JP2001151957A - 防振ゴム用ゴム組成物 - Google Patents

防振ゴム用ゴム組成物

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の防振コ゛ム用コ゛ム組成物は、エチレンと炭
素原子数3〜20のα-オレフィンと4,8-シ゛メチル-1,4,8-テ゛カトリエン等
のトリエン化合物とからなるエチレン・α-オレフィン・トリエンランタ゛ム共重
合体コ゛ムと、充填剤と、加硫剤とを特定割合で含有してな
り、該コ゛ムは、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとのモル
比(エチレン/α-オレフィン)が30/70〜99/1の範囲にあり、トリエン化
合物から導かれる構成単位の含有量がヨウ素価で5〜60で
あり、135℃テ゛カリン中で測定した極限粘度が0.1〜10dl/gの
範囲にあり、かつ該組成物の加硫後の動的粘弾性試験で
求められる損失正接が0.03〜0.15になる。 【効果】上記組成物は、従来のエチレン・α-オレフィン・5-エチリテ゛ン
-2-ノルホ゛ルネン共重合体コ゛ム系防振コ゛ムやエチレン・α-オレフィン・4-エチ
リテ゛ン-8-メチル-1,7-ノナシ゛エン共重合体コ゛ム系防振コ゛ムよりも、さ
らに優れた防振特性と耐久性を有するとともに、天然コ゛ム
系材料よりも優れた耐熱性を有し、しかも優れた低温柔
軟性を有する防振コ゛ムを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、防振ゴム用ゴム組成物に
関し、さらに詳しくは、自動車のエンジンマウントイン
シュレーター、センターベアリングインシュレーター、
ラックアンドピニオン式ステアリング装置のインシュレ
ーター等で特に耐熱性が要求される防振ゴム材として好
適に利用可能な防振ゴム用ゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、自動車で使用される各種防
振ゴムは、特に耐熱性と防振特性が非常に厳しくなって
いる。すなわち、近年、自動車は、エンジンルーム内の
放熱スペースの減少、およびエンジンの高出力化が進ん
でいる結果、エンジンルーム内の雰囲気温度が上昇化す
る傾向にあり、各種防振ゴムの熱環境が厳しくなってき
ている。
【0003】各種防振ゴムとしては、たとえばエンジン
マウントインシュレーター、センターベアリングインシ
ュレーター、ラックアンドピニオン式ステアリング装置
のインシュレーター(以下、ラックマウントインシュレ
ーターという場合がある)などに使用されるゴムが挙げ
られる。以下、これらのインシュレーターについて、そ
れぞれ説明する。
【0004】まず、エンジンマウントインシュレーター
では、エンジンの大部分の荷重を支持する機能およびエ
ンジンより発生するトルク反力を支持する機能に加え
て、良好な防音特性、防振特性を満足させることが要求
される。
【0005】従来は、エンジンマウントインシュレータ
ーは、適度な振動減衰性能と優れた耐久性(耐疲労性)
を有する天然ゴムが主成分として用いられており、場合
によっては、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴムなどが単独で、また
は多くの場合、天然ゴムにブレンドして用いられている
(以下、天然ゴム系材料と称する)。
【0006】しかしながら、上述したように、エンジン
ルーム内の熱環境が悪化している現在、耐熱性の面で、
天然ゴム系材料は限界にきている。一方、ブタジエンゴ
ム、スチレン・ブタジエンゴムは、単独では、耐久性が
天然ゴムと比較して劣り、しかも耐熱性が十分でないと
いう問題がある。また、クロロプレンゴムは、低温柔軟
性が劣るため、防振ゴム用途には、不適当である。ブチ
ルゴムは、ダンピング性能に優れているものの、動倍率
が極端に高いという根本的な問題があり、また、耐久性
も天然ゴムより劣るという問題がある。従来のエチレン
・プロピレンゴムについては、耐熱性に優れているもの
の、耐久性が天然ゴムと比較して劣るという欠点があ
る。
【0007】また、自動車のセンターベアリングインシ
ュレーターにおいても、上述したエンジンマウントイン
シュレーターの場合と同様に熱環境が悪化しており、従
来のセンターベアリングインシュレーターでは、耐熱性
が満足できなくなってきている。このセンターベアリン
グインシュレーターは、FR車、4WD車のプロペラシ
ャフト中央部に位置し、プロペラシャフトとセンターベ
アリングとの締結部に使用され、プロペラシャフトから
の振動がセンターベアリングを介してシャシーに直接伝
達されるのを防止するとともに、プロペラシャフトの挙
動を規制し支持する役割を担っている。
【0008】従来、センターベアリングインシュレータ
ーは、高強度と低ヘタリ性が要求されるところから、天
然ゴム系材料が使用されてきた。従来のセンターベアリ
ングインシュレーターは、天然ゴム系材料であるため、
100℃を超える熱環境では熱老化が激しく、実用に耐
えない。また、天然ゴム系材料の耐熱性を向上させる方
法として、加硫剤であるイオウの添加量を減らして加硫
を行なう半有効加硫ないし有効加硫といわれる方法があ
る。
【0009】しかしながら、このような方法は、天然ゴ
ム系材料の耐熱性は向上するが、その向上効果は10℃
程度であり、しかも、耐久性が悪化するという欠点があ
り、要求品質を満足させるには至らなかった。
【0010】また、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性
を有する原料ゴムとして、クロロプレンゴム、エチレン
・プロピレンゴム、ブチルゴム等が従来より知られてい
るが、これらのゴムは、上述したような問題ないし欠点
がある。
【0011】さらに、自動車のラックマウントインシュ
レーターにおいても、上述したエンジンマウントインシ
ュレーター、センターベアリングインシュレーターの場
合と同様に熱環境が悪化しており、従来のラックマウン
トインシュレーターでは、耐熱性が満足できなくなって
きている。
【0012】ラックマウントインシュレーターは、ステ
アリングとラックとの締結部に使用され、タイヤからの
振動がラックを介してステアリングに直接伝達されるの
を防止するとともに、ステアリングの感度に良好な影響
を与える役割を担っている。したがって、ラックマウン
トインシュレーターは、適度な振動減衰性能と優れた耐
久性(耐疲労性)が要求されるが、従来は、これらの要
求を満たすラックマウントインシュレーター用の材料と
して、天然ゴム系材料が使用されている。
【0013】しかしながら、上述したように、エンジン
ルーム内の熱環境の悪化により、耐熱性の面で、天然ゴ
ム系材料は限界にきている。一方、耐熱性に優れるEP
DMでは、耐久性が天然ゴム系材料と比較して劣るとい
う欠点がある。
【0014】本願出願人は、特開平6−1893号公報
(特願平4−159696号)において、天然ゴム系防
