に用いられる相対
変位吸収装置の第1の実施の形態の構成を図1(a)、
(b)に示し、この相対変位吸収装置の変形量Xと支持
反力Fの関係を図2に示す。なお、図1(a)は第1の
実施の形態の相対変位吸収装置の正面図を示し、図1
(b)は平面図を示す。
【0043】図1(a)、(b)に示すように、この実
施の形態の相対変位吸収装置は、口型アーム1の一方の
アーム1aの先端部に固定されている摺動パッド2と、
他方のアーム1bの先端部に設けられたシリンダ5の載
荷用ガイド9に固定された摺動パッド3によって摺動板
4を挟み込み、載荷用ガイド9の凹部に載置された皿ば
ね6をボルト7のねじ込みによって変形させ、この変形
によって生じる皿バネの反発力により載荷用ガイド9を
介して摺動パッド3を摺動板4に押付けることで、摺動
面8の摩擦力を調整する構造となっている。
【0044】このように口型アーム1と摺動板4を摺動
面8で連結することで相対変位吸収装置を構成してい
る。
【0045】この相対変位吸収装置の支持剛性は図2に
示すように、制限荷重Fまでは剛であり、そして制限
荷重F1を超えると摺動面8が滑り始め支持反力が増加し
ない状態となり、制限荷重F以上では支持剛性がなく
なる特性を有している。このため、大きな相対変位を吸
収することが可能となり、耐震性と安全性を大幅に向上
させることができる。
【0046】したがって例えば摺動板4をエレベータの
ガイドレール側に固定し、口型アーム1を昇降路側に連
結することで、本実施の形態の相対変位吸収装置を、基
礎部建物と上部建物の間に設けられた昇降路21を昇降
するエレベータ装置のガイドレール支持装置として用い
れば、地震によって基礎部建物と上部建物の間に大きな
相対変位が発生し、エレベータのガイドレールに大きな
変形が発生した場合に、本実施の形態の相対変位吸収装
置が制限荷重Fまではガイドレールを剛に支持し、制
限荷重Fを超える力に対しては摺動板4が摺動して変
位するために上記大きな相対変位を吸収することが可能
となりガイドレールに過大な力が加わることを防止する
ことができる。これにより、耐震性と安全性を大幅に向
上させることができる。また上記制限荷重Fを、通常
時の運転等により発生する振動荷重以上に設定しておけ
ば、通常の運転時には、ガイドレールの支持剛性が確保
されるため、乗り心地や安全性に支障を来さない。
【0047】本発明のエレベータ装置に用いられる相対
変位吸収装置の第2の実施の形態の構成を図3に示し、
この実施の形態の相対変位吸収装置の変形量Xと支持反
力Fとの関係を図4に示す。
【0048】図3に示すように、この実施の形態の相対
変位吸収装置は、円筒部材10の内部に仕切板11を設
け、この仕切板の左右に2個のシリンダ12a,12b
を設け、更に圧縮変形させたばね部材13a,13bを
左右のシリンダ12a,12bの内部に封入すること
で、ばね部材13a,13bに予圧力が加わる構成とし
ている。左側のシリンダ12a内の左端部にはばね部材
13aの変形力を受ける端板14aとこれに結合される
ロッド15aが設けられている。ばね部材13aによる
予圧縮力によって端板14aには常に外側(図3におい
ては左側)に力が加わりシリンダ端面16に押付けられ
固定されている。また右側のシリンダ12b内の仕切板
11には、ばね部材13bの変形力を受ける端板14b
とこれに結合されるロッド15bが設けられている。ば
ね部材13bによる予圧力によって端板14bには常に
内側(左側)に力が加わり仕切板11に押付けられ固定
されている。
【0049】これらのロッドの一方をエレベータのガイ
ドレール側に固定し他方を昇降路側に連結することで、
エレベータ装置に用いることができる。
【0050】この相対変位吸収装置は、図4に示すよう
に、予圧力の制限荷重Fまではほぼ剛であり、予圧力
制限荷重Fを超えると端板14aがシリンダ端面16
から離れる、あるいは端板14bが仕切板11から離れ
るため柔な支持剛性を有している。このため、大きな相
対変位を吸収することができる。
【0051】本実施の形態の相対変位吸収装置をエレベ
ータ装置のガイドレール支持装置として用いれば、地震
によって基礎部建物と上部建物の間に大きな相対変位が
発生し、エレベータのガイドレールに大きな変形が発生
しても、本実施の形態の相対変位吸収装置が制限荷重F
まではガイドレールを剛に支持し、制限荷重Fを超
える力に対してはばね部材13a、13bが変形しガイ
ドレールの変形荷重を抑制するため、上記大きな相対変
位を吸収することが可能となり、ガイドレールに大きな
力が加わることを防止することができる。これにより、
耐震性と安全性を大幅に向上させることができる。また
上記制限荷重Fを、通常時の運転等により発生する振
動荷重以上に設定しておけば、通常の運転時には、ガイ
ドレールの支持剛性が確保されるため、乗り心地や安全
性に支障を来さない。
【0052】また、さらにガイドレールに大きな変形が
発生する場合には、シリンダ内にばね要素を追加し、あ
る一定以上の大きな変形に対してはばね反力が再度増加
するように構成し、ガイドレールやその支持構造またエ
レベータのかごなどが昇降路に衝突することを防止する
ことで、より安全性を高めることができる。
【0053】本実施の形態の相対変位吸収装置をエレベ
ータ装置の昇降路に設置した場合の断面図を図5に示
す。図5において、基礎部建物17と上部建物18との
間に設置されている免震装置19付近を中心に本実施の
形態の相対変位吸収装置20を設置し昇降路21とガイ
ドレール22を連結している。なお本実施の形態の相対
変位吸収装置20が設置されている以外のところでは、
レールブラケット23によって昇降路21とガイドレー
ル22を連結している。
【0054】地震によって基礎部建物17と上部建物1
8の間に大きな相対変位が発生するとこれらの相対変位
吸収装置20によってこの相対変位がガイドレール22
に伝えられ、ガイドレール22に変形が発生する。ただ
し上記制限荷重F(支持荷重)を超えた力がガイドレ
ール22から相対変位吸収装置20に伝えられると、ば
ね部材13a,13bが変形し相対変位吸収装置20が
