JP2001162313A - 鋼板の制振装置 - Google Patents

鋼板の制振装置

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JP2001162313A
JP2001162313A JP34547399A JP34547399A JP2001162313A JP 2001162313 A JP2001162313 A JP 2001162313A JP 34547399 A JP34547399 A JP 34547399A JP 34547399 A JP34547399 A JP 34547399A JP 2001162313 A JP2001162313 A JP 2001162313A
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JP
Japan
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magnetic field
steel sheet
steel plate
displacement
electromagnets
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JP34547399A
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English (en)
Inventor
Kazumichi Kato
一路 加藤
Tetsuyuki Kimura
哲行 木村
Kyoji Murakishi
恭次 村岸
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Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板が走行路から大きく逸脱して振動するの
を防止し、鋼板の振動や反りを効率よく抑えることので
きる鋼板の制振装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 走行路11を走行する鋼板10を挟むよ
うに、4対の電磁石21a〜21dおよび22a〜22
dを配設する。この電磁石22a〜22dには鋼板10
の変位を検出する変位検出器31a〜31dが設置され
る。鋼板10の進行方向手前には、電磁石22a〜22
dから距離dの位置に近接スイッチ41a〜41dが設
けられる。この近接スイッチ41a〜41dによる鋼板
10の検出結果に基づき、変位検出器31a〜31dと
鋼板10との対向しているものと、対応した電磁石を選
択し、変位検出器31a〜31dにより検出された変位
に基づいて、電磁石21a〜22dによる磁界発生の制
御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば製鉄設備の
圧延ライン、表面処理ライン等において、走行路を走行
する帯状の鋼板の振動を抑制する鋼板の制振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、製鉄設備の圧延ラインから生成
された帯状の鋼板に表面処理を施す溶融亜鉛メッキライ
ンにおいては、溶融亜鉛槽から引き上げられた鋼板を走
行させながら、噴出ノズルから噴出されるエアによって
過剰な溶融亜鉛メッキを吹き落として所要のメッキ厚と
することが行なわれている。ところが、この表面処理過
程において、鋼板は安定に静止しているわけでなく、振
動や反りを生じながら走行路を走行している。そのた
め、噴出ノズルと鋼板との距離が均一に保てずに、メッ
キ厚が不均一になるという不都合が生じている。
【0003】そこで、このような不都合を回避するため
に、鋼板の走行路を挟んで対向する一対の電磁石と、鋼
板の厚さ方向への変位を検出する変位検出手段とを設
け、変位検出手段によって検出された鋼板の走行路に対
する変位に応じて、電磁石に通電し、該電磁石から発生
する吸引力によって、鋼板の振動を抑制する制振装置が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による制振装
置では、前述した如く、一対の電磁石の鋼板に対する吸
引力を相互に切換えることにより、鋼板の振動を抑えて
いるため、鋼板の走行路に対する変位を検出する変位検
出手段が設けられている。
【0005】ところで、この変位検出手段は、鋼板の幅
寸法が変わったり、幅方法にずれたりして、変位検出手
段による検出可能な位置から鋼板が外れた場合には、鋼
板の変位を正確に検出することができなくなる。この場
合、変位検出手段が検出可能な位置に鋼板がないにも拘
わらず、電磁石からの発生する磁力を受ける位置に鋼板
が存在する場合があり、この場合には、変位検出手段の
変位検出が正確に行われていないにも拘わらず、変位検
出手段から出力される変位信号に基づいて電磁石から磁
力を発生していた。このため、電磁石から発生する鋼板
に対する吸引力が不安定となり、鋼板が走行路から大き
く逸脱して電磁石、または変位検出手段に接触してしま
う虞があった。
【0006】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであり、鋼板の振動を効率よく抑制することのできる
鋼板の制振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、請求項1記載の発明による鋼板の制振装置は、各
々、走行する鋼板を挟むように対向した1対の電磁石か
らなり、該鋼板の幅方向に配列された複数の磁界発生手
段と、各々前記各磁界発生手段毎に設けられ、各々に前
記鋼板が対向しているときに当該対向部分の変位を検出
する変位検出手段と、前記複数の磁界発生手段の各々の
前記鋼板の進行方向手前に設けられ、各磁界発生手段に
向けて進入する前記鋼板を検出する複数のセンサと、前
記複数のセンサによる前記鋼板の検出結果に基づき、前
記複数の変位検出手段のうち前記鋼板と対向しているも
のと、当該変位検出手段に対応した磁界発生手段を選択
し、当該変位検出手段により検出された変位に基づい
て、当該磁界発生手段による磁界発生の制御を行う磁界
発生制御手段と、を具備することを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の鋼
板の制振装置において、前記センサは、前記各磁界発生
手段における一方の電磁石に設けられた透過型センサま
たは近接スイッチであることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、各々、走行する鋼
