JP2001160348A - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

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JP2001160348A JP34418999A JP34418999A JP2001160348A JP 2001160348 A JP2001160348 A JP 2001160348A JP 34418999 A JP34418999 A JP 34418999A JP 34418999 A JP34418999 A JP 34418999A JP 2001160348 A JP2001160348 A JP 2001160348A
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孝夫 三橋
Mitsuru Tsukima
満 月間
Masahiro Fushimi
征浩 伏見
Shigeki Komoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 限流特性に優れた小形、低コストの回路遮断
器を得る。 【解決手段】 大電流遮断時に可動子1のアームと固定
子5を流れる電流の電磁反発力により高速開極し、アー
ク長を急激に長くするとともに、接点開極直後に固定接
点6の周りを筒状に取り囲む第1および第2の絶縁物8
b、8cから大量の蒸気を発生させ、アークの周りの雰
囲気圧力を上昇させ、アーク電圧を急速に立ち上げる。
さらに、遮断動作後半においては、可動子1が上記絶縁
物が囲む筒状空間の外に移動し、電流ピーク以降の不要
な蒸気発生量を制限し、且つ、電流遮断時の電極間の絶
縁回復を確保するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は遮断動作時に優れ
た限流機能を有する回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図21は、例えば特公平1―43973
号公報に示された従来の回路遮断器を示す部分断面図で
あり、図において、130は導体290により遮断器部
140と電気的直列接続される限流素子部、1は可動接
点2と磁性材料からなる支持体71を有する上記限流素
子部130の可動子、5は固定接点6を有する上記限流
素子部130の固定子、接触子対は上記可動子1と上記
固定子5により構成され、280は上記接触子対と電気
的直列に接続される励磁コイル、11は上記接触子対に
適切な接触圧力を発生させるバネである。図22は図2
1の右側面図である。
【0003】次に動作を説明する。通常通電時、回路遮
断器には遮断器部140、導体290、励磁コイル28
0、可動子1、固定子5、端子部15aの経路で電流が
流れる。限流素子部130が限流動作を行うべき大きさ
の電流が流れると、可動接点2と固定接点6との間の電
磁反発力により接点が開極しアークが発生する。このア
ークにより接点間の圧力が上昇するので、可動子1のピ
ストン135がバネ11の力に抗して押し動かされる。
さらに、可動子1の一部は磁性材料の支持体71により
構成されているので、コイルプランジャを構成する励磁
コイル280からも同時にその開極を支援する力を受け
る。この可動子1が開極方向に移動するときに、可動接
点背面側の気体が排気穴110より排気され、アークに
より上昇した圧力が付加的に排出される。そして、バネ
11の力に抗して開極を保持するのに十分な圧力を維持
できなくなるまで開極が保持される。
【0004】続いて、限流素子部130を通過する電流
が減少し、アークの圧力がある値以下に減少すると、バ
ネ11の力により可動子1は閉極動作を開始する。この
時、閉極過程を遅延させるために、排気穴110は閉極
方向に対して鋭角をなすように設けられており、排気の
流体抵抗を大きくしている。また、この排気穴110の
方向は、開極動作時の排気の流体抵抗が小さくなる傾斜
となる。上記のように構成した限流素子部130では、
主に接点2、6間に発生する電気抵抗と励磁コイル28
0のインダクタンスとにより、回路を流れる事故電流が
限流される。この接触子対はシリンダー状の狭い空間に
設けられているので、限流動作時に発生するアークの圧
力が上昇し、アークの抵抗率が高くなる。従って、限流
に必要な高いアーク電圧が得られる。上記のように限流
された電流は、最終的に限流素子部130と直列接続さ
れている遮断器部140により遮断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の回路遮断器の限
流素子部では、可動接点が常に狭い筒状の空間内にある
ため、アーク発生に伴い上記空間内に充満する電極金属
蒸気により電流遮断時の接点間の絶縁回復が十分得られ
ない。また、可動子のブレにより可動接点が筒状の壁面
に接触しやすく、壁面での絶縁破壊の可能性が高い。こ
のような理由により、上記限流素子部単独では電流の遮
断機能を有することが困難であり、別途電流を遮断する
機能を有する遮断部を設ける必要がある。そのため、回
路遮断器全体のサイズが大きくなり、構造が複雑にな
り、コストが高くなるという問題がある。
【0006】さらに、前述のように限流素子部と遮断部
を直列に接続すると、遮断器全体のインピーダンスが大
きくなる。特に、限流素子部には限流動作時の可動子の
開極を助けるために励磁コイルを設けており、インピー
ダンスが高い構成となっている。このような高インピー
ダンスの回路遮断器では、大きな通電ロスや通電による
異常温度上昇が発生しやすい。従って、大きな通電容量
を必要とする場合、この従来の回路遮断器を用いること
ができないという問題点があった。
【0007】さらに、従来の回路遮断器の限流素子部で
は、可動子の開極動作が直線的に行われるため、接点開
離距離の確保ために可動子が開閉動作する方向(接点の
開閉動作方向)のサイズが大きくなりやすい。図21に
示すように、上記方向のサイズは、端子部、固定子、可
動子、可動子が移動する空間、可とう導体を収納する空
間、および、筐体壁厚の合計となる。因って、可動子が
直動する方向のサイズに制限がある場合には、十分な開
離距離を確保できず、高圧力を効果的にアーク電圧上昇
に結び付けられないという問題がある。
【0008】さらに、上記のように高圧力を効果的にア
ーク電圧上昇に結び付けられないと、不必要な圧力上昇
が生じ、これを押さえ込むため、非常に大きな筐体強度
が必要となりコストが高くなるという問題が生じる。
【0009】さらに、従来の回路遮断器の限流素子部で
は、限流動作中、常に、アークスポットが両接点にある
ので、短絡遮断時の大電流アークによる接点の消耗が多
くなるという問題がある。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、一つの消弧装置にて優れた限流
機能を有し、定格通電電流等の小電流から短絡電流等の
大電流までの広い電流範囲での遮断動作可能回数を増や
し、低コスト、小形、且つ、比較的大きな通電容量を必
要とする回路へも適用できる回路遮断器を得ることを目
的としている。
【0011】さらに、この発明は、固定接点のアークに
よる消耗量を減らして、回路遮断器の繰り返し遮断動作
可能回数を増加させることを目的としている。
【0012】さらに、この発明は、短絡電流遮断時の限
流性能をより向上させ、且つ、短絡電流遮断時の固定接
点のアークによる消耗量を減らすことを目的としてい
る。
【0013】さらに、この発明は、短絡遮断時の可動子
に働く電磁開極力を強化して開極速度を向上させ、且
つ、固定子接点の消耗を低減することを目的としてい
る。
【0014】さらに、この発明は、固定接点の位置決め
を簡単に行うことを目的としている。
【0015】さらに、この発明は、比較的小電流、多回
数の遮断動作時の固定接点のアークによる消耗量を減ら
すことを目的としている。
【0016】さらに、この発明は、可動接点のアークに
