JP3919408B2 - 防振ゴム用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、防振ゴム用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、自動車のエンジンマウントインシュレーター、センターベアリングインシュレーター、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のインシュレーター等で特に耐熱性が要求される防振ゴム材として好適に利用可能な防振ゴム用ゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、自動車で使用される各種防振ゴムは、特に耐熱性と防振特性が非常に厳しくなっている。すなわち、近年、自動車は、エンジンルーム内の放熱スペースの減少、およびエンジンの高出力化が進んでいる結果、エンジンルーム内の雰囲気温度が上昇化する傾向にあり、各種防振ゴムの熱環境が厳しくなってきている。
【0003】
各種防振ゴムとしては、たとえばエンジンマウントインシュレーター、センターベアリングインシュレーター、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のインシュレーター(以下、ラックマウントインシュレーターという場合がある)などに使用されるゴムが挙げられる。以下、これらのインシュレーターについて、それぞれ説明する。
【0004】
まず、エンジンマウントインシュレーターでは、エンジンの大部分の荷重を支持する機能およびエンジンより発生するトルク反力を支持する機能に加えて、良好な防音特性、防振特性を満足させることが要求される。
【0005】
従来は、エンジンマウントインシュレーターは、適度な振動減衰性能と優れた耐久性(耐疲労性)を有する天然ゴムが主成分として用いられており、場合によっては、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムなどが単独で、または多くの場合、天然ゴムにブレンドして用いられている(以下、天然ゴム系材料と称する)。
【0006】
しかしながら、上述したように、エンジンルーム内の熱環境が悪化している現在、耐熱性の面で、天然ゴム系材料は限界にきている。一方、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴムは、単独では、耐久性が天然ゴムと比較して劣り、しかも耐熱性が十分でないという問題がある。また、クロロプレンゴムは、低温柔軟性が劣るため、防振ゴム用途には、不適当である。ブチルゴムは、ダンピング性能に優れているものの、動倍率が極端に高いという根本的な問題があり、また、耐久性も天然ゴムより劣るという問題がある。従来のエチレン・プロピレンゴムについては、耐熱性に優れているものの、耐久性が天然ゴムと比較して劣るという欠点がある。
【0007】
また、自動車のセンターベアリングインシュレーターにおいても、上述したエンジンマウントインシュレーターの場合と同様に熱環境が悪化しており、従来のセンターベアリングインシュレーターでは、耐熱性が満足できなくなってきている。このセンターベアリングインシュレーターは、FR車、4WD車のプロペラシャフト中央部に位置し、プロペラシャフトとセンターベアリングとの締結部に使用され、プロペラシャフトからの振動がセンターベアリングを介してシャシーに直接伝達されるのを防止するとともに、プロペラシャフトの挙動を規制し支持する役割を担っている。
【0008】
従来、センターベアリングインシュレーターは、高強度と低ヘタリ性が要求されるところから、天然ゴム系材料が使用されてきた。従来のセンターベアリングインシュレーターは、天然ゴム系材料であるため、100℃を超える熱環境では熱老化が激しく、実用に耐えない。また、天然ゴム系材料の耐熱性を向上させる方法として、加硫剤であるイオウの添加量を減らして加硫を行なう半有効加硫ないし有効加硫といわれる方法がある。
【0009】
しかしながら、このような方法は、天然ゴム系材料の耐熱性は向上するが、その向上効果は10℃程度であり、しかも、耐久性が悪化するという欠点があり、要求品質を満足させるには至らなかった。
【0010】
また、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有する原料ゴムとして、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム等が従来より知られているが、これらのゴムは、上述したような問題ないし欠点がある。
【0011】
さらに、自動車のラックマウントインシュレーターにおいても、上述したエンジンマウントインシュレーター、センターベアリングインシュレーターの場合と同様に熱環境が悪化しており、従来のラックマウントインシュレーターでは、耐熱性が満足できなくなってきている。
【0012】
ラックマウントインシュレーターは、ステアリングとラックとの締結部に使用され、タイヤからの振動がラックを介してステアリングに直接伝達されるのを防止するとともに、ステアリングの感度に良好な影響を与える役割を担っている。したがって、ラックマウントインシュレーターは、適度な振動減衰性能と優れた耐久性(耐疲労性)が要求されるが、従来は、これらの要求を満たすラックマウントインシュレーター用の材料として、天然ゴム系材料が使用されている。
【0013】
しかしながら、上述したように、エンジンルーム内の熱環境の悪化により、耐熱性の面で、天然ゴム系材料は限界にきている。一方、耐熱性に優れるEPDMでは、耐久性が天然ゴム系材料と比較して劣るという欠点がある。
【0014】
本願出願人は、特開平6−1893号公報(特願平4−159696号)において、天然ゴム系防振ゴムと同程度の優れた防振特性と耐久性を有するとともに、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有する耐熱防振ゴム用ゴム組成物として、次のようなゴム組成物を提案した。
【0015】
この耐熱防振用ゴム用ゴム組成物は、エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム(A)100重量部、イオウ(B)0.1〜10重量部およびカーボンブラック(C)25〜100重量部を主成分とするゴム組成物であって、
エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム(A)は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと非共役ジエンとからな
り、
(ii)エチレンとα- オレフィンとのモル比が65/35〜73/27であり、(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.7〜4.2dl/gであり、
(iv)パラフィン系オイルを50phr油展した状態での230℃におけるメルトフローインデックスが0.2〜0.5g/10分であり、
