JP2001152360A - セラミックス誘電体膜の形成方法、セラミックス誘電体膜/基板の積層構造体、及び電気−機械変換素子 - Google Patents

セラミックス誘電体膜の形成方法、セラミックス誘電体膜/基板の積層構造体、及び電気−機械変換素子

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JP2001152360A
JP2001152360A JP33418699A JP33418699A JP2001152360A JP 2001152360 A JP2001152360 A JP 2001152360A JP 33418699 A JP33418699 A JP 33418699A JP 33418699 A JP33418699 A JP 33418699A JP 2001152360 A JP2001152360 A JP 2001152360A
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substrate
forming
ceramic dielectric
ceramic
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JP33418699A
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English (en)
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Zenichi Akiyama
善一 秋山
Jun Aketo
純 明渡
Rebedefu Maxym
レベデフ マキシム
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Ricoh Co Ltd
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超微粒子をノズルを介して基板に噴射させて
膜を形成するガスデポジション法において、各種成膜条
件の最適化を図ることにより、安定した膜質を提供す
る。 【解決手段】 ガスデポジション法における膜体積原理
を解明し、各工程における成膜条件を抽出してその最適
化を行った。ガスデポジション法は、真空槽50の内部
でセラミックス粉体を含むエアロゾルをノズル54から
噴射させ、マスク53のパターン開口を通して基板ホル
ダ52に保持された基板に対して膜形成を行うもので、
本願では、各工程の最適化条件として、セラミックス粉
体の形状特性,エアロゾル形成室30における圧力及び
配管構成,成膜室におけるエアロゾルの噴射速度,成膜
室50における圧力,成膜用の基板の素材と基板温度,
基板厚さ,形成する膜の膜圧,セラミックス粉体の素
材,膜形成したセラミックス膜への後処理条件等を抽出
し、各条件において最適範囲を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス誘電
体膜の製造方法、セラミックス誘電体膜/成膜用基板の
積層構造体、及び電気−機械変換素子に関し、より詳細
にはガスデポジション法によるセラミックス(主に誘電
体セラミックス,圧電セラミックス)の膜形成技術に関
し、主にSi基板上に形成される誘電体セラミックス厚
膜、圧電セラミックス厚膜が形成された、基板材料を所
望する形状に加工することでなるアクチュエータ、もし
くはセンサ等に応用可能な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスデポジション法は、例えば、特許第
1660799号に記されている超微粒子を用いた膜形
成法であって、真空蒸着法と同様に金属加熱源および真
空容器を配置させ、金属蒸気から超微粒子を形成し、こ
の超微粒子からなる膜を形成する方法である。この様な
ガスデポジション法による金属膜の形成はNi,Cuな
どの配線材料で実用化され、具体的には各種プリント配
線基板の断線修復や半導体装置における表面実装用パッ
ド電極の形成などに適用されている。
【0003】一方、金属材料とは異なり酸化物セラミッ
クス材料の超微粒子を用いた膜形成も提案されている。
例えば、特開平3−93606号公報には、Bi−Pb
−Sr−Ca−Cu−Oからなる酸化物超伝導厚膜の形
成法が示されている。また特開平4−188503号公
報では、BaTiO3セラミックス誘電体厚膜とこの耐
圧を確保する為の高分子塗膜の複合膜に関する形成法が
記されている。特開平6−93418号公報では、広範
な微粒子材料を用い、ガスデポジション法にてパターン
化された厚膜を形成する方法が記されている。
【0004】また特開平8−230181号公報、及び
特開平8−267763号公報では、ガスデポジション
法により鉛系圧電セラミックス素子を形成し、これを用
いたインクジェット用プリンターヘッドへの展開が記さ
れている。また特開平9−268378号公報において
は、ガスデポジション中の基板装着ステージを稼動さ
せ、簡易に大面積の膜形成を得る作製方法が記されてい
る。また本発明者らにより出願された特開平10−20
2171号公報においては、超微粒子をノズルから基板
に噴射する時の膜堆積によるノズル/膜表面距離関係を
一定に保つことで微細形状物を得る作製法及びその装置
について開示されている。
【0005】粉体および粉末冶金Vol.42 No.3
(1995)314においては、強誘電体ジルコン酸チ
タン酸鉛(PZT)をNi膜を堆積したSi基板上に室
温でガスデポジション成膜し、比誘電率、絶縁抵抗特性
を向上させる為の熱処理を施すことが報告されている。
またPZT膜はJpn.J.Appl.Phys.Vo
l.36(1997)1159においてPt膜を堆積し
たSi基板上に、基板温度700℃にてガスデポジショ
ン成膜し、その後900℃程の高温にて熱処理を施し、
強誘電ヒステリシス特性や圧電性に起因したインピーダ
ンス共振特性が示されている。
【0006】以上のごとくに、既報告例は多数あるもの
の、酸化物微粒子を用いたガスデポジション法による膜
形成は多数の課題を有し、実用化にいたっていない。す
なわち金属超微粒子成膜の工業的成功と比較して、その
技術の完成度は低いものである。
【0007】本発明が適用される酸化物超微粒子を用い
たガスデポジション法は図1に示す装置により実行され
る。He,O2ガスやAir(空気)、またはこれら混
合ガスをキャリアガスとして供給するためのガスボンベ
10、及びエアロゾル形成室までのガス搬送管20、超
微粒子粉体pを入れた容器に加振機構を設置し、固体
(超微粒子)気体永久懸濁状態、いわゆるエアロゾルを
形成するエアロゾル形成槽30、形成されたエアロゾル
を捕獲してノズル54まで搬送する管40、真空排気装
置60、その真空排気装置60により減圧状態を形成す
る真空槽50から構成され、真空槽50には、膜形成基
板を移動させるX−Y−Zθステージ51と、基板ホル
ダ52と、マスクパターン53と、エアロゾルを射出す
るノズル54とが配されている。
【0008】図10は、従来報告などにより示された条
件、または本発明者らの開発初期に見られたガスデポジ
ション法における成膜の不安定性を示すチャートであ
る。これはPZT粉体を用いキャリアガス(搬送気体)
流量を変化させた場合の例である。図10に示すものは
接触式段差計の測定結果であり、粒子衝突領域での窪み
が観察される。流量4SLM時には成膜がなされ、一方
図示するごとくの8l/minや13.5l/minの
流量では、基板が衝突粒子によりブラストされ、成膜に
は至らない事を示している。
【0009】同一粉体を用いても、搬送気体流量のみを
変化させただけで、成膜もしくはブラストというような
相反する結果が導かれる。この事は、成膜条件の適正化
が成されなければ成膜は実行できないことを示す証拠で
ある。そして、安定した成膜を実行するには、用いる粉
体の素性、膜堆積に寄与する粉体の分級、ノズル噴射時
の粉体速度、及びこれらを実現させる為のエアロゾル形
成室及び膜堆積室の圧力、膜堆積させる為の基板種、及
び基板種に対応した成膜時の基板温度等の条件の最適化
がなされなければ、再現性のある成膜には至らない。
【0010】またセラミックス誘電膜として鉛系圧電セ
ラミックスからなる厚膜を形成する場合、その圧電性発
現の為の成膜後の熱処理条件、及び分極条件の適正化が
必要になる。さらに付け加えて、従来既報ではこれら詳
細な条件の記述は示されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたものであり、超微粒子をノズル
を介して基板に噴射させて膜を形成するガスデポジショ
ン法において、制御しなければならない各種成膜条件の
適正化をはかり、この手法による安定した膜質の提供を
はかることを目的とするものである。以下に各請求項に
対応した目的を記載する。
【0012】請求項1の発明は、ガスデポジション成膜
法にふさわしい微粒子粉体を提供すること、請求項2の
発明は、エアロゾル形成室の適正な圧力条件を提供する
