JP2001123023A - ブルーミングの改良されたエチレン系共重合体ゴム組成物およびその組成物からなる加硫ゴム - Google Patents

ブルーミングの改良されたエチレン系共重合体ゴム組成物およびその組成物からなる加硫ゴム

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JP2001123023A
JP2001123023A JP30827599A JP30827599A JP2001123023A JP 2001123023 A JP2001123023 A JP 2001123023A JP 30827599 A JP30827599 A JP 30827599A JP 30827599 A JP30827599 A JP 30827599A JP 2001123023 A JP2001123023 A JP 2001123023A
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copolymer rubber
ethylene
rubber
sulfur
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JP30827599A
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Kotaro Ichino
光太郎 市野
Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブルーミングの改良されたゴム組成物及びそ
の組成物からなる加硫ゴムを提供する。 【解決手段】 特定のトリエン化合物とエチレン及び炭
素数3〜20のα- オレフィンとのエチレン系共重合体
(A)イオウまたはイオウ化合物(B)及び加硫促進剤
(C)からなるゴム組成物によりブルーミングを改良す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ブルーミングの改良され
たエチレン系共重合体ゴム組成物に関し、さらに詳しく
は、加硫剤として用いられるイオウまたはイオウ化合物
および加硫促進剤によるブルーミングの発生を防止した
加硫ゴム製品を提供することができ、しかも、従来のエ
チレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムを主成分とし
たゴム組成物よりも、加硫速度の速い、すなわち加硫を
短時間で行なうことができるエチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム組成物およびその組成物
からなる加硫ゴムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン・プロピレン・ジエン共
重合体ゴム(以下、EPTと称する場合がある)は、そ
の分子構造の主鎖に不飽和結合を有さないため、汎用さ
れているジエン系ゴムに比べ、耐熱性、耐候性、耐オゾ
ン性に優れており、電気・電子用ゴム部品、土木・建築
用ゴム部品などに広く使用されている。
【0003】しかしながら、EPTは、他の汎用ゴムに
比べ、加硫速度が遅い。特に加硫剤としてイオウまたは
イオウ化合物を用いてEPTの加硫を行なう場合は、他
の汎用ゴムと同程度の加硫速度に高めるためには、これ
らの加硫剤、および加硫促進剤を多量使用する必要があ
る。すなわち、従来のEPTでは、天然ゴム(NR)、
スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン(B
R)等の汎用ゴムに比べ、2〜5倍量の加硫促進剤が使
用されている。
【0004】EPTの加硫剤として用いられるイオウ、
イオウ化合物および加硫促進剤として用いられるチウラ
ム化合物、ジチオ酸塩化合物、チアゾール化合物など
は、元来、EPTとの相溶性が悪いため、これらが多量
に配合されると、得られた加硫ゴム中に含まれているこ
れらの加硫剤、加硫促進剤が加硫ゴム製品の表面に析出
して白く結晶化する、いわゆるブルーミング現象が発生
し、加硫ゴム製品の商品価値を低下させるという問題が
ある。
【0005】このようなブルーミング現象の発生を防止
する方法としては、ブルーミングを抑制する加硫促進剤
の組合わせを行なう方法、非反応性フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、脂肪酸エステル等を少量添加してブルー
ミングを抑える方法、加硫方法の工夫によりブルーミン
グを防止する方法など、種々の方法が従来より提案され
ている。
【0006】しかしながら、上記のような方法では、加
工性および加硫ゴムの諸物性を損ねたり、コスト高にな
るという問題があり、まだ有効なブルーミング防止方法
が見出されていないのが現状である。
【0007】したがって、EPTが本来有する優れた加
工性、加硫ゴムの物理的性質、耐熱性、耐候性、耐オゾ
ン性、塗装性および接着性等の諸性質を損なうことな
く、加硫剤として用いられるイオウまたはイオウ化合物
および加硫促進剤によるブルーミングの発生を防止し
た、耐ブルーミング性に優れた加硫ゴム製品を提供する
ことができるとともに、従来のEPTを主成分としたゴ
ム組成物よりも、加硫速度の速い、すなわち十分な加硫
を短時間で行なうことができるエチレン系共重合体ゴム
組成物およびその組成物からなる加硫ゴムの出現が望ま
れている。
【0008】本発明者らは、EPTの加硫速度を大幅に
向上させたEPTを開発することによって、耐ブルーミ
ング性に優れたゴム組成物を得るべく鋭意研究し、EP
Tを構成する非共役ポリエンとして4,8 - ジメチル -
1,4,8 - デカトリエン(DMDT)等の特定の化合物を
選択すれば、従来のEPTを主成分としたゴム組成物よ
りも、加硫速度が速く、十分な加硫を短時間で行なえる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。なおDMD
T−EPTはエチレン・プロピレン・4 - エチリデン -
8 - メチル - 1,7 - ノナジエン共重合体ゴム(EMN
D−EPT)と比較すると、加硫速度は同等でありなが
ら、スコーチ安定性が向上する特徴を持つ。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、EPTが本来有
する優れた加工性、加硫ゴムの物理的性質、耐熱性、耐
候性、耐オゾン性、接着性等の諸性質を損なうことな
く、耐ブルーミング性に優れた加硫ゴム製品を提供する
ことができるとともに、従来のEPTを主成分としたゴ
ム組成物よりも、加硫速度の速いエチレン系共重合体ゴ
ム組成物およびその組成物からなる加硫ゴムを提供する
ことを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るエチレン系共重合体ゴム組