(v)ヨウ素価が10〜25であり、
(vi)非共役ジエンが5-エチリデン-2- ノルボルネン(ENB)であり、
かつ、
この組成物は、加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正接(tanδ)が0.03〜0.15である。
【0016】
このゴム組成物は、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有するとともに、天然ゴム系防振ゴムと同程度の優れた防振特性と耐久性を有する防振ゴムを提供することができるが、このゴム組成物よりも、さらに優れた防振特性と耐久性を有する防振ゴムを提供できる防振ゴム用ゴム組成物が望まれている。
【0017】
なお、上記組成のエチレン・α- オレフィン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(ENB−EPT)の代わりにエチレン・α- オレフィン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン共重合体ゴム(EMND−EPT)を用いることによって、さらに優れた防振特性と耐久性を有する防振ゴム組成物を提供することが可能であることが既に知られている。
【0018】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、従来のエチレン・α- オレフィン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(ENB−EPT)系防振ゴムやエチレン・α- オレフィン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン共重合体ゴム(EMND−EPT)系防振ゴムよりも、さらに優れた防振特性と耐久性を有するとともに、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有する防振ゴムを付与することができる防振ゴム用ゴム組成物を提供することを目的としている。
【0019】
【発明の概要】
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、下記一般式(I)で表わされるトリエン化合物とからなるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部と、
充填剤(B)20〜100重量部と、
加硫剤(C)0.5〜10重量部と
を含有してなる組成物であり、
該エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が30/70〜99/1の範囲にあり、
(ii)トリエン化合物から導かれる構成単位の含有量がヨウ素価で5〜60であり、
(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範囲にあり、かつ、
該組成物の加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正接(tanδ)が0.03〜0.15になることを特徴としている。
【0020】
【化2】
Figure 0003919408
【0021】
[式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であり、R3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である。]
【0022】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物について具体的に説明する。
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、特定のエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)と充填剤(B)と加硫剤(C)とを含有してなる加硫可能なゴム組成物である。
【0023】
エチレン・α - オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、トリエン化合物とからなる。
【0024】
このような炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
【0025】
これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組合わせて用いることができる。
また、トリエン化合物は、下記一般式(I)で表わされる。
【0026】
【化3】
Figure 0003919408
【0027】
一般式(I)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であり、R3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である。
【0028】
一般式(I)で表わされるトリエン化合物の中では、R3およびR4がどちらもメチル基である化合物が好ましく、このようなトリエン化合物をモノマー原料として得られるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、加硫速度とスコーチ特性とのバランスに特に優れている。
【0029】
一般式(I)で表わされるトリエン化合物としては、具体的には、下記のような化合物などが挙げられる。
【0030】
【化4】
Figure 0003919408
【0031】
【化5】
Figure 0003919408
【0032】
これらのトリエン化合物の中では、上記(1)の4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(以下、DMDTと略記)が好ましい。
一般式(I)で表わされるトリエン化合物は、トランス体およびシス体の混合物であってもよく、トランス体単独またはシス体単独であってもよい。
【0033】
一般式(I)で表わされるトリエン化合物は、下記式(II)で表わされる共役ジエン化合物とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0034】
【化6】
Figure 0003919408
【0035】
上記式(II)において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ上述した一般式(I)におけるR1、R2、R3およびR4と同じである。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、上記のようなエチレン、α- オレフィンおよびトリエン化合物のそれぞれの単量体から誘導される構成単位が、ランダムに配列して結合し、トリエン化合物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。
【0036】
このエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)が実質的に線状構造を有し、かつ実質的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、この共重合体ゴム(A)が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことにより確認することができる。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体ゴム(A)が135℃中のデカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0037】
また、このようなランダム共重合体ゴム(A)において、トリエン化合物から誘導される構成単位は、実質的に下記式(III) で示される構造を有している。
【0038】
【化7】
Figure 0003919408
【0039】
上記式(III)において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ上述した一般式(I)におけるR1、R2、R3およびR4と同じである。
なお、トリエン化合物から誘導される構成単位が上記構造を有していることは、この共重合体の13C−NMRスペクトルを測定することによって確認することができる。
【0040】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体ゴム(A)、たとえばエチレン・プロピレン・4,8-ジメチル- 1,4,8 - デカトリエン(DMDT)共重合体ゴムを用いたゴム組成物からなる防振ゴムは、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン(ENB)ランダム共重合体ゴムを用いたゴム組成物からなる防振ゴムと比べ、防振特性と耐疲労性により優れている。その理由は、トリエン化合物であるDMDTは、環状構造を有するジエン化合物であるENBに比べ、分子運動し易く、また加硫後の架橋形態も、耐疲労性に有効な分子間距離を保つ構造をとるためである。また、エチレン・プロピレン・4,8-ジメチル- 1,4,8 - デカトリエン(DMDT)共重合体ゴムは、加硫速度が、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン(ENB)共重合体ゴムに比べ、非常に速いため、物性の安定性と防振ゴム製品の生産性に優れている。
【0041】
また、非共役ポリエンとして4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(DMDT)を選択したエチレン・プロピレン・4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエンランダム共重合体ゴム(DMDT−EPT)は、エチレン・プロピレン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエンランダム共重合体ゴム(EMND−EPT)よりも、スコーチ安定性の高い防振ゴム組成物を提供することが可能である。
【0042】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、以下のような組成および特性を有する。
(i)このエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が30/70〜99/1、好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは70/30〜80/20の範囲にある。
【0043】
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比が、上記のような範囲にあるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、機械的強度特性に優れるとともに低温特性に優れた加硫ゴム製品を提供することができるゴム組成物が得られる。
【0044】
(ii)このエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、トリエン化合物から導かれる構成単位の含有量がヨウ素価で5〜60、好ましくは10〜25の範囲にある。
【0045】
ヨウ素価が上記のような範囲にあるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、防振特性に優れるとともに耐熱老化性に優れた加硫ゴム製品を提供することができる、加硫速度の速いゴム組成物が得られる。
【0046】
(iii) このエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/g、好ましくは1.0〜6.0dl/g、さらに好ましくは2.0〜4.0dl/gの範囲にある。
【0047】
極限粘度[η]が上記のような範囲にあるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、カーボンブラック、オイルを均一にブレンドすることができる。また、このエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、エンジン、マフラー、センターベアリング等の振動している支持体を支え続ける機械的強度と優れた耐疲労性を有する防振ゴムを提供することができるゴム組成物が得られる。
【0048】
上記のようなエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、前記一般式(I)で表わされるトリエン化合物とを、触媒の存在下に共重合させて得ることができる。
【0049】
このような触媒としては、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)などの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒が使用できる。
【0050】
本発明では、[a]可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用いられる。
【0051】
本発明では、上記のような触媒[a](可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒)または触媒[b](周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、トリエン化合物とを、通常液相で共重合させる。
【0052】
この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレン等のα- オレフィンを溶媒として用いてもよい。
このような炭化水素溶媒としては、具体的には、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、および
クロロベンゼン等のハロゲン誘導体などが用いられる。
