JP3803341B2 - ワイパーブレードゴム - Google Patents
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Description
本発明は、シールゴム部品およびワイパーブレードゴムに関し、さらに詳しくは、特に低温柔軟性に優れたシールゴム部品およびワイパーブレードゴムに関する。
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(以下、EPDMと称する場合がある)は、耐熱老化性、耐候性、耐水性、耐薬品性、低温特性および柔軟性に優れているため、家庭用ジャーのパッキング、ガラスとサッシとの接合部におけるシール材、および自動車用の窓枠のシール材などのシールゴム部品用途に加えて、近年では、液圧ブレーキにおけるブレーキマスターシリンダー用カップ、ブレーキホイルシリンダー用カップ等、自動車の液圧シリンダーシール材として用いられることが知られている。
従来より、液圧シリンダー用シール材としては、主としてスチレン・ブタジエンゴムが使用されることが知られている。しかしながら、近年、自動車の高性能化に伴い、エンジンルーム内が高温化、スチレン・ブタジエンゴムでは熱的劣化を生じ、もはや好ましいシール材とは言えなくなっている。そこで、スチレン・ブタジエンゴムに代わって最近ではEPDMが主流となってきた。
特許文献1に開示されているシールゴム部品用組成物もその一例であり、特許文献1には、
(a)エチレン含量が58〜72モル%であり、
(b)最大引張応力(RS[kgf/cm2 ]と破断点伸び(ε[%])との積 が1×103 〜20×103であり、
(c)ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が20〜50であり、
(d)ヨウ素価が5〜35である
エチレン・α- オレフィン・ジエン共重合ゴムのパーオキサイド加硫物によって形成されたシールゴム部品用組成物が記載されている。
(a)エチレン含量が58〜72モル%であり、
(b)最大引張応力(RS[kgf/cm2 ]と破断点伸び(ε[%])との積 が1×103 〜20×103であり、
(c)ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が20〜50であり、
(d)ヨウ素価が5〜35である
エチレン・α- オレフィン・ジエン共重合ゴムのパーオキサイド加硫物によって形成されたシールゴム部品用組成物が記載されている。
しかしながら、特許文献1で開示されているシールゴム部品は、低温柔軟性が良好ではあるが、まだ満足できるほどの低温柔軟性を有しておらず、まだ改良の余地がある。
一方、EPDMは、その優れた耐候性を活かして自動車部品に使用されている。このような自動車部品用途のうち、ワイパーブレードゴムでは、広い温度範囲、特に低温下で良好な柔軟性を示すことが要求される。また、生産性を上げるため、ワイパーブレードゴム用組成物は、高速加硫性が要求される。
しかしながら、従来のEPDMで第3成分として使用していた5-エチリデン-2- ノルボルネン(以下、ENBと称する場合がある)は、その構造に起因して分子鎖の運動を妨げるので、低温での柔軟性に悪影響を与えるという問題がある。また、低温柔軟性を向上させるためにENB含量を低くすると加硫速度が遅くなり、生産性が低くなるという問題がある。
したがって、EPDMが本来的に有する優れた耐熱老化性、耐候性等を損なうことなく、低温柔軟性を著しく向上させたシールゴム部品、および低温柔軟性、ゴム弾性に優れたワイパーブレードゴムの出現が従来より望まれている。
特開平1−268743号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、EPDMが本来的に有する優れた耐熱老化性、耐候性等を損なうことなく、低温柔軟性を著しく向上させたシールゴム部品を提供することを目的としている。
また本発明は、低温柔軟性、ゴム弾性に優れたワイパーブレードゴムを提供することを目的としている。
本発明に係るワイパーブレードゴムは、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも一種の分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重合体ゴム(A)、
加硫剤(B)、および
充填剤(C)
を含有してなるゴム組成物で形成され、
該ランダム共重合体ゴム(A)は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が55/45〜75/25の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあり、
(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.5 dl/g <[η]<5.0 dl/g で表わされる範囲にある
ことを特徴としている。
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも一種の分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重合体ゴム(A)、
加硫剤(B)、および
充填剤(C)
を含有してなるゴム組成物で形成され、
該ランダム共重合体ゴム(A)は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が55/45〜75/25の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあり、
(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.5 dl/g <[η]<5.0 dl/g で表わされる範囲にある
ことを特徴としている。
[式[I]中、nは1〜5の整数であり、
R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
本発明で用いられるエチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと上述した分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンとα- オレフィンとのモル比、ヨウ素価および極限粘度[η]が特定の範囲にあるので、低温柔軟性に優れた加硫ゴムを提供することができ、しかも、加硫速度が速く高速成形が可能である。また、このランダム共重合体ゴム(A)は、耐候性、耐オゾン性および耐熱老化性等の特性に優れている。
本発明に係るシールゴム部品は、上記ランダム共重合体ゴム(A)と、加硫剤(B)と、充填剤(C)とを含有してなる組成物で形成されているので、耐熱老化性、耐候性などに優れるとともに、低温柔軟性に優れている。特に、加硫剤(B)として有機過酸化物を用いたシールゴム部品用組成物で形成されたシールゴム部品は、耐熱老化性、耐候性、耐
水性、耐薬品性等に優れるとともに低温柔軟性に優れている。