板を挟むように対向した1対の電磁石からなり、該鋼板
の幅方向に配列された複数の磁界発生手段と、各々前記
各磁界発生手段毎に設けられ、各々に前記鋼板が対向し
ているときに当該対向部分の変位を検出する変位検出手
段と、前記複数の磁界発生手段の前記鋼板の進行方向手
前に設けられ、各磁界発生手段に向けて進入する前記鋼
板を検出するセンサと、前記センサによる前記鋼板の検
出結果に基づき、前記複数の変位検出手段のうち前記鋼
板と対向しているものと、当該変位検出手段に対応した
磁界発生手段を選択し、当該変位検出手段により検出さ
れた変位に基づいて、当該磁界発生手段による磁界発生
の制御を行う磁界発生制御手段と、を具備することを特
徴としている。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の鋼
板の制振装置において、前記センサは、前記鋼板の端部
を検出して、この端部が各磁界発生手段毎に決められた
所定範囲内に有るか否かを判定することを特徴としてい
る。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1または3
記載の鋼板の制振装置において、前記電磁石のコイルに
印加する電流を、立ち上がりおよび立ち下がりで緩やか
にすることを特徴としている。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1または3
記載の鋼板の制振装置において、前記磁界発生制御手段
で磁界発生手段による磁界発生を開始するとき、センサ
と磁界発生手段間との距離を鋼板の走行速度によって除
算した結果に対し、所定のマージンを加算した時間だけ
磁界発生の開始を遅延させ、前記磁界発生制御手段で磁
界発生手段による磁界発生を停止するとき、センサと磁
界発生手段間との距離を鋼板の走行速度によって除算し
た結果に対し、所定のマージンを減算した時間だけ磁界
発生の停止を遅延させることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施形態を
図面に基づいて詳述する。
【0014】〈第1の実施形態〉以下、第1の実施形態
について、図1ないし図12を参照しつつ説明する。
【0015】(1−1)制振装置の構成 図1は、この発明の第1の実施形態による制振装置10
0を示す図である。また、図2は図1に示す制振装置1
00を矢印II方向から見た図である。この制振装置1
00は、例えばメッキラインに設けられる。図1におい
て、10はメッキ槽から引き上げられた鋼板であり、こ
の鋼板10は、上下方向に離間したガイドローラ12お
よび13によって案内され、走行路11に沿って上方に
一定速度vで走行する。本実施形態に係る制振装置10
0は、この走行路11に沿って走行する鋼板10の制振
を行う装置である。
【0016】制振装置100は、4個の電磁石21a,
21b,21cおよび21dと、これらの各々と対をな
す4個の電磁石22a,22b,22cおよび22d
と、パワーアンプ61a,61b,61c,61dおよ
び62a,62b,62c,62dと、コントローラ5
1と、4個の変位検出器31a,31b,31cおよび
31dと、4個の近接スイッチ41a,41b,41c
および41dとにより構成されている。なお、図1には
各電磁石のうち電磁石21aおよび22aのみが示さ
れ、各変位検出器のうち変位検出器31aのみが示さ
れ、各近接スイッチのうち近接スイッチ41aのみが示
されている。
【0017】ここで、電磁石21a,21b,21cお
よび21dは、図2に示すように、鋼板10の走行路1
1に各々対向し、鋼板10の幅方向に一定距離間隔で配
列されている。また、電磁石22a,22b,22cお
よび22dは、鋼板10の走行路11を挟んで、電磁石
21a,21b,21cおよび21dと対向している。
【0018】図3は、電磁石22a,22b,22cお
よび22dを図2における矢印III方向から見た図で
ある。図3に示すように、電磁石22a,22b,22
cおよび22dの各々の2つの磁極の間には、変位検出
器31a,31b,31cおよび31dが各々固定され
ている。これらの変位検出器31a,31b,31cお
よび31dは、図1に示すように、鋼板10と対向して
いる。各変位検出器31a〜31dは、うず電流式の変
位センサ等によって構成されいる。ここで、うず電流式
の変位センサは、センサコイルとドライバ回路(いずれ
も図示せず)とを備えている。ドライバ回路からセンサ
コイルに向けて数MHzの高周波電流を供給すると、セ
ンサコイルからは高周波磁束が発生する。そして、この
高周波磁束に鋼板10が近づくと、鋼板10の表面には
渦電流が発生する。この渦電流の大きさは、センサコイ
ルと鋼板10との距離に比例して変化し、センサコイル
のインピーダンスを変化させる。うず電流式の変位セン
サは、センサコイルでインピーダンスの変化を検出する
ことにより、鋼板10との距離に比例した変位信号を出
力するものである。
【0019】近接スイッチ41a,41b,41cおよ
び41dは、図2および図3に示すように、電磁石22
a,22b,22cおよび22dの各々に対応して設け
られている。これらの近接スイッチ41a,41b,4
1cおよび41dは、各々投光部41a1,41b1,
41c1および41d1、受光部41a2,41b2,
41c2および41d2を有する透過型のフォトセンサ
と、該投光部41a1〜41d1、受光部41a2〜4
1d2を制御するセンサ制御回路41a3,41b3,
41c3および41d3(センサ制御回路41a3のみ
図1に図示)とによって構成されている。
【0020】これらの近接スイッチ41a〜41dは、
図1および図3に示すように、鋼板10の進行方向を基
準にした場合、各電磁石22a,22b,22cおよび
22dから距離dだけ手前の位置に配置されている。な
お、本実施形態では、近接スイッチ41a〜41dを下
側のローラ13の下流側に配置させているが、上流側に
配置させてもよい。
【0021】また、近接スイッチ41a〜41dは、投
光部41a1〜41d1から照射される光の光路上に鋼
板10がある場合には、この光路が鋼板10によって遮
断されて受光部41a2〜41d2での受光が中止され
る。これにより、該受光部41a2〜41d2は、ロー
レベルの受信信号を出力する。一方、投光部41a1〜
41d1から照射される光路上に鋼板10がない場合に
は、受光部41a2〜41d2でこの光が受光される。
これにより、該受光部41a2〜41d2は、ハイレベ
