JP2001156581A - 圧電共振子および圧電共振装置 - Google Patents
圧電共振子および圧電共振装置Info
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Abstract
けることなく接合できるとともに、高周波化に対応でき
る圧電共振子、この圧電共振子を用いた容量内蔵型圧電
共振子等の小型化、低背化を実現できる圧電共振装置を
提供する。 【解決手段】同一厚みを有する3層以上の奇数層の圧電
体21a、21b、21cを積層するとともに、これら
の圧電体21a、21b、21c間に電極23、25を
それぞれ介装し、かつ上下の最外表面に、最上層電極2
7と最下層電極28とを形成してなる。
Description
圧電共振装置に関し、特に3層以上の奇数層の圧電体を
有する圧電共振子、並びに圧電共振子を基板またはコン
デンサの表面、あるいは基板の内部に設けた圧電共振装
置に関する。
害することなく有効に利用するため、周りからの影響を
受けないように振動許容空間を確保するようにパッケー
ジに収納したり、圧電発振回路の要素である負荷容量と
してのコンデンサと一体化してパッケージ内に収納する
場合でも、コンデンサとの間には振動を許容するための
振動許容空間を設けている。
振子は、図6に示すように、圧電基板1の上下に部分的
に対向するように帯状の入出力電極2、3が形成された
構造を有し、この対向した電極によって厚み縦振動が励
振されて厚み縦の基本振動あるいは3次高調波などに基
づいて共振特性を発現していた。尚、図6において、
(a)は斜視図、(b)は厚み方向断面図、(c)は平
面図である。
蔵するタイプの典型的な容量内蔵型圧電共振子は、図7
に示すように、上記した圧電共振子の下方に、振動許容
空間を介してコンデンサを配置したものを、定形のパッ
ケージ4内に収納することにより構成されている。
誘電体基板5の下面に共通電極7を、上面に一対の容量
電極8を設けて構成されている。圧電共振子とコンデン
サは、半田などの金属導体9にて電気的に並列に接続さ
れている。
振子を示すもので、この容量内蔵型圧電共振子では、圧
電共振子とコンデンサが、導電性樹脂11により電気的
に並列に接続され、スプリアス振動の減衰が図られてい
る。
全体の小型化および薄型化に加えて、圧電共振子自体
も、高周波化に伴って薄くすることが要求されている。
例えば、30〜60MHzの圧電共振子において、通常
の圧電磁器からなる共振素子では3次高調波を用いても
100〜200μm程度の厚みになるが、100MHz
以上の高周波化を図ろうとすると50〜60μmまで薄
くすることが要求され、共振ピークの大きなものを得よ
うとして基本振動を用いようとすると更にこの3分の1
程度まで薄くすることが要求される。
フィルターを構成するために、薄膜圧電体を用い、厚み
縦共振などのバルク振動を用いた薄膜圧電共振子(BA
W共振子)、並びにこれを用いたフィルターでは、例え
ば、図9に示すように、強度を確保するために適当な強
度および厚みを有する基板13上に、圧電体薄膜15を
電極膜17で挟持した圧電共振子を直接接合している
が、目的とする高周波に共振周波数を合致させるため
に、圧電共振子と反対側の基板13表面をエッチングな
どのプロセスによって削って厚みを精度よくコントロー
ルしたり、図示しないが、基板と圧電共振子の間に適当
なプロセスを用いて振動許容空間を設けることが要求さ
れる。
図8に示すような容量内蔵型圧電共振子では、コンデン
サが圧電共振子の振動を妨げることが無いように、圧電
共振子は、コンデンサとの間に振動許容空間を設けて固
定する必要があり、小型化および薄型化の妨げとなって
いた。
に実装したり、基板内にキャビティを設けて高さを抑え
た形で実装する場合には、パッケージ自体の大きさが実
装された回路基板の小型化、低背化に大きな障害となる
という問題があった。
圧電共振子を作製したり、3次高調波を用いないで基本
振動により数10MHzの圧電共振子を作製すること
は、圧電共振子の圧電体が薄くなり、機械的強度が低下
するので、図7や図8に示すような構造では作製が困難
である。例えば、圧電共振子が薄くなると、コンデンサ
との接合時の熱衝撃、パッケージ内への収納時の圧迫、
搬送中や使用中の熱的もしくは機械的衝撃などにより破
壊される可能性が高くなる。
いられる薄膜圧電共振子、フィルターの場合には、高周
波の共振周波数に合致させるために、圧電共振子を接合
した基板の厚みをコントロールしたり、基板と圧電共振
子の間に振動許容空間を設けたりする必要があり、これ
らによって高周波化を進めたり、共振周波数を設計通り