水性、耐薬品性等に優れるとともに低温柔軟性に優れている。
上記のような効果を有する、本発明に係るシールゴム部品は、具体的には、液圧ブレーキにおけるブレーキマスターシリンダー用カップ、ブレーキホイルシリンダー用カップ、ブレーキ液圧制御用シール材およびブレーキ用O−リング、クラッチにおけるクラッチシリンダー用カップなどの用途に広く利用することができる。
また、本発明に係るワイパーブレードゴムは、上記ランダム共重合体ゴム(A)と、加硫剤(B)と、充填剤(C)とを含有してなる組成物で形成されているので、低温柔軟性に優れている。
本発明に係る低温柔軟性に優れたワイパーブレードゴムにより0℃以下の寒冷環境下においてもワイパー効果が優れている。
以下、本発明に係るシールゴム部品およびワイパーブレードゴムについて具体的に説明する。
本発明に係るシールゴム部品およびワイパーブレードゴムは、特定のランダム共重合体ゴム(A)と加硫剤(B)と充填剤(C)とを含有してなる組成物で形成されている。
ランダム共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、分岐鎖状ポリエン化合物とからなる。
ランダム共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、分岐鎖状ポリエン化合物とからなる。
このような炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル- 1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、1-ヘ
キセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル- 1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、1-ヘ
キセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
これらのα- オレフィンは、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
また、分岐鎖状ポリエン化合物は、下記一般式[I]で表わされる。
式[I]中、nは1〜5の整数であり、R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
炭素原子数1〜5のアルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル
基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基などが挙げられる。
基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基などが挙げられる。
このような分岐鎖状ポリエン化合物(以下、分岐鎖状ポリエン化合物[I]ともいう)としては、具体的に下記(1)〜(24)に例示するような化合物が挙げられる。中でも、(5)、(6)、(9)、(11)、(14)、(19)、(20)の分岐鎖状ポリエン化合物が好ましく用いられる。
(1)4-エチリデン-1,6- オクタジエン
(2)7-メチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(3)7-メチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(4)7-エチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(5)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(6)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(7)4-エチリデン-1,6- デカジエン
(8)7-メチル-4- エチリデン-1,6- デカジエン
(9)7-メチル-6- プロピル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(10)4-エチリデン-1,7- ノナジエン
(11)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMN)
(12)4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(13)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(14)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン
(15)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン
(16)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(17)8-メチル-7- エチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(18)7,8-ジエチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン
(19)9-メチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン
(20)8,9-ジメチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン
(21)10- メチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン
(22)9,10- ジメチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン
(23)11- メチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン
(24)10,11-ジメチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン
これらは、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
(1)4-エチリデン-1,6- オクタジエン
(2)7-メチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(3)7-メチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(4)7-エチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(5)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(6)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(7)4-エチリデン-1,6- デカジエン