伸縮するためガイドレール22に加わる変形力が抑制さ
れる。この構成によれば基礎部建物17と上部建物18
の間の相対変位がさらに大きくなると、相対変位吸収装
置20の変形箇所が上下方向に拡大するため、ガイドレ
ール22の支持スパンが順次長くなりガイドレール22
に発生する応力を抑えることができる。このため、ガイ
ドレールが塑性変形などにより損傷したり破断したりす
るのを防止することができる。なお、第1の実施の形態
の相対変位吸収装置をエレベータ装置に用いた場合も,
同様の効果を得ることができることは云うまでもない。
【0055】本発明のエレベータ装置に用いられる相対
変位吸収装置の第3の実施の形態の構成を図6に示し、
この実施の形態の相対変位吸収装置の変形量Xと支持反
力Fの関係を図7に示す。
【0056】図6に示すように、この第3の実施の形態
の相対変位吸収装置24は、弾塑性変形により屈曲可能
な円柱棒24aと、この円柱棒24aの両端に設けられ
たフランジ24bとにより構成されている。円柱棒24
aの材料には弾塑性領域での履歴特性(力学特性)が比
較的安定している鉛材や低降伏点鋼など、降伏応力が比
較的低く塑性しやすい材料を選定することが望ましく、
初期状態で屈曲している必要はない。図7は円柱棒24
aの変形量Xと支持反力Fの関係を示している。円柱棒
24aの形状寸法や材料特性などによって求まる降伏荷
重によって制限荷重Fを調整し、この制限荷重F
境に支持剛性が変化する支持力制限型の相対変位吸収装
置24を構成している。この相対変位吸収装置24は制
限荷重F まではほぼ剛として取り扱える。降伏荷重と
なる制限荷重Fを超えると円柱棒24aが塑性変形し
支持反力がほぼ増加しない柔な剛性特性を有している。
このため、大きな相対変位を吸収することができる。ま
た本実施の形態の相対変位吸収装置は、大きな変形の繰
り返しに伴なって図7の点線で示すような履歴特性を有
しているため、本実施の形態の相対変位吸収装置をエレ
ベータ装置のガイドレール支持装置として用いれば、ガ
イドレールの振動時の減衰機構としても作用し、ガイド
レールの支持剛性が柔になった場合にもエレベータの振
動応答を抑制することもできる。
【0057】この相対変位吸収装置24をガイドレール
支持装置に用いたエレベータ装置の水平断面図を図8に
示す。このエレベータ装置は、ガイドレール22と釣り
合いおもり28用のガイドレール22aをガイドレール
連結部材25で連結している。ガイドレール連結部材2
5はこのように複数のガイドレール22,22aを連結
する構造物で、鉄骨構造の建築物用のエレベータ装置に
は従来から多く採用され、剛な鋼材などを介して昇降路
21に溶接などによって固定されている。本実施の形態
の相対変位吸収装置24を用いたエレベータ装置におい
ては、ガイドレール連結部材25を昇降路21に剛に固
定せずに、水平方向に伸縮するリンク機構26によって
ガイドレール連結部材25をエレベータ装置の昇降路2
1に連結するとともにガイドレール連結部材25を上下
方向に支えている。本実施の形態の相対変位吸収装置2
4は、ガイドレール連結部材25と昇降路21の間を連
結するように設置されている。このエレベータ装置にお
いては、相対変位吸収装置24と、ガイドレール連結部
材25と、リンク機構26とによってガイドレール支持
装置が構成されている。
【0058】地震によって基礎部建物17と上部建物1
8の間に大きな相対変位が発生し、エレベータ装置のガ
イドレール22に大きな変形が発生する場合、このエレ
ベータ装置においては、制限荷重Fまでは相対変位吸
収装置24がガイドレール22を剛に支持し、制限荷重
を超える力に対しては、相対変位吸収装置24の構
成部材24aが塑性変形しガイドレール22に大きな力
が加わらない構造となっている。このため、耐震性と安
全性を大幅に向上させることができる。また上記制限荷
重Fを、通常時の運転等により発生する振動荷重以上
に設定しておけば、通常の運転時には、ガイドレールの
支持剛性が確保されるため、乗り心地や安全性に支障を
来さない。
【0059】また、第2の実施の形態と同様に相対変位
吸収装置24を上下方向に複数取り付けることによっ
て、ガイドレール22に過大な荷重が加わると、相対変
位吸収装置24を構成する円柱棒24aが、荷重の大き
な位置から順次塑性化し相対変位吸収装置24が伸縮す
るため、ガイドレール22の見かけ上の支持スパンが長
くなりガイドレール22に発生する応力を抑えることが
できる。このため、ガイドレール22が塑性変形などに
より損傷したり破断したりすることを防止することがで
きる。
【0060】また上記実施の形態の相対変位吸収装置2
4の円柱棒24aなどのように降伏による塑性変形をし
て支持荷重を制限する場合の他に、制限荷重Fで支持
部材を破断させることによっても、同様にガイドレール
に大きな力が加わらない構造とすることができる。ただ
し破断後にはガイドレールが柔に変形するようになるた
め、ガイドレールに減衰機構を別途設けることが望まし
い。
【0061】本発明に係るエレベータ装置の第1の実施
の形態の構成を図9(a)、(b)に示す。図9(a)
は本実施の形態のエレベータ装置の平面図を示し、図9
(b)は、正面図を示す。
【0062】この第1の実施の形態のエレベータ装置
は、ガイドレール支持装置を有している。このガイドレ
ール支持装置は、ガイドレール連結部材25と、リンク
装置と、相対変位吸収装置32と、を備えている。ガイ
ドレール連結部材25は、上記第3の実施の形態の場合
と同様にエレベータ装置のガイドレール22と釣り合い
おもり28のガイドレール22aを連結している。リン
ク装置は、水平方向に伸縮するリンク機構26と、この
リンク機構26の中間ジョイント29に設けられたオイ
ルダンパーなどの減衰装置30と、を備えており、リン
ク機構26が水平方向に伸縮することによって減衰装置
30も伸縮し作動する構造となっている。相対変位吸収
装置32は、第1乃至第3の実施の形態で説明した支持
力制限型相対変位吸収装置と同一の構成となっている。
【0063】図9において、ガイドレール連結部材25
