JP2001152131A - 漏水防止方法 - Google Patents

漏水防止方法

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JP2001152131A
JP2001152131A JP33523499A JP33523499A JP2001152131A JP 2001152131 A JP2001152131 A JP 2001152131A JP 33523499 A JP33523499 A JP 33523499A JP 33523499 A JP33523499 A JP 33523499A JP 2001152131 A JP2001152131 A JP 2001152131A
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water
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preventing
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Yuji Ito
裕二 伊藤
Wakako Tamura
和佳子 田村
Yasuo Kuroda
泰男 黒田
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建造物が漏水したときに速やかに漏水を止める
ことができ、施工の手間がかからない、漏水防止方法を
提供すること。 【解決手段】高吸水性ポリマー、炭素数2以上の繰り返
し単位を有するアルキレングリコール誘導体、高吸水性
ポリマーのゲル化剤、必要により有機物分解防止剤等を
含有する漏水防止剤を建造物に設けた漏水防止剤注入口
から注入することを特徴とする漏水防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、止水性能に優れた
漏水防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】屋根、床または壁面からの漏水を止める
には、その原因となる穴又はひび割れもしくは間隙など
の漏水浸入個所にシーリング剤を塗布、充填するか、あ
るいは漏水浸入個所不明の場合は、屋根の全面葺き替
え、防水シートの全面張り替え、壁面にあっては全面吹
き付け塗装、タイルの全面張り替え等をしなくてはなら
ない。多くの場合、漏水の浸入個所を特定することは甚
だ困難なため、シーリング剤の塗布、充填だけの簡単な
補修では直らない事が多い。雨漏りに関しては、その補
償期間は5年〜10年と長期間にわたることが多く、補
償期間内にあっては建築業者が、又補償期限切れのとき
には建築業者あるいは、施主がそれぞれ多額の費用負担
を余儀なくされている。これに関し、特公平7−966
72では散布用雨漏り防止剤が開示されており、水不溶
性粉状物で漏水の原因となるひび割れを閉塞させる方法
が示されている。しかし、近年の建造物は建物躯体の表
面を化粧板、タイル、断熱材、断熱材押さえ等で覆うこ
とが多く、躯体のひび割れや、防水目地からの漏水に対
し、散布用雨漏り防止剤が漏水浸入個所に到達し難いと
いう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】建造物のひび割れまた
は防水目地からの漏水に対し、施工の手間がかからない
漏水防止方法の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記した様な
課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に至っ
た。即ち本発明は(1)漏水防止剤を建造物に設けた漏
水防止剤注入口から注入する漏水防止方法であって、該
漏水防止剤が高吸水性ポリマー((a)成分)を炭素数
2以上の繰り返し単位を有するアルキレングリコール誘
導体((b)成分)を必須成分とする分散媒に分散させ
た分散体及び高吸水性ポリマーのゲル化剤((c)成
分)を含有するものであることを特徴とする漏水防止方
法、(2)漏水防止剤注入口をひび割れを挟んで千鳥状
に設ける前項(1)に記載の漏水防止方法、(3)漏水
防止剤が(b)成分100重量部に対して、(a)成分
が0.1〜35重量部及び(c)成分が0.1〜30重
量部となる割合で各成分を含有する前項(1)又は
(2)に記載の漏水防止方法、(4)高吸水性ポリマー
がポリ(メタ)アクリル酸誘導体、アルギン酸誘導体、
デンプン誘導体、ポリ−N−ビニルアセトアミド誘導
体、ポリビニルアルコール誘導体及びセルロース誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種である前項
(1)〜(4)のいずれか1項に記載の漏水防止方法、
(5)アルキレングリコール誘導体がエチレングリコー