【0053】
これら溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物との共重合は、バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で行なってもよい。共重合を連続法で実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で用いられる。
【0054】
本発明において、上記触媒[a]、すなわち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる場合には、
重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
【0055】
また、有機アルミニウム化合物は、重合系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20の量で供給される。
【0056】
可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]は、通常、上記の炭化水素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物で希釈されて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は、上記した濃度に希釈されることが望ましく、また有機アルミニウム化合物は、重合系内における濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されることが望ましい。
【0057】
また、本発明において、メタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合には、
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
【0058】
また、有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
【0059】
イオン化イオン性化合物の場合は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
【0060】
また、有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
【0061】
本発明において、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ましくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃で、圧力が5MPa以下、好ましくは2MPa以下の条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
【0062】
また本発明において、メタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとトリエン化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧力が8MPa以下、好ましくは5MPa以下の条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
【0063】
また、反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間である。
【0064】
本発明では、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよびトリエン化合物は、上述した特定組成のエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)が得られるような量で重合系に供給される。さらに共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0065】
上記のようにしてエチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよびトリエン化合物を共重合させると、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、通常これを含む重合液として得られる。この重合液は、常法により処理され、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)が得られる。
【0066】
エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)[不飽和性エチレン系共重合体]の上記のような調製方法は、特開平8−325334号公報(特願平7−170839号)に詳細に記載されている。
【0067】
充填剤(B)
本発明では充填剤(B)が用いられるが、充填剤には、補強性のある充填剤と補強性のない充填剤とがある。
【0068】
補強性のある充填剤は、加硫ゴムの引張り強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このような充填剤としては、具体的には、シランカップリング剤などによる表面処理が施されていてもよいカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルクなどが挙げられる。本発明においては、通常ゴムに使用されるカーボンブラックならば、その種類は問わず、全て用いることができる。
【0069】
また、補強性のない充填剤は、物性にあまり影響を与えることなく、ゴム製品の硬さを高めたり、コストを引き下げることを目的として使用される。このような充填剤としては、具体的には、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0070】
本発明においては、充填剤(B)は、エチレン・α- オレフィンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常20〜100重量部、好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量部の割合で用いられる。
【0071】
加硫剤(C)
本発明で好ましく用いられる加硫剤(C)は、イオウまたはイオウ化合物である。
【0072】
イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0073】
本発明では、粉末イオウが好ましく用いられる。
本発明においては、加硫剤(C)は、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1.0〜5.0重量部の割合で用いられる。
【0074】
その他の成分
