JP4019576B2 - 一液性エポキシ樹脂組成物接着剤 - Google Patents
一液性エポキシ樹脂組成物接着剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一液性エポキシ樹脂組成物に関し、詳しくはその硬化物が高耐熱性と応力緩和性を併有する一液性エポキシ樹脂組成物接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物は電子・電気部品、光学部品、音響部品、精密機構部品などの接着剤として使用されていることはよく知られている。取り扱い性に優れていることから一液性エポキシ樹脂組成物がこのような接着剤としては最も好適であり主流をなしている。
【0003】
近年、電子機器の小型化、軽量化、高密度化等にともない自動搭載装置を使用して小型電子部品や半導体部品を回路加工した基板上に実装したいわゆるSMD(サーフェイス・マウント・デバイス)製品の生産が急増している。
【0004】
このSMD製品では接着剤や封止剤を用いて小型電子部品や半導体部品を基板上に実装したのち端子の半田付けが行われる。この半田付けでは加熱炉として遠赤外線による加熱炉方式が採用されるのが一般的である。従来方式では端子にのみ高熱がかかる加熱方式で半田付けが行われていたが遠赤外線加熱方式では実装された基板がそのまま加熱炉を通過する方式のため実装部品と基板全体が高温となり、用いられている接着剤や封止剤には高耐熱性が必要となる。
【0005】
従来から芳香族系や水添芳香族系エポキシ樹脂組成物は、硬化物の耐熱性は良好であるため、遠赤外線加熱方式の接着剤などに使用されてきた。しかしながら、従来のそのような芳香族系や水添芳香族系エポキシ樹脂組成物は、耐熱性は良好であるが、硬くて脆いという物性的短所があり、それに起因して高温時被接着材との熱膨張差や内部応力により被接着材との間で剥離を生ずるという問題を有している。
【0006】
そのような応力を緩和し剥離を防止する方法としては一般に二つの方法が採用されてきた。その一方法は可撓性を有するエポキシ樹脂を併用することであるが、この方法では耐熱性が大幅に低下する。別の方法としては無機材料を添加して接着剤の熱膨張率を小さくして被接着材との熱膨張差を低減することであるが、この方法では硬化物が脆くなり密着性も低下する。
【0007】
上記のように従来の技術では一液性エポキシ樹脂組成物の硬化物が高耐熱性と良好な応力緩和性を併有することは困難であった。前述したように、遠赤外線加熱炉方式による部品実装製品の分野においては、高耐熱性と良好な応力緩和性を併有する接着剤の実用化が強く要請されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、硬化物が高耐熱性と良好な応力緩和性と併有する一液性エポキシ樹脂組成物接着剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、液状芳香族系または/および液状水添芳香族系エポキシ樹脂(成分A)、下記構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂(成分B)および前記成分(A)と(B)の総量100重量部に対して10〜20重量部の固体エポキシ化合物アミンアダクトまたは/および固体脂肪族ポリアミン変性体(成分C)を含有する一液性エポキシ樹脂組成物接着剤;
【化2】
(式中、nは0〜6の数を表す)に関するものである。なお、液状とは室温付近で液体状態であることであり、固体とは室温付近で固体状態であることを意味する。
【0010】
本発明における液状芳香族系および水添芳香族系多官能エポキシ樹脂(成分A)は、ベンゼン環、ナフタレン環、水添ベンゼン環のような芳香族環または水添芳香族環と2個以上の末端エポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、室温付近での状態は液状である。芳香族環と水添芳香族環にはアルキル、ハロゲンなどの置換基があってもよく、末端エポキシ基と芳香族環または水添芳香族環とはオキシアルキレン、ポリ(オキシアルキレン)、カルボオキシアルキレン、カルボポリ(オキシアルキレン)、アミノアルキレンなどにより結合されている。また、芳香族環や水添芳香族環は直接またはアルキレン、オキシアルキレン、ポリ(オキシアルキレン)などで結合されている。具体的にはビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−1,3−プロピレンオキサイド2モル付加物ジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロイソフタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン−3−グリシジルエーテル、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリジルアミノメチレン)シクロヘキサンなどが例示できる。本発明ではこれらのエポキシ樹脂群の中から1種類以上を選び使用される。硬化物の耐熱性からいえば、ビスフェノールAと水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFと水添ビスフェノールFジグリシジルエーテルなどを使用するのが好ましい。場合によっては、上記以外の室温付近で液状または固体の単官能あるいは多官能エポキシ樹脂の1種類以上を少量添加してもよい。
【0011】