(8)7-メチル-4- エチリデン-1,6- デカジエン
(9)7-メチル-6- プロピル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(10)4-エチリデン-1,7- ノナジエン
(11)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMN)
(12)4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(13)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(14)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン
(15)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン
(16)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(17)8-メチル-7- エチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(18)7,8-ジエチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン
(19)9-メチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン
(20)8,9-ジメチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン
(21)10- メチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン
(22)9,10- ジメチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン
(23)11- メチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン
(24)10,11-ジメチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン
これらは、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
上記の分岐鎖状ポリエン化合物[I]は、トランス体およびシス体の混合物であってもよく、トランス体単独またはシス体単独であってもよい。
このような分岐鎖状ポリエン化合物は、本願出願人の出願に係る特願平6−154952号明細書に記載の方法によって調製することができる。
すなわち、下記[I−a]で示される共役ジエンを有する化合物とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させることにより製造することができる。
(式[I−a]中、n、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、R1 、R2 およびR3 と同じである。)
本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、上記のようなエチレン、α- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物それぞれの単量体から誘導される構成単位が、ランダムに配列して結合し、分岐鎖状ポリエン化合物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。
本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、上記のようなエチレン、α- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物それぞれの単量体から誘導される構成単位が、ランダムに配列して結合し、分岐鎖状ポリエン化合物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。
この共重合体ゴムが実質的に線状構造を有しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、この共重合体ゴムが有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことにより確認することができる。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体ゴムが135℃中のデカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
また、このようなランダム共重合体ゴム(A)において、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導される構成単位は、実質的に下記式[II]で示される構造を有している。
[式[II]中、n、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、R1 、R2 およびR3 と同じである。]
なお、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導される構成単位が上記構造を有していることは、この共重合体の13C−NMRスペクトルを測定することによって確認することができる。
なお、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導される構成単位が上記構造を有していることは、この共重合体の13C−NMRスペクトルを測定することによって確認することができる。
本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、以下のような組成および特性を有する。
(i)シールゴム部品用組成物を構成するランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が50/50〜75/25、好ましくは55/45〜73/27の範囲にある。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比が、上記のような範囲にあ
るランダム共重合体ゴム(A)を用いると、機械的強度に優れるとともに、低温柔軟性に優れたシールゴム部品を提供することができる組成物が得られる。
るランダム共重合体ゴム(A)を用いると、機械的強度に優れるとともに、低温柔軟性に優れたシールゴム部品を提供することができる組成物が得られる。
また、ワイパーブレードゴム用組成物を構成するランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が55/45〜75/25、好ましくは60/40〜73/27の範囲にある。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比が、上記のような範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を用いると、低温柔軟性に優れたワイパーブレードゴムを提供することができるとともに、有機過酸化物による架橋効率の優れた組成物が得られる。
