JPWO2019123994A1 - 新規アルキルジフェニルメタン保護剤 - Google Patents

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Abstract

官能基を保護した化合物を固体化又は不溶化させず、反応後の分離、精製を容易ならしめるアルキルジフェニルメタン保護剤を提供する。一般式(1)(式中、Yは−OR19(ここでR19は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、イソシアネート基、アジド基、又はハロゲン原子を示し、Zは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又はシクロアルキル基を示し、R1〜R10のうちの少なくとも1個は式(2)で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;R11は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;XはO又はCONR21(ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し;Aは式(3)等(ここで、R12、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R15は単結合又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基を示し、R16、R17及びR18はそれぞれ、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す)で表される基を示す)で表されるアルキルジフェニルメタン化合物。

Description

本発明は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基等の保護剤として有用なアルキルジフェニルメタン化合物に関する。
ペプチド合成や種々の化合物の合成において、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基やメルカプト基等の官能基を保護して反応させる必要が生じることがある。そのような保護基としては、簡便な方法により保護ができ、かつ穏和な条件で脱離できるものが望まれる。例えば、カルボキシ基の保護基としては、ベンジルエステル(Bn)、tert−ブチルエステル等が知られている。また、最近、ベンジルアルコール系化合物やジフェニルメタン系化合物が保護基として有用であることが報告されている(特許文献1〜3)。
国際公開第2012/029794 国際公開第2010/113939 国際公開第2017/038650
従来の保護基で官能基を保護した化合物は、析出しやすい欠点があった。特にペプチド合成においては有機溶媒にも不溶になってしまうため、反応または反応後の化合物の分離、精製が困難になることがしばしばであった。この分離、精製の困難性は、縮合反応が連続して行なわれるペプチド合成においては大きな問題であった。
そこで、特許文献3では、官能基を保護した化合物を固体化又は不溶化させずに有機溶媒に溶解させることにより、反応後の分離、精製を容易ならしめるカルボキシ基の保護基として、ベンジル化合物の保護基が提供されている。
一方で、C末端または側鎖がカルボキシアミド基であるペプチドを合成する場合、ジフェニルメタン系化合物でカルボキシアミド保護する合成手法が汎用されている。しかしながら、ジフェニルメタン系化合物では可溶化能の高い保護基の開発は困難であった。
従って、本発明の課題は、官能基を保護した化合物を固体化又は不溶化させずに有機溶媒に溶解させることにより、反応後の分離、精製を容易ならしめるジフェニルメタン保護剤を提供することにある。
本発明者は、ジフェニルメタン化合物のメチレン部分に脂肪族置換基を有するアルキルジフェニルメタン化合物について、フェニル基上の置換基を種々検討した。その結果、末端にシリル基を有するアルキルオキシ基で置換されたアルキルジフェニルメタン化合物を用いて官能基を保護した化合物が、有機溶媒中で析出しにくく液−液相分離の操作により分離精製が容易であり、当該化合物がカルボキシアミド型の保護基として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔8〕を提供するものである。
〔1〕一般式(1)
Figure 2019123994
(式中、Yは−OR19(ここでR19は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、イソシアネート基、アジド基、又はハロゲン原子を示し、Zは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又はシクロアルキル基を示し、R1〜R10のうちの少なくとも1個は式(2)
Figure 2019123994
で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;
11は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;
XはO又はCONR21(ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し;
Aは式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)
Figure 2019123994
(ここで、R12、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R15は単結合、又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基を示し、R16、R17及びR18はそれぞれ、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す)
で表される基を示す)
で表されるアルキルジフェニルメタン化合物。
〔2〕Yが−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、又はイソシアネート基である〔1〕記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔3〕Zが炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である〔1〕又は〔2〕記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔4〕R1〜R5のうち少なくとも1個及びR6〜R10のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔5〕R11が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔6〕R11が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔7〕R15が単結合又はメチレン基であり、R16、R17及びR18がメチレン基である〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物からなるカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤。
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を用いて官能基を保護した化合物は、液状になりやすく、また溶媒への溶解性が向上するため、反応後の分離、精製が容易である。
医薬、農薬等様々な化学物質の製造工程において、原料や中間体の不溶化、固化が支障となっている場合、原料や中間体化合物に本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を結合させることで、これらの液状性、溶解性を向上させ、これらの問題点を解決することができる。
一般式(1)で表される本発明のアルキルジフェニルメタン化合物は、R1〜R10の少なくとも1個が式(2)の構造を有する点に特徴がある。かかる構造を有することにより、このアルキルジフェニルメタン化合物(1)を用いて保護した化合物が液状になりやすく、また溶媒への溶解性が顕著に向上する。