本発明に使用する成分Bは下記構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂である。
【化3】
【0012】
構造式(1)で示されるようなベンゼン環を多く有する多官能エポキシ樹脂としては従来からフェノール・ノボラック型やクレゾール・ノボラック型多官能エポキシ樹脂が知られているが、それらのエポキシ樹脂は、構造的にはベンゼン環が直鎖状に結合している。本発明の構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂は主鎖に、グリシジルエーテル基を有するベンゼン環を側鎖としてさらに有しており、フェノール・ノボラック型やクレゾール・ノボラック型多官能エポキシ樹脂とは全く異なる構造をしている。事実、フェノール・ノボラック型やクレゾール・ノボラック型多官能エポキシ樹脂ではその硬化物の耐熱性は良好であるが応力緩和性は不良であり、高耐熱性と良好な応力緩和性の両者を付与できない。本発明のように構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂を成分Bとして使用した場合にのみ高耐熱性と良好な応力緩和性を併用する硬化物となりうる。
【0013】
本発明で使用される構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂の製造方法については、例えば特開昭57−141419号公報に記載されている。また構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂として市販されている代表例としては、「エピコートE1032S50、E1032H60」(以上、油化シェルエポキシ(株)製品)、「EPPN−501H、EPPN−502H」(以上、日本化薬(株)製品)がある。
【0014】
従来から、構造式(1)で示される固体多官能エポキシ樹脂は知られており、またビスフェノールAプロピレンオキサイド系エポキシ樹脂と組合せ、さらにメチルナジック酸エポキシ樹脂組成物も知られている。しかしながら、この組成物ではエポキシ樹脂硬化剤であるジカルボン酸無水物をエポキシ樹脂のエポキシ基1個に対して約0.85当量以上という多量の配合量としなければならず、したがってこの組成物は非常に高粘度となり接着、封止や注型用途には適さない。また、この一液性エポキシ樹脂組成物の硬化には非常な高温と長時間を要するという短所もある。さらに、この硬化物の耐熱性は良好であるが応力緩和性は不良であり、この両特性を併有するという特徴を有していない。これに対して、本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤では成分Cである固体エポキシ化合物アミンアダクトまたは/および脂肪族ポリアミン変性体を10〜20重量部程度の比較的少量を配合するだけでよく、しかもその硬化物は耐熱性と良好な応力緩和性の併有を発現するという特異性を有している。
【0015】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物を構成する必須成分である固体エポキシ化合物アミンアダクト(成分C)とは、室温付近で液状の一般エポキシ樹脂には不溶性の固体であるが、加熱することにより可溶化し本来の機能を発揮する化合物である。基本的には、エポキシ化合物とアミン化合物の反応生成物(一般に、エポキシ化合物アミンアダクトと呼称されている)である。詳しくは、単官能および多官能エポキシ化合物とエポキシ基と付加反応し得る活性水素を1分子内に1個以上有し、かつ1級、2級、3級アミノ基の中から選ばれた置換基を少なくとも1分子内に1個以上有するアミン化合物との反応生成物(即ち、エポキシ化合物アミンアダクト)である。このようなエポキシ化合物とアミン化合物には、脂肪族系、脂環族系、芳香族系および複素環系のエポキシ化合物やアミン化合物が含まれる。したがって、固体エポキシ化合物アミンアダクトの化学構造は一定していないが、特開昭56−155222号公報、特開昭57−100127号公報、特開昭61−228018号公報、特開昭62−285913号公報、特開平3−139517号公報、特開平6−49176号公報、特開平6−211969号公報、特開平7−196776号公報などに記載のものが例示できる。
【0016】
本発明の成分Cとして使用される固体エポキシ化合物アミンアダクトとして市販されている代表例としては、「アミキュアPN−23、PN−31、PN−40、PN−40J、PN−D、PN−H、MY−24、MY−D、MY−H」(以上、味の素ファインテクノ(株)製品)、「ノバキュアHX−3721、HX−3742」(以上、旭化成工業(株)製品)、「ハードナーH−3293S、H−3615S」(以上、エー・シー・アール(株)製品)、「ANCAMINE 2014AS、2014FG」(以上、パシフィック・アンカー・ケミカル(株)製品)などがある。
【0017】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物を構成する成分Cの別の化合物である固体脂肪族ポリアミン変性体とは、室温付近で液状の一般エポキシ樹脂には不溶性の固体であるが、加熱することにより可溶化し本来の機能を発揮する化合物である。基本的には、アミン化合物とイソシアネート化合物との反応生成物(一般に、脂肪族ポリアミン変性体と呼称されている)である。詳しくは、ジアルキルアミノアルキルアミン化合物、分子内に活性水素を有する窒素原子を1個あるいは2個有する環状アミン化合物とジイソシアネート化合物の反応生成物(即ち、脂肪族ポリアミン変性体)である。このような3成分にさらにエポキシ化合物を第4成分として反応させて得られる脂肪族ポリアミン変性体もある。従って、固体脂肪族ポリアミン変性体の化学構造は一定していないが、特開平3−296525号公報に記載のものが例示できる。
