JP3467129B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤトレッド用ゴム組成物Info
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Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、タイヤトレッド用ゴム組
成物に関し、さらに詳しくは、氷結路面で優れた制動性
能を有し、かつ、その優れた制動性能を長期にわたり維
持できるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
成物に関し、さらに詳しくは、氷結路面で優れた制動性
能を有し、かつ、その優れた制動性能を長期にわたり維
持できるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】自動車のタイヤは、一般に走行時
になると発熱するのでトレッド内部の温度は60℃以上
にもなり、特にトレッド表面は路面に対し加速や減速時
の摩擦により一般の走行時には100℃以上の高温にな
っていると推定される。タイヤトレッドは、このような
高温雰囲気中では空気中の酸素と反応して劣化すること
が知られており、この劣化反応によりトレッドが変質し
て氷結路面での制動性能、すなわち摩擦抵抗が経時とと
もに低下する。
になると発熱するのでトレッド内部の温度は60℃以上
にもなり、特にトレッド表面は路面に対し加速や減速時
の摩擦により一般の走行時には100℃以上の高温にな
っていると推定される。タイヤトレッドは、このような
高温雰囲気中では空気中の酸素と反応して劣化すること
が知られており、この劣化反応によりトレッドが変質し
て氷結路面での制動性能、すなわち摩擦抵抗が経時とと
もに低下する。
【0003】従来、氷結路面での制動性能に優れたゴム
として油展天然ゴムやポリブタジエンゴムが報告されて
いる。これらのゴムは、ガラス転移温度(Tg)の低い
ゴムを配合すると、氷結路面での制動性能をさらに向上
させることができる。
として油展天然ゴムやポリブタジエンゴムが報告されて
いる。これらのゴムは、ガラス転移温度(Tg)の低い
ゴムを配合すると、氷結路面での制動性能をさらに向上
させることができる。
【0004】しかしながら、油展天然ゴムあるいはポリ
ブタジエンゴムにガラス転移温度の低いゴムを配合して
も、氷結路面での優れた制動性能を長く維持し、特に低
温状態で長期にわたって良好に使用できるようなタイヤ
トレッド用ゴム組成物は得られていない。
ブタジエンゴムにガラス転移温度の低いゴムを配合して
も、氷結路面での優れた制動性能を長く維持し、特に低
温状態で長期にわたって良好に使用できるようなタイヤ
トレッド用ゴム組成物は得られていない。
【0005】ところで、タイヤ、防振ゴムといった動的
な疲労に対して機械的強度を必要とする部品の殆どは、
NR、SBR、BRなどのジエン系ゴム、あるいはこれ
らのブレンド物が用いられている。一方、ウェザースト
リッピング、ドアグラスランチャンネル、ラジエーター
ホース等、自動車部品の静的な部分には、耐オゾン性、
耐熱老化性に優れたEPTが用いられている。EPT
は、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性に優れているもの
の、耐動的疲労性が悪いため、EPTはタイヤや防振ゴ
ムなどに単独で使用することができなかった。
な疲労に対して機械的強度を必要とする部品の殆どは、
NR、SBR、BRなどのジエン系ゴム、あるいはこれ
らのブレンド物が用いられている。一方、ウェザースト
リッピング、ドアグラスランチャンネル、ラジエーター
ホース等、自動車部品の静的な部分には、耐オゾン性、
耐熱老化性に優れたEPTが用いられている。EPT
は、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性に優れているもの
の、耐動的疲労性が悪いため、EPTはタイヤや防振ゴ
ムなどに単独で使用することができなかった。
【0006】したがって、EPTとジエン系ゴムとのブ
レンドによりその両材料の長所を生かすべく、ジエン系
ゴムとEPTとのブレンド物についての研究が多く行な
われているが、これまでに提案されたブレンド物は、共
加硫性が乏しく実用化の域には達していなかった。
レンドによりその両材料の長所を生かすべく、ジエン系
ゴムとEPTとのブレンド物についての研究が多く行な
われているが、これまでに提案されたブレンド物は、共
加硫性が乏しく実用化の域には達していなかった。
【0007】本発明者らは、EPTの加硫速度を大幅に
向上させてジエン系ゴムとの良好な共加硫性を有するE
PTを開発することによって、耐動的疲労性および氷結
路面での制動性能に優れ、かつ、その優れた制動性能を
長く維持し、特に低温状態で長期にわたって良好に使用
できるタイヤトレッド用ゴム組成物を得るべく鋭意研究
し、EPTを構成するポリエンとして4-エチリデン-8-
メチル-1,7- ノナジエン(EMN)等の特定の分岐鎖状
ポリエン化合物を選択すれば、ジエン系ゴムとの共加硫
性に優れたEPTが得られること、およびこのEPTと
ジエン系ゴムとを共加硫しても、ジエン系ゴムが本来的
に有している優れた動的な機械的強度特性が損なわれな
いことを見出し、本発明を完成するに至った。
向上させてジエン系ゴムとの良好な共加硫性を有するE
PTを開発することによって、耐動的疲労性および氷結
路面での制動性能に優れ、かつ、その優れた制動性能を
長く維持し、特に低温状態で長期にわたって良好に使用
できるタイヤトレッド用ゴム組成物を得るべく鋭意研究
し、EPTを構成するポリエンとして4-エチリデン-8-
メチル-1,7- ノナジエン(EMN)等の特定の分岐鎖状
ポリエン化合物を選択すれば、ジエン系ゴムとの共加硫
性に優れたEPTが得られること、およびこのEPTと
ジエン系ゴムとを共加硫しても、ジエン系ゴムが本来的
に有している優れた動的な機械的強度特性が損なわれな
いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、耐動的疲労性お
よび氷結路面での制動性能に優れ、かつ、その優れた制
動性能を長く維持し、特に低温状態で長期にわたって良
好に使用できるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する
ことを目的としている。
問題を解決しようとするものであって、耐動的疲労性お
よび氷結路面での制動性能に優れ、かつ、その優れた制
動性能を長く維持し、特に低温状態で長期にわたって良
好に使用できるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成
物は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィ
ンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも一種の
分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重合体ゴ
ム(A)と、ジエン系ゴム(B)と、カーボンブラック
(C)と、加硫剤(D)とを含有してなり、該ランダム
共重合体ゴム(A)は、(i)エチレンと炭素原子数3
〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オ
レフィン)が60/40〜90/10の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が20〜50の範囲にあり、(iii) 1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜
6.0dl/gの範囲にあることを特徴としている。
物は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィ
ンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも一種の
分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重合体ゴ
ム(A)と、ジエン系ゴム(B)と、カーボンブラック
(C)と、加硫剤(D)とを含有してなり、該ランダム
共重合体ゴム(A)は、(i)エチレンと炭素原子数3
〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オ
レフィン)が60/40〜90/10の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が20〜50の範囲にあり、(iii) 1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜
6.0dl/gの範囲にあることを特徴としている。
【0010】
【化2】
【0011】[式[I]中、nは1〜5の整数であり、
R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R2 およ
びR3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子
数1〜5のアルキル基である。]
R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R2 およ
びR3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子
数1〜5のアルキル基である。]
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るタイヤトレッ
ド用ゴム組成物について具体的に説明する。本発明に係
るタイヤトレッド用ゴム組成物は、特定のランダム共重
合体ゴム(A)とジエン系ゴム(B)とカーボンブラッ
ク(C)と加硫剤(D)とを含有してなる加硫可能なゴ
ム組成物である。
ド用ゴム組成物について具体的に説明する。本発明に係
るタイヤトレッド用ゴム組成物は、特定のランダム共重
合体ゴム(A)とジエン系ゴム(B)とカーボンブラッ
ク(C)と加硫剤(D)とを含有してなる加硫可能なゴ
ム組成物である。
【0013】ランダム共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、エ
チレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、分
岐鎖状ポリエン化合物とからなる。
チレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、分
岐鎖状ポリエン化合物とからなる。
【0014】このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチ
ル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1-
ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキ
セン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、
1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オク
タデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好まし
く用いられる。
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチ
ル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1-
ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキ
セン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、
1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オク
タデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好まし
く用いられる。
【0015】これらのα- オレフィンは、単独であるい
は2種以上組合わせて用いることができる。また、分岐
鎖状ポリエン化合物は、下記一般式[I]で表わされ
る。
は2種以上組合わせて用いることができる。また、分岐
鎖状ポリエン化合物は、下記一般式[I]で表わされ
る。
【0016】
【化3】
【0017】式[I]中、nは1〜5の整数であり、R
1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R2 および
R3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数
1〜5のアルキル基である。
1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R2 および
R3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数
1〜5のアルキル基である。
【0018】炭素原子数1〜5のアルキル基としては、
具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロ
ピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブ
チル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基などが挙げられ
る。
具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロ
ピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブ
チル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基などが挙げられ
る。
【0019】このような分岐鎖状ポリエン化合物(以
下、分岐鎖状ポリエン化合物[I]ともいう)として
は、具体的に下記(1)〜(24)に例示するような化合
物が挙げられる。中でも、(5)、(6)、(9)、
(11)、(14)、(19)、(20)の分岐鎖状ポリエン化
合物が好ましく用いられる。 (1)4-エチリデン-1,6- オクタジエン (2)7-メチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン (3)7-メチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン (4)7-エチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン (5)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン (6)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン (7)4-エチリデン-1,6- デカジエン (8)7-メチル-4- エチリデン-1,6- デカジエン (9)7-メチル-6- プロピル-4- エチリデン-1,6- オク
タジエン (10)4-エチリデン-1,7- ノナジエン (11)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EM
N) (12)4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン (13)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン (14)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン (15)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン (16)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエ
ン (17)8-メチル-7- エチル-4- エチリデン-1,7- ウンデ
カジエン (18)7,8-ジエチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン (19)9-メチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン (20)8,9-ジメチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン (21)10- メチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン (22)9,10- ジメチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジ
エン (23)11- メチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン (24)10,11-ジメチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエ
ン これらは、単独であるいは2種以上組合わせて用いるこ
とができる。
下、分岐鎖状ポリエン化合物[I]ともいう)として
は、具体的に下記(1)〜(24)に例示するような化合
物が挙げられる。中でも、(5)、(6)、(9)、
(11)、(14)、(19)、(20)の分岐鎖状ポリエン化
合物が好ましく用いられる。 (1)4-エチリデン-1,6- オクタジエン (2)7-メチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン (3)7-メチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン (4)7-エチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン (5)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン (6)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン (7)4-エチリデン-1,6- デカジエン (8)7-メチル-4- エチリデン-1,6- デカジエン (9)7-メチル-6- プロピル-4- エチリデン-1,6- オク
タジエン (10)4-エチリデン-1,7- ノナジエン (11)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EM
N) (12)4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン (13)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン (14)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン (15)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン (16)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエ
ン (17)8-メチル-7- エチル-4- エチリデン-1,7- ウンデ
カジエン (18)7,8-ジエチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン (19)9-メチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン (20)8,9-ジメチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン (21)10- メチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン (22)9,10- ジメチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジ
エン (23)11- メチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン (24)10,11-ジメチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエ
ン これらは、単独であるいは2種以上組合わせて用いるこ
とができる。
【0020】上記の分岐鎖状ポリエン化合物[I]は、
トランス体およびシス体の混合物であってもよく、トラ
ンス体単独またはシス体単独であってもよい。このよう
な分岐鎖状ポリエン化合物は、本願出願人の出願に係る
特願平6−154952号明細書に記載の方法によって
調製することができる。