は水平方向に伸縮するリンク機構26よってエレベータ
装置の昇降路21に連結されるとともに上下方向に支え
られている。またリンク機構26とガイドレール連結部
材25との接合部にはリンク機構26の伸縮方向と直角
となる水平方向にスライド機構31が設けられ、ガイド
レール連結部材25が水平面内で自由に動ける構造とな
っている。また相対変位吸収装置32は、ガイドレール
連結部材25と昇降路21との間に設置され、相対変位
吸収装置32の制限荷重(限界支持荷重)まではガイド
レール連結部材25を剛に支持する構造となっている。
【0064】地震によって基礎部建物17と上部建物1
8の間に大きな相対変位が発生し、支持力制限型相対変
位吸収装置32の制限荷重を超える大きな変形力がエレ
ベータ装置のガイドレール22に作用すると、支持力制
限型相対変位吸収装置32が容易に変位するためガイド
レール22が速やかに水平面内で滑り移動し、ガイドレ
ール22に大きな力が加わらない構造となっている。こ
のため、ガイドレールが損傷したり破断したりするのを
防止することが可能となり、耐震性と安全性を大幅に向
上させることができる。
【0065】一方、エレベータ装置のかご27がリンク
機構26付近を通過あるいはリンク機構26付近に停止
している場合には、地震や他の外力の作用によってエレ
ベータ装置のかご27が大きく振動応答する可能性があ
るが、所定の減衰力をリンク機構26の中間ジョイント
29にある減衰装置30に与えれば振動応答を抑制する
ことができる。
【0066】また減衰装置30と並列に支持力制限型相
対変位吸収装置32を設置しているため、小さな地震や
運転時の振動などに対しては、ガイドレール22,22
aを水平方向に剛に支持することができる。
【0067】本発明によるエレベータ装置の第2の実施
の形態の構成を図10(a)、(b)に示す。図10
(a)は本実施の形態のエレベータ装置の平面図であ
り、図10(b)は本実施の形態のエレベータ装置の正
面図である。
【0068】この実施の形態のエレベータ装置は、ガイ
ドレール支持装置を備えている。このガイドレール支持
装置は、ガイドレール連結部材25と、図9で説明した
と同じ構成の減衰装置30と、図1で説明したと同じ構
成の相対変位吸収装置33と、を有している。ガイドレ
ール連結部材25は、エレベータのガイドレール22と
釣り合いおもり28のガイドレール22aを連結し、減
衰装置30と相対変位吸収装置33とにより昇降路21
の壁面に支持されている。ガイドレール連結部材25に
は相対変位吸収装置33が3ヶ所、減衰装置30が2ヶ
所設置された構成となっている。なお減衰装置30は、
ユニバーサルジョイント46を介して昇降路21の壁面
とガイドレール連結部材25との間に設けられる。相対
変位吸収装置33は支持力制限型の相対変位吸収装置と
して機能し、小さな地震や運転時の振動などに対して
は、ガイドレール22,22aを水平方向に剛に支持す
ることができる。またガイドレール連結部材25を上下
方向に支えることができる。
【0069】相対変位吸収装置33の摩擦力は前述の制
限荷重F(限界支持荷重)であり、この荷重を超えた
力がガイドレール22の変形によって相対変位吸収装置
33に伝えられると、相対変位吸収装置33の摺動板4
の摺動面8に滑りが発生しガイドレール22の変形を逃
がすため、ガイドレール22の変形荷重を低く抑えるこ
とができる。このため、耐震性と安全性を大幅に向上さ
せることができる。
【0070】以上で説明した各相対変位吸収装置の制限
荷重(限界支持荷重)Fは、例えば次のような考え方
や、基準で決定することができる。
【0071】例えば(1)設計上想定される最大の地震
荷重以下で且つ頻繁に発生する震度3程度の地震荷重以
上としたり、(2)ガイドレールの許容荷重とその支持
荷重の関係から、ガイドレールが許容荷重に達するとき
の支持荷重(許容支持荷重)を基準に、たとえばその支
持荷重(許容支持荷重)の1/2以下を制限荷重(限界
支持荷重)としたり、また(3)乗降客の移動等により
エレベータ装置のかご内部で発生すると予測される移動
荷重以上に制限荷重(限界支持荷重)を決定し設定する
など、通常時の乗り心地などを十分配慮し、構造上、安
全上問題とならないような荷重に対しては、ガイドレー
ル支持装置の支持部材例えば相対変位吸収装置33が剛
な支持反力を発生させるように支持力の制限値を設定
し、大きな荷重に対しては支持部材が柔に変位して支持
荷重の増加を抑制することが望ましい。
【0072】本発明によるエレベータ装置の第3の実施
の形態の構成を図11(a)、(b)に示す。図11
(a)は、図11(b)に示す切断線B−Bで切断した
ときの本実施の形態のエレベータ装置の断面図であり、
図11(b)は図11(a)に示す切断線A−Aで切断
したときの本実施の形態のエレベータ装置の断面図であ
る。
【0073】本実施の形態においては、4台のエレベー
タ34が一列に並び、これら全てのエレベータ34を水
平面で取り囲むように連結構造部材36が設けられてい
る。エレベータ34のかご27のガイドレール22と釣
り合いおもり28のガイドレール22aがレールブラケ
ット35を介して連結構造部材36に取り付けられてい
る。これによって4台分のガイドレール22が一体化さ
れている。連結構造部材36はユニバーサルジョイント
46およびオイルダンパー37を介して昇降路21に連
結され、複数台のエレベータ34のガイドレール22を
一体化して支持するように構成されている。この連結構
造部材36およびオイルダンパー37は、ガイドレール
支持装置を構成する。このガイドレール支持装置は免震
装置19が設けられた、基礎部建物17と上部建物18
との境界部38を挟んで上下に取り付けられている。オ
イルダンパー37は、地震によって基礎部建物17と上
部建物18の間に発生するような低速度の変位に対して
は抵抗力をほとんど発生させない。このため地震によっ
て基礎部建物17と上部建物18の間に大きな相対変位
が発生した場合には、各ガイドレール22は一体化され
た状態で変形し建物の動きに追従し、建物間の大きな相