(ii)シールゴム部品用組成物を構成するランダム共重合体ゴム(A)は、ヨウ素価が5〜40、好ましくは7〜35の範囲にある。ヨウ素価が上記のような範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を用いると、低温柔軟性に優れるとともに、圧縮永久歪および引張伸びの小さいシールゴム部品を提供することができる、加硫速度の速い組成物が得られる。
また、ワイパーブレードゴム用組成物を構成するランダム共重合体ゴム(A)は、ヨウ素価が5〜30、好ましくは7〜25の範囲にある。ヨウ素価が上記のような範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を用いると、低温柔軟性に優れたワイパーブレードゴムを提供することができる、加硫速度の速い組成物が得られる。
ポリエン成分が4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン(以下、EMNと略する場合ある)であるEPDM(以下、EMN−EPDMと略する場合がある)と、ポリエン成分が5-エチリデン-2- ノルボルネン(以下、ENBと略する場合がある)であるEPDM(以下、ENB−EPDMと略する場合がある)とを同じヨウ素価で比較すると、EMN−EPDMの方が、加硫速度が2倍以上速い。
なお、ENB−EPDMは、そのポリエン含量を高くしても、ポリエン含量が4モル%を超えると、加硫速度の改善効果がなくなる。一方、EMN−EPDMは、そのポリエン含量が7モル%になるまでポリエン含量に比例して加硫速度を速めることができる。
また、ENB−EPDMは、加硫速度を速めるためにそのヨウ素価を増加させると、それに比例して低温柔軟性が悪化する。一方、EMN−EPDMは、そのヨウ素価に関係なく優れた低温柔軟性を有する。
(iii) シールゴム部品用組成物を構成するランダム共重合体ゴム(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.2 dl/g <[η]<3.5 dl/g 、好ましくは1.2 dl/g <[η]<3.0 dl/g で表わされる範囲にある。極限粘度[η]が上記のような範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を用いると、機械的強度、低温柔軟性に優れたシールゴム部品を提供することができる、ロール加工性に優れた組成物が得られる。
また、ワイパーブレードゴム用組成物を構成するランダム共重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5 dl/g <[η]<5.0 dl/g 、好ましくは0.8 dl/g <[η]<4.0 dl/g で表わされる範囲にある。極限粘度[η]が上記のような範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を用いると、機械的強度、低温柔軟性に優れたワイパーブレードゴムを提供することができる組成物が得られる。
上記のようなランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、上記一般式[I]で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物とを、触媒の存在下に共重合させて得ることができる。
このような触媒としては、たとえばバナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)などの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒が使用できる。
本発明では、[a]可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用いられる。
本発明では、上記のような触媒[a](可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、分岐鎖状ポリエン化合物とを、通常液相で共重合させる。
この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレン等のα- オレフィンを溶媒として用いてもよい。
このような炭化水素溶媒としては、具体的には、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、および
クロロベンゼン等のハロゲン誘導体などが用いられる。
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、および
クロロベンゼン等のハロゲン誘導体などが用いられる。
これら溶媒は組み合わせて用いてもよい。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐鎖状ポリエン化合物との共重合は、バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で行なってもよい。共重合を連続法で実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で用いられる。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐鎖状ポリエン化合物との共重合は、バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で行なってもよい。共重合を連続法で実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で用いられる。
本発明において、上記触媒[a]、すなわち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる場合には、
重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
また、有機アルミニウム化合物は、重合系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20の量で供給される。
可溶性バナジウム化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒[a]は、通常、上述の炭化水素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物で希釈されて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は上述した濃度に希釈されることが望ましく、また有機アルミニウム化合物は重合系内におけ
る濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されることが望ましい。
る濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されることが望ましい。
また、本発明においてメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合には、
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
また、有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物の場合は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
また、有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
本発明において、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐鎖状ポリエン化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ましくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃で、圧力が50kg/cm2 以下、好ましくは20kg/cm2 以下の条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
また本発明において、メタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンと分岐鎖状ポリエン化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧力が80kg/cm2 以下、好ましくは50kg/cm2 以下の条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
また反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間である。
本発明では、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物は、上述した特定組成のランダム共重合体ゴムが得られるような量で重合系に供給される。さらに共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
上記のようにしてエチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび分岐鎖状ポリエン化合物を共重合させると、ランダム共重合体ゴムは通常これを含む重合液として得られる。この重合液は、常法により処理され、ランダム共重合体ゴムが得られる。
ランダム共重合体ゴム(A)[不飽和性エチレン系共重合体]の上記のような調製方法は、本願出願人の出願に係る特願平7−69986号明細書に詳細に記載されている。
加硫剤(B)
本発明で用いられる加硫剤(B)としては、イオウ、イオウ化合物、有機過酸化物が挙げられる。
加硫剤(B)
本発明で用いられる加硫剤(B)としては、イオウ、イオウ化合物、有機過酸化物が挙げられる。
イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなども使用することができる。
本発明においては、イオウないしイオウ化合物は、ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いられる。
また、加硫剤(B)としてイオウないしイオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、具体的には、
N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4- モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド- アンモニア系化合物;
2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
亜鉛華などの化合物を挙げることができる。
N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4- モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド- アンモニア系化合物;
2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
亜鉛華などの化合物を挙げることができる。
本発明においては、加硫促進剤は、ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられる。
有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加硫に使用される化合物であればよい。たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- モノ(t-ブチルパーオキシ)- ヘキサン、α,α'- ビス(t-ブチルパーオキ
シ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオキサイド、
ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種または2種以上組合わせて用いられる。
シ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオキサイド、
ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種または2種以上組合わせて用いられる。
本発明においては、有機過酸化物は、ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、3×10-4〜5×10-2モルの割合で使用されるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
加硫剤(B)として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
本発明では、加硫剤(B)として有機過酸化物を用いるのが好ましい。加硫剤(B)としてイオウないしイオウ化合物を用いるよりも、有機過酸化物を用いた方が、より低温柔軟性に優れたシールゴム部品、ワイパーブレードゴムが得られる。
充填剤(C)
本発明で用いられる充填剤(C)には、補強性のある充填剤と補強性のない充填剤とがある。
充填剤(C)
本発明で用いられる充填剤(C)には、補強性のある充填剤と補強性のない充填剤とがある。
補強性のある充填剤は、加硫ゴムの引張り強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このような充填剤としては、具体的には、シランカップリング剤などによる表面処理が施されていてもよいカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルクなどが挙げられる。本発明においては、通常ゴムに使用されるカーボンブラックならば、その種類は問わず、全て用いることができる。