ルの受光信号を出力する。また、センサ制御回路41a
3〜41d3は、この受光信号を反転させた鋼板検出信
号V2a〜V2dをコントローラ51に向けて出力す
る。ここで、鋼板検出信号V2a〜V2dは、ハイレベ
ルのときには、近接スイッチ41a〜41dの近傍に鋼
板10があることを示し、ローレベルのときには、近接
スイッチ41a〜41dの近傍に鋼板10がないことを
示している。
【0022】コントローラ51は、近接スイッチ41a
〜41dから出力される鋼板検出信号V2a〜V2dに
基づき、変位検出器31a〜31dのうち鋼板10と対
向しているものと、当該変位検出器に対応した電磁石を
選択する。また、コントローラ51は、電磁石21a〜
21dおよび22a〜22dのうち、選択されたものに
ついて、各々に対応する変位検出器31a〜31dから
の変位信号V1a〜V1dに基づいて各電磁石から発生
する磁界を制御する。
【0023】ここで、本実施形態では、特開平5−24
5521号公報に示すように、対向する電磁石に供給さ
れる電力を制御している。この制御方法は、予め定常電
流値I0を対向する電磁石にそれぞれ供給しておき、鋼
板10の変位に対応した制御電流Isを算出し、一方の
電磁石には(定常電流値+制御電流)を供給し、他方の
電磁石には(定常電流値+制御電流)を供給するもので
ある。
【0024】また、コントローラ51は、具体的には、
図4のブロック図に示すように、CPU(Central Proc
essing Unit)52、ROM(Read Only Memory)5
3、RAM(Random Access Memory)54、入力制御部
55、出力制御部56a〜56dおよびクロック回路5
7等からなる。ここで、クロック回路57は、タイマt
a〜td、タイマTa〜Td、ソフトスタートタイマt
stおよびソフトストップタイマtspを備えている。
【0025】ROM53には、CPU52によって実行
される制御プログラム等が格納されている。ここで、制
御プログラムは、上述した変位検出器および近接スイッ
チの出力信号に基づく、各電磁石の発生磁界を制御する
ための磁界発生制御ルーチンが含まれる。
【0026】出力制御部56a〜56dは、対をなす電
磁石毎に設けられるものである。出力制御部56a〜5
6dは、図5に示すように構成され、変位検出器41a
〜41dから入力された変位信号V1と、CPU52に
よって演算されたゲイン指令値Cg、定常電流指令値C
iとを受けて、PID制御によって電流を規定してい
る。そして、出力制御部56a〜56dは、この電流を
パワーアンプ61a〜62dに向けて出力する。なお、
PID制御については一般に広く知られているので、そ
の説明はここでは省略する。
【0027】(1−2)制振装置の動作 以下、制振装置100の動作を説明する。CPU52
は、一定時間t0毎にROM53に記憶された磁界発生
制御ルーチンを実行する。この磁界発生制御ルーチンに
は、4対の電磁石21a〜21dおよび22a〜22d
の各々に対応したものがある。図8および図9は、これ
ら4個の磁界発生制御ルーチンのうち、一対の電磁石2
1a,22aに対応したルーチンのフローチャートを示
すものである。他の各対に対応した磁界発生制御ルーチ
ンも基本的に、この図8および図9に示すものと同様で
ある。
【0028】また、図7は、鋼板10が走行速度vで走
行路11を移動するとき、近接スイッチ41aおよび変
位検出器31aと、鋼板10との関係を示したものであ
る。即ち、図7(a)は、鋼板10が変位検出器31a
と対向する位置に有り、鋼板10が近接スイッチ41a
と対向する位置に有る場合を示している。図7(b)
は、鋼板10が変位検出器31aと対向する位置に有る
ものの、鋼板10が近接スイッチ41aに対向した位置
に無い場合を示している。図7(c)は、鋼板10が変
位検出器31aと対向する位置に無く、鋼板10が近接
スイッチ41aと対向する位置にも無い場合を示してい
る。図7(d)は、鋼板10が変位検出器31aと対向
する位置に無く、鋼板10が近接スイッチ41aと対向
する位置に有る場合を示している。
【0029】次に、図8および図9による磁界発生制御
ルーチンについて説明する。ここでは、図7の(a)
(b)(c)(d)の順に鋼板が変化する場合について
順に述べる。CPU52は、電磁石21a,22aに対
応した磁界発生制御ルーチンを開始すると、まず、入力
制御部55を介して近接スイッチ41aから鋼板検出信
号V2aを読込み(ステップS1)、読込んだ鋼板検出
信号V2aがオンであるか否かを判定する(ステップS
2)。
【0030】ここで、オンである場合(ステップS2;
YES)、即ち近接スイッチ41aに対向した位置を鋼
板10が通過中である場合には、現在の状態フラグQa
を“1”としてRAM54に記憶する(ステップS
3)。一方、オフである場合(ステップS2;NO)、
即ち近接スイッチ41aに対向した位置に鋼板10が無
い場合には、現在の状態フラグQaを“0”としてRA
M54に記憶する(ステップS4)。次に、CPU52
は、電磁石21a,22aの過去における状態フラグP
aを読出してRAM54に記憶する(ステップS5)。
ここで、過去の状態プラグPaは、前回磁界発生制御ル
ーチンが実行されたときの現在の状態プラグQaが格納
されている。
【0031】CPU52は、ステップS3およびS4で
RAM54に記憶した現在の状態フラグQaと、ステッ
プS5で読出した過去の状態フラグPaとを比較する
(図9のステップS6)。このステップS6の判定は、
次の4つの状態について判定する。この4つの状態は、
図7(a)〜(d)に示すように、鋼板10と近接スイ
ッチ41aとの関係になる。即ち、図7(a)の状態で
は、過去の状態フラグPaが「1」、現在の状態フラグ
Qaが「1」である。この場合は、近接スイッチ41a
に鋼板10が対向した状態が続いた場合であるから、ス
テップS7に進む。図7(b)の状態では、過去の状態
フラグPaが「1」、現在の状態フラグQaが「0」で
ある。この場合は、近接スイッチ41aに鋼板10が対
向していた状態から近接スイッチ41aに鋼板10が対
向していない状態への変化があった場合であるから、ス
テップS11に進む。図7(c)の状態では、過去の状
態フラグPaが「0」、現在の状態フラグQaが「0」
である。この場合は、近接スイッチ41aに鋼板10が
対向していない状態が続いた場合であるから、ステップ
S7に進む。図7(d)の状態では、過去の状態フラグ
Paが「0」、現在の状態フラグQaが「1」である。
