JPWO2019123994A1 - 新規アルキルジフェニルメタン保護剤 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、特許文献3では、官能基を保護した化合物を固体化又は不溶化させずに有機溶媒に溶解させることにより、反応後の分離、精製を容易ならしめるカルボキシ基の保護基として、ベンジル化合物の保護基が提供されている。
一方で、C末端または側鎖がカルボキシアミド基であるペプチドを合成する場合、ジフェニルメタン系化合物でカルボキシアミド保護する合成手法が汎用されている。しかしながら、ジフェニルメタン系化合物では可溶化能の高い保護基の開発は困難であった。
R11は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;
XはO又はCONR21(ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し;
Aは式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)
で表される基を示す)
で表されるアルキルジフェニルメタン化合物。
〔2〕Yが−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、又はイソシアネート基である〔1〕記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔3〕Zが炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である〔1〕又は〔2〕記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔4〕R1〜R5のうち少なくとも1個及びR6〜R10のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔5〕R11が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔6〕R11が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔7〕R15が単結合又はメチレン基であり、R16、R17及びR18がメチレン基である〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物からなるカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤。
医薬、農薬等様々な化学物質の製造工程において、原料や中間体の不溶化、固化が支障となっている場合、原料や中間体化合物に本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を結合させることで、これらの液状性、溶解性を向上させ、これらの問題点を解決することができる。
活性エステル型保護基としては、活性エステル型カルボニル基、活性エステル型スルホニル基が挙げられる。活性エステル型カルボニル基としては、カルボニルオキシコハク酸イミド、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、より好ましくはカルボニルオキシコハク酸イミド等が挙げられる。
活性エステル型スルホニル基としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられ、より好ましくはC1−C6アルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜4のアルケニル基、例えばエテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基等が挙げられる。このうち、イソプロペニル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。このうち、シクロブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、水素原子が好ましい。
XはO又はCONHがより好ましい。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、具体的には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよいフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。このうち、フェニル基がさらに好ましい。
また、式(2)において、R11が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり;XはO又はCONHであり;Aは、式(3)又は(13)で示される基であり;R12、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基であり;R15は単結合であり;R16、R17及びR18はメチレン基である化合物がより好ましい。
(d)TIPS6型−PP保護剤
また、シリルオキシ化アルキルハライド(14)とジフェニルメタン誘導体(21)とを反応させて、シリルオキシ化ジフェニルメタン類(20)を得、次いで二酸化炭素とシリルオキシ化ジフェニルメタン誘導体(20)を反応させて化合物(22)を得、次いでハロゲン化メチルと反応させてカルボキシ基を保護することにより、化合物(19)が得られる。次いで、Hal−Zと反応させて、エステル基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1i)が得られる。また、化合物(1i)はシリルオキシ化アルキルハライド(14)とアルキルジフェニルメチルエステル(18)を反応させることでも得られる。エステル(1i)を加水分解することにより、カルボン酸(1h)を得、これをクルチウス転位反応に付することにより、イソシアネート化合物(1g)及びアミノ基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1b)が得られる。一方、イソシアネート化合物(1g)をカルボキシ基を有する化合物と反応させて、化合物(17)が得られる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、ジアザビシクロノネン(DBN)、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、NaNH2、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基が挙げられる。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応は、例えば0℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応は、例えば40℃〜150℃で1時間〜24時間行えばよい。
有機金属試薬としては、Hal−Zから調製できるグリニャール試薬、若しくはリチウム試薬等が挙げられる。溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば−78℃〜100℃で1時間〜48時間行うのが好ましい。
塩基としてはDBU、DBN、TEA、DIPEA、DABCO等の有機塩基が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で0.5時間〜144時間行えばよい。
シュタウディンガー反応の溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
カルボキシアミド基や−OCONH2基を有する化合物としては、Fmoc−NH2、エチルカルバメート、イソプロピルカルバメート、AcNH2、HCONH2、Cbz−NH2、CF3CONH2、Fmoc−アミノ酸−NH2等が挙げられる。酸触媒としてはトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜150℃で0.5時間〜48時間行えばよい。
ハロゲン化剤としては、塩化チオニル、塩化アセチル、臭化アセチル、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素等が挙げられる。