よる消耗量を減らし、且つ、消弧板によるアーク冷却、
分断作用を有効に利用することを目的としている。
【0017】さらに、この発明は、アークを消弧する空
間のアークランナが伸びる方向の寸法が小さい場合にお
いても、短絡電流遮断時の固定接点のアークによる消耗
量を減らして繰り返し遮断動作が行える回路遮断器を得
ることを目的としている。
【0018】さらに、この発明は、電源電圧が比較的高
い回路においても、事故電流を確実に遮断できる信頼性
の高い回路遮断器を得ることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る回路遮断
器は、アーム水平部と可動接点とを有し可動子回転軸を
中心として回動する可動子、上記可動接点と接点対をな
す固定接点と閉成状態において上記可動子のアームの一
部とほぼ平行で且つ反対方向に電流が流れる電路とを有
すると共に一端が上記可動子回転軸から遠い側の端子部
に引き出される固定子、この固定子に電気的に接続され
上記固定接点近傍から反可動子回転軸方向へ延びるアー
クランナ、上記接点対に接触圧を発生させる付勢手段、
上記可動接点の反可動子回転軸側に配置された消弧板、
上記固定接点の上方を開放し周囲を筒状に取り囲む絶縁
物、および上記各構成部材を収納する絶縁物筐体を備
え、上記接点対の閉成状態において上記可動接点の接触
面が上記絶縁物が囲む筒状空間内に位置し、開成状態に
おいて上記可動子の上記可動接点を有する端部が上記絶
縁物が囲む筒状空間外に位置するように構成したもので
ある。
【0020】また、固定子は、導体をほぼU字形状に曲
げてその一端を反可動子回転軸側の端子部に接続すると
共に、そのU字形状の他端の内側に固定接点が設けられ
たものからなり、且つ、可動子のアーム水平部と反対方
向の電流が流れる、上記固定接点を設けた固定子電路の
一部を、閉成状態の可動子のアーム水平部に近接するよ
うに屈曲させ、また、上記固定接点に向かい合う固定子
電路には可動子の回転軌跡と交差する部位に可動子の開
閉を許すスリットを設けたものである。
【0021】また、固定接点の反アークランナ側に配置
された絶縁物部位を、他の2方に配置された絶縁物部位
よりアークに触れた時に蒸気を発生しやすい材質にした
ことものである。
【0022】また、固定接点の固定子回転軸側に配置さ
れた絶縁物部位を黒色にしたものである。
【0023】また、アークランナの上面(可動接点側か
ら見た面)での固定接点とアークランナ先端部との間
を、固定接点の幅より狭い露出部を残して絶縁物で覆っ
たものである。
【0024】また、絶縁物で形成された筒状空間内の反
可動子回転軸側のアークと直交する向きに金属板を挿入
したものである。
【0025】また、固定接点は、一端に固定接点を有
し、可動子のアーム水平部と反対方向に電流が流れる電
路と、この電路の他端に接続されこの電路の両側を通り
端子部に至る左右対称の電路と、この電路と端子部とを
接続し、可動子回転軌跡面を含む面にスリットを有する
2叉に分かれた垂直電路とからなり、上記固定接点を設
けた電路には可動子のアーム水平部側に突出する部位を
設けたものである。
【0026】また、固定接点が、可動子のアーム側に突
出した部位により位置決めされて伝路に固着されている
ものである。
【0027】また、アークランナーを、可動子のアーム
水平部と反対方向に電流が流れる電路の両側を通り端子
部に至る左右対称の電路にまたがって接続し、反可動子
回転軸側から固定接点を挟み込むように配置される磁性
体で構成したものである。
【0028】また、固定接点は、一端に固定接点を有
し、可動アーム水平部と反対方向に電流が流れる電路
と、この電路の他端に接続されこの電路の両側を通り端
子部に至る左右対称の電路と、この電路と端子部とを接
続し、可動子回転軌跡面を含む面にスリットを有する2
叉に分かれた垂直電路とからなり、上記固定接点を有す
る電路の接点が固着された部位を上記左右対称の電路よ
り下方(可動子のアーム水平部から遠い方向)に位置さ
せたものである。
【0029】また、可動子は、可動アーム水平部と、一
端が上記可動アーム水平部と接続され他端部に可動接点
が設けられた可動アーム垂直部とにてほぼL字状に形成
され、消弧板と対向する上記可動アーム垂直部に、可動
子の軌跡を含む面と直交する方向から見てほぼ扇形の突
出部を設けたものである。
【0030】また、アークランナを反可動子回転軸側へ
延長した線とほぼ直交するようセラミック板を配置し、
上記アークランナの先端部から見て上記セラミック板背
面に位置する部材にアークが触れないようにしたもので
ある。
【0031】また、固定接点を設けた固定子電路の両側
に、可動子の開閉軌跡を含む面に平行な一対の絶縁板を
配置し、上記絶縁板のアークランナ先端部側端部と上記
アークランナ先端部と対向する部材との間に空隙を設
け、且つ、上記空隙と連通する流路を固定接点からみて
上記絶縁板の背面に設けたものである。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1は、実施の形
態1に係る回路遮断器の開成状態の消弧ユニット25の
内部構造を示す部分断面斜視図であり、内部構成が分か
るように絶縁物8とロータ22の一部を切り取ってい
る。消弧ユニット25の構成部品は、図2に示すよう
に、端子部15a、15bを除き、消弧ユニット筐体本
体23と消弧ユニット筐体蓋24に収納されている。さ
らに、図3に示すように、複数の消弧ユニット25をク
ロスバー27により連結し、クロスバー27を介して接
点を開閉させる機構部28、異常電流を検出し機構部2
8を動作させるリレー部29、および、機構部28を手
動で動作させるハンドル32を付加し、これらをベース
30とカバー31にて収納すれば配線用遮断器となる。
【0033】図1において、1は、可動接点2とこの可
動接点2が固着されている可動アーム垂直部3とこの可
動アーム垂直部3とほぼ直交する可動アーム水平部4に
より構成されるほぼL字状の可動子である。この可動子
1は、固定接点6、第1導体部7a、第2導体部7bお
よび第3導体部7cとにより構成されるほぼU字状の固
定子5と1対の接触子対をなしており、可動子1はバネ
11により固定子5方向に付勢されている。また、可動
子1は、可動子回動軸13を中心に回動自在に支持され
ており、摺動接触子10を介して端子15bと電気的に
接続されている。
【0034】一方、固定子5は、第1導体部7aの一端
で端子部15aと接続されており、固定接点6を固着し
ている第3導体部7cの端部にアークランナ9が延設さ
れている。さらに、可動子1の開閉を妨げないように、
第1導体部7aおよび第2導体部7bにスリット21が
設けられている。また、固定子5は、固定接点6を除い
て、開成状態の可動接点2の接触面から見渡せる部位が
絶縁物8によって覆われている。
【0035】この絶縁物8は、主に第1導体部7aと第
2導体部7bの可動子側の面を覆う絶縁カバー部8a
と、固定接点6の左右両側面側と反端子15a側の3方
向を囲む第1の絶縁物部位8bと、アークランナ9の上
部空間を端子部15a側から囲み且つスリット21内面
を覆うほぼU字状の第2の絶縁物の部位8cとにより構
成されており、上記第1の絶縁物部位8bと上記第2の
絶縁物部位8cとによりほぼ筒状の空間が形成されてい
る。この筒状空間を開成状態の可動接点2より見渡す
と、固定接点2およびアークランナ9が露出して配置さ
れている。
【0036】また、閉成状態において、可動アーム水平
部4の電流と第3導体部7cの電流は、ほぼ平行且つ反
対方向になるように配置され、接点対2、6は上記第1
の絶縁物部位8bに囲まれた空間内に配置される。一
方、開成時には、可動接点2が上記筒状空間外に移動
し、可動子先端部が最上部の消弧板19aに近接する。
【0037】本実施の形態では、通常の開閉動作はハン
ドル32を手動にて操作することにより行う。ハンドル
32の操作により、機構部28とクロスバー27を介し
てロータ22が回動し、可動子1が開閉動作する。ま