また、補強性のない充填剤は、物性にあまり影響を与えることなく、ゴム製品の硬さを高めたり、コストを引き下げることを目的として使用される。このような充填剤としては、具体的には、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
本発明においては、充填剤(C)は、ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、20〜200重量部、好ましくは50〜150重量部の割合で用いられる。
その他の成分
本発明で用いられるシールゴム部品用組成物またはワイパーブレードゴム用組成物中に、上記のランダム共重合体ゴム(A)、加硫剤(B)および充填剤(C)に加えて、上述したように加硫促進剤、加硫助剤を配合することができるが、そのほかに酸化防止剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、可塑剤およびその他のゴム用配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
その他の成分
本発明で用いられるシールゴム部品用組成物またはワイパーブレードゴム用組成物中に、上記のランダム共重合体ゴム(A)、加硫剤(B)および充填剤(C)に加えて、上述したように加硫促進剤、加硫助剤を配合することができるが、そのほかに酸化防止剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、可塑剤およびその他のゴム用配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
酸化防止剤としては、具体的には、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジ-t- ブチル-4-メチルフェノール
、4,4'- チオ- ビス(6-t-ブチル-3- メチルフェノール)、2-メルカプトベンゾイミダゾール、ジブチル- ジチオカルバミン酸ニッケルなどが挙げられる。
、4,4'- チオ- ビス(6-t-ブチル-3- メチルフェノール)、2-メルカプトベンゾイミダゾール、ジブチル- ジチオカルバミン酸ニッケルなどが挙げられる。
加工助剤としては、通常ゴムに使用される加工助剤が用いられる。加工助剤の例としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、その他上記酸のエステル、高級脂肪酸およびその塩ならびにエステルなどが挙げられる。
組成物の調製
本発明で用いられるシールゴム部品用組成物およびワイパーブレードゴム用組成物は、たとえば次のような方法で調製することができる。
組成物の調製
本発明で用いられるシールゴム部品用組成物およびワイパーブレードゴム用組成物は、たとえば次のような方法で調製することができる。
すなわち、本発明で用いられるシールゴム部品用組成物およびワイパーブレードゴム用組成物は、バンバリーミキサーのようなミキサー類によりランダム共重合体ゴム(A)、充填剤(C)、可塑剤などの必要な添加剤を、80〜170℃の温度で約3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類を使用して、加硫剤(B)、必要に応じて酸化防止剤、加硫促進剤または加硫助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして得られるゴム組成物は、リボン状またはシート状のゴム配合物である。
また、本発明で用いられるシールゴム部品用組成物およびワイパーブレードゴム用組成物は、ランダム共重合体ゴム(A)、加硫剤(B)、充填剤(C)および上記の添加剤を約80〜100℃に加熱された押出機に直接供給し、滞留時間を約0.5〜5分間とって、造粒し、ペレット状に調製することもできる。
シールゴム部品
本発明に係るシールゴム部品は、上述したようなシールゴム部品用組成物で形成されており、ゴムは通常加硫されている。
シールゴム部品
本発明に係るシールゴム部品は、上述したようなシールゴム部品用組成物で形成されており、ゴムは通常加硫されている。
本発明に係るシールゴム部品は、従来公知のシールゴム部品の調製方法により調製することができる。
ワイパーブレードゴム
本発明に係るワイパーブレードゴムは、上述したワイパーブレードゴム用組成物で形成されており、通常は加硫されている。
ワイパーブレードゴム
本発明に係るワイパーブレードゴムは、上述したワイパーブレードゴム用組成物で形成されており、通常は加硫されている。
本発明に係るワイパーブレードゴムは、従来公知の調製方法により調製することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例におけるエチレン・α- オレフィン・ポリエン共重合体ゴムおよび加硫ゴムの評価試験方法は、以下のとおりである。
[1]未加硫ゴムの物性試験
未加硫ゴムの物性試験は、JIS K 6300に準拠して行ない、未加硫ゴムについて、日本合成ゴム(株)製のキュラストメーター(CURELAST METER)3型を用いて160℃でトルク変化を測定し、t90[分]を求め加硫速度とした。t90が短時間ほど加硫速度が速いことを示す。
未加硫ゴムの物性試験は、JIS K 6300に準拠して行ない、未加硫ゴムについて、日本合成ゴム(株)製のキュラストメーター(CURELAST METER)3型を用いて160℃でトルク変化を測定し、t90[分]を求め加硫速度とした。t90が短時間ほど加硫速度が速いことを示す。
[2]引張り試験
加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301(1989年)に記載されている3号形ダンベル試験片を作製し、該試験片を用いて同JIS K 6301第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破断点応力TB および引張破断点伸びEB を測定した。
加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301(1989年)に記載されている3号形ダンベル試験片を作製し、該試験片を用いて同JIS K 6301第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破断点応力TB および引張破断点伸びEB を測定した。
[3]硬さ試験
硬さ試験は、JIS K 6301(1989年)に準拠して、スプリング硬さHS(JI
S A 硬度)を測定した。
硬さ試験は、JIS K 6301(1989年)に準拠して、スプリング硬さHS(JI
S A 硬度)を測定した。
[4]圧縮永久歪試験
圧縮永久歪試験は、JIS K 6301(1989年)に準拠して行ない、シールゴム部品用組成物の加硫ゴムについては高温圧縮永久歪(CS)を求め、またワイパーブレードゴム用組成物の加硫ゴムについては低温圧縮永久歪(CS)を求めた。低温圧縮永久歪が小さいほど低温柔軟性は良好である。