こと、請求項3の発明は、エアロゾル取り出し管の位置
の適正な条件を提供すること、請求項4の発明は、ノズ
ル孔から噴射する粒子の適正な速度条件を提供するこ
と、請求項5の発明は、成膜室の適正な圧力条件を提供
することを目的とするものである。
【0013】請求項6ないし8の発明は、成膜に用いる
基板種と、その基板に依存する成膜温度条件とを提供す
ること、請求項9の発明は、本発明のガスデポジション
成膜法により形成する適正な膜厚範囲を提供すること、
請求項10の発明は、本発明のガスデポジション成膜法
より形成する誘電体セラミックス膜として鉛系圧電セラ
ミックスを用いること、請求項11の発明は、強誘電性
を発現させるための圧電セラミックス膜に対する効果的
な熱処理条件を提供すること、請求項12の発明は、圧
電セラミックスにおいて、圧電特性を出現させる為の効
果的な分極条件を提供することを目的とするものであ
る。
【0014】請求項13の発明は、高効率化を図ったユ
ニモルフ素子としての圧電膜/金属製基板積層構造体を
提供すること、請求項14の発明は、最適な加工法によ
り作製された圧電膜/Si基板積層構造体を提供するこ
と、請求項15の発明は、高効率化を図ったユニモルフ
素子としての圧電膜/セラミックス製基板積層構造体を
提供すること、請求項16の発明は、圧電膜/基板積層
構造の電気−機械変換素子を提供することを目的とする
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
上にガスデポジション法を用いてセラミックス誘電体膜
を形成する方法において、膜形成を行うセラミックス誘
電体として、比表面積が1.0〜10m2/g、または光
散乱法より求められる平均粒径が0.1〜2μm、また
は走査型電子顕微鏡観察により求められる平均粒径が
0.08〜1.2μmの値を有するセラミックス粉体を用
いることを特徴としたものである。
【0016】請求項2の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、膜形成を行うセラミックス誘電体を含んだエア
ロゾルを形成するためのエアロゾル形成室の圧力を10
0〜760Torr(1.33322×104〜1.01
32472×105Pa)の範囲にて制御し、振動攪拌
及びキャリアガスの導入により前記エアロゾルを形成す
ることを特徴としたものである。
【0017】請求項3の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、膜形成を行うセラミックス誘電体を含んだエア
ロゾルを形成するためのエアロゾル形成室のキャリアガ
ス導入孔を、該エアロゾル形成室に導入したセラミック
ス誘電体に埋没せしめ、かつ振動撹拌により形成される
エアロゾルを取り出す取り出し管の先端と該セラミック
ス誘電体の表面との距離が5〜100mmとなるように
設定した状態で前記エアロゾルを形成することを特徴と
したものである。
【0018】請求項4の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、ノズル孔からセラミックス誘電体を含むエアロ
ゾルを噴射し、かつ前記セラミックス誘電体の噴射速度
を50〜450m/sの速度範囲で制御して、該セラミ
ックス誘電体により成膜用基板上に膜形成を行うことを
特徴としたものである。
【0019】請求項5の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜室の圧力を0.1〜80Torr(1.33
322×101〜1.066576×103Pa)の範囲
に設定した状態で、セラミックス誘電体により成膜用基
板上に膜形成することを特徴としたものである。
【0020】請求項6の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜用基板として金属材料からなる金属基板を
用い、膜形成時の基板温度を室温〜400℃の範囲とす
ることを特徴としたものである。
【0021】請求項7の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜用基板として電極膜を堆積したSi基板を
用い、膜形成時の基板温度を400〜700℃の範囲と
することを特徴としたものである。
【0022】請求項8の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜用基板として電極膜を堆積したセラミック
ス基板を用い、膜形成時の基板温度を室温〜850℃の
範囲とすることを特徴としたものである。
【0023】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれかの発明において、セラミックス誘電体膜の膜厚を
2〜1000μmの範囲とすることを特徴としたもので
ある。
【0024】請求項10の発明は、請求項1ないし9の
いずれかの発明において、前記セラミックス誘電体とし
て、その組成に鉛を含む圧電セラミックス材料を用いる
ことを特徴としたものである。
【0025】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、成膜用基板上に形成した前記圧電セラミックス
の膜に、400〜1000℃の温度範囲にて熱処理を施
すことを特徴としたものである。
【0026】請求項12の発明は、請求項10または1
1の発明において、前記圧電セラミックスの膜上に電極
膜を配置し、40〜100kV/cmの直流電界にて分
極処理を施すことを特徴としたものである。
【0027】請求項13の発明は、請求項6及び9ない
し12のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形
成方法により作製したセラミックス誘電体膜/成膜用基
板の積層構造体であって、前記金属基板として、10〜
1000μmの範囲の厚さの金属基板を用いることを特
徴としたものである。
【0028】請求項14の発明は、請求項7及び9ない
し12のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形
成方法により作製したセラミックス誘電体膜/成膜用基
板の積層構造体であって、前記Si基板の膜堆積面の裏
面側より、該Si基板に対し部分的にエッチング処理を
施してなることを特徴としたものである。
【0029】請求項15の発明は、請求項8ないし12
のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法
により作製したセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積
層構造体であって、前記セラミックス基板として、10
〜1000μmの範囲の厚さのセラミックス基板を用い
ることを特徴としたものである。
【0030】請求項16の発明は、請求項13ないし1
5のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜/成膜用
基板の積層構造体からなる電気−機械変換素子である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明は酸化物微粒子を用いたガ
スデポジション法の膜堆積原理の解明を行い、その原理
に基づき各工程における条件の抽出を完了した。結果と
して適正化された条件でのみ再現性の高い膜形成が可能
になった。
【0032】(請求項1の発明)比表面積が1.0〜1
0m2/g、または、光散乱法より求められる平均粒径
が0.1〜1μm、または、走査型電子顕微鏡観察によ
る平均粒径が0.08〜1.2μmの値を有するセラミッ
クス粉体を用いることで、再現性の高い膜形成を行うこ
とができる。例えば、セラミックス粉の比表面積が10
2/gを越える場合には、粉体が降り積もった様な、
いわゆる圧粉体しか形成することができず、この圧粉体
は容易に剥離することが可能であり、基板に対し強固な
接着力を有する緻密な膜形成には至らない。
【0033】一方、比表面積1.0m2/gより小さい値
を有するセラミックス粉体の場合、またはSEM(走査
型電子顕微鏡)観察で平均粒径1.2μm以上のセラミ
ックス粉体の場合、または他の計測手法により比較的粗
い粒子を用いた場合の成膜においては、ブラスト作用に
より基板のエッチングが発生し、膜形成には至らない。
【0034】上記の比表面積はBET法により求める。
また光散乱法は界面活性剤としてポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテルを添加した0.2wt%水溶液
に粉体を添加し、強力超音波ホモジナイザーにて3分間
分散し、市販の計測器(例えば日機装MICROTRA
C−UPA150)を用いて30秒以内に計測を終了さ
せ、データを得る。本発明による光散乱法による平均粒
径は、平均体積径を意味する。走査型電子顕微鏡にはF
E−SEMを用い、写真倍率20000倍の像を各視野