この場合は、近接スイッチ41aに鋼板10が対向して
いなかった状態から近接スイッチ41aに鋼板10が対
向する状態への変化があった場合であるから、ステップ
S17に進む。
【0032】次に、この図7(a)〜(d)の順にステ
ップS7以降の処理について説明する。〈1−2−1〉
図7(a)の状態における動作まず、図7(a)の場
合、CPU52は、ステップS7に進むと、RAM54
に記憶された状態フラグPa,Qaについて、Pa=0
&Qa=0であるか否かを判定する。ここで、CPU5
2は、Pa=1、Qa=1、即ち鋼板10が連続して近
接スイッチ41a上を通過しているから、ステップS8
に進み、後述する電磁石21a,22aに対応した指令
値制御処理(図10ないし図12)を行う。
【0033】まず、CPU52は、過去の状態フラグP
aが「0」&現在の状態フラグQaが「1」であるかを
判定し(図10のステップS31)、次のステップS3
2で過去の状態フラグPaが「1」&現在の状態フラグ
Qaが「0」であるかを判定する。この場合は、いずれ
の場合にも当てはまらないので、図11のステップS3
3に進む。次に、CPU52は、ソフトスタート処理フ
ラグStが「1」であるか否かを判定し(ステップS3
3)、さらにソフトストップ処理フラグSpが「1」で
あるか否かを判定する(ステップS34)。この場合、
既に電磁石21a,22aには鋼板10の変位を抑える
ための磁界を発生させているから、CPU52は、定常
電流指令値Ciを最大値Ci0、ゲイン指令値Cgを最
大値Cg0とし(ステップS35)、このCi,Cgを
出力制御部56aに入力する(ステップS36)。これ
により、電磁石21a、22aには、出力制御部56a
から出力される変位信号V1aに対応した電流がパワー
アンプを介して供給されろ。そして、該電磁石21a、
22aから発生する磁界は、変位信号V1aに対応した
ものとなり、鋼板10の変位を抑える。そして、ステッ
プS37において、CPU52は、電磁石21a,22
aに対応する磁界発生制御ルーチンのステップS9に戻
り、現在の状態フラグQaを過去の状態フラグPaに書
き換え、同制御ルーチンを終了する。
【0034】〈1−2−2〉 図7(b)の状態におけ
る動作 次に、図7(b)の場合、CPU52は、ステップS1
1に進むと、クロック回路57のタイマtaが作動中で
あるか否かを判定し、作動中の場合(ステップS11;
YES)には、ステップS13に移る。
【0035】一方、CPU52は、ステップS11でタ
イマtaが非作動状態にある(ステップS11;NO)
場合には、タイマtaをリセット・スタートさせ(ステ
ップS12)、ステップS13に進む。ステップS13
に進むと、CPU52は、タイマtaで計測された時間
が予め設定された時間t2に達したか否かを判定する。
ここで、時間t2は、図3に示す電磁石22aと近接ス
イッチ41aとの距離dを鋼板10の走行速度vによっ
て除算した結果に対し、所定のマージンを減算した時間
となっている。
【0036】そして、ステップS13において、タイマ
taが時間t2に達していない場合(ステップS12;
NO)にはステップS14に進む。CPU52は、ステ
ップS14に進むと、現状の状態フラグQaを“1”に
書き換え、RAM54に記憶された状態フラグPa,Q
aについて判定する(ステップS7)。この場合、現在
の状態フラグQaは“0”に切換わっていない、即ち近
接スイッチ41aで鋼板10を検出した部位が、電磁石
21a,22aに達していないから、前述した電磁石2
1a,22aに対応した指令値制御ルーチン(ステップ
S8)を実行する。
【0037】一方、CPU52は、タイマtaが時間t
2に達した場合(ステップS13;YES)、即ち近接
スイッチ41aで鋼板10を検出した部位が、電磁石2
1a,22aに達した場合であるから、ステップS15
に進む。そして、ステップS15において、CPU52
は、現在の状態フラグQaを“0”に書き換えてRAM
54に記憶した後、ステップS7に進む。
【0038】CPU52は、ステップS7に進むと、R
AM54に記憶された状態フラグPa,Qaについて判
定する。この場合、CPU52は、Pa=1、Qa=
0、即ち近接スイッチ41aに鋼板10が対向していた
状態から近接スイッチ41aに鋼板10が対向していな
い状態へ変化した場合であるから、ステップS8に進
む。
【0039】まず、CPU52は、過去の状態フラグP
aが「0」&現在の状態フラグQaが「1」であるかを
判定し(図10のステップS31)、ステップS32で
過去の状態フラグPaが「1」&現在の状態フラグQa
が「0」であるかを判定する。この場合は、Pa=1,
Qa=0である(ステップS32;YES)から、ソフ
トストップ処理を行うためにソフトストップ処理フラグ
Spを“1”に書き換えてRAM54に記憶する(ステ
ップS38)。
【0040】次に、CPU52は、ソフトスタート処理
フラグStが「1」であるか否かを判定し(図11のス
テップS33)、ソフトストップ処理フラグSpが
「1」であるか否かを判定する(ステップS34)。こ
の場合、CPU52は、ソフトストップ処理フラグSp
が“1”である(ステップS34;YES)から、ソフ
トストップ処理を行うべく、図12のステップS39に
進む。
【0041】ステップS39に進むと、CPU52は、
ソフトストップ処理過去フラグPspが「0」であるか
否かを判定する。CPU52は、タイマtspが作動状
態、即ちソフトストップ処理過去フラグPspが“1”
である(ステップS39;NO)場合には、ステップS
42に進む。
【0042】一方、CPU52は、ソフトストップ処理
過去フラグPspが“0”(ステップS39;YE
S)、即ちタイマtspが非作動状態である場合、ソフ
トストップタイマtspをリセット・スタートさせ(ス
テップS40)、ソフトストップ処理過去フラグPsp
を“1”に書き換えて、RAM54に記憶する。
【0043】次に、CPU52は、定常電流指令値Ci
およびゲイン指令値Cgを、下記の数式によって演算
し、その結果をRAM54に記憶する(ステップS4
2)。 Ci=(1−tsp/Tsp)Ci0 Cg=(1−tsp/Tsp)Cg0 但し、tsp:ソフトストップタイマtspがスタート
してからの経過時間Tsp:指令値が立ち下がるまでの
時間 さらに、CPU52は、ソフトストップタイマtspが
時間Tspに達したか否かを判定し(ステップS4
3)、達するまでの間(ステップS43;NO)、ステ
ップS42による演算を順次繰り返して、指令値Ci,
Cgを出力制御部56aに出力する(ステップS3
