JP2001159570A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JP2001159570A
JP2001159570A JP34211199A JP34211199A JP2001159570A JP 2001159570 A JP2001159570 A JP 2001159570A JP 34211199 A JP34211199 A JP 34211199A JP 34211199 A JP34211199 A JP 34211199A JP 2001159570 A JP2001159570 A JP 2001159570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクセンサのブリッジ回路を構成する抵抗
体の抵抗値の異常な変化を検出し、信頼性の高いトルク
センサを提供する。 【解決手段】 トルクを検出するブリッジ回路は、検出
コイル13と抵抗R11及びR12が直列接続された第1ア
ームと、検出コイル14と抵抗R21及びR22が直列接続
された第2アームとから構成される。検出コイル13の
接合点P3 の電圧V3 と検出コイル14の接合点P4 の
電圧V4 の差分電圧信号Vdef-1 (=V3−V4 )と、
抵抗R11とR12の接合点P1 の電圧V1 と抵抗R21とR
22の接合点P2 の電圧V2 の差分電圧信号Vdef-2 (=
V1 −V2 )とを比較し、両差分電圧信号の差が零であ
れば、ブリッジ回路を構成する回路要素が正常、差が零
でなければ故障と判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転軸に発生す
るトルクを検出するトルクセンサに関し、特に、発生す
るトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化
する一対の検出コイルと一対の抵抗体からなるブリッジ
回路を備えたトルクセンサにおいて、検出コイルに直列
に接続された抵抗体に障害が発生して抵抗値が変化した
ような場合に、トルクの誤検出を防止できるトルクセン
サの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】非接触型のトルクセンサとしては、トル
クに比例したトーションバーの捩れを検出コイルのイン
ダクタンスの変化に変換し、このインダクタンスの変化
を一対の検出コイルと抵抗体で構成するブリッジ回路で
検出するものがある。
【0003】即ち、一対の検出コイルと抵抗体で構成す
る第1及び第2のアームを備えたブリッジ回路に交流電
圧を供給し、そのときの第1のアームの検出コイルと抵
抗体の接続部に表れる出力電圧と、第2のアームの検出
コイルと抵抗体の接続部に表れる出力電圧との差分の電
圧を差動増幅器で検出し、トルク信号を得るように構成
されている。
【0004】図6は、上記したトルクセンサのトルク検
出回路の一例を示すブロック図である。トルク検出回路
100はコネクタ109を介して図示しない制御装置に
接続され、制御装置からは各回路要素に電源電圧V及び
基準電圧Vref がノイズフイルタ108を経て供給さ
れ、検出されたメイントルク信号及びサブトルク信号が
図示されていない制御装置に出力される。
【0005】トルクを検出するブリッジ回路は、検出コ
イル111と抵抗R101 とが直列に接続された第1のア
ームと、検出コイル112と抵抗R102 とが直列に接続
された第2のアームとから構成される。
【0006】発振部121は電源電圧V及び基準電圧V
ref の供給を受けて所定周波数の交流電圧を出力する。
出力された交流電圧は電流増幅部122で増幅され、増
幅された交流電圧Vosc が、検出コイル111と抵抗R
101 とで構成されたブリッジ回路の第1のアーム、及び
検出コイル112と抵抗R102 とで構成されたブリッジ
回路の第2のアームに供給される。なお、トルクが作用
しない状態では検出コイル111及び112の両端に表
れる電圧が等しくなるように予め抵抗R101 及びR102
の値を調整しておくものとする。
【0007】検出コイル111及び検出コイル112の
両端に表れる電圧信号は、メイン増幅・全波整流部12
3において両検出コイルの差分の信号に変換されて増幅
されると共に整流され、更にメイン平滑・中立調整部1