ル誘導体、プロピレングリコール誘導体及びブチレンン
グリコール誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1
種である前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の漏
水防止方法、(6)アルキレングリコール誘導体が、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及び
ポリブチレングリコールからなる群から選ばれた少なく
とも1種である前項(5)に記載の漏水防止方法、
(7)高吸水性ポリマーのゲル化剤が水中で2価以上の
金属陽イオンを生じる化合物、又は陽イオン交換機能を
有する化合物である前項(1)〜(6)のいずれか1項
に記載の漏水防止方法、(8)漏水防止剤が、有機物分
解防止剤((d)成分)を含有する前項(1)〜(8)
のいずれか1項に記載の漏水防止剤、(9)有機物分解
防止剤が紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤及び抗カビ
剤からなる群から選ばれた少なくとも1種である前項
(8)に記載の漏水防止方法、(10)漏水防止剤が、
水を含有する前項(1)〜(9)のいずれか1項に記載
の漏水防止方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する漏水防止剤は、高吸水性ポリマー
((a)成分)を炭素数2以上の繰り返し単位を有する
アルキレングリコール誘導体((b)成分)を必須成分
とする分散媒に分散させた分散体及び高吸水性ポリマー
のゲル化剤((c)成分)を含有する。
【0006】以下、本発明で使用する漏水防止剤につき
詳述する。(a)成分である高吸水性ポリマーは他の成
分と共に、粒子状態で漏水注入口から注入され、降水等
の浸入により吸水、膨潤し、ひび割れ等の漏水浸入個所
を閉塞する働きがある。本発明において用いる高吸水性
ポリマーは、短時間で吸水、膨潤するような物質が用い
られ、架橋型であっても非架橋型であってもかまわな
い。又、架橋型と非架橋型を混合して用いても良い。使
用しうる高吸水性ポリマーの具体例としてはポリ(メ
タ)アクリル酸ナトリウム等のポリ(メタ)アクリル酸
のアルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム−ビ
ニルアルコール共重合体((メタ)アクリル酸メチル−
酢酸ビニル共重合体ケン化物)、ポリ(メタ)アクリロ
ニトリル系重合体ケン化物、ヒドロキシエチルメタクリ
レートポリマー又はポリ(メタ)アクリルアミド等のポ
リ(メタ)アクリル酸誘導体、アルギン酸ナトリウム又
はアルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギ
ン酸誘導体、澱粉グリコール酸のナトリウム塩、澱粉リ
ン酸エステルのナトリウム塩又は澱粉−アクリル酸塩グ
ラフト共重合体等のデンプン誘導体、ポリアクリルアミ
ド並びにN−ビニルアセトアミド重合体等のポリ−N−
ビニルアセトアミド誘導体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルホルマール、ポリビニルアセタール等のポリビ
ニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルロースの
アルカリ金属塩、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロー
ス等のセルロース誘導体があげられる。これら高吸水性
ポリマーのうちポリ(メタ)アクリル酸誘導体又はセル
ロース誘導体が好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸ナト
リウム又はヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に
好ましい。尚、前記において、アルカリ金属としては、
Li、Na又はKがあげられ、また、(メタ)アクリル
はメタクリル又はアクリルを意味するものとする。高吸
水性ポリマーの配合量は(b)成分100重量部に対し
て通常0.1〜35重量部、好ましくは0.4〜10重
量部である。
【0007】本発明で使用する(b)成分は炭素数2以
上の繰り返し単位を有するアルキレングリコール誘導体
であり、高吸水性ポリマーの膨潤を抑制し、漏水防止剤
の粘度を低くする役割と、漏水防止剤を注入口から注入
したときに速やかに漏水浸入個所に漏水防止剤が到達す
るのを助ける働きがある。この結果、降水等により建造
物の漏水浸入個所に浸入した水分により高吸水性ポリマ
ーが膨潤し、漏水個所を閉塞せしめて充分な漏水効果を
発揮する。
【0008】(b)成分の分子量は特に限定されない
が、分子量1000以上の界面活性効果がないものが好