トランス体およびシス体の混合物であってもよく、トラ
ンス体単独またはシス体単独であってもよい。このよう
な分岐鎖状ポリエン化合物は、本願出願人の出願に係る
特願平6−154952号明細書に記載の方法によって
調製することができる。
【0021】すなわち、下記[I−a]で示される共役ジ
エンを有する化合物とエチレンとを、遷移金属化合物お
よび有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に反
応させることにより製造することができる。
エンを有する化合物とエチレンとを、遷移金属化合物お
よび有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に反
応させることにより製造することができる。
【0022】
【化4】
【0023】(式[I−a]中、n、R1 、R2 およびR
3 は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、
R1 、R2 およびR3 と同じである。) 本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、上
記のようなエチレン、α- オレフィンおよび分岐鎖状ポ
リエン化合物それぞれの単量体から誘導される構成単位
が、ランダムに配列して結合し、分岐鎖状ポリエン化合
物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質
的に線状構造となっている。
3 は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、
R1 、R2 およびR3 と同じである。) 本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、上
記のようなエチレン、α- オレフィンおよび分岐鎖状ポ
リエン化合物それぞれの単量体から誘導される構成単位
が、ランダムに配列して結合し、分岐鎖状ポリエン化合
物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質
的に線状構造となっている。
【0024】この共重合体ゴムが実質的に線状構造を有
しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないこと
は、この共重合体ゴムが有機溶媒に溶解し、不溶分を実
質的に含まないことにより確認することができる。たと
えば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体ゴム
が135℃中のデカリンに完全に溶解することにより確
認することができる。
しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないこと
は、この共重合体ゴムが有機溶媒に溶解し、不溶分を実
質的に含まないことにより確認することができる。たと
えば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体ゴム
が135℃中のデカリンに完全に溶解することにより確
認することができる。
【0025】また、このようなランダム共重合体ゴム
(A)において、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導され
る構成単位は、実質的に下記式[II]で示される構造を
有している。
(A)において、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導され
る構成単位は、実質的に下記式[II]で示される構造を
有している。
【0026】
【化5】
【0027】[式[II]中、n、R1 、R2 およびR3
は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、R1 、
R2 およびR3 と同じである。] なお、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導される構成単位
が上記構造を有していることは、この共重合体の13C−
NMRスペクトルを測定することによって確認すること
ができる。
は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、R1 、
R2 およびR3 と同じである。] なお、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導される構成単位
が上記構造を有していることは、この共重合体の13C−
NMRスペクトルを測定することによって確認すること
ができる。
【0028】本発明で用いられるランダム共重合体ゴム
(A)、たとえばエチレン・プロピレン・4-エチリデン
-8- メチル-1,7- ノナジエン(EMN)共重合体ゴム
は、既存のエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノ
ルボルネン(ENB)共重合体ゴムと比べ、加硫速度が
約3倍速く、ほぼジエン系ゴムと同等の加硫速度である
ため、ジエン系ゴムが本来的に有している優れた動的な
機械的強度特性を損なうことなく、タイヤトレッドの初
期物性を維持することができる。
(A)、たとえばエチレン・プロピレン・4-エチリデン
-8- メチル-1,7- ノナジエン(EMN)共重合体ゴム
は、既存のエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノ
ルボルネン(ENB)共重合体ゴムと比べ、加硫速度が
約3倍速く、ほぼジエン系ゴムと同等の加硫速度である
ため、ジエン系ゴムが本来的に有している優れた動的な
機械的強度特性を損なうことなく、タイヤトレッドの初
期物性を維持することができる。
【0029】本発明で用いられるランダム共重合体ゴム
(A)は、以下のような組成および特性を有する。 (i)このランダム共重合体ゴムは、エチレンと炭素原
子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/
α- オレフィン)が60/40〜90/10、好ましく
は70/30〜80/20の範囲にある。
(A)は、以下のような組成および特性を有する。 (i)このランダム共重合体ゴムは、エチレンと炭素原
子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/
α- オレフィン)が60/40〜90/10、好ましく
は70/30〜80/20の範囲にある。
【0030】エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとのモル比が、60/40未満になると、ランダ
ム共重合体のガラス転移点が高温にシフトし、ゴム弾性
が失なわれるため好ましくない。また、エチレンと炭素
原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比が、90/
10を超えると、ランダム共重合体は樹脂様物質とな
り、ゴム弾性が失われるため好ましくない。
フィンとのモル比が、60/40未満になると、ランダ
ム共重合体のガラス転移点が高温にシフトし、ゴム弾性
が失なわれるため好ましくない。また、エチレンと炭素
原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比が、90/
10を超えると、ランダム共重合体は樹脂様物質とな
り、ゴム弾性が失われるため好ましくない。
【0031】(ii)このランダム共重合体ゴム(A)
は、ヨウ素価が20〜50、好ましくは25〜40の範
囲にある。ランダム共重合体ゴムのヨウ素価が上記範囲
内にあると、耐熱性に優れるとともに加硫速度が速く、
コストパフォーマンスが良い。
は、ヨウ素価が20〜50、好ましくは25〜40の範
囲にある。ランダム共重合体ゴムのヨウ素価が上記範囲
内にあると、耐熱性に優れるとともに加硫速度が速く、
コストパフォーマンスが良い。
【0032】(iii) このランダム共重合体ゴム(A)
は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
1.0〜6.0dl/g、好ましくは2.0〜5.0d
l/gの範囲にある。
は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
1.0〜6.0dl/g、好ましくは2.0〜5.0d
l/gの範囲にある。
【0033】極限粘度[η]が上記のような範囲にある
ランダム共重合体ゴム(A)を用いると、得られるゴム
組成物は、ジエン系ゴムとのブレンド性に優れるととも
にタイヤトレッドとして要求される機械的強度を発現す
ることができる。
ランダム共重合体ゴム(A)を用いると、得られるゴム
組成物は、ジエン系ゴムとのブレンド性に優れるととも
にタイヤトレッドとして要求される機械的強度を発現す
ることができる。
【0034】本発明においては、ランダム共重合体ゴム
(A)は、ランダム共重合体ゴム(A)とジエン系ゴム
(B)との合計量100重量部に対して、20〜80重
量部、好ましくは30〜70重量部、さらに好ましくは
40〜60重量部の割合で用いられる。ランダム共重合
体ゴム(A)を上記のような割合で用いると、ジエン系
ゴムが本来的に有する動的な使用条件下での優れた機械
的強度特性を損なうことなく、耐候性、耐熱性に優れた
タイヤトレッドを提供し得るゴム組成物が得られる。こ
のランダム共重合体ゴム(A)の割合が20重量部未満
になると、ランダム共重合体ゴム(A)の割合が低すぎ
て、優れた制振性能を維持し続けることができなくなる
ため好ましくない。また、80重量部を超えると、ジエ
ン系ゴムの割合が低すぎるため、タイヤトレッドとして
の要求物性を満足させることができなくなるため好まし
くない。
(A)は、ランダム共重合体ゴム(A)とジエン系ゴム
(B)との合計量100重量部に対して、20〜80重
量部、好ましくは30〜70重量部、さらに好ましくは
40〜60重量部の割合で用いられる。ランダム共重合
体ゴム(A)を上記のような割合で用いると、ジエン系
ゴムが本来的に有する動的な使用条件下での優れた機械
的強度特性を損なうことなく、耐候性、耐熱性に優れた
タイヤトレッドを提供し得るゴム組成物が得られる。こ
のランダム共重合体ゴム(A)の割合が20重量部未満
になると、ランダム共重合体ゴム(A)の割合が低すぎ
て、優れた制振性能を維持し続けることができなくなる
ため好ましくない。また、80重量部を超えると、ジエ