た、過負荷電流遮断時には、リレー部29が異常電流を
検出し、リレー部29よりトリップ信号が機構部28へ
伝わり、機構部28が動作してロータ22が回動し、可
動子1が引き上げられ接点が開極する。
【0038】しかし、短絡事故等の大電流遮断時には、
ロータ22の回動に先立ち、接点接触部への電流集中に
よる電磁反発力F1と、可動アーム水平部4の電流と第
3導体部7cのほぼ平行且つ反対方向の電流による電磁
反発力F2と、第1導体部7aおよび第2導体部7bの
電流が可動子1に発生させる電磁力の可動子開極方向の
電磁力F3とにより、バネ11による接圧に抗して接点
が開極し、接点間にアークが発生する。
【0039】これら開極力F1、F2、F3について、
図4(a)、図4(b)、図4(c)、および図4
(d)にてさらに詳細に説明する。図4(b)に示すよ
うに、可動接点2と固定接点6との接触はこれら両接点
の接触面の一部にて行われる。そのため、上記両接点に
は、同図中、im、ifで示すように、接点接触面に電
流が集中することにより両接点間に近接したほぼ平行且
つ反対方向の電流成分が発生するので、可動接点2を有
する可動子1には開極方向の電磁力F1が働く。また、
同図中に示すように、遮断動作初期においては、第3導
体部7cを流れる電流Icと可動アーム水平部4を流れ
る電流Imとはほぼ平行且つ反対方向となり、可動アー
ム水平部4を有する可動子1には開極方向に電磁力F2
が働く。さらに、遮断動作初期には、可動アーム水平部
4の電流Imが第1導体部7aの電流Iaより固定接点
6側に位置して電流Imと電流Iaとがほぼ平行且つほ
ぼ同方向となり、可動アーム水平部4は第1導体部7a
に吸引される。
【0040】図4(c)は、図4(b)のC−C線に沿
う断面を示しており、第1導体部7aと可動アーム水平
部4との間に働く電磁吸引力Fa1、Fa2を矢印で示
している。第1導体部7aは可動子1が開閉動作時に通
過するスリットを有しているので、第1導体部7aの電
路は可動子開極軌跡を含む平面から左右にずれた位置に
あり、第1導体部の電流Ia1、Ia2と可動アーム水
平部4の電流Im間に各々働く吸引力Fa1、Fa2は
斜め上方となる。従って、上記吸引力Fa1、Fa2の
上向きの分力F31 、F32 の和F3’が可動子1に働
く開極力となる。
【0041】これ以外に、図4(b)に示した第2導体
部7bを流れる電流Icが固定接点6側空間につくる磁
場Bbが、可動アーム水平部4の第2導体部より固定接
点側の部位の電流に作用して、上記部位に開極方向の電
磁力F3”が生じる。図4(b)ではこのF3”と先述
のF3’の和をF3として示している。アークの発生に
ともない、上記接点接触面での電流集中による電磁反発
力F1は消滅するが、電磁反発力F2および電磁力F3
は引き続き可動子1を開極方向へと回動させる。
【0042】また、アーク発生にともない、アークの熱
により筒状空間を形成する絶縁物8内面から大量の蒸気
が発生し、絶縁物8と可動子1とにて囲まれた空間に高
圧雰囲気が発生する。上記空間での高圧の発生により、
可動子1は圧力差による開極力Fpを受ける。この状態
を示したのが図4(d)である。同図は、アーク発生直
後における図4(b)のC−C断面に相当する位置の固
定子5、可動子1、および絶縁物8の断面図であり、可
動子1と絶縁物8に囲まれる空間内でアークが発生して
いる。これにより、可動子1の固定接点6側空間の方が
開極方向側の空間より高圧となり、圧力差による開極力
Fpが可動子1に作用する。これらの電磁力F1、F
2、F3および圧力差による力Fpにより、可動子1が
高速に回動し、接点が高速開極する。この高速開極によ
りアーク長が高圧雰囲気中にて急激に伸びるのでアーク
電圧が急速に立ち上がり、事故電流がピーク値をむかえ
る。
【0043】ここで、回路遮断器内で限流遮断動作時に
発生する比較的短ギャップの大電流アークの高圧力下で
のアーク電圧上昇条件について述べる。図6に示す実験
装置において、400は電極、401は密閉容器、40
2は交流電源、403は投入スイッチ、404は加圧用
ボンベである。この実験装置にて、密閉容器401内
で、数cm以下の短ギャップ大電流アークの雰囲気圧P
を変化させてアーク電圧変化を測定した結果を図7のグ
ラフに示す。図6の実験装置では、丸棒状の電極400
を対向させてアークを発生させているので、電極間距離
はアーク長Lと等しくなる。
【0044】図7(a)より明らかなように、アーク電
流値が比較的小さい場合、アーク雰囲気圧Pが高くなる
とアーク電圧は殆どのアーク長Lにおいて高くなる。一
方、図7(b)に示すように、アーク電流値が比較的大
きい場合、アーク雰囲気圧Pが高くなってもアーク電圧
はアーク長Lが比較的長い場合を除いて殆ど変化しな
い。図7に示した雰囲気圧Pが高い場合のアーク電圧V
(p=高)と雰囲気圧Pが低い場合のアーク電圧V(p
=低)との比Rをとり、グラフ化すると図8に示すよう
になる。
【0045】図8より明らかなように、アーク電流値が
比較的小さい場合のアーク電圧上昇率Rは、アーク長が
長いほど高い。一方、アーク電流値が比較的大きい場合
のアーク電圧上昇率Rは、アーク長がある値以上になら
ないと殆ど増加しないことが分かる。以上より、短ギャ
ップ大電流アークにおいて、アーク雰囲気圧を上げるこ
とによりアーク電圧を効果的に上げるための条件とは、
(a)アーク電流が比較的小さい、(b)アーク長が長
い、という2つを同時に満足する必要がある。
【0046】短絡等の事故が発生した場合、事故発生直
後から回路電流は急激に増大する。従って、上記2つの
条件を満たして高い雰囲気圧にてアーク電圧を上げて事
故電流を限流するには、(1)少なくともアーク発生直
後(事故発止直後)に高圧雰囲気をつくる、(2)アー
ク電流が比較的小さい時(事故発生直後)にアーク長を
長くする、必要がある。事故電流が増大した後では、雰
囲気圧を上げてもあまり限流性能は向上しない。さら
に、事故電流が増大した後の高圧雰囲気は、限流性能向
上にあまり寄与しないだけでなく、筐体等の破損の原因
となる。
【0047】この発明では、先述のように、閉成状態の
接点対の周りに筒状空間を形成する絶縁物8を配置し、
事故発生直後に接点間に発生したアークの熱により絶縁
物8より大量の蒸気を発生させて高圧雰囲気を形成する
とともに、電磁力と圧力による高速開極にてアーク長を
急速に引き伸して、アーク電圧を高めている。
【0048】図9は、(a)高速開極手段を用いない場
合と、(b)高速開極手段を用いた場合の筒状の絶縁物
を用いた効果を示している。同図において、tsは事故
発生時刻、t0は接点開極時刻、V0は接点間の電極降
下電圧、破線は電源電圧波形である。図9(a)は、高
速開極手段を用いない場合であり、アーク電圧が電源電
圧に追い付いた時刻t1(筒状絶縁物有の時)、t2
(筒状絶縁物無しの時)に電流ピークIp1、Ip2を
それぞれむかえる。高速開極手段を用いないと、事故電
流の立上りに比べアーク長さの立上りが遅いので、筒状
の絶縁物にて高圧雰囲気を作り出しても、アーク長が短
く、アーク電圧が上昇する上記条件を満たすことが難し
い。
【0049】従って、図9(a)では、筒状絶縁物を用
いても、電流ピークIpの改善の度合いΔIp= Ip2
- Ip1は小さい。一方、図9(b)に示す高速開極手
段を用いた場合では、事故電流が大きくなる前にアーク
長が十分長くなるので、高圧雰囲気にてアーク電圧が上
昇する上記条件を満たすことができる。アーク電圧が電
源電圧に追い付いた時刻t1’(筒状絶縁物有の時)、
t2’(筒状絶縁物無しの時)の電流ピークIpをそれ
ぞれIp1’、Ip2’とすると、電流ピークIpの改
善の度合いΔIp’=Ip2’−Ip1’は、高速開極
手段を用いなかった場合の電流ピークIpの改善の度合
いΔIpより劇的に大きいことが分かる。
【0050】先述の電流ピーク後、可動子1はさらに回
動し接点間距離が増大する。この接点間距離の増大によ
