JP2001151744A - 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体 - Google Patents

3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体

Info

Publication number
JP2001151744A
JP2001151744A JP33333199A JP33333199A JP2001151744A JP 2001151744 A JP2001151744 A JP 2001151744A JP 33333199 A JP33333199 A JP 33333199A JP 33333199 A JP33333199 A JP 33333199A JP 2001151744 A JP2001151744 A JP 2001151744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitro
butoxycarbonyl
acetyl
aminobenzoic acid
acid esters
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33333199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4384315B2 (ja
Inventor
Shuzo Satake
秀三 佐竹
Seiji Bando
誠二 坂東
Naoko Sato
直子 佐藤
Yukio Iida
幸生 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP33333199A priority Critical patent/JP4384315B2/ja
Publication of JP2001151744A publication Critical patent/JP2001151744A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4384315B2 publication Critical patent/JP4384315B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 下記式4で示される3−ニトロ−2−(N−
t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を
工業的に安価に、かつ容易に製造しうる製造方法および
該化合物を製造する際の中間体として有用な3−ニトロ
−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)
アミノ安息香酸エステル類を提供する。 【解決手段】 3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エステ
ル類をアセチル化して3−ニトロ−2−(N−アセチ
ル)アミノ安息香酸エステル類となし、引き続き前記3
−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ安息香酸エステ
ル類をt−ブトキシカルボニル化して3−ニトロ−2−
(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
安息香酸エステル類となし、さらに前記3−ニトロ−2
−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミ
ノ安息香酸エステル類を脱アセチル化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−ニトロ−2−(N
−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類
の製造方法およびその製造中間体に関する。さらに詳し
くは、医薬品等の製造原料として有用な3−ニトロ−2
−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エス
テル類の製造方法およびその製造中間体である3−ニト
ロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニ
ル)アミノ安息香酸エステル類に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、3−ニトロ−2−(N−t−ブト
キシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を製造する
方法としては、原料に3−ニトロフタル酸を用いる方法
が知られている(特開平11−43474号公報)。し
かしながら、この方法はクルチウス反応を用いているた
めに、取り扱いに注意を要するアジ化物を使用しなけれ
ばならない。また、副生成物として窒素が発生するため
反応をコントロールすることが難しい。したがって、反
応条件を穏和にするために容積効率が低くなる結果、経
済的でなく工業的に不利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、3−ニトロ
−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸
エステル類を工業的に安価に、かつ容易に製造しうる製
造方法および該化合物を製造する際の中間体として有用
な3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシ
カルボニル)アミノ安息香酸エステル類を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、一般式
(1);
【0005】
【化6】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0006】で表される3−ニトロ−2−アミノ安息香
酸エステル類をアセチル化して、一般式(2);
【0007】
【化7】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0008】で表される3−ニトロ−2−(N−アセチ
ル)アミノ安息香酸エステル類となし、引き続き前記3
−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ安息香酸エステ
ル類をt−ブトキシカルボニル化して、一般式(3);
【0009】
【化8】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0010】で表される3−ニトロ−2−(N−アセチ
ル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エス
テル類となし、さらに前記3−ニトロ−2−(N−アセ
チル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エ
ステル類を脱アセチル化することにより一般式(4);
【0011】
【化9】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0012】で表される3−ニトロ−2−(N−t−ブ
トキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を工業的
に安価に、かつ容易に製造しうることを見出した。
【0013】すなわち、本発明の製造方法は下記反応式
で表されるものである。
【0014】
【化10】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(4)で表される
3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミ
ノ安息香酸エステル類の製造方法は、一般式(1)で表
される3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エステル類を出
発原料とし、これから合成される新規化合物である一般
式(3)で表される3−ニトロ−2−(N−アセチル−
N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル
類を中間体として経由するものである。以下製造方法を
各工程毎に具体的に説明する。
【0016】(工程1)この工程では、一般式(1);
【0017】
【化11】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0018】で表される3−ニトロ−2−アミノ安息香
酸エステル類を溶媒中で酸触媒の存在下、アセチル化し
て一般式(2);
【0019】
【化12】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0020】で表される3−ニトロ−2−(N−アセチ
ル)アミノ安息香酸エステル類を合成する。
【0021】この工程で用いられるアセチル化剤として
は、特に限定されず、無水酢酸、酢酸クロライド等が挙
げられる。中でも、安価で市販品として入手が容易であ
る観点から無水酢酸が好適に用いられる。アセチル化剤
の使用量は、3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エステル
類1モルに対して0.5〜5倍モル、好ましくは、0.