振ゴムと同程度の優れた防振特性と耐久性を有するとと
もに、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有する耐熱
防振ゴム用ゴム組成物として、次のようなゴム組成物を
提案した。
【0015】この耐熱防振用ゴム用ゴム組成物は、エチ
レン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム
(A)100重量部、イオウ(B)0.1〜10重量部
およびカーボンブラック(C)25〜100重量部を主
成分とするゴム組成物であって、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ジエン共重合体ゴム(A)は、(i)エチ
レンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと非共役ジ
エンとからなり、(ii)エチレンとα- オレフィンとの
モル比が65/35〜73/27であり、(iii) 13
5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.7〜
4.2dl/gであり、(iv)パラフィン系オイルを5
0phr油展した状態での230℃におけるメルトフロ
ーインデックスが0.2〜0.5g/10分であり、
(v)ヨウ素価が10〜25であり、(vi)非共役ジエ
ンが5-エチリデン-2- ノルボルネン(ENB)であり、
かつ、この組成物は、加硫後の動的粘弾性試験で求めら
れる損失正接(tanδ)が0.03〜0.15であ
る。
【0016】このゴム組成物は、天然ゴム系材料よりも
優れた耐熱性を有するとともに、天然ゴム系防振ゴムと
同程度の優れた防振特性と耐久性を有する防振ゴムを提
供することができるが、このゴム組成物よりも、さらに
優れた防振特性と耐久性を有する防振ゴムを提供できる
防振ゴム用ゴム組成物が望まれている。
【0017】なお、上記組成のエチレン・α- オレフィ
ン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(EN
B−EPT)の代わりにエチレン・α- オレフィン・4-
エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン共重合体ゴム
(EMND−EPT)を用いることによって、さらに優
れた防振特性と耐久性を有する防振ゴム組成物を提供す
ることが可能であることが既に知られている。
【0018】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、従来のエチレン
・α- オレフィン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重
合体ゴム(ENB−EPT)系防振ゴムやエチレン・α
- オレフィン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエ
ン共重合体ゴム(EMND−EPT)系防振ゴムより
も、さらに優れた防振特性と耐久性を有するとともに、
天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有する防振ゴムを
付与することができる防振ゴム用ゴム組成物を提供する
ことを目的としている。
【0019】
【発明の概要】本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
下記一般式(I)で表わされるトリエン化合物とからな
るエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合
体ゴム(A)100重量部と、充填剤(B)20〜10
0重量部と、加硫剤(C)0.5〜10重量部とを含有
してなる組成物であり、該エチレン・α- オレフィン・
トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、(i)エチレ
ンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比
(エチレン/α- オレフィン)が30/70〜99/1
の範囲にあり、(ii)トリエン化合物から導かれる構成
単位の含有量がヨウ素価で5〜60であり、(iii) 1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜
10dl/gの範囲にあり、かつ、該組成物の加硫後の
動的粘弾性試験で求められる損失正接(tanδ)が
0.03〜0.15になることを特徴としている。
【0020】
【化2】
【0021】[式(I)中、R1およびR2は、それぞれ
独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であり、
3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基またはエ
チル基である。]
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防振ゴム用ゴ
ム組成物について具体的に説明する。本発明に係る防振
ゴム用ゴム組成物は、特定のエチレン・α- オレフィン
・トリエンランダム共重合体ゴム(A)と充填剤(B)
と加硫剤(C)とを含有してなる加硫可能なゴム組成物
である。
【0023】エチレン・α- オレフィン・トリエンラン
ダム共重合体ゴム(A) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・トリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原
子数3〜20のα- オレフィンと、トリエン化合物とか
らなる。
【0024】このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチ
ル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1-
ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキ
セン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、
1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オク
タデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好まし
く用いられる。
【0025】これらのα- オレフィンは、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。また、ト
リエン化合物は、下記一般式(I)で表わされる。
【0026】
【化3】
【0027】一般式(I)において、R1およびR2は、
それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基