対変位を吸収することができる。このため、耐震性や安
全性を大幅に向上させることができる。
【0074】また、がご27内部の振動や昇降駆動系の
振動により比較的速い速度の変位が発生した場合にはオ
イルダンパー37は抵抗力を発生し振動エネルギーを速
やかに吸収することができる。
【0075】このように複数台のエレベータ34のガイ
ドレール22を一体化することによりガイドレール支持
装置を構成したことで、各エレベータに対して個別にガ
イドレール支持装置を構成した場合に比べ、基礎部建物
17と上部建物18との境界部付近でのエレベータの昇
降路21の拡幅を最小限に抑えることができる。従来の
ように、個別にガイドレール支持装置を構成した場合に
は、エレベータどうしの衝突を避けるためにエレベータ
の間隔を広げたり、衝突時を想定してばねなどの緩衝材
を設ける必要があり不経済である。また複数台のエレベ
ータを一体化したことで、全体の剛性や質量(慣性力)
が台数分増加し、各エレベータで個別に発生する起振源
(がご内部の振動や昇降駆動系の振動)によるエレベー
タの振動応答を低く抑えることができる。
【0076】本発明によるエレベータ装置の第4の実施
の形態を図12および図13を参照して説明する。図1
2および図13は本実施の形態のエレベータ装置に係る
ガイドレール支持装置の昇降路ならびに乗降階床への設
置状況および動作状況を示す図である。
【0077】この実施の形態のエレベータ装置は、昇降
路21に面する乗降階床構造39内部にガイドレール支
持装置の一部を組み込んだ構成となっている。このガイ
ドレール支持装置は、ガイドレール連結部材25と、支
持部40と、をそなえている。ガイドレール連結部材2
5はエレベータのかご27のガイドレール22と釣り合
いおもり28のガイドレール22aを連結し、支持部4
0はガイドレール連結部材25と乗降階床構造39の内
部とを連結している。支持部40は、摩擦力を調整する
ことができる摺動部41を有した支持力制限型相対変位
吸収装置と減衰装置(オイルダンパー)37とを組み合
わせた構成となっている。支持部40はオイルダンパー
37の固定側となるケーシング42の一端がユニバーサ
ルジョイント46を介して乗降階床構造39の内部に固
定され、オイルダンパー37の動側となる端部にロッド
43を有する摺動部41を連結することで、予め摩擦力
によって調整された制限荷重まではオイルダンパー37
は固定され、低荷重に対しては剛な支持剛性を得ること
ができる。なお、ロッド43の一端はオイルダンパー3
7の動側となる端部に固定され、他端はユニバーサルジ
ョイント46を介してガイドレール連結部材25に固定
されている。
【0078】地震によって基礎部建物17と上部建物1
8の間に大きな相対変位が発生すると、摺動部41が滑
りこれらのオイルダンパー37が伸縮しガイドレール2
2の変形に追従してガイドレール連結部材25が移動す
る。これによってガイドレール22に作用する拘束力を
低く抑えることができ、ガイドレール22の変形による
応力を低く抑えることができる。このため、耐震性や安
全性を大幅に向上させることができる。またオイルダン
パー37によって、エレベータとガイドレール22が一
体となって振動応答するような卓越した地震応答を抑え
ることができる。
【0079】更に、ガイドレール連結部材25の支持装
置40の一部を乗降階床構造39内部に設置しているた
め、メンテナンスや地震後の復帰・位置調整が容易であ
る。
【0080】また支持装置40のロッド43の上面に取
り付けられた支柱44部分に乗降床45aを連結し、建
物側の乗降床45bとスライド接合するように構成する
ことで、地震によってガイドレール22と建物側の乗降
床45bの間に相対変位が発生する事態においても乗降
が容易となる(図13参照)。
【0081】また乗降扉をこのようなロッド43と一体
となって移動するように構成し建物側との間に発生する
隙間をベローズ状に伸縮する壁などで囲むことで、乗降
扉の地震時の開放を容易とし安全性をより高めことがで
きる。
【0082】またガイドレール連結部材25が大きい場
合にはも、これらの一部を含めて建物床内部などの建物
側の構造内に組み込むことで同様の効果が得られる。
【0083】本発明によるエレベータ装置の第5の実施
の形態を図14を参照して説明する。図14は本実施の
形態のエレベータ装置に係るガイドレール支持装置の構
成と、昇降路における乗降階床構造内部へのガイドレー
ル支持装置の設置状況を説明する図である。
【0084】このガイドレール支持装置は図12と図1
3に示すものとほぼ同様の構成である。ガイドレール支
持装置を構成しているガイドレール連結部材25と乗降
階床構造39内部との間に、ガイドレール22の位置調
整を行うための油圧ジャッキ47をメンテナンス機器と
して組み込んでいる。ここでは油圧ジャッキ47は水平
2方向に合計3台設置され、ガイドレール連結部材25
と乗降階床構造39内部の壁面に設けられた取り付け部
48に、ユニバーサルジョイント46によって回転自在
に連結されている。エレベータの運転を行う通常時には
油圧ジャッキ47の油圧を開放することでガイドレール
連結部材25の動きを拘束しないため、地震によって基
礎部建物17と上部建物18の間に大きな相対変位が発
生した場合には、ガイドレール連結部材25がガイドレ
ールの変形に従って移動するため、ガイドレール22に
発生する応力を低く抑えることができる。このため、耐
震性や安全性を大幅に向上させることができる。
【0085】また、地震後に基礎部建物17と上部建物
18の相対位置が復帰し、ガイドレール22を元の位置
へ戻す調整を行う場合には油圧ジャッキ47に油圧を送
り込むことで復旧作業を容易におこなうことができる。
【0086】更に、メンテナンス機器がガイドレール連
結部材25と乗降階床構造39内部との間に組み込まれ
ているため復旧が容易で迅速な作業が可能となる。また
油圧ジャッキ47など共通使用が可能なメンテナンス機
器を通常時には取り外し、ガイドレール連結部材25や
乗降階床構造39内部にメンテナンス機器を容易に設置