9〜1.5倍モルである。アセチル化剤の使用量が、
0.5倍モル未満であると十分にアセチル化反応が進行
せず、5倍モルを越えても使用量に見合う効果がなく経
済的でない。
【0022】この工程で用いられる酸触媒としては、硫
酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュ
ウ酸等の有機酸等が挙げられる。中でも硫酸が好適に用
いられる。酸触媒の使用量は、3−ニトロ−2−アミノ
安息香酸エステル類1モルに対して0.01〜0.5倍
モル、好ましくは0.05〜0.2倍モルである。
【0023】さらに、この工程に用いられる溶媒として
は、特に限定されず、トルエン、モノクロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デカ
ン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒、
酢酸エチル等の酢酸エステル系溶媒等の有機溶媒が挙げ
られる。中でもトルエン、モノクロロベンゼン、酢酸エ
チルが好適に用いられる。これら溶媒の使用量は、3−
ニトロ−2−アミノ安息香酸エステル類に対して、通常
10〜20倍重量である。
【0024】反応時の温度は、通常0〜150℃、好ま
しくは20〜60℃である。また反応時間は反応温度に
より異なるが、通常3〜7時間である。
【0025】かくして得られた3−ニトロ−2−(N−
アセチル)アミノ安息香酸エステル類を含む反応溶液に
アルカリを添加して中和した後、分液して有機層を得
る。得られた有機層を濃縮することにより3−ニトロ−
2−(N−アセチル)アミノ安息香酸エステル類を単離
することが可能である。また、単離せずに反応液を以下
の工程でt−ブトキシカルボニル化することも可能であ
る。
【0026】なお、ここで原料として用いられる3−ニ
トロ−2−アミノ安息香酸エステル類は、市販品として
安価に入手可能な3−ニトロフタル酸を出発原料に用い
て、公知の方法、例えばJ.Chem.Soc.,12
7巻 1791(1925)に記載の方法により得るこ
とができる。具体的には、3−ニトロフタル酸から3−
ニトロフタル酸無水物を合成し、アンモニアを反応させ
ることにより3−ニトロ−2−カルボキシアミド安息香
酸を合成する。引き続き、得られた3−ニトロ−2−カ
ルボキシアミド安息香酸をホフマン反応により3−ニト
ロ−2−アミノ安息香酸エステル類を合成することがで
きる。
【0027】(工程2)工程1で得られた3−ニトロ−
2−(N−アセチル)アミノ安息香酸エステル類を溶媒
中でアミン触媒の存在下、t−ブトキシカルボニル化し
て一般式(3);
【0028】
【化13】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0029】で表される3−ニトロ−2−(N−アセチ
ル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エス
テル類を合成する。
【0030】この工程で用いられるt−ブトキシカルボ
ニル化剤としては、特に限定されず、ジ−t−ブトキシ
ジカルボネート、t−ブチルアジドホルメート、2−t
−ブトキシカルボニルオキシイミノ−2−フェニルアセ
トニトリル、S−t−ブトキシカルボニル−4,6−ジ
メチル−2−メルカプトピリミジン、[p−(t−ブト
キシカルボニルオキシ)フェニル]ジメチルスルホニウ
ム・メタンスルホン酸塩等が挙げられる。中でも、取り
扱いが容易で安定である観点からジ−t−ブトキシジカ
ルボネートが好適に用いられる。t−ブトキシカルボニ
ル化剤の使用量は、3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エ
ステル類1モルに対して0.5〜5倍モル、好ましくは
0.8〜1.2倍モルである。t−ブトキシカルボニル
化剤の使用量が、0.5倍モル未満であると十分にt−
ブトキシカルボニル化反応が進行せず、5倍モルを越え
ても使用量に見合う効果がなく経済でない。
【0031】この工程で用いられるアミン触媒として
は、一般的に4−ジメチルアミノピリジンが用いられ
る。アミン触媒の使用量は、3−ニトロ−2−アミノ安
息香酸エステル類1モルに対して0.01〜0.5倍モ
ル、好ましくは0.05〜0.2倍モルである。
【0032】この工程に用いる溶媒としては前記工程1
と同様に、特に限定されず、トルエン、モノクロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、デカン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル
系溶媒、酢酸エチル等の酢酸エステル系溶媒等の有機溶
媒が挙げられる。中でもトルエン、モノクロロベンゼ
ン、酢酸エチルが好適に用いられる。これら溶媒の使用
量は、3−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ安息香
酸エステル類に対して、通常10〜20倍重量である。
ここで、前記工程1と同様の溶媒を用いると、反応を連
続して行うことができるため、作業効率や収率等の点で
有利である。
【0033】反応時の温度は、通常−10〜130℃、
好ましくは0℃〜70℃である。また、反応時間は反応
温度により異なるが、通常3〜7時間である。
【0034】得られた3−ニトロ−2−(N−アセチル
−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステ
ル類を含む反応溶液に酸を添加して中和した後、分液し
て有機層を得る。得られた有機層を濃縮することにより
3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカ
ルボニル)アミノ安息香酸エステル類を単離することが
可能である。また、単離せずに反応液を以下の工程で脱
アセチル化することも可能である。
【0035】(工程3)工程2で得られた前記3−ニト
ロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニ
ル)アミノ安息香酸エステル類を溶媒中、脱アセチル化
することにより一般式(4);
【0036】
【化14】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0037】で表される3−ニトロ−2−(N−t−ブ
トキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を合成す
る。
【0038】この工程において用いられる脱アセチル化