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物中に、上記のエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)、充填剤(B)および加硫剤(C)に加えて、加硫促進剤、加硫助剤、軟化剤、粘着付与剤、老化防止剤、発泡剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、ブルーミング防止剤およびその他のゴム用配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0075】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、加硫速度が速いので、加硫促進剤の種類、組合わせおよび添加量の選択如何により、加硫剤(B)の添加量を減らすことができる。したがって、本発明では、加硫促進剤を用いることが望ましい。
【0076】
このような加硫促進剤としては、具体的には、
N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;
2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4- モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド- アンモニア系化合物;
2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
亜鉛華などの化合物を挙げることができる。
【0077】
また、加硫促進剤の好ましい組合わせの例としては、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)とN-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)とテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)とジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)との組合わせなどが挙げられる。
【0078】
本発明においては、加硫促進剤は、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の割合で用いられる。
【0079】
防振ゴム用ゴム組成物
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)、充填剤(B)、加硫剤(C)、および必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、軟化剤、老化防止剤、発泡剤、加工助剤等のゴム用配合剤から、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。
【0080】
たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)、充填剤(B)および他の成分たとえば軟化剤を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、加硫剤(C)、必要に応じて加硫促進剤などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常、リボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。
【0081】
なお、上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫剤(C)、加硫促進剤、発泡剤などを同時に混練することもできる。
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正接(tanδ)が0.03〜0.15になるような組成を有している。
【0082】
動的粘弾性試験は、2mm厚の加硫ゴムシートについて、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−2)を用いて、測定温度27℃、周波数10Hzおよび歪率1%の条件で行ない、動的弾性率(Pa)と動的損失弾性率(Pa)を求め、損失正接tanδ(振動減衰性の指標)を下式により求める。
【0083】
Gs =G’+ιG”
(Gs: 静的弾性率、実部G’:動的弾性率、虚部G”:動的損失弾性率)
tanδ=G”/ G’
動的粘弾性試験から求めることができる防振ゴムの動的弾性率(G’)と損失正接(tanδ)との関係で、G’が同じであればtanδが高い方が防振ゴムの防振特性と耐疲労性に優れている。また、tanδが同じであればG’が小さい方が防振ゴムの防振特性と耐疲労性に優れている。
【0084】
防振ゴム
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物の防振ゴム(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱することにより加硫して得ることができる。
【0085】
上記未加硫のゴム組成物を加熱により加硫する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱することが好ましい。
【0086】
成形・加硫に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いなくてもよい。金型を用いない場合には、上記未加硫のゴム組成物は、通常連続的に成形・加硫される。
【0087】
上記のように成形・加硫された加硫ゴムは、たとえば自動車のエンジンマウントインシュレーター、センターベアリングインシュレーター、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のインシュレーター等で特に耐熱性が要求される防振ゴム材などの用途に好適に用いることができる。
【0088】
また、発泡剤含有の未加硫ゴム配合物を加熱発泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッション材、シーリング材などの用途に用いることができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る防振ゴム用ゴム組成物は、特定のエチレン・α- オレフィン・トリエン共重合体ゴムと、充填剤と、加硫剤とを特定割合で含有してなり、かつ、加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正接(tanδ)が特定の範囲にあるので、従来のエチレン・α- オレフィン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(ENB−EPT)系防振ゴムやエチレン・α- オレフィン・4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン共重合体ゴム(EMND−EPT)系防振ゴムよりも、さらに優れた防振特性と耐久性を有するとともに、天然ゴム系材料よりも優れた耐熱性を有し、しかも、優れた低温柔軟性を有する防振ゴムを提供することができる。
