JP2001154603A - 表示装置およびそれを備えた電子機器 - Google Patents

表示装置およびそれを備えた電子機器

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JP2001154603A
JP2001154603A JP33641899A JP33641899A JP2001154603A JP 2001154603 A JP2001154603 A JP 2001154603A JP 33641899 A JP33641899 A JP 33641899A JP 33641899 A JP33641899 A JP 33641899A JP 2001154603 A JP2001154603 A JP 2001154603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネル固定枠、液晶パネル、スペーサ、バッ
クライトユニットおよびバックライト固定枠を短い工数
で高精度に位置合わせして製造でき、しかも小型軽量で
信頼性の高い表示装置およびそれを用いた電子機器を提
供する。 【解決手段】 パネル固定枠12とバックライト固定枠
56、およびバックライト固定枠56とシールドケース
64が、それぞれ一辺を共通にしてつづら折り状に一体
形成されている。それぞれの共通な一辺の境界線には切
り込み部が設けられている。液晶パネル14は、パネル
固定枠12とスペーサ30との間において、スペーサ3
0の位置決め部30dによってスペーサ30の枠部30
aとほぼ平行な面内の所定位置に位置決めされる。バッ
クライトユニット40は、スペーサ30とバックライト
固定枠56との間においてバックライト固定枠56の位
置決め部58によって底面部57とほぼ平行な面内の所
定位置に位置決めされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置およびそ
れを備えた電子機器に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】表示パ
ネルと、その背面側に設けられるバックライトユニット
とを備える表示装置においては、表示パネルの前面側に
配置されるパネル固定枠と、表示パネルとバックライト
ユニットとの間に配置される他の固定枠であるスペーサ
と、バックライトユニットを背面側から固定するバック
ライト固定枠を備えて表示装置が形成されることが一般
的である。そして、表示パネルがその背面側において両
面テープなどを用いてスペーサに固定され、バックライ
トユニットがその前面側において両面テープなどを用い
てスペーサに固定されて、表示パネルとバックライトユ
ニットとの一体性が保たれて、それらが所定の位置関係
になるようにされている。
【0003】ところが、このような表示装置において
は、表示パネルの表示領域、表示パネルの背面に配置さ
れるスペーサに設けられた開口部、およびバックライト
ユニットを正確に位置合わせして、バックライトユニッ
トからの光が表示パネルの表示領域の全域に及んで、表
示領域全体が良好に目視可能となるようにする必要があ
る。そのため、表示パネルやバックライトユニットの両
面テープなどによる固定は、微妙な位置合わせ伴うもの
となり、工数が長くなるにもかかわらず、位置合わせ精
度が高くないという問題があった。
【0004】また、表示パネルやバックライトユニット
を両面テープなどによって固定すると、両面テープなど
を用いた領域が表示に使用できない領域となる。したが
って、所定の表示面積を確保するためには、表示パネル
の外形を大きくする必要が生じる。これは電子機器にお
いて要求されることが多い小型軽量化に逆行してしま
う。また、両面テープなどを用いることにより、その厚
さ分だけ表示装置の厚さが増すとともに、重量も両面テ
ープ分だけ増加してしまう。さらには、高温高湿環境下
や低温環境下での使用または経時変化等により両面テー
プの粘着力が低下して、両面テープの剥がれが発生し、
それによって表示パネルと、パネル固定枠やバックライ
トユニットなどとの間で位置ずれが生じて、表示領域の
一部が見えない状態となる可能性もあり、信頼性の面で
も問題であった。
【0005】さらに、パネル固定枠とバックライト固定
枠との間において位置ずれが起きないように、パネル固
定枠およびバックライト固定枠の少なくとも一方の端部
を垂直に折り返して他方の端部と重ね合わせることが行
われている。しかしながら、このように端部を折り返し
て重ね合わせると、パネル固定枠またはバックライト固
定枠を形成する板材の厚さ分だけ、形成された表示装置
の額縁領域が増加してしまう。
【0006】本発明は、上記のような点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、下記の少なくとも1つの課
題を解決することができる表示装置およびそれを用いた
電子機器を提供することにある。
【0007】1)パネル固定枠とバックライト固定枠と
を短い工数で高精度に位置合わせして、製造できる。
【0008】2)表示パネルとパネル固定枠とを短い工
数で高精度に位置合わせして、製造できる。
【0009】3)バックライトユニットバックライト固
定枠とを短い工数で高精度に位置合わせして、製造でき
る。
【0010】4)表示パネルとバックライトユニットと
を短い工数で高精度に位置合わせして、製造できる。
【0011】5)外形や重量の増加を伴わずに、短い工
数で高精度に位置合わせして、製造できる。
【0012】6)経時変化や使用環境によって影響を受
けず、高い信頼性を備える。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明に係る表
示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの背面側に配
置され、前記表示パネルに向けて光を放射するバックラ
イトユニットと、第1枠部を備え、前記表示パネルを前
面側から固定するパネル固定枠と、底面部を備え、前記
バックライトユニットを背面側から固定するバックライ
ト固定枠と、を有し、前記パネル固定枠と前記バックラ
イト固定枠とが一体形成されていることを特徴とする。
【0014】本発明によれば、パネル固定枠とバックラ
イト固定枠とが一体形成されているため、殆ど工数を要
することなく、高精度に、パネル固定枠とバックライト
固定枠との間を位置合わせして製造できる表示装置が得
られる。
【0015】(2) 本発明に係る表示装置は、前記パ
ネル固定枠と前記バックライト固定枠とに共通な一辺を
有し、前記共通な一辺には、前記パネル固定枠と前記バ
ックライト固定枠との境界線に切り込み部が形成されて
いることを特徴とする。
【0016】本発明によれば、パネル固定枠とバックラ
イト固定枠に共通な一辺における、パネル固定枠とバッ
クライト固定枠の境界線に切り込み部が形成されている
ため、境界線において容易に折り曲げることによって、
パネル固定枠とバックライト固定枠とを所定の位置関係
として表示装置を製造することができる。
【0017】(3) 本発明に係る表示装置は、前記パ
ネル固定枠は、前記バックライトユニットの方向に向け
て前記第1枠部から突出する第1突出部を有することを