成物は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフ
ィンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも一種
のトリエン化合物に由来する構造単位とからなるランダ
ム共重合体ゴム(A)100重量部、イオウまたはイオ
ウ化合物(B)0.5〜10重量部、および加硫促進剤
(C)1〜20重量部を含有してなり、該ランダム共重
合体ゴム(A)は、(i)エチレンとα−オレフィンと
の比がモル比で99/1乃至30/70の範囲にあり、
(ii)トリエン化合物に由来する構造単位含量が0.1
乃至30モル%の範囲にあり、(iii)135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度〔η〕が0.1乃至10dl/
gで表わされる範囲にあることを特徴としている。
【0011】
【化2】
【0012】[式[1]中、R1およびR2はそれぞれ独
立して水素原子、メチル基またはエチル基、R3および
4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基であ
る。]
【0013】また、本発明に係る加硫ゴムは、上記の本
発明に係るエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム組成物を加硫してなることを特徴としてい
る。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るブルーミング
の改良されたエチレン系共重合体ゴム組成物、およびそ
の組成物からなる加硫ゴムについて具体的に説明する。
【0015】本発明に係るブルーミングの改良されたエ
チレン系共重合体ゴム組成物は、特定のランダム共重合
体ゴム(A)とイオウまたはイオウ化合物(B)と加硫
促進剤(C)とを特定の割合で含有してなる加硫可能な
ゴム組成物である。
【0016】ランダム共重合体ゴム(A) 本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(A)は、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
分岐鎖状ポリエン化合物とからなる。
【0017】このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチ
ル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1-
ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキ
セン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、
1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オク
タデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好まし
く用いられる。
【0018】これらのα- オレフィンは、単独であるい
は2種以上組合わせて用いることができる。 また、ト
リエン化合物に由来する構造単位は、下記一般式[1]
で表わされる。
【0019】
【化3】
【0020】[式[1]中、R1およびR2はそれぞれ独
立して水素原子、メチル基またはエチル基、R3および
4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基であ
る。]
【0021】前記式[1]で示されるトリエン化合物の
中では、R3およびR4がどちらもメチル基である化合物
が好ましく、このようなトリエン化合物をモノマー原料
として得られるランダム共重合体ゴムは、加硫速度およ
びスコーチ特性のバランスに特に優れている。
【0022】前記式[1]で示されるトリエン化合物と
しては、具体的に下記化合物などが挙げられる。
【化4】 これらのトリエン化合物は、特願平11−146429
号に記載した方法で製造することができる。
【0023】上記トリエン化合物の中では、第1番目に
例示した4,8 - ジメチル - 1,4,8 -デカトリエン(以
下、DMDTと略記)が好ましい。前記式[1]で示さ
れるトリエン化合物は、トランス体およびシス体の混合
物であってもよく、トランス体単独またはシス体単独で
あってもよい。
【0024】前記式[1]で示されるトリエン化合物
は、下記式[2]で示される共役ジエンを有する化合物
とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウ
ム化合物からなる触媒の存在下に反応させることにより
製造することができる。
【0025】
【化5】
【0026】(式[2]中、R1、R2、R3およびR4
それぞれ上述した一般式[1]におけるR1、R2、R3
およびR4と同じである。) 本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、上
記のようなエチレン、α- オレフィンおよびトリエン化
合物それぞれの単量体から誘導される構成単位が、ラン
ダムに配列して結合し、トリエン化合物に起因する分岐
構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造とな
っている。
【0027】この共重合体ゴムが実質的に線状構造を有
しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないこと
は、この共重合体ゴムが有機溶媒に溶解し、不溶分を実
質的に含まないことにより確認することができる。たと
えば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体ゴム
が135℃中のデカリンに完全に溶解することにより確
認することができる。
【0028】また、このようなランダム共重合体ゴム
(A)において、トリエン化合物から誘導される構成単
位は、実質的に下記式[3]で示される構造を有してい
る。
【0029】
【化6】
【0030】(式[2]中、R1、R2、R3およびR4
それぞれ上述した一般式[1]におけるR1、R2、R3
およびR4と同じである。) なお、トリエン化合物から誘導される構成単位が上記構
造を有していることは、この共重合体の13C−NMRス
ペクトルを測定することによって確認することができ
る。
【0031】本発明で用いられるランダム共重合体ゴム
(A)は、以下のような組成および特性を有する。 (i)このランダム共重合体ゴムは、エチレンと炭素原
子数3〜20のα-オレフィンとのモル比(エチレン/
α- オレフィン)が40/60〜95/5、好ましくは
50/50〜90/10、さらに好ましくは55/45
〜85/15の範囲にある。