り、アーク電圧がさら大きくなり事故電流は急速に零へ
と向かう。事故電流が小さく絞られると、アークは鉄製
の消弧板19、19aに引き込まれ、アークが分断、冷
却され消弧される。このとき可動接点2は上記筒状空間
外にあり、たとえ筒状空間を形成する絶縁物8の沿面で
の絶縁耐力が低下していたとしても、接点間の絶縁は十
分回復しているので、電極間に電源電圧が印加されても
電流が再び流れることはない。この時点までには、リレ
ー部29からの信号によって機構部28が動作してお
り、この可動接点2が上記筒状空間外の位置にて保持さ
れ、遮断動作が完了する。上記電流ピーク以降の長い接
点間距離による高いアーク電圧により遮断時間は大幅に
短くなる。従って、限流性能を示す指標の一つである通
過エネルギーI2 t(電流の二乗の時間積分)が小さく
なる。
【0051】ところで、アークを筒状空間内で発生させ
ることにより高圧力雰囲気を発生させる場合、上記筒状
空間を小さくするほど、アークと絶縁物壁の距離が小さ
くなり絶縁物蒸気発生量が増えるとともに、可動接点2
と絶縁物8との間隙が小さくなり上記蒸気が筒状空間か
ら逃げ難くなり、且つ、圧力をあげる空間の容積がより
小さくなるので、アーク雰囲気圧力の上昇の度合いがよ
り大きくなる。そのため、アーク電圧がより急激に立ち
上がり、限流性能が大幅に向上する。
【0052】このとき、上記筒状空間を取り囲む絶縁物
8の筒状部に作用する圧力差による力は、筒状空間内の
圧力と絶縁物8の筒状部の周りの圧力の差であり、絶縁
物8の筒状部が脹らむ方向である。この力はスリット2
1の両側の固定子を形成する導体や、消弧ユニット筐体
23、蓋24にて受けることができ、一般的に用いられ
ている樹脂(例えば、ナイロン樹脂等)にて絶縁物8を
形成したとしても、圧力により絶縁物8が破損すること
が問題となることは少ない。
【0053】一方、消弧ユニット筐体23、蓋24は絶
縁物8の筒状部と比べて内面積が大きく、筒状空間で発
生して筐体内空間に広がった圧力と大気圧との差が力と
して作用するので、絶縁物8に比べて非常に大きな力が
加わり、筐体破損が生じることがある。これを防ぐた
め、筐体には強化繊維にて強化された高価なモールド材
を用いたり、筐体を金属部品(例えば、ネジとナット、
リベット等)にて強化しているので、遮断器が高価とな
っている。
【0054】また、上記筒状空間をほぼ固定接点6と同
じ筒断面まで小さくしてしまうと、固定子側アークスポ
ットは遮断動作中常に固定接点6上にあるので、定格通
電電流等の比較的小電流の多回数通電開閉による接点消
耗が多くなり、さらに、短絡遮断時においても、固定接
点6上にあるアークスポットでの電流密度が上昇して接
点損耗が大きくなる。これらの固定接点消耗により、再
通電不能が生じることがある。
【0055】さらに、固定接点6上にアークスポットが
拘束されることにより、アークが消弧板19、19aに
触れ難い構成となるので、定格電流遮断、過負荷電流遮
断等の比較的電流値が小さい遮断電流領域(アーク径が
小さく絶縁物からの蒸気発生が少ないので、絶縁物蒸気
流による電流遮断作用を得られない領域)では、消弧板
19、19aによるアーク分断、冷却効果を利用でき
ず、上記電流領域での遮断性能を確保できないという問
題が発生することがある。
【0056】そこで、この発明では、筒状空間の大きさ
を固定接点6とアークランナ9の上部空間とを含む大き
さとし、固定子側アークスポットが固定接点6からアー
クランナ9へと移動するように構成している。このよう
に比較的大きな筒形状を用いても、絶縁物8をアークに
触れた時に大量の蒸気を発生する樹脂等の素材にて成形
すれば、アーク電圧を上昇させるのに充分な圧力上昇を
生じさせることができる。
【0057】図4(a)は、開極直後の可動子1および
固定子5近傍の状態を示した主要部の部分断面図であ
り、接点間に発生したアークAは、図中白抜きの矢印で
示した第2導体部7bと第3導体部7cを流れる電流に
より電磁駆動力を受ける。さらに、固定接点6近傍のア
ークは、第1の絶縁物部位8bにより、アークランナ9
側を除いて取り囲まれているので、アークの可動子回転
軸13側の圧力が、端子部15a側の圧力より大きくな
り、アークはアークランナ9側へと圧力差による駆動力
(図4(a)中、黒塗りの矢印にて示す)を受ける。こ
れらの駆動力の内、定格電流遮断時等の電流が小さい領
域においては電磁駆動力の方がより有効であり、過負荷
電流遮断、短絡電流遮断など遮断電流が大きくなるに従
って圧力差による力がより有効となる。この発明では、
電磁駆動力と圧力差による駆動力が同時にアークに働く
ので、電流領域に関わらず開極直後に固定子側アークス
ポットをアークランナ9へと移動させることができる。
【0058】アークランナ9に移動した固定子側アーク
スポットは、アークランナ9を流れる電流等によりアー
クランナ9先端部へと駆動される。短絡電流遮断時のア
ーク電流瞬時値が大きい間は、端子部15a側へと駆動
されたアークが、筒状空間の端子部15a側の壁8d面
から発生する蒸気流により可動子回転軸13側へと逆方
向の駆動力を受けるので、上記電磁駆動力と上記逆方向
の駆動力の関係で、固定子側アークスポットがアークラ
ンナ9先端部へ到達するとは限らない。しかし、可動子
1の開極動作が進み、事故電流が小さく絞られてくる
と、アークが発生する熱量が減少し、上記逆方向の圧力
差による駆動力が相対的に小さくなるので、固定子側ア
ークスポットはアークランナ9先端部へと達する。この
状態を示したのが、図5である。アークランナ9先端部
と可動子1間のアークAは、絶縁物8の上部に設けられ
た複数の消弧板19、19aにて分断、冷却されて消弧
される。
【0059】ところで、前述のように、ほぼL字状の可
動子1を用いた場合、可動接点2のアークスポットが可
動子1先端部の消弧板と対向する面へ移動し難い。その
ため、複数の消弧板の内、可動子側に位置する上部の消
弧板にアークが触れ難く、消弧板によるアーク分断、冷
却効果が充分発揮できない場合がある。そこで、本実施
の形態では、最上部の鉄製の消弧板19aの容積を他の
消弧板19より大きくし、且つ、馬蹄形の足の部分(中
央にスリットを有する部分)を可動接点2を挟み込む位
置まで延ばして、最大開極位置の可動接点2近傍アーク
への磁性体による電磁吸引力を強化し、可動子側アーク
スポットが確実に可動子1先端部へと移動するように構
成している。
【0060】また、本実施の形態では、筒状空間の端子
部15a側の壁高さを可動子回転軸13側の壁高さより
高くしている。遮断動作時に接点間に発生するアークに
は、主に第2導体部7b、第3導体部7c、および可動
アーム水平部4を流れる電流により、端子部15a側に
電磁駆動力が発生する。従って、筒状空間空間内にある
アークは端子部15a側の壁により強く触れる。また、
可動子1を高速開極するためには可動子1の慣性モーメ
ントを小さくした方が有利であるが、筒状空間の可動子
回転軸13側の壁高さにより決まる可動アーム垂直部3
が長くなると、可動子慣性モーメントは増加する。そこ
で、本実施の形態では、端子部15a側の壁高さを可動
子回転軸13側の壁高さより高くすることにより、可動
アーム垂直部3の長さを短くして慣性モーメントを低減
し、且つ、十分な絶縁物蒸気を発生させて十分な高圧雰
囲気を作る構成としている。
【0061】また、本実施の形態では、排気口26が接
点2、6間からみて消弧板19側のみに設けられてい
る。このような配置をとると、電流遮断動作時におい
て、アーク電流の増加にともない筐体内のアークよりロ
ータ22側の空間に圧力が蓄積される。アーク電流がピ
ークをむかえアーク電流値が減少していくと、上記蓄積
された圧力により電極間ではロータ22側から排気口2
6側へと気流が生じ、アークを消弧板19へと引き伸ば
す。さらに、電流零点近傍では、上記流れによる接点間
の荷電粒子を吹き飛ばす作用で、接点間の絶縁回復が大
幅に改善される。従って、高電圧の回路に用いても遮断
失敗が起こり難い、信頼性の高い回路遮断器を得ること
