JP2002076821A - コンデンサ内蔵型圧電共振器 - Google Patents

コンデンサ内蔵型圧電共振器

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JP2002076821A
JP2002076821A JP2000261824A JP2000261824A JP2002076821A JP 2002076821 A JP2002076821 A JP 2002076821A JP 2000261824 A JP2000261824 A JP 2000261824A JP 2000261824 A JP2000261824 A JP 2000261824A JP 2002076821 A JP2002076821 A JP 2002076821A
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capacitor
resonance element
thickness
ceramic layer
piezoelectric
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JP2000261824A
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Kenichi Yoshimura
健一 吉村
Michiaki Nishimura
道明 西村
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】共振素子を薄型化しても、共振素子の破損を防
止できるとともに、電気機械結合係数を向上できるコン
デンサ内蔵型圧電共振器を提供する。 【解決手段】コンデンサ24と共振素子15とを積層一
体化し、コンデンサ24と共振素子15の積層体がn次
の振動モードで厚み縦振動するとともに、共振素子15
の圧電磁器層33a、33b厚みの総和をtp、コンデ
ンサ24の磁器層24a厚みをtsとした時、コンデン
サ24の磁器層24a厚みtsと圧電磁器層33a、3
3b厚みの総和tpとの比(ts/tp)が、0.44
n−0.99≦ts/tp≦0.63n−1.00(但
し、0<ts/tp)を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚み縦振動モード
を用いたコンデンサ内蔵型圧電共振器に関する。
【0002】
【従来技術】従来、圧電共振器として、共振素子ととも
に帰還回路の要素である負荷容量としてのコンデンサを
内蔵して小型化したコンデンサ内蔵型圧電共振器が知ら
れている。また、実装形態としては、リードピン型と表
面実装型の2つに大別されるが、現在ではプリント配線
基板への高密度実装技術の進歩に伴い、プリント配線基
板に他の電子部品とともにリフロー半田接合される表面
実装型が主流となっている。
【0003】一般に、厚み縦振動モードを用いた圧電共
振器の共振素子は、図6(a)に斜視図、図6(b)に
厚み方向断面図、図6(c)に底面図として示すよう
に、圧電基板3の上下に部分的に対向するように帯状の
入出力電極2a、2bが形成された構造を有し、この対
向した電極2a、2bによって厚み縦振動が励振され
て、厚み縦の基本振動あるいは3次高調波などに基づい
て共振特性を発現していた。
【0004】そして、上記の如く共振素子とともにコン
デンサを内蔵するタイプの典型的な圧電共振器は、図7
に厚み方向断面図として示すように、コンデンサ4とし
て共振素子1とほぼ同面積の板状のものを選択し、共振
素子1の下方にコンデンサ4を配置し、それらを半田な
どの金属導体6aにて電気的に並列に接続し、定形の容
器9に収納することによって組み立てられていた。ま
た、図8に同じく断面図として示すように、図7の金属
導体6aに代えて導電性樹脂6bが用いられる場合もあ
った。
【0005】上記コンデンサ内蔵型圧電共振器は、全体
の小型化及び薄型化に加えて共振素子1単独でも、高周
波化に伴って薄くすることが要請される。例えば、30
〜60MHzの共振器において、通常の圧電磁器からな
る共振素子なら3次高調波を用いても100〜200μ
m程度の厚みになるが、これ以上の高周波化を図ろうと
すると50〜60μmまで薄くすることが要求され、共
振ピークの大きなものを得ようとして基本振動を用いよ
うとすると、同一共振周波数では更にこの3分の1程度
まで薄くすることが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7や