26で出力波形が調整された後、ノイズフイルタ108
を経てメイントルク信号として出力される。
【0008】さらに、検出コイル111及び検出コイル
112の両端に表れる電圧信号は、サブ増幅・全波整流
部124において両検出コイルの差分の信号に変換され
て増幅されると共に整流され、更にサブ平滑・中立調整
部127で出力波形が調整された後、ノイズフイルタ1
08を経てサブトルク信号として出力される。
【0009】なお、検出トルクに基いて装置を制御する
制御装置、例えば電動パワーステアリング装置の制御装
置に入力される検出トルク信号は、メイン増幅・全波整
流部から出力される両検出コイルの差分の信号であるメ
イントルク信号である。
【0010】トルク検出回路100をメイン増幅・全波
整流部123とメイン平滑・中立調整部126、及びサ
ブ増幅・全波整流部124とサブ平滑・中立調整部12
7との2組設け、2組の検出トルク信号(メイントルク
信号及びサブトルク信号)を出力するように構成されて
いるのは、図示しない制御回路においてこれ等の2組の
信号電圧が正常な使用範囲にあるか否かに基いて、回路
要素の故障等を検出するためである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記したトルク検出回
路では、ブリッジ回路を構成する抵抗R101 又はR102
の抵抗値は本来変化しないものとして扱われてきたが、
実際にはプリント配線基板と抵抗体との間に接触不良が
発生したり、抵抗体自体の破損や経年変化などの原因に
より、抵抗値が変化することがある。
【0012】このような抵抗体の抵抗値の変化は、あた
かも検出コイルのインピーダンスが変化したように検出
回路で検出される。
【0013】前記したトルク検出回路で説明すれば、ブ
リッジ回路を構成する抵抗R101 又は抵抗R102 の抵抗
値が変化すると、検出コイル111又は検出コイル11
2のインピーダンスが変化していない状態(トルクが発
生していない状態)においても、抵抗値の変化によりブ
リッジ回路の第1アームに流れる電流の大きさと、第2
アームに流れる電流の大きさとの間に差が生じるから、
検出コイル111の両端の電圧と検出コイル112の両
端の電圧との間に電圧差が生じる。
【0014】このため、トルクが発生しておらず、検出
コイル111又は検出コイル112のインピーダンスは
変化していないにも拘らず、あたかもトルクが発生した
ように、検出コイル111又は112のインピーダンス
の変化として検出され、メイン増幅・全波整流部及びサ
ブ増幅・全波整流部から両検出コイルの差分の信号が検
出トルク信号として出力されてしまうことになる。
【0015】一方、前記した構成のトルク検出回路で
は、ブリッジ回路の検出コイル111及び検出コイル1
12の両端に表れる電圧信号が、それぞれ検出回路であ
るメイン増幅・全波整流部123及びサブ増幅・全波整
流部124に入力されるから、ブリッジ回路を構成する
抵抗R101 又はR102 に障害が発生して抵抗値に変化が
生じた場合でも、メイン増幅・全波整流部123の出力
電圧とサブ増幅・全波整流部124の出力電圧には差が
なく、抵抗値の変化に対応する電圧信号は出力されない
から、上記構成のトルク検出回路では抵抗体自体の抵抗
値が変化するなどの破損が生じても、その故障を検出す
ることはできず、誤つたトルク信号が出力されてしま
う。
【0016】この発明は、トルク検出回路を構成するブ
リッジ回路の回路要素に障害が発生した場合に、この障
害の発生を検知することができる信頼性の高いトルクセ
ンサを提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するもので、請求項1の発明は、回転軸に生じたトル
クに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一
対の検出コイルと、各検出コイルに直列に接続された一
対の抵抗体とから構成されるブリッジ回路に交流電圧を
印加し、前記一対の検出コイルの端子部に表れる交流電
圧の差分の電圧に基いてトルクを検出するトルクセンサ
において、前記一対の抵抗体はそれぞれ直列に接続され
た2つの抵抗要素から構成されることを特徴とする。
【0018】具体的には、前記トルクセンサは、前記一
対の検出コイルの端子部に表れる交流電圧を入力し、そ