可能とする取り付け部48を設けることで、前述と同様
な復旧作業の効率化が可能となり、またメンテナンス機
器の共有化によりコスト削減にも効果がある。
【0087】本発明によるエレベータ装置の第6の実施
の形態に用いられるガイドレール支持装置の構成を図1
5(a)、15(b)に示す。図15(a)は本実施の
形態のエレベータ装置に用いられるガイドレール支持装
置の平面図を示し、図15(b)は図15(a)に示す
切断線A−Aで切断したときの断面図を示す。
【0088】この実施の形態のエレベータ装置に係るガ
イドレール支持装置は、下部ローラ50と、上部ローラ
51と、支持アーム52と、ガイドレール連結部材25
と、を備えている。ガイドレール22の底板49を挟み
込むように下部ローラ50と上部ローラ51が配置さ
れ、下部ローラ50と上部ローラ51が支持アーム52
に取り付けられ、支持アーム52をたとえば前述のガイ
ドレール連結部材25などに固定する。ガイドレール2
2は下部ローラ50と上部ローラ51の回転によって、
ガイドレール22の長手方向でエレベータの走行方向と
なる上下方向に自由に移動できる。地震によって基礎部
建物と上部建物の間に大きな相対変位が発生し、ガイド
レール22の変形によってガイドレール22が上下方向
に変位してもガイドレール22を上下方向に拘束しない
ため、ガイドレール22に発生する応力を低く抑えるこ
とができる。このため、耐震性や安全性を大幅に向上さ
せることができる。
【0089】また、比較的薄い板材をエレベータの走行
方向にほぼ直角となる面内でガイドレールに取り付け、
この板材のもう一端を前述のガイドレール連結部材など
に固定する場合でも上下方向のみの支持剛性を低くする
ことができるため上記と同様な効果が得られる。
【0090】本発明によるエレベータ装置の第7の実施
の形態に係るガイドレール装置を図16および図17を
参照して説明する。図16は、この実施の形態に係るガ
イドレール支持装置の構成を示す平面図であり、図17
は、この実施の形態に係るガイドレール装置に用いられ
るリンク機構の構成を示す正面図である。
【0091】図16に示すようにこの実施の形態に係る
ガイドレール装置は、相対変位吸収装置24と、ガイド
レール連結部材25と、リンク機構26と、を備えてい
る。相対変位吸収装置24は、図6に示したと同様に屈
曲した円柱棒と、この円柱棒の両端に設けられたフラン
ジとにより構成されている。ガイドレール連結部材25
はエレベータのかご27のガイドレール22と釣り合い
おもり28のガイドレール22aを連結する。リンク機
構26は、上部リンクアーム54aと下部リンクアーム
54bを連結する中央連結ピン55に上下に分割して2
つのばね要素53a、53bを組み込んだ構成となって
いる。上部ばね要素53aは上部リンクアーム54aと
中央連結ピン55の上端円盤56の間に挟み込まれ、下
部ばね要素53bは上部リンクアーム54aと下部リン
クアーム54bとの間に挟み込まれている。水平変位は
これらのリンク機構26で吸収し、上下方向の変位は上
部ばね要素53aの下部ばね要素53bの変形により吸
収する。また、ガイドレール22の軸回転以外の回転方
向に対しては、ここでは3ヶ所のリンク機構26の上部
ばね要素53aの下部ばね要素53bの変形によって吸
収することができる。
【0092】地震によって基礎部建物と上部建物の間に
大きな相対変位が発生し、ガイドレール22,22aの
変形によってガイドレール22,22aが上下方向やガ
イドレールの軸回転以外の回転方向に変位してもガイド
レールをこれらの方向で拘束しないため、ガイドレール
22,22aに発生する応力を低く抑えることができ
る。このため、耐震性や安全性を大幅に向上させること
ができる。
【0093】また、ガイドレール22,22aの軸回転
方向の変位は拘束するため、地震時にガイドレールが大
きく変位しても、ローラガイドやガイドシューなどがガ
イドレールへ強く押付けられることがないため機器の損
傷を防ぐことができるとともに非常止めとガイドレール
の不要な接触を防ぐこともできる。
【0094】本発明によるエレベータ装置の第8の実施
の形態に係るガイドレール装置の構成を図18に示す。
この実施の形態に係るガイドレール装置は、減衰装置3
0と、非常止め装置58と、非常止めレール59と、を
備えている。
【0095】エレベータ装置のガイドレール22は、昇
降路21の建物側との間にユニバーサルジョイント46
を介して取り付けられた減衰装置30によって支えられ
ている。ローラガイド57はガイドレール22を挟み込
むようにエレベータのかご27に設置されている。また
非常止め装置58は従来はローラガイド57と同じよう
にガイドレール22を挟み込むように設置されていた
が、本実施の形態においては、ガイドレール22とは別
に非常止めレール59を併設し、これを取り囲むように
非常止め装置58をエレベータのかご27に設置した構
成となっている。
【0096】地震によって基礎部建物と上部建物の間に
大きな相対変位が発生し、ガイドレール22の変形によ
ってエレベータのかご27がガイドレール22から離
れ、ローラガイド57が脱輪した場合にも非常止めレー
ル59は非常止め装置58に囲まれているため非常止め
装置58から離脱することはなく、非常止め装置58の
機能を確保することができる。このため、耐震性や安全
性を大幅に向上させることができる。
【0097】非常止めレール59の水平剛性を柔となる
構造とすれば、地震によって基礎部建物と上部建物の間
に大きな相対変位が発生しても変位を吸収し非常止めレ
ールの損傷を防ぐことができる。また非常止め装置58
の一部に間隙を設け、この間隙を通して非常止めレール
の支持部を昇降路(建物側)にとれば、地震時や運転時
の非常止めレールの振動を低く抑えることもできる。
【0098】本発明によるエレベータ装置の第9の実施
の形態を図19(a)、(b)を参照して説明する。図
19(a)および図19(b)は本実施の形態に用いら
れる剛性分布型ガイドレールの構成を示す正面図および
側面図である。
【0099】本実施の形態のエレベータ装置において