剤としては、特に限定されず、N,N−ジメチルプロパ
ンジアミン、N,N−ジメチルエタンジアミン、N,N
−ジエチルプロパンジアミン、N,N−ジエチルエタン
ジアミン、N,N−メチルエチルプロパンジアミン、
N,N−メチルエチルエタンジアミン等が挙げられる。
中でも、安価で市販品として入手が容易である観点から
N,N−ジエチルプロパンジアミンが好適に用いられ
る。脱アセチル化剤の使用量は、3−ニトロ−2−アミ
ノ安息香酸エステル類1モルに対して0.5〜5倍モ
ル、好ましくは、0.7〜1.2倍モルである。脱アセ
チル化剤の使用量が、0.5倍モル未満であると十分に
脱アセチル化反応が進行せず、5倍モルを越えても使用
量に見合う効果がなく経済でない。
【0039】この工程に用いる溶媒としては前記工程1
および2と同様に、特に限定されず、トルエン、モノク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、デカン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル等のエ
ーテル系溶媒、酢酸エチル等の酢酸エステル系溶媒等の
有機溶媒が挙げられる。中でもトルエン、モノクロロベ
ンゼン、酢酸エチルが好適に用いられる。これら溶媒の
使用量は、3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−
ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類に対し
て、通常5〜15倍重量である。ここで、前記工程1お
よび2と同様の溶媒を用いると、反応を連続して行うこ
とができるため、作業効率や収率等の点で有利である。
【0040】反応時の温度は、通常0〜180℃、好ま
しくは20〜90℃である。また、反応時間は反応温度
により異なるが、通常6〜10時間である。
【0041】得られた3−ニトロ−2−(N−t−ブト
キシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を含む反応
溶液に副生したアミン化合物を除去するために、酸を添
加して中和した後、分液して有機層を得る。得られた有
機層を濃縮することにより3−ニトロ−2−(N−t−
ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を単離
することができる。また、単離した3−ニトロ−2−
(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステ
ル類の純度を高めるためにn−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、モノクロロベンゼン、酢酸エチル等の有機溶媒で再
結晶することもできる。
【0042】前記の工程を経て得られる3−ニトロ−2
−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エス
テル類は、各種の官能基と反応して、種々の化合物に変
換でき、多くの医薬、農薬等の有用な有機化合物を合成
するための原料として有用である。
【0043】また、本発明の製造方法において重要な製
造中間体である3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−
t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類は
一般式(3);
【0044】
【化15】 で表される。
【0045】式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基で
あり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へ
キシル基、イソへキシル基、n−へプチル基、イソへプ
チル基、n−オクチル基、イソオクチル基等を例示する
ことができる。
【0046】一般式(3)で表される3−ニトロ−2−
(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
安息香酸エステル類の具体例としては、3−ニトロ−2
−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミ
ノ安息香酸メチル、3−ニトロ−2−(N−アセチル−
N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エチル、
3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカ
ルボニル)アミノ安息香酸n−プロピル、3−ニトロ−
2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)ア
ミノ安息香酸n−ブチル、3−ニトロ−2−(N−アセ
チル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸イ
ソプロピル、3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t
−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸イソブチル等が
挙げられる。これらの中では、工業的生産性、工業的有
用性の観点から3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−
t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸メチル、3−
ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボ
ニル)アミノ安息香酸エチル、3−ニトロ−2−(N−
アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香
酸n−プロピルが好ましい。
【0047】本発明の3−ニトロ−2−(N−アセチル
−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステ
ル類は、医薬品等の製造原料として有用な3−ニトロ−
2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エ
ステル類の製造において重要な製造中間体である。
【0048】
【実施例】以下、実施例により更に詳しく本発明を説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0049】実施例1 攪拌機、温度計および冷却管を備えた5L容の四つ口フ
