JP2001152121A - 一液性エポキシ樹脂組成物接着剤 - Google Patents

一液性エポキシ樹脂組成物接着剤

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JP2001152121A JP33970899A JP33970899A JP2001152121A JP 2001152121 A JP2001152121 A JP 2001152121A JP 33970899 A JP33970899 A JP 33970899A JP 33970899 A JP33970899 A JP 33970899A JP 2001152121 A JP2001152121 A JP 2001152121A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐熱性と応力緩和性と併有する一液性エポ
キシ樹脂組成物接着剤を提供すること。 【解決手段】 液状芳香族系または/および液状水添芳
香族系エポキシ樹脂(成分A)、下記構造式(1)で示
される多官能エポキシ樹脂(成分B)および固体エポキ
シ樹脂アミンアダクトまたは/および固体脂肪族ポリア
ミン変性体(成分C)を含有する一液性エポキシ樹脂組
成物接着剤; 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一液性エポキシ樹脂
組成物に関し、詳しくはその硬化物が高耐熱性と応力緩
和性を併有する一液性エポキシ樹脂組成物接着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は電子・電気部品、
光学部品、音響部品、精密機構部品などの接着剤として
使用されていることはよく知られている。取り扱い性に
優れていることから一液性エポキシ樹脂組成物がこのよ
うな接着剤としては最も好適であり主流をなしている。
【0003】近年、電子機器の小型化、軽量化、高密度
化等にともない自動搭載装置を使用して小型電子部品や
半導体部品を回路加工した基板上に実装したいわゆるS
MD(サーフェイス・マウント・デバイス)製品の生産
が急増している。
【0004】このSMD製品では接着剤や封止剤を用い
て小型電子部品や半導体部品を基板上に実装したのち端
子の半田付けが行われる。この半田付けでは加熱炉とし
て遠赤外線による加熱炉方式が採用されるのが一般的で
ある。従来方式では端子にのみ高熱がかかる加熱方式で
半田付けが行われていたが遠赤外線加熱方式では実装さ
れた基板がそのまま加熱炉を通過する方式のため実装部
品と基板全体が高温となり、用いられている接着剤や封
止剤には高耐熱性が必要となる。
【0005】従来から芳香族系や水添芳香族系エポキシ
樹脂組成物は、硬化物の耐熱性は良好であるため、遠赤
外線加熱方式の接着剤などに使用されてきた。しかしな
がら、従来のそのような芳香族系や水添芳香族系エポキ
シ樹脂組成物は、耐熱性は良好であるが、硬くて脆いと
いう物性的短所があり、それに起因して高温時被接着材
との熱膨張差や内部応力により被接着材との間で剥離を
生ずるという問題を有している。
【0006】そのような応力を緩和し剥離を防止する方
法としては一般に二つの方法が採用されてきた。その一
方法は可撓性を有するエポキシ樹脂を併用することであ
るが、この方法では耐熱性が大幅に低下する。別の方法
としては無機材料を添加して接着剤の熱膨張率を小さく
して被接着材との熱膨張差を低減することであるが、こ
の方法では硬化物が脆くなり密着性も低下する。
【0007】上記のように従来の技術では一液性エポキ
シ樹脂組成物の硬化物が高耐熱性と良好な応力緩和性を
併有することは困難であった。前述したように、遠赤外
線加熱炉方式による部品実装製品の分野においては、高
耐熱性と良好な応力緩和性を併有する接着剤の実用化が
強く要請されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたものであり、その目的とするところは、硬
化物が高耐熱性と良好な応力緩和性と併有する一液性エ
ポキシ樹脂組成物接着剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、液
状芳香族系または/および液状水添芳香族系エポキシ樹
脂(成分A)、下記構造式(1)で示される固体多官能
エポキシ樹脂(成分B)および固体エポキシ化合物アミ
ンアダクトまたは/および固体脂肪族ポリアミン変性体
(成分C)を含有する一液性エポキシ樹脂組成物接着
剤;
【化2】 (式中、nは0〜6の数を表す)に関するものである。
なお、液状とは室温付近で液体状態であることであり、
固体とは室温付近で固体状態であることを意味する。
【0010】本発明における液状芳香族系および水添芳
香族系多官能エポキシ樹脂(成分A)は、ベンゼン環、
ナフタレン環、水添ベンゼン環のような芳香族環または
水添芳香族環と2個以上の末端エポキシ基を有するエポ
キシ樹脂であり、室温付近での状態は液状である。芳香
族環と水添芳香族環にはアルキル、ハロゲンなどの置換
基があってもよく、末端エポキシ基と芳香族環または水
添芳香族環とはオキシアルキレン、ポリ(オキシアルキ