で撮影し、インターセプト法により粒子試料数100個
以上の測長を行い、相加平均にて算出する。
【0035】(請求項2の発明)ガスデポジション成膜
装置において、エアロゾル形成室の圧力を検出する機構
を付与し、この圧力範囲の適正値を求めた。粉体のハン
ドリングでは配管内の粉体析出による目詰まりが頻繁に
発生するが、これは安定したエアロゾル供給、ひいては
成膜速度の安定性に影響を及ぼす。ここでは単に、この
エアロゾル形成室の圧力をモニタするのみではなく、供
給ガス、吸引ガス、及び各々の収支により決定される圧
力の特定範囲にて、目詰まりしない圧力領域が存在する
ことが判明した。この限定された圧力内で成膜を実施す
ることで、再現性のある成膜が確保できる。
【0036】エアロゾル形成室の圧力検知手段として、
形成室もしくは形成室と真空ポンプ間の配管経路に圧力
計を設置する。この時用いる圧力計としては全圧計でダ
イアフラムの圧力受信部の変形による静電容量の変化に
より圧力を換算する方式のものが好ましい。圧力が適正
値の範囲外である場合、実用的な成膜速度が得られな
い。
【0037】(請求項3の発明)ガスデポジション成膜
装置のエアロゾル形成室にセラミックス粉体を導入して
配し、キャリアガス導入孔をこの粉体内に埋設させ、振
動攪拌によりエアロゾルを形成する。また形成したエア
ロゾルを取り出す引出し管が、粉体表面/引出し管孔距
離5〜100mmの範囲にて設置することにより、分級
効果を高め、ガスデポジションに最適な粉体の選別を効
率よく実施させる。
【0038】エアロゾル形成室は、外部から粉体の状態
が確認できるように、ガラスなどの透明容器とすること
が好ましい。この容器の約1/3以下の容積で粉体を設
置する。キャリアガス導入管としてステンレス製1/8
inchの管を用い、その吹き出し口を粉体内に埋設す
る。またエアロゾル吸入口管としては1/4inchの
管を用い、その吸入口位置は、粉体面より特定の距離を
持つように配置する。また加振手段として偏芯カムによ
る回転運動にて上下振動を発生させ、この振動方向に対
して容器を斜めに保持することにより、効率よく粉体の
加振を行っても良い。またキャリアガスの吹き出し効果
と振動とにより、粉体内での定在波運動が生じる。この
運動は粒度分布を持つ粉体の分級に役立つ。さらに吸入
口の粉体面からの位置を最適化することにより、効率よ
く所望する粉体(すなわち成膜に寄与する粉体)を取り
出すことが可能になる。
【0039】後述の実施例にて具体例を示すが、上記の
吸入口と粉体面との距離は、用いる粉体密度に依存して
変化する。例えば酸化チタン粒子の場合では最長100
mm、またジルコン酸チタン酸鉛の場合30mmの距離
に最適値が存在する。これら距離から離れる場合、成膜
速度が低下して実用に即さない。一方距離を近づけた場
合、成膜に寄与しない比較的大きい粒子も吸引されてし
まい、このような粒子によるブラスト効果が発生して安
定した成膜は得られない。
【0040】(請求項4の発明)成膜のためにノズル孔
から噴射する粒子の速度を50〜450m/sの範囲と
することで、安定した成膜を実行することができる。上
述したごとくの条件で形成されたエアロゾルをノズル開
口部から如何ほどの速度で噴射させるかが重要となる
が、その第1の指標として、断熱膨張の式より気体流の
速度を見積もることが出来る。すなわちマスフローコン
トローラにて、用いるキャリアガスの標準状態における
体積流速を制御し、成膜室の圧力をモニタする。先述の
式とノズル開口面積との単純計算により、単位時間当た
りの速度が算出される。またエアロゾル気流中の粒子速
度を測定する。
【0041】粒子速度が低い場合、粒子が基板に衝突す
る時に発生するエネルギーが低いため、密着力が高くか
つ緻密な膜形成には至らない。一方、範囲を超える高速
な粒子速度で成膜を行った場合、粉体の成膜効果とブラ
スト効果との競合になり、実用的な成膜速度が得られな
いことや、さらには基板のエッチングが発生する。
【0042】(請求項5の発明)成膜室の圧力を0.1
〜80Torr(1.33322×101〜1.0665
76×103Pa)の範囲として成膜することで安定し
た成膜を実行することができる。エアロゾルの均一な流
れを形成するために、成膜室の真空度は厳密に制御され
なければならない。真空排気速度が一定の場合、真空室
の圧力はキャリアガス流量、及びノズル開口面積の因子
により決定される従属的なパラメータである。しかし、
ガスデポジションに好ましい粒子速度を実現させる場
合、排気装置(真空ポンプ)と成膜室との間に排気速度
規制弁、いわゆるコンダクタンスバルブを設け、先述因
子とは独立させたパラメータとして最適範囲を求めるこ
とができる。また、他の手段として、エアロゾルのノズ
ル孔を介しての真空槽への気体導入のほかに、他の気体
(粉体を含まずキャリアガスのみ)の導入経路を真空槽
内に設け、気体導入を行うことで拮抗させることができ
る。成膜室圧力が低真空の場合、密着力が高くかつ緻密
な膜形成には至らず、高真空の場合、基板エッチングが
発生する。
【0043】(請求項6の発明)成膜を行う基板として
金属材料からなる成膜用基板を用い、ガスデポジション
成膜時の基板温度を室温〜400℃の温度範囲とするこ
とにより、安定した成膜を実行することができる。基板
に衝突する粒子は、その粒子の持つ運動エネルギーが粒
子付着/及び膜形成エネルギーに変換される。基板と膜
の付着強度は適正化された条件の下、強固な付着と高緻
密体膜の形成に寄与する。更にこの膜形成工程中に外部
より数種のエネルギーを加えることは、膜の付着力と緻
密性に寄与する。具体的には基板加熱による熱エネルギ
ーの付与、レーザー照射、もしくはオゾンビーム照射な
どの光/化学エネルギーなどが有効であり、特に基板加
熱による熱エネルギー付与は装置の簡便さ等の面から好
適である。各種基板上に成膜を試みた場合、基板の種類
に応じて適正な温度範囲が存在する。例えば、Siウェ
ハやガラス、セラミックス基板では室温成膜において十
分な密着膜が得られ、またステンレス、インバー、銅な
どの金属製基板では、基板温度の上昇に伴い良好な膜が
得られる。ただし、400℃より高温で成膜した場合、
熱応力による成膜時の膜剥離や、基板の変質を招く。ま
た堆積するセラミックス粉体との反応が生じて好ましく
ない。
【0044】(請求項7の発明)成膜を行う基板とし
て、電極膜を堆積したSi基板を用い、ガスデポジショ
ン成膜時の基板温度を400〜700℃の温度範囲とす
すことにより、安定した成膜を実行することができる。
Si基板は、3次元加工性に優れた基板であり、マイク
ロマシーン用基体として使用されている。従ってSi基
板を用いたセラミックス膜の形成はマイクロマシーン素
子の形成に有効である。またSi基板に電極膜を堆積し
た構成でセラミックス膜を積層させた構成も、同様に有
効である。
【0045】電極材料として熱的に安定なPt材料を用
いた場合には、特に基板加熱範囲が重要になる。Si基
板にPt膜を堆積する場合、電気的絶縁性を確保するた
めにあらかじめSi熱酸化膜を生成させ、電極を堆積す
る場合もある。SiあるいはSiO2膜とPt膜は膜密
着力に乏しく容易に膜剥離を生じる。従って、両者に
(Si,SiO2とPt)密着性の良好な膜を介在させ
る。具体的にはTi、Ta、及びこれらの窒化物膜が有
効である。具体的な成膜はスパッタリング等の手法にて
形成することができる。
【0046】また、電気的絶縁性を図るために、SiO
2以外に、Si34、Ta25等の膜を用いても良い。
特に後述するSi基板の加工において、これら膜(さら
に多層化させた膜)はエッチング加工時の保護膜として
利用できることが挙げられる。また基板側の最表面材料
をスパッタリングによるPt薄膜で実行した場合、室温
成膜では十分な密着膜が得られない。一方、400℃程
の加熱成膜ではその様な問題は生じなかった。また、7
00℃を越える成膜温度では、電極膜の剥離が発生す
る。
【0047】(請求項8の発明)成膜を行う基板とし
て、電極膜を堆積したセラミックス基板を用い、ガスデ
ポジション成膜時の基板温度を室温〜850℃の温度範
囲とすることにより、安定した成膜を実行することがで
きる。セラミックス基板上に電極膜を配置し、その上に
ガスデポジション膜を堆積させることも可能である。セ
ラミックス材料としては、高い破壊靭性を有する部分安
定化ジルコニアセラミックスや、構造材料として広く用
いられいるアルミナセラミックスなどが好適であるが、
プロセス工程中の熱処理に対し、耐性を有しているこ
と、ならびに後述する膜厚での製法が容易であるセラミ
ックス材料であれば、特に限定されるものではない。
【0048】上記のごとくのセラミックス上に電極膜を
配置するが、例えば市販のPtペーストをスクリーン印
刷法にて印刷・焼成により形成する方法が簡便である。
またこの様な手法によればPt以外にも、Ni、Ag、
Pd、またその合金であるAg/Pd等を用いても良
い。またガスデポジション法による膜形成では、用いる
電極材料により成膜時の基板温度が変化する。また膜密
着性は基板温度の増加に伴って強固な密着膜が得られる