6)。
【0044】一方、CPU52は、ソフトストップタイ
マtspが時間Tspに達した(ステップS43;YE
S)場合には、指令値Ci,Cgが零になっているか
ら、ソフトステップ処理フラグSp、ソフトストップ処
理過去フラグPspを“0”に書き換えて、RAM54
に記憶する。そして、指令値Ci,Cgが零になってい
るから、CPU52は、この零となった指令値Ci,C
gを出力制御部56aに出力し(ステップS36)、電
磁石21a,22aから発生する磁力を停止する。そし
て、CPU52は、ステップS37において電磁石21
a,22aに対応する磁界発生制御ルーチンのステップ
S9に戻り、現在の状態フラグQaを過去の状態フラグ
Paに書き換え、同制御ルーチンを終了する。
【0045】このように、コントローラ51は、図5
(b)に示すように、指令値Ci,Cgをソフトストッ
プさせることにより、電磁石21a,22aから発生す
る磁力を一次関数的に減少させ、磁力が急激に減少する
のを防止する。これにより、鋼板10が磁力から瞬時に
放たれるのを防ぎ、鋼板10に加わる磁力による振動を
防止する。
【0046】〈1−2−3〉 図7(c)の状態におけ
る動作 次に、図6(c)の場合、CPU52は、ステップS7
に進むと、RAM54に記憶された状態フラグPa,Q
aを判定する。ここで、CPU52は、Pa=「0」、
Qa=「0」である(ステップS7;YES)場合、即
ち近接スイッチ41aに鋼板10が対向していない状態
が続いた場合であるから、ステップS16に進む。この
ステップS16において、CPU52は、磁石制21
a,22aに対応した指令値制御ルーチンを停止し、電
磁石21a,22aでの磁界発生を停止する。次に、ス
テップS9において、CPU52は、現在の状態フラグ
Qaを過去の状態フラグPaに書き換え、ステップS1
に戻る。
【0047】〈1−2−4〉 図7(d)の状態におけ
る動作 次に、図6(d)の場合、CPU52は、ステップS1
7に進むと、クロック回路57のタイマtaが作動中で
あるか否かを判定し、作動中の場合(ステップS17;
YES)には、ステップS19に移る。
【0048】一方、CPU52は、ステップS17でタ
イマtaが非作動状態にある(ステップS17;NO)
場合には、タイマtaをリセット・スタートさせ(図9
のステップS18)、ステップS19に進む。
【0049】ステップS19に進むと、CPU52は、
タイマtaで計測された時間が予め設定された時間t1
に達したか否かを判定する。ここで、時間t1は、図3
に示す電磁石22aと近接スイッチ41aとの距離dを
鋼板10の走行速度vによって除算した結果に対し、所
定のマージンを加算した時間となっている。
【0050】そして、ステップS19において、タイマ
taが時間t1に達していない場合(ステップS19;
NO)には、現在の状態フラグQaを“0”に書き換え
てRAM54に記憶し(ステップS20)、ステップS
7に進む。CPU52は、ステップS7に進むと、RA
M54に記憶された状態フラグPa,Qaを判定する。
ここで、CPU52は、Pa=0、Qa=0、即ち近接
スイッチ41aで鋼板10を検出した部位が、電磁石2
1a,22aに達していないから、ステップS16に進
み、電磁石21a,22aに対応した指令値制御ルーチ
ンを停止した状態のまま、ステップS9で、現在の状態
フラグQaを過去の状態フラグPaに書き換え、ステッ
プS1に戻る。
【0051】一方、CPU52は、タイマtaが時間t
1に達した場合(ステップS19;YES)にはステッ
プS21に進む。そして、ステップS21において、C
PU52は、現在の状態フラグQaを“1”に書き換え
てRAM54に記憶した後、ステップS7に進む。
【0052】CPU52は、ステップS7に進むと、R
AM54に記憶された状態フラグPa,Qaを判定す
る。ここで、CPU52は、Pa=0、Qa=1である
場合、即ち近接スイッチ41aに鋼板10が対向してい
なかった状態から近接スイッチ41aに鋼板10が対向
する状態への変化があった場合であるから、ステップS
8に進む。
【0053】まず、CPU52は、過去の状態フラグP
aが「0」&現在の状態フラグQaが「1」であるかを
判定する(図10のステップS31)。この場合は、P
a=0、Qa=1である(ステップS31;YES)か
ら、ソフトスタート処理を行うためにソフトスタート処
理フラグStを“1”に書き換えてRAM54に記憶す
る(ステップS45)。その後、CPU52は、ステッ
プS32で過去の状態フラグPaが「1」&現在の状態
フラグQaが「0」であるかを判定する。この場合は、
Pa=0、Qa=1であるため、このステップS32は
通過する(ステップS32;NO)。
【0054】次に、CPU52は、ソフトスタート処理
フラグStが「1」であるか否かを判定する(図11の
ステップS33)。この場合、ソフトスタート処理フラ
グStが“1”である(ステップS33;YES)か
ら、ソフトスタート処理を行うべく、ステップS46に
進む。
【0055】ステップS46に進むと、CPU52は、
ソフトスタート処理過去フラグPstが「0」であるか
否かを判定する。CPU52は、タイマtstが作動状
態、即ちソフトスタート処理過去フラグPstが“1”
である(ステップS46;NO)場合には、ステップS
42に進む。
【0056】一方、CPU52は、ソフトスタート処理
過去フラグPstが“0”(ステップS46;YE
S)、即ちソフトスタートタイマtstが非作動状態で
ある場合、ソフトスタートタイマtstをリセット・ス
タートさせ(ステップS47)、ソフトスタート処理過
去フラグPstを“1”に書き換えて、RAM54に記
憶する(ステップS48)。
【0057】次に、CPU52は、定常電流指令値Ci
およびゲイン指令値Cgを、下記の数式によって演算
し、その結果をRAM54に記憶する(ステップS4
9)。 Ci=(tst/Tst)Ci0 Cg=(tst/Tst)Cg0 但し、tst:ソフトスタートタイマtstがスタート
してからの経過時間Tst:指令値が立ち上がるまでの
時間 さらに、CPU52は、ソフトスタートタイマtstが
時間Tstに達したか否かを判定し(ステップS5
0)、達するまでの間(ステップS50;NO)、ステ
ップS49によって指令値Ci,Cgを順次演算し、こ
の結果を出力制御部56aに出力する(ステップS3
6)。
【0058】一方、CPU52は、ソフトスタートタイ
マtstが時間Tstに達した(ステップS50;YE
S)場合には、指令値Ci,Cgが最大値Ci0,Cg