特徴とする。
【0018】本発明によれば、パネル固定枠、表示パネ
ル、バックライトユニット、およびバックライト固定枠
を所定の位置に配置した後、パネル固定枠に設けられた
第1突出部をバックライト固定枠の背後に回り込むよう
にして折り曲げることによって、高い信頼性で一体化さ
れた表示装置を容易に形成することができる。
【0019】(4) 本発明に係る表示装置は、前記パ
ネル固定枠および前記バックライト固定枠は、金属で形
成されていることを特徴とする。
【0020】本発明によれば、パネル固定枠およびバッ
クライト固定枠が金属で形成されているため、薄型で十
分な強度を持ち、放熱性の高いパネル固定枠およびバッ
クライト固定枠を備えた表示装置が得られる。
【0021】(5) 本発明に係る表示装置は、(4)
において、 前記パネル固定枠または前記バックライト
固定枠のいずれかが一点で接地されていることを特徴と
する。
【0022】本発明によれば、一辺を共通にして一体形
成されているパネル固定枠とバックライト固定枠が、い
ずれかの一点で接地されているため、一点接地により得
られる高いノイズ低減効果により、パネル表示品位およ
び信頼性を高めることができる。
【0023】(6) 本発明に係る表示装置は、前記パ
ネル固定枠および前記バックライト固定枠は、樹脂で形
成されていることを特徴とする。
【0024】本発明によれば、パネル固定枠およびバッ
クライト固定枠が樹脂で形成されているため、パネル固
定枠またはバックライト固定枠を介した熱の伝導が少な
く、また、それらによって電気的に絶縁された表示装置
が得られる。
【0025】(7) 本発明に係る表示装置は、前記バ
ックライト固定枠は、前記底面部から前記バックライト
ユニットの端面に沿って立設されて、前記バックライト
ユニットを前記底面部とほぼ平行な面内の所定位置に位
置決めする、複数の第3位置決め部を有することを特徴
とする。
【0026】本発明によれば、バックライト固定枠に設
けられた複数の第3位置決め部によって、バックライト
ユニットをバックライト固定枠の底面部とほぼ平行な面
内の所定位置に位置決めすることができるため、バック
ライトユニットとバックライト固定枠およびスペーサと
の間を短い工数で高精度に位置合わせして製造できる表
示装置が得られる。また、バックライトユニットとバッ
クライト固定枠との位置決めを、両面テープなどを用い
ずに行うことができるため、両面テープの貼付などのた
めに発光面として用いることができない額縁領域ひいて
は外形が増加することがなく、両面テープなどによって
重量や厚さが増加することもない。
【0027】(8) 本発明に係る表示装置は、前記バ
ックライトユニットは、導光板と、該導光板の一端面に
沿って配置された光源部と、該光源部の周囲を前記導光
板の側を除いて覆うリフレクタとを備え、前記複数の第
3位置決め部は、前記バックライトユニットの前記光源
部が配置された辺以外に対応するものが、前記光源部が
配置された以外の前記導光板の端面を覆う平面状に形成
されていることを特徴とする。
【0028】本発明によれば、バックライトユニットの
光源部が配置された辺以外に対応する第3位置決め部
が、光源部が配置された以外の導光板の端面を覆う平面
状に形成されている。したがって、それら第3位置決め
部の導光板に面する側が十分な反射率を備えれば、それ
ら第3位置決め部によって光源部からの光利用効率を向
上させることができる。
【0029】(9) 本発明に係る表示装置は、第2枠
部を備え、前記表示パネルを背面側から固定し、かつ、
前記バックライトユニットを前面側から固定するスペー
サをさらに有することを特徴とする。
【0030】本発明によれば、表示パネルとバックライ
トユニットとの間にスペーサが配置されていることによ
って、表示パネルとバックライトユニットとの間に所定
の間隙が形成され、干渉縞やモアレの発生が防止するこ
とができる。また、表示パネルとバックライトユニット
とが当接せず、相互の傷つきや破損を防止できる。
【0031】(10) 本発明に係る表示装置は、前記
スペーサは、前記バックライトユニットの方向に向けて
前記第2枠部から突出する第2突出部を有することを特
徴とする。
【0032】本発明によれば、スペーサ、バックライト
ユニット、およびバックライト固定枠を所定の位置関係
とした後、スペーサに設けられた第2突出部をバックラ
イト固定枠の背後に回り込むようにして折り曲げること
によって、高い信頼性で、スペーサ、バックライトユニ
ット、およびバックライト固定枠が一体化された表示装
置を容易に形成することができる。
【0033】(11) 本発明に係る表示装置は、前記
スペーサは、前記第2枠部から立設されて前記表示パネ
ルの端面に当接して、前記表示パネルを前記第2枠部と
ほぼ平行な面内の所定位置に位置決めする複数の第2位
置決め部を有することを特徴とする。
【0034】本発明によれば、スペーサに設けられた複
数の第2位置決め部によって、表示パネルを第2枠部と
ほぼ平行な面内の所定位置に位置決めすることができる
ため、表示パネルとスペーサとの間を短い工数で高精度
に位置合わせして製造できる表示装置が得られる。ま
た、表示パネルとスペーサとの位置決めを、両面テープ
などを用いずに行うことができるため、両面テープの貼
付などのために表示が行われない額縁領域ひいては外形
が増加することがなく、両面テープなどによって重量や
厚さが増加することもない。
【0035】(12) 本発明に係る表示装置は、前記
表示パネルは、表示領域と、前記表示領域の周囲に形成
された周辺回路領域と、を備え、前記スペーサの前記第
2枠部は、前記周辺回路領域に対応する位置に形成され
ていることを特徴とする。
【0036】本発明によれば、表示パネルとバックライ
トユニットとの間に位置するスペーサの第2枠部が、表
示領域の周辺回路領域に対応する位置に形成されている
ため、バックライトユニットから周辺回路領域に及ぶ光
や熱を、第2枠部によって少なくとも部分的に遮断する
ことができる。したがって、周辺回路領域に形成された
回路に光や熱が及んでリーク電流が発生する可能性を低
減させることができる。
【0037】(13) 本発明に係る表示装置は、前記
スペーサは、前記第2枠部と前記表示パネルとの間隔を
保ち、かつ、前記バックライトユニットから前記周辺回
路領域への光漏れを防ぐ壁部を備えることを特徴とす
る。
【0038】本発明によれば、スペーサに設けられた壁
部によって表示パネルとバックライトユニットの間の距
離が広がることになるため、バックライトユニットの熱
による表示パネルに対する影響をさらに低減することが
できる。
【0039】また、バックライトユニットと液晶パネル
とが、スペーサに設けられた壁部によってさらに隔てら
れるため、バックライトユニットと液晶パネルとの間の
接触などによって互いに傷つく可能性も低下する。さら
に、液晶パネルとバックライトユニットとの間でモワレ
が発生したり、液晶パネルとバックライトユニットの間
で干渉縞が発生したりすることを、凸部の高さを適切に
設定することにより防止できる。従って、スペーサに設
けられた壁部及び凸部はバックライトからの光や熱によ
る表示パネルの周辺回路の誤動作、あるいは劣化を防ぐ
ことができ、信頼性を向上させることができる。