【0032】エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとのモル比が、上記のような範囲にあるランダム
共重合体ゴム(A)を用いると、機械的強度特性に優れ
るとともに、耐ブルーミング性に優れた加硫ゴム製品を
提供することができるゴム組成物が得られる。
【0033】(ii)このランダム共重合体ゴム(A)
は、ヨウ素価が0.1〜30モル%、好ましくは0.5
〜10モル%、さらに好ましくは0.5〜5.0モル%
の範囲にある。ヨウ素価が上記のような範囲にあるラン
ダム共重合体ゴム(A)を用いると、耐ブルーミング性
に優れた加硫ゴム製品を提供することができる、加硫速
度の速いゴム組成物が得られる。また、ランダム共重合
体ゴム(A)中の前に化合物1のトリエン化合物の含量
は、0.1〜30モル%、好ましくは0.3〜8モル
%、特に好ましくは0.5〜5モル%である。
【0034】(iii)このランダム共重合体ゴム(A)
は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.8<[η]<5.0dl/gで表わされる範囲にあ
る。極限粘度[η]が上記のような範囲にあるランダム
共重合体ゴム(A)を用いると、加工性に優れたゴム組
成物が得られる。
【0035】上記のようなランダム共重合体ゴム(A)
は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、上記一般式[1]で表わされるトリエン化合物に由
来する構造単位とを、触媒の存在下に共重合させて得る
ことができる。
【0036】このような触媒としては、バナジウム
(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)な
どの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機ア
ルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒
が使用できる。
【0037】本発明では、[a]可溶性バナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは
[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロ
セン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイ
オン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用
いられる。
【0038】本発明では、上記のような触媒[a](可
溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオ
キシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触
媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα
- オレフィンと、トリエン化合物に由来する構造単位と
を、通常液相で共重合させる。
【0039】この際、一般に炭化水素溶媒が用いられる
が、プロピレン等のα- オレフィンを溶媒として用いて
もよい。このような炭化水素溶媒としては、具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロ
ゲン誘導体、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、
メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハ
ロゲン誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、およびクロロベンゼン等のハロゲン誘導体
などが用いられる。
【0040】これら溶媒は組み合わせて用いてもよい。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとトリ
エン化合物に由来する構造単位との共重合は、バッチ
法、あるいは連続法いずれの方法で行なってもよい。共
重合を連続法で実施するに際しては、上記触媒は以下の
ような濃度で用いられる。
【0041】本発明において、上記触媒[a]、すなわ
ち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物と
からなる触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性
バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモ
ル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミ
リモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物
は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度
の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは
1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
【0042】また、有機アルミニウム化合物は、重合系
内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(A
l/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ま
しくは3〜20の量で供給される。
【0043】可溶性バナジウム化合物および有機アルミ
ニウム化合物からなる触媒[a]は、通常、上述の炭化
水素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20の
α-オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物で希釈さ
れて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は上
述した濃度に希釈されることが望ましく、また有機アル
ミニウム化合物は重合系内における濃度のたとえば50
倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されるこ
とが望ましい。
【0044】また、本発明においてメタロセン化合物
と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物
ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合に
は、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.