であり、R3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基
またはエチル基である。
【0028】一般式(I)で表わされるトリエン化合物
の中では、R3およびR4がどちらもメチル基である化合
物が好ましく、このようなトリエン化合物をモノマー原
料として得られるエチレン・α- オレフィン・トリエン
ランダム共重合体ゴム(A)は、加硫速度とスコーチ特
性とのバランスに特に優れている。
【0029】一般式(I)で表わされるトリエン化合物
としては、具体的には、下記のような化合物などが挙げ
られる。
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】これらのトリエン化合物の中では、上記
(1)の4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(以下、D
MDTと略記)が好ましい。一般式(I)で表わされる
トリエン化合物は、トランス体およびシス体の混合物で
あってもよく、トランス体単独またはシス体単独であっ
てもよい。
【0033】一般式(I)で表わされるトリエン化合物
は、下記式(II)で表わされる共役ジエン化合物とエチ
レンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合
物からなる触媒の存在下に反応させることにより製造す
ることができる。
【0034】
【化6】
【0035】上記式(II)において、R1、R2、R3
よびR4は、それぞれ上述した一般式(I)における
1、R2、R3およびR4と同じである。本発明で用いら
れるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重
合体ゴム(A)は、上記のようなエチレン、α- オレフ
ィンおよびトリエン化合物のそれぞれの単量体から誘導
される構成単位が、ランダムに配列して結合し、トリエ
ン化合物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖
は、実質的に線状構造となっている。
【0036】このエチレン・α- オレフィン・トリエン
ランダム共重合体ゴム(A)が実質的に線状構造を有
し、かつ実質的にゲル状架橋重合体を含有しないこと
は、この共重合体ゴム(A)が有機溶媒に溶解し、不溶
分を実質的に含まないことにより確認することができ
る。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、この共重
合体ゴム(A)が135℃中のデカリンに完全に溶解す
ることにより確認することができる。
【0037】また、このようなランダム共重合体ゴム
(A)において、トリエン化合物から誘導される構成単
位は、実質的に下記式(III) で示される構造を有して
いる。
【0038】
【化7】
【0039】上記式(III)において、R1、R2、R3
よびR4は、それぞれ上述した一般式(I)における
1、R2、R3およびR4と同じである。なお、トリエン
化合物から誘導される構成単位が上記構造を有している
ことは、この共重合体の13C−NMRスペクトルを測定
することによって確認することができる。
【0040】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィンランダム共重合体ゴム(A)、たとえばエチレン・
プロピレン・4,8-ジメチル- 1,4,8 - デカトリエン(D
MDT)共重合体ゴムを用いたゴム組成物からなる防振
ゴムは、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノル
ボルネン(ENB)ランダム共重合体ゴムを用いたゴム
組成物からなる防振ゴムと比べ、防振特性と耐疲労性に
より優れている。その理由は、トリエン化合物であるD
MDTは、環状構造を有するジエン化合物であるENB
に比べ、分子運動し易く、また加硫後の架橋形態も、耐
疲労性に有効な分子間距離を保つ構造をとるためであ
る。また、エチレン・プロピレン・4,8-ジメチル- 1,4,
8 - デカトリエン(DMDT)共重合体ゴムは、加硫速
度が、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボ
ルネン(ENB)共重合体ゴムに比べ、非常に速いた
め、物性の安定性と防振ゴム製品の生産性に優れてい
る。
【0041】また、非共役ポリエンとして4,8-ジメチル
-1,4,8- デカトリエン(DMDT)を選択したエチレン
・プロピレン・4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエンラン
ダム共重合体ゴム(DMDT−EPT)は、エチレン・
プロピレン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン
ランダム共重合体ゴム(EMND−EPT)よりも、ス
コーチ安定性の高い防振ゴム組成物を提供することが可
能である。
【0042】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、以下の
ような組成および特性を有する。 (i)このエチレン・α- オレフィン・トリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素原子数3〜2
0のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフ
ィン)が30/70〜99/1、好ましくは60/40
〜90/10、さらに好ましくは70/30〜80/2
0の範囲にある。
【0043】エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとのモル比が、上記のような範囲にあるエチレン
・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム
(A)を用いると、機械的強度特性に優れるとともに低
温特性に優れた加硫ゴム製品を提供することができるゴ
ム組成物が得られる。
【0044】(ii)このエチレン・α- オレフィン・ト
リエンランダム共重合体ゴム(A)は、トリエン化合物
から導かれる構成単位の含有量がヨウ素価で5〜60、
好ましくは10〜25の範囲にある。
【0045】ヨウ素価が上記のような範囲にあるエチレ
ン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム
(A)を用いると、防振特性に優れるとともに耐熱老化
性に優れた加硫ゴム製品を提供することができる、加硫
速度の速いゴム組成物が得られる。
【0046】(iii) このエチレン・α- オレフィン・
トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、135℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/