レン)、カルボオキシアルキレン、カルボポリ(オキシ
アルキレン)、アミノアルキレンなどにより結合されて
いる。また、芳香族環や水添芳香族環は直接またはアル
キレン、オキシアルキレン、ポリ(オキシアルキレン)
などで結合されている。具体的にはビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付
加物ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−1,3
−プロピレンオキサイド2モル付加物ジグリシジルエー
テル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水
添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、オルソフタ
ル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロイソフタル酸
ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリ
ン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリ
シジルアニリン−3−グリシジルエーテル、テトラグリ
シジルメタキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−
ジグリジルアミノメチレン)シクロヘキサンなどが例示
できる。本発明ではこれらのエポキシ樹脂群の中から1
種類以上を選び使用される。硬化物の耐熱性からいえ
ば、ビスフェノールAと水添ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールFと水添ビスフェノール
Fジグリシジルエーテルなどを使用するのが好ましい。
場合によっては、上記以外の室温付近で液状または固体
の単官能あるいは多官能エポキシ樹脂の1種類以上を少
量添加してもよい。
【0011】本発明に使用する成分Bは下記構造式
(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂である。
【化3】
【0012】構造式(1)で示されるようなベンゼン環
を多く有する多官能エポキシ樹脂としては従来からフェ
ノール・ノボラック型やクレゾール・ノボラック型多官
能エポキシ樹脂が知られているが、それらのエポキシ樹
脂は、構造的にはベンゼン環が直鎖状に結合している。
本発明の構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹
脂は主鎖に、グリシジルエーテル基を有するベンゼン環
を側鎖としてさらに有しており、フェノール・ノボラッ
ク型やクレゾール・ノボラック型多官能エポキシ樹脂と
は全く異なる構造をしている。事実、フェノール・ノボ
ラック型やクレゾール・ノボラック型多官能エポキシ樹
脂ではその硬化物の耐熱性は良好であるが応力緩和性は
不良であり、高耐熱性と良好な応力緩和性の両者を付与
できない。本発明のように構造式(1)で示される固体
多官能エポキシ樹脂を成分Bとして使用した場合にのみ
高耐熱性と良好な応力緩和性を併用する硬化物となりう
る。
【0013】本発明で使用される構造式(1)で示され
る固体多官能エポキシ樹脂の製造方法については、例え
ば特開昭57−141419号公報に記載されている。
また構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂と
して市販されている代表例としては、「エピコートE1
032S50、E1032H60」(以上、油化シェル
エポキシ(株)製品)、「EPPN−501H、EPP
N−502H」(以上、日本化薬(株)製品)がある。
【0014】従来から、構造式(1)で示される固体多
官能エポキシ樹脂は知られており、またビスフェノール
Aプロピレンオキサイド系エポキシ樹脂と組合せ、さら
にメチルナジック酸エポキシ樹脂組成物も知られてい
る。しかしながら、この組成物ではエポキシ樹脂硬化剤
であるジカルボン酸無水物をエポキシ樹脂のエポキシ基
1個に対して約0.85当量以上という多量の配合量と
しなければならず、したがってこの組成物は非常に高粘
度となり接着、封止や注型用途には適さない。また、こ
の一液性エポキシ樹脂組成物の硬化には非常な高温と長
時間を要するという短所もある。さらに、この硬化物の
耐熱性は良好であるが応力緩和性は不良であり、この両
特性を併有するという特徴を有していない。これに対し
て、本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤では成分
Cである固体エポキシ化合物アミンアダクトまたは/お
よび脂肪族ポリアミン変性体を10〜20重量部程度の
比較的少量を配合するだけでよく、しかもその硬化物は
耐熱性と良好な応力緩和性の併有を発現するという特異
性を有している。
【0015】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物を構成
する必須成分である固体エポキシ化合物アミンアダクト
(成分C)とは、室温付近で液状の一般エポキシ樹脂に