【0090】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
なお実施例および比較例におけるランダム共重合体ゴム(EPT)および加硫ゴムについて行なった試験方法は、以下の通りである。
【0091】
[1]未加硫ゴムの物性試験
未加硫ゴムの物性試験は、JIS K 6300に準拠して行なった。
スコーチ安定性は、島津製作所(株)製のムーニービスコメーター(形式SMV−202)を用いて、120℃でムーニー粘度変化を測定し、t5[分]を求め、目安とした。このt5が長いほどスコーチ安定性がよいことを示す。
【0092】
また、加硫速度は、モンサント社製のローターレスレオメーター(形式MDR2000)を用いて、160℃でトルクの変化を測定し、tc(90)[分]を求め、目安とした。このtc(90)が短いほど加硫速度が速いことを示す。
【0093】
[2]引張り試験
加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いて同JIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、伸び率が25%となる引張応力(σ25)、25%モジュラス(M25)、50%モジュラス(M50)、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、300%モジュラス(M300)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
【0094】
[3]硬さ試験
硬さ試験は、JIS K 6253(1993年)に準拠して行ない、スプリング硬さHS(ショアーA硬度)を測定した。
【0095】
[4]耐久試験(疲労試験)
加硫ゴムシートを打ち抜いてJIS K 6251に記載されている1号形ダンベル試験片を調製し、この試験片の中心に2mmの傷を入れた。このようにして得られた試験片60本のうち、20本について伸長率を50%とし、設定温度40℃、回転速度300rpmの条件で伸長疲労させ、そのダンベル切断時の回数の平均値をもって耐久性の指標とした。また、伸長率100%、150%の条件で同様に耐久試験を行なった。
【0096】
この耐久試験は、モンサント疲労試験機を用い、周波数5Hz、温度27℃の条件で行なった。
[5]圧縮永久歪み試験
圧縮永久歪み試験は、JIS K 6262に準じて、120℃、150℃のそれぞれ雰囲気下で22時間行なって、それぞれの温度における圧縮永久歪みを測定した。これらの圧縮永久歪みを耐へたり性の評価の指標とした。
【0097】
[6]動的粘弾性試験
動的粘弾性試験は、既に上述した方法に従って行ない、動的弾性率(G’)、動的損失弾性率(G”)および損失正接(tanδ)を求めた。
【0098】
[7]ゲーマン低温ねじり試験
ゲーマン低温ねじり試験は、JIS K 6261(1993年)に準拠して行ない、T2[単位:℃]、T5[単位:℃]、T10[単位:℃]およびT100[単位:℃]を求めた。
【0099】
また、実施例、比較例で用いたランダム共重合体ゴム(EPT)は、第1表に示す通りである。
【0100】
【表1】
Figure 0003919408
【0101】
【実施例1〜5および比較例1〜5】
まず、8インチオープンロール(前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)で素練りした第1表に示すEPT100重量部に、ステアリン酸1重量部と亜鉛華1号5重量部を加えて混練した後、さらにFEF−HSカーボンブラック[新日鐵化学(株)製、商品名 ニテロン#10]60重量部とオイル[富士興産(株)製、P−300]60重量部を加えて混練した。
【0102】
次いで、上記のようにして得られた混練物に、加硫剤として硫黄[細井化学工業(株)製、商品名 粉末イオウ]0.75重量部と、加硫促進剤として商品名ノクセラーPZ[大内新興化学工業(株)製]1.5重量部、商品名ノクセラーTT[大内新興化学工業(株)製]およびノクセラーM[大内新興化学工業(株)製]0.5重量部を加えて混練した後、シート状に分出しして160℃で18分間プレスし、厚み2mmの加硫シートを調製した。
【0103】
得られた加硫シートについて、引張り試験、硬さ試験、耐久試験、圧縮永久歪み試験、動的粘弾性試験およびゲーマン低温ねじり試験を行なった。
その結果を第2表に示す。
【0104】
【表2】
Figure 0003919408
【0105】
【表3】
Figure 0003919408
【0106】
図1として、上記第2表に示した実施例1〜5および比較例1〜5で得られた動的弾性率(G’)と損失正接(tanδ)の値を、G’を縦軸、tanδを横軸にとってプロットした。
【0107】
この図1より明かなように、ENB−EPTを用いた比較例とDMDT−EPTを用いた実施例とを比較すると、動的弾性率が同程度の値である場合、実施例の方が比較例よりも損失正接の値が大きく、また損失正接が同程度の値である場合、実施例の方が比較例よりも動的弾性率の値が小さい。したがって、実施例のゴム組成物の方が、比較例のゴム組成物よりも防振ゴム用ゴム組成物として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、比較例および実施例で得られた動的弾性率(G’)と損失正接(tanδ)との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、下記一般式(I)で表わされるトリエン化合物とからなるエチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部と、
    充填剤(B)20〜100重量部と、
    加硫剤(C)0.5〜10重量部と
    を含有してなる組成物であり、
    該エチレン・α- オレフィン・トリエンランダム共重合体ゴム(A)は、
    (i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が30/70〜99/1の範囲にあり、
    (ii)トリエン化合物から導かれる構成単位の含有量がヨウ素価で5〜60であり、
    (iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範囲にあり、かつ、
    該組成物の加硫後の動的粘弾性試験で求められる損失正接(tanδ)が0.03〜0.15になることを特徴とする防振ゴム用ゴム組成物;
    Figure 0003919408
    [式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であり、R3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である]。
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