ましい。用いうるアルキレングリコール誘導体の具体例
としてはポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル、高級アルコールエチレンオキサイド付加
物、アルファフェノールエチレンオキサイド付加物、脂
肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸
エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルコールア
ミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサ
イド付加物又はポリプロピレングリコールエチレンオキ
サイド付加物などのエチレングリコール誘導体もしくは
ポリプロピレングリコール又はポリプロピレングリコー
ルポリエチレングリコールブロック重合物等のプロピレ
ングリコール誘導体もしくはポリブチレングリコール等
のブチレングリコール誘導体等があげられ、中でもポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポ
リブチレングリコールが好ましい。尚、これらは単独
で、又は2種以上を混合して用いても良い。
【0009】高吸水性ポリマーのゲル化剤((c)成
分)は、水中で高吸水性ポリマーと化学的もしくは物理
的に結合して、該高吸水性ポリマーをゲル化するもので
あれば特に制限はないが、通常水中で2価以上の金属陽
イオンを生じる化合物が好ましい。該ゲル化剤となりう
るか否かは、高吸水性ポリマーを水に溶解させ、その化
合物を加え、溶液の粘度が上昇するかどうかで容易に判
別することができる。用いうる(c)成分の具体例とし
ては、ゲル化能を有する程度に金属イオンを水中で生じ
る珪酸多価金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、明礬、
水溶性アルミニウム塩、水溶性鉄塩、水溶性マンガン
塩、水溶性亜鉛塩またはアルカリ土類金属酸化物等があ
げられる。前記において、珪酸多価金属塩としては珪酸
のアルミニウム塩、珪酸のカルシウム塩等であり、具体
的にはベントナイト、モンモリロナイトまたはスメクタ
イト等の珪酸塩のCa型のもの(珪酸塩鉱物)があげら
れる。尚、本発明においてベントナイト、モンモリロナ
イトまたはスメクタイト等のCa型とはカルシウム含有
量の比較的多いものを意味し、これらの珪酸塩中のカル
シウム含量をCaOに換算した場合、ベントナイト、モ
ンモリロナイトまたはスメクタイト等の総重量に対する
重量割合で、1〜2%程度もしくはそれ以上のものが好
ましい。水溶性アルカリ土類金属塩としては、炭素数1
〜3の有機酸のアルカリ土類金属塩または無機酸のアル
カリ土類金属塩等があげられ、具体的には、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸マグネシ
ウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム等であり、明礬としてはアルミニウムカリウム
明礬、鉄明礬等があげられ、水溶性アルミニウム塩とし
ては、乳酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等があ
げられ、水溶性鉄塩としては酢酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄、
硝酸鉄等があげられ、水溶性マンガン塩としては酢酸マ
ンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン等があげられ、水
溶性亜鉛塩としては酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫
酸亜鉛があげられ、アルカリ土類金属酸化物としては酸
化マグネシウム、酸化カルシウム等があげられる。これ
らゲル化剤のうち好ましいものとしてはベントナイト、
モンモリロナイト、スメクタイト、酢酸マグネシウム、
酢酸カルシウム、乳酸アルミニウム、酢酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムがあげられる。
【0010】これらゲル化剤により生じたゲルは水に不
溶性のため、漏水浸入箇所を閉塞したゲルは再び水に溶
解して流失することがなくなる。本発明における漏水防
止剤では、アルキレングリコール誘導体により、高吸水
性ポリマーの膨潤とゲル化反応が抑制されている。とこ
ろが、雨水等の漏水により高吸水性ポリマーの膨潤が進
むとゲル化剤との反応により水に不溶性のゲルが形成さ
れる。即ち、漏水個所に十分な量の高吸水性ポリマーを
含有した漏水防止剤を注入した後、高吸水性ポリマーの
膨潤とゲル化により漏水個所を閉塞することが可能にな
る。