00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、
好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットル
である。
【0045】また、有機アルミニウムオキシ化合物は、
重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子
の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましく
は10〜5000の量で供給される。
【0046】イオン化イオン性化合物の場合は、重合系
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。
【0047】また、有機アルミニウム化合物が用いられ
る場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合
度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなる
ような量で用いられる。
【0048】本発明において、可溶性バナジウム化合物
と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在
下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
とトリエン化合物に由来する構造単位とを共重合させる
場合には、共重合反応は、通常、温度が−50℃〜10
0℃、好ましくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは
−20℃〜60℃で、圧力が5MPa以下、好ましくは
2MPa以下の条件下に行なわれる。
【0049】また本発明において、メタロセン化合物と
有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性
化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭
素原子数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物に
由来する構造単位とを共重合させる場合には、共重合反
応は、通常、温度が−20℃〜150℃、好ましくは0
℃〜120℃、さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧
力が8MPa以下、好ましくは5MPa以下の条件下に
行なわれる。
【0050】また反応時間(共重合が連続法で実施され
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ま
しくは10分〜3時間である。
【0051】本発明では、エチレン、炭素原子数3〜2
0のα- オレフィンおよびトリエン化合物に由来する構
造単位は、上述した特定組成のランダム共重合体ゴムが
得られるような量で重合系に供給される。さらに共重合
に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもで
きる。
【0052】上記のようにしてエチレン、炭素原子数3
〜20のα- オレフィンおよびトリエン化合物に由来す
る構造単位を共重合させると、ランダム共重合体ゴムは
通常これを含む重合液として得られる。この重合液は、
常法により処理され、ランダム共重合体ゴムが得られ
る。
【0053】ランダム共重合体ゴム(A)[不飽和性エ
チレン系共重合体]の上記のような調製方法は、特願平
7−69986号明細書に詳細に記載されている。
【0054】イオウまたはイオウ化合物(B) 本発明で用いられるイオウまたはイオウ化合物(B)
は、加硫剤として用いられる。
【0055】イオウとしては、具体的には、粉末イオ
ウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不
溶性イオウなどが挙げられる。イオウ化合物としては、
具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化
物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放
出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジ
スルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0056】本発明では、粉末イオウが好ましく用いら
れる。本発明においては、イオウないしイオウ化合物
(B)は、ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に
対して、0.5〜10重量部、好ましくは1〜10重量
部の割合で用いられる。
【0057】本発明で用いられる上記ランダム共重合体
ゴム(A)は、加硫速度が速いので、後述する加硫促進
剤の種類、組合わせおよび添加量の選択如何により、イ
オウないしイオウ化合物(B)の添加量を減らすことが
できる。
【0058】加硫促進剤(C) 本発明で用いられる加硫促進剤(C)としては、具体的
には、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾ−ルス
ルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾ
−ルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合
物;2-メルカプトベンゾチアゾ−ル、2-(2,4-ジニトロ
フェニル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2-(2,6-ジエ
チル-4- モルホリノチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベンゾ
チアジルジスルフィドなどのチアゾ−ル系化合物;ジフ
ェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソ
ニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、
ジフェニルグアニジンフタレ−トなどのグアニジン化合
物;アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデ
ヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、ア
セトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミンまた
はアルデヒド- アンモニア系化合物;2-メルカプトイミ
ダゾリンなどのイミダゾリン系化合物;チオカルバニリ
ド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメ
チルチオユリア、ジオルソトリルチオユリアなどのチオ
ユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチル
チウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフ
ィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの
チウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸
亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチ
ルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカル
バミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルルな
どのジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛
などのザンテ−ト系化合物;亜鉛華などの化合物を挙げ
ることができる。
【0059】また加硫促進剤(C)の好ましい組合わせ
の例としては、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBT
S)とN-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾリルスルフェ
ンアミド(CBS)とテトラメチルチウラムジスルフィ
ド(TMTD)とジペンタメチレンチウラムテトラスル
フィド(DPTT)との組合わせなどが挙げられる。
【0060】本発明においては、加硫促進剤(C)は、
ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、1
〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の割合で用い
られる。
【0061】その他の成分 本発明に係るエチレン系共重合体ゴム組成物中に、上記
のランダム共重合体ゴム(A)、加硫剤としてのイオウ
またはイオウ化合物(B)および加硫促進剤(C)に加
えて、充填剤、軟化剤、粘着付与剤、加硫助剤、老化防
止剤、発泡剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯
電防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、ブルーミング防止剤
およびその他のゴム用配合剤を、本発明の目的を損なわ
ない範囲で配合することができる。
【0062】上記の充填剤には、補強性のある充填剤と
補強性のない充填剤とがある。補強性のある充填剤は、
加硫ゴムの引張り強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機
械的性質を高める効果がある。このような充填剤として
は、具体的には、シランカップリング剤などによる表面
処理が施されていてもよいカ−ボンブラック、シリカ、
活性化炭酸カルシウム、微粉タルクなどが挙げられる。
本発明においては、通常ゴムに使用されるカーボンブラ
ックならば、その種類は問わず、全て用いることができ
る。
【0063】また、補強性のない充填剤は、物性にあま
り影響を与えることなく、ゴム製品の硬さを高めたり、
コストを引き下げることを目的として使用される。この
ような充填剤としては、具体的には、タルク、クレ−、
炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0064】エチレン系共重合体ゴム組成物 本発明に係るエチレン系共重合体ゴム組成物は、ランダ
ム共重合体(A)、イオウまたはイオウ化合物(B)、
加硫促進剤(C)および必要に応じて上述したような充
填剤、軟化剤、加硫助剤、老化防止剤、発泡剤、加工助
剤等のゴム用配合剤から、一般的なゴム配合物の調製方
法によって調製することができる。
【0065】たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、
インターミックスのようなインターナルミキサー類を用
いて、ランダム共重合体ゴム(A)および他の成分を、
80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、必要
に応じてイオウまたはイオウ化合物(B)、加硫促進剤
(C)などを加えて、オープンロールなどのロール類あ
るいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5
〜30分間混練した後、分出しすることにより調製する
ことができる。このようにして通常、リボン状またはシ
ート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。
【0066】なお、上記のインターナルミキサー類での
混練温度が低い場合には、加硫剤であるイオウまたはイ
オウ化合物(B)、加硫促進剤(C)、発泡剤などを同
時に混練することもできる。
【0067】加硫ゴム 本発明に係るエチレン系共重合体ゴム組成物の加硫物
(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物を、
通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジ
ェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成
形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは
成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは電子
線を照射することにより加硫して得ることができる。
【0068】上記未加硫のゴム組成物を加熱により加硫
する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF
(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)
などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の
温度で1〜30分間加熱することが好ましい。
【0069】また加硫剤を使用せずに電子線照射により
加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1
〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギ
ーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mra
d、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射
すればよい。
【0070】成形・加硫に際しては、金型を用いてもよ
く、また金型を用いなくてもよい。金型を用いない場合
には、上記未加硫のゴム組成物は、通常連続的に成形・
加硫される。
【0071】上記のように成形・加硫された加硫ゴム
は、ウェザーストリップ、ドアーグラスランチャンネ
ル、窓枠、ラジエータホース、ブレーキ部品、ワイパー
ブレードなどの自動車工業部品、ゴムロール、ベルト、
パッキン、ホースなどの工業用ゴム製品、アノードキャ
ップ、グロメットなどの電気絶縁材、建築用ガスケッ
ト、土木用シートなどの土木建材用品、ゴム引布などの
用途に用いることができる。
【0072】また、発泡剤含有の未加硫ゴム配合物を加
熱発泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッショ
ン材、シーリング材などの用途に用いることができる。
【0073】
【発明の効果】本発明で用いられるエチレンと炭素原子
数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物に由来す
る構造単位とからなるランダム共重合体ゴム(A)は、
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモ
ル比、ヨウ素価、極限粘度[η]が特定の範囲にあるの
で、従来のEPTよりも加硫速度が速い。したがって、
このランダム共重合体ゴム(A)を加硫するに際して加
硫促進剤(C)の使用量を、従来のEPTの場合と比較
して、かなり減らすことができる。
【0074】また、このランダム共重合体ゴム(A)
は、耐候性、耐オゾン性および耐熱老化性等の特性に優
れている。本発明に係るエチレン系共重合体ゴム組成物
は、上記ランダム共重合体ゴム(A)と、加硫剤として
のイオウまたはイオウ化合物(B)と、加硫促進剤
(C)とを含有してなるので、EPTが本来有する優れ
た加工性、加硫ゴムの物理的性質、耐熱性、耐候性、耐
オゾン性、塗装性、接着性等の諸性質を損なうことな
く、耐ブルーミング性に優れた加硫ゴムを提供すること
ができるとともに、従来のEPTを主成分としたゴム組
成物よりも、加硫速度が速い。
【0075】また、本発明に係る加硫ゴムは、本発明に
係るゴム組成物を加硫してなるので、EPTが本来有す
る優れた加工性、加硫ゴムの物理的性質、耐熱性、耐候
性、耐オゾン性、塗装性、接着性等の諸性質を損なうこ
となく、耐ブルーミング性に優れている。
【0076】したがって、上記のような効果を有する本
発明に係るエチレン系共重合体ゴム組成物および加硫ゴ
ムは、耐オゾン性と接着性が要求される窓枠、ガラスラ
ンチャンネル、ドアミラーブーツ等の各種自動車部品、
耐候性と接着性が要求される止水シート、各種土木・建
材部品、および耐熱性が要求される各種ホース類などの
用途に好適である。
【0077】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例におけるエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴムおよび加硫ゴムの評
価試験方法は、以下のとおりである。
【0078】[1]未加硫ゴムの物性試験 未加硫ゴムの物性試験は、JIS K 6300に準拠し
て行った。スコーチ安定性は、島津製作所(株)製のム
ーニービスコメーター(形式SMV−202)を用い
て、125℃でムーニー粘度変化を測定し、t5[分]
を求め、目安とした。このt5が長いほどスコーチ安定
性がよいことを示す。また加硫速度は、モンサント社製
のローターレスレオメーター(形式MDR2000)を
用いて、160℃でトルクの変化を測定し、tc(9
0)を求め、目安とした。このtc(90)が短いほど
加硫速度が速いことを示す。
【0079】[2]引張り試験 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6251(199
3年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製
し、この試験片を用いて同JIS K 6251第3項に
規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度50
0mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破断点応
力TBおよび引張破断点伸びEBを測定した。
【0080】[3]硬さ試験 硬さ試験は、JIS K 6253(1993年)に準拠
して行ない、スプリング硬さHA(ショアーA硬度)を
測定した。
【0081】[4]圧縮永久歪試験 圧縮永久歪試験は、JIS K 6262(1993年)
に準拠して行ない、100℃で24時間熱老化させた試
験片について圧縮永久歪(CS)を求めた。
【0082】[5]ブルーミング試験 ブルーミング試験A法は、25℃の恒温室下で試験片を
1ヶ月放置した後、試験片表面のブルーミングの発生状
態を肉眼で観察した。
【0083】また、ブルーミング試験B法は、オゾン濃
度50pphm、40℃のオゾン試験槽内に試験片を入
れ、48時間経過後に試験片表面のブルーミングの発生
状態を肉眼で観察した。
【0084】耐ブルーミング性の評価は、次のように行
なった。 (4段階評価) ◎:ブルーミングの発生が認められない ○:ブルーミングが僅かに発生 △:ブルーミングが発生 ×:ブルーミングの発生が激しい
【0085】
【参考例1】《4,8−ジメチル−1,4,8−デカト
リエン(DMDT)》の合成
【化7】 1500mlのステンレス製オートクレーブ中に、窒素
雰囲気下、2,6−ジメチル−1,3,6−オクタトリ
エン257g(1.89モル)、トルエン500ml、
チオシアン酸コバルト6.18g(35.2ミリモ
ル)、トリ−o−トリルホスフィン21.4g(70.