g、好ましくは1.0〜6.0dl/g、さらに好まし
くは2.0〜4.0dl/gの範囲にある。
【0047】極限粘度[η]が上記のような範囲にある
エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体
ゴム(A)は、カーボンブラック、オイルを均一にブレ
ンドすることができる。また、このエチレン・α- オレ
フィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いる
と、エンジン、マフラー、センターベアリング等の振動
している支持体を支え続ける機械的強度と優れた耐疲労
性を有する防振ゴムを提供することができるゴム組成物
が得られる。
【0048】上記のようなエチレン・α- オレフィン・
トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、前記一般式
(I)で表わされるトリエン化合物とを、触媒の存在下
に共重合させて得ることができる。
【0049】このような触媒としては、バナジウム
(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)な
どの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機ア
ルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒
が使用できる。
【0050】本発明では、[a]可溶性バナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは
[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロ
セン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイ
オン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用
いられる。
【0051】本発明では、上記のような触媒[a](可
溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒)または触媒[b](周期律表第IVB族から選
ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウム
オキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる
触媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20の
α- オレフィンと、トリエン化合物とを、通常液相で共
重合させる。
【0052】この際、一般に炭化水素溶媒が用いられる
が、プロピレン等のα- オレフィンを溶媒として用いて
もよい。このような炭化水素溶媒としては、具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロ
ゲン誘導体、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、
メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハ
ロゲン誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、およびクロロベンゼン等のハロゲン誘導体
などが用いられる。
【0053】これら溶媒は、1種単独で、あるいは2種
以上組み合わせて用いることができる。エチレンと炭素
原子数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物との
共重合は、バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で行
なってもよい。共重合を連続法で実施するに際しては、
上記触媒は以下のような濃度で用いられる。
【0054】本発明において、上記触媒[a]、すなわ
ち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物と
からなる触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性
バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモ
ル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミ
リモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物
は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度
の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは
1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
【0055】また、有機アルミニウム化合物は、重合系
内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(A
l/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ま
しくは3〜20の量で供給される。
【0056】可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒[a]は、通常、上記の炭化水
素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20のα
- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物で希釈され
て供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は、上
記した濃度に希釈されることが望ましく、また有機アル
ミニウム化合物は、重合系内における濃度のたとえば5
0倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給される
ことが望ましい。
【0057】また、本発明において、メタロセン化合物
と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物
ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合に
は、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.
00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、