は不溶性の固体であるが、加熱することにより可溶化し
本来の機能を発揮する化合物である。基本的には、エポ
キシ化合物とアミン化合物の反応生成物(一般に、エポ
キシ化合物アミンアダクトと呼称されている)である。
詳しくは、単官能および多官能エポキシ化合物とエポキ
シ基と付加反応し得る活性水素を1分子内に1個以上有
し、かつ1級、2級、3級アミノ基の中から選ばれた置
換基を少なくとも1分子内に1個以上有するアミン化合
物との反応生成物(即ち、エポキシ化合物アミンアダク
ト)である。このようなエポキシ化合物とアミン化合物
には、脂肪族系、脂環族系、芳香族系および複素環系の
エポキシ化合物やアミン化合物が含まれる。したがっ
て、固体エポキシ化合物アミンアダクトの化学構造は一
定していないが、特開昭56−155222号公報、特
開昭57−100127号公報、特開昭61−2280
18号公報、特開昭62−285913号公報、特開平
3−139517号公報、特開平6−49176号公
報、特開平6−211969号公報、特開平7−196
776号公報などに記載のものが例示できる。
【0016】本発明の成分Cとして使用される固体エポ
キシ化合物アミンアダクトとして市販されている代表例
としては、「アミキュアPN−23、PN−31、PN
−40、PN−40J、PN−D、PN−H、MY−2
4、MY−D、MY−H」(以上、味の素ファインテク
ノ(株)製品)、「ノバキュアHX−3721、HX−
3742」(以上、旭化成工業(株)製品)、「ハード
ナーH−3293S、H−3615S」(以上、エー・
シー・アール(株)製品)、「ANCAMINE 20
14AS、2014FG」(以上、パシフィック・アン
カー・ケミカル(株)製品)などがある。
【0017】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物を構成
する成分Cの別の化合物である固体脂肪族ポリアミン変
性体とは、室温付近で液状の一般エポキシ樹脂には不溶
性の固体であるが、加熱することにより可溶化し本来の
機能を発揮する化合物である。基本的には、アミン化合
物とイソシアネート化合物との反応生成物(一般に、脂
肪族ポリアミン変性体と呼称されている)である。詳し
くは、ジアルキルアミノアルキルアミン化合物、分子内
に活性水素を有する窒素原子を1個あるいは2個有する
環状アミン化合物とジイソシアネート化合物の反応生成
物(即ち、脂肪族ポリアミン変性体)である。このよう
な3成分にさらにエポキシ化合物を第4成分として反応
させて得られる脂肪族ポリアミン変性体もある。従っ
て、固体脂肪族ポリアミン変性体の化学構造は一定して
いないが、特開平3−296525号公報に記載のもの
が例示できる。
【0018】本発明の成分Cとして使用される固体脂肪
族ポリアミン変性体として市販されている代表例として
は、「フジキュアFXE−1000、FXR−103
0、FXB−1050」(以上、富士化成工業(株)
製)が挙げられる。
【0019】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤
は硬化性は良好であるが、さらに硬化性を良くする必要
がある場合には一般の固体エポキシ樹脂硬化剤を少量添
加併用してもよい。その添加量は成分Aおよび成分Bの
総量100重量部に対して5重量部以下でよく、十分な
効果を示す。固体エポキシ樹脂硬化剤は、室温付近で固
体状態である架橋型エポキシ樹脂硬化剤を意味してい
る。ジ、トリおよびテトラカルボン酸無水物、ジカルボ
ン酸ジヒドラジド、ジシアンジアミドなどである。具体
的には、ジ、トリおよびテトラカルボン酸無水物として
は無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラブ
ロモ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−お
よび4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチ
レンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸などの芳香族や脂
環族系のポリカルボン酸無水物が例示できる。ジカルボ
ン酸ジヒドラジドとしては脂肪族、芳香族、脂環族また
は複素環族の各種ジカルボン酸ジヒドラジドが使用で
き、好ましくは脂肪族または複素環族のジカルボン酸ジ
ヒドラジド、例えばアジピン酸ジヒドラジド、セバシン
酸ジヒドラジド、オクタデカメチレン−1,18−ジカ
ルボン酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−
1,18−ジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス
(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダン
トインなどが例示できる。ジシアンジアミドは単独化合
物である。本発明ではこれらの硬化剤群の中から1種類
を選んで使用される。硬化物の物性からいえば、上記し
た硬化剤の中の脂肪族および複素環族ジカルボン酸ジヒ
ドラジドおよびジシアンジアミドを使用するのが好まし