【0011】高吸水性ポリマーのゲル化剤の配合量は、
(b)成分100重量部に対して通常0.1〜30重量
部であるが、そのゲル化能力は個々の物質により異なる
ので、珪酸塩鉱物以外は高吸水性ポリマーの使用量以下
であることが好ましい。
【0012】本発明において使用する漏水防止剤は、有
機成分が例えば紫外線の吸収により分解し、保存中の粘
度変化や使用中の漏水防止機能の低下が起こる場合があ
る。このような現象を避ける目的で本発明において使用
する漏水防止剤に有機物分解防止剤((d)成分)を含
有せしめても良い。有機物が分解する原因としては、紫
外線の吸収の他、酸化又は菌やカビが考えられる。本発
明において使用しうる有機物分解防止剤としては、それ
らの防止効果のあるものが挙げられるが、それ以外にも
漏水防止剤を通常の状態で保存しておいた場合に生じう
る有機物の分解を防止する機能のある物質であれば特に
制限はない。
【0013】例えば、紫外線吸収剤としてはサリチル酸
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、シアノアクリレート系化合部等の紫外線吸
収剤があげられる。酸化防止剤としては、ジブチルヒド
ロキシトルエン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナト
リウム、クエン酸イソプロピル、α−トコフェロール、
ノルジヒドログアヤレチック酸、ブチルヒドロキシアニ
ソール没食子酸プロピル等があげられる。抗菌及び抗カ
ビ剤としてはソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香
酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウ
ム、p−オキシ安息香酸イソブチル、p−オキシ安息香
酸イソプロピル、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキ
シ安息香酸ブチル、p−オキシ安息香酸プロピル等があ
げられる。これらは単独若しくは2種以上を混合して使
用することができるが、漏水防止剤の粘度や性能に影響
を及ぼさないものが好ましい。分解防止剤の配合量は
(b)成分100重量部に対して通常0.01〜5重量
部、好ましくは0.1〜2重量部である。
【0014】本発明における漏水防止剤において更に必
要であれば水不溶性の粉状物を混合しても良い。水不溶
性の粉状物は有機物粉体、無機物粉体等何れでも良く、
粒径0.1〜100μmに幅広くかつ均等に分布してい
るものが好ましい。具体例としては、ロジン粉末、樹脂
粉末、粘土、木粉、バーミキュライト、パーライト、雲
母粉等があげられる。これらは単独若しくは2種以上を
混合して使用することができる。2種以上を混合して使
用する場合は、粒度分布が広くなる組合せが好ましい。
水不溶性粉状物の配合量は、(b)成分100重量部に
対して通常1〜20重量部である。
【0015】本発明における漏水防止剤は(a)成分を
分散媒として、それに(b)成分を攪拌しながら加え、
(b)成分を分散させ、さらに(c)成分を攪拌しなが
ら加え、(c)成分を分散させて得られる。尚、(a)
成分が、粘稠な液体又はワックス状等の固体である場合
は、水を加えて粘度を調整することが出来る。この場
合、各成分の混合順序は水を攪拌しながら、これに
(a)成分を加え、(a)成分を溶解させたあと、(b
成分と(c)成分を攪拌しながら加えて行う。このと
き、水の配合割合は得られる漏水防止剤の粘度が300
0cP以下になるようにするのが好ましい。上記の混合
順序以外で製造した場合は、高吸水性ポリマーの膨潤や
溶解が起こり、極めて粘稠な液体となる場合があり好ま
しくない。尚、上記の(d)成分をはじめとする任意成
分を使用する場合、必須成分の混合が終了してから任意
成分を添加するのが好ましい。
【0016】本発明の漏水防止方法においては、上記の
ようにして得られた漏水防止剤を漏水浸入個所に速やか
に到達させるために、建造物に漏水防止剤の注入口を設
ける。注入口の役割は建造物躯体表面に直接漏水防止剤
が到達する様に、建造物表面から躯体に通じる、漏水防
止剤が通過できる経路となることである。漏水防止剤が
漏水個所に到達できれば、注入口、注入経路の形状、大
きさは如何なるものであっても良いが、注入口はひび割
れを挟んで千鳥状に設けることが好ましい。注入口を設
ける際は穿孔ピッチや穿孔角度を考慮し、できるだけ駆
体のひび割れの深部で穿孔穴がひび割れを交互に貫通で
きるようにする。その結果、駆体内に充分に漏水防止剤
を注入でき、確実に漏水個所を閉塞することができる。
【0017】穿孔ピッチはコンクリート等の駆体の厚み
によって決められ、駆体の厚みが120〜40cmの場
合、25〜40cmのピッチで千鳥状に穿孔するのが好
ましい。また、駆体の厚みが40cm以下の場合は直接