ラスコに3−ニトロ−2−アミノ安息香酸メチル19
6.2g(1.00モル)、トルエン3000g、硫酸
8.0g(0.08モル)を仕込み、反応温度30℃で
2時間を要して無水酢酸102.1g(1.00モル)
を滴下し、同温度でさらに3時間反応させた。反応液
を、10%炭酸ナトリウム水溶液500gで中和した
後、分液して3−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ
安息香酸メチルのトルエン溶液を得た。
【0050】得られたトルエン溶液に、4−ジメチルア
ミノピリジン12.2g(0.10モル)を添加した
後、反応温度10℃で3時間を要してジ−t−ブトキシ
ジカーボネート218.2g(1.00モル)を滴下
し、同温度でさらに2時間反応させた。反応液に、1N
塩酸300gを添加して分液し、得られたトルエン層を
濃縮して3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブ
トキシカルボニル)アミノ安息香酸メチルの淡黄色結晶
284.2g(0.84モル)を得た。得られた3−ニ
トロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニ
ル)アミノ安息香酸メチルの収率は、3−ニトロ−2−
アミノ安息香酸メチルに対して84%であった。
【0051】得られた3−ニトロ−2−(N−アセチル
−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸メチル
は、以下の物性を有することから、同定することができ
た。
【0052】融点:99℃1 H−NMR:δ=1.3(9H,s),δ=2.7(3H,s),δ=3.9(3H,
s),δ=7.6(1H,m),δ=8.2(2H,m) 元素分析値:C 53.25%,H 5.36%,N 8.28% (計算値 C 5
3.22%,H 5.39%,N 8.26%)
【0053】次に、攪拌機、温度計および冷却管を備え
た3L容の四つ口フラスコに得られた3−ニトロ−2
(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
安息香酸メチル284.2g(0.84モル)、トルエ
ン2000gを仕込み、反応温度30℃で、N,N−ジ
エチルプロパンジアミン117.4g(0.90モル)
を添加し、8時間反応した。
【0054】得られた反応液に、1N塩酸300gを添
加して分液し、得られたトルエン層を濃縮して得た粗結
晶に、n−ヘキサン1000gを加えて再結晶を行い3
−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
安息香酸メチルの結晶201.7g(0.68モル)を
得た。(融点103℃)
【0055】得られた3−ニトロ−2−(N−t−ブト
キシカルボニル)アミノ安息香酸メチルの収率は、3−
ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボ
ニル)アミノ安息香酸メチルに対して81%、3−ニト
ロ−2−アミノ安息香酸メチルに対して68%であっ
た。
【0056】実施例2 攪拌機、温度計および冷却管を備えた5L容の四つ口フ
ラスコに3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エチル21
0.2g(1.00モル)、トルエン3000g、硫酸
8.0g(0.08モル)を仕込み、反応温度30℃で
2時間を要して無水酢酸102.1g(1.00モル)
を滴下し、同温度でさらに3時間反応させた。反応液
を、10%炭酸ナトリウム水溶液500gで中和した
後、分液して3−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ
安息香酸エチルのトルエン溶液を得た。
【0057】得られたトルエン溶液に、4−ジメチルア
ミノピリジン12.2g(0.10モル)を添加した
後、反応温度10℃で3時間を要してジ−t−ブトキシ
ジカーボネート218.2g(1.00モル)を滴下
し、同温度でさらに2時間反応させた。反応液に、1N
塩酸300gを添加して分液し、得られたトルエン層を
濃縮して3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブ
トキシカルボニル)アミノ安息香酸エチルの淡黄色結晶
274.8g(0.78モル)を得た。
【0058】得られた3−ニトロ−2−(N−アセチル
−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エチル
の収率は、3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エチルに対
して78%であった。
【0059】得られた3−ニトロ−2−(N−アセチル
−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エチル
は、以下の物性を有することから、同定することができ
た。
【0060】1H−NMR:δ=1.4(3H,t),δ=1.5(9H,
s),δ=4.4(2H,q),δ=7.2(1H,t),δ=8.0-8.3(2H,m),δ=
9.7(1H,br s) 元素分析値:C 54.56%,H 5.70%,N 7.97% (計算値 C 5
4.54%,H 5.72%,N 7.95%)
【0061】次に、攪拌機、温度計および冷却管を備え
た3L容の四つ口フラスコに得られた3−ニトロ−2−
(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
安息香酸エチル250.0g(0.71モル)、トルエ
ン2000gを仕込み、反応温度30℃で、N,N−ジ
エチルプロパンジアミン117.4g(0.90モル)
を添加し、8時間反応した。
【0062】得られた反応液に、1N塩酸300gを添
加して分液し、得られたトルエン層を濃縮して得た粗結
晶に、n−ヘキサン1000gを加えて再結晶を行い3
−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
安息香酸エチルの結晶198.6g(0.64モル)を
得た。
【0063】得られた3−ニトロ−2−(N−t−ブト
キシカルボニル)アミノ安息香酸エチルの収率は、3−
ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカルボ
ニル)アミノ安息香酸エチルに対して90.1%であっ