ン系ゴムの割合が低すぎるため、タイヤトレッドとして
の要求物性を満足させることができなくなるため好まし
くない。
【0035】上記のようなランダム共重合体ゴム(A)
は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、上記一般式[I]で表わされる分岐鎖状ポリエン化
合物とを、触媒の存在下に共重合させて得ることができ
る。
は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、上記一般式[I]で表わされる分岐鎖状ポリエン化
合物とを、触媒の存在下に共重合させて得ることができ
る。
【0036】このような触媒としては、バナジウム
(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)な
どの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機ア
ルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒
が使用できる。
(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)な
どの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機ア
ルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒
が使用できる。
【0037】本発明では、[a]可溶性バナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは
[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロ
セン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイ
オン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用
いられる。
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは
[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロ
セン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイ
オン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用
いられる。
【0038】本発明では、上記のような触媒[a](可
溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオ
キシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触
媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα
- オレフィンと、分岐鎖状ポリエン化合物とを、通常液
相で共重合させる。
溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオ
キシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触
媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα
- オレフィンと、分岐鎖状ポリエン化合物とを、通常液
相で共重合させる。
【0039】この際、一般に炭化水素溶媒が用いれれる
が、プロピレン等のα- オレフィンを溶媒として用いて
もよい。このような炭化水素溶媒としては、具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロ
ゲン誘導体、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、
メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハ
ロゲン誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、およびクロロベンゼン等のハロゲン誘導体
などが用いられる。
が、プロピレン等のα- オレフィンを溶媒として用いて
もよい。このような炭化水素溶媒としては、具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロ
ゲン誘導体、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、
メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハ
ロゲン誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、およびクロロベンゼン等のハロゲン誘導体
などが用いられる。
【0040】これら溶媒は組み合わせて用いてもよい。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐
鎖状ポリエン化合物との共重合は、バッチ法、あるいは
連続法いずれの方法で行なってもよい。共重合を連続法
で実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で
用いられる。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐
鎖状ポリエン化合物との共重合は、バッチ法、あるいは
連続法いずれの方法で行なってもよい。共重合を連続法
で実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で
用いられる。
【0041】本発明において、上記触媒[a]、すなわ
ち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物と
からなる触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性
バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモ
ル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミ
リモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物
は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度
の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは
1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
ち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物と
からなる触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性
バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモ
ル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミ
リモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物
は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度
の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは
1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
【0042】また、有機アルミニウム化合物は、重合系
内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(A
l/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ま
しくは3〜20の量で供給される。
内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(A
l/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ま
しくは3〜20の量で供給される。
【0043】可溶性バナジウム化合物および有機アルミ
ニウム化合物からなる触媒[a]は、通常、上述の炭化
水素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20の
α-オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物で希釈さ
れて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は上
述した濃度に希釈されることが望ましく、また有機アル
ミニウム化合物は重合系内における濃度のたとえば50
倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されるこ
とが望ましい。
ニウム化合物からなる触媒[a]は、通常、上述の炭化
水素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20の
α-オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物で希釈さ
れて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は上
述した濃度に希釈されることが望ましく、また有機アル
ミニウム化合物は重合系内における濃度のたとえば50
倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されるこ
とが望ましい。
【0044】また、本発明においてメタロセン化合物
と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物
ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合に
は、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.