【0040】(14) 本発明に係る表示装置は、前記
バックライト固定枠の4辺により囲まれる面積は、前記
パネル固定枠の4辺により囲まれる面積より小さいこと
を特徴とする。
【0041】本発明は、スペーサが少なくとも表示パネ
ルの全領域に対応する平面形状を備える必要があり、バ
ックライト固定枠がほぼ表示パネルの表示領域に対応す
る平面形状を有するバックライトユニットに対応した平
面形状を持っていればよい点を利用して、バックライト
固定枠の平面形状をスペーサの平面形状より小さくした
ものである。これによって、バックライト固定枠が小型
となるため、表示領域の大きさに比し小型軽量の表示装
置が得られる。
【0042】(15) 本発明に係る電子機器は、前記
いずれかの表示装置を表示手段として有することを特徴
とする。
【0043】本発明によれば、表示装置について前述し
た作用効果を有し、信頼性の高い表示手段を備えた電子
機器が得られる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、図面を参照しながら、さらに具体的に説明す
る。
【0045】1. <第1実施形態> 1.1 表示装置 本実施形態においては、本発明の表示装置の一例とし
て、液晶表示装置を用いて説明する。図1は、本実施形
態の表示装置としての液晶表示装置10を模式的に示す
分解斜視図である。図1に示すように、本実施形態の液
晶表示装置10は、表示パネルとしての液晶パネル14
と、液晶パネル14の背面側に配置されるバックライト
ユニット40と、バックライトユニット40の背面側に
配置されるインバータ60とを備えている。
【0046】さらに、液晶表示装置10は、上述した各
部を保護して所定の位置関係に保つ枠部材として、液晶
パネル14の前面側に配置されるパネル固定枠12、液
晶パネル14とバックライトユニットとの間に配置され
るスペーサ30、バックライトユニット40の背面に配
置されるバックライト固定枠56、および、インバータ
の背面側に配置されるシールドケース64を備えてい
る。なお、本実施形態においては、パネル固定枠12と
バックライト固定枠56、および、バックライト固定枠
56とシールドケース64が、それぞれ一辺を共通にし
てつづら折り状に一体形成されている。分解斜視図であ
る図1は、まず同図の下半分に示した、液晶パネル1
4、スペーサ30、およびバックライトユニット40と
が互いに重ね合わせられ、そして、それらが矢印で示し
たようにパネル固定枠12とバックライト固定枠56と
の間に挿入されて液晶表示装置10が形成される様子を
示している。
【0047】また、パネル固定枠12、スペーサ30、
バックライト固定枠56、およびシールドケース64
は、金属、例えば、燐青銅などの銅系材料、スズメッキ
鋼板(通称ブリキ)、またはアルミ材料などからなる1
枚の金属板にプレス加工などを施すことにより形成され
ている。燐青銅は比抵抗が小さく強度、弾性、耐食性な
どの点でも優れており、特に好ましい。またスズメッキ
鋼板は材料自体が安価に入手できる。またアルミ材料は
軽量化において優れており、用途に合わせた材料選定が
必要である。このように、パネル固定枠12、スペーサ
30、バックライト固定枠56、およびシールドケース
64が金属で形成されているため、これら枠部材は、薄
型でありながら十分な強度と、高い放熱性を備えること
ができる。
【0048】このように一体形成された、パネル固定枠
12、バックライト固定枠56、およびシールドケース
64は、1箇所に接続されたリード線によって一括接地
される。このように、枠部材、すなわちパネル固定枠1
2、スペーサ30、バックライト固定枠56、およびシ
ールドケース64は、金属で形成されているため接地し
てシールド効果を持たせることができる。しかも、パネ
ル固定枠12、バックライト固定枠56、およびシール
ドケース64は、一体形成されているため、容易に一括
して接地でき、インバータ60などから発生するノイズ
による液晶パネルの表示品質に対する影響を、枠部材を
個々に接地する場合に比べて低下させることができる。
【0049】そして、パネル固定枠12とバックライト
固定枠56、および、バックライト固定枠56とシール
ドケース64のそれぞれの対において、共通な一辺の境
界線には予め切り込み部が形成されている。例えば、図
2は、パネル固定枠12とバックライト固定枠56との
共通な一辺の境界線付近を折り曲げ前の状態として示す
断面図である。この図に示すように、共通な一辺におけ
る境界線には切り込み部38が形成されており、例えば
厚さ0.25mmのスズメッキ鋼板(通称ブリキ)でパ
ネル固定枠12とバックライト固定枠56を形成した場
合は、材厚に対し、2/3程度の深さを持つ切り込み部
38が適切であることが確認されている。なお、切欠き
部38は、図2に断面図として示したように、V字型に
切り欠かれていることが望ましい。これによって、一体
形成されたパネル固定枠12とバックライト固定枠56
とをそれらの境界線で容易に折り曲げ加工して、パネル
固定枠12とバックライト固定枠56とを所定の位置関
係にすることができる。なお、切り込み部38の深さ
は、用いられる材料とその厚さによって適宜決定され
る。また、切り込み部38が形成された折り曲げ箇所を
事前に所定の折り曲げ量の半分程折り曲げておくことに
より、組立時における折り曲げが容易になるとともに、
折り曲げ位置の精度を高めることができる。また、ここ
ではパネル固定枠12とバックライト固定枠56との共
通な一辺における境界線に形成された切り込み部38に
ついて説明したが、バックライト固定枠56とシールド
ケース64との間においても、境界線には同様に切り込
み部が形成されている。なお、切り込み部は、図2に示
したように断面V字形状で連続したものでなく、例え
ば、ミシン目状に、貫通または非貫通の切り込みを設け
るようにしてもよい。
【0050】液晶パネル14は、上述したようにパネル
固定枠12とスペーサ30との間に配置される。液晶パ
ネル14は、アクティブマトリクス基板15と対向基板
24との間に液晶が封入され、それら基板15,24の
外面側に偏光板85(背面側の偏光板は図示せず)が貼
付されて形成されている。また、液晶パネル14は、液
晶注入後に液晶を密封するために、例えばUV硬化樹脂
などからなる封止部22を一つの端面に備えている。封
止部22は、信頼性の高い封止を実現するために、例え
ば液晶パネル14の端面23と封止部22との接触面積
を多くして外部からの空気等の侵入を防止することを目
的として端面23から盛り上がった形状の突出部として
形成されている。そして、液晶パネル14には、その端
子部に配線基板82、例えばFPC(可撓性配線基板)
が接続されている。
【0051】また、後に詳述するが、液晶パネル14
は、表示領域と、表示領域の周囲に形成された周辺回路
領域とを備えて形成されている。周辺回路領域には、例
えばアクティブマトリクス基板15上に形成されたポリ
シリコン層に、液晶パネル14の各画素を駆動する駆動
回路、液晶パネル14に表示する画像情報を生成する信
号回路、および液晶パネル14の動作を検査するための
検査回路などの少なくともいずれかが形成されている。
【0052】バックライトユニット40は、上述したよ