4ミリモル)、および濃度1モル/literのトリエチル
アルミニウム/トルエン溶液200ml(トリエチルア
ルミニウム200ミリモル)を加えて密閉した。次にオ
ートクレーブにエチレンボンベを直結してエチレンを導
入し、オートクレーブ内を1MPa(ゲージ圧)まで加
圧した。次に120℃に加熱して、消費されたエチレン
を間欠的に追加しながら、合計5時間反応を行った。反
応終了後にオートクレーブを冷却してから開放し、得ら
れた反応混合物を500mlの水中に注いで、有機相と
水相とに分離した。分離された有機相を、80段の蒸留
塔で精製蒸留し、目的物である4,8−ジメチル−1,
4,8−デカトリエン108gを得た(収率36%)。
【0086】上記で得られた4,8−ジメチル−1,
4,8−デカトリエンの分析結果を以下に示す。 (1)沸点:91℃/20mmHg (2)質量スペクトル:m/z 164(M+分子イオ
ンピーク)、149、135、123、108、95、
79、67、55、41 (3)1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3) 吸収ピークを下記に示す。 ppm(δ) 1.55 (3H,doublet) 1.65 (6H,doublet) 2.05 (4H,multiplet) 2.75 (2H,doublet) 4.95 (2H,multiplet) 5.2 (2H,multiplet) 5.7 (1H,multiplet)
【0087】[ランダム共重合体ゴムの調製]まずトル
エンにメチルアルミノキサンをアルミニウム換算で0.
75mM、rac−ジメチルシリレン−ビス〔1−(2
−メチル−4−フェニルインデニル)〕ジルコニウムジ
クロリドを0.0025mMの量で溶解し、重合用触媒
溶液を調製した。これとは別に、充分窒素置換した容量
2 literの撹拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃
で、上記で得られた4,8−ジメチル−1,4,8−デ
カトリエン(DMDT)17ml、およびヘプタン88
3mlを装入した。このオートクレーブに、撹拌翼を回
しながら、氷冷下にプロピレンを16Nliter装入し
た。次に、オートクレーブを50℃まで加熱し、さらに
全圧が0.8MPa(ゲージ圧)となるようにエチレン
で加圧した。オートクレーブの内圧が0.8MPa(ゲ
ージ圧)になったところで、トリイソブチルアルミニウ
ム(TIBA)の1.0mM/mlヘキサン溶液1.0
mlを窒素で圧入した。続いて、予め調製しておいた前
記重合触媒用溶液3mlを、窒素でオートクレーブに圧
入し、重合を開始した。
【0088】その後、30分間、オートクレーブを内温
50℃になるように温度調整し、かつ圧力が0.8MP
a(ゲージ圧)となるように直接的にエチレンの供給を
行った。重合開始30分後、オートクレーブにポンプで
メタノール5mlを装入して重合を停止し、その後オー
トクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液に2 liter
のメタノールを撹拌しながら注いだ。得られた溶媒を含
むゴム鞠状の重合体を130℃、13時間、600to
rrで乾燥し、エチレン・プロピレン・DMDT共重合
体(以下、共重合体ゴム1という)を得た。特性を表1
に示す。
【0089】この共重合体ゴム1のエチレン/プロピレ
ンのモル比は69/31、デカリン中135℃で測定し
た極限粘度〔η〕は2.2dl/g、4,8−ジメチル
−1,4,8−デカトリエン(DMDT)の含有量は
1.5モル%であった。また共重合体Aの1H−NM
R、13C−NMRを測定することにより、DMDTのポ
リマー中での構造が前記式(3)に示される構造である
ことを確認した。
【0090】
【参考例2】参考例1と同様の操作を行って、表1に示
すエチレン・α−オレフィン・DMDT共重合体(共重
合体ゴム2)を得た。特性を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【実施例1】参考例1で得られたエチレン・プロピレン
・DMDT共重合体ゴム(共重合体ゴム1)100重量