ひび割れの真上から穿孔するのが良い。ひび割れの幅が
広い場合は、注入の際漏水防止剤がこぼれ出る量が多い
ので、穿孔ピッチを10〜20cm程度に短くして、急
結セメントでひび割れの目止めをするか、若しくはエポ
キシ樹脂でひび割れを封じてから漏水防止剤を注入して
も良い。建造物外壁の場合、コンクリート躯体の壁体に
通常はアスファルト防水目地がなされ、その上に化粧板
やタイルを張り付けている。この場合も防水目地に直接
漏水防止剤が到達出来る様に穿孔し注入口を設けること
が好ましい。注入口は化粧板やタイルの目地部分を切り
欠いても構わない。この場合、防水目地とコンクリート
の隙間に生じたひび割れに漏水防止剤が浸入し、漏水が
防止できる。また、建造物が地下埋設物の場合、漏水は
通常地下水に起因するので、地下埋設物の外側接合部分
の目地に漏水防止剤が到達出来る様に穿孔し注入口を設
けるのが好ましい。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に詳細に説明
する。
【0019】 試験例1 (1)ポリエチレングリコール 100g (試薬 関東化学株式会社製 分子量7400〜9000) (2)水 100g (3)ベントナイト 28g (商品名ベンクレイ 水澤化学工業(株)製) (4−1)ポリアクリル酸ナトリウム 1.5g (商品名:パナカヤク−CP 日本化薬株式会社製) (4−2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.5g (商品名:メトローズ 信越化学工業株式会社製) (2)の水に(1)のポリエチレングリコールを少量ず
つ撹拌しながら加え、溶解させた。この溶液を更に撹拌
しながら(4−1)と(4−2)の高吸水性ポリマーを
少量ずつ撹拌しながら加え、分散させ、さらに、(3)
の高吸水性ポリマーゲル化剤を加え撹拌し漏水防止剤を
得た。この漏水防止剤につきB型粘度計(東京計器
(株)製)を用いて25℃で粘度を測定したところ、9
70cPであった。
【0020】「上記漏水防止剤の漏水防止効果の確認」
市販の砂配合済みセメント(商品名:麻生カテイセメン
ト、麻生セメント株式会社製)3.0Kgを用意し、こ
れに水800gを加えてよく混練した後、型枠に入れて
図1の形状物として固化させた。このコンクリート容器
を二つに割り、(図2)合わせて針金で補強し、図3の
状態に戻してから水を注いだところ、容器の合わせ目か
ら水が直ちに流れ出た。この容器の内側に刷毛で試験例
で得た漏水防止剤20gを塗布した。1時間後に水を満
杯になるまで注いだが漏水しなかった。30分間放置し
た後、容器から水をあけ、容器を60℃で3日間乾燥さ
せた。容器を室温まで冷却した後、再び水を満杯になる
まで注いだが合わせ目から水が漏れ出ることはなかっ
た。また、これに水を張った状態で3日間放置したが、
合わせ目から水が漏れ出ることはなかった。
【0021】実施例1 3階建鉄筋コンクリート陸屋根の屋上部分から漏水があ
った。この建造物の屋上部分は鉄筋スラブコンクリート
にアスファルト防水目地が施され、その上に発泡スチロ
ール断熱材(厚さ4cm)と断熱材押さえコンクリート
(厚さ7cm)が施工してあった(図4)。漏水個所に
断熱材押さえコンクリートから断熱材を貫通し、スラブ
コンクリートのアスファルト防水目地に至る漏水防止剤
注入口(巾1cm×長さ1cm×深さ11cm)を設
け、試験例1と同じ組成の漏水防止剤1kgを注入後、
水20リットルを注入した。3日後に降雨があったが漏
水しなかった。
【0022】 試験例2 (1)ポリエチレングリコール 80g (試薬 関東化学株式会社製 分子量7400〜9000) (2)水 100g (3)酢酸マグネシウム 12g (試薬 和光純薬工業株式会社製) (4)ポリアクリル酸ナトリウム 2.2g (商品名パナカヤク−CP 日本化薬株式会社製) (5)ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤) 0.3g (2)の水に(1)のポリエチレングリコールを少量ず
つ撹拌しながら加え、溶解させた。この溶液を更に撹拌
しながら(4)の高吸水性ポリマーを少量ずつ撹拌しな
がら加え、分散させ、さらに(3)の高吸水性ポリマー
ゲル化剤と(5)の酸化防止剤をを加え撹拌し漏水防止
剤を得た。この漏水防止剤につきB型粘度計(東京計器
(株)製)を用いて25℃で粘度を測定したところ、1
140cPであった。
【0023】「上記漏水防止剤の漏水防止効果の確認」
別に試験例1と同様にしてコンクリート容器を用意し、
容器を二つに割り(図2)、合わせて針金で補強し、図
3の状態に戻してから水を注いだところ、容器の合わせ
目から水が直ちに流れ出た。この容器の内側に刷毛で試
験例で得た漏水防止剤20gを塗布した。1時間後に水
を満杯になるまで注いだが漏水しなかった。30分間放
置した後、容器から水をあけ、容器を60℃で3日間乾