【0018】
本発明の成分Cとして使用される固体脂肪族ポリアミン変性体として市販されている代表例としては、「フジキュアFXE−1000、FXR−1030、FXB−1050」(以上、富士化成工業(株)製)が挙げられる。
【0019】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤は硬化性は良好であるが、さらに硬化性を良くする必要がある場合には一般の固体エポキシ樹脂硬化剤を少量添加併用してもよい。その添加量は成分Aおよび成分Bの総量100重量部に対して5重量部以下でよく、十分な効果を示す。固体エポキシ樹脂硬化剤は、室温付近で固体状態である架橋型エポキシ樹脂硬化剤を意味している。ジ、トリおよびテトラカルボン酸無水物、ジカルボン酸ジヒドラジド、ジシアンジアミドなどである。具体的には、ジ、トリおよびテトラカルボン酸無水物としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸などの芳香族や脂環族系のポリカルボン酸無水物が例示できる。ジカルボン酸ジヒドラジドとしては脂肪族、芳香族、脂環族または複素環族の各種ジカルボン酸ジヒドラジドが使用でき、好ましくは脂肪族または複素環族のジカルボン酸ジヒドラジド、例えばアジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、オクタデカメチレン−1,18−ジカルボン酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインなどが例示できる。ジシアンジアミドは単独化合物である。本発明ではこれらの硬化剤群の中から1種類を選んで使用される。硬化物の物性からいえば、上記した硬化剤の中の脂肪族および複素環族ジカルボン酸ジヒドラジドおよびジシアンジアミドを使用するのが好ましく、特に好ましいのはジシアンジアミドである。
【0020】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤を構成する成分A〜Cは、成分Aが10〜90重量部、成分Bが10〜90重量部および成分Cが5〜30重量部の範囲で、好ましくは、成分Aが40〜60重量部、成分Bが40〜60重量部および成分Cが10〜20重量部の範囲で配合する。また、成分Aにおける液状芳香族系と液状水添芳香族多官能エポキシ樹脂はそれぞれ単独でも併用でも使用でき、併用する場合の比率は任意である。更に、成分Cにおける固体エポキシ化合物アミンアダクトと固体脂肪族ポリアミン変性体はそれぞれ単独でも併用でも使用され、併用する場合の比率は任意である。
【0021】
各成分より選ばれて構成される三成分の組合せは一液性エポキシ樹脂組成物接着剤とその硬化物に要求される品質により適宜選択すればよいが、本発明の液状組成物接着剤は流動性、硬化性などの加工性が良好であり、硬化後は密着性に優れ、無溶剤系であるため加熱下でのガス発生は殆どなく、電子部品の実装、特に回路加工された基板表面へ小型電子部品を実装するいわゆるSMD製品の接着剤、封止剤として特に有用である。流動性、硬化性、保存安定性、硬化物の密着性、力学物性、電気特性、耐熱性の観点からはビスフェノールAジグリシジルエーテルと水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの単独使用または併用(成分A)/構造式(1)で示される多官能エポキシ樹脂(成分B)/固体エポキシ化合物アミンアダクトと固体脂肪族ポリアミン変性体の単独使用または併用(成分C)の組成物を例示できる。
【0022】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤には必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、充填剤、着色剤、難燃剤、光安定剤、補強剤、増粘剤、粘度調整剤、希釈剤、揺変性付与剤などの配合剤や添加剤を追加混合してもよい。これらの配合剤や添加剤は本発明に限定される特別なものではなく、従来からの一液性エポキシ樹脂組成物に使用されている一般的なものから任意に選択して使用することができる。
【0023】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤は、上記成分A〜Cおよび必要に応じて他の配合剤や添加剤を、従来からの一液性エポキシ樹脂組成物の製造に採用されている製造方法に従い混合することによって製造することができる。
【0024】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤を各種部品などの製造工程に適用するに際しては、既存の設備、装置、工法などが全て使用でき、硬化条件としては80〜120℃で30〜60分が適当である。
【0025】
【実施例】
実施例及び比較例により本発明と従来の技術を具体的に説明する。なお、下記実施例と比較例における「部」とは「重量部」のことである。
【0026】