0になっているから、ソフトスタート処理フラグSt、
ソフトスタート処理過去フラグPstを“0”に書き換
えて、RAM54に記憶する。そして、指令値Ci,C
gは最大値Ci0,Cg0になっているから、CPU5
2は、この最大値となった指令値Ci,Cgを出力制御
部56aに出力し(ステップS36)、電磁石21a,
22aから変位信号V1aに対応した磁力を発生する。
そして、CPU52は、ステップS37において電磁石
21a,22aに対応する磁界発生制御ルーチンのステ
ップS9に戻り、現在の状態フラグQaを過去の状態フ
ラグPaに書き換え、同制御ルーチンを終了する。
【0059】このように、コントローラ51は、図5
(a)に示すように、指令値Ci,Cgをソフトスター
トさせることにより、電磁石21a,22aから発生す
る磁力を一次関数的に増加させ、磁力が急激に発生する
のを防止している。そして、鋼板10が磁力によって瞬
時に吸引されるのを防ぎ、鋼板10に加わる磁力による
振動を防止する。
【0060】以上のように、電磁石21a,22aに対
応した磁界発生制御ルーチンでは、電磁石21aまたは
22aに供給される電流を、変位信号V1aに応じて適
宜制御することにより、該電磁石21aまたは22aか
ら発生する磁力によって鋼板10に対する吸引力を発生
させ、この吸引力によって、鋼板10の振動や反りを抑
えることができる。
【0061】(1−3)第1の実施形態の効果 このように、本実施形態による制振装置100は、鋼板
10が変位検出器31a〜31dの位置を通過する前
に、該変位検出器31a〜31dが検出可能となる位置
に鋼板10が有るか否かを近接スイッチ41a〜41d
によって検出し、鋼板10と対向している変位検出器3
1a〜31dと、該変位検出器に対応した電磁石を選択
し、前記変位に基づいて電磁石から発生する磁力の制御
を行うようにしている。
【0062】これにより、制振装置100は、鋼板10
の幅寸法が変わったり、幅方向にずれて、鋼板10が走
行路11の幅方向に大きくずれた場合には、、鋼板10
が変位検出器31a〜31dと対向する位置から外れ
る。この場合、外れた変位検出器31a〜31dに対応
した電磁石から発生する磁力を停止させる。この結果、
電磁石21から発生する吸引力が、鋼板10に対して不
安定に作用するのを防止し、鋼板の振動を効率よく抑制
するができる。
【0063】〈第2の実施形態〉次に、本発明にかかる
第2の実施形態による鋼板の制振装置について、図13
ないし図18を参照しつつ説明する。なお、本実施形態
の特徴は、前記近接スイッチ41に変えて、鋼板10の
端を検出するエッジ検出器を用いた点にある。また、第
2の実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に
は同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0064】(2−1)制振装置の構成 図13は、この発明の第2の実施形態による制振装置1
01を示す図である。また、図14は図13に示す制振
装置101を矢印XIV方向から見た図であり、図15
は電磁石22a〜22dを図14における矢印XV方向
から見た図である。
【0065】本実施形態に係る制振装置101は、走行
路11に沿って走行する鋼板10の制振を行う装置であ
る。
【0066】制振装置101は、4個の電磁石21a,
21b,21cおよび21dと、これらの各々と対をな
す4個の電磁石22a,22b,22cおよび22d
と、パワーアンプ61a,61b,61c,61dおよ
び62a,62b,62c,62dと、コントローラ8
1と、4個の変位検出器31a,31b,31cおよび
31dと、エッジ検出器71とにより構成されている。
なお、図9には各電磁石21a〜22dのうち電磁石2
1aおよび22aのみが示され、各変位検出器のうち変
位検出器31aのみが示されている。
【0067】エッジ検出器71は、図14に示すよう
に、走行路11(鋼板10)の幅方向に亘って設けられ
ている。また、エッジ検出器71は、例えば鋼板10の
幅方向にアレイ状に配置したフォトセンサによって構成
され、図15に示す如く、走行路11の幅方向における
中心部Cから鋼板10の左側の端までの距離WLに対応
した電気信号を端部検出信号V2Lとし、中心部Cから
鋼板10の右側の端までの距離WRに対応した電気信号
を端部検出信号V2Rとしてそれぞれコントローラ51
に向けて出力するものである。図13に示すように、エ
ッジ検出器71は、鋼板10の進行方向を基準にした場
合、各電磁石22a〜22dから距離dだけ手前の位置
に配置されている。なお、本実施形態では、エッジ検出
器71を下側のローラ13の下流側に配置したが、上流
側に配置してもよい。
【0068】コントローラ81は、エッジ検出器71か
ら出力される端部検出信号V2L〜V2Rに基づき、変
位検出器31a〜31dのうち鋼板10と対向している
ものと、当該変位検出器に対応した電磁石を選択する。
また、コントローラ81は、電磁石21a〜21dおよ
び22a〜22dのうち選択されたものについて、各々
に対応する変位検出器31a〜31dからの変位信号V
1a〜V1dに基づき、各電磁石から発生する磁界を制
御する。
【0069】さらに、コントローラ81は、第1実施形
態で述べたコントローラ51と同様に構成されているも
のの、ROM53には、後述のオン判定範囲Waに対応
したオン閾値Va、オフ判定範囲Wbに対応したオフ閾
値Vb等が記憶されている。なお、このオン閾値Va、
オフ閾値Vbは、対をなす電磁石21a〜21dおよび
22a〜22d毎に規定されるものであるが、説明を簡
略化するために、電磁石21a,22aについてのみ述
べる。
【0070】ここで、電磁石21a,22aの制御動作
を決める判定範囲Wa,Wbについて、図15に基づい
て説明する。ここで、判定範囲Wa,Wbは中心部Cを
基準として規定されるものである。
【0071】オン判定範囲Waは、電磁石21a,22
aに対応した電流供給の制御を停止状態から作動状態に
切換えるための範囲を示すものである。鋼板10の端が
このオン判定範囲Waより外側にある場合、鋼板10
は、変位検出器31aによる検出可能な位置にあると見
なされる。そこで、このオン判定範囲Waに対応した電
気信号を、中心部Cを基準としたオン閾値Vaとして、
前記ROM53に記憶している。
【0072】オフ判定範囲Wbは、電磁石21a,22
aに対応した電流供給の制御を作動状態から停止状態に
切換えるための範囲を示すものであり、前記オン判定範