ができる。
【0062】この蓄積圧による気流の絶縁回復作用は、
電流遮断時の上記気流の流速が大きいほど大きい。流速
を大きくするには、蓄積圧を上げるか流路断面を小さく
すればよく、そのために排気口面積を小さくする必要が
ある。本実施の形態では、比較的面積の小さい排気口2
6を開成状態の可動接点2側に設けている。筒状の絶縁
物8を用いて限流性能を向上させる場合、固定接点側ア
ークスポット近傍のアークは筒状の絶縁物8にて動きが
制限されるので、上記ロータ側空間の蓄積圧による気流
にてアークを構成する金属粒子を吹き飛ばすことはでき
ない。一方、可動子側アークスポット近傍のアークは、
電流遮断時には筒状空間外に位置しており、上記気流の
作用を受けやすい。因って、比較的面積の小さい排気口
26を開成状態の可動接点2側に設けることにより、効
果的に電流遮断時の電極間の絶縁回復を確保できる。
【0063】また、前述のように本実施の形態では、消
弧装置を消弧ユニット筐体23、蓋24内に収納してい
るので、遮断動作時の遮断器内の圧力上昇をベース30
およびカバー31で直接受けることがなくなる。消弧ユ
ニット筐体23、蓋24の受圧面積は、ベース30およ
びカバー31の受圧面積より小さい。そのため、たとえ
ベース30およびカバー31と同一材料、同一肉厚の消
弧ユニット筐体23、蓋24を用いても、より大きな内
圧上昇に耐えることができ、アーク雰囲気圧を上げてア
ーク電圧を上昇させる限流手法を用いるのに適してい
る。また、従来、遮断動作時の内圧上昇に耐えるため、
機械的強度の大きな高価なモールド材にてベース30お
よびカバー31を構成していたが、消弧ユニット筐体2
3、蓋24を用いることにより、圧力を受ける筐体の材
料の量を減らすことができコスト低減が可能となる。
【0064】また、前述のように本実施の形態では、消
弧装置を構成する部品を消弧ユニット筐体本体23と消
弧ユニット筐体蓋24により収納し、全体で消弧ユニッ
ト25を構成している。また、機構部28、リレー部2
9等の各構成部品をユニット化しており、これらを組み
合わせて配線用遮断器を構成するので、組立が簡単とな
りコスト低減が可能となる。
【0065】また、本実施の形態では、図21に示した
従来例と異なり、可動子1の開極を助けるための励磁コ
イルを設ける必要がないので、低インピーダンスの限流
性能に優れた限流器が得られ、大きな通電容量が求めら
れる回路への適用が可能となる。
【0066】さらに、可動子1を回動させて開極するた
め、可動接点2が開閉する方向の必要寸法は、固定子5
の導体厚さ、固定接点6の厚さ、可動子1が移動する空
間、可動接点2の厚さ、および、可動アーム垂直部3の
和となり、従来の直動型限流器より上記方向の必要寸法
を小さくすることができる。従って、外形寸法に制限が
ある場合でも、高圧力を効果的にアーク電圧上昇に結び
付けるのに必要な開極距離を容易に確保できる。
【0067】なお、図1では、筒状空間を、固定子5の
可動接点2側の面を覆う絶縁物8の一部である第1の絶
縁物部位8bと第2の絶縁物部位8cとにて構成した
が、例えば、第2の絶縁物部位8cを絶縁物8の一部と
せず、固定子5近傍に配置される消弧ユニット筐体本体
23および消弧ユニット筐体24の部位にて構成しても
同様な効果が得られる。
【0068】実施の形態2.この発明の実施の形態2を
図10、図11に示す。図10は、本実施の形態の固定
子5を示す斜視図であり、実施の形態1の固定子の第2
導体部7bの一部を水平方向の電路7c’と上下方向の
電路7b’に置き換えている。図11は、閉成状態の可
動子1、図10に示した固定子5、絶縁物8を示した部
分断面図であり、図中、矢印にて電流方向を示してい
る。同図から明らかなように、図10の固定子形状を用
いることにより、可動アーム水平部4と固定子5の電路
7c’が大幅に近付き、事故電流の遮断時の電磁開極力
が実施の形態1より増大する。これにより、アーク電圧
の立ち上がりがより早くなり、限流性能が向上する。
【0069】実施の形態3.図12は、この発明の実施
の形態3に係る固定子5と絶縁物8を示す斜視図であ
り、固定接点6を3方向から取り囲む絶縁物8bの上記
固定接点6より反アークランナ9側に位置する部位8e
を、アークが発生する光を吸収しやすいように黒色とし
ている。アークから外部に放出されるエネルギーの一部
は放射によって放出されており、特に、短絡遮断時等に
発生する大電流短ギャップアークでは、その割合が大き
い。そこで、このように固定子接点6のアークランナ9
と反対側の絶縁物の部位8eを黒色とすると、絶縁物の
部位8eでのアークからの放射エネルギーの吸収が高ま
り、蒸気発生量が増大する。これにともない、固定接点
側のアークスポットのアークランナ9への移動およびア
ークランナ先端部への走行が早まる。
【0070】また、上記8eに相当する部位を、固定接
点近傍の絶縁物部位8eを除く絶縁物の部位よりアーク
に触れたときに蒸気を発生しやすい材料(例えば、比較
的分解温度の低い樹脂材)にて構成しても、アークラン
ナ側へ走行するアークの背面圧と前面圧の圧力差が生じ
るので、絶縁物の部位8eを黒色とした場合と同様に、
固定接点側のアークスポットのアークランナ9への移動
およびアークのアークランナ先端部への走行が早まる。
これにより、アーク発生時の固定接点損耗が低減され、
回路遮断器の繰り返し遮断動作可能回数を増加させるこ
とができる。
【0071】実施の形態4.図13(a)は、この発明
の実施の形態4に係る固定子5と絶縁物8を示す斜視図
であり、主要構成部が分かるよう一部を切り欠いてい
る。また、図13(b)は、図13(a)の固定接点6
を固着した第3導体部7cおよびアークランナ9近傍を
示す図である。図13では、第3導体部7cの固定接点
6を固着した面の固定接点以外の部位と、アークランナ
9の可動接点2(図示せず)と対向する面の固定接点6
側の一部とを絶縁物14にて覆っている。図13(b)
に示すように、アークランナ9の可動接点側面の露出部
は、固定接点6側の固定接点の左右方向の幅より狭い幅
の走行路と、アークランナ先端側の上記走行路より広い
幅のアーク保持部にてほぼT字状に形成されている。
【0072】定格電流遮断等の比較的電流の小さな遮断
動作時には、接点間に発生するアークスポット径は電流
ピーク時においても充分小さく、固定子5を流れる電流
による電磁駆動力にて容易に上記走行路を走行し、アー
クランナ9先端部へと移行する。一方、短絡電流遮断時
等の大電流遮断では、事故電流の立ち上がりにともなっ
てアークスポットが急激に大きくなるので、上記幅の狭
い走行路にてアークを可動子先端部へと移行させるため
には、事故電流が増大する前にアークを走行させる必要
がある。そこでこの実施の形態では、先述の第2導体部
7bと第3導体部7cを流れる電流による電磁力と筒状
の絶縁物の一部8bが発生させる圧力差による力にて、
開極直後の比較的電流の小さなアークを駆動し、アーク
ランナ9先端部側へと移行させる。その後の電流増加に
より、アークランナ9先端部に移行した固定子側アーク
スポットの径が増大し、アークスポットの一部は固定子
6側へと戻ろうとするが、上記幅の狭い走行路にてアー
クスポット径の増大が阻止され、アークはほぼ安定して
アークランナ9先端部に留まる。
【0073】このようにアークスポット径が制限される
ことにより、アーク抵抗が上昇し限流性能が向上する。
また、遮断動作中の比較的電流が大きな期間中も固定子
側アークスポットがアークランナ9先端部に安定して留
まるので、固定接点6のアークによる消耗が低減でき
る。さらに、先述の図5に示したようなアーク状態が、
遮断直前だけでなく遮断動作中の比較的電流が大きな期
間においても実現できるので、消弧板のアーク冷却作用
を最大限に利用できる。
【0074】実施の形態5.図14は、この発明の実施
の形態5に係る接触子対近傍の主要部を示す部分断面図
(a)およびこの実施の形態で使用される金属板を示す
斜視図(b)である。本実施の形態では、絶縁物8に囲