ものの、電極種の兼ね合いで室温でも膜形成の可能な場
合が存在する。これらペースト材から形成される電極の
耐熱性は、印刷後の焼成温度、すなわちPtであれば1
300℃、Ag/Pd,Niであれば900℃が確保さ
れている。しかし、成膜時に900℃以上の基板温度で
成膜を実行することは装置に負荷がかかり好ましくな
い。
【0049】(請求項9の発明)セラミックス誘電体膜
の膜厚を2〜1000μmの範囲とすることにより安定
した成膜を実行することができる。一般に基板上に形成
した膜は、複数の要因による内部応力を有する。基板と
膜の熱膨張率差に起因した熱応力、膜成長過程に起因す
る真応力等が主たる要因で、この応力は膜厚の増加に伴
い単純に比例して増加する。このような応力の増加に伴
って膜が基板から剥がれる事故が発生する。本発明の実
用上の有効膜厚は2μm以上の膜厚であり、この程度の
厚さであれば膜剥離は発生しないものの、後述のアクチ
ュエータ応用、またはその他でミリメートルに及ぶ厚さ
が要求される場合がある。ガスデポジション条件の適正
化により、無限に厚い膜の作製が可能であるが、ミリメ
ートルに及ぶ厚さであれば、従来のバルクセラミックス
の接着等の方法により構造体を製造することも可能であ
り、ガスデポジション法を採用するメリットはあまりな
い。従って実用上の上限は1mm(1000μm)以下
として見積もることができる。
【0050】(請求項10の発明)膜形成を行う誘電体
セラミックスとして、その組成に鉛を含む圧電セラミッ
クスス材料を用いる。誘電体セラミックス材料の中で、
電気エネルギーを機械エネルギーに変換する(またはそ
の逆で、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する)
機能を有するものを圧電セラミックスと呼ぶ。圧電セラ
ミックスとしては各種の材料が報告されているが、入力
された電気エネルギーを機械的な歪みに変換する、また
はその逆の機械的な応力を電気信号に変換する効率の面
から、特に鉛元素を有する圧電セラミックス材料が好ま
しい。
【0051】具体的にはジルコン酸チタン酸鉛(Pb
(Zr,Ti)O3:以下単にPZTとする)や、この
PZTに他の成分としてPb(Ni0.33Nb0.67)O3
を加えたPNN−PZ−PT、Pb(Mg0.33
0.67)O3を加えたPMN−PZ−PTや、Pb元素
をBa,Srで置換した変性PZT、また電気特性の安
定性を図るためにNb25,Sb25を添加材としてP
ZTに加えた組成や、機械的強度を確保する為にMnO
2を添加したPZTからなるものが挙げられる。
【0052】(請求項11の発明)成膜した圧電セラミ
ックス膜に400〜1000℃の温度範囲にて熱処理を
施すことにより、安定した強誘電特性を出現させること
ができる。圧電セラミックスの圧電性は、強誘電体分域
構造にその特性が由来している。ガスデポジション法に
よる鉛系圧電セラミックス膜は、成膜時の微粒子衝突に
より、この強誘電体分域構造にダメージを受けている。
これはラマン分光分析により酸素8面体構造に起因する
吸収ピークのシフトより定性的に判断できる。酸素8面
体構造における酸素欠陥は、強誘電体分域運動のピン止
め作用を呈し、低い比誘電率や交番電界に対する分極対
応(P−Eヒステリシス特性)の低下を導く。
【0053】成膜後の膜比誘電率は低く(バルク値と比
較して)、熱処理を施すことにより強誘電体分域の酸素
欠陥が修復され、比誘電率、ヒステリシス特性の飛躍的
な向上がもたらされる。この処理条件は、大気雰囲気中
のアニール処理によりなされる。アニール温度が400
℃より低い場合、十分な効果が得られず、また1000
℃より高い場合には下地基板と圧電膜が反応するので好
ましくない。
【0054】(請求項12の発明)成膜した圧電セラミ
ックス膜上に電極膜を配置させ、分極処理条件40〜1
00kV/cmの直流電界にて分極処理を施すことによ
り優れた圧電特性を出現させることができる。上述した
ごとくに熱処理された膜は、分極処理を行うことで圧電
性を出現させることが可能になる。分極処理とは、圧電
膜の上下に電極を配置し、直流電圧を印加して強誘電分
域を直流電界方向に揃えさせる処理法である。分極条件
は、用いる圧電セラミックス組成のキュリー点と抗電界
により決定されるものである。通常のバルクセラミック
スの場合、特にPZT(52/48)(即ちPb(Zr
0.52Ti0.48)O3)では125℃、20kV/cmの
電界強度で約20分印加される。またPNN−PZ−P
TやPMN−PZ−PTでは特に加熱しなくても良い。
また電界強度は20kV/cmで時間は60秒程度で良
い。
【0055】またMnを添加したPZTでは、上述した
ごとくの温度、電界強度及び処理時間にて電界を印加し
た後、電界を印加したまま室温まで冷却する(即ち電界
冷却)方法が知られている。厳密な分極処理条件は、分
極後のエージング効果などで適正化が検討されるもので
ある。バルクセラミックスでのこれら知見は、概ね20
〜25kV/cmの電界強度にて分極処理がなされる。
特に30kV/cm以上においては、素子の破壊や分極
後の空間電荷の発生とこれによる逆電界効果によるエー
ジング特性の劣化が発生し、好ましくない。
【0056】一方、ガスデポジション法により形成され
た圧電膜では、膜の有する強誘電分域構造の特異性によ
り、従来の分極条件では不十分であることが判明し、従
って分極条件を温度と印加電界等の実験により適正値を
導出した。具体的には40kV/cm以下であると強誘
電体分域の初期化が不十分であり、また100kV/c
m以上では空間電荷の発生による膜特性の経時劣化が大
きくなることや、分極処理中の膜のブレークダウン(電
界破壊)が発生して好ましくない。
【0057】(請求項13の発明)上述したごとくの圧
電膜と金属製基板との積層構造において、金属基板を1
0〜1000μmの範囲の厚さにすることで特性の向上
を図ることができる。金属製シム材の片面に圧電膜を積
層した構造は、その圧電膜に電極を配置させ電界を印加
させることによりユニモルフ素子と命名されている。ユ
ニモルフ素子の印加電界に対する素子先端の変位は下式
より示されている。
【0058】
【数1】
【0059】
【数2】
【0060】ここでδ:変位量(m)、E:電界強度
(V/m)、L:梁長さ(m)、Yc:圧電セラミック
スのヤング率(Pa)、tc:圧電セラミックスの厚さ
(m)、Ym:シム材のヤング率(Pa)、tm:シム
材の厚さ(m)、β:形状変数、to:応力中立面厚
さ、を示すものであり、また式中のt0は次式の関係よ
り導かれる。またこの時の共振周波数は式(3)で近似
的に与えられる。
【0061】
【数3】
【0062】ここで、fr:共振周波数(Hz)、t:
総厚(m)、:梁長さ(m)、Y:(平均)ヤング率
(Pa)、ρ:(平均)密度、である。従って、要求さ
れる変位量及び応答速度などから各寸法が算出される。
本発明のユニモルフ素子においては、シム材が1mm以
上の厚さでは構造体強度の増加により、一定の変位量を
得るには駆動電圧が高くなる等の不具合を生じ、また、
10μm以下の場合はハンドリング性の面から好ましく
ない。またシム材の両面に圧電素子を配置した、いわゆ
るバイモルフ素子が知られている。本発明の展開におい
て、このバイモルフ素子を作製する場合にもシム材の厚
さは、先述の範囲内にて限定されるものである。
【0063】(請求項14の発明)上述した圧電膜とS
i基板との積層構造において、Si基板の膜堆積面の裏
面側より、当該Si基板に対し部分的にエッチング処理
を施す加工法を提供する。圧電膜/Si積層構造は基板
側から順に、Siウェハ/電気的絶縁性確保膜/密着膜
/金属膜/ガスデポジション法による圧電膜、の積層構
成を取る。また基板側から順次積層されるこれら構造体
では、電気的絶縁膜/密着膜/金属膜の総厚が数μm以
下であるので、上述したごとくのユニモルフ素子を考え
た場合、Siウェハの厚さが基板厚さにほぼ匹敵する。
市販されているSiウェハの厚さは約650μm程であ
り、従って基板厚さはこの程度の厚さから、それ以下の
厚さが作製可能になる。
【0064】順次積層された構造体は、Si基板裏面
(積層面の反対面)から研磨、エッチングなどの手法に
より全面、または部分的に加工することが可能である。
全面研磨の場合、素子の大きさにもよるが、50μm以
下の基板厚さに加工することは困難である。従って振動
部位に相当する個所を部分的にエッチング除去すること
で加工することが好ましい。またこの手法の方が高集積
化にも好適である。
【0065】電気的絶縁成膜にSiO2膜を配置した場
合、このSiO2膜にフォトリソグラフィー・エッチン
グを施すことにより、Si基板加工用のエッチングホー
ルを形成する。このとき周知の水酸化カリウムアルカリ
性溶液、またはエチレンジアミンパイロカテコール、ま
たはテトラメチルアンモニウムハイドライドの有機アル
カリ溶液を用いても良い。これら溶液のSiとSiO2
の溶解速度の比(いわゆる選択比)は容易に200以上