は、エレベータのかごや釣り合いおもりに使用されるガ
イドレール22,22aの断面2次モーメントが一部の
区間で小さくなるように、例えばレール断面を一部削除
した断面2次モーメント減少部60を設けている。削除
する断面はローラガイドシューや非常止めが走行するあ
るいは接触する部分を除いた断面である。
【0100】地震によって基礎部建物と上部建物の間に
大きな相対変位が発生した場合、相対変位に伴うガイド
レール22,22aの水平方向の変形をこの断面2次モ
ーメント減少部60に集中させることができる。これに
よって断面2次モーメント減少部60以外のガイドレー
ル一般部61での発生応力を低く抑えることができる。
【0101】またこの実施の形態においては、断面2次
モーメント減少部60に隣接した上側部と下側部ではガ
イドレール22,22aの断面をガイドレール一般部6
1より大きくすることで、断面2次モーメント減少部6
0の上下両側の断面2次モーメントを逆に増加させて補
強部62を形成している。これによってガイドレール2
2の変形を断面2次モーメント減少部60に確実に集中
させることができる。
【0102】またこの実施の形態では、断面2次モーメ
ント減少部60と補強部62を取り外し可能なレール6
3として一体化し、締結部65においてガイドレール一
般部61とボルト64で締結するように構成されてい
る。補強部62を設けているため大きな変形力を受けて
も締結部65での、特にガイドレール22の走行面66
に段差が生じるような変形を抑えることができる。
【0103】また地震によって基礎部建物と上部建物の
間に大きな相対変位が発生し、ガイドレール22,22
aに曲げ変形が生じた場合には、ここではこの曲げ変形
によって発生するレール部材応力とレール部材の各許容
応力との比が、断面2次モーメントを減少させた区間に
おいて最も大きくなるような曲げ剛性の分布となってい
る。このため塑性変形などによるガイドレール22,2
2aの損傷は断面2次モーメント減少部60に集中させ
ることができる。復旧作業においては損傷した取り外し
可能なレール63だけを交換すればよいため復旧も容易
である。
【0104】また取り外し可能なレール63を、ガイド
レール一般部61より強度が大きい例えば、ばね材など
の降伏強さの大きな材料で構成することで、変位集中に
よる大きな発生応力にも耐え、より大きな変位にも対応
できる。
【0105】また本実施の形態においては、断面2次モ
ーメント減少部60を挟むように取り外し可能なレール
63の両端に支柱67が設けられている。そして両支柱
67を貫通してガイドレール22,22aの延在方向に
スライドする棒材68に、両支柱のそれぞれを任意のギ
ャップ69を有するように挟み込むフランジ70を取り
付けている。ガイドレール22,22aに水平変位が発
生し断面2次モーメント減少部60に大きな曲げ変形が
発生すると、支柱67とフランジ70とのギャップ量に
応じて曲げ変形量が制限される。これによって断面2次
モーメント減少部60に過大な変形が発生したり破断す
ることを防止することが可能となり、耐震性と安全性を
大幅に向上させることができる。
【0106】本発明によるエレベータ装置の第10の実
施の形態を図20を参照して説明する。図20は本実施
の形態のエレベータ装置の地震時のエレベータのかごと
昇降路の位置関係とガイドレールの支持状況を示す縦断
面図である。
【0107】基礎部建物17上に免震装置19を介して
上部建物18が据え付けられ、基礎部建物17と上部建
物18とを通して設けられた昇降路21をメインロープ
73を用いて昇降するエレベータのかご27とそのガイ
ドレール22が昇降路21内に設置されている。ガイド
レール22は基礎部建物17の下部と上部建物18の上
部でレールブラケット71により水平変位を昇降路21
側に拘束されている。基礎部建物17上端部ではガイド
レール22を水平方向に拘束したガイドレール連結部材
25と減衰装置30とを有するガイドレール支持装置に
より支持している。
【0108】地震によって基礎部建物17と上部建物1
8の間に大きな相対変位が発生した場合、相対変位に伴
うガイドレール22の水平方向の変形が発生する。ガイ
ドレール22と昇降路21との水平方向の相対変位は基
礎部建物17と上部建物18の境界付近で最も大きくな
るため、本実施の形態においては、基礎部建物17の下
側からまた上部建物18の上側からこの境界付近に向か
って昇降路21の断面を滑らかに徐々に拡大するように
構成することにより、ガイドレール22が昇降路21に
衝突することを防いでいる。このため、耐震性や安全性
を大幅に向上させることができる。また本実施の形態で
は昇降路21の拡大空間を最小限に抑えることができる
ため、建物の空間が有効利用できる。
【0109】また基礎部建物17上端部と上部建物18
下端部の昇降路21には、ばね部材により構成した緩衝
部材72を設置したことにより、非常に大きな地震が起
きてもエレベータのかご27やガイドレール22などの
昇降を支持する構造部材が、昇降路21に直接衝突する
ことを防止することが可能となり、エレベータ構造に損
傷を与えたり、かご27内の乗客に被害を与えない構成
となっている。
【0110】本発明によるエレベータ装置の第11の実
施の形態を図21を参照して説明する。図21は本実施
の形態のエレベータ装置の地震時のエレベータのかごと
昇降路の位置関係とガイドレールの支持状況を示す縦断
面図である。
【0111】基礎部建物17上に免震装置19を介して
上部建物18が据え付けられ、基礎部建物17と上部建
物18の間に設けられた昇降路21を通して昇降するエ
レベータのかご27とそのガイドレール22が昇降路2
1内に設置されている。ガイドレール22は基礎部建物
17の下部と上部建物18の上部でレールブラケット7
1により水平変位を昇降路21側に拘束されている。た
だし基礎部建物17の上部と上部建物18の下部では前
述の支持力制限型の相対変位吸収装置により支持されて
いる。
【0112】地震によって基礎部建物17と上部建物1
8の間に大きな相対変位が発生した場合、相対変位に伴