一般式(1)中、Yは−OR19(ここでR19は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、イソシアネート基、アジド基、又はハロゲン原子を示す。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
活性エステル型保護基としては、活性エステル型カルボニル基、活性エステル型スルホニル基が挙げられる。活性エステル型カルボニル基としては、カルボニルオキシコハク酸イミド、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられ、より好ましくはカルボニルオキシコハク酸イミド等が挙げられる。
活性エステル型スルホニル基としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられ、より好ましくはC1−C6アルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
Yとしては、−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここでR20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、又はイソシアネート基が好ましい。
Zは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又はシクロアルキル基を示す。ここで炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
アルケニル基としては、炭素数2〜4のアルケニル基、例えばエテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基等が挙げられる。このうち、イソプロペニル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。このうち、シクロブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物は、R1〜R10のうち、少なくとも1個が式(2)で示される基を示すが、このうち1〜4個が式(2)で示される基であることが好ましい。さらに好ましくは2個が式(2)で示される基である。
残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。ここで、R1〜R10で示される残余のハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、このうち塩素原子が好ましい。残余の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基等が挙げられ、このうち、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。また、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、このうちメチル基、エチル基がより好ましい。
1〜R5のうち少なくとも1個及びR6〜R10のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基、であるのがより好ましい。R1〜R5のうち1〜3個及びR6〜R10のうち1〜3個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基がさらに好ましい。
11は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。当該アルキレン基のうち、炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基がより好ましく、炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基がさらに好ましい。当該アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ナノメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、テトラデカメチレン基等が挙げられる。
XはO又はCONR21を示す。
ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、水素原子が好ましい。
XはO又はCONHがより好ましい。
Aは、式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)で示される基を示す。R12、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。ここで炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、tert−ブチル、イソプロピル基がさらに好ましい。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、具体的には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよいフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。このうち、フェニル基がさらに好ましい。
15は、単結合又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基を示す。炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が挙げられる。R15としては、単結合が特に好ましい。
16、R17及びR18は、それぞれ炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が挙げられるが、メチレン基が特に好ましい。
15が単結合又はメチレン基であり、R16、R17及びR18がメチレン基であるのがさらに好ましい。
一般式(1)において、Yが−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここでR20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)であり;Zが炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり;R1〜R5のうち少なくとも1個、好ましくは1〜3個が式(2)で示される基であり、R6〜R10のうち少なくとも1個、好ましくは1〜3個が式(2)で示される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり;R11が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり;R15が単結合又はメチレン基であり;R16、R17及びR18がメチレン基である化合物がより好ましい。
また、式(2)において、R11が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり;XはO又はCONHであり;Aは、式(3)又は(13)で示される基であり;R12、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基であり;R15は単結合であり;R16、R17及びR18はメチレン基である化合物がより好ましい。
ここで、式(2)で示される基が結合した状態の好ましい具体例を以下に示す。
Figure 2019123994
(式中、R3b及びR8bは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y、Z、A、X及びR11は前記と同じ)
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)の具体例を挙げるならば、例えば次の(a)〜(e)が挙げられる。(a)〜(e)中、Yは−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここでR20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)を示し、Zは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。
(a)TIPS2型−PP保護剤
Figure 2019123994
(式中、Raは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y及びZは前記と同じ。)