を得ることができる。従ってエッチング時間を管理する
ことにより所望する基板厚さを得ることができる。また
SiO2等の熱酸化膜、またはSi34の化学気相成長
法(CVD)膜では裏面より完全にSi基材をエッチン
グしても、反対面に配置してあるこれら膜がエッチング
の停止膜として機能する為、極めて薄い基板材料を形成
できる。
【0066】(請求項15の発明)上述したごとくの圧
電膜/セラミックス基板積層構造において、金属基板を
10〜1000μmの範囲の厚さにすることで特性の向
上を図ることができる。ドクターブレード法などの周知
のシート形成法により10μm以上のセラミックス基板
を形成するか、または1mm程の厚さの場合は通常の粉
体成形/焼成/研磨にて基板を調達することにより、前
述したごとくのユニモルフ素子に好ましい膜厚からなる
積層体を得ることができる。
【0067】コンマコータ、リップコータ等の名称で知
れている装置を用いたシート形成法があり、これらによ
り10μm以下のシート形成が可能であるが、その後の
ハンドリング性の面から好ましくない。また1mm以上
の厚さでは構造体強度の増加により、一定の変位量を得
るには駆動電圧が高くなる等の不具合を生じる。
【0068】(請求項16の発明)これまでは主として
圧電アクチュエータのユニモルフ素子として示したが、
本積層体は、圧電体の逆圧電効果を用いた電気−機械変
換素子や、圧電正効果を用いたセンサ等の電気−機械変
換素子として広く使用されるものである。特に従来では
製造しにくい小型化、または各層(圧電体,基板)の薄
層化がなされ、高変位、高出力、高速応答等の特性の向
上をもたらすものである。
【0069】実施例1(請求項1に対応) 比表面積は周知のBET法にて測定した。また光散乱法
による測定例を図2に示す。この図では1次粒子と凝集
粒子(2次粒子)の分布が示されている。この様な結果
は、試料前準備の超音波分散状態が好ましい状態でなか
ったことを示している。本請求項で示される光散乱法に
よる平均粒径とは、明らかに凝集粒子が存在しないとみ
うけられる測定結果により算出されるものである。図3
に典型的なSEM観察図を示す。また表1には各種セラ
ミックスとガスデポジション判定結果を示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1におけるガスデポ判定とは、典型的な
成膜条件にてガスデポジション成膜し、強固な付着膜が
得られた場合を○、粉体が積み重なったようになって膜
形態が得られなかったものを×印で示してある。このと
きのガスデポジション条件を表2に示す。試料2は液相
法により作製した試料であり、試料3、4は粉砕粉であ
る。PZTの3種類(試料番号5〜7)は粉砕時間を変
化させたものである。一般的な傾向としてBETから求
まる平均粒径とSEM粒径は似た傾向を示す。また密度
の低い材料はSEM径と光散乱径と対応がある。試料
3、5の比較より比表面積範囲は約1.0以上10以下
である事がわかる。また試料7、8より光散乱径は0.
1以上1以下である事がわかる。またSEM径も0.0
8以上1.2以下であることがわかる。
【0072】
【表2】
【0073】実施例2(請求項2に対応) 表2に示した粉体6を用いてエアロゾル形成室圧力と成
膜速度との関係を求めた。膜はノズル開口幅を5mmと
し、基板を1軸方向に往復運動させる。この時のノズル
と基板の相対速度を0.125mm/sとし、5×5m
mの領域の成膜を実施した。成膜速度はこの面積におけ
る堆積時間に対する膜厚でμm/分である。実用的な成
膜速度を0.2μm/分以上と見積もり、これ以下の場
合は不適正であると判断した。また堆積時間を2水準設
け(5分と10分)、各成膜時間における堆積速度の線
形性を判断した。即ち、成膜時間と膜厚が比例しない場
合、配管の目詰まりなどが発生していると判断される。
結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】エアロゾル形成圧力は、300Torr
(3.99966×104Pa)で最大の成膜速度を得、
その値は17μm/分になる。また70Torr(9.
33254×103Pa)では成膜時間の増加に伴い、
成膜速度は減少して0.2μm/分になる。従って10
0Torr(1.33322×104Pa)以上の圧力と
することが好ましい。
【0076】実施例3(請求項3に対応) 粉体表面とエアロゾル取り出し管との距離についての成
膜結果を表4に示す。用いた粉体は表1中の試料4と6
である。これらの粉体の違いは主に密度であり、前者A
23は3.7g/cm3、後者PZTは8.0g/cm3
である。また表2における成膜室圧力を2Torr
(2.66644×102Pa)とし、他の条件は同じと
した。表4での数値は成膜速度を示し、判定は先の実施
例2と同様である。また記述の“成膜出来ず”とは粉体
により基板がエッチングされた現象を意味している。ま
た圧粉体とは単に粉体が降り積もった形状を示し、膜の
密着性が乏しい状態であり、不適正条件に該当する。
【0077】
【表4】
【0078】実施例4(請求項4及び5に対応) 粉体6を用いてキャリアガス速度(m/sec)、粒子
速度(m/sec)、成膜室圧力(Torr)の実測値
と成膜状況との関係を調べた。図4にその結果を示す。
キャリアガスにHeの様な単原子分子を用いた場合、そ
の熱容量は下式(4)で与えられ、式(5)より係数γ
を導くことができる。また最終的に断熱膨張体積V2
式(6)より算出される。また、単位時間の流速とノズ
ル開口面積の関係よりキャリアガス速度を見積もること
ができる。
【0079】図4においては、横軸にキャリアガス速度
を、第1の縦軸に粒子速度の実験値を、また第2の縦軸
に成膜室圧力をプロットした。キャリアガス速度の増加
に伴い粒子速度は上昇し、その後450m/secの値
近傍で飽和を示す。各粒子速度にて成膜を行った結果、
粒子速度20m/secでは成膜出来なかったものの、
50m/sec〜450m/secの範囲内で、成膜の
確認ができた。またこの速度を実現できうる成膜室圧力
は0.1〜80Torr(1.33322×10 1〜1.0
66576×103Pa)が対応する。
【0080】
【数4】
【0081】
【数5】
【0082】
【数6】
【0083】実施例5(請求項6ないし8及び10に対
応) 金属製基板としてステンレス鋼(SUS304)を用い
た。電極膜を配置したSi基板として、(100)Si
単結晶ウェハに1μmの熱酸化膜を配置させ、密着層と
してTa膜を膜厚100nmスパッタリング成膜し、次
にIr膜を300nm、及びPt膜を300nmで、ス
パッタリングにより成膜した。そして電極膜を配置した
セラミックス基板としてイットリア部分安定化ジルコニ
ウムセラミックス(YSZ)基板に市販の助材配合Pt
ペーストを用い、スクリーン印刷法にて塗膜し、130
0℃の焼成を行うことで、電極膜厚5μmのPt膜を形
成した。
【0084】上記処理により得られた基板を用い、ガス
デポジション成膜中の基板温度を変化させ、成膜を実行
した。このときの成膜条件を表5に示し、表6にその結
果を示す。表6において、×印は膜付着力の不足に起因
した成膜不可能を表す。ガスデポジション成膜された膜
は、その後の工程で研磨による膜厚の均一化処理を行う
場合もあり、△印は、同様の研磨履歴を施した時、膜剥
がれなどが基板/膜界面、または電極/膜界面で発生し
た試料を示す。また○印は研磨工程後も何ら変化を示さ
ず、良好な膜形成が実行できた試料を意味する。また表
6において、1000℃、YSZ欄の“−”は装置運転
の制約により実施不可であることを示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】実施例6(請求項9及び10に対応) Siウェハ、YSZ基板上にPZTガスデポジション成
膜を行い、各々の基板で成膜時の温度を室温と400℃
で比較した。Si基板は低膨張率材料であり、一方、Y
SZ基板はバルクPZTの熱膨張率に比較的近い値を有
している。このときの結果を表7に示す。表7における
○、△、×の印の判定基準は先述(表6)と同じであ
る。
【0088】
【表7】
【0089】表7において、“●”は、ピンホールのあ
る膜が得られたことを示す。圧電応用の場合、この膜欠
陥を介して電流の層間リークが発生する為、実用に供さ
ない。また堆積膜厚の上昇により、膜応力の増加が生じ
る。Si基板上、室温成膜したPZT膜は膜形成できる
ものの、その後の研磨工程にて膜破壊が生じる。Si基
板上400℃成膜した試料は、膜応力と熱膨張率差に起
因する熱応力の作用で、成膜できうる範囲が狭まる。一
方、熱膨張率差がSi基板より少ないYSZ基板では、
膜破壊に起因する作用が軽減され、成膜できうる範囲が
広がる。
【0090】実施例7(請求項10に対応) 上述したこれまでの実施例において、PZT粉体を用い
たガスデポジション成膜も例示してきた。後述する圧電
応用において、要求される圧電特性に対応した組成があ
る。例えば圧電性を有するセラミックス材料としては、