囲Waよりも内側に規定される。鋼板10の端がこのオ
フ判定範囲Wbより内側にある場合、鋼板10は、変位
検出器31aの検出可能な位置から逸脱していると見な
される。そこで、このオフ判定範囲Wbに対応した電気
信号を、中心部Cを基準としたオフ閾値Vbとして、前
記ROM53に記憶している。
【0073】また、本実施形態では、鋼板10の幅寸法
W0は、2×(オン判定範囲Wa)よりも長くなってい
る。さらに、オン閾値Va、オフ閾値Vbは、他の対を
なす電磁石21b〜21dおよび22b〜22dについ
ても個々に規定されてROM53に記憶されている。
【0074】(2−2)制振装置の動作 以下、制振装置の動作を説明する。CPU52は、一定
時間t0毎にROM53に記憶された21a,22aに
対応した磁界発生制御ルーチンを実行する。この磁界発
生制御ルーチンには、4対の電磁石21a〜21dおよ
び22a〜22dの各々に対応したものがある。図17
および図18は、これら4個の磁界発生制御ルーチンの
うち、一対の電磁石21a,22aに対応したルーチン
のフローチャートを示すものである。他の各対に対応し
た磁界発生制御ルーチンも基本的に、この図8および図
9に示すものと同様である。なお、電磁石に21a,2
2a対応した電流制御ルーチンについては、第1実施形
態の図8で説明した通りであるので省略するものとす
る。また、電磁石21a,22aに対応した磁界発生制
御ルーチンについても、第1の実施形態と相違する部分
のみ説明する。
【0075】CPU52は、電磁石21a,22aに対
応した磁界発生制御ルーチンを開始すると、入力制御部
55を介してエッジ検出器71から出力される端部検出
信号V2Lを読込む(ステップS61)。
【0076】CPU52は、読込んだ端部検出信号V2
Lに対し、V2L>Vaであるか否か(ステップS6
2)、V2L<Vb(ステップS63)であるか否か、
いずれの条件も満足していないかを判定する。
【0077】ここで、CPU52は、V2L>Vaの条
件を満足する場合(ステップS62;YES)、即ち鋼
板10の端が、オン判定範囲Waの外側にある場合であ
るから、変位検出器31aによって鋼板10の変位が検
出可能な位置に鋼板10があると判定し、ステップS6
4に進む。ステップS64において、CPU52は、現
在の状態フラグQaを“1”にしてRAM54に記憶す
る。
【0078】また、CPU52は、V2L<Vbの条件
を満足する場合(ステップS63;YES)、即ち鋼板
10の端が、オフ判定範囲Waの内側にある場合である
から、変位検出器31aによって鋼板10の変位が検出
できない位置に鋼板10があると判定し、ステップS6
5に進む。ステップS65において、CPU52は現在
の状態フラグQaを“0”にしてRAM54に記憶す
る。
【0079】さらに、CPU52は、いずれの条件も満
足していない場合には、ステップS5以降の処理を行
う。
【0080】次に、CPU52は、電磁石21a,22
aの過去における状態フラグPaを読出し(ステップS
5)、RAM54に記憶したフラグQaと、ステップS
5で読出した状態フラグPaとを比較する(図18のス
テップS6)。このステップS6の判定により、図7
(a)〜(d)に示すような4つの状態について判定さ
れる。
【0081】以下、第1の実施形態に述べたようにし
て、コントローラ81は電磁石21a,22aに印加す
る電流を制御することにより、鋼板10の変位を吸収す
る。
【0082】(2−3)第2の実施形態の効果このよう
に、本実施形態による制振装置においても、前述した第
1の実施形態による制振装置と同様に、電磁石21a〜
22dから発生する鋼板10に対する吸引力が不安定に
なるのを防止し、鋼板の振動を効率よく抑制することが
できる。
【0083】しかも、制振装置では、エッジ検出器71
によって鋼板10の端を監視し、電磁石による磁力発生
の開始、停止させるための閾値を、オン閾値Va,オフ
閾値Vbとして、判定する閾値の範囲に差を持たせてい
る。これにより、鋼板10の端が変位検出器31によっ
て鋼板10との変位が検出可能な位置で変動することが
あっても、コントローラ81は、制御動作の切り替わり
を緩慢にして、頻繁に切り替わるチャタリング現象を防
止することができる。
【0084】〈変形例〉 (3−1)変形例1 前記各実施形態では、電磁石21a〜22dに対し、鋼
板10の走行方向手前に近接スイッチ41a〜41dや
エッジ検出器71を設け、鋼板10が変位検出器31a
〜31dによって鋼板10の変位が検出可能な位置にあ
るか否か判定するようにした。本発明はこれに限らず、
進入する鋼板の有無を検出するセンサは、反射型の光電
スイッチ、フォトインタラプタ等の光学センサ等を用い
てもよいことは勿論である。
【0085】(3−2)変形例2 前記第2の実施形態では、閾値をオン閾値Vaとオフ閾
値Vbとして、電磁石の電流制御の開始時と停止時との
判定範囲に差を持たせるようにしたが、オン閾値Vaま
たはオフ閾値Vbのうち、いずれか一方のみによって判
定範囲を規定するようにしてもよい。
【0086】(3−3)変形例3 前記各実施形態では、電磁石の磁界発生制御処理をマイ
クロコンピュータによって制御するようにしたが、特開
平6−7825号公報に示すように、増幅器、基準位置
設定回路、比例補償器、微分補償器、積分補償器、加算
器、電力増幅器等の電子回路によって構成してもよい。
【0087】(3−4)変形例4 前記第1の実施形態では、1対の電磁石に対して1個の
近接スイッチを設けるようにしたが、1対の電磁石に対
して幅方向に異なる位置に2個の近接スイッチを設け、
第2の実施形態と同様に、電磁石の制御動作を切換える
タイミングにヒステリシスを持たせるようにしてもよ
い。
【0088】(3−5)変形例5 電磁石21a〜21dおよび22a〜22d、変位検出
器31a〜31dは、各々鋼板10の走行方向に2個以
上設けるようにしてもよい。また、前記各実施形態で
は、鋼板10の幅方向に4対設けるようにしたが、対を
なす電磁石を、幅方向に1,2、3対または5対以上と
して設けるようにしてもよい。
【0089】(3−6)変形例6 前記各実施形態では、特開平5−245512号公報に
示すように、対向する電磁石に定常電流を供給した状態
で、鋼板の変位に対応した電流分を、一方の電磁石に加
算し、他方の電磁石に減算して供給することにより、各
電磁石から発生する磁力によって、鋼板の変位を抑える
ようにした。しかし、本発明は、これに限るものではな
く、例えば、一方の電磁石のみに変位に対応した電流分
だけを供給してもよい。また、本発明は、電磁石に供給