まれる筒状空間内の端子部15a側にアークと直交する
向きに金属板17を設けている。遮断動作では、慣性モ
ーメントの大きい可動子1の移動速度よりアークの移動
速度が速く、可動子1が最大開離距離に到達する時刻よ
り固定子側アークスポットがアークランナ9先端に移行
する時刻の方が早い。従って、固定子側アークスポット
がアークランナ9先端部へ移行しても、可動子1の開離
距離が増大するまでは、絶縁物8の上部に設けられた消
弧板19のアーク冷却、分断の効果は利用されない。そ
こで、本実施の形態では、筒状空間内に金属板17を設
けることにより、可動子1の開離距離の増大を待たず、
金属板17によりアークを冷却、分断し、筐体内圧の上
昇を低減している。
【0075】実施の形態6.図15は、この発明の実施
の形態6に係る固定子5と一対のコア34を示す斜視図
であり、固定子5の形状が分かるように手前側のコアを
省略している。また、図16は、図15の固定子5およ
び一対のコア34に絶縁物8を被せた図であり、絶縁物
8の一部を切り欠いている。この絶縁物8は筒状空間を
形成し、開成状態の可動接点2よりこの筒状空間内部を
見渡すと固定接点6およびアークランナ9が配置されて
いることは、実施の形態1と同様であるが、本実施の形
態では、コア34の絶縁も兼ねている。
【0076】固定子5の電路は、端子部15a、電路7
f、7e、7c”、7b”、固定接点6の順で構成され
ており、可動子1が回転する軌跡を含む面に対して面対
称である。この固定子5には、電路7e、7fの電流が
発生する可動子1の開極を妨げる磁場成分を少なくする
ため、スリット33が設けられており、電路7e、7f
は、可動子1が回転する軌跡を含む面から左右にずれた
位置に配置される。電路7c”と電路7b”には固定接
点6が固着され、端子部15a側へと延びる舌片の根元
部を打上げることにより成形されており、上記舌片は、
電路7c”、電路7b”、固定接点6固着部位およびア
ークランナ9とによって構成される。
【0077】また、固定接点6は、上記電路7b”と固
定接点固着部位との境界である屈曲部にて位置決めさ
れ、ロウ付けにて固着されている。電路7c”と電路7
b”で形成される打上げ部は、閉成状態で上記舌片と対
向してほぼ平行に配置される可動アーム水平部4との距
離が近づくように打上げられており、開極初期の可動ア
ーム水平部4に働く電磁反発力が強化される。また、固
定接点6近傍に位置する電路7b”には、接点開極方向
(上下方向)成分の電流が流れ、この電流の上下方向成
分は、接点間に発生したアークと逆方向となり、アーク
を端子部15a側へと押し出す。従って、接点間に発生
したアークは素早くアークランナ9へと移行するので、
接点消耗が改善される。
【0078】ところで、電路7eの上部に設けられた一
対のコア34は、鉄などの磁性体にて構成されており、
絶縁物8により接点間に発生するアークに直接触れない
よう配置されている。このコアは、電路7c”、7b”
の電流が作る可動子1を開極させる磁場成分を強化する
とともに、電路7eを流れる電流がつくる可動子1の開
極を妨げ且つアークを反端子部15a側へ押し戻す作用
をする磁束を遮蔽する役割をになっている。また、コア
34の端子部15a側端部が電路7fに近接するように
構成されており、上記端部に電路7fの電流がつくる可
動子1の開極を妨げ且つアークを反端子部15a側へ押
し戻す作用をする磁束が吸収される。なお、図15で
は、コア34をほぼL字状の2枚の磁性体板に構成した
が、2枚の磁性体板をL字の最も上部にて接続して一体
化したコアを用いてもよい。このようにコアを一体化す
ることより、磁性体コアによる可動子1の開極を促進す
る効果が向上する。
【0079】実施の形態7.図17は、この発明の実施
の形態7に係る固定子5と馬蹄形アークランナ18を示
す斜視図であり、図示していないが、筒状空間を形成す
る絶縁物8が、固定接点6近傍を除く固定子5の可動接
点側の面を覆うことは、実施の形態1と同様である。ま
た、固定子5の導体7f、7e、7c”、7b”および
固定接点6の配置は基本的に実施の形態6と同様であ
る。本実施の形態では、鉄製の馬蹄形アークランナ18
を端子部15a側から固定接点6を囲むように配置して
おり、馬蹄形アークランナ18は馬蹄形アークランナの
足18aにて導体7eと電気的に接続されている。
【0080】接点間に発生したアークが、固定接点6近
傍に位置する電路7b”の接点開極方向(上下方向)成
分の電流により、端子部15a側へと押し出されること
は実施の形態6と同様であるが、本実施の形態では、そ
れに加え馬蹄形アークランナ18による磁気吸引力が働
く。この磁性体によるアークを端子部15a側へと吸引
する作用は、磁性体の磁気飽和が発生しない比較的小電
流領域でより有効である。また、上記馬蹄形アークラン
ナ18は、電路7e、7fの電流によるアークを接点側
へおしもどす磁場成分を遮蔽する効果があるので、アー
クのアークランナ18への移行が早くなる。因って、定
格電流の多頻度開閉時の接点消耗を低減させることでき
る。また、アークが消弧板19に触れる時刻を早めるこ
とができ、消弧板のアーク冷却、分断作用を有効に利用
できる。
【0081】実施の形態8.この発明の実施の形態8を
図について説明する。図18は、本実施の形態に係る固
定子5と一対のコア34と鉄製の遮蔽板35を示す斜視
図であり。固定子5の形状が分かるように、固定接点6
の左右に設けられている電路7eの一方と遮蔽板35の
一部を切り欠いている。その他の部品については、図示
していないが、基本的に実施の形態6と同様の構成であ
る。図18の固定子形状は、図15に示したものと比較
して、電路7eの配置が異なり、電路7eが電路7cよ
り上方に設けられている。電路7eの中心線は固定接点
6接触面より上方に位置する。
【0082】このような構成とすると、電路7c’が閉
成状態の可動アーム水平部4と近付き電磁開極力が強化
されること、および電路7b”の電流の上下方向成分に
よりアークがアークランナ9側へと駆動され、消弧板1
9によるアーク冷却、分断作用が向上することは実施の
形態6と同様であるが、電路7eが固定接点接触面より
上方に位置することから、電路7eの電流による電磁駆
動力により固定接点側のアークスポットがアークランナ
9側へより移動しやすくなる。また、電路7eを上方へ
配置することにより、可動子1の開極を妨げ且つアーク
を可動子回転中心側へと押し戻す作用をする電路7fが
必然的に短くなるので、アークランナ9へ移行したアー
クが固定接点6側へと戻ることを防止できる。
【0083】ところで、図18には、一部断面をとった
遮蔽板35と電路7eの上部に設けられた一対のコア3
4の一方を示している。遮蔽板35およびコア34は鉄
などの磁性体にて構成されており、絶縁物8により接点
間に発生するアークに直接触れないよう配置されてい
る。遮蔽板35は、主に、電路7fを流れる電流が発生
する磁束(可動子1の開極を妨げ、且つ、アークを可動
子回転中心側へと押し戻す作用をする)を遮蔽する役割
をはたしている。一方、コア34は、電路7c’、7
b”、7cの電流が作る可動子1を開極させる磁場成分
を強化するとともに、電路7eを流れる電流がつくる可
動子1の開極を妨げる磁束を遮蔽する役割をになってい
る。
【0084】実施の形態9.この発明の実施の形態9を
図について説明する。図19は、本実施の形態に係る可
動子1の先端部36を示す図であり、図19(a)が可
動子先端部36を上方(可動接点2が固定接点6から開
極する方向)から見た図、図19(b)が可動子先端部
36を左右方向(可動子1が回動する軌跡を含む面に直
交する方向)から見た図である。本実施の形態では、可
動子1の可動接点2より先端部寄りの部位を扇形とし、
先端部端面に近づくほど左右方向の幅が狭くなるよう構
成されている。
【0085】先述のように、この発明ではほぼL字状の
可動子1を用いるため、可動子側アークスポットが可動
接点2から可動子先端部の消弧板19と対向する面へと