うガイドレール22の水平方向の変形が発生する。ガイ
ドレール22の変形が大きい位置ではエレベータのかご
27が大きく揺れるために、この位置での乗降は安全上
問題である。
【0113】本実施の形態においては、エレベータのか
ご27が大きく揺れる可能性のある時間帯として、地震
発生時および建物の地震応答が停止するまでの時間は、
昇降中のエレベータを免震装置19により上下に連結さ
れる基礎部建物17と上部建物18の境界付近の上下乗
降階、例えば上部建物18の最下階74には停止させな
いよう運行し、ガイドレール22やかご27の揺れが小
さいと考えられる上部建物18の中間階75aや基礎部
建物17の中間階75bに自動停止させる運行を行う。
これによって地震時に速やかに安全に乗客をエレベータ
のかご27から降車させることができる。
【0114】また例えば上部建物18の最下階に停止し
乗降扉を閉じている状態で地震が発生した場合には、エ
レベータのかご27が大きく揺れる可能性のある時間帯
は、エレベータの昇降開始動作を停止し、乗降扉の閉じ
た状態を維持して建物の揺れが停止した段階で乗降扉を
開く運転を行う。これによって安全に乗客をエレベータ
のかご27から降車させることができる。
【0115】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のエレベータ
装置によれば、耐震性と安全性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータ装置に用いられる相対変位
吸収装置の第1の実施の形態の構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態の相対変位吸収装置の支持力
と支持方向変位の関係を示す特性グラフ。
【図3】本発明のエレベータ装置に用いられる相対変位
吸収装置の第2の実施の形態の構成を示す図。
【図4】第2の実施の形態の相対変位吸収装置の支持力
と支持方向変位の関係を示す特性グラフ。
【図5】第2の実施の形態の相対変位吸収装置をエレベ
ータ装置のガイドレール支持装置として用いた場合の縦
断面図
【図6】本発明のエレベータ装置に用いられる相対変位
吸収装置の第3の実施の形態の構成を示す図。
【図7】第3の実施の形態の相対変位吸収装置の支持力
と支持方向変位の関係を示す特性グラフ。
【図8】第3の実施の形態の形態の相対変位吸収装置を
エレベータ装置のガイドレール支持装置として用いたと
きの昇降路内での設置状況を示す平面図。
【図9】本発明によるエレベータ装置の第1の実施の形
態の構成を示す図。
【図10】本発明によるエレベータ装置の第2の実施の
形態の構成を示す図。
【図11】本発明によるエレベータ装置の第3の実施の
形態の構成を示す図。
【図12】本発明によるエレベータ装置の第4の実施の
形態の構成を示す平面図。
【図13】第4の実施の形態のエレベータ装置に係るガ
イドレール支持装置の昇降路・乗降床への設置状況を示
す側面断面図。
【図14】本発明によるエレベータ装置の第5の実施の
形態の構成を示す図。
【図15】本発明によるエレベータ装置の第6の実施の
形態に係るガイドレール装置の構成を示す図。
【図16】本発明によるエレベータ装置の第7の実施の
形態に係るガイドレール装置の構成を示す平面図。
【図17】本発明によるエレベータ装置の第7の実施の
形態に係るガイドレール装置の構成を示す側面図。
【図18】本発明によるエレベータ装置の第8の実施の
形態に係るガイドレール装置の構成を示す平面図。
【図19】本発明のエレベータ装置の第9の実施の形態
に用いられるエレベータのガイドレールの構成を示す
図。
【図20】本発明によるエレベータ装置の第10の実施
の形態のエレベータの昇降路内の構成を示す縦断面図。
【図21】本発明によるエレベータ装置の第11の実施
の形態のエレベータの昇降路内の構成を示す縦断面図。
【図22】従来のエレベータ装置のガイドレール支持装
置の昇降路内での設置状況を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 口型アーム 1a アーム 1b アーム 2 摺動パッド 3 摺動パッド 4 摺動板 5 シリンダ 6 皿ばね 7 ボルト 8 摺動面 9 載荷用ガイド 17 基礎部建物 18 上部建物 19 免震装置 20 相対変位吸収装置 21 昇降路 22 ガイドレール 22aガイドレール 24 相対変位吸収装置 25 ガイドレール連結部材 26 リンク機構 27 かご 28 釣り合いおもり 29 中間ジョイント 30 減衰装置(オイルダンパー)
フロントページの続き (72)発明者 伊 東 弘 晃 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 岡 本 正 勝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 3F305 BA07 BD08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤基礎上に構築される基礎部建物および
    この基礎部建物上に免震装置を介して据え付けられる上
    部建物からなる免震建屋と、前記基礎部建物と前記上部
    建物の間を通して設けられた昇降路を昇降するエレベー
    タと、前記昇降路内に設けられて前記エレベータを案内
    するガイドレールと、前記基礎部建物と前記上部建物と
    の境界の近傍の前記昇降路内に設けられて前記ガイドレ
    ールを支持するガイドレール支持装置と、を備えている
    エレベータ装置において、 相対変位を生じる2つの部材の一方の部材に一端が取り
    付けられ、他方の部材に他端が取り付けられて前記相対
    変位を吸収する相対変位吸収装置であって、前記相対変
    位を生じさせる変位力を受けた場合に、前記変位力が所
    定値以下のときは、前記相対変位がほぼ零となるように
    前記一方の部材と前記他方の部材とを支持し、前記変位
    力が前記所定値を超えたときには、前記相対変位が生じ