の差分の電圧を出力する第1の増幅器と、前記一対の直
列に接続された2つの抵抗要素の中間点に表れる交流電
圧を入力し、その差分の電圧を出力する第2の増幅器と
から構成される。
【0019】そして、前記トルクセンサによれば、前記
一対の直列に接続された2つの抵抗要素の中間点に表れ
る交流電圧の差分の電圧を、前記一対の検出コイルの端
子部に表れる交流電圧の差分の電圧と比較することによ
り前記ブリッジ回路の回路要素の異常を検出することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。以下に説明する実施の形態は、
この発明の実施の形態のトルクセンサを車両用の電動パ
ワーステアリング装置に適用した例である。
【0021】図1は、トルク検出部を含む電動パワース
テアリング装置の主要部の構成を示す断面図、図2はそ
のトルク検出部の構成を示す斜視図である。
【0022】図1及び図2において、5a及び5bはハ
ウジングであり、入力軸側5aと出力軸側5bとの2分
割構造となつている。ハウジング5a及び5bの内部に
は、入力軸1、その内部に配置されたトーシヨンバー
3、及びトーシヨンバー3を介して入力軸1に連結され
た出力軸2が、軸受6a、6b及び6cによつて回転自
在に支持されている。
【0023】入力軸1、トーシヨンバー3、及び出力軸
2は同軸に配置されており、入力軸1とトーシヨンバー
3とはスプライン結合し、また、トーシヨンバー3と出
力軸2もスプライン結合している。図1において、入力
軸1の左端側には、図示されていないステアリングホイ
ールが一体的に取り付けられている。また、出力軸2に
はピニオン軸2aが一体的に形成されており、ピニオン
軸2aはラック4と噛合して公知のラックアンドピニオ
ン式ステアリング機構を構成している。
【0024】また、出力軸2には、これと同軸で且つ一
体に回転するウオームホイール7が固着されており、図
示されていない電動モータで駆動されるウオーム8と噛
合している。ウオームホイール7は金属製のハブ7aに
合成樹脂製の歯部7bが一体的に固定されている。電動
モータの回転力は、ウオーム8及びウオームホイール7
を介して出力軸2に伝達され、電動モータの回転方向を
適宜切り換えることにより、出力軸2に任意の方向の操
舵補助トルクが付与される。
【0025】次に、図1及び図2を参照してトルクセン
サのトルク検出部の構成を説明する。トルク検出部は入
力軸1の、図1で右端側に形成されたセンサシャフト部
11と、ハウジング5aの内側に配置された検出コイル
13と14、及び両者の間に配置された円筒部材12か
ら構成される。
【0026】図2はトルク検出部の構成を示す斜視図で
ある。入力軸1の、図1で右端に近い外側には磁性材料
で構成されたセンサシャフト部11が形成されており、
センサシャフト部11の表面には、軸方向に延びた複数
(図示の例では9個)の凸条11aが円周方向に沿つて
等間隔に形成されており、凸条11aの間には凸条11
aの幅t1 よりも幅広の溝部11bが形成されている。
【0027】また、センサシャフト部11の外側には、
センサシャフト部11に接近して導電性で且つ非磁性の
材料、例えばアルミニウムで構成された円筒部材12が
センサシャフト部11と同軸に配置されており、円筒部
材12の延長部12eは出力軸2の端部2eの外側に固
定されている。
【0028】円筒部材12には、前記したセンサシャフ
ト部11の表面の凸条11aに対向する位置に、円周方
向に等間隔に配置された複数個(図2では9個)の長方
形の窓12aからなる第1の窓列と、前記第1の窓列か
ら軸方向にずれた位置に、前記窓12aと同一形状で、
円周方向の位相が異なる複数個(図2では9個)の長方
形の窓12bからなる第2の窓列とが設けられている。
【0029】円筒部材12の外周は、同一規格の検出コ
イル13及び14が捲回されたヨーク15で包囲されて
いる。即ち、検出コイル13及び14は円筒部材12と
同軸に配置され、検出コイル13は窓12aからなる第
1の窓列部分を包囲し、検出コイル14は窓12bから
なる第2の窓列部分を包囲する。ヨーク15はハウジン
グ5aの内部に固定され、検出コイル13及び14のリ
ード線はハウジング5aの内部に配置された回路基板1
6に接続される。
【0030】図3の(a)及び(b)はセンサシャフト