好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットル
である。
【0058】また、有機アルミニウムオキシ化合物は、
重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子
の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましく
は10〜5000の量で供給される。
【0059】イオン化イオン性化合物の場合は、重合系
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。
【0060】また、有機アルミニウム化合物が用いられ
る場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合
度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなる
ような量で用いられる。
【0061】本発明において、可溶性バナジウム化合物
と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在
下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
とトリエン化合物とを共重合させる場合には、共重合反
応は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ましくは−
30℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃
で、圧力が5MPa以下、好ましくは2MPa以下の条
件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
【0062】また本発明において、メタロセン化合物と
有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性
化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭
素原子数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物と
を共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が
−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さら
に好ましくは0℃〜100℃で、圧力が8MPa以下、
好ましくは5MPa以下の条件下に行なわれる。ただ
し、圧力は0ではない。
【0063】また、反応時間(共重合が連続法で実施さ
れる場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度な
どの条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好
ましくは10分〜3時間である。
【0064】本発明では、エチレン、炭素原子数3〜2
0のα- オレフィンおよびトリエン化合物は、上述した
特定組成のエチレン・α- オレフィン・トリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)が得られるような量で重合系に供
給される。さらに共重合に際しては、水素などの分子量
調節剤を用いることもできる。
【0065】上記のようにしてエチレン、炭素原子数3
〜20のα- オレフィンおよびトリエン化合物を共重合
させると、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)は、通常これを含む重合液として
得られる。この重合液は、常法により処理され、エチレ
ン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム
(A)が得られる。
【0066】エチレン・α- オレフィン・トリエンラン
ダム共重合体ゴム(A)[不飽和性エチレン系共重合
体]の上記のような調製方法は、特開平8−32533
4号公報(特願平7−170839号)に詳細に記載さ
れている。
【0067】充填剤(B) 本発明では充填剤(B)が用いられるが、充填剤には、
補強性のある充填剤と補強性のない充填剤とがある。
【0068】補強性のある充填剤は、加硫ゴムの引張り
強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める
効果がある。このような充填剤としては、具体的には、
シランカップリング剤などによる表面処理が施されてい
てもよいカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシ
ウム、微粉タルクなどが挙げられる。本発明において
は、通常ゴムに使用されるカーボンブラックならば、そ
の種類は問わず、全て用いることができる。
【0069】また、補強性のない充填剤は、物性にあま
り影響を与えることなく、ゴム製品の硬さを高めたり、
コストを引き下げることを目的として使用される。この
ような充填剤としては、具体的には、タルク、クレー、
炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0070】本発明においては、充填剤(B)は、エチ
レン・α- オレフィンランダム共重合体ゴム(A)10
0重量部に対して、通常20〜100重量部、好ましく
は30〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量
部の割合で用いられる。
【0071】加硫剤(C) 本発明で好ましく用いられる加硫剤(C)は、イオウま
たはイオウ化合物である。
【0072】イオウとしては、具体的には、粉末イオ
ウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不
溶性イオウなどが挙げられる。イオウ化合物としては、
具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化
物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放
出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジ
スルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0073】本発明では、粉末イオウが好ましく用いら
れる。本発明においては、加硫剤(C)は、エチレン・
α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)
100重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好ま
しくは1〜10重量部、さらに好ましくは1.0〜5.