の値にすることは困難であり、またコスト増大を伴うと
いう問題があった。
動許容空間を設けることなく接合できるとともに、高周
波化に対応できる圧電共振子、並びにこの圧電共振子を
用いた容量内蔵型圧電共振子等の小型化、低背化を実現
できる圧電共振装置を提供することを目的とする。
同一厚みを有する3層以上の奇数層の圧電体を積層する
とともに、これらの圧電体間に電極をそれぞれ介装し、
かつ最上層圧電体の外表面に最上層電極を形成し、最下
層圧電体の外表面に最下層電極を形成してなるものであ
る。
び最下層電極にそれぞれ接続される一対の第1端子電極
と、最上層電極と最下層電極の間の電極に交互に接続さ
れる一対の第2端子電極とを有し、また、隣設する圧電
体の振動を逆位相とし、さらに厚み縦振動または厚み滑
り振動モードで作動し、上下端の最上層圧電体と最下層
圧電体に発生する振動の振幅に対して、最上層圧電体と
最下層圧電体の間の圧電体に発生する振動の振幅を2倍
として用いられる。
接する上下の圧電体が互いに逆位相で厚み縦振動あるい
は厚み滑り振動をし、最上層圧電体と最下層圧電体を除
く部分では、最上層圧電体と最下層圧電体に発生する振
動の振幅の2倍であるため、最上層電極および最下層電
極では振動が相殺され、圧電共振子の表面では振動が発
生しない。従って、圧電共振子全体としての振動が内部
だけに閉じ込められ、振動許容空間を設けることなく基
板やコンデンサと接合しても、内部のバルク振動が影響
を受けにくく、これにより、共振周波数および特性は、
圧電共振子単独の場合とほとんど変わらなくなる。従っ
て、圧電共振子とコンデンサや基板との間に振動許容空
間を設けることなく、接合することができる。
圧電共振子を、基板またはコンデンサの表面、あるいは
基板の内部に設けたものである。これは、上記したよう
に、圧電共振子とコンデンサや基板との間に振動許容空
間を設けることなく接合することができるため、圧電共
振子単独として用いる場合よりも、薄型化という点から
利点が大きいからである。
る場合には、コンデンサが圧電共振子に対して支持台と
して機能し、圧電共振子を補強し、ますます圧電共振子
を薄くすることができるのみならず、圧電共振子の表面
に振動許容空間を形成することなくコンデンサを接合
し、チップ状の素子とすることによって、パッケージに
収容することなく基板に表面実装できる。
場合には、基板に直接接合しても振動特性が影響を受け
難いため、エッチングを予定して特別な材質の基板を用
いる必要がなく、また、基板厚みの厳密なコントロール
の必要がなく、薄膜圧電共振子(BAW共振子)やフィ
ルターを作製できる。
動を閉じ込めることができるため、、圧電共振子を多層
基板に内蔵でき、多層基板内にフィルターを形成でき
る。
を、圧電体が3層の場合について図1を基に説明する。
図1において、(a)は断面図であり、(b)その平面
図である。
3層の圧電体21a、21b、21cが積層され、これ
らの圧電体21aと圧電体21bとの間に電極23が介
装され、圧電体21bと圧電体21cとの間に電極25
が介装されている。
には、最上層電極27と最下層電極28が形成されてい
る。圧電体21a、21b、21cは、厚み方向に同一
方向に分極されている。
一厚みであるが、厚みバラツキが0.1%以内であれ
ば、同一厚みとして支障はない。
厚みであることが望ましいが、厚みバラツキが0.1%
以内であれば、支障はない。また、電極23および電極
25は、必要に応じてエネルギー閉じ込めなどの効果を
用いて、望ましい特性が得られるように2次元平面状で
の形状設計がされている。
8は、対向する位置に設けられた一対の第1端子電極3
1a、31bにそれぞれ接続され、最上層電極27と最
下層電極28の間の電極23、25は、対向する位置に
設けられた一対の第2端子電極33a、33bにそれぞ
れ接続されている。
電極23と最上層電極27の間、および電極25と最下
層電極28の間には、電極23と電極25の間に発生す
る電界とは逆位相で半分(0.476〜0.588倍)
の大きさの電界が発生するように、第1端子電極31
a、31bおよび第2端子電極33a、33bに印加す
る電気信号を制御する。
圧電体21aと最下層圧電体21cの間の圧電体21b
に発生する振動の振幅は、上下端の最上層圧電体21a
と最下層圧電体21cにそれぞれ発生する振動の振幅に
対して逆位相で、しかも2倍となり、最上層圧電体21
aと最下層圧電体21cの外側、即ち、最上層電極2
7、最下層電極28では振動が打ち消され、この3層の
圧電体21a、21b、21cの内部だけが振動して外
側表面は振動しない圧電共振子を作製できる。
電体21aと最下層圧電体21cの分極方向とは逆に
し、同一位相の電界を印加しても、各層の振動が逆位相
となるため、同様の効果が得られる。
層圧電体と最下層圧電体を除いた残りの3層以上の圧電
体層で、最上層圧電体、最下層圧電体にそれぞれ発生す
る振動の振幅に対して2倍となるようにすれば良い。
板に表面実装した圧電共振装置を示すもので、この圧電
共振装置では、図1に示す圧電共振子がチップ状とさ
れ、基板35表面に搭載されている。
7a、37b、39a、39bが設けられており、これ
らの回路パターン37a、37b、39a、39bに、
第1端子電極、第2端子電極がそれぞれハンダ40によ
り接続されている。
が、図3に示すように、多層基板41であっても良い。
即ち、多層基板41表面には表面電極43が4ヵ所形成
されており、これらの表面電極43には、第2端子電極
33a、33bと、図示しないが第1端子電極がハンダ
45により接合されている。
7により、多層基板41内部の内部配線49に接続され
ており、第1端子電極と接続される表面電極43にも、
ビアホール導体47が接続され、多層基板41内部の内
部配線49に接続されている。
はそれに近いところにある誘電体層を利用してつくられ
た内蔵コンデンサと電気的に並列に接続し、容量内蔵型
圧電共振子を形成することもできる。
とを一体化した圧電共振装置(容量内蔵型圧電共振子)
を示す。この圧電共振装置は、図1に示した圧電共振子
の下面に誘電体層51を介して電極53が形成され、圧
電共振子とコンデンサが一体となっている。
表面に形成された表面電極43に、第2端子電極33
a、33bと、図示しないが第1端子電極がハンダ45
により接合され、また、コンデンサの電極53も、表面
電極43にハンダ45により接合されている。
下層電極28と共用され、この最下層電極28と、誘電
体層51を介して対向して形成された電極53により静
電容量を形成する。
bが接続された表面電極43は、そのまま多層基板41
表面を引き回され、コンデンサの電極53が接続された
表面電極43は、ビアホール導体47を介して多層基板
41内部の内部配線49に接続されている。尚、コンデ
ンサの電極53が接続される表面電極43を引き回して
回路を構成しても良い。
電共振装置では、上記したように、電極23と最上層電
極27の間、および電極25と最下層電極28の間に、
電極23と電極25の間に発生する電界とは逆位相で半
分(0.476〜0.588倍) の大きさの電界が発生
するように、第1端子電極31a、31bおよび第2端
子電極33a、33bに印加する電気信号を制御するこ
とにより、圧電共振子の外側表面は振動しないため、圧
電共振子と基板35、多層基板41またはコンデンサの
誘電体層51とを、隙間無く密着して形成しても、圧電
共振子の特性に影響を与えることがない。
けることなく密着して形成することにより、圧電共振子
全体が基板35、多層基板41またはコンデンサの誘電
体層51によって支えられており、高周波化などに伴う
圧電共振子の薄膜化が進んでも機械的熱的衝撃に耐える
構造となり、さらに、圧電共振子を基本波によって作動
させることせ容易となり、高周波化が可能となる。
は薄膜技術によって薄い圧電層を積層することができる
ため、基本波を用いても100MHzから数GHzぐら
いまでの高周波化に対応した圧電共振子を作製できる。
強度および信頼性が、コンデンサと一体化することによ
って確保されていることから、パッケージに収容するこ
となく、セラミック積層コンデンサと同様に第1端子電
極31a、31b、第2端子電極をハンダ45を介して
多層基板41に直接実装できる。さらにまた、図3に示
すような圧電共振装置において、コンデンサを多層基板
41内に内蔵し、これをビアホール導体を用いて、圧電
共振子と接続することも可能となる。
多層ICパッケージと同様にシート成形技術によって積
層し、同時焼成することによって一体化することが可能
である。又、CVD、PVDやスパッタなどの薄膜技術
によっても可能である。
中に埋め込んだ圧電共振装置(内蔵回路モジュール)を
示す。
圧電特性を発現する圧電体61a、61b、61cと、
誘電体層63、絶縁層65を積層して多層基板67が構
成されている。圧電体61aと圧電体61bとの間に電
極73が介装され、圧電体61bと圧電体61cとの間
に電極75が介装されている。
電極77が形成され、圧電体61cと誘電体63の間に
は圧電共振子として最下層となる最下層電極78が形成
され、圧電体61a、61b、61cは、厚み方向に同
一方向に分極されている。
側電極と共用されており、この最下層電極78の下方に
は、誘電体層63を介して電極81が形成されている。
即ち、電極81は、誘電体層63と絶縁層65との間に
形成されている。
る位置に設けられた一対のビアホール導体83を介し
て、誘電体層63と絶縁層65間の内部配線85に接続
され、最上層電極77および最下層電極78は、図示し
ないが、対向する位置に設けられた一対のビアホール導
体を介して、誘電体層63と絶縁層65間の内部配線に
接続されている。尚、この例では、ビアホール導体83
が端子電極と同様の役割をすることになる。
も、上記と同様な制御を行うことにより、同様な効果を
得ることができるとともに、圧電共振子を基板内に内蔵
することができるため、よりコンパクトにモジュールを
構成できる。
ンデンサの誘電体層は、チタン酸バリウム主成分等の通
常の誘電体を用いるが、誘電体層としては、圧電体と同
じ材料を分極処理することなく用いても良い。コンデン
サ機能を優先する場合は前者、同時焼成などの製造工程
を優先する場合は後者が好ましい。
は、内部だけが振動して周辺輪郭は振動しない圧電共振
子を得ることができ、このため、圧電共振子を振動許容
空間を設けることなく他の基板やコンデンサに接合する
ことができ、圧電共振子を高周波化に対応して薄型化し
ても破損することがない。また、チップ化した単体とし
て、またコンデンサと一体化した圧電共振装置として表
面実装でき、圧電共振子を収容するパッケージを必要と
しないため小型化を推進でき、さらに、モジュールを構
成するための多層基板内に内蔵することもできる。
(a)は断面図、(b)平面図である。
示す斜視図である。
置を示す断面図である。
置を、多層基板上に実装した状態を示す断面図である。
置を示す断面図である。
図、(b)は断面図、(c)は平面図である。
振子の断面図である。
電共振子の断面図である。
る。
・圧電体 23、25、73、75・・・電極 27、77・・・最上層電極 28、78・・・最下層電極 31a、31b・・・第1端子電極 33a、33b・・・第2端子電極 35、41、67・・・基板
Claims (6)
- 【請求項1】同一厚みを有する3層以上の奇数層の圧電
体を積層するとともに、これらの圧電体間に電極をそれ
ぞれ介装し、かつ最上層圧電体の外表面に最上層電極を
形成し、最下層圧電体の外表面に最下層電極を形成して
なることを特徴とする圧電共振子。 - 【請求項2】最上層電極および最下層電極にそれぞれ接
続される一対の第1端子電極と、前記最上層電極と前記
最下層電極の間の電極に交互に接続される一対の第2端
子電極とを有することを特徴とする請求項1記載の圧電
共振子。 - 【請求項3】隣設する圧電体の振動が逆位相であること
を特徴とする請求項1または2記載の圧電共振子。 - 【請求項4】最上層圧電体と最下層圧電体の間の圧電体
に発生する振動の振幅が、前記最上層圧電体と前記最下
層圧電体に発生する振動の振幅の2倍であることを特徴
とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の圧電共振
子。 - 【請求項5】厚み縦振動または厚み滑り振動モードで作
動することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか
に記載の圧電共振子。 - 【請求項6】請求項1乃至5のうちいずれかに記載の圧
電共振子が、基板またはコンデンサの表面、あるいは前
記基板の内部に設けられていることを特徴とする圧電共
振装置。
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JP33997499A JP3904782B2 (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | 圧電共振子および圧電共振装置 |
US09/472,944 US6437484B1 (en) | 1998-12-24 | 1999-12-27 | Piezoelectric resonator |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007227668A (ja) * | 2006-02-23 | 2007-09-06 | Tdk Corp | 複合電子部品 |
-
1999
- 1999-11-30 JP JP33997499A patent/JP3904782B2/ja not_active Expired - Fee Related
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