部の表面の凸条と円筒部材の窓配置を説明する図で、図
3の(a)は、基準位置(トーシヨンバー3が捩れてい
ない状態)におけるセンサシャフト部11の表面の凸条
11aと円筒部材12の第1の窓列の窓12aとの位置
関係を示し、図3の(b)は基準位置(トーシヨンバー
3が捩れていない状態)におけるセンサシャフト部11
の表面の凸条11aと円筒部材12の第2の窓列の窓1
2bとの位置関係を示す図である。
【0031】この実施例では、窓12a及び12bがそ
れぞれ9個設けられているから、第1の窓列の窓12a
及び第2の窓列の12bは、それぞれ円周方向に角度θ
=360/N度(図2、図3の例では角度θ=360/
9=40度)づつずれていることになる。
【0032】図3の(a)及び(b)から明らかなよう
に、トーシヨンバー3が捩れていない状態、即ち操舵ト
ルクが零(0)の状態では、窓12aの円周方向の幅の
中央部にセンサシャフト部11の凸条11aの円周方向
の一方の端部が位置し、窓12bの円周方向の幅の中央
部に凸条11aの円周方向の他方の端部が位置するよう
に、窓12a及び12bの円周方向の幅と凸条11aの
幅、及び窓12a及び12bとの円周方向の相対位置関
係が設定される。即ち、凸条11aに対する窓12aと
12bとの円周方向の位置関係は互いに逆になつてい
る。
【0033】操舵系が直進状態にあつて操舵トルクが零
である場合はトーションバー3には捩れが発生せず、入
力軸1と出力軸2とは相対回転しない。従つて入力軸1
の側にあるセンサシャフト部11の表面の凸条11a
と、出力軸2の側にある円筒部材12との間にも相対回
転が生じない。
【0034】一方、ステアリングホイールを操作して入
力軸1に回転力が加わると、その回転力はトーションバ
ー3を経て出力軸2に伝達される。このとき、出力軸2
には舵輪と路面との間の摩擦力や出力軸2に結合されて
いるステアリング機構のギヤの噛み合い等の摩擦力が作
用するから、入力軸1と出力軸2との間を結合するトー
ションバーに捩れが発生し、入力軸1の側にあるセンサ
シャフト部11の表面の凸条11aと出力軸2の側にあ
る円筒部材12との間に相対回転が生ずる。
【0035】円筒部材12に窓がない場合は、円筒部材
12は導電性で且つ非磁性材で構成されているから、検
出コイル13及び14に交流電流を流して交番磁界を発
生させると、円筒部材12の外周面にコイル電流と反対
方向の渦電流が発生する。この渦電流による磁界とコイ
ル電流による磁界とを重畳すると、円筒部材12の内側
の磁界は相殺される。
【0036】円筒部材12に窓が形成されている場合
は、円筒部材12の外周面に発生した渦電流は、窓12
a及び12bによつて外周面を周回できないため、窓1
2a及び12bの端面に沿つて円筒部材12の内周面側
に回り込み、内周面をコイル電流と同方向に流れ、また
隣の窓12a及び12bの端面に沿つて外周面側に戻
り、ループを形成する。つまり、検出コイル内側に渦電
流のループを、円周方向に周期的に配置した状態が発生
する。
【0037】コイル電流による磁界と渦電流による磁界
とは重畳され、円筒部材12の内外には、円周方向に周
期的に強弱変化する磁界と、中心に向かうほど小さくな
る半径方向に勾配を持つた磁界が形成される。円周方向
の周期的な磁界の強弱は、隣り合う渦電流の影響を受け
る窓12a及び12bの中心で強く、そこからずれるに
従い弱くなる。
【0038】円筒部材12の内側には、磁性材料からな
るセンサシャフト部11が同軸に配置されており、その
凸条11aは、窓12a及び12bと同じ周期で配置さ
れている。
【0039】磁界中に置かれた磁性体は磁化して磁束を
生ずるが、磁束の量は飽和するまでは磁界の強さに応じ
て大きくなる。このため、円筒部材12により円周方向
の周期的な磁界の強弱と中心に向かうほど小さくなる半
径方向に勾配を持つた磁界とにより、センサシャフト部
11に発生する磁束は、円筒部材12とセンサシャフト
部11との相対的な位相により増減する。
【0040】磁束が最大となる位相は、円筒部材12の
窓12a及び12bの中心とセンサシャフト部11の凸
条11aの中心とが一致した状態で、磁束の増減に応じ
て検出コイル13及び14のインダクタンスも増減し、
略正弦波状に変化する。
【0041】トルクが作用しない状態では、インダクタ
ンスが最大となる位相(窓12a及び12bと凸条11