圧縮永久歪試験は、JIS K 6301(1989年)に準拠して行ない、シールゴム部品用組成物の加硫ゴムについては高温圧縮永久歪(CS)を求め、またワイパーブレードゴム用組成物の加硫ゴムについては低温圧縮永久歪(CS)を求めた。低温圧縮永久歪が小さいほど低温柔軟性は良好である。
シールゴム部品用組成物の試験条件
加熱温度:150℃
時間:22時間
荷重:10.5kg
ワイパーブレードゴム用組成物の試験条件
冷却温度:−22℃
時間:22時間
荷重:10.5kg
[5]低温ねじり試験(ゲーマンねじり試験)
低温ねじり試験は、JIS K 6301に準じて行ない、T2 [℃]、凍結温度[℃]を求めた。これらの温度は、加硫ゴムの低温柔軟性の指標となる。T2が低いほど、低温柔
軟性は良好である。
加熱温度:150℃
時間:22時間
荷重:10.5kg
ワイパーブレードゴム用組成物の試験条件
冷却温度:−22℃
時間:22時間
荷重:10.5kg
[5]低温ねじり試験(ゲーマンねじり試験)
低温ねじり試験は、JIS K 6301に準じて行ない、T2 [℃]、凍結温度[℃]を求めた。これらの温度は、加硫ゴムの低温柔軟性の指標となる。T2が低いほど、低温柔
軟性は良好である。
(試験条件)
ねじりワイヤーのねじれ定数:0.5gf・cm/度
浸漬時間:10分
ねじり時間:5秒
また、実施例および比較例で用いたランダム共重合体ゴムは、第1表に示す通りである。
ねじりワイヤーのねじれ定数:0.5gf・cm/度
浸漬時間:10分
ねじり時間:5秒
また、実施例および比較例で用いたランダム共重合体ゴムは、第1表に示す通りである。
[シールゴム部品についての実施例および比較例]
共重合体(1)100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、MAFカーボンブラック[充填剤、東海カーボン(株)製、シースト116]50重量部とを、容量1.7リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で6分間混練した。
このようにして得られた混練物に、ジクミルパーオキサイド[日本油脂(株)製]3重量部およびイオウ[加硫助剤]0.1重量部を加えてロール幅20インチの8インチロール(前ロールおよび後ロールの温度40℃)で15分間混練した後、シート状に分出して、170℃で10分(圧縮永久歪測定用は170℃で20分)、150kg/cm2 の条件でプレス加硫して、厚み2mmの加硫シートを調製した。
得られた加硫シートについて上記物性試験等を上記方法に従って行なった。
また、上記加硫を行なう前の未加硫ゴム組成物について、上記方法に従って、t90を求めた。
結果を第2表に示す。
[実施例2,3,4]
実施例1において、共重合体(1)の代わりに第1表に示した共重合体(2)、(3)、(4)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
実施例1において、共重合体(1)の代わりに第1表に示した共重合体(2)、(3)、(4)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第2表に示す。
[比較例1,2]
実施例1において、共重合体(1)の代わりに第1表に示した共重合体(8)、(9)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
実施例1において、共重合体(1)の代わりに第1表に示した共重合体(8)、(9)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第2表に示す。
[ワイパーブレードゴムについての実施例および比較例]
[実施例5]
第1表に示した共重合体(5)100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、FEFカーボンブラック70重量部と、セバシン酸ジオクチル[可塑剤]30重量部とを、容量4.3リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で5分間混練した。
[実施例5]
第1表に示した共重合体(5)100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、FEFカーボンブラック70重量部と、セバシン酸ジオクチル[可塑剤]30重量部とを、容量4.3リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で5分間混練した。
このようにして得られた混練物に、ジクミルパーオキサイド(含量40%)7.0重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート1.5重量部を加えて8インチミキシングロール(前ロールおよび後ロールの温度50℃)で混練した後、シート状に分出して、170℃で12分プレス加硫して、厚み2mmの加硫シートを調製した。
得られた加硫シートについて上記物性試験等を上記方法に従って行なった。
また、上記加硫を行なう前の未加硫ゴム組成物について、上記方法に従って、t90を求めた。
結果を第3表に示す。
[実施例6,7]
実施例5において、共重合体(5)の代わりにそれぞれ第1表に示した共重合体(6)、(7)を用いた以外は、実施例5と同様に行なった。
実施例5において、共重合体(5)の代わりにそれぞれ第1表に示した共重合体(6)、(7)を用いた以外は、実施例5と同様に行なった。
結果を第3表に示す。
[比較例3,4]
実施例5において、共重合体(5)の代わりに第1表に示した共重合体(10)、(11)を用いた以外は、実施例5と同様に行なった。
実施例5において、共重合体(5)の代わりに第1表に示した共重合体(10)、(11)を用いた以外は、実施例5と同様に行なった。
結果を第3表に示す。
Claims (1)
- エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、下記一般式[I]で表わされる少なくとも一種の分岐鎖状ポリエン化合物とからなるランダム共重合体ゴム(A)、
加硫剤(B)、および
充填剤(C)
を含有してなるゴム組成物で形成され、
該ランダム共重合体ゴム(A)は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が55/45〜75/25の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあり、
(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.5 dl/g <[η]<5.0 dl/g で表わされる範囲にある
ことを特徴とするワイパーブレードゴム;
R1 は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である]。
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