00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、
好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットル
である。
と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物
ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合に
は、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.
00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、
好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットル
である。
【0045】また、有機アルミニウムオキシ化合物は、
重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子
の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましく
は10〜5000の量で供給される。
重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子
の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましく
は10〜5000の量で供給される。
【0046】イオン化イオン性化合物の場合は、重合系
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。
【0047】また、有機アルミニウム化合物が用いられ
る場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合
度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなる
ような量で用いられる。
る場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合
度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなる
ような量で用いられる。
【0048】本発明において、可溶性バナジウム化合物
と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在
下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と分岐鎖状ポリエン化合物とを共重合させる場合には、
共重合反応は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ま
しくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜
60℃で、圧力が50kg/cm2 以下、好ましくは2
0kg/cm2 以下の条件下に行なわれる。ただし、圧
力は0ではない。
と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在
下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と分岐鎖状ポリエン化合物とを共重合させる場合には、
共重合反応は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ま
しくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜
60℃で、圧力が50kg/cm2 以下、好ましくは2
0kg/cm2 以下の条件下に行なわれる。ただし、圧
力は0ではない。
【0049】また本発明において、メタロセン化合物と
有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性
化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭
素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐鎖状ポリエン
化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通
常、温度が−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜12
0℃、さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧力が80
kg/cm2 以下、好ましくは50kg/cm2 以下の
条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性
化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭
素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐鎖状ポリエン
化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通
常、温度が−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜12
0℃、さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧力が80
kg/cm2 以下、好ましくは50kg/cm2 以下の
条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
【0050】また反応時間(共重合が連続法で実施され
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ま
しくは10分〜3時間である。
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ま
しくは10分〜3時間である。
【0051】本発明では、エチレン、炭素原子数3〜2
0のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物は、
上述した特定組成のランダム共重合体ゴムが得られるよ
うな量で重合系に供給される。さらに共重合に際して
は、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
0のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物は、
上述した特定組成のランダム共重合体ゴムが得られるよ
うな量で重合系に供給される。さらに共重合に際して
は、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0052】上記のようにしてエチレン、炭素原子数3
〜20のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物
を共重合させると、ランダム共重合体ゴムは通常これを
含む重合液として得られる。この重合液は、常法により
処理され、ランダム共重合体ゴムが得られる。
〜20のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物
を共重合させると、ランダム共重合体ゴムは通常これを
含む重合液として得られる。この重合液は、常法により
処理され、ランダム共重合体ゴムが得られる。
【0053】ランダム共重合体ゴム(A)[不飽和性エ
チレン系共重合体]の上記のような調製方法は、本願出
願人の出願に係る特願平7−69986号明細書に詳細
に記載されている。
チレン系共重合体]の上記のような調製方法は、本願出
願人の出願に係る特願平7−69986号明細書に詳細
に記載されている。
【0054】ジエン系ゴム(B)
本発明で用いられるジエン系ゴム(B)としては、特に
制限はなく、通常タイヤトレッドに用いられるゴムでよ
く、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジ
エンゴム(SBR)などが挙げられる。中でも、機械的
強度のバランスがとれているイソプレン系ゴム、すなわ
ち天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)が好まし
く用いられる。
制限はなく、通常タイヤトレッドに用いられるゴムでよ
く、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジ
エンゴム(SBR)などが挙げられる。中でも、機械的
強度のバランスがとれているイソプレン系ゴム、すなわ
ち天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)が好まし
く用いられる。
【0055】これらのジエン系ゴムは、単独で、または
組合わせて用いることができる。本発明においては、ジ
エン系ゴム(B)は、ランダム共重合体ゴム(A)およ
びジエン系ゴム(B)の合計量100重量部に対して、
20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部、さら
に好ましくは40〜60重量部の割合で用いられる。
組合わせて用いることができる。本発明においては、ジ
エン系ゴム(B)は、ランダム共重合体ゴム(A)およ
びジエン系ゴム(B)の合計量100重量部に対して、
20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部、さら
に好ましくは40〜60重量部の割合で用いられる。
【0056】カーボンブラック(C)
本発明で用いられるカーボンブラック(C)としては、
特に制限はなく、通常タイヤトレッドに使用されるカー
ボンブラックであればよく、具体的には、SRF、GP
F、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTな
どのカーボンブラックが挙げられる。
特に制限はなく、通常タイヤトレッドに使用されるカー
ボンブラックであればよく、具体的には、SRF、GP
F、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTな
どのカーボンブラックが挙げられる。
【0057】本発明においては、カーボンブラック
(C)は、ランダム共重合体ゴム(A)およびジエン系
ゴム(B)の合計量100重量部に対して、20〜12
0重量部、好ましくは30〜100重量部、さらに好ま
しくは40〜90重量部の割合で用いられる。カーボン
ブラック(C)を上記のような割合で用いると、耐摩耗
性および耐動的疲労性に優れたタイヤトレッドを提供し
得るゴム組成物が得られる。
(C)は、ランダム共重合体ゴム(A)およびジエン系
ゴム(B)の合計量100重量部に対して、20〜12
0重量部、好ましくは30〜100重量部、さらに好ま
しくは40〜90重量部の割合で用いられる。カーボン
ブラック(C)を上記のような割合で用いると、耐摩耗
性および耐動的疲労性に優れたタイヤトレッドを提供し
得るゴム組成物が得られる。
【0058】加硫剤(D)
本発明で好ましく用いられる加硫剤(D)は、イオウま
たはイオウ化合物である。
たはイオウ化合物である。
【0059】イオウとしては、具体的には、粉末イオ
ウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不
溶性イオウなどが挙げられる。イオウ化合物としては、
具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化
物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放
出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジ
スルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラスルフィドなども使用することができる。
ウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不
溶性イオウなどが挙げられる。イオウ化合物としては、
具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化
物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放
出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジ
スルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0060】本発明では、粉末イオウが好ましく用いら
れる。本発明においては、加硫剤(D)は、ランダム共
重合体ゴム(A)およびジエン系ゴム(B)の合計量1
00重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好まし
くは1〜10重量部、さらに好ましくは1.0〜5.0
重量部の割合で用いられる。
れる。本発明においては、加硫剤(D)は、ランダム共
重合体ゴム(A)およびジエン系ゴム(B)の合計量1
00重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好まし
くは1〜10重量部、さらに好ましくは1.0〜5.0
重量部の割合で用いられる。
【0061】タイヤトレッド用ゴム組成物
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、上述した
ようなランダム共重合体ゴム(A)、ジエン系ゴム
(B)、カーボンブラック(C)および加硫剤(D)を
含有してなる。
ようなランダム共重合体ゴム(A)、ジエン系ゴム
(B)、カーボンブラック(C)および加硫剤(D)を
含有してなる。
【0062】本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物
から得られるタイヤトレッドは、氷結路面での優れた制
動性能を長期にわたって維持することができる。本発明
で云う氷結路面での優れた制動性能を長期にわたって維
持することができるかどうかは、0℃での損失正接(t
anδ)の値が熱老化によってどの程度変化するかによ
って確認することができる。
から得られるタイヤトレッドは、氷結路面での優れた制
動性能を長期にわたって維持することができる。本発明
で云う氷結路面での優れた制動性能を長期にわたって維
持することができるかどうかは、0℃での損失正接(t
anδ)の値が熱老化によってどの程度変化するかによ
って確認することができる。
【0063】本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物
は、バンバリーミキサーのようなミキサー類による混合
法等の周知のゴム状重合体混合法を採用することによっ
て製造することができる。また、本発明においては、ゴ
ム配合時に、ランダム共重合体ゴム(A)、ジエン系ゴ
ム(B)、カーボンブラック(C)および加硫剤(D)
のほかに、通常のゴム配合剤を、本発明の目的を損なわ
ない範囲で使用することができる。
は、バンバリーミキサーのようなミキサー類による混合
法等の周知のゴム状重合体混合法を採用することによっ
て製造することができる。また、本発明においては、ゴ
ム配合時に、ランダム共重合体ゴム(A)、ジエン系ゴ
ム(B)、カーボンブラック(C)および加硫剤(D)
のほかに、通常のゴム配合剤を、本発明の目的を損なわ
ない範囲で使用することができる。
【0064】このような配合剤としては、軟化剤;微粉
ケイ酸等のゴム補強剤;軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、タルク、クレー、シリカ等の充填剤;粘着
付与剤;ワックス;結合用樹脂;酸化亜鉛;酸化防止
剤;オゾン亀裂防止剤;加工助剤および加硫活性剤が挙
げられる。これらの配合剤は、1種類または2種類以上
組合わせて使用することができる。
ケイ酸等のゴム補強剤;軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、タルク、クレー、シリカ等の充填剤;粘着