燥させた。容器を室温まで冷却した後、再び水を満杯に
なるまで注いだが合わせ目から水が漏れ出ることはなか
った。また、これに水を張った状態で3日間放置した
が、合わせ目から水が漏れ出ることはなかった。
【0024】実施例2 鉄筋コンクリート製の建造物の地下通路の壁から漏水が
あった。この建造物の壁部分は山留め壁の内側に鉄筋ス
ラブコンクリートが打たれ、その表面に塗膜防水が施さ
れてあった。この壁面に漏水防止剤注入口をひび割れを
挟んで千鳥状に設け、試験例2で得られたのと同じ組成
の漏水防止剤1kgを高圧注入した。施工後3日間程雨
が降り続いたが漏水しなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、特定な組成の漏水防止
剤を建造物に設けた注入口より注入することにより、漏
水個所に漏水防止剤を確実に到達させることが出来るた
め、浸入水の内部への浸入を防ぐ事が出来る。従って本
発明は、モルタル及びコンクリート製品の劣化を防ぐた
めに極めて有用な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート製容器
【図2】図1のコンクリート製容器の2分割したもの
【図3】図2で得られた2分割された容器を復元したも
【図4】防水目地上に漏水防止剤用注入口を設けた例
(断面図)
【符号の説明】
1;コンクリート製容器 2;合わせ目 3;針金 4;漏水防止剤用注入口 5;断熱材押さえコンクリート 6;発泡スチロール断熱材 7;鉄筋スラブコンクリート 8;アスファルト防水目地
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Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】漏水防止剤を建造物に設けた漏水防止剤注
    入口から注入する漏水防止方法であって、該漏水防止剤
    が高吸水性ポリマー((a)成分)を炭素数2以上の繰
    り返し単位を有するアルキレングリコール誘導体
    ((b)成分)を必須成分とする分散媒に分散させた分
    散体及び高吸水性ポリマーのゲル化剤((c)成分)を
    含有するものであることを特徴とする漏水防止方法。
  2. 【請求項2】漏水防止剤注入口をひび割れを挟んで千鳥
    状に設ける請求項1に記載の漏水防止方法。
  3. 【請求項3】漏水防止剤が(b)成分100重量部に対
    して、(a)成分が0.1〜35重量部及び(c)成分
    が0.1〜30重量部となる割合で各成分を含有する請
    求項1又は2に記載の漏水防止方法。
  4. 【請求項4】高吸水性ポリマーが、ポリ(メタ)アクリ
    ル酸誘導体、アルギン酸誘導体、デンプン誘導体、ポリ
    −N−ビニルアセトアミド誘導体、ポリビニルアルコー
    ル誘導体及びセルロース誘導体からなる群から選ばれた
    少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の漏水防止方法。
  5. 【請求項5】アルキレングリコール誘導体が、エチレン
    グリコール誘導体、プロピレングリコール誘導体及びブ
    チレンングリコール誘導体からなる群から選ばれた少な
    くとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    漏水防止方法。
  6. 【請求項6】アルキレングリコール誘導体が、ポリエチ
    レングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブ
    チレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1
    種である請求項5に記載の漏水防止方法。
  7. 【請求項7】高吸水性ポリマーのゲル化剤が、水中で2
    価以上の金属陽イオンを生じる化合物又は陽イオン交換
    機能を有する化合物である請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の漏水防止方法。
  8. 【請求項8】漏水防止剤が、有機物分解防止剤((d)
    成分)を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    漏水防止方法。
  9. 【請求項9】有機物分解防止剤が、紫外線吸収剤、酸化
    防止剤、抗菌剤及び抗カビ剤からなる群から選ばれた少
    なくとも1種である請求項8に記載の漏水防止方法。
  10. 【請求項10】漏水防止剤が、水を含有する請求項1〜
    9のいずれか1項に記載の漏水防止方法。
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