た。
【0064】実施例3 攪拌機、温度計および冷却管を備えた5L容の四つ口フ
ラスコに3−ニトロ−2−アミノ安息香酸メチル19
6.2g(1.00モル)、トルエン3000g、硫酸
8.0g(0.08モル)を仕込み、反応温度30℃で
2時間を要して無水酢酸102.1g(1.00モル)
を滴下し、同温度でさらに3時間反応させた。反応液
を、10%炭酸ナトリウム水溶液500gで中和した
後、分液して3−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ
安息香酸メチルのトルエン溶液を得た。
【0065】得られたトルエン溶液に、4−ジメチルア
ミノピリジン12.2g(0.10モル)を添加した
後、反応温度10℃で3時間を要してジ−t−ブトキシ
ジカーボネート218.2g(1.00モル)を滴下
し、同温度でさらに2時間反応させた。反応液に、1N
塩酸300gを添加して分液し、3−ニトロ−2−(N
−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息
香酸メチルのトルエン溶液を得た。
【0066】得られたトルエン溶液に、N,N−ジエチ
ルプロパンジアミン117.4g(0.90モル)を添
加し、反応温度30℃で8時間反応させた。得られた反
応液に、1N塩酸300gを添加して分液し、得られた
トルエン層を濃縮して得た粗結晶に、n−ヘキサン10
00gを加えて再結晶を行い3−ニトロ−2−(N−t
−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸メチルの結晶2
16.5g(0.73モル)を得た。(融点103℃)
【0067】得られた3−ニトロ−2−(N−t−ブト
キシカルボニル)アミノ安息香酸メチルの収率は、3−
ニトロ−2−アミノ安息香酸メチルに対して73%であ
った。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、医薬品等の製造原料と
して有用な3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボ
ニル)アミノ安息香酸エステル類を工業的に安価に、か
つ容易に製造することができる。
【0069】また、3−ニトロ−2−(N−t−ブトキ
シカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造におい
て重要な製造中間体である3−ニトロ−2−(N−アセ
チル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エ
ステル類を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 幸生 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社精密化学品研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 AC53 AC56 BD70 RA38 RB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1); 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で
    表される3−ニトロ−2−アミノ安息香酸エステル類を
    アセチル化して、一般式(2); 【化2】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で
    表される3−ニトロ−2−(N−アセチル)アミノ安息
    香酸エステル類となし、引き続き前記3−ニトロ−2−
    (N−アセチル)アミノ安息香酸エステル類をt−ブト
    キシカルボニル化して、一般式(3); 【化3】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で
    表される3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブ
    トキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類となし、
    さらに前記3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−
    ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類を脱ア
    セチル化することを特徴とする、一般式(4); 【化4】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で
    表される3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニ
    ル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法。
  2. 【請求項2】無水酢酸を用いてアセチル化する請求項1
    記載の3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニ
    ル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法。
  3. 【請求項3】ジ−t−ブチルジカルボネートを用いてt
    −ブトキシカルボニル化する請求項1記載の3−ニトロ
    −2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸
    エステル類の製造方法。
  4. 【請求項4】N,N−ジメチルプロパンジアミンを用い
    て脱アセチル化する請求項1記載の3−ニトロ−2−
    (N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステ
    ル類の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(3); 【化5】 (式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で
    表される3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブ
    トキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類。