耐熱性と応力緩和性はDSC(示差走査熱量計)により次のようにして測定した。実施例の本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤あるいは比較例の一液性エポキシ樹脂組成物10±0.5mgをDSC測定用のアルミニウム容器(φ約3mm、深さ約3mm、厚さ0.5mm)に取り入れ80℃で4時間、続いて120℃で2時間加熱硬化させた。次に硬化物の入ったアルミニウム容器をDSC装置内の測定部に置き、10℃/minの昇温速度で常温付近(20〜30℃)から約250℃まで昇温した。このとき比較基準物質としてはAl2O3(10±0.5mg)を使用した。
得られたDSCチャートから耐熱性と応力緩和性を測定した。即ち、図1に示したDSCチャートにおいてa点の温度が高いほど耐熱性に優れ、a点の温度が低いかあるいはbの温度幅が広いほど応力緩和性に優れる。
【0027】
【実施例1】
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(成分A)50部、前記構造式(1)で示される多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品;品種EPPN−502H)(成分B)50部および固体エポキシ化合物アミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)製品、品種PN−23)(成分C)20部を分散機とセラミック三本ロールミルを用いて十分に混合し、一液性エポキシ樹脂組成物接着剤(I)を調製した。次に前記した条件下で硬化し、DSCを用いて耐熱性と応力緩和性を測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は145℃であり、温度幅(図1、b)は30℃であり、耐熱性と良好な応力緩和性を併有していることが判明した。
【0028】
【比較例1】
実施例1における成分の内の成分Bをクレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EOCN−102S)に変更した以外は、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(1)を調製した。この組成物(1)を実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は144℃であり、温度幅(図1、b)は12℃であった。この結果から耐熱性は実施例1とほぼ同等であるにも関わらず、応力緩和性は半分以下であることがわかった。
【0029】
【比較例2】
実施例1における成分の内の成分Bを使用せずに、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(2)を調製した。この組成物(2)を実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は115℃であり、温度幅(図1、b)は12℃であった。ガラス転移温度が実施例1と比較して30℃低いことから応力緩和性は良好であるが、耐熱性は30℃低下することがわかった。
【0030】
【比較例3】
実施例1における成分の内の成分Bを長鎖脂肪族ジグリシジルエステル(岡村製油(株)製品、品種IPU−22G)に変更した以外は、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(3)を調製した。この組成物(3)を実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は72℃、温度幅(図1、b)は15℃であった。ガラス転移温度が実施例1と比較して73℃低いことから応力緩和性は良好であるが、耐熱性は73℃も低下することがわかった。
【0031】
【実施例2】
ビスフェノールFジグリシジルエーテル(成分A)50部、前記構造式(1)で示される多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EPPN−501H)(成分B)50部および固体脂肪族ポリアミン変性体(富士化成工業(株)製品、品種FXE−1000)(成分C)20部から実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物接着剤(II)を調製した。次に実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は140℃、温度幅(図1、b)は32℃であり、耐熱性と良好な応力緩和性と併有していることが判明した。
【0032】
【比較例4】
実施例2における成分の内の成分Bをクレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EOCN−102S)に変更した以外は、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(4)を調製した。この組成物(4)を実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は138℃、温度幅(図1、b)は14℃であった。この結果から耐熱性は実施例1とほぼ同等であるにもかかわらず、応力緩和性は半分以下であることがわかった。
【0033】
【比較例5】
実施例2における成分の内の成分Bを使用せずに、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(5)を調製した。この組成物(5)を実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は107℃、温度幅(図1、b)は13℃であり、ガラス転移温度が実施例1と比較して31℃低いことから応力緩和性は良好であるが、耐熱性は31℃低下することがわかった。