く、特に好ましいのはジシアンジアミドである。
【0020】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤
を構成する成分A〜Cは、成分Aが10〜90重量部、
成分Bが10〜90重量部および成分Cが5〜30重量
部の範囲で、好ましくは、成分Aが40〜60重量部、
成分Bが40〜60重量部および成分Cが10〜20重
量部の範囲で配合する。また、成分Aにおける液状芳香
族系と液状水添芳香族多官能エポキシ樹脂はそれぞれ単
独でも併用でも使用でき、併用する場合の比率は任意で
ある。更に、成分Cにおける固体エポキシ化合物アミン
アダクトと固体脂肪族ポリアミン変性体はそれぞれ単独
でも併用でも使用され、併用する場合の比率は任意であ
る。
【0021】各成分より選ばれて構成される三成分の組
合せは一液性エポキシ樹脂組成物接着剤とその硬化物に
要求される品質により適宜選択すればよいが、本発明の
液状組成物接着剤は流動性、硬化性などの加工性が良好
であり、硬化後は密着性に優れ、無溶剤系であるため加
熱下でのガス発生は殆どなく、電子部品の実装、特に回
路加工された基板表面へ小型電子部品を実装するいわゆ
るSMD製品の接着剤、封止剤として特に有用である。
流動性、硬化性、保存安定性、硬化物の密着性、力学物
性、電気特性、耐熱性の観点からはビスフェノールAジ
グリシジルエーテルと水添ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルの単独使用または併用(成分A)/構造式
(1)で示される多官能エポキシ樹脂(成分B)/固体
エポキシ化合物アミンアダクトと固体脂肪族ポリアミン
変性体の単独使用または併用(成分C)の組成物を例示
できる。
【0022】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤
には必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内
で、充填剤、着色剤、難燃剤、光安定剤、補強剤、増粘
剤、粘度調整剤、希釈剤、揺変性付与剤などの配合剤や
添加剤を追加混合してもよい。これらの配合剤や添加剤
は本発明に限定される特別なものではなく、従来からの
一液性エポキシ樹脂組成物に使用されている一般的なも
のから任意に選択して使用することができる。
【0023】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤
は、上記成分A〜Cおよび必要に応じて他の配合剤や添
加剤を、従来からの一液性エポキシ樹脂組成物の製造に
採用されている製造方法に従い混合することによって製
造することができる。
【0024】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤
を各種部品などの製造工程に適用するに際しては、既存
の設備、装置、工法などが全て使用でき、硬化条件とし
ては80〜120℃で30〜60分が適当である。
【0025】
【実施例】実施例及び比較例により本発明と従来の技術
を具体的に説明する。なお、下記実施例と比較例におけ
る「部」とは「重量部」のことである。
【0026】耐熱性と応力緩和性はDSC(示差走査熱
量計)により次のようにして測定した。実施例の本発明
の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤あるいは比較例の一
液性エポキシ樹脂組成物10±0.5mgをDSC測定
用のアルミニウム容器(φ約3mm、深さ約3mm、厚
さ0.5mm)に取り入れ80℃で4時間、続いて12
0℃で2時間加熱硬化させた。次に硬化物の入ったアル
ミニウム容器をDSC装置内の測定部に置き、10℃/m
inの昇温速度で常温付近(20〜30℃)から約250
℃まで昇温した。このとき比較基準物質としてはAl2
3(10±0.5mg)を使用した。得られたDSC
チャートから耐熱性と応力緩和性を測定した。即ち、図
1に示したDSCチャートにおいてa点の温度が高いほ
ど耐熱性に優れ、a点の温度が低いかあるいはbの温度
幅が広いほど応力緩和性に優れる。
【0027】
【実施例1】ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(成分A)50部、前記構造式(1)で示される多官能
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品;品種EPPN−5
02H)(成分B)50部および固体エポキシ化合物ア
ミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)製品、品種
PN−23)(成分C)20部を分散機とセラミック三
本ロールミルを用いて十分に混合し、一液性エポキシ樹
脂組成物接着剤(I)を調製した。次に前記した条件下
で硬化し、DSCを用いて耐熱性と応力緩和性を測定し
たところ、ガラス転移温度(図1、a)は145℃であ
り、温度幅(図1、b)は30℃であり、耐熱性と良好
な応力緩和性を併有していることが判明した。
【0028】
【比較例1】実施例1における成分の内の成分Bをクレ
ゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製
品、品種EOCN−102S)に変更した以外は、実施
例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(1)
を調製した。この組成物(1)を実施例1と同様にして
硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図
1、a)は144℃であり、温度幅(図1、b)は12
℃であった。この結果から耐熱性は実施例1とほぼ同等
であるにも関わらず、応力緩和性は半分以下であること
がわかった。
【0029】
【比較例2】実施例1における成分の内の成分Bを使用
せずに、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂
組成物(2)を調製した。この組成物(2)を実施例1
と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス
転移温度(図1、a)は115℃であり、温度幅(図
1、b)は12℃であった。ガラス転移温度が実施例1
と比較して30℃低いことから応力緩和性は良好である
が、耐熱性は30℃低下することがわかった。
【0030】
【比較例3】実施例1における成分の内の成分Bを長鎖
脂肪族ジグリシジルエステル(岡村製油(株)製品、品
種IPU−22G)に変更した以外は、実施例1と同じ
手順により一液性エポキシ樹脂組成物(3)を調製し
た。この組成物(3)を実施例1と同様にして硬化し、
DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)
は72℃、温度幅(図1、b)は15℃であった。ガラ
ス転移温度が実施例1と比較して73℃低いことから応
力緩和性は良好であるが、耐熱性は73℃も低下するこ
とがわかった。
【0031】
【実施例2】ビスフェノールFジグリシジルエーテル
(成分A)50部、前記構造式(1)で示される多官能
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EPPN−5
01H)(成分B)50部および固体脂肪族ポリアミン
変性体(富士化成工業(株)製品、品種FXE−100
0)(成分C)20部から実施例1と同じ手順により一
液性エポキシ樹脂組成物接着剤(II)を調製した。次に
実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したとこ
ろ、ガラス転移温度(図1、a)は140℃、温度幅
(図1、b)は32℃であり、耐熱性と良好な応力緩和
性と併有していることが判明した。
【0032】
【比較例4】実施例2における成分の内の成分Bをクレ
ゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製
品、品種EOCN−102S)に変更した以外は、実施
例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(4)
を調製した。この組成物(4)を実施例1と同様にして
硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図
1、a)は138℃、温度幅(図1、b)は14℃であ
った。この結果から耐熱性は実施例1とほぼ同等である
にもかかわらず、応力緩和性は半分以下であることがわ
かった。
【0033】
【比較例5】実施例2における成分の内の成分Bを使用
せずに、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂
組成物(5)を調製した。この組成物(5)を実施例1
と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス
転移温度(図1、a)は107℃、温度幅(図1、b)
は13℃であり、ガラス転移温度が実施例1と比較して
31℃低いことから応力緩和性は良好であるが、耐熱性
は31℃低下することがわかった。
【0034】
【実施例3】ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(成分A)30部、水添ビスフェノールAジグリシジル
エーテル(成分A)30部、前記構造式(1)で示され
る多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EP
PN−502H)(成分B)40部および固体状エポキ
シ化合物アミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)
製品、品種PN−23)(成分C)10部、ジシアンジ
アミド5部から実施例1と同じ手順により一液性樹脂組
成物接着剤(III)を調製した。次に実施例1と同様に
して硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度
(図1、a)は166℃、温度幅(図1、b)は34℃
であり耐熱性と良好な応力緩和性を併有していることが
判明した。
【0035】
【比較例6】実施例3における成分の内の成分Bを使用
せずに、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂
組成物(6)を調製した。この組成物(6)を実施例1
と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス
転移温度(図1、a)は134℃、温度幅(図1、b)
は14℃であり、ガラス転移温度が実施例1と比較して
32℃低いことから応力緩和性は良好であるが、耐熱性
は32℃低下することがわかった。
【0036】
【比較例7】ビスフェノールAジグリシジルエーテル5
0部、、前記構造式(1)で示される多官能エポキシ樹
脂(油化シェルエポキシ(株)製品、品種エピコートE
1032H60)50部およびメチルナジック酸無水物
85部から実施例1と同じ手順により、一液性エポキシ
樹脂組成物(7)を調製した。次に、実施例1と同様に
して硬化したが、硬化状態が不十分であることが認めら
れたので、改めて100℃で2時間、続いて200℃で
4時間加熱硬化させた。続いてDSCを用いて耐熱性と
応力緩和性を測定したところ、ガラス転移温度(図1、
a)は200℃、温度幅(図1、b)は15℃であり、
耐熱性は非常に高い値を示すが、応力緩和性は不良で本
発明の硬化物の半分以下であることがわかった。
【0037】
【実施例4】ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(成分A)40部、前記構造式(1)で示される多官能
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EPPN−5
02H)(成分B)60部および固体脂肪族ポリアミン
変性体(富士化成工業(株)製品、品種FXE−100
0)(成分C)10部、ジシアンジアミド5部、平均粒
径3μmのガラスビーズ10部、顔料カーボン1部から
実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物接
着剤(IV)を調製した。次に、SMD用小型リレーケー
スを用いて接着試験を行った。SMD用小型リレーケー
スの外形寸法は14.89mm×7.34mm×8.4
4mmで厚さは0.40mmであり、その蓋の寸法は1
4.05mm×6.50mm×7.60mmで厚さは
7.25mmであった。マルチニードル方式のディスペ
ンサーを用いて約0.06gの組成物(IV)を隙間上に
滴下した後加熱炉中に静置し、100℃で1時間加熱し
た。その後、基板上に実装して遠赤外線リフロー炉を通
し、160℃×120秒+200℃以上45秒(MAX2
45℃)の加熱を3回行った。次に小型リレーケースを
解体しその接着性を調べた結果、密着性は良好であり何
らの変化も認められなかった。
【0038】
【比較例8】実施例4における成分の内の成分Bをクレ
ゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製
品、品種EOCN−102S)に変更した以外は、実施
例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(8)
を調製した。この組成物(8)を用いて実施例4と同様
にしてSMD用小型リレーケースでの接着試験を行った
ところ、遠赤外線リフロー炉での加熱後接着面の剥離が
認められた。
【発明の効果】
【0039】本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤
は、その硬化物が高耐熱性と良好な応力緩和性を併有
し、さらに被接着材への密着性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 簡略DSCチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 EC051 EC052 EC061 EC062 EC091 EC092 EC111 EC112 EC121 EC122 EC332 HC01 HC15 HC18 HC19 JA09 JA12 KA16 LA06 LA08 NA19 NA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状芳香族系または/および液状水添芳
    香族系エポキシ樹脂(成分A)、下記構造式(1)で示
    される固体多官能エポキシ樹脂(成分B)および固体エ
    ポキシ化合物アミンアダクトまたは/および固体脂肪族
    ポリアミン変性体(成分C)を含有する一液性エポキシ
    樹脂組成物接着剤; 【化1】 (式中、nは0〜6の数を表す)。
  2. 【請求項2】 ジシアンジアミドおよびジカルボン酸ジ
    ヒドラジドからなる群から選ばれる1種類以上の硬化剤
    をさらに少量含有する請求項1に記載の一液性エポキシ
    樹脂組成物接着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の一液性
    エポキシ樹脂組成物接着剤を使用してなることを特徴と
    する部品実装製品。
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