aの中心とが一致している位相)に対して、センサシャ
フト部11の凸条11aの中心は凸条11aの中心角c
の1/2だけずれた位置に設定されているから、トルク
が作用してトーションバー3が捩れ、センサシャフト部
11と円筒部材12との間に位相差が生じると、2つの
検出コイル13及び14のインダクタンスは、一方が増
加し他方が減少する。
【0042】図4はトルクの大きさと検出コイル13及
び14のインダクタンスの変化を説明する図で、横軸は
トルクT、縦軸はインダクタンスLを示す。右操舵トル
ク発生時は、図3の(a)及び(b)において円筒部材
12が時計方向に回転するから、図4に示すように、ト
ルクが増大するにつれ検出コイル13のインダクタンス
L13は増加し、検出コイル14のインダクタンスL14は
減少する。
【0043】また、左操舵トルク発生時は、図3の
(a)及び(b)において円筒部材12が反時計方向に
回転するから、図4に示すようにトルクが増大するにつ
れ検出コイル13のインダクタンスL13は減少し、検出
コイル14のインダクタンスL14は増加する。
【0044】図5は、トルク検出回路のブロック図であ
る。トルク検出回路20はコネクタ29を介して図示し
ない制御装置に接続され、制御装置からは各回路要素に
電源電圧V及び基準電圧Vref が、ノイズフイルタ28
を経て供給され、一方、検出されたトルク信号がノイズ
フイルタ28を経て制御装置に出力される。
【0045】トルクを検出するブリッジ回路は、検出コ
イル13と抵抗R11及び抵抗R12とが直列に接続された
第1アームと、検出コイル14と抵抗R21及び抵抗R22
とが直列に接続された第2アームとから構成される。
【0046】発振部21は電源電圧V及び基準電圧Vre
f の供給を受けて所定周波数の交流電圧を出力する。出
力された交流電圧は電流増幅部22で増幅され、増幅さ
れた交流電圧Vosc が、検出コイル13と抵抗R11及び
抵抗R12とで構成されたブリッジ回路の第1のアーム、
及び検出コイル14と抵抗R21及び抵抗R22とで構成さ
れたブリッジ回路の第2のアームに供給される。
【0047】なお、トルクが作用していない状態では、
ブリッジ回路の第1アーム及び第2アームに等しい電流
が流れて検出コイル13の端部P3 に表れる電圧V3
と、検出コイル14の端部P4 に表れる電圧V4 とが等
しくなるように、予め検出コイル13及び14の特性を
揃え、また、抵抗R11と抵抗R12の接合点P1 に表れる
電圧V1 と抵抗R21と抵抗R22の接合点P2 に表れる電
圧V2 とが等しくなるように、抵抗R11と抵抗R21の抵
抗値、及び抵抗R12と抵抗R22の抵抗値を揃えておくも
のとする。
【0048】検出コイル13の接合点P3 に表れる電圧
V3 と、検出コイル14の接合点P4 に表れる電圧V4
は、メイン増幅・全波整流部23に入力されて、その差
分の電圧信号Vdef-1 (=V3 −V4 )に変換されて増
幅されると共に整流され、更にメイン平滑・中立調整部
25で出力波形が調整された後、ノイズフイルタ28を
経てメイントルク信号として制御装置に出力される。
【0049】一方、抵抗R11と抵抗R12の接合点P1 の
電圧V1 と、抵抗R21と抵抗R22の接合点P2 の電圧V
2 は、サブ増幅・全波整流部24に入力され、その差分
の電圧信号Vdef-2 (=V1 −V2 )に変換されて増幅
されると共に整流され、更にサブ平滑・中立調整部27
で出力波形が調整された後、ノイズフイルタ28を経て
サブトルク信号として制御装置に出力される。
【0050】図示しない制御回路では、メイン平滑・中
立調整部25から出力された差分の電圧信号Vdef-1
と、サブ平滑・中立調整部27から出力された差分の電
圧信号Vdef-2 との差の信号VD検出し、この差の信号
VDが零であるか零以外であるかを判定する。
【0051】そして、零の場合はブリッジ回路を構成す
る回路要素は正常であると判定し、差の信号VDが零以
外の信号の場合は、ブリッジ回路を構成する回路要素が
故障していると判定して、必要な処置、例えば警告表示
をするほか、検出トルク信号を無効にするなどの処置を
とる。
【0052】以下、トルク検出回路20の動作と、ブリ
ッジ回路の回路要素の故障判定について説明する。
【0053】まず、ブリッジ回路を構成する回路要素が