    る方向に変位するように構成されている相対変位吸収装
    置を、 前記ガイドレールを支持するガイドレール支持装置とし
    て用い、前記相対変位吸収装置の一端が前記ガイドレー
    ルに取り付けられ他端が前記昇降路の壁面に取り付けら
    れたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 【請求項2】前記相対変位吸収装置は、前記ガイドレー
    ルおよび前記昇降路の壁面のうちの一方の部材に一端が
    取り付けられた第1の部材と、他方の部材に一端が取り
    付けられて前記一方の部材と摺動可能なように構成され
    た第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との
    摺動面の静止摩擦力の大きさを調整可能な摩擦力調整部
    と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベー
    タ装置。
  3. 【請求項3】前記相対変位吸収装置は、前記ガイドレー
    ルおよび前記昇降路の壁面のうちの一方に一端が取り付
    けられ他方に他端が取り付けられてばね力による予圧力
    を発生する予圧力発生部を備えていることを特徴とする
    請求項1記載のエレベータ装置。
  4. 【請求項4】前記相対変位吸収装置は、前記ガイドレー
    ルおよび前記昇降路の壁面のうちの一方に一端が取り付
    けられ、他方に他端が取り付けられて弾塑性領域で履歴
    特性を有する材料からなる部材を備えていることを特徴
    とする請求項1記載のエレベータ装置。
  5. 【請求項5】地盤基礎上に構築される基礎部建物および
    この基礎部建物上に免震装置を介して据え付けられる上
    部建物からなる免震建屋と、前記基礎部建物と前記上部
    建物の間を通して設けられた昇降路を昇降するエレベー
    タと、前記昇降路内に設けられて前記エレベータを案内
    するガイドレールと、前記基礎部建物と前記上部建物と
    の境界の近傍の前記昇降路内に設けられて前記ガイドレ
    ールを支持するガイドレール支持装置と、を備えている
    エレベータ装置において、 前記ガイドレール支持装置は、 前記ガイドレールを複数本連結するガイドレール連結部
    材と、 相対変位を生じる2つの部材の一方の部材に一端が取り
    付けられ、他方の部材に他端が取り付けられて前記相対
    変位を吸収する相対変位吸収装置であって前記相対変位
    を生じさせる変位力を受けた場合に、前記変位力が所定
    値以下のときは、前記相対変位がほぼ零となるように前
    記一方の部材と前記他方の部材とを支持し、前記変位力
    が前記所定値を超えたときには、前記相対変位が生じる
    方向に変位するように構成され、一端が前記ガイドレー
    ル連結部材に取り付けられ、他端が前記昇降路の壁面に
    取り付けられた相対変位吸収装置と、 を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
  6. 【請求項6】前記相対変位吸収装置は、前記ガイドレー
    ル連結部材および前記昇降路の壁面のうちの一方の部材
    に一端が取り付けられた第1の部材と、他方の部材に一
    端が取り付けられて前記一方の部材と摺動可能なように
    構成された第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の
    部材との摺動面の静止摩擦力の大きさを調整可能な摩擦
    力調整部と、を備えたことを特徴とする請求項5記載の
    エレベータ装置。
  7. 【請求項7】前記相対変位吸収装置は、前記ガイドレー
    ル連結部材および前記昇降路の壁面のうちの一方に一端
    が取り付けられ他方に他端が取り付けられてばね力によ
    る予圧力を発生する予圧力発生部を備えていることを特
    徴とする請求項5記載のエレベータ装置。
  8. 【請求項8】前記相対変位吸収装置は、前記ガイドレー
    ル連結部材および前記昇降路の壁面のうちの一方に一端
    が取り付けられ、他方に他端が取り付けられて弾塑性領
    域で履歴特性を有する材料からなる部材を備えているこ
    とを特徴とする請求項5記載のエレベータ装置。
  9. 【請求項9】前記ガイドレール支持装置は、一端が前記
    ガイドレール連結部材に取り付けられ他端が前記と昇降
    路の壁面に取り付けられて前記エレベータの昇降方向に
    垂直な方向に伸縮可能なリンク機構を更に備えたことを
    特徴とする請求項5記載のエレベータ装置。
  10. 【請求項10】前記ガイドレール支持装置は、一端が前
    記ガイドレール連結部材に取り付けられ他端が前記昇降
    路の壁面に取り付けられて前記相対変位を減衰させる減
    衰装置を更に備えたことを特徴とする請求項5記載のエ
    レベータ装置。
  11. 【請求項11】前記ガイドレール支持装置は、中間ジョ
    イントを有し一端が前記昇降路の壁面に取り付けられ他
    端がスライド機構を介して前記ガイドレール連結部材に
    取り付けられた一対のリンク機構と、前記一対のリンク
    機構の中間ジョイントを連結する減衰装置と、を備えた
    ことを特徴とする請求項5記載のエレベータ装置。
  12. 【請求項12】前記ガイドレール連結部材は、複数台の
    エレベータのガイドレールを一体化して支持するように
    構成されたことを特徴とする請求項5記載のエレベータ
    装置。
  13. 【請求項13】前記ガイドレール支持装置は、前記ガイ
    ドレール連結部材と前記昇降路の壁面を連結する連結部
    の少なくとも一部を昇降路より外側の乗降階床構造内部
    に設置したことを特徴とする請求項5記載のエレベータ
    装置。
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