0重量部の割合で用いられる。
【0074】その他の成分 本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物中に、上記のエチレ
ン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム
(A)、充填剤(B)および加硫剤(C)に加えて、加
硫促進剤、加硫助剤、軟化剤、粘着付与剤、老化防止
剤、発泡剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電
防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、ブルーミング防止剤お
よびその他のゴム用配合剤を、本発明の目的を損なわな
い範囲で配合することができる。
【0075】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、加硫速
度が速いので、加硫促進剤の種類、組合わせおよび添加
量の選択如何により、加硫剤(B)の添加量を減らすこ
とができる。したがって、本発明では、加硫促進剤を用
いることが望ましい。
【0076】このような加硫促進剤としては、具体的に
は、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェン
アミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾールスル
フェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2-
メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニ
ル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4
- モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグ
アニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリル
グアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニ
ルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセト
アルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニ
リン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデ
ヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド
- アンモニア系化合物;2-メルカプトイミダゾリン等の
イミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチ
オユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリ
ア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合
物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスル
フィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合
物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフ
ェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバ
ミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩
系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート
系化合物;亜鉛華などの化合物を挙げることができる。
【0077】また、加硫促進剤の好ましい組合わせの例
としては、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)
とN-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾリルスルフェンア
ミド(CBS)とテトラメチルチウラムジスルフィド
(TMTD)とジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
ィド(DPTT)との組合わせなどが挙げられる。
【0078】本発明においては、加硫促進剤は、エチレ
ン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、1〜20重量部、好まし
くは2〜10重量部の割合で用いられる。
【0079】防振ゴム用ゴム組成物 本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、エチレン・α-
オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)、充
填剤(B)、加硫剤(C)、および必要に応じて加硫促
進剤、加硫助剤、軟化剤、老化防止剤、発泡剤、加工助
剤等のゴム用配合剤から、一般的なゴム配合物の調製方
法によって調製することができる。
【0080】たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、
インターミックスのようなインターナルミキサー類を用
いて、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共
重合体ゴム(A)、充填剤(B)および他の成分たとえ
ば軟化剤を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練
した後、加硫剤(C)、必要に応じて加硫促進剤などを
加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダ
ーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混
練した後、分出しすることにより調製することができ