正常で、トルクが発生していない状態を説明する。
【0054】この場合は、トルクが発生していないので
検出コイル13と検出コイル14のインピーダンスは等
しく、また、抵抗R11と抵抗R21の抵抗値、及び抵抗R
12と抵抗R22の抵抗値は予め等しく設定されているか
ら、ブリッジ回路を構成する第1のアーム(検出コイル
13側のアーム)に流れる電流I1 と、第2のアーム
(検出コイル14側のアーム)に流れる電流I2 とは等
しくなる。
【0055】このため、検出コイル13の接合点P3 に
表れる電圧V3 と検出コイル14の接合点P4 に表れる
電圧V4 とは等しなり、メイン平滑・中立調整部25か
らは差分の電圧信号Vdef-1 (=V3 −V4 )として、
電圧信号Vdef-1 =0が出力される。
【0056】また、ブリッジ回路を構成する第1のアー
ムに流れる電流I1 と第2のアームに流れるI2 とが等
しいから、抵抗R11とR12の接合点P1 に表れる電圧V
1 と抵抗R21とR22の抵抗接合点P2 に表れる電圧V2
とは等しくなり、サブ平滑・中立調整部27からは差分
の電圧信号Vdef-2 (=V1 −V2 )として、電圧信号
Vdef-2 =0が出力される。
【0057】図示しない制御回路では、メイン平滑・中
立調整部25から出力された差分の電圧信号Vdef-1
と、サブ平滑・中立調整部27から出力された差分の電
圧信号Vdef-2 との差の信号VDとして零(0)、即
ち、 {VD=(Vdef-1 )−(Vdef-2 )=0} が出力されるから、ブリッジ回路を構成する回路要素が
正常で、故障のないことが判定できる。
【0058】次に、ブリッジ回路を構成する回路要素が
正常で、トルクが発生している状態を説明する。
【0059】この場合は、トルクが発生しているため検
出コイル13と検出コイル14のインピーダンスは一方
が増加し、他方が減少する。ブリッジ回路を構成する第
1のアーム(検出コイル13側のアーム)に流れる電流
I1 と、第2のアーム(検出コイル14側のアーム)に
流れる電流I2 とは、一方が増加し他方が減少して電流
の大きさが異なる。
【0060】このため、検出コイル13の接合点P3 に
表れる電圧V3 と検出コイル14の接合点P4 に表れる
電圧V4 も異なり、メイン平滑・中立調整部25からは
その差分の電圧信号Vdef-1 (=V3 −V4 )として零
以外の値(X0 )の電圧信号が出力される。この信号は
検出されたトルクの大きさに比例した検出トルク信号で
ある。
【0061】また、ブリッジ回路を構成する第1のアー
ムに流れる電流I1 と第2のアームに流れるI2 とは異
なるから、抵抗R11とR12の接合点P1 に表れる電圧V
1 と抵抗R21とR22の抵抗接合点P2 に表れる電圧V2
とは異なり、サブ平滑・中立調整部27からは差分の電
圧信号Vdef-2 (=V1 −V2 )として零以外の値(Y
0 )の電圧信号が出力される。この信号も検出されたト
ルクの大きさに比例した信号である。
【0062】以上のとおり、前記した検出コイル接合点
P3 とP4 に表れる電圧の差分の電圧信号Vdef-1 (=
V3 −V4 =X0 )、及び抵抗接合点P1 とP2 に表れ
る電圧の差分の電圧信号Vdef-2 (=V1 −V2 =Y0
)は、共に検出トルクの大きさに比例する信号である
から、予めトルク検出回路20が正常な状態にあると
き、差分信号Vdef-1 (=V3 −V4 )と差分信号Vde
f-2 (=V1 −V2 )との値が等しくなるように、即
ち、電圧信号Vdef-1 とVdef-2 の差の信号VDが、
{VD=(Vdef-1 )−(Vdef-2 )=(X0 −Y0 )
=0}になるように、メイン平滑・中立調整部25及び
サブ平滑・中立調整部27の増幅度を設定しておくもの
とする。
【0063】このように、予めメイン平滑・中立調整部
25及びサブ平滑・中立調整部27の増幅度を設定する
ことにより、ブリッジ回路を構成する回路要素が正常の
場合には、トルクが発生していない場合も、又トルクが
発生している場合も、制御回路では電圧信号Vdef-1 と
Vdef-2 の差の信号VDとして零(0)、即ち、{VD
=(Vdef-1 )−(Vdef-2 )=0}が出力されるか
ら、ブリッジ回路を構成する回路要素が正常で、故障の
ないことが判定できる。
【0064】次に、ブリッジ回路を構成する回路要素に
故障が生じ、且つトルクが発生していない状態を説明す
る。ここでは、検出コイル13及び14は正常で、抵抗
R11、R12、R21、R22のいずれか1つの抵抗値が増加
したものとして説明する。
【0065】トルクが発生していないので検出コイル1
3と検出コイル14のインピーダンスは等しいが、抵抗
R11、R12、R21、R22のいずれか1つの抵抗値が増加
したので、ブリッジ回路を構成する第1のアーム(検出
コイル13側のアーム)に流れる電流I1 と、第2のア
ーム(検出コイル14側のアーム)に流れる電流I2と
の大きさが異なる。
【0066】このため、検出コイル13の接合点P3 に
表れる電圧V3 と検出コイル14の接合点P4 に表れる
電圧V4 も異なり、メイン平滑・中立調整部25からは
その差分の電圧信号Vdef-1 (=V3 −V4 )として零
以外の値(X1 )の電圧信号が出力される。即ち、あた
かもトルクが発生しているような電圧信号Vdef-1 が出
力される。
【0067】また、ブリッジ回路を構成する第1のアー
ムに流れる電流I1 と第2のアームに流れるI2 とは異
なるから、抵抗R11とR12の接合点P1 に表れる電圧V
1 と抵抗R21とR22の抵抗接合点P2 に表れる電圧V2
とは異なり、サブ平滑・中立調整部27からは差分の電
圧信号Vdef-2 (=V1 −V2 )として零以外の値(Y
1 )の電圧信号が出力される。ここで、値(X1 )と値
(Y1 )とは異なる値となるのが普通である。
【0068】何故ならば、先に述べたとおり、ブリッジ
回路を構成する回路要素に故障がない場合に、電圧信号
Vdef-1 とVdef-2 の差の信号VDが零になるようにメ
イン平滑・中立調整部25及びサブ平滑・中立調整部2
7の増幅度を設定しているからであり、ブリッジ回路を
構成する回路要素に故障が生じた場合には、電圧信号V
def-1 の値(X1 )とVdef-2 の値(Y1 )とは異なる
値となる。
【0069】この結果、図示しない制御回路では、メイ
ン平滑・中立調整部25から出力された差分の電圧信号
Vdef-1 と、サブ平滑・中立調整部27から出力された
差分の電圧信号Vdef-2 との差の信号VDとして零以外
の値、即ち、 {VD=(Vdef-1 )−(Vdef-2 )=(X1 )−(Y
1 )≠0} が出力されるから、ブリッジ回路を構成する回路要素に
故障要素のあることが判定できる。
【0070】次に、ブリッジ回路を構成する回路要素に
故障が生じ、且つトルクが発生している場合は、検出コ
イル13と検出コイル14のインピーダンスに差が生じ
るから、ブリッジ回路を構成する第1のアーム(検出コ
イル13側のアーム)に流れる電流I1 と、第2のアー
ム(検出コイル14側のアーム)に流れる電流I2 との
大きさが異なる。
【0071】このため、検出コイル13の接合点P3 に
表れる電圧V3 と検出コイル14の接合点P4 に表れる
電圧V4 も異なり、メイン平滑・中立調整部25からは
その差分の電圧信号Vdef-1 (=V3 −V4 )として零
以外の値(X2 )の電圧信号が出力される。
【0072】また、抵抗R11、R12、R21、R22のいず
れか1つの抵抗値が増加したので、ブリッジ回路を構成
する第1のアーム(検出コイル13側のアーム)に流れ
る電流I1 と、第2のアーム(検出コイル14側のアー
ム)に流れる電流I2 との大きさが異なるから、抵抗R
11とR12の接合点P1 に表れる電圧V1 と抵抗R21とR
22の抵抗接合点P2 に表れる電圧V2 とは異なり、サブ
平滑・中立調整部27からは差分の電圧信号Vdef-2
(=V1 −V2 )として零以外の値(Y2 )の電圧信号
が出力される。ここで、値(X2 )と値(Y2 )とは異
なる値となるのが普通である。
【0073】この結果、図示しない制御回路では、メイ
ン平滑・中立調整部25から出力された差分の電圧信号
Vdef-1 と、サブ平滑・中立調整部27から出力された
差分の電圧信号Vdef-2 との差の信号VDとして零以外
の値、即ち、 {VD=(Vdef-1 )−(Vdef-2 )=(X2 )−(Y
2 )≠0} が出力されるから、ブリッジ回路を構成する回路要素に
故障要素のあることが判定できる。
【0074】以上、この発明の実施の形態のトルクセン