うにスペーサ30とバックライト固定枠56との間に配
置される。バックライトユニット40は、図1に示すよ
うに、光源部としての蛍光管50、導光板44、および
リフレクタ54を備えて形成されている。図示しない
が、バックライトユニット40は、さらに、導光板44
の前面側に配置されたレンズシートと、導光板44の背
面に配置された反射シートとを備えている。蛍光管50
には所定電圧の電源を接続するための接続部51を介し
てインバータ60の出力が接続される。導光板44は、
その一端面45に沿って蛍光管50が配置され、蛍光管
50からの光を液晶パネル14の全表示領域に向けて導
く。導光板は、蛍光管50の側において厚さが厚い、く
さび状の断面形状に形成されている。導光板44がこの
ようにくさび形状を備えることによって、導光板44か
ら液晶パネル14に向けて放射される光量が蛍光管50
の付近と蛍光管50から離れた位置とで均一化される。
リフレクタ54は、蛍光管50の周囲を導光板44の側
を除いて覆う。レンズシートは、導光板44の前面側に
配置されて光利用効率を向上させる。反射シートは、導
光板44の背面に配置されて導光板44から背面側に漏
れた光を前面側に反射させる。
【0053】電源としてのインバータ60は、バックラ
イト固定枠56とシールドケース64との間に配置さ
れ、バックライトユニット40の蛍光管50に電力を供
給する。インバータ60は、例えば入力された5Vの直
流電圧を、250V、100kHzの交流電圧として出
力して蛍光管50に供給する。インバータ50はバック
ライト固定枠56を挟んでバックライトユニット40の
すぐ背面側、しかも蛍光管50が配置される位置に近く
配置されるため、蛍光管50の接続部51までの配線を
短くすることができる。これによって、インバータ60
と蛍光管50との間の配線からのリーク電流が小さくな
り、高いエネルギー効率で蛍光管50を発光させること
ができる。また、配線が短くなるため、配線による寄生
容量を小さくすることができる。
【0054】パネル固定枠12は、図1に示したよう
に、第1枠部としての枠部12aを備え、液晶パネル1
4を前面側から固定し物理的に保護している。枠部12
aには、液晶パネル14の表示領域に対応した大きさの
表示窓13が設けられている。パネル固定枠12は、前
述したようにバックライト固定枠56と一辺を共通にし
て一体形成されており、パネル固定枠12とバックライ
ト固定枠56との間に、液晶パネル14、スペーサ3
0、およびバックライトユニット40が収められ、共通
な一辺の境界線で折り曲げられて、液晶パネル14、ス
ペーサ30、バックライトユニット40、およびバック
ライト固定枠56と所定の位置関係となる。このよう
に、液晶表示装置10は、パネル固定枠12とバックラ
イト固定枠56とが一辺を共通にして一体形成されてい
るため、殆ど工数を要することなく、パネル固定枠12
とバックライト固定枠56とを高精度に位置合わせして
製造できる。
【0055】また、パネル固定枠12は、バックライト
ユニット40の方向に向けて枠部12aから突出する第
1突出部としての突出部12bを備えている。突出部1
2bは、その先端付近にほぼ半球状の凸部12cを備え
ており、液晶表示装置10が組み立てられた後に、図3
に示すようにシールドケース64の背面側すなわちバッ
クライトユニット40の背面側に向けて折り曲げられ
て、凸部12cがシールドケース64の背面側に当接す
る状態となる。このように、突出部12bは、折り曲げ
た部分がシールドケース64の端部に当接してシールド
ケース64を押圧するだけでなく、凸部12cもシール
ドケース64を押圧することになるため、パネル固定枠
12と、シールドケース64を含む他の部分との一体性
をさらに確実に保つことができる。
【0056】スペーサ30は、第2枠部としての枠部3
0aを備え、枠部30aの内縁が開口領域を規定してい
る。その開口領域は、少なくとも前述した液晶パネルの
表示領域に対応する大きさの領域となっている。スペー
サ30は、液晶パネル14とバックライトユニット40
との間に配置されて、液晶パネル14を背面側から固定
し、バックライトユニット40を前面側から固定してい
る。このように、液晶パネル14とバックライトユニッ
ト40との間にスペーサ30が配置されていることによ
って、枠部30aによって液晶パネル14とバックライ
トユニット40との間に所定の間隙が形成され、干渉縞
の発生、および、液晶パネル14の画素とバックライト
ユニット40のレンズシートのストライプが光学的に干
渉することによって生じるモアレの発生を、防止してい
る。また、液晶パネル14とバックライトユニット40
との間にスペーサ30を配置することによって、液晶パ
ネル14とバックライトユニット40との間に間隙を設
けたので液晶パネル14とレンズシートとが当接せず、
レンズシートの傷つきや破損を防止できる。
【0057】また、スペーサ30は、枠部30aから突
出する第2位置決め部としての位置決め部30dを複数
備えている。複数の位置決め部30dは、それぞれ液晶
パネル14の端面に当接して、液晶パネル14を第2枠
部とほぼ平行な面内の所定位置に位置決めする。位置決
め部30dは、図1に示したように、その先端付近にほ
ぼ半球状の凸部を備えており、液晶パネルの側面を4辺
から弾性力により押圧することにより、短い工程で高精
度に液晶パネルを位置決め固定できる。このように、ス
ペーサ30に液晶パネル14を位置決めする複数の位置
決め部30dが設けられているため、スペーサ30と液
晶パネル14との位置ずれが生じ、枠部30aによって
バックライトユニット40からの光の一部が遮られて、
表示の一部が見えない状態となることを防止できる。さ
らに、液晶パネル14とスペーサ30との位置決めを、
両面テープなどを用いずに行うことができるため、両面
テープの貼付などのために表示が行えない額縁領域ひい
ては外形が増加することがなく、両面テープなどによっ
て重量や厚さが増加することもない。
【0058】なお、液晶パネル14の封止部22がある
端面23に対向する位置決め部30dは、突出する封止
部22を避けた位置に設けられて、液晶パネル14の端
面23に当接している。したがって、突出している封止
部22の存在にも拘わらず、液晶パネル14は、スペー
サ30の枠部30aとほぼ平行な面内の所定位置に安定
して位置決めされて固定される。
【0059】さらに、スペーサ30は、バックライトユ
ニットの方向に向けて枠部30aから突出する第2突出
部としての突出部30bを備えている。突出部30b
は、導光板44の端面に当接して、スペーサ30と導光
板44とを所定の位置関係に保つ。 図4は、液晶パネ
ル14、スペーサ30、およびバックライトユニット4
0を模式的に示す断面図である。この図に示すように、
スペーサ30においては、液晶パネル14の前述した周
辺回路領域170に対応する位置に枠部30aが形成さ
れている。このように、液晶パネル14とバックライト
ユニット40との間に位置するスペーサ30の枠部30
aが、表示領域130の周囲に位置する周辺回路領域1
70に対応する位置に形成されているため、バックライ
トユニット40から周辺回路領域170に及ぶ光や熱
を、枠部30aによって遮断することができる。本実施
形態の周辺回路領域170は、前述したように、基板1
6上に形成されたポリシリコン層に作り込まれているた
め、シリコン基板上に形成されたものに比べ光や熱の影
響を受けやすく、それらによりリーク電流などが発生し
やすい。しかしながら、スペーサ30の枠部30aが、
上述のようにバックライトユニット40から周辺回路領
域170に及ぶ光や熱を遮蔽するように形成されている
ため、周辺回路領域170に光や熱が及んでリーク電流
が発生する可能性を低減することができる。
【0060】バックライト固定枠56は、底面部57を
備え、バックライトユニット40を背面側から固定す
る。前述したように、パネル固定枠12とバックライト
固定枠56とは、一辺を共通にして一体形成されてい
る。また、バックライト固定枠56は、図1に示したよ
うに、底面部57から突出する第3位置決め部としての
位置決め部58を複数備えている。複数の位置決め部5
8は、バックライトユニット40の対応する端面の形状
に合わせた形状を持ち、しかもバックライトユニット4
0の端面に当接するように形成されており、それによっ
てバックライトユニット40を底面部57とほぼ平行な
面内の所定位置に位置決めする。したがって、バックラ
イトユニット40とバックライト固定枠56とを短い工
数で高精度に互いに位置合わせできる。また、バックラ
イトユニット40とバックライト固定枠56との位置決
めを、両面テープなどを用いずに行うことができるた
め、両面テープの貼付などのために発光面として用いる
ことができない額縁領域ひいては外形が増加することが
なく、両面テープなどによって重量や厚さが増加するこ
ともない。
【0061】また、複数の位置決め部58は、バックラ
イトユニット40の蛍光管50が配置された辺以外に対
応するものが、導光板44の端面のうち蛍光管50が配
置されていない端面47,46をそれぞれほぼ密着して
覆う平面状に形成されている。また、それら位置決め部
58の導光板44に面する側は、十分な反射率を備えて
形成されているため、それら位置決め部58によって蛍
光管50からの光の利用効率を向上させることができ
る。
【0062】そして、バックライト固定枠56の4辺に
より囲まれる面積は、パネル固定枠12の4辺により囲
まれる面積より小さく形成されている。これは、パネル
固定枠12が、液晶パネル14を保持固定するために少
なくとも液晶パネル14の全領域に対応する平面形状を
備える必要があり、バックライト固定枠56が液晶パネ
ル14の表示領域に対応する平面形状を有するバックラ
イトユニット40に対応した平面形状を持っていればよ
いためである。これによって、バックライト固定枠56
をパネル固定枠12とほぼ等しい平面形状とした場合に
比べて、バックライト固定枠56が小型となるため、液
晶表示装置10を表示領域の大きさに比し小型軽量とす
ることができる。
【0063】シールドケース64は、インバータ60を
背面側から覆っている。したがって、インバータ60は
バックライト固定枠56とシールドケース64との間に
配置されることになる。前述したように、バックライト
固定枠56とシールドケース64は、一辺を共通にして
一体形成されており、バックライト固定枠56とシール
ドケース64との間にインバータ60が収められ、共通
な一辺の境界線で折り曲げられて、バックライト固定枠
56とシールドケース64とが所定の位置関係となる。
また、この折り曲げは、前述したように、バックライト
固定枠56とシールドケース64に共通な一辺における
バックライト固定枠56とシールドケース64の境界線
に切り込み部が形成されているため、境界線において容
易に行うことができる。このように、シールドケース6
4がバックライト固定枠56と一体に形成されているた
め、殆ど工数を要することなく、高精度に、シールドケ
ース64とバックライト固定枠56とを位置合わせでき
る。
【0064】上述したように、本実施形態の表示装置と
しての液晶表示装置10においては、パネル固定枠12
とバックライト固定枠56、および、バックライト固定
枠56とシールドケース64が、それぞれ一辺を共通に
して折り曲げ可能に一体形成されている。そして、それ
らとスペーサ30とを含む枠部材の間に液晶パネル1
4、およびバックライトユニット40を、両面テープな
どを用いることなく、位置決め部によって位置決めし、
突出部によって固定して形成できる。そのため、両面テ
ープなどを用いる場合のように、微妙な位置合わせを行
う必要がなく、短い工数で高精度に位置合わせして表示
装置を製造することができる。また、固定に両面テープ
などを用いる場合のように、両面テープなどを用いた領
域が表示に使用できない領域となってしまうことがない
ため、表示装置の額縁領域を小さくすることができる。
さらに、両面テープなどを用いないため、両面テープな
どの分だけ表示装置の厚さが増したり、重量が増加する
ことがなく、小型軽量化できる。そして、両面テープな
どを用いる場合のように、高温高湿環境下や低温環境下
での使用または経時変化等により粘着力が低下して剥が
れなどが発生することがないため、そのような原因のた
めに表示パネルとスペーサやバックライトユニットなど
との間で位置ずれが生じて、表示領域の一部が見えない
状態となったりする可能性がなく、高い信頼性を備えた
表示装置が得られる。
【0065】1.2 表示パネル 図5は、本実施形態の表示パネルとしての液晶パネル1
4の平面図である。また、図6は、液晶パネル14の端
部付近における詳細を示す部分断面図であり、図5に描
いた線H−Iに沿った位置に対応している。
【0066】これらの図に示すように、液晶パネル14
は、石英ガラスまたは耐熱ガラスなどで形成された基板
16の表面にITO(Indium Tin Oxide)膜からなる画
素電極17がマトリクス状に形成されたアクティブマト
リクス基板15と、やはり石英ガラスまたは耐熱ガラス
などで形成された基板25の表面に対向電極26が形成
された対向基板24と、これらの基板間に封入、挟持さ
れている液晶86とから概略構成されている。ここで、
アクティブマトリクス基板15では、基板16の表面の
うち、画素スイッチング用のTFT18が形成されてい
る領域の下層側には遮光膜19が形成され、その表面に
保護膜20が形成された後、TFT18および画素電極
17が形成された構成になっている。なお、この液晶パ
ネル14を用いてカラー表示を行う場合には、対向基板
24の各画素に対向する領域にカラーフィルタが形成さ
れる。
【0067】アクティブマトリクス基板15と対向基板
24とは、それらの間に分散配置されたギャップ材(図
示せず)によって所定間隔に保たれ、対向基板24の外
周縁に沿って配置されたシール材76によって貼り合わ
されている。このようにして、アクティブマトリクス基
板15、対向基板24、およびシール材76によって画
成された領域に、電気光学物質としての液晶86が封入
されている。ここで、図5に示したようにシール材76
は部分的に途切れて配置されており、その途切れた部分
が液晶注入口80となっている。このため、対向基板2
4とアクティブマトリクス基板15とを貼り合わせた
後、シール材76の内側領域を減圧状態にすることによ
って、液晶注入口80から液晶86を減圧注入すること
ができる。液晶86が注入された後に、液晶注入口80
は、樹脂からなる封止部22によって封止される。
【0068】アクティブマトリクス基板15において
は、表示領域の周辺に周辺回路領域が設けられ、この領
域に、画素スイッチング用のTFT18と同時形成され
た駆動回路用のTFT(図示せず)を用いて構成された
走査線駆動回路171やデータ線駆動回路174が形成
されている。なお、アクティブマトリクス基板15の端
部に形成された入出力端子81は、対向基板24からは
み出した領域に位置している。
【0069】対向基板24には、シール材76の形成領
域の内側であって表示領域でない領域を遮光する遮光膜
27、およびアクティブマトリクス基板15の各画素電
極17の境界領域に対応する領域を遮光する遮光膜28
が形成され、これらの遮光膜27、28の表面側に対向
電極26が形成されている。
【0070】また、液晶パネル14は、アクティブマト
リクス基板15および対向基板24の光入射側および光
出射側の面に、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラ
ックモードの別に応じて、プラスチックシートを用いて
形成された偏光板84,85(偏光シート)が所定の向
きに配置される。
【0071】なお、本実施形態では、アクティブマトリ
クス基板15の方から光が入射して、対向基板24の方
から出射される構成になっているが、その逆に、対向基
板24の方から光が入射して、アクティブマトリクス基
板15の方から出射される構成であってもよい。
【0072】このように構成した液晶パネル14におい
て、アクティブマトリクス基板15では、データ線(図
示せず)およびTFT18を介して画素電極17に印加
した画像信号によって、画素電極17と対向電極26と
の間において液晶86の配向状態を画素毎に制御し、画
像信号に対応した所定の画像を表示する。例えば、液晶
パネル14をTNモードで構成した場合に、一対の基板
間(アクティブマトリクス基板15と対向基板24)の
各々に形成した配向膜21,29に対してラビング処理
を行う際にラビング方向を互いに直交する方向に設定す
ると、液晶86は、基板間で90°の角度をもって捩じ
れ配向する。このような捩じれ配向は、基板間で液晶8
6に電場をかけることによって解放される。したがっ
て、基板間に外部から電場を印加するか否かによって、
液晶86の配向状態を画素電極17が形成されている領
域毎(画素毎)に制御することができる。そのため、透
過型の液晶パネル14であれば、光源すなわちバックラ
イトユニット40からの光は、入射側の偏光板84によ
って所定の直線偏光に揃えられた後、液晶86の層に入
射し、ある領域を透過する直線偏光は、旋光されて偏光
面が捩じられて出射される一方、他の領域を通過した直
線偏光は、旋光されず偏光面が捩じられることなく出射
する。このため、入射側の偏光板84と出射側の偏光板
85を互いの透過軸が直交するように配置しておけば
(ノーマリホワイト)、液晶パネル14の出射側に配置
された偏光板85を通過するのは、液晶86によって偏
光面が捩じられた方の直線偏光のみである。これに対し
て、入射側の偏光板84と透過軸が平行になるように出
射側の偏光板85を配置しておけば(ノーマリブラッ
ク)、液晶パネル14の出射側に配置された偏光板85
を通過するのは、液晶86によって偏光面が捩じられる
ことのなかった直線偏光のみである。よって、液晶86
の配向状態を画素毎に制御すれば、任意の情報を表示す
ることができる。
【0073】したがって、アクティブマトリクス基板1
5においてデータ線および画素スイッチング用のTFT
18を介して画素電極17に画像信号を供給するととも
に、対向電極26にも所定の電位を印加する必要があ
る。そこで、液晶パネル14では、アクティブマトリク
ス基板15の表面のうち、対向基板24の各コーナー部
に対向する部分には、データ線などの形成プロセスを利
用してアルミニウム膜(遮光性材料)からなる上下導通
用の第1導通電極78が形成されている。一方、対向基
板24の各コーナー部には、対向電極26の形成プロセ
スを援用してITO膜(光透過性材料)からなる上下導
通用の第2導通電極79が形成されている。さらに、こ
れらの上下導通用の第1導通電極78と第2導通電極7
9とは、エポキシ樹脂系の接着剤成分に銀粉や金めっき
ファイバーなどの導電粒子が配合された導通材77によ
って電気的に導通している。そのため、液晶パネル14
では、アクティブマトリクス基板15および対向基板2
4のそれぞれにフレキシブル配線基板などを接続しなく
ても、アクティブマトリクス基板15のみにフレキシブ
ル配線基板82を接続するだけで、アクティブマトリク
ス基板15および対向基板24の双方に所定の信号を入
力することができる。
【0074】図7は、上述のような構造を持つ液晶パネ
ル14の電気的な構成を模式的に示すブロック図であ
る。この図に示すように、液晶パネル14には、表示領
域130と周辺回路領域170とが設けられている。
【0075】表示領域130には、データ線131およ
び走査線132と、データ線131および走査線132
に接続された画素スイッチング用のTFT18と、この
TFT18を介してデータ線131から画像信号が入力
される液晶セル135が存在する。液晶セル135は、
前述した液晶86を含んで構成される。また、TFT1
8と液晶セル135とを含んで形成される各画素は、容
量線133との間に容量素子136を備え、この容量素
子136は、液晶セル135における電荷の保持特性を
高める機能を果たしている。
【0076】周辺回路領域170は、走査線駆動回路1
71およびデータ線駆動回路174を備えている。走査
線駆動回路171は、走査線132に接続され、シフト
レジスタ172およびレベルシフタ173を含んで構成
される。データ線駆動回路174は、データ線131に
接続され、シフトレジスタ175、レベルシフタ17
6、ビデオライン177、スイッチ178を含んで構成
される。
【0077】1.3 表示装置を備えた電子機器 図8(A)、(B)、および(C)は、本実施形態の表
示装置である液晶表示装置10を表示部として用いた電
子機器の例を示す外観図である。図8(A)は、携帯電
話機88であり、その前面上方に液晶表示装置10を備
えている。図8(B)は、腕時計92であり、本体の前
面中央に液晶表示装置10を用いた表示部が設けられて
いる。図8(C)は、携帯情報機器96であり、液晶表
示装置10からなる表示部と入力部98とを備えてい
る。これらの電子機器は、液晶表示装置10の他に、図
示しないが、表示情報出力源、表示情報処理回路、クロ
ック発生回路などの様々な回路や、それらの回路に電力
を供給する電源回路などからなる表示信号生成部を含ん
で構成される。表示部には、例えば携帯情報機器の場合
にあっては入力部98から入力された情報等に基づき表
示信号生成部によって生成された表示信号が供給される
ことによって表示画像が形成される。
【0078】なお、本実施形態の液晶表示装置10が組
み込まれる電子機器としては、携帯電話機、腕時計、お
よび携帯情報機器に限らず、ノート型パソコン、電子手
帳、ページャ、電卓、POS端末、ICカード、ミニデ
ィスクプレーヤなど様々な電子機器が考えられる。
【0079】2. <第2実施形態> 第1実施形態においては、スペーサの枠部のほぼ全体が
液晶パネル14に接触する例を示した。本実施形態は、
スペーサが壁部を備え、その壁部によって、枠部と表示
パネルとの間隔を保ち、しかもバックライトユニットか
ら周辺回路領域への光漏れを防ぎ熱伝達を低減させる点
が、第1実施形態とは異なる。それ以外については、第
1実施形態と同様に構成されており、その説明を省略す
る。また、図面において、第1実施形態と同様な各部に
は、第1実施形態と同一の符号を付す。
【0080】2.1 スペーサ 図9は、便宜的に本実施形態のスペーサ180のみを、
前面側すなわち液晶パネル14に面する側から見た斜視
図である。また、図10は、液晶パネル14、スペーサ
180、およびバックライトユニット40を示す模式的
な分解断面図である。なお、これらの図においては、突
出部30bおよび位置決め部30dは省略して描いてあ
る。
【0081】これらの図に示すように、スペーサ180
は、枠部31aの内縁に沿って壁状に連続して形成され
た均一高の壁部181と、枠部31a上に壁部181と
同一高に形成された複数の凸部183とを備えている。
壁部181によって、囲まれる領域、すなわちスペーサ
の開口領域182は、図10に示すように液晶パネル1
4の表示領域130に対応している。スペーサ180
は、この位置関係で壁部181と凸部183とが液晶パ
ネル14に当接するように配置される。これによって、
枠部30aと表示パネル14との間隔は壁部181の高
さに保たれる。しかも、壁部181はスペーサ180の
開口領域182を囲んで連続した壁状に形成されている
ため、バックライトユニット40から、液晶パネル14
の周辺回路領域170への光漏れを防防ぎ熱伝達を低減
させることができる。
【0082】本実施形態においては、スペーサ180に
設けられた壁部181と183によって、液晶パネル1
4とバックライトユニット40との間の距離が、壁部1
81の高さ分だけ広がることになるため、バックライト
ユニット40の熱による液晶パネル14に対する影響を
さらに低減することができる。また、モワレや干渉縞の
発生状況に合わせて壁部181と183の高さを適切に
設定して、液晶パネル14とバックライトユニット40
との隙間を最適にしてモワレや干渉縞の発生を防止する
ことが可能である。しかも、壁部181はバックライト
ユニット40から周辺回路領域170への光漏れを防
ぎ、熱の伝達を低減するように、スペーサ180の開口
領域182を囲んで連続した壁状に形成されているた
め、バックライトユニット40からの光や熱による液晶
パネル14特にその周辺回路領域170に対する影響も
防ぐことができる。更に、壁部181として、弾性を有
する部材を用いると、液晶パネルとバックライトの外部
からの衝撃を吸収することができるため、信頼性を向上
させることができる。
【0083】2.2 第2実施形態の変形例 スペーサ180の壁部は、枠部31aの内周からのみで
はなく、例えば、液晶パネル14、スペーサ180、お
よびバックライトユニット40を示す模式的な分解断面
図である図11に示すように、樹脂材料などによって枠
部31a全体が厚さを増すように形成した壁部185と
してもよい。壁部185は金属でもよいし、弾性を有す
る材料でもよい。すなわち、壁部185が液晶パネル1
4の周辺回路領域170に対応する平面形状をもって形
成されるようにしてもよい。これによっても、液晶パネ
ル14とバックライトユニット40との間の距離が、壁
部185の高さ分だけ広がることになるため、バックラ
イトユニット40の熱による液晶パネル14に対する影
響を低減することができる。また、壁部185によって
バックライトユニット40から周辺回路領域170への
光漏れが防止され熱の伝達が低減されるため、バックラ
イトユニット40からの光や熱による液晶パネル14に
対する影響も防ぐことができる。
【0084】3. <他の変形例> ここで、前述した各実施形態に適用可能な変形例につい
て説明する。なお、下記の各変形例においては前述した
各実施形態と異なる点のみ記載して説明する。
【0085】3.1 前述した各実施形態においては、
パネル固定枠12とバックライト固定枠56、および、
バックライト固定枠56とシールドケース64が、それ
ぞれ一辺を共通にして一体形成されている例を示した。
しかしながら、パネル固定枠12とバックライト固定枠
は一辺を共通にして一体形成し、シールドケースは別体
として形成してもよい。
【0086】3.2 前述した各実施形態においては、
パネル固定枠12、スペーサ30、バックライト固定枠
56、およびシールドケース64が金属で形成される例
を示したが、これらは、樹脂例えば、アクリル樹脂、ポ
リプロピレン、または塩化ビニール樹脂などで形成して
もよい。
【0087】このように、パネル固定枠12、スペーサ
30、バックライト固定枠56、およびシールドケース
64を樹脂で形成することによって、それらを介した熱
の伝導が少なく、それらによって電気的に絶縁された表
示装置を形成することができる。さらに、回路部分など
からリーク電流が、パネル固定枠12、スペーサ30、
バックライト固定枠56、またはシールドケース64に
流れ出すことも少ない。
【0088】3.3 前述した各実施形態においては、
パネル固定枠12とバックライト固定枠56、および、
バックライト固定枠56とシールドケース64の少なく
ともいずれかの対において、共通な一辺の境界線に予め
切り込み部を形成することによって、一体形成された各
枠部材をそれらの境界線で容易に折り曲げ加工して形成
するようにしていた。しかしながら、このように切り込
み部を設けずに、それぞれの境界線において、予め所定
の角度より大きな角度で折り曲げプレスを施して折り曲
げ部を形成しておき、組立時に所定の角度まで折り曲げ
るようにしてもよい。このように、予め折り曲げ部を形
成しておくことによって、その位置で容易に折り曲げ
て、パネル固定枠12とバックライト固定枠56、およ
び、バックライト固定枠56とシールドケース64のそ
れぞれの対を所定の位置関係とすることができる。
【0089】3.4 前述した各実施形態においては、
表示パネルとして透過型の液晶パネル14を用いた表示
装置10の例を示したが、表示パネルは透過型の液晶パ
ネルに限らず、反射型の液晶パネル、CRTパネル、プ
ラズマパネル、FED(FieldEmission Display)パネル
などの、他の表示パネルであってもよい。なお、表示パ
ネルとして、CRTパネル、プラズマパネル、またはF
EDパネルなどの自己発光型の表示パネルを用いた場
合、または反射型の液晶パネルを用いた場合には、バッ
クライトユニットおよびバックライト固定枠56は不要
となる。
【0090】3.5 さらに、前述した各実施形態にお
いては、光源部として冷陰極ランプなどの蛍光管を用い
る例を示したが、光源部として発光ダイオード(LE
D)などを用いてもよい。
【0091】以上、本発明の実施形態を説明したが、本
発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内または特許請求の範囲の均等範囲
内でさらに各種の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶表示装置を示す模式的な分
解斜視図である。
【図2】パネル固定枠とバックライト固定枠との共通な
一辺の境界線付近を折り曲げ前の状態として示す断面図
である。
【図3】パネル固定枠の突出部をシールドケースの背面
側に向けて折り曲げて液晶表示装置を形成した状態を示
す側面図である。
【図4】液晶パネル、スペーサ、およびバックライトユ
ニットの位置関係を模式的に示す断面図である。
【図5】第1実施形態の液晶パネルを示す平面図であ
る。
【図6】図5に示した線H−Iに沿った位置における部
分断面図である。
【図7】第1実施形態の液晶パネルの電気的構成を示す
ブロック図である。
【図8】第1実施形態の液晶表示装置を用いた電子機器
を示す外観図であり、(A)は携帯電話機であり、
(B)は腕時計であり、(C)は携帯情報機器である。
【図9】第2実施形態のスペーサのみを、前面側すなわ
ち液晶パネルに面する側から見た斜視図である。
【図10】第2実施形態における、液晶パネル、スペー
サ、およびバックライトユニットの位置関係を示す模式
的な分解断面図である。
【図11】第3実施形態の変形例における、液晶パネ
ル、スペーサ、およびバックライトユニットの位置関係
を示す模式的な分解断面図である。
【符号の説明】
10 液晶表示装置 12 パネル固定枠 12a 枠部(第1枠部) 12b 突出部(第1突出部) 14 液晶パネル 30,180 スペーサ 30a 枠部(第2枠部) 30b 突出部(第2突出部) 30d 位置決め部(第2位置決め部) 38 切り込み部 40 バックライトユニット 44 導光板 50 蛍光管(光源部) 54 リフレクタ 56 バックライト固定枠 57 底面部 58 位置決め部(第3位置決め部) 60 インバータ(電源) 64 シールドケース 88 携帯電話機(電子機器) 92 腕時計(電子機器) 96 携帯情報機器(電子機器) 130 表示領域 170 周辺回路領域 181,185 壁部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示パネルと、 前記表示パネルの背面側に配置され、前記表示パネルに
    向けて光を放射するバックライトユニットと、 第1枠部を備え、前記表示パネルを前面側から固定する
    パネル固定枠と、 底面部を備え、前記バックライトユニットを背面側から
    固定するバックライト固定枠と、 を有し、 前記パネル固定枠と前記バックライト固定枠とが一体形
    成されていることを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記パネル固定枠と前記バックライト固定枠とに共通な
    一辺を有し、前記共通な一辺には、前記パネル固定枠と
    前記バックライト固定枠との境界線に切り込み部が形成
    されていることを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記パネル固定枠は、前記バックライトユニットの方向
    に向けて前記第1枠部から突出する第1突出部を有する
    ことを特徴とする表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 前記パネル固定枠および前記バックライト固定枠は、金
    属で形成されていることを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記パネル固定枠または前記バックライト固定枠のいず
    れかが一点で接地されていることを特徴とする表示装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 前記パネル固定枠および前記バックライト固定枠は、樹
    脂で形成されていることを特徴とする表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかにお
    いて、 前記バックライト固定枠は、前記底面部から前記バック
    ライトユニットの端面に沿って立設されて、前記バック
    ライトユニットを前記底面部とほぼ平行な面内の所定位
    置に位置決めする、複数の第3位置決め部を有すること
    を特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記バックライトユニットは、導光板と、該導光板の一
    端面に沿って配置された光源部と、該光源部の周囲を前
    記導光板の側を除いて覆うリフレクタとを備え、 前記複数の第3位置決め部は、前記バックライトユニッ
    トの前記光源部が配置された辺以外に対応するものが、
    前記光源部が配置された以外の前記導光板の端面を覆う
    平面状に形成されていることを特徴とする表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかにお
    いて、 第2枠部を備え、前記表示パネルを背面側から固定し、
    かつ、前記バックライトユニットを前面側から固定する
    スペーサをさらに有することを特徴とする表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記スペーサは、前記バックライトユニットの方向に向
    けて前記第2枠部から突出する第2突出部を有すること
    を特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10において、 前記スペーサは、前記第2枠部から立設されて前記表示
    パネルの端面に当接して、前記表示パネルを前記第2枠
    部とほぼ平行な面内の所定位置に位置決めする複数の第
    2位置決め部を有することを特徴とする表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項9ないし請求項11のいずれか
    において、 前記表示パネルは、表示領域と、前記表示領域の周囲に
    形成された周辺回路領域と、を備え、 前記スペーサの前記第2枠部は、前記周辺回路領域に対
    応する位置に形成されていることを特徴とする表示装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記スペーサは、前記第2枠部と前記表示パネルとの間
    隔を保ち、かつ、前記バックライトユニットから前記周
    辺回路領域への光漏れを防ぐ壁部を備えることを特徴と
    する表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項9ないし請求項13のいずれか
    において、 前記バックライト固定枠の4辺により囲まれる面積は、
    前記パネル固定枠の4辺により囲まれる面積より小さい
    ことを特徴とする表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項14のいずれか
    に記載の表示装置を表示手段として有することを特徴と
    する電子機器。
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