水晶、ニオブ酸リチウム、ビスマス層状構造複合酸化物
等があるが、PZTセラミックス材料が飛躍的に優れて
いる。アクチュエータとして用いる場合には、圧電定数
の高い材料が好ましく、またセンサに使用する場合には
機械的品質係数:Qmの高い材料が好ましい。前者に対
応する材料として今まで述べてきたPZT(52/4
8):Nb25添加や、PNN−PZ−PT、PMN−
PZ−PTがある。後者に対してはMnO2添加PZT
(52/48)がある。
【0091】ここではこれら典型的な材料のガスデポジ
ション成膜について結果を示す。PNN−PZ−PTは
出発材料にPbO、ZrO2、TiO2、NiO、Nb2
5を用いる。あらかじめNiOとNb25の固相反応
を900℃にて行い、NiNb 26反応前駆体を作製す
る。所定量秤量した後に、ボールミル混合/粉砕を行っ
て、さらに850℃にて仮焼し、さらに950℃にて第
2の仮焼を行う。この様に固相反応にて形成したPNN
−PZ−PTはボールミル粉砕を行って、実施例1で記
述したごとくの粉体を得る。またMnO2添加PZT
(52/48)も所定量のMnO2、PbO、ZrO2
TiO2から同様の固相反応にて粉体を得る。表8に粉
体特性、成膜条件、成膜結果(成膜速度)をまとめた。
これら粉体は実用に即した成膜速度にて、緻密な膜の形
成に至った。
【0092】
【表8】
【0093】実施例8(請求項11に対応) 上述した実施例5に記した条件にて、PZT膜を各種基
板上に成膜し、膜特性変化に基づく熱処理条件の適正値
を求めた。膜厚はいずれの試料とも15μmとした。用
いた基板はPt/Al23基板、SUS304基板、及
びPt膜を配置したSi基板である。膜特性としては比
誘電率を求めた。PZT成膜後、各温度で1時間の保持
時間にて熱処理を施し、その後、膜上部に電極膜を堆積
させ、あらかじめ成膜してある膜下部電極と、上部電極
にて形成される平行平板容量素子の静電容量を測定す
る。計測器にYHP4194Aを用い、測定周波数1k
Hz、振幅0.5V、室温での静電容量の測定を行い、
電極面積、膜厚から比誘電率を算出した。この結果を図
5に示す。
【0094】また膜の第2の特性として、この様な試料
のP−Eヒステリシス測定を行った。強誘電体の印加電
界に対する分極はヒステリシスを持ち、電界強度0に於
いて残留分極を有する。この残留分極とはP−Eヒステ
リシス曲線において、Y軸と交差する点である。Pt/
Ir/Ta/SiO2/Si基板上、基板温度600℃
で成膜した膜厚15μmのNb25添加PZT(52/
48)膜のヒステリシス曲線を図6に示す。最大印加電
界±250kV/cmを三角波で周波数0.1Hzにて
印加し測定した。各種試料における測定結果を図7に示
す。
【0095】熱処理前試料は、比誘電率が200前後の
値であるのに対し、400℃のアニールにより非連続的
に比誘電率の向上がみられる。その後Al23セラミッ
クス基板上の試料はアニール温度の上昇に伴い、比誘電
率は増加する。他の試料でもその様な傾向が確認され
る。ただし、SUS304基板試料は、700℃以上の
熱処理によりPZT膜とSUS材料との反応が生じ、特
性の減少がみられる。またSi基板上の試料において
も、850℃以上で減少する結果が得られた。
【0096】残留分極の熱処理温度に対する特性変化
は、ほぼ先述の比誘電率の傾向と合致する。ガスデポジ
ションPZTは、堆積直後では乏しい電気特性を示す
が、400℃以上の熱処理により優れた特性に回復す
る。これは成膜ダメージが熱エネルギーにより緩和され
た結果であり、他の解析方法、例えばラマン分光分析な
どからもメカニズムが解明された。またこの様な特性の
回復はスパッタリング法によるPZT膜、MO−CVD
法によるPZT膜では現れず、ガスデポジションPZT
特有の現象である。
【0097】実施例9(請求項12及び13に対応) 厚さ50μmのSUS304基板上に、Nb25添加P
ZT(52/48)を厚さ30μm形成し、600℃、
1時間の熱処理後上部電極を配置し、素子を形成した。
PZT(52/48)は正方晶の圧電体であり、分極軸
はc軸にある。比誘電率の異方性は分極軸であるc軸が
大きく、他の軸(正方晶であるからa軸)は比誘電率が
低い。分極条件の適正化は分極電界強度と比誘電率の増
加傾向を求めることで実行される。先述の素子を用い、
125℃、250℃の加熱状態で各電界強度にて分極処
理を行い(保持時間30分)、その後、試料が室温に冷
却されるまで電界を保持したまま分極処理を行った。電
極電界強度と比誘電率の関係を図8に示す。
【0098】バルク体の分極条件は、125℃、20k
V/cm、10分で十分であるが、ガスデポジション膜
では、この程度の処理では分極がなされたとはいえない
(不十分である)。図中、比誘電率の上昇は、少なくと
も電界強度40kV/cm以上(250℃)が必要であ
ることがわかる。また加熱温度125℃にて処理を行う
場合は、100kV/cm程度とすることが好ましい。
通常と比較して、この分極条件は非常に試料に対しハー
ドな処理であり、またガスデポジション膜特有の強誘電
分域構造に起因した結果である。
【0099】図9は、図8の試料構成で長さ10mmの
ユニモルフ素子を作製し、2つの分極条件、即ち250
℃、60kV/cm、125℃、100kV/cmの分
極処理品ならびに未分極試料での駆動電界強度に対する
ユニモルフ素子先端の変位量を測定した結果を示すもの
である。駆動電界はユニモルフ電界で三角波を周波数1
00Hzで印加し、ユニモルフ素子を振動させる。振動
変位はレーザ変位計を用い、変位計からの出力をロック
インアンプにて検出し、変位量換算してプロットしてあ
る。式1に基づく圧電定数の算出より、このユニモルフ
素子は駆動電界強度下にて線形性の良い応答を示し、圧
電定数は250℃,60kV/cm分極処理試料で約−
140pm/Vを示し、また125℃,100kV/c
mの分極処理試料で約−120pm/Vの値を示した。
また未分極試料では約1/7の−20pm/Vであっ
た。
【0100】実施例10(請求項13に対応) ガスデポジション法によるPZT膜は約2μm〜100
0μmの膜厚にて成膜することが可能である(実施例6
にて説明)。一方、アクチュエータとして用いる場合、
特に電気的信号に対し歪みを発生しない金属材料とPZ
T膜の積層構造では、式1に示したように、最大の効率
を得るには応力中立面をその構造体の中間面に配置する
ように膜厚分配することが望ましい。従ってヤング率の
変動はあるものの、電極基板としてはPZT膜厚と同等
な厚さにて素子が構成されることが好ましい。2μmの
シム材はハンドリングの制約により扱いにくく、本実施
例では10μmの薄板材を用い成膜した。また1mmを
超える板材では従来のバルク体の接合等により作製可能
であるので、ガスデポジション法を駆使した素子の作製
には適さない。10μmシム材にPZTを10μm成膜
した素子は分極処理後、圧電定数−130pm/Vの値
を示し、この極薄の積層体を作製できることを確認し
た。
【0101】実施例11(請求項14に対応) Pt(30nm)/Ir(30nm)Ta(100n
m)SiO2(1μm)/Si(200μm)基板上に
PZTを2μm堆積した。Si基板は(100)面方位
基板である。基板裏面の膜厚1μmのSiO2膜上にフ
ォトリソグラフィによりレジストパターンを配置する。
HF−NH4F水溶液(バッファード弗酸)に約15
分、室温下にて浸漬させ、レジストパターンにて開口さ
れているSiO2膜をエッチング除去した。次にHNO3
/HF/H2O混酸水溶液にてライトエッチした後、K
OH水溶液(25wt%)、80℃エッチング液にて露
出しているSi基板の異方性エッチングを施した。
【0102】上記の作業はPZT堆積面には薬液が入り
込まないよう処理を施す。具体的には窪み加工したガラ
ス基板面に試料のPZT堆積面を重ね合わせ、Si基板
端部を高融点ワックス(ワーキング温度180〜200
℃)にて封止し、先述のKOH水溶液に浸漬させた。こ
の時のSi(100)面溶解速度は1.4μm/分、熱
酸化膜の溶解速度は5.8nm/分であり、選択比は約
240程になった。1μmのSiO2を溶解するのにか
かる処理時間は172分であり、一方、この時間で溶解
除去可能なSi膜厚は240μmである。
【0103】従って、露出部Siを全て溶解させ、PZ
T/電極膜/SiO2膜構造の作製が可能である。また
時間管理によりSiシム材を残膜2μmの膜厚にて加工
処理することも出来た。この構造の特徴は部分的に薄い
PZT/Si積層体が作製可能であり、またエッチング
除去されていない部位は構造として強固である。従って
ハンドリング性の優れた素子が安定して供給できる。
【0104】実施例12(請求項15に対応) ガスデポジション法によるPZT膜は、約2μm〜10
00μmの膜厚にて成膜することが可能である(実施例
6にて説明)。一方、アクチュエータとして用いる場
合、特に電気的信号に対し歪みを発生しないセラミック
ス材料とPZT膜の積層構造では、式1に示したよう
に、最大の効率を得るには応力中立面をその構造体の中