図8に示すようなコンデンサ内蔵型圧電共振器では、コ
ンデンサ4が共振素子1の振動を妨げることの無いよう
に、コンデンサ4と共振素子1との間に空間(振動空
間)を設けて分離する必要があり、圧電共振器全体の小
型化及び薄型化に限度があった。
【0007】また、共振素子1は薄くなるにつれて機械
的強度が低下するので、共振器の信頼性を保ったまま周
波数を100MHz以上に上げたり、3次高調波を用い
ないで基本振動により数10MHz以上の共振器を作製
したりすることは上記の構造では困難であった。
【0008】さらに、共振素子1が薄くなると、コンデ
ンサ4との接合時の熱衝撃、容器9内への収納時の圧
迫、搬送中や使用中の熱的もしくは機械的衝撃などによ
り破壊される可能性も高くなる。
【0009】本発明は、共振素子を薄型化しても、共振
素子の破損を防止できるとともに、電気機械結合係数を
向上できるコンデンサ内蔵型圧電共振器を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のコンデンサ内蔵
型圧電共振器は、コンデンサと共振素子とを積層一体化
し、前記コンデンサと前記共振素子の積層体がn次の振
動モードで厚み縦振動するコンデンサ内蔵型圧電共振器
であって、前記共振素子の圧電磁器層厚みの総和をt
p、前記コンデンサの磁器層厚みをtsとした時、前記
コンデンサの磁器層厚みtsと前記圧電磁器層厚みの総
和tpとの比(ts/tp)が、0.44n−0.99
≦ts/tp≦0.63n−1.00(但し、0<ts
/tp)を満足するものである。
【0011】本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振器にお
いては、隣設する上下の圧電磁器層が互いに逆位相で厚
み縦振動し、コンデンサを含めた積層構造体が一体とな
って振動する。そして、例えば、厚さtの圧電磁器層を
2層積層した積層体を共振素子として用いると、圧電磁
器層の1層の厚さtが半波長となるような高次(2次以
上)の定在波が共振素子に最も効率よく励振されること
になる。
【0012】例えば、従来の3次厚み縦振動を利用した
板厚Tの1層の共振素子と同じ共振周波数を得るために
は、本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振器の場合では、
コンデンサを含めた積層構造体全体の板厚をTとして、
積層構造体全体で3次の厚み縦振動モードの共振周波数
を利用すればよい。
【0013】従って、本発明のコンデンサ内蔵型圧電共
振器では、共振素子にコンデンサを一体化させた積層体
を、従来の1層の圧電体からなる共振素子と同じ板厚に
できるため、共振素子の圧電磁器層を薄くできるととも
に、別にコンデンサを外付けする必要も無い。また、共
振素子とコンデンサを密着できるため、従来の圧電共振
器で必要であった、共振素子とコンデンサの間の振動空
間も不要となり、更に薄層化できる。更には、コンデン
サを共振素子と一体化しているため、パッケージ基板へ
の実装工程も簡略化できる。
【0014】そして、圧電磁器層の厚さの総和をtp、
コンデンサの磁器層厚さをts、厚み縦振動モードの振
動次数をnとするとき、コンデンサの磁器層厚さtsと
圧電磁器層の厚さの総和tpとの比(ts/tp)が
0.44n−0.99≦ts/tp≦0.63n−1.
00(但し、0<ts/tp)を満足することにより、
圧電磁器層とコンデンサの磁器層との厚さの比(ts/
tp)が最適化され、各次数の振動モードにおける電気
機械結合係数を最大限に大きくでき、PV値を最大限に
大きくできるとともに、不要な次数の振動モードの電気
機械結合係数が抑制され、不要振動モードによるPV値
を小さく抑えることが可能になる。
【0015】また、本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振
器では、複数層の圧電磁器層を有し、上下隣設する圧電
磁器層が逆位相の厚み縦振動をすることにより、基本モ
ードの振動は抑制され、2次以上の高次モード振動が強
く励振され易くなる。従って、2次以上の高次モードを
利用する本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振器では、基
本モードによるスプリアス振動の影響を小さくできる。
【0016】本発明では、共振素子の圧電磁器層がPb
およびTiを含む圧電材料よりなり、コンデンサの磁器
層が、前記共振素子の圧電磁器層と同一材料、もしくは
Pbを含む強誘電体材料よりなることが望ましい。これ
により、コンデンサ、共振素子を一体物として振動させ
やすくなり、同一または類似材料であるため同時焼成し
易くなり、製造が容易となる。
【0017】さらに、コンデンサの磁器層が、圧電磁器
層と同一材料からなるとともに、未分極であることが望
ましい。これにより、さらにコンデンサ、共振素子を一
体物として振動させやすくなり、同時焼成し易くなり、
製造が容易となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のコンデンサ内蔵型圧電共
振器を図1に断面図として示す。このコンデンサ内蔵型
圧電共振器は、板状のコンデンサ24と、その上に隙間
無く密着して一体形成された共振素子15とを備え、そ
れら一体品が容器19内に収納された構造を有する。容
器19は図7に示した従来品よりも薄型であって、一体
品を載せる樹脂などからなる絶縁基板19aと、樹脂製
で中空の蓋19bとからなる。
【0019】コンデンサ24は、通常の誘電体セラミッ
ク基板からなる磁器層24aの両主面に、対向する電極
25a、25b、25cを形成して構成されている。こ
のうち、電極25bは、共振素子15用の入出力電極を
も兼ねる。この点、図7に示した従来品と大きく異な
る。
【0020】即ち、コンデンサ24の磁器層24aの主
面上に、電極25b、25cが形成され、これらの電極
25b、25cの上面に、圧電磁器層33a、電極42
a、圧電磁器層33b及び電極42bが順次積層され、
共振素子15は、電極25b、圧電磁器層33a、電極
42a、圧電磁器層33b、電極42bにより構成され
ている。
【0021】そして、共振素子15の隣設する上下の圧
電磁器層33aと圧電磁器層33bはそれぞれの接合面
に対して上下対称構造をなしており、隣設する上下の圧
電磁器層33aと圧電磁器層33bとは同一厚みで、同
一の圧電材料からなり、分極方向も同一(例えば図面の
矢印方向)とされている。電極25b、42a、42b
より互いに逆方向の電界を印加することにより、厚み縦
振動を励振させることができ、各層を逆位相で振動させ
ることができる。
【0022】また、電極42aは共振素子15の一方の
側面から中央に向かって、電極25b、42bは他方の
側面から中央に向かって各々延びており、双方の電極が
中央付近で対向し、エネルギー閉じ込め部(励振部)を
形成している。電極25cは、電極25bと接しないよ
うにコンデンサ24の磁器層24aと共振素子15の圧
電磁器層33aの間に形成されている。
【0023】電極25aは、コンデンサ24の磁器層2
4aの共振素子15と反対側の主面に形成され、電極2
5aと電極25b間、及び電極25aと電極25c間
に、それぞれ所望の容量を形成している。
【0024】電極42aは半田などの金属導体47aを
介して、絶縁基板19aの貫通孔に形成されたヴィア導
体48aに、電極25aは金属導体47b及び絶縁基板
19a上の電極55dを介して、絶縁基板19aのヴィ
ア導体48bに、電極42b、25bは金属導体47c
を介してヴィア導体48cに各々接続されている。金属
導体47a、47b、47cは、電気的な接続部材であ
ると同時に共振素子15及びコンデンサ24の一体品を
容器19に固定する機械的な接合部材を兼ねている。金
属導体47bは、共振素子の振動を害さないように、エ
ネルギー閉じ込め部から離れた位置に形成してある。
【0025】共振素子15及びコンデンサ24は、積層
コンデンサや多層ICパッケージと同様にシート成形技
術によって積層し、同時焼成することによって一体化す
ることが可能である。また、PVDやスパッタなどの薄
膜技術によっても可能である。
【0026】共振素子15の圧電磁器層33a、33b
はPbおよびTiを含む圧電材料よりなり、コンデンサ
24の磁器層24aが、共振素子15の圧電磁器層33
a、33bと同一材料、もしくはPbを含む強誘電体材
料より構成されている。
【0027】本発明の共振器においては、上記したよう
に、共振素子15とコンデンサ24とが隙間無く密着し
ており、一体化されている。これにより、共振素子15
全体がコンデンサ24によって支えられていることにな
り、共振素子15は非常に薄くても機械的熱的衝撃に耐
えることができる。
【0028】また、共振素子15は、上下の圧電磁器層
33a、33bが実質的に同形同質であるから、電極2
5b、42a、42bより互いに逆方向の電界を印加す
ることにより、厚み縦振動を励振させた場合、各層が逆
位相で振動する。共振素子15とコンデンサ24とが密
着しているため共振子素子15とコンデンサ24の積層
体全体が一体となって振動する。即ち、圧電磁器層33
a、33bの材質とコンデンサの材質(それぞれを伝播
する音速)に応じて、圧電磁器層33a、33bとコン
デンサ24の板厚の比を最適な値に設定することによっ
て、共振素子15とコンデンサ24の積層体全体が一体
となった振動を励起させることができ、共振素子15と
コンデンサ24の積層体全体としての振動が、コンデン
サ24に阻害されず、共振周波数は共振素子15単独の
ものと変わらない。尚、圧電磁器層33aと圧電磁器層
33bの分極方向を逆にして、同一方向の電界を印加し
ても、各層の振動が逆位相となるため、上記と同様の効
果が得られる。
【0029】また、上記の如く、シート成形技術あるい
は薄膜技術によって薄い圧電磁器層を積層することがで
きるから、100MHz程度あるいはそれ以上の高周波
化に対応した共振器を得ることができる。
【0030】上記の例では、共振素子15の圧電磁器層
33a、33bを2層としたが、これに限定されること
はなく、圧電磁器層1層でもよく、また、2層以上の積
層体であってもよい。
【0031】また、上記したように、共振素子15の圧
電磁器層33a、33bがPbおよびTiを含む圧電材
料よりなり、コンデンサ24の磁器層24aが、共振素
子15の圧電磁器層33a、33bと同一材料、もしく
はPbを含む強誘電体材料より構成されているが、この
場合には、同時焼成などの製造工程を優先する場合に望
ましく、特にコンデンサと共振素子を一体となって振動
させるという点では同一材料からなることが望ましく、
コンデンサ機能を優先する場合は、圧電磁器層33a、
33bをチタン酸鉛を主成分とし、コンデンサ24の磁
器層24aを、チタン酸バリウム主成分の通常の誘電体
を用いることが望ましい。
【0032】さらに、共振素子15の強度及び信頼性
が、コンデンサ24との一体化によって確保されている
ことから、容器19は必須ではなく、図2に例示するよ
うに、公知のセラミック積層コンデンサと同様に半田6
0a、60b、60cを介してプリント配線基板61に
直接実装しても良い。
【0033】また、本発明では、上下の電極25b、4
2a、42bにより挟持された圧電磁器層33a、33
bの励振部を分極し、その外周部における圧電磁器層3
3a、33bを未分極とすることにより、エネルギーが
閉じ込められる励振部よりも、その外周部の硬度が大き
くなり、外周部を一定の方向に分極した場合と比較し
て、さらに励振部にエネルギーを閉じ込めることがで
き、良好な特性のコンデンサ内蔵型圧電共振器を得るこ
とができる。
【0034】そして、本発明では、厚み縦振動モードの
振動次数をnとし、共振素子15の圧電磁器層33a、
33bの厚みの総和をtp、コンデンサ24の磁器層2
4aの厚みをtsとした時、コンデンサ24の磁器層2
4aの厚みtsと圧電磁器層33a、33bの厚みの総
和tpとの比(ts/tp)が、0.44n−0.99
≦ts/tp≦0.63n−1.00(但し、0<ts
/tp)を満足することが重要である。
【0035】このような関係を満足することにより、例
えば、圧電磁器層33a、33bとコンデンサ24の磁
器層24aにPb、Tiを含む圧電材料を用いた場合
に、圧電磁器層33a、33bおよびコンデンサ24の
磁器層24aの厚さ比(ts/tp)が最適化され、各
次数の振動モードにおける周波数差を最大限に大きくで
き、PV値を最大限に大きくできるとともに、不要な次
数の振動モードの周波数差を小さく抑制しPV値を小さ
く抑制できる。
【0036】本発明者等は、上記コンデンサ内蔵型圧電
共振器を模式化して、有限要素法を用いたコンピュータ
ーシミュレーションによるインピーダンス解析を行っ
た。ここで、圧電磁器層33a、33bの厚さt1、t2
をそれぞれ100μm、即ち、圧電磁器層33a、33
bの厚さの総和tpを200μm、電極42a、42
b、25a、25b、25cの厚さを2μmとし、コン
デンサ24の磁器層24aの厚さtsをパラメータとし
て変化させた。
【0037】また、2層の圧電磁器層33a、33bの
分極方向を同一方向とし、それぞれの圧電磁器層33
a、33bに逆方向の電界が印加されるようにした。ま
た、圧電磁器層33a、33bとコンデンサ24の磁器
層24aにはPbTiO3(以下、PTと略記)を主成分
とする同一圧電材料を使用した。
【0038】解析結果の例として、図3に、コンデンサ
24の磁器層24aの厚さtsが110μmの場合のイ
ンピーダンス特性を示す(ts/tp=0.55)。こ
の例では、基本波(f1)、2倍波(f2)、3倍波(f
3)、及び4倍波(f4)の共振ピークが認められる。コ
ンデンサ24の磁器層24aと共振素子15全体で合計
約310μmの厚みで、約22MHz近傍で3倍波に相
当する大きなピークが認められることから、厚みを更に
薄くすることにより、それ以上の高周波化が可能である
ことが明らかである。
【0039】本発明の圧電共振器においては、図3に示
すように、共振素子の3次の共振f 3において最も大き
な周波数差(反共振周波数fa3と共振周波数fr3との
差)が得られている。この3次の共振は、圧電磁器層3
3a、33bの1層に半波長の定在波が励振される振動
モードである。
【0040】また、図4(a)に、n次厚み縦振動モー
ドの電気機械結合係数Ktn(%)の厚さ比ts/tp
依存性を示す。ここで、n次厚み縦振動モードの電気機
械結合係数Ktn(%)は、インピーダンス特性よりn
次厚み縦振動モードの共振周波数Frnと反共振周波数
Fanを求め、以下の式により算出した。
【0041】Ktn(%)=((Fan−Frn)/F
rn)(1/2)×100図4(a)より、厚さ比ts/t
pを最適な値に制御することにより、n次厚み縦振動モ
ードの電気機械結合係数を大きくでき、(n−1)次以
下、及び(n+1)次以上の振動モードの電気機械結合
係数を小さく抑制できることが判る。
【0042】例えば、ts/tpが0.5程度では、3
次の振動モードが強く励振され、2次や4次以上のモー
ドの電気機械結合係数を小さくできることが判る。電気
機械結合係数を大きくするという点から、2〜4次の振
動モードを用いることが望ましい。
【0043】図4(a)のグラフより、それぞれの振動
次数nにおいて、電気機械結合係数Ktnの最大値Kt
n(max)を求め、この最大値Ktn(max)を1
00とした時の電気機械結合係数Ktnを算出して、そ
れぞれの電気機械結合係数KtnをKtn(max)で
規格化し、これを図4(b)に示した。例えば、3次の
振動モードのKtn(max)は約30%であるが、こ
のKtn(max)を100として表すと図4(b)に
示すグラフとなる。
【0044】この図4(b)において、それぞれの振動
次数nにおいて、規格化電気機械結合係数が80%以
上、および90%以上となるような厚さ比ts/tpを
求め、その厚さ比を振動次数nの関数としてプロットす
ると図5が得られる。規格化電気機械結合係数が80%
以上、および90%以上となる厚さ比の下限値、上限値
は振動次数nの1次関数と見なすことができ、近似式を
求めると、グラフに示したようになる。
【0045】尚、図5のグラフでは、振動次数をn、厚
さ比ts/tpをyとして1次関数(直線)で表示して
いる(破線は80%、実線は90%)。例えば、3次の
振動モードでは、規格化電気機械結合係数が80%以上
となる厚さ比の下限値は0.3程度であり、上限値は
0.9程度となる。
【0046】この図5のグラフより、n次厚み縦振動モ
ードを利用する場合は、厚さ比ts/tpは、規格化電
気機械結合係数が80%以上となるには、0.44n−
0.99≦ts/tp≦0.63n−1.00(但し、
振動次数nが2の時には、0<ts/tp)を満足する
必要があることが判る。
【0047】従って、ts/tpが上記関係を満足する
場合には、n次厚み縦振動モードにおいて電気機械結合
係数を最も大きくできる。即ち、2次の振動モードの場
合には0<ts/tp≦0.26、3次の振動モードの
場合には0.33≦ts/tp≦0.89、4次の振動
モードの場合には0.77≦ts/tp≦1.52とな
る。
【0048】また、図5には、規格化電気機械結合係数
が90%以上となる厚さ比の下限値、上限値を振動次数
nの1次関数として表した(実線)。規格化電気機械結
合係数が90%以上となるには、0.46n−0.99
≦ts/tp≦0.59n−1.01(但し、振動次数
nが2の時には、0<ts/tp)を満足する必要があ
り、この場合にはさらに所望の振動次数nにおける電気
機械結合係数を高くできることが判る。
【0049】同様の解析を、2層の圧電磁器層33a、
33bの分極方向を逆向きとし、電界を同一方向に印加
した場合の圧電共振子についても行ってみたが、結果
は、図5に示したものと同じであった。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明のコンデンサ内蔵
型圧電共振器では、高周波化に対応した共振素子の薄型
化が可能で、圧電共振器全体としても小型化及びモジュ
ールへの組み付けが容易なコンデンサ内蔵型圧電共振器
となる。
【0051】特に、本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振
器では、隣設する圧電磁器の振動を逆位相として、コン
デンサを一体化し、積層した積層体を共振素子として用
いるので、基本モードは抑制され、1層の圧電磁器の板
厚tが半波長となるような高次の厚み縦振動モードが共
振素子に最も効率よく励振される。
【0052】さらに、本発明のコンデンサ内蔵型圧電共
振器では、逆位相で振動する圧電磁器層の厚さに対し
て、コンデンサの磁器層の厚さを最適化しているので、
使用する高次の厚み縦振動モードの電気機械結合係数を
大きくでき、それ以外の次数の厚み縦振動モードの電気
機械結合係数を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振器を示す断
面図である。
【図2】本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振器の他の例
を示す断面図である。
【図3】本発明のコンデンサ内蔵型圧電共振器のインピ
ーダンス特性の解析結果を示す図である。
【図4】(a)は、第n次厚み縦振動モードの電気機械
結合係数Ktn(%)の厚さ比ts/tp依存性を示
し、(b)は、第n次厚み縦振動モードの規格化電気機
械結合係数(%)の厚さ比ts/tp依存性を示す図で
ある。
【図5】規格化電気機械結合係数が80%以上、および
90%以上となる厚さ比ts/tpの下限値、上限値を
振動次数nの1次関数と見なした時のグラフである。
【図6】従来のコンデンサ内蔵型圧電共振器に用いられ
ている共振素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)
は断面図、(c)は底面図である。
【図7】従来のコンデンサ内蔵型圧電共振器を示す断面
図である。
【図8】従来の他のコンデンサ内蔵型圧電共振器を示す
断面図である。
【符号の説明】
15・・・共振素子 24・・・コンデンサ 24a・・・磁器層 33a、33b・・・圧電磁器層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンデンサと共振素子とを積層一体化し、
    前記コンデンサと前記共振素子の積層体がn次の振動モ
    ードで厚み縦振動するとともに、前記共振素子の圧電磁
    器層厚みの総和をtp、前記コンデンサの磁器層厚みを
    tsとした時、前記コンデンサの磁器層厚みtsと前記
    圧電磁器層厚みの総和tpとの比(ts/tp)が、
    0.44n−0.99≦ts/tp≦0.63n−1.
    00(但し、0<ts/tp)を満足することを特徴と
    するコンデンサ内蔵型圧電共振器。
  2. 【請求項2】共振素子が、複数層の圧電磁器層を有する
    とともに、上下の隣設する前記圧電磁器層の振動が逆位
    相であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ内
    蔵型圧電共振器。
  3. 【請求項3】共振素子の圧電磁器層がPbおよびTiを
    含む圧電材料よりなり、コンデンサの磁器層が、前記共
    振素子の圧電磁器層と同一材料、もしくはPbを含む強
    誘電体材料よりなることを特徴とする請求項1または2
    記載のコンデンサ内蔵型圧電共振器。
  4. 【請求項4】コンデンサの磁器層が、圧電磁器層と同一
    材料からなるとともに、未分極であることを特徴とする
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載のコンデンサ内蔵
    型圧電共振器。
  5. 【請求項5】2次以上の振動モードで厚み縦振動するこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の
    コンデンサ内蔵型圧電共振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006203304A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Hitachi Media Electoronics Co Ltd 圧電薄膜共振器及びそれを用いた発振器並びにそれを内蔵した半導体集積回路

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