  6. 【請求項6】3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t
    −ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類が、
    3−ニトロ−2−(N−アセチル−N−t−ブトキシカ
    ルボニル)アミノ安息香酸メチル、3−ニトロ−2−
    (N−アセチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ
    安息香酸エチルまたは3−ニトロ−2−(N−アセチル
    −N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸n−プ
    ロピルである請求項5記載の3−ニトロ−2−(N−ア
    セチル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸
    エステル類。
JP33333199A 1999-11-24 1999-11-24 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体 Expired - Fee Related JP4384315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33333199A JP4384315B2 (ja) 1999-11-24 1999-11-24 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33333199A JP4384315B2 (ja) 1999-11-24 1999-11-24 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001151744A true JP2001151744A (ja) 2001-06-05
JP4384315B2 JP4384315B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=18264928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33333199A Expired - Fee Related JP4384315B2 (ja) 1999-11-24 1999-11-24 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4384315B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8242285B2 (en) 2006-04-17 2012-08-14 Sumitomo Chemical Company, Limited N-tert-butoxycarbonyl-2-pyrrolidinones and production method thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8242285B2 (en) 2006-04-17 2012-08-14 Sumitomo Chemical Company, Limited N-tert-butoxycarbonyl-2-pyrrolidinones and production method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP4384315B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3473632B1 (en) Novel diphenylmethane protective agent
EP3730497B1 (en) Novel alkyl diphenylmethane protection agent
KR101886643B1 (ko) 라코사마이드의 제조방법
JP2018203639A (ja) N−カルバメート保護カルボキシ無水物の製造方法
JP4384315B2 (ja) 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造方法およびその製造中間体
US11498917B2 (en) Process for the preparation of lifitegrast
JP4323032B2 (ja) 3−ニトロ−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ安息香酸エステル類の製造法およびその製造中間体
JPWO2019123994A1 (ja) 新規アルキルジフェニルメタン保護剤
JP4929717B2 (ja) N,n’−ジアルコキシ−n,n’−ジアルキルオキサミドの製法
JPH101463A (ja) N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ−n−ブチルアミドの製造方法
JPH06247895A (ja) ヒドロキシカルボン酸エステルの製造法
JP3486922B2 (ja) 酸アミドの製造法
KR101881918B1 (ko) 아실설폰아마이드 유도체의 새로운 제조방법
JP3261454B2 (ja) ケテンイミン化合物の製造方法
JPH10231280A (ja) 3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル誘導体の製造方法
JPH0812658A (ja) シドノン類の製造法
JP2002179662A (ja) N−モノアシルピペラジン類の製造方法
JP2003246781A (ja) オキサゾール化合物の製造方法
JP2000256337A (ja) チオモルホリン類の製造方法
JPH07316129A (ja) アルキルチオアセタミドの製造方法
JPH08301854A (ja) ピラゾロン類の製造法
JPH0959243A (ja) N−アルキルヒドロキサム酸の合成法
WO2012018095A1 (ja) ビシクロ[2.2.2]オクチルアミン誘導体またはその塩の製造方法
JPH06263718A (ja) 5−ヒドロキシ−2−オキソ吉草酸誘導体とその製造法
JPH06116250A (ja) N−(2−アルケノイル)−2−オキサゾリジノン誘導体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090925

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees