JP2001158938A - 切断端面の耐食性に優れた溶融めっき鋼板 - Google Patents

切断端面の耐食性に優れた溶融めっき鋼板

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JP2001158938A
JP2001158938A JP34419799A JP34419799A JP2001158938A JP 2001158938 A JP2001158938 A JP 2001158938A JP 34419799 A JP34419799 A JP 34419799A JP 34419799 A JP34419799 A JP 34419799A JP 2001158938 A JP2001158938 A JP 2001158938A
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steel sheet
hot
corrosion resistance
dip
hot dip
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Kazumi Jiromaru
和三 治郎丸
Hiroyuki Araya
博幸 新家
Makoto Tokotsume
真 床爪
Norifumi Sugawara
憲文 菅原
Shogo Sato
省吾 佐藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断端面の耐食性に優れた廉価な溶融めっき
鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.30%以下、Si:
0.5%以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.
08%以下、S:0.025%以下、Cu:0.15〜
0.40%、Sol.Al:0.005〜0.1%、
N:0.008%以下を含む鋼板表面に溶融めっき層を
有する溶融めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切断端面の耐食性
に優れた溶融めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっき鋼板は、めっき層に含まれる
Znに犠牲防食作用があり、赤錆が発生しにくいため、
屋根、羽目等の建築材料用途に使用されてきた。
【0003】亜鉛めっき鋼板は切断端面でも赤錆が発生
しにくいが、板厚が厚い場合、めっき付着量が少なかっ
たり、切断時のバリが大きかったりすると、犠牲防食作
用が不十分になり、赤錆が発生しやすくなる。
【0004】近年、溶融亜鉛めっき鋼板が、雨水、亜硫
酸ガスなどに侵食されて発錆し、めっき層が剥離すると
いう問題があり、さらに優れた耐久性が要求される場合
がある。そのため、溶融亜鉛めっき鋼板の代りに、耐久
性に優れる溶融アルミめっき鋼板やアルミ−亜鉛系合金
めっき鋼板が使用されることもある。特にアルミめっき
鋼板や所謂55%アルミ−亜鉛合金めっき鋼板は、亜鉛
めっき鋼板に比べて、耐久性に優れているが、めっき層
の犠牲防食作用が劣るため、切断端面に赤錆が発生しや
すいという問題がある。切断端面の赤錆発生を防ぐため
の提案が種々なされている。
【0005】特開平10−280116号公報には、切
断加工に際して、切断端面における切断面比率(切断面
厚み/板厚)を板厚とZn目付量に応じた特定範囲に規
定することが提案されている。しかし、板厚とZn目付
量に応じて切断面比率を所定範囲に規定することは、容
易でなく、汎用性のある切断設備がないため切断装置が
高価になり、切断作業も煩瑣になるという問題がある。
【0006】特開平5−50034号公報には、鋼中に
Crを5〜20%含有する鋼板に溶融アルミニウムめっ
きを行い、めっき工程中にCrがめっき層に拡散して鋼
板及びめっき層の耐食性が向上し、端部耐食性を向上で
きることが記載されている。しかし、鋼の溶製に際して
高価なフェロクロム合金鉄等を使用する必要があるの
で、製造コストが高価になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な問
題点を解決し、切断端面の耐食性に優れた廉価な溶融め
っき鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の手段は以下の通りである。 (1)重量%で、C:0.30%以下、Si:0.5%
以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.08%以
下、S:0.025%以下、Cu:0.15〜0.40
%、Sol.Al:0.005〜0.1%、N:0.0
08%以下を含む鋼板表面に溶融めっき層を有すること
を特徴とする切断端面の耐食性に優れた溶融めっき鋼
板。
【0009】(2)前記(1)において、溶融めっき層
がアルミ−亜鉛系溶融めっき層であることを特徴とする
溶融めっき鋼板。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の鋼成分の限定理由につい
て説明する。 C:0.30%以下(重量%、以下同じ) 建築材料用途等に使用される鋼板に必要な高強度を得る
上で有効な成分である。C量が多くなると鋼中炭化物が
増加し、耐食性を劣化させるので、上限を0.30%に
限定した。
【0011】Si:0.5%以下 加工性を劣化させずに鋼強度を向上することができる。
またCu、Pの存在下で耐食性を改善する効果がある。
0.5%を超えると鋼板の表層に濃化してめっき密着性
を劣化させるので、上限を0.5%とした。
【0012】Mn:0.10〜1.50% Sに起因する熱間脆性を防止するために必要な成分であ
り、また鋼強度を向上する効果があり、また、鋼板表面
Cの濃化を抑制し、めっき前の鋼板表面の酸化膜に欠陥
を作って活性化し、めっき性の向上にも寄与する。熱間
脆性を防止するには、0.10%以上含有する必要があ
る。1.5%超えると鋼板の延性が劣化するので、上限
を1.50%にした。
【0013】P:0.08%以下 Cuの存在下で、鋼板の耐食性を著しく改善する効果が
あるが、0.08%超えでは、鋼板表層に濃化してめっ
き密着性を劣化させるため上限を0.08%にした。
【0014】S:0.025%以下 硫化物系の非金属介在物を形成し、加工性と耐食性を劣
化させるので上限を0.025%に限定した。
【0015】Cu:0.15〜0.40% 溶融めっき鋼板の端面の耐食性を改善するために必須の
成分である。溶融めっき鋼板の地鉄が露出する端面でC
uの不動態皮膜が形成されることにより、端面の耐食性
が向上する。Cu量が0.15%未満になるとこの効果
が不十分になるので下限を0.15%に限定した。Cu
量が0.40%を超えると、前記効果が飽和するだけで
なく、溶融めっき後にCuに起因する表面欠陥が発生す
るようになり、また加工性が劣化するので、上限を0.
40%に限定した。
【0016】資源リサイクルの観点から製鋼原料として
使用されるスクラップには、Cuが0.5〜4%程度含
まれる。本発明においては、Cuの供給源として安価な
スクラップを使用できるので、製造コストを廉価にでき
るという利点がある。
【0017】Sol.Al:0.005〜0.1% 脱酸剤として添加される元素であり、0.005%以上
必要である。0.1%を超えるとアルミナ介在物が増加
し、表面欠陥が発生するので上限を0.1%に限定し
た。
【0018】N:0.008%以下 AlNの析出により集合組織を改善する効果がある。N
量が多くなると、窒化物系、炭窒化物系の介在物を生成
し、鋼板の材質を劣化させるため上限を0.008%に
した。
【0019】本発明では、鋼中の固溶C、固溶Nを固定
するために、前記成分以外に、適量のNb、Ti、Bな
どの炭化物、窒化物形成元素を含んでいてもよいが、廉
価な鋼板を得るという観点からは、前記成分以外はFe
及び不可避不純物からなる鋼であることが好ましい。
【0020】本発明のめっき鋼板の基材となる鋼板は、
熱延鋼板、冷延鋼板の何れでもよく、前記成分組成の鋼
を溶製し、通常の方法で熱間圧延、酸洗して、基材の熱
延鋼板を得る。また更に通常の方法で冷間圧延して基材
の冷延鋼板を得る。
【0021】前記で得た基材の鋼板を連続式溶融めっき
設備で通常の方法で溶融めっきを施して溶融めっき鋼板
を得る。建築材料用途に使用する場合、溶融めっきは耐
久性に優れるものであることが好ましく、具体的には、
溶融亜鉛めっきだけでなく、溶融アルミめっき、Alを
2〜90%含む亜鉛−アルミ合金めっきなどの亜鉛−ア
ルミ系めっきが好ましい。
【0022】本発明の切断端部の耐食性に優れる効果
は、溶融めっきしたままの溶融めっき鋼板で発揮される
ことは当然であるが、めっき鋼板に化成処理皮膜を形成
した鋼板、塗装皮膜を形成した鋼板であっても、切断端
部の耐食性に優れる。
【0023】化成処理は、通常施されるクロメート処
理、有機樹脂皮膜処理、有機樹脂を含むクロメート処理
の何れであってもよい。
【0024】塗装を施す場合、常法により化成処理を施
した後、塗料を塗布して塗装皮膜を形成する。化成処理
はクロメート処理、リン酸塩処理の何れでも良い。塗装
は下塗と上塗を行う2コートであってもよいし、上塗の
みの1コートであってもよい。
【0025】また、化成処理皮膜、塗装皮膜は、鋼板の
一方の面だけに形成したものであってもよい。
【0026】
【実施例】表1に示す鋼成分組成と残部がFe及び不可
避不純物からなる厚さ1.6mmの冷延鋼板を、連続式
溶融めっきラインに装入して、焼鈍し、溶融めっきを施
し、溶融めっき鋼板を製造した。溶融めっきに際して、
めっき浴成分組成を変更して、溶融亜鉛めっき(Zn−
0.2%Al)、55%Al−Zn合金めっき、5%A
l−Zn合金めっきの何れかを施して溶融めっき鋼板を
得た。
【0027】
【表1】