される電流の大きさを変えるのみでなく、通電時間を制
御するようにして、電磁石から発生する磁力を制御する
ようにしてもよい。
【0090】
【発明の効果】上述したように、本発明による制振装置
は、鋼板の幅寸法が変わったり、幅方法にずれた場合で
あっても、変位検出手段のうち鋼板と対向しているもの
と、当該変位検出手段に対応した磁界発生手段を選択
し、当該変位検出手段により検出された変位に基づい
て、当該磁界発生手段による磁界発生の制御を行うよう
にしている。これにより、制振装置は、磁界発生手段か
ら発生する鋼板に対する吸引力が不安定となるのを防止
し、鋼板の振動や反りを効率よく抑制することのでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態にかかる鋼板の制振
装置を示す正面図である。
【図2】 図1中の矢印II方向から見た上面図であ
る。
【図3】 図2中の矢印III方向から見た図である。
【図4】 同実施形態に用いられるコントローラおよび
近傍の回路構成を示すブロック図である。
【図5】 同実施形態に用いられる出力制御部を示すブ
ロック図である。
【図6】 (a)はソフトスタート処理、(b)はソフ
トストップ処理を示す特性線図である。
【図7】 近接スイッチに対する鋼板の変化状態を示す
図である。
【図8】 同実施形態による電磁石21a,22aに対
応した磁界発生制御ルーチンを示す流れ図である。
【図9】 図8に続く電磁石21a,22aに対応した
磁界発生制御ルーチンを示す流れ図である。
【図10】 同実施形態による電磁石21a,22aに
対応した指令値制御ルーチンを示す流れ図である。
【図11】 図10に続く電磁石21a,22aに対応
した指令値制御ルーチンを示す流れ図である。
【図12】 図10および図11に続く電磁石21a,
22aに対応した指令値制御ルーチンを示す流れ図であ
る。
【図13】 本発明の第2の実施形態にかかる鋼板の制
振装置を示す正面図である。
【図14】 図13中の矢印XIV方向から見た上面図
である。
【図15】 図14中の矢印XV方向から見た図であ
る。
【図16】 同実施形態に用いられるコントローラおよ
び近傍の回路構成を示すブロック図である。
【図17】 同実施形態による電磁石21a,22aに
対応した磁界発生制御ルーチンを示す流れ図である。
【図18】 図17に続く電磁石21a,22aに対応
した磁界発生制御ルーチンを示す流れ図である。
【符号の説明】
10・・・鋼板 11・・・走行路 21a,21b,21c,21d,22a,22b,2
2c,22d・・・電磁石 31a,31b,31c,31d・・・変位検出器 41a,41b,41c,41d・・・近接スイッチ 51,81・・・コントローラ 61・・・パワーアンプ 71・・・エッジ検出器 100、101・・・制振装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々、走行する鋼板を挟むように対向し
    た1対の電磁石からなり、該鋼板の幅方向に配列された
    複数の磁界発生手段と、 各々前記各磁界発生手段毎に設けられ、各々に前記鋼板
    が対向しているときに当該対向部分の変位を検出する変
    位検出手段と、 前記複数の磁界発生手段の各々の前記鋼板の進行方向手
    前に設けられ、各磁界発生手段に向けて進入する前記鋼
    板を検出する複数のセンサと、 前記複数のセンサによる前記鋼板の検出結果に基づき、
    前記複数の変位検出手段のうち前記鋼板と対向している
    ものと、当該変位検出手段に対応した磁界発生手段を選
    択し、当該変位検出手段により検出された変位に基づい
    て、当該磁界発生手段による磁界発生の制御を行う磁界
    発生制御手段と、 を具備することを特徴とする鋼板の制振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼板の制振装置におい
    て、 前記センサは、前記各磁界発生手段における一方の電磁
    石に設けられた透過型センサまたは近接スイッチである
    ことを特徴とする鋼板の制振装置。
  3. 【請求項3】 各々、走行する鋼板を挟むように対向し
    た1対の電磁石からなり、該鋼板の幅方向に配列された
    複数の磁界発生手段と、 各々前記各磁界発生手段毎に設けられ、各々に前記鋼板
    が対向しているときに当該対向部分の変位を検出する変
    位検出手段と、 前記複数の磁界発生手段の前記鋼板の進行方向手前に設
    けられ、各磁界発生手段に向けて進入する前記鋼板を検
    出するセンサと、 前記センサによる前記鋼板の検出結果に基づき、前記複
    数の変位検出手段のうち前記鋼板と対向しているもの
    と、当該変位検出手段に対応した磁界発生手段を選択
    し、当該変位検出手段により検出された変位に基づい
    て、当該磁界発生手段による磁界発生の制御を行う磁界
    発生制御手段と、 を具備することを特徴とする鋼板の制振装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の鋼板の制振装置におい
    て、 前記センサは、前記鋼板の端部を検出して、この端部が
    各磁界発生手段毎に決められた所定範囲内に有るか否か
    を判定することを特徴とする鋼板の制振装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または3記載の鋼板の制振装置
    において、 前記電磁石のコイルに印加する電流を、立ち上がりおよ
    び立ち下がりで緩やかにすることを特徴とする鋼板の制
    振装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または3記載の鋼板の制振装置
    において、 前記磁界発生制御手段により磁界発生手段から磁界を発
    生させるとき、センサと磁界発生手段間との距離を鋼板
    の走行速度によって除算した結果に対し、所定のマージ
    ンを加算した時間だけ磁界の発生を遅らせ、 前記磁界発生制御手段により磁界発生手段からの磁界を
    停止させるとき、センサと磁界発生手段間との距離を鋼
    板の走行速度によって除算した結果に対し、所定のマー
    ジンを減算した時間だけ磁界の停止を遅らせることを特
    徴とする鋼板の制振装置。
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