【0034】
【実施例3】
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(成分A)30部、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(成分A)30部、前記構造式(1)で示される多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EPPN−502H)(成分B)40部および固体状エポキシ化合物アミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)製品、品種PN−23)(成分C)10部、ジシアンジアミド5部から実施例1と同じ手順により一液性樹脂組成物接着剤(III)を調製した。次に実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は166℃、温度幅(図1、b)は34℃であり耐熱性と良好な応力緩和性を併有していることが判明した。
【0035】
【比較例6】
実施例3における成分の内の成分Bを使用せずに、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(6)を調製した。この組成物(6)を実施例1と同様にして硬化し、DSCを測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は134℃、温度幅(図1、b)は14℃であり、ガラス転移温度が実施例1と比較して32℃低いことから応力緩和性は良好であるが、耐熱性は32℃低下することがわかった。
【0036】
【比較例7】
ビスフェノールAジグリシジルエーテル50部、、前記構造式(1)で示される多官能エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製品、品種エピコートE1032H60)50部およびメチルナジック酸無水物85部から実施例1と同じ手順により、一液性エポキシ樹脂組成物(7)を調製した。次に、実施例1と同様にして硬化したが、硬化状態が不十分であることが認められたので、改めて100℃で2時間、続いて200℃で4時間加熱硬化させた。続いてDSCを用いて耐熱性と応力緩和性を測定したところ、ガラス転移温度(図1、a)は200℃、温度幅(図1、b)は15℃であり、耐熱性は非常に高い値を示すが、応力緩和性は不良で本発明の硬化物の半分以下であることがわかった。
【0037】
【実施例4】
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(成分A)40部、前記構造式(1)で示される多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EPPN−502H)(成分B)60部および固体脂肪族ポリアミン変性体(富士化成工業(株)製品、品種FXE−1000)(成分C)10部、ジシアンジアミド5部、平均粒径3μmのガラスビーズ10部、顔料カーボン1部から実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物接着剤(IV)を調製した。次に、SMD用小型リレーケースを用いて接着試験を行った。SMD用小型リレーケースの外形寸法は14.89mm×7.34mm×8.44mmで厚さは0.40mmであり、その蓋の寸法は14.05mm×6.50mm×7.60mmで厚さは7.25mmであった。マルチニードル方式のディスペンサーを用いて約0.06gの組成物(IV)を隙間上に滴下した後加熱炉中に静置し、100℃で1時間加熱した。その後、基板上に実装して遠赤外線リフロー炉を通し、160℃×120秒+200℃以上45秒(MAX245℃)の加熱を3回行った。次に小型リレーケースを解体しその接着性を調べた結果、密着性は良好であり何らの変化も認められなかった。
【0038】
【比較例8】
実施例4における成分の内の成分Bをクレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製品、品種EOCN−102S)に変更した以外は、実施例1と同じ手順により一液性エポキシ樹脂組成物(8)を調製した。この組成物(8)を用いて実施例4と同様にしてSMD用小型リレーケースでの接着試験を行ったところ、遠赤外線リフロー炉での加熱後接着面の剥離が認められた。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤は、その硬化物が高耐熱性と良好な応力緩和性を併有し、さらに被接着材への密着性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 簡略DSCチャート。
Claims (3)
- ジシアンジアミドおよびジカルボン酸ジヒドラジドからなる群から選ばれる1種類以上の硬化剤をさらに前記成分(A)と(B)の総量100重量部に対して5重量部以下含有する請求項1に記載の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤。
- 請求項1に記載の一液性エポキシ樹脂組成物接着剤を使用してなることを特徴とする部品実装製品。
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