部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、H
AFカーボンブラック[商品名 シースト3、東海カー
ボン(株)製]80重量部と、ナフテン系プロセスオイ
ル[商品名 サンセン4240、日本サン石油(株)
製]50重量部とを、容量1.7リットルのバンバリー
ミキサー[(株)神戸製鋼所製]で5分間混練した。
【0093】次いで、上記のようにして得られた混練物
に、表2に示した加硫剤および加硫促進剤を加えて8イ
ンチオープンロール(前ロールおよび後ロールの温度5
0℃)で10分間混練し、ゴム配合物を調製した。
【0094】このゴム配合物を熱プレスにより160
℃、10分間、15MPa の条件下で加硫、成形して
試験片を作製し、上記試験を行なった。結果を表2に示
す。
【0095】
【実施例2】実施例1において、共重合体ゴム1の代わ
りに参考例2の共重合体ゴム2を用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0096】
【比較例1】実施例1において、共重合体ゴム1の代わ
りに第1表に示したエチレン・プロピレン・5-エチリデ
ン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(共重合体ゴム3)を
用いた以外は、実施例1と同様に行なった。しかしなが
ら、加硫速度が遅く、まともな加硫シートは得られなか
った。結果を表2に示す。
【0097】
【比較例2】実施例1において、共重合体ゴム1の代わ
りに第1表に示す共重合体ゴム3を用い、加硫促進剤の
種類と配合量を第2表に示すように変更した以外は、実
施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/44 C08K 5/44 5/46 5/46 C08L 23/16 C08L 23/16 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AA15 AA16 AA40 AB16 AB24 AC05 AC20 AC45 AC49 AC50 AC65 AC66 AC71 AC85 AE01 AE08 GA04 GA06 GB07 4J002 BB051 BB151 DA046 DE107 DG016 DG026 EN107 ER027 EU117 EV046 EV117 EV127 EV157 EV166 EV167 EV277 EV327 FD010 FD146 FD157 GL00 GN00 GQ01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オ
    レフィンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも
    一種のトリエン化合物に由来する構造単位とからなるラ
    ンダム共重合体ゴム(A)100重量部、 イオウまたはイオウ化合物(B)0.5〜10重量部、
    および加硫促進剤(C)1〜20重量部を含有してな
    り、 該ランダム共重合体ゴム(A)は、(i)エチレンとα
    −オレフィンとの比がモル比で99/1乃至30/70
    の範囲にあり、(ii)トリエン化合物に由来する構造単
    位含量が0.1乃至30モル%の範囲にあり、(iii)
    135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.1
    乃至10dl/gで表わされる範囲にあることを特徴と
    するエチレン系共重合体ゴム組成物; 【化1】 [式[1]中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
    子、メチル基またはエチル基、R3およびR4はそれぞれ
    独立してメチル基またはエチル基である。]
  2. 【請求項2】請求項1に記載のエチレン・α- オレフィ
    ン・非共役ポリエン共重合体ゴム組成物を加硫してなる
    ことを特徴とする加硫ゴム。
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