間面に配置するように膜厚分配することが望ましい。従
ってヤング率の変動はあるものの、電極基板としてはP
ZT膜厚と同等な厚さにて素子が構成されることが好ま
しい。
【0105】2μmのシム材はハンドリングの制約によ
り扱いにくく、本実施例では10μmの薄板材を用い成
膜した。また1mmを超える板材では従来のバルク体の
接合等により作製可能であるので、ガスデポジション法
を駆使した素子の作製には適さない。10μmシム材と
してYSZセラミックスをドクターブレード法にてシー
ト成形し、1450℃にて焼成し、セラミックスシート
を得た。このシートにPt印刷電極を施し、PZT10
μmの成膜を行った。この素子は分極処理後、圧電定数
−150pm/Vの値を示し、この極薄の積層体を作製
できることを確認した。
【0106】実施例13(請求項16に対応) 電気信号を機械的歪みに変換するアクチュエータ素子へ
の展開は前述の実施例にて記述した。圧電体は、この逆
の機械的歪みを電気信号に変換し、特に、振動センサ、
圧力センサ等にも展開できる。特に圧力センサまたはマ
イクロフォンなどでは小型化、高感度化に優れた素子を
提供することが出来る。実施例11で示したSiダイア
フラム積層構造を以下の寸法にて作製した。Siダイア
フラム:500μm×500μm、Si残膜:2μm、
PZT膜375μm×375μm、膜厚4μm。
【0107】本実施例では、従来例の比較として真鍮製
振動板(直径10mm、厚さ50μm)、圧電セラミッ
クス板(直径は7mm、厚さを50μm)を接着剤によ
る接合にて積層体を構成した。また応力により発生する
電荷をSANYO社製2SK596E(FET)を用い
て増幅し検知した。このダイアフラム構造に空気圧力を
印加させた時の出力は13.3mV/mmH2Oの感度を
示した。従来比較試料は120mV/mmH2Oである
ので感度的には至らないものの、13.3mV/mmH2
Oの値は実使用上十分使用可能な感度である。またダイ
アフラム径で比較すると約1/20の小型化が実行でき
る。さらに、この小型化した圧力センサの共振周波数は
1.6MHzであり、帯域の広い電気−機械変換素子が
得られた。
【0108】
【発明の効果】請求項1の発明は、基板上にガスデポジ
ション法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法
において、膜形成を行うセラミックス誘電体として、比
表面積が1.0〜10m2/g、または光散乱法より求め
られる平均粒径が0.1〜2μm、または走査型電子顕
微鏡観察により求められる平均粒径が0.08〜1.2μ
mの値を有するセラミックス粉体を用いるので、ガスデ
ポジション法において基板に対し強固な接着力を有する
緻密な膜形成を再現性高く安定して実行することができ
るセラミックス誘電体微粒子を提供することができる。
【0109】請求項2の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、膜形成を行うセラミックス誘電体を含んだエア
ロゾルを形成するためのエアロゾル形成室の圧力を10
0〜760Torr(1.33322×104〜1.01
32472×105Pa)の範囲にて制御し、振動攪拌
及びキャリアガスの導入により前記エアロゾルを形成す
るので、粉体を目詰まりさせることなく安定したエアロ
ゾル供給法を提供することができ、これにより成膜信頼
性を高めることができる。
【0110】請求項3の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、膜形成を行うセラミックス誘電体を含んだエア
ロゾルを形成するためのエアロゾル形成室のキャリアガ
ス導入孔を、該エアロゾル形成室に導入したセラミック
ス誘電体に埋没せしめ、かつ振動撹拌により形成される
エアロゾルを取り出す取り出し管の先端と該セラミック
ス誘電体の表面との距離が5〜100mmとなるように
設定した状態で前記エアロゾルを形成するので、粉体を
目詰まりさせることなく、かつ、成膜に寄与する粉体の
分級を効率よく実行することができ、これにより成膜信
頼性を高めることができる。
【0111】請求項4の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、ノズル孔からセラミックス誘電体を含むエアロ
ゾルを噴射し、かつ前記セラミックス誘電体の噴射速度
を50〜450m/sの速度範囲で制御して、該セラミ
ックス誘電体により成膜用基板上に膜形成を行うので、
セラミックス粉体の速度を最適化して成膜することがで
き、これにより、ブラスト効果が抑制され、密着性の優
れた膜製造方法を提供することができる。
【0112】請求項5の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜室の圧力を0.1〜80Torr(1.3
3322×101〜1.066576×103Pa)の範
囲に設定した状態で、セラミックス誘電体により成膜用
基板上に膜形成するので、ブラスト効果が抑制され、密
着性の優れた膜製造方法を提供することができる。
【0113】請求項6の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜用基板として金属材料からなる金属基板を
用い、膜形成時の基板温度を室温〜400℃の範囲とす
るので、金属製基板上に、密着性の優れた膜を製造する
条件が提供できる。
【0114】請求項7の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜用基板として電極膜を堆積したSi基板を
用い、膜形成時の基板温度を400〜700℃の範囲と
するので、電極膜を配置したSi基板上に、密着性の優
れた膜を製造する条件が提供できる。
【0115】請求項8の発明は、基板上にガスデポジシ
ョン法を用いてセラミックス誘電体膜を形成する方法に
おいて、成膜用基板として電極膜を堆積したセラミック
ス基板を用い、膜形成時の基板温度を室温〜850℃の
範囲とするので、電極膜を配置したセラミックス基板上
に、密着性の優れた膜を製造する条件が提供できる。
【0116】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法にお
いて、セラミックス誘電体膜の膜厚を2〜1000μm
の範囲とするので、従来では困難であった基板上に堆積
される2μm以上の膜厚のセラミックス膜を提供するこ
とができる。
【0117】請求項10の発明は、請求項1ないし9の
いずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法に
おいて、前記セラミックス誘電体として、その組成に鉛
を含む圧電セラミックス材料を用いるので、従来では困
難であった鉛系圧電セラミックス材料の膜形成が可能に
なり、基板上に堆積される2μm以上の膜厚の鉛系圧電
セラミックス膜を提供することができる。
【0118】請求項11の発明は、請求項10に記載の
セラミックス誘電体膜の形成方法において、成膜用基板
上に形成した前記圧電セラミックスの膜に、400〜1
000℃の温度範囲にて熱処理を施すので、セラミック
ス膜に安定した強誘電性特性を発現させることができ
る。
【0119】請求項12の発明は、請求項10または1
1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法において、
前記圧電セラミックスの膜上に電極膜を配置し、40〜
100kV/cmの直流電界にて分極処理を施すので、
セラミックス膜に優れた圧電特性を発現させることがで
きる。
【0120】請求項13の発明は、請求項6及び9ない
し12のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形
成方法により作製したセラミックス誘電体膜/成膜用基
板の積層構造体であって、前記金属基板として、10〜
1000μmの範囲の厚さの金属基板を用いるので、適
切な厚さ範囲を持つ金属製シム材とこれにPZT膜等に
よる圧電セラミックス膜との積層構造体を得ることがで
きる。
【0121】請求項14の発明は、請求項7及び9ない
し12のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形
成方法により作製したセラミックス誘電体膜/成膜用基
板の積層構造体であって、前記Si基板の膜堆積面の裏
面側より、該Si基板に対し部分的にエッチング処理を
施してなるので、従来では作製しにくかった薄層構造体
を得ることが可能になる。
【0122】請求項15の発明は、請求項8ないし12
のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法
により作製したセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積
層構造体であって、前記セラミックス基板として、10
〜1000μmの範囲の厚さのセラミックス基板を用い