塩基としては、ピリジン、TEA、DBU、DBN、DIPEA、DABCO等の有機塩基が挙げられる。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で0.5時間〜24時間行えばよい。
メルカプト基を有するアミノ酸としては、Cysteine、homocysteine、mercaptonorvaline、mercaptonorleucine等が挙げられる。メルカプト基を有するアミノ酸誘導体としては、これらのアミノ酸のN末端がN−メチル化された化合物、及びこれらのアミノ酸のN末端がベンジルオキシカルボニル(Cbz又はZ)基、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、アセチル(Ac)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2−ニトロベンゼンスルホニル(Ns)基、2,4−ジニトロベンゼンスルホニル(DNs)基、4−ニトロベンゼンスルホニル(Nos)基等で保護された化合物、及びアミノ酸C末端がアミド基、メチルエステル基、エチルエステル基、tert−ブチルエステル基、ベンジルエステル基、アリルエステル基等で保護された化合物、及びこれらの保護基でN末端とC末端の両方が保護された化合物等が挙げられる。
酸触媒としてはトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜150℃で0.5時間〜24時間行えばよい。
塩基としては、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で0.5時間〜24時間行えばよい。
塩基としては、LDA、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、ナトリウム、カリウム、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば−78℃〜80℃で1時間〜24時間行えばよい。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド等の有機塩基、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機塩基、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば−78℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
塩基としては、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、水またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
アジ化試薬としては、ジフェニルリン酸アジド、ビス(p−ニトロフェニル)アジドホスホナート等の有機アジ化試薬、アジ化ナトリウム等のアジ化物塩等が挙げられる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜120℃で1時間〜24時間行えばよい。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩基、NaOAc、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜120℃で1時間〜24時間行えばよい。
カルボン酸を有する化合物としては、Fmoc−アミノ酸−OH等のN−保護アミノ酸等が挙げられる。ルイス酸としては、過塩素酸マグネシウム等の無機塩が挙げられる。塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP等の有機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜120℃で1時間〜24時間行えばよい。
(1)本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を、可溶性溶媒中、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドのC末端カルボキシ基と縮合させて、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)でC末端が保護されたN−保護C保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドを得る。或いは、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を、可溶性溶媒中、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドのC末端カルボキシアミド基と反応させて、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)でC末端が保護されたN−保護C保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドを得る。
(2)得られたN−保護C保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドのN末端の保護基を除去して、C−保護アミノ酸又はC−保護ペプチドを得る。
(3)得られたC−保護アミノ酸又はC−保護ペプチドのN末端に、N保護アミノ酸又はN−保護ペプチドを縮合させて、N−保護C−保護ペプチドを得る。
(4)得られたN−保護C−保護ペプチドのN末端の保護基及びC末端の保護基を除去して、目的のペプチドを得る。
TIPS2−Dpm(Me)−NCOの合成
メチル 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 2.50g(9.20mmol)、Br−(CH2)11−OTIPS 11.2g(27.6mmol)をDMF 55.0mLに溶解し、炭酸カリウム 5.72g(41.4mmol)を添加し、90℃で3.5時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、ヘプタン 200mLと水 200mLを添加し、分液洗浄した。得られたヘプタン層をDMF 50mLで2回、水 100mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=120:0→45:1)で精製し、TIPS2−Dpm(Me)−COOMe 7.15gを得た。
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.2(6C),26.0(2C),26.2(2C),27.5,29.5(2C),29.6(4C),29.7(4C),29.8(2C),33.2(2C),52.5,55.3,63.6(2C),68.1(2C),114.0(4C),129.1(4C),136.6(2C),158.0(2C),176.3
ESIMS MNa+ 947.8
TIPS2−Dpm(Me)−COOMe 4.63g(5.00mmol)をテトラヒドロフラン 10.0mLに溶解し、イソプロパノール 80.0mLと5.0M水酸化ナトリウム水溶液 10.0mLを添加し、90℃で1時間撹拌した後、さらに4.5時間還流した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル 150mLに溶解し、1N塩酸水溶液 150mLで1回、1N塩酸水溶液 100mLで1回、水 100mLで2回分液洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=40:1→4:1)で精製し、TIPS2−Dpm(Me)−COOH 3.21g得た。
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.2(6C),25.9(2C),26.2(2C),27.2,29.4(2C),29.5(2C),29.6(2C),29.7(4C),29.8(2C),33.2(2C),55.1,63.7(2C),68.1(2C),114.0(4C),129.2(4C),136.0(2C),158.1(2C),180.8
ESIMS MNa+ 933.8