サを車両用の電動パワーステアリング装置に適用した例
で説明したが、この発明のトルクセンサは、車両用の電
動パワーステアリング装置以外の各種の機械装置におけ
るトルク検出装置にも適用できることは言うまでもな
い。
【0075】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明は、回転
軸に生じたトルクに応じて互いに逆方向にインピーダン
スが変化する一対の検出コイルと、各検出コイルに直列
に接続された一対の抵抗体とから構成されるブリッジ回
路に交流電圧を印加し、前記一対の検出コイルの端子部
に表れる交流電圧の差分の電圧に基いてトルクを検出す
るトルクセンサにおいて、前記一対の抵抗体をそれぞれ
直列に接続された2つの抵抗要素から構成したもので、
前記一対の直列に接続された2つの抵抗要素の中間点に
表れる交流電圧の差分の電圧を、前記一対の検出コイル
の端子部に表れる交流電圧の差分の電圧と比較して、ブ
リッジ回路を構成する回路要素の故障を検出するもので
ある。
【0076】トルクセンサのブリッジ回路を構成する回
路要素の故障、例えばプリント配線基板と抵抗体との間
に発生した接触不良、抵抗体自体の破損や経年変化など
の原因により抵抗値が変化した場合は、従来のトルクセ
ンサでは、あたかも検出コイルのインピーダンスの変化
したように検出され、誤つた検出トルク信号が出力され
てしまうが、この発明によれば、このようなブリッジ回
路を構成する回路要素の故障を確実に検出することがで
き、信頼性の高いトルクセンサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の主要部の構成を
示す断面図。
【図2】電動パワーステアリング装置のトルクセンサの
構成を示す斜視図。
【図3】センサシャフト部の表面の凸条と円筒部材の窓
配置を説明する図。
【図4】トルクの大きさと2つの検出コイルのインダク
タンスの変化を説明する図。
【図5】トルク検出回路の構成を説明するブロック図。
【図6】従来のトルク検出回路の構成を説明するブロッ
ク図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 トーシヨンバー 4 ラック 5a、5b ハウジング 6a、6b、6c 軸受 7 ウオームホイール 8 ウオーム 11 センサシャフト部 11a 凸条 11b 溝部 12 円筒部材 12a 窓(第1の窓列の) 12b 窓(第2の窓列の) 13、14 検出コイル 15 ヨーク 16 回路基板 20 トルク検出回路 21 発振部 22 電流増幅部 23 メイン増幅・全波整流部 24 サブ増幅・全波整流部 25 メイン平滑・中立調整部 27 サブ平滑・中立調整部 28 ノイズフイルタ 29 コネクタ R11、R12、R21、R22 抵抗

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に生じたトルクに応じて互いに逆
    方向にインピーダンスが変化する一対の検出コイルと、
    各検出コイルに直列に接続された一対の抵抗体とから構
    成されるブリッジ回路に交流電圧を印加し、前記一対の
    検出コイルの端子部に表れる交流電圧の差分の電圧に基
    いてトルクを検出するトルクセンサにおいて、 前記一対の抵抗体はそれぞれ直列に接続された2つの抵
    抗要素から構成されることを特徴とするトルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記トルクセンサは、前記一対の検出コ
    イルの端子部に表れる交流電圧を入力し、その差分の電
    圧を出力する第1の増幅器と、前記一対の直列に接続さ
    れた2つの抵抗要素の中間点に表れる交流電圧を入力
    し、その差分の電圧を出力する第2の増幅器とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
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DE10047949A DE10047949B4 (de) 1999-09-27 2000-09-27 Drehmomentsensor

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