移行し難く、複数の消弧板の内、上部に配置された消弧
板はアークに触れず、アーク冷却、分断に寄与しない。
そこで本実施の形態では、可動接点2から可動子先端部
へのアークスポットの移行を促進するため、可動子先端
部の消弧板19と対向する面を可動接点2接触面から垂
直に切り上げるのではなく、可動接点2と近接する部分
では上記接触面とほぼ平行とし、可動子先端になるに従
い徐々に可動接点接触面と直交するよう、可動子先端部
形状をほぼ扇形としている。
【0086】さらに、図19(a)に示すように、可動
子先端部36を尖鋭化することにより、先端部の電界強
度を上げ、アークの接点から先端部への移行を促進して
いる。このような可動子先端形状を用いることにより、
ほぼL字状の可動子1においても、アークスポットを確
実に可動子先端部36へ移行できるので、可動接点2の
消耗を減らし、且つ、消弧板19によりアーク冷却、分
断作用を有効に利用できる。
【0087】実施の形態10.この発明の実施の形態1
0を図について説明する。図20は、本実施の形態の消
弧ユニット内の主要部を示す部分断面図であり、図20
(a)は図20(b)のC1−C1線に沿う断面図、図
20(b)は図20(a)のC2−C2線に沿う断面図
である。本実施の形態の固定子5およびコア34の形状
は、実施の形態6で示したものと基本的に同じあり、接
点間に発生したアークが、固定子5を流れる電流による
電磁力と絶縁物の一部8bによる圧力効果にて、アーク
ランナ9先端部へと駆動されることは同様である。
【0088】しかし、実施の形態6では、アークランナ
9先端部へ駆動されたアークが、電路7fを覆う絶縁物
の部位8dが発生する蒸気により接点間側へと押し戻さ
れる作用を受ける。そこで、本実施の形態では、上記絶
縁物の部位8dをセラミック化して蒸気発生量を減らす
ことにより、アークを接点間に押し戻す力を低減してい
る。このようにアークを接点間に押し戻す力が小さい
と、回路遮断器を小形化するために消弧空間のアークラ
ンナ9が伸びる方向の寸法を短くした場合においても、
短絡遮断時に固定接点6へアークスポットが広がること
がなく、アークによる固定接点6の消耗量が減り、回路
遮断器の繰り返し遮断動作可能な回数が増える。
【0089】また、本実施の形態では、一対のコア34
と絶縁物の部位8dとの間、および、一対のコア34と
消弧ユニット筐体本体23および消弧ユニット筐体蓋2
4との間にそれぞれ間隙を設けて流路39を構成してい
る。この流路39には、アークランナ9先端側へのアー
クの移動にともない、図20(a)に白抜き矢印で示し
た流れが生じ、走行するアークの前面側の圧力上昇が低
減され、アーク走行速度が速まる効果がある。また、絶
縁物8に囲まれた空間に充満する金属蒸気等を上記空間
外へと排気できるので、接点間の絶縁回復が促進され
る。従って、電源電圧が比較的高い回路においても事故
電流を確実に遮断でき、信頼性の高い回路遮断器を得る
ことができる。
【0090】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、1つ
の消弧装置にて優れた限流機能を有し、定格通電電流等
の小電流から短絡電流等の大電流までの広い電流範囲で
の遮断動作可能回数を増やし、低コスト、小形、且つ、
比較的大きな通電容量を必要とする回路へも適用できる
回路遮断器が得られる効果がある。
【0091】また、固定接点の反アークランナ側に配置
された絶縁物を、他の2方に配置された絶縁物よりアー
クに触れた時に蒸気を発生しやすいようにしたので、固
定接点のアークによる消耗量を減らして、回路遮断器の
繰り返し遮断動作可能回数を増やす効果がある。
【0092】また、アークランナの可動接点側の面の一
部を、上記面でのアークランナ露出部がほぼT字状とな
るように絶縁物で覆い、上記露出部の内、固定接点に近
接する部位の可動子の軌跡を含む面に直交する方向の幅
が上記固定接点の幅より狭く、上記固定接点に近接する
部位の上記方向の幅よりアークランナ先端部での露出部
の上記方向の幅を広くしたので、短絡電流遮断時の限流
性能をより向上させ、且つ、短絡電流遮断時の固定接点
のアークによる消耗量を減らす効果がある。
【0093】また、短絡遮断時の可動子に働く電磁開極
力を強化して開極速度を向上し、且つ、固定子接点の消
耗を低減できる効果がある。
【0094】また、固定接点が可動アーム側に突出した
部位のアークランナ側屈曲部にて位置決めされるので、
新たな固定接点位置決めための加工の必要なく、固定接
点が容易に位置決めできる効果がある。
【0095】また、比較的小電流、多回数の遮断動作時
の固定接点のアークによる消耗量を低減できる効果があ
る。
【0096】また、消弧板と対向する上記可動アームの
先端部を可動子の軌跡を含む面と直交する方向から見て
ほぼ扇形としたので、可動接点の消耗量を減らし、且
つ、消弧板によるアーク冷却、分断作用を有効に利用で
きる効果がある。
【0097】また、アークを消弧する空間のアークラン
ナが伸びる方向の寸法が小さい場合においても、短絡電
流遮断時の固定接点のアークによる消耗量を減らして繰
り返し遮断動作が行える回路遮断器が得られる効果があ
る。
【0098】また、固定接点が固着した接点板の左右
に、可動子の開閉軌跡を含む面に平行な一対の絶縁板を
配置し、上記絶縁板のアークランナ先端部側端部と上記
アークランナ先端部と対向する部材との間に空隙を設
け、且つ、上記空隙と連通する流路を固定接点からみて
上記絶縁板の背面に設けたので、電源電圧が比較的高い
回路においても、事故電流を確実に遮断できる信頼性の
高い回路遮断器が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る開成状態の消
弧ユニット内部構造を示す部分断面斜視図である。
【図2】 実施の形態1の開成状態の消弧ユニット内部
構造を示す斜視図である。
【図3】 実施の形態1の回路遮断器の構成を示す斜視
図である。
【図4】 実施の形態1の動作を説明する主要部の部分
断面図(a)、およびその動作を説明するための要部断
面図(b)(c)(d)である。
【図5】 実施の形態1の動作を説明する主要部の部分
断面図である。
【図6】 アーク電圧の基礎的特性測定した実験装置を
示す構成図である。
【図7】 雰囲気圧力のアーク電圧への影響を示したグ
ラフである。
【図8】 電流値のアーク電圧上昇率への影響を示した
グラフである。
【図9】 実施の形態1の効果を説明するグラフであ
る。
【図10】 この発明の実施の形態2に係る固定子形状
を示す斜視図である。
【図11】 実施の形態2の動作を説明する主要部の部
分断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態3に係る固定子と絶
縁物の形状を示す斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態4に係る固定子の主
要部を示す部分断面斜視図(a)、および実施の形態4
の固定接点板近傍を示す部分断面図(b)である。
【図14】 この発明の実施の形態5に係る可動子およ
び固定子の主要部を示す部分断面図(a)、および金属
板の斜視図(b)である。
【図15】 この発明の実施の形態6に係る固定子側電
路とコアを示す斜視図である。
【図16】 実施の形態6の固定子側電路と絶縁物を示
す部分断面斜視図である。
【図17】 この発明の実施の形態7に係る固定子とア
ークランナを示す斜視図である。
【図18】 この発明の実施の形態8に係る固定子近傍
の主要部の構成を示す部分断面斜視図である。
【図19】 この発明の実施の形態9に係る可動子先端
部を示す上面図(a)、および実施の形態9の可動子先
端部を示す正面図(b)である。
【図20】 この発明の実施の形態10に係る回路遮断
器の主要部を示す図20(b)のC1−C1線に沿う断
面図(a)、および図20(a)のC2−C2線に沿う
断面図(b)である。
【図21】 従来の限流機能付き遮断器を示す部分断面