るので、適切な厚さ範囲を持つセラミックス製シム材と
これに積層したPZT膜等による圧電セラミックス膜と
の積層構造体得ることができる。
【0123】請求項16の発明は、請求項13ないし1
5のいずれか1に記載のセラミックス誘電体膜/成膜用
基板の積層構造体からなるので、小型化に有効な電気−
機械変換素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるガスデポジション装置概
要を示す図である。
【図2】 光散乱法によるセラミックス粉体粒径測定の
例を示すグラフである。
【図3】 セラミックス粉体のSEM観察の例を示すS
EM撮映写真である。
【図4】 キャリアガス速度に対するセラミックス粒子
の速度及び成膜室圧力の関係を測定した結果を示すグラ
フである。
【図5】 多種基板による熱処理(アニール)温度と比
誘電率の関係を測定した結果を示すグラフである。
【図6】 Nb25添加PZT膜の分極測定におけるP
−Eヒステリシス曲線を表すグラフである。
【図7】 各種基板による熱処理温度と残留分極の関係
を測定した結果を示すグラフである。
【図8】 分極処理の電界強度と比誘電率との関係を測
定した結果を示すグラフである。
【図9】 駆動電界と変位量を測定した結果を示すグラ
フである。
【図10】 従来の成膜条件による成膜の不安定性の例
を示すチャートである。
【符号の説明】
10…ガスボンベ、20…ガス搬送管、30…エアロゾ
ル形成槽、40…エアロゾル搬送管、50…真空槽、5
1…X−Y−Zθステージ、52…基板ホルダ、53…
マスクパターン、54…ノズル、60…真空排気装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明渡 純 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 マキシム レベデフ 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 Fターム(参考) 4K044 AA03 AA06 AA11 AA13 BA12 BA13 BC14 CA23 CA25 CA62

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、膜形成を
    行うセラミックス誘電体として、比表面積が1.0〜1
    0m2/g、または光散乱法より求められる平均粒径が
    0.1〜2μm、または走査型電子顕微鏡観察により求
    められる平均粒径が0.08〜1.2μmの値を有するセ
    ラミックス粉体を用いることを特徴とするセラミックス
    誘電体膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、膜形成を
    行うセラミックス誘電体を含んだエアロゾルを形成する
    ためのエアロゾル形成室の圧力を100〜760Tor
    r(1.33322×104〜1.0132472×105
    Pa)の範囲にて制御し、振動攪拌及びキャリアガスの
    導入により前記エアロゾルを形成することを特徴とする
    セラミックス誘電体膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、膜形成を
    行うセラミックス誘電体を含んだエアロゾルを形成する
    ためのエアロゾル形成室のキャリアガス導入孔を、該エ
    アロゾル形成室に導入したセラミックス誘電体に埋没せ
    しめ、かつ振動撹拌により形成されるエアロゾルを取り
    出す取り出し管の先端と該セラミックス誘電体の表面と
    の距離が5〜100mmとなるように設定した状態で前
    記エアロゾルを形成することを特徴とするセラミックス
    誘電体膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、ノズル孔
    からセラミックス誘電体を含むエアロゾルを噴射し、か
    つ前記セラミックス誘電体の噴射速度を50〜450m
    /sの速度範囲で制御して、該セラミックス誘電体によ
    り成膜用基板上に膜形成を行うことを特徴とするセラミ
    ックス誘電体膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、成膜室の
    圧力を0.1〜80Torr(1.33322×101
    1.066576×103Pa)の範囲に設定した状態
    で、セラミックス誘電体により成膜用基板上に膜形成す
    ることを特徴とするセラミックス誘電体膜形成方法。
  6. 【請求項6】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、成膜用基
    板として金属材料からなる金属基板を用い、膜形成時の
    基板温度を室温〜400℃の範囲とすることを特徴とす
    るセラミックス誘電体膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、成膜用基
    板として電極膜を堆積したSi基板を用い、膜形成時の
    基板温度を400〜700℃の範囲とすることを特徴と
    するセラミックス誘電体膜形成方法。
  8. 【請求項8】 基板上にガスデポジション法を用いてセ
    ラミックス誘電体膜を形成する方法において、成膜用基
    板として電極膜を堆積したセラミックス基板を用い、膜
    形成時の基板温度を室温〜850℃の範囲とすることを
    特徴とするセラミックス誘電体膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1に記載の
    セラミックス誘電体膜の形成方法において、セラミック
    ス誘電体膜の膜厚を2〜1000μmの範囲とすること
    を特徴とするセラミックス誘電体膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1に記載
    のセラミックス誘電体膜の形成方法において、前記セラ
    ミックス誘電体として、その組成に鉛を含む圧電セラミ
    ックス材料を用いることを特徴とするセラミックス誘電
    体膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のセラミックス誘電
    体膜の形成方法において、成膜用基板上に形成した前記
    圧電セラミックスの膜に、400〜1000℃の温度範
    囲にて熱処理を施すことを特徴とするセラミックス誘電
    体膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載のセラミ
    ックス誘電体膜の形成方法において、前記圧電セラミッ
    クスの膜上に電極膜を配置し、40〜100kV/cm
    の直流電界にて分極処理を施すことを特徴とするセラミ
    ックス誘電体膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項6及び9ないし12のいずれか
    1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法により作製
    したセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積層構造体で
    あって、前記金属基板として、10〜1000μmの範
    囲の厚さの金属基板を用いることを特徴とするセラミッ
    クス誘電体膜/成膜用基板の積層構造体。
  14. 【請求項14】 請求項7及び9ないし12のいずれか
    1に記載のセラミックス誘電体膜の形成方法により作製
    したセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積層構造体で
    あって、前記Si基板の膜堆積面の裏面側より、該Si
    基板に対し部分的にエッチング処理を施してなることを
    特徴とするセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積層構
    造体。
  15. 【請求項15】 請求項8ないし12のいずれか1に記
    載のセラミックス誘電体膜の形成方法により作製したセ
    ラミックス誘電体膜/成膜用基板の積層構造体であっ
    て、前記セラミックス基板として、10〜1000μm
    の範囲の厚さのセラミックス基板を用いることを特徴と
    するセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積層構造体。
  16. 【請求項16】 請求項13ないし15のいずれか1に
    記載のセラミックス誘電体膜/成膜用基板の積層構造体
    からなる電気−機械変換素子。
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