【0028】また、前記で得ためっき鋼板に化成処理、
または化成処理後塗装を施した。
【0029】化成処理については、クロメート処理と有
機樹脂皮膜処理を施した。クロメート処理については、
各溶融めっき鋼板を脱脂後、クロメート液をスプレーに
より鋼板表面に供給し、ゴムロールで絞った後に温風乾
燥を施した(金属クロム付着量:15mg/m2)。ま
た、有機樹脂皮膜処理については、55%Al−Zn合
金めっき鋼板に、脱脂後クロム酸含有アクリル系樹脂溶
液をゴムロールにより塗布し有機樹脂皮膜を形成した
(膜厚:2μm、金属クロム付着量18mg/m 2)。
【0030】前記で得た各鋼板を切断して、幅75m
m、長さ150mmの試験片を作製し、JIS Z 23
71に規定される塩水噴霧試験を行い、切断端面の耐食
性を調査した。耐食性は、試験時間1000時間後にお
ける試験片表面における端部からの腐食発生幅の程度に
より以下のように評価した。 ○:5mm未満、△:5mm以上10mm未満、×:1
0mm以上 調査結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】また、塗装については、溶融亜鉛めっき鋼
板と5%アルミー亜鉛合金めっき鋼板については、脱脂
後りん酸亜鉛処理を行い、その後エポキシ系プライマー
塗装(膜厚:5μm)およびメラミン硬化型ポリエステ
ル系上塗り塗装(膜厚:15μm)を施した。55%ア
ルミー亜鉛合金めっき鋼板については脱脂後塗布型クロ
メートをロールにより塗布・乾燥後、上記と同様の下塗
り、上塗り塗装を施した。
【0033】前記で得た各鋼板を切断して、幅75m
m、長さ150mmの試験片を作製し、JIS Z 23
71に規定される塩水噴霧試験を行い、切断端面の耐食
性を調査した。耐食性は、試験時間2000時間後にお
ける試験片表面における端部からの最大塗膜ふくれ幅の
程度により以下のように評価した。 ○:1mm未満、△:1mm以上5mm未満、×:5m
m以上 調査結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表2、表3から、鋼成分組成が本発明範囲
を満足する発明例の各鋼板は、鋼成分組成が本発明範囲
を外れる比較例の各鋼板に比べて、何れも切断端部の耐
食性が優れていることが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、切断端部の耐食性に優
れた廉価な溶融めっき鋼板が得られる。また、本発明の
溶融めっき鋼板に化成処理を施した鋼板、塗装を施した
鋼板も切断端部の耐食性に優れる。本発明の鋼板は、建
築材料用途への使用に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 床爪 真 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菅原 憲文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 省吾 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA23 AB01 AB05 AB42 AB44 AB48

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.30%以下、Si:
    0.5%以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.
    08%以下、S:0.025%以下、Cu:0.15〜
    0.40%、Sol.Al:0.005〜0.1%、
    N:0.008%以下を含む鋼板表面に溶融めっき層を
    有することを特徴とする切断端面の耐食性に優れた溶融
    めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 溶融めっき層がアルミ−亜鉛系溶融めっ
    き層であることを特徴とする請求項1記載の溶融めっき
    鋼板。
JP34419799A 1999-12-03 1999-12-03 切断端面の耐食性に優れた溶融めっき鋼板 Pending JP2001158938A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100836282B1 (ko) * 2001-06-15 2008-06-09 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 고강도 알루미늄계 합금 도금 강판
JP2010248626A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Kobe Steel Ltd 高熱伝導性放熱鋼板

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Effective date: 20060920