TIPS2−Dpm(Me)−COOH 6.38g(7.00mmol)をトルエン39.0mLに溶解し、トリエチルアミン 1.30mL(9.10mmol)、ジフェニルホスホリルアジド 2.00mL(9.10mmol)を添加し、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン180mLに溶解し、アセトニトリル100mLで1回、3%炭酸水素ナトリウム水溶液 100mLで2回、水 100mLで2回、アセトニトリル 50mLで2回分液洗浄した。得られた有機相を減圧下で濃縮し、TIPS2−Dpm(Me)−NCO 6.24gを得た。
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.2(6C),25.9(2C),26.2(2C),29.4(2C),29.5(2C),29.6(2C),29.7(4C),29.8(2C),32.5,33.2(2C),63.6(2C),65.5,68.1(2C),114.2(4C),124.2,127.1(4C),138.3(2C),158.4(2C)
TIPS2−Dpm(Me)−NH2の合成
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.2(12C),18.2(6C),26.0(2C),26.2(2C),29.5(2C),29.6(4C),29.7(4C),29.8(2C),32.4,33.2(2C),57.7,63.7(2C),68.1(2C),114.0(4C),127.3(4C),142.3(2C),157.6(2C)
TIPS2−Dpm(Me)−OHの合成
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.1(6C),25.9(2C),26.2(2C),29.4(2C),29.5(2C),29.6(4C),29.7(4C),31.2,33.1(2C),63.6(2C),68.0(2C),75.8,114.0(4C),127.1(4C),140.4(2C),158.1(2C)
ESIMS MNa+ 905.7
ペプチド誘導体に対する溶解性
本発明におけるアルキルジフェニルメタン保護剤で保護したペプチドの溶解度を測定した結果を以下に示す。
モデルとして使用したペプチド:H−Phe−Leu−Gly−NH2
H−Phe−Leu−Gly−NH2、H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))を合成し、25℃でCPME(シクロペンチルメチルエーテル)にそれぞれの化合物を飽和させ、その溶解度を測定した。
その結果、アルキルジフェニルメタン保護剤の結合していないH−Phe−Leu−Gly−NH2がCPMEに0.2mMしか溶解しないのに比べ、H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の溶解度は838mM以上と約4190倍以上溶解度が向上した。この結果から、アルキルジフェニルメタン保護剤で誘導体化することで、ペプチドの有機溶媒への溶解度が著しく向上することを確認した。なお、H−Phe−Leu−Gly−NH2とH−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の合成
TIPS2−Dpm(Me)−NH2 377mg(0.43mmol)をCPME 4.2mLに溶解し、DMF 1.8mL、DIPEA 364μL(2.14mmol)、Fmoc−Gly−OH 267mg(0.90mmol)、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセテート(Oxyma)121mg(0.85mmol)、[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノモルホリノ]カルベニウム ヘキサフルオロリン酸塩(COMU)366mg(0.85mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液にヘプタン 75mLを添加した。有機相を90%アセトニトリル水溶液 25mLで1回、アセトニトリル 20mLで2回分液洗浄した。有機相を減圧下濃縮し、Fmoc−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))455mgを得た。なお、Fmoc−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.2(12C),18.2(6C),26.0(2C),26.2(2C),27.8, 29.4(2C),29.6(4C),29.7(4C),29.8(2C),33.2(2C),45.3,47.2,62.0,63.7(2C),67.4,68.1(2C),114.3(4C),120.1(2C),125.2(2C),127.2(2C),127.6(4C),127.9(2C),137.9(2C),141.4(2C),143.9(2C),156.7,158.2(2C),167.5
ESIMS MNa+ 1183.8
なお、H−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
なお、Fmoc−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))、H−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
ESIMS MNa+ 1222.0
なお、Fmoc−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
H−Phe−Leu−Gly−NH2の合成
H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me)) 240mg(0.20mmol)をジクロロメタン 7.0mL、TFA 0.8mL(10.5mmol)、トリイソプロピルシラン 0.2mL(0.98mmol)の混合液に添加し、室温で45分間撹拌した。H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、反応液を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタン 10mL、イソプロピルエーテル 10mLの混合液に滴下し、析出物を濾取した。これをヘプタン 10mL、イソプロピルエーテル 10mLの混合液に懸濁、濾取した。これを乾燥し、H−Phe−Leu−Gly−NH2 91mgを得た。
Claims (8)
- 一般式(1)
R11は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;
XはO又はCONR21(ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し;
Aは式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)
で表される基を示す)
で表されるアルキルジフェニルメタン化合物。 - Yが−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、又はイソシアネート基である請求項1記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
- Zが炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である請求項1又は2記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
- R1〜R5のうち少なくとも1個及びR6〜R10のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
- R11が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
- R11が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
- R15が単結合又はメチレン基であり、R16、R17及びR18がメチレン基である請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物からなるカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤。
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