正面図である。
【図22】 図21の右側面図である。
【符号の説明】
A アーク、 1 可動子、2 可
動接点、 3 可動アーム垂直部、4
可動アーム水平部、 5 固定子、6 固定
接点、 7a 第1導体部、7b 第2
導体部、 7c 第3導体部、7b’、7
b”、7c’、7c”、7e、7f 電路、8 絶縁
物、 8a 絶縁カバー部、8b 第
1の絶縁物部位、 8c 第2の絶縁物部位、8
d 第2の絶縁物部位の一部、 8e 第1の絶縁物部
位の一部、9 アークランナ、 10 摺動
接触子、11 バネ、 12 バネ
掛け、13 可動子回転軸、 14 絶縁
物、15a、15b、16 端子部、 17 金属板、
18 馬蹄形アークランナ、 18a 馬蹄形アーク
ランナの一部、19、19a 消弧板、 20
消弧側板、21 スリット、 22
ロータ、23 消弧ユニット筐体本体、 24 消弧
ユニット筐体蓋、25 消弧ユニット、 2
6 排気口、27 クロスバー、 28
機構部、29 リレー部、 30 ベー
ス、31 カバー、 32 ハンド
ル、33 スリット、 34 コア、3
5 遮蔽板、 36 可動子先端部、
37 セラミック、 38 絶縁物、39
流路、 400 電極、401 密
閉容器、 402 交流電源、403 投
入スイッチ、 404 加圧ボンベ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏見 征浩 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 幸本 茂樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5G027 AA02 BB09 BC01 BC03 BC07 BC14 5G030 AA04 AA08 DA01 DB02 DC09 DE02 DE04 FB13 XX00 XX08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーム水平部と可動接点とを有し可動子
    回転軸を中心として回動する可動子、上記可動接点と接
    点対をなす固定接点と閉成状態において上記可動子のア
    ームの一部とほぼ平行で且つ反対方向に電流が流れる電
    路とを有すると共に一端が上記可動子回転軸から遠い側
    の端子部に引き出される固定子、この固定子に電気的に
    接続され上記固定接点近傍から反可動子回転軸方向へ延
    びるアークランナ、上記接点対に接触圧を発生させる付
    勢手段、上記可動接点の反可動子回転軸側に配置された
    消弧板、上記固定接点の上方を開放し周囲を筒状に取り
    囲む絶縁物、および上記各構成部材を収納する絶縁物筐
    体を備え、上記接点対の閉成状態において上記可動接点
    の接触面が上記絶縁物が囲む筒状空間内に位置し、開成
    状態において上記可動子の上記可動接点を有する端部が
    上記絶縁物が囲む筒状空間外に位置するように構成した
    ことを特徴とする回路遮断器。
  2. 【請求項2】 固定子は、導体をほぼU字形状に曲げて
    その一端を反可動子回転軸側の端子部に接続すると共
    に、そのU字形状の他端の内側に固定接点が設けられた
    ものからなり、且つ、可動子のアーム水平部と反対方向
    の電流が流れる、上記固定接点を設けた固定子電路の一
    部を、閉成状態の可動子のアーム水平部に近接するよう
    に屈曲させ、また、上記固定接点に向かい合う固定子電
    路には可動子の回転軌跡と交差する部位に可動子の開閉
    を許すスリットを設けたことを特徴とする請求項1記載
    の回路遮断器。
  3. 【請求項3】 固定接点の反アークランナ側に配置され
    た絶縁物部位を、他の3方に配置された絶縁物部位より
    アークに触れた時に蒸気を発生しやすい材質にしたこと
    特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  4. 【請求項4】 固定接点の可動子回転軸側に配置された
    絶縁物部位を黒色にしたこと特徴とする請求項1記載の
    回路遮断器。
  5. 【請求項5】 アークランナの上面(可動接点側から見
    た面)での固定接点とアークランナ先端部との間を、固
    定接点の幅より狭い露出部を残して絶縁物で覆ったこと
    を特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  6. 【請求項6】 絶縁物で形成された筒状空間内に反可動
    子回転軸側のアークと直交する向きに金属板を挿入した
    ことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  7. 【請求項7】 固定子は、一端に固定接点を有し、可動
    子のアーム水平部と反対方向に電流が流れる電路と、こ
    の電路の他端に接続されこの電路の両側を通り端子部に
    至る左右対称の電路と、この電路と端子部とを接続し、
    可動子回転軌跡面を含む面にスリットを有する2叉に分
    かれた垂直電路とからなり、上記固定接点を設けた電路
    には可動子のアーム水平部側に突出する部位を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  8. 【請求項8】 固定接点が、可動子のアーム側に突出し
    た部位により位置決めされて電路に固着されていること
    を特徴とする請求項7記載の回路遮断器。
  9. 【請求項9】 アークランナーは、固定子の左右対称の
    電路にまたがって接続され、反可動子回転軸側から固定
    接点を挟み込むように配置される磁性体からなることを
    特徴とする請求項7記載の回路遮断器。
  10. 【請求項10】 固定子は、一端に固定接点を有し、可
    動アーム水平部と反対方向に電流が流れる電路と、この
    電路の他端に接続されこの電路の両側を通り端子部に至
    る左右対称の電路と、この電路と端子部とを接続し、可
    動子回転軌跡面を含む面にスリットを有する2叉に分か
    れた垂直電路とからなり、上記固定接点を有する電路の
    接点が固着された部位を上記左右対称の電路より下方
    (可動子のアーム水平部から遠い方向)に位置させたこ
    とを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  11. 【請求項11】 可動子は、可動アーム水平部と、一端
    が上記可動アーム水平部と接続され他端部に可動接点が
    設けられた可動アーム垂直部とにてほぼL字状に形成さ
    れ、消弧板と対向する上記可動アーム垂直部に、可動子
    の軌跡を含む面と直交する方向から見てほぼ扇形の突出
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断
    器。
  12. 【請求項12】 アークランナを反可動子回転軸側へ延
    長した線とほぼ直交するようセラミック板を配置し、上
    記アークランナの先端部から見て上記セラミック板背面
    に位置する部材にアークが触れないようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  13. 【請求項13】 固定接点を設けた固定子電路の両側
    に、可動子の開閉軌跡を含む面に平行な一対の絶縁板を
    配置し、上記絶縁板のアークランナ先端部側端部と上記
    アークランナ先端部と対向する部材との間に空隙を設
    け、且つ、上記空隙と連通する流路を固定接点からみて
    上記絶縁板の背面に設けたことを特徴とする請求項1記
    載の回路遮断器。
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