付与剤;ワックス;結合用樹脂;酸化亜鉛;酸化防止
剤;オゾン亀裂防止剤;加工助剤および加硫活性剤が挙
げられる。これらの配合剤は、1種類または2種類以上
組合わせて使用することができる。
【0065】本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物
の加硫物は、上記のようなランダム共重合体ゴム
(A)、ジエン系ゴム(B)、カーボンブラック
(C)、加硫剤(D)および必要に応じて他の配合剤
を、150〜200℃の温度で5〜60分間加熱して加
硫するという通常の加硫方法を採用することにより得る
ことができる。
の加硫物は、上記のようなランダム共重合体ゴム
(A)、ジエン系ゴム(B)、カーボンブラック
(C)、加硫剤(D)および必要に応じて他の配合剤
を、150〜200℃の温度で5〜60分間加熱して加
硫するという通常の加硫方法を採用することにより得る
ことができる。
【0066】
【発明の効果】本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成
物は、特定のエチレン・α- オレフィン・分岐鎖状ポリ
エン共重合体ゴムと、ジエン系ゴムと、カーボンブラッ
クと、加硫剤とを含有してなるので、耐動的疲労性およ
び氷結路面での制動性能に優れ、かつ、その優れた制動
性能を長く維持し、特に低温状態で長期にわたって良好
に使用できるタイヤトレッドを提供することができる。
物は、特定のエチレン・α- オレフィン・分岐鎖状ポリ
エン共重合体ゴムと、ジエン系ゴムと、カーボンブラッ
クと、加硫剤とを含有してなるので、耐動的疲労性およ
び氷結路面での制動性能に優れ、かつ、その優れた制動
性能を長く維持し、特に低温状態で長期にわたって良好
に使用できるタイヤトレッドを提供することができる。
【0067】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における加硫ゴムについて行な
った試験方法は、以下の通りである。
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における加硫ゴムについて行な
った試験方法は、以下の通りである。
【0068】[1]動的粘弾性試験
動的粘弾性試験は、2mm厚の加硫ゴムシートについ
て、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−
2)を用いて、測定温度0℃、周波数10Hzおよび歪
率1%の条件で行ない、動的弾性率(kg/cm2 )と
動的損失弾性率(kg/cm2 )を求め、損失正接ta
nδ(振動減衰性の指標)を下式により求めた。
て、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−
2)を用いて、測定温度0℃、周波数10Hzおよび歪
率1%の条件で行ない、動的弾性率(kg/cm2 )と
動的損失弾性率(kg/cm2 )を求め、損失正接ta
nδ(振動減衰性の指標)を下式により求めた。
【0069】Gs =G’+ιG”
(Gs: 静的弾性率、実部G’:動的弾性率、虚部
G”:動的損失弾性率) tanδ=G”/ G’ 0℃における損失正接(tanδ)は、JIS K 63
01の空気加熱老化試験(100℃、72時間)前後の
試験片について、それぞれ求め、さらにその変化率を求
めた。
G”:動的損失弾性率) tanδ=G”/ G’ 0℃における損失正接(tanδ)は、JIS K 63
01の空気加熱老化試験(100℃、72時間)前後の
試験片について、それぞれ求め、さらにその変化率を求
めた。
【0070】[2]引張り試験
加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301(198
9年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製
し、この試験片を用いて同JIS K 6301第3項に
規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度50
0mm/分の条件で引張り試験を行ない、100%モジ
ュラス(M100 )、200%モジュラス(M200 )、3
00%モジュラス(M300 )、引張破断点応力TB およ
び引張破断点伸びEB を測定した。
9年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製
し、この試験片を用いて同JIS K 6301第3項に
規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度50
0mm/分の条件で引張り試験を行ない、100%モジ
ュラス(M100 )、200%モジュラス(M200 )、3
00%モジュラス(M300 )、引張破断点応力TB およ
び引張破断点伸びEB を測定した。
【0071】[3]硬さ試験
硬さ試験は、JIS K 6301(1989年)に準拠
して行ない、スプリング硬さHS (JIS A硬度 )を
測定した。
して行ない、スプリング硬さHS (JIS A硬度 )を
測定した。
【0072】[4]伸長疲労試験(モンサント疲労試
験) 加硫ゴムシートを打ち抜いてJIS K 6301に記載
されている1号形ダンベル試験片を調製し、この試験片
の縦方向の中心に2mmの傷を入れた。このようにして
得られた試験片60本のうち、20本について伸長率を
40%とし、設定温度40℃、回転速度300rpmの
条件で伸長疲労させ、そのダンベル切断時の回数の平均
値とその切断時の応力の平均値を求めた。また伸長率8
0%、150%の条件で同様に伸長疲労試験を行なっ
た。 モンサント疲労試験機:周波数5Hz、温度27℃
験) 加硫ゴムシートを打ち抜いてJIS K 6301に記載
されている1号形ダンベル試験片を調製し、この試験片
の縦方向の中心に2mmの傷を入れた。このようにして
得られた試験片60本のうち、20本について伸長率を
40%とし、設定温度40℃、回転速度300rpmの
条件で伸長疲労させ、そのダンベル切断時の回数の平均
値とその切断時の応力の平均値を求めた。また伸長率8
0%、150%の条件で同様に伸長疲労試験を行なっ
た。 モンサント疲労試験機:周波数5Hz、温度27℃
【0073】[5]亀裂成長試験(デマッチャ屈曲試
験) 亀裂成長試験は、ASTM D 813に従って、デマッ
チャ−試験機で亀裂成長に対する抵抗性を調べた。すな
わち、亀裂が発生するまでの屈曲回数と試験片が完全に
切断するまでの屈曲回数を測定した(測定温度40℃、
回転速度300rpm)。
験) 亀裂成長試験は、ASTM D 813に従って、デマッ
チャ−試験機で亀裂成長に対する抵抗性を調べた。すな
わち、亀裂が発生するまでの屈曲回数と試験片が完全に
切断するまでの屈曲回数を測定した(測定温度40℃、
回転速度300rpm)。
【0074】また、実施例、比較例で用いたランダム共
重合体ゴム(EPT)は、第1表に示す通りである。
重合体ゴム(EPT)は、第1表に示す通りである。
【0075】
【表1】
【0076】
【実施例1〜4】
[加硫ゴムの製造]ランダム共重合体ゴム(A)として
上記エチレン・プロピレン・4-エチリデン-8- メチル-
1,7- ノナジエン共重合体ゴム(EMN−EPT)と、
ジエン系ゴム(B)として市販のRSS#1(NR)と
をブレンド比(NR/EMN−EPT1)70/30で
第2表に従い配合し、未加硫の配合ゴムを得た。
上記エチレン・プロピレン・4-エチリデン-8- メチル-
1,7- ノナジエン共重合体ゴム(EMN−EPT)と、
ジエン系ゴム(B)として市販のRSS#1(NR)と
をブレンド比(NR/EMN−EPT1)70/30で
第2表に従い配合し、未加硫の配合ゴムを得た。
【0077】この配合に際して、上記の共重合体ゴム
(EMN−EPT)およびNRのほかに、亜鉛華1号、
ステアリン酸、カーボンブラック[商品名 カーボンブ
ラックN339、旭カーボン(株)製]、パラフィン系
オイル[商品名 サンセン4240、日本サン石油
(株)製]、老化防止剤[商品名 ノクラック810−
NA、大内新興化学工業(株)製]を添加して、容量
1.7リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼
所製]で混練した。この混練は、充填率70%で行なっ
た。
(EMN−EPT)およびNRのほかに、亜鉛華1号、
ステアリン酸、カーボンブラック[商品名 カーボンブ
ラックN339、旭カーボン(株)製]、パラフィン系
オイル[商品名 サンセン4240、日本サン石油
(株)製]、老化防止剤[商品名 ノクラック810−
NA、大内新興化学工業(株)製]を添加して、容量
1.7リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼
所製]で混練した。この混練は、充填率70%で行なっ
た。
【0078】次いで、得られた混練物に、加硫促進剤
[商品名 ノクラックTS、大内新興化学工業(株)
製]、加硫促進剤[商品名 ノクラックNOBS、大内
新興化学工業(株)製]およびイオウを加えて8インチ
ロール(前ロール/後ロール:65℃/65℃)で混練
し配合ゴムを得た。
[商品名 ノクラックTS、大内新興化学工業(株)
製]、加硫促進剤[商品名 ノクラックNOBS、大内
新興化学工業(株)製]およびイオウを加えて8インチ
ロール(前ロール/後ロール:65℃/65℃)で混練
し配合ゴムを得た。
【0079】
【表2】
【0080】上記のようにして得られた配合ゴムをシー
ト出しして、160℃に加熱されたプレスによりt
90(分)+2分間加熱加圧して厚み2mmの加硫シート
を作製し、上記の動的粘弾性試験、引張り試験、硬さ試
験、伸長疲労試験および亀裂成長試験を行なった。
ト出しして、160℃に加熱されたプレスによりt
90(分)+2分間加熱加圧して厚み2mmの加硫シート
を作製し、上記の動的粘弾性試験、引張り試験、硬さ試
験、伸長疲労試験および亀裂成長試験を行なった。
【0081】結果を第3表に示す。
【0082】
【比較例1】実施例1において、EMN−EPT−1の
代わりにENB−EPTを用いた以外は、実施例1と同
様にして厚み2mmの加硫シートを作製し、上記の動的
粘弾性試験、引張り試験、硬さ試験、伸長疲労試験およ
び亀裂成長試験を行なった。
代わりにENB−EPTを用いた以外は、実施例1と同
様にして厚み2mmの加硫シートを作製し、上記の動的
粘弾性試験、引張り試験、硬さ試験、伸長疲労試験およ
び亀裂成長試験を行なった。
【0083】結果を第3表に示す。
【0084】
【表3】
【0085】実施例1〜4で用いたEMN−EPT−1
〜4は、天然ゴム(NR)と同等の加硫速度を有するた
め、天然ゴムとの共加硫性に優れており、その結果とし
て、0℃における損失正接(tanδ)が、ENB−E
PTを用いた比較例1に比べて低い値となっている。
〜4は、天然ゴム(NR)と同等の加硫速度を有するた
め、天然ゴムとの共加硫性に優れており、その結果とし
て、0℃における損失正接(tanδ)が、ENB−E
PTを用いた比較例1に比べて低い値となっている。
【0086】氷上の制動性は、tanδが高い程良好で
ある。比較例1は、0℃におけるtanδが実施例1〜
4よりの大きな値であるが、耐動的疲労性が劣ってい
る。また、実施例1〜4は、比較例1と比べ、老化試験
前後の0℃におけるtanδの変化率が小さく、氷結路
面での優れた制動性能を長期にわたって維持することが
できる。
ある。比較例1は、0℃におけるtanδが実施例1〜
4よりの大きな値であるが、耐動的疲労性が劣ってい
る。また、実施例1〜4は、比較例1と比べ、老化試験
前後の0℃におけるtanδの変化率が小さく、氷結路
面での優れた制動性能を長期にわたって維持することが
できる。
フロントページの続き
(72)発明者 筒 井 俊 之
山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号
三井石油化学工業株式会社内
(56)参考文献 特開 平8−311263(JP,A)
特開 平9−77922(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 1/00 - 101/16
C08K 3/00 - 13/08
B60C 1/00
Claims (2)
- 【請求項1】エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オ
レフィンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも
一種の分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重
合体ゴム(A)と、 ジエン系ゴム(B)と、 カーボンブラック(C)と、 加硫剤(D)とを含有してなり、 該ランダム共重合体ゴム(A)は、(i)エチレンと炭
素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレ
ン/α- オレフィン)が60/40〜90/10の範囲
にあり、(ii)ヨウ素価が20〜50の範囲にあり、
(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
が1.0〜6.0dl/gの範囲にあることを特徴とす
るタイヤトレッド用ゴム組成物; 【化1】 [式[I]中、nは1〜5の整数であり、 R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、 R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子または
炭素原子数1〜5のアルキル基である]。 - 【請求項2】前記ランダム共重合体ゴム(A)およびジ
エン系ゴム(B)の合計量100重量部に対して、ラン
ダム共重合体ゴム(A)の含有量が20〜80重量部で
あり、ジエン系ゴム(B)の含有量が20〜80重量部
であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッ
ド用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23311595A JP3467129B2 (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23311595A JP3467129B2 (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0977931A JPH0977931A (ja) | 1997-03-25 |
JP3467129B2 true JP3467129B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=16950009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23311595A Expired - Fee Related JP3467129B2 (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3467129B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000038473A (ja) * | 1998-07-23 | 2000-02-08 | Jsr Corp | ゴム組成物 |
KR100855243B1 (ko) * | 2004-04-28 | 2008-09-01 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 고무 조성물의 제조 방법, 고무 조성물 및 그 용도 |
US20080188621A1 (en) * | 2004-04-28 | 2008-08-07 | Mitsui Chemicals, Inc. | Rubber Composition and Use Thereof |
-
1995
- 1995-09-11 JP JP23311595A patent/JP3467129B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0977931A (ja) | 1997-03-25 |
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