る。このようにして通常、リボン状またはシート状のゴ
ム組成物(配合ゴム)が得られる。
【0081】なお、上記のインターナルミキサー類での
混練温度が低い場合には、加硫剤(C)、加硫促進剤、
発泡剤などを同時に混練することもできる。本発明に係
る防振ゴム用ゴム組成物は、加硫後の動的粘弾性試験で
求められる損失正接(tanδ)が0.03〜0.15
になるような組成を有している。
【0082】動的粘弾性試験は、2mm厚の加硫ゴムシ
ートについて、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型
式RDS−2)を用いて、測定温度27℃、周波数10
Hzおよび歪率1%の条件で行ない、動的弾性率(P
a)と動的損失弾性率(Pa)を求め、損失正接tan
δ(振動減衰性の指標)を下式により求める。
【0083】Gs =G’+ιG” (Gs: 静的弾性率、実部G’:動的弾性率、虚部
G”:動的損失弾性率) tanδ=G”/ G’ 動的粘弾性試験から求めることができる防振ゴムの動的
弾性率(G’)と損失正接(tanδ)との関係で、
G’が同じであればtanδが高い方が防振ゴムの防振
特性と耐疲労性に優れている。また、tanδが同じで
あればG’が小さい方が防振ゴムの防振特性と耐疲労性
に優れている。
【0084】防振ゴム 本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物の防振ゴム(加硫ゴ
ム)は、上記のような未加硫のゴム組成物を、通常、押
出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクショ
ン成形機、トランスファー成形機など種々の成形法よっ
て所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を
加硫槽内に導入して加熱することにより加硫して得るこ
とができる。
【0085】上記未加硫のゴム組成物を加熱により加硫
する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF
(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)
などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の
温度で1〜30分間加熱することが好ましい。
【0086】成形・加硫に際しては、金型を用いてもよ
く、また金型を用いなくてもよい。金型を用いない場合
には、上記未加硫のゴム組成物は、通常連続的に成形・
加硫される。
【0087】上記のように成形・加硫された加硫ゴム
は、たとえば自動車のエンジンマウントインシュレータ
ー、センターベアリングインシュレーター、ラックアン
ドピニオン式ステアリング装置のインシュレーター等で
特に耐熱性が要求される防振ゴム材などの用途に好適に
用いることができる。
【0088】また、発泡剤含有の未加硫ゴム配合物を加
熱発泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッショ
ン材、シーリング材などの用途に用いることができる。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、
特定のエチレン・α- オレフィン・トリエン共重合体ゴ
ムと、充填剤と、加硫剤とを特定割合で含有してなり、
かつ、加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正接
(tanδ)が特定の範囲にあるので、従来のエチレン
・α- オレフィン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重
合体ゴム(ENB−EPT)系防振ゴムやエチレン・α
- オレフィン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエ
ン共重合体ゴム(EMND−EPT)系防振ゴムより
も、さらに優れた防振特性と耐久性を有するとともに、
天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有し、しかも、優
れた低温柔軟性を有する防振ゴムを提供することができ
る。
【0090】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではな
い。なお実施例および比較例におけるランダム共重合体
ゴム(EPT)および加硫ゴムについて行なった試験方
法は、以下の通りである。
【0091】[1]未加硫ゴムの物性試験 未加硫ゴムの物性試験は、JIS K 6300に準拠し
て行なった。スコーチ安定性は、島津製作所(株)製の
ムーニービスコメーター(形式SMV−202)を用い
て、120℃でムーニー粘度変化を測定し、t5[分]
を求め、目安とした。このt5が長いほどスコーチ安定
性がよいことを示す。
【0092】また、加硫速度は、モンサント社製のロー
ターレスレオメーター(形式MDR2000)を用い
て、160℃でトルクの変化を測定し、tc(90)[分]
を求め、目安とした。このtc(90)が短いほど加硫速度
が速いことを示す。
【0093】[2]引張り試験 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6251(199
3年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製
し、この試験片を用いて同JIS K6251第3項に
規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度50
0mm/分の条件で引張り試験を行ない、伸び率が25
%となる引張応力(σ25)、25%モジュラス
(M25)、50%モジュラス(M50)、100%モジュ
ラス(M100)、200%モジュラス(M200)、300
%モジュラス(M300)、引張破断点応力(TB)および
引張破断点伸び(EB)を測定した。
【0094】[3]硬さ試験 硬さ試験は、JIS K 6253(1993年)に準拠
して行ない、スプリング硬さHS(ショアーA硬度)を
測定した。
【0095】[4]耐久試験(疲労試験) 加硫ゴムシートを打ち抜いてJIS K 6251に記載
されている1号形ダンベル試験片を調製し、この試験片
の中心に2mmの傷を入れた。このようにして得られた
試験片60本のうち、20本について伸長率を50%と
し、設定温度40℃、回転速度300rpmの条件で伸
長疲労させ、そのダンベル切断時の回数の平均値をもっ
て耐久性の指標とした。また、伸長率100%、150
%の条件で同様に耐久試験を行なった。
【0096】この耐久試験は、モンサント疲労試験機を
用い、周波数5Hz、温度27℃の条件で行なった。 [5]圧縮永久歪み試験 圧縮永久歪み試験は、JIS K 6262に準じて、1
20℃、150℃のそれぞれ雰囲気下で22時間行なっ
て、それぞれの温度における圧縮永久歪みを測定した。
これらの圧縮永久歪みを耐へたり性の評価の指標とし
た。
【0097】[6]動的粘弾性試験 動的粘弾性試験は、既に上述した方法に従って行ない、
動的弾性率(G’)、動的損失弾性率(G”)および損
失正接(tanδ)を求めた。
【0098】[7]ゲーマン低温ねじり試験 ゲーマン低温ねじり試験は、JIS K 6261(19
93年)に準拠して行ない、T2[単位:℃]、T5[単
位:℃]、T10[単位:℃]およびT100[単位:℃]
を求めた。
【0099】また、実施例、比較例で用いたランダム共
重合体ゴム(EPT)は、第1表に示す通りである。
【0100】
【表1】
【0101】
【実施例1〜5および比較例1〜5】まず、8インチオ
ープンロール(前ロールの表面温度50℃、後ロールの
表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロー
ルの回転数18rpm)で素練りした第1表に示すEP
T100重量部に、ステアリン酸1重量部と亜鉛華1号
5重量部を加えて混練した後、さらにFEF−HSカー
ボンブラック[新日鐵化学(株)製、商品名 ニテロン
#10]60重量部とオイル[富士興産(株)製、P−
300]60重量部を加えて混練した。
【0102】次いで、上記のようにして得られた混練物
に、加硫剤として硫黄[細井化学工業(株)製、商品名
粉末イオウ]0.75重量部と、加硫促進剤として商
品名ノクセラーPZ[大内新興化学工業(株)製]1.
5重量部、商品名ノクセラーTT[大内新興化学工業
(株)製]およびノクセラーM[大内新興化学工業
(株)製]0.5重量部を加えて混練した後、シート状
に分出しして160℃で18分間プレスし、厚み2mm
の加硫シートを調製した。
【0103】得られた加硫シートについて、引張り試
験、硬さ試験、耐久試験、圧縮永久歪み試験、動的粘弾
性試験およびゲーマン低温ねじり試験を行なった。その
結果を第2表に示す。
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】図1として、上記第2表に示した実施例1
〜5および比較例1〜5で得られた動的弾性率(G’)
と損失正接(tanδ)の値を、G’を縦軸、tanδ
を横軸にとってプロットした。
【0107】この図1より明かなように、ENB−EP
Tを用いた比較例とDMDT−EPTを用いた実施例と
を比較すると、動的弾性率が同程度の値である場合、実
施例の方が比較例よりも損失正接の値が大きく、また損
失正接が同程度の値である場合、実施例の方が比較例よ
りも動的弾性率の値が小さい。したがって、実施例のゴ
ム組成物の方が、比較例のゴム組成物よりも防振ゴム用
ゴム組成物として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、比較例および実施例で得られた動的弾
性率(G’)と損失正接(tanδ)との関係を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/08 F16F 15/08 D (72)発明者 仲 濱 秀 斉 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 川 崎 雅 昭 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA01 BA02 DA01 EA01 4J002 BB051 BB151 DA036 DA047 DE236 DJ016 DJ046 FD016 FD147 GN00 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA07Q AA15Q AA16Q AA17Q AA18Q AA19Q AA21Q AS21R CA05 DA09 DA31 DA47 JA28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オ
    レフィンと、下記一般式(I)で表わされるトリエン化
    合物とからなるエチレン・α- オレフィン・トリエンラ
    ンダム共重合体ゴム(A)100重量部と、 充填剤(B)20〜100重量部と、 加硫剤(C)0.5〜10重量部とを含有してなる組成
    物であり、 該エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合
    体ゴム(A)は、(i)エチレンと炭素原子数3〜20
    のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィ
    ン)が30/70〜99/1の範囲にあり、(ii)トリ
    エン化合物から導かれる構成単位の含有量がヨウ素価で
    5〜60であり、(iii) 135℃デカリン中で測定し
    た極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範囲にあ
    り、かつ、 該組成物の加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正
    接(tanδ)が0.03〜0.15になることを特徴
    とする防振ゴム用ゴム組成物; 【化1】 [式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水
    素原子、メチル基またはエチル基であり、R3およびR4
    は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基であ
    る]。
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