(b)TIPS2型−OO保護剤
Figure 2019123994
(式中、Raは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y及びZは前記と同じ。)
(c)TIPS3型−OPP保護剤
Figure 2019123994
(式中、Raは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y及びZは前記と同じ。)
(c)TIPS4型−PP保護剤
Figure 2019123994
(式中、Raは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y及びZは前記と同じ。)
(d)TIPS6型−PP保護剤
Figure 2019123994
(式中、Raは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y及びZは前記と同じ。)
(e)TBDPS2型−PP保護剤
Figure 2019123994
(式中、Raは水素原子、炭素数1〜14のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Y及びZは前記と同じ。)
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
Figure 2019123994
(式中、Halはハロゲン原子を示し、R1a〜R10aのうち少なくとも1個はヒドロキシ基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Bはメルカプト基を有するアミノ酸、又はメルカプト基を有するアミノ酸誘導体を示し、Eは−CONH−基を有する化合物を示し、MはMgBr、MgCl、MgI、又はLiを示し、R1〜R10、R20、X、Z及びAは前記と同じ)
シリルオキシ化アルキルハライド(14)とジフェニルケトン類(15)とを反応させて、シリルオキシ化ジフェニルケトン類(16)を得、次いで有機金属試薬とシリルオキシ化ジフェニルケトン類(16)とを反応させ、化合物(1a)が得られる。次いでこの化合物(1a)をアジド化しアジド化合物(1e)を得、当該アジド基をシュタウディンガー反応に付すことによりアミノ基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1b)が得られる。また、ヒドロキシ基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1a)をカルボキシアミド基を有する化合物と反応させて、化合物(17)が得られる。また、ヒドロキシ基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1a)をハロゲン化することにより、ハロゲン原子を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1c)を得、次いでR20−NH2で表わされるアミンと反応させることにより、化合物(1f)が得られる。また、ヒドロキシ基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1a)をメルカプト基を有するアミノ酸又はメルカプト基を有するアミノ酸誘導体と反応させることにより、化合物(1d)が得られる。
また、シリルオキシ化アルキルハライド(14)とジフェニルメタン誘導体(21)とを反応させて、シリルオキシ化ジフェニルメタン類(20)を得、次いで二酸化炭素とシリルオキシ化ジフェニルメタン誘導体(20)を反応させて化合物(22)を得、次いでハロゲン化メチルと反応させてカルボキシ基を保護することにより、化合物(19)が得られる。次いで、Hal−Zと反応させて、エステル基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1i)が得られる。また、化合物(1i)はシリルオキシ化アルキルハライド(14)とアルキルジフェニルメチルエステル(18)を反応させることでも得られる。エステル(1i)を加水分解することにより、カルボン酸(1h)を得、これをクルチウス転位反応に付することにより、イソシアネート化合物(1g)及びアミノ基を有するアルキルジフェニルメタン化合物(1b)が得られる。一方、イソシアネート化合物(1g)をカルボキシ基を有する化合物と反応させて、化合物(17)が得られる。
原料であるシリルオキシ化アルキルハライド(14)は、例えばハロゲン化アルコールとシリル化剤とを塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。式(14)中のハロゲン原子としては、臭素原子等が挙げられる。
上記反応に用いられるシリル化剤としては、塩化トリイソプロピルシリル(TIPSCl)、臭化トリイソプロピルシリル、ヨウ化トリイソプロピルシリル、メタンスルホニルトリイソプロピルシリル、トリフルオロメタンスルホニルイソプロピルシリル、p−トルエンスルホニルトリイソプロピルシリル、tert−ブチルジフェニルクロロシラン(TBDPSCl)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)等が挙げられる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、ジアザビシクロノネン(DBN)、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、NaNH2、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基が挙げられる。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応は、例えば0℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
シリルオキシ化アルキルハライド(14)と化合物(15)、(18)または(21)との反応は、塩基の存在下に行うのが好ましい。
上記反応に用いられる塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基が挙げられる。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応は、例えば40℃〜150℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(16)から化合物(1a)を得るには、有機金属試薬M−Zと反応させる手段が挙げられる。
有機金属試薬としては、Hal−Zから調製できるグリニャール試薬、若しくはリチウム試薬等が挙げられる。溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば−78℃〜100℃で1時間〜48時間行うのが好ましい。
また、化合物(1a)中のヒドロキシ基をアジド化する方法としては、塩基存在下でジフェニルリン酸アジドやビス(p−ニトロフェニル)リン酸アジドと反応させる方法が好ましい。
塩基としてはDBU、DBN、TEA、DIPEA、DABCO等の有機塩基が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で0.5時間〜144時間行えばよい。
アジド化合物(1e)をアミン化合物(1b)に還元する方法としては、水存在下でトリフェニルホスフィンと反応させるシュタウディンガー反応、または接触還元が挙げられるが、シュタウディンガー反応が好ましい。
シュタウディンガー反応の溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(1a)とカルボキシアミド基を有する化合物との反応は、酸触媒下で行う方法が挙げられる。
カルボキシアミド基や−OCONH2基を有する化合物としては、Fmoc−NH2、エチルカルバメート、イソプロピルカルバメート、AcNH2、HCONH2、Cbz−NH2、CF3CONH2、Fmoc−アミノ酸−NH2等が挙げられる。酸触媒としてはトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜150℃で0.5時間〜48時間行えばよい。
化合物(1a)から化合物(1c)を得るには、例えばハロゲン化剤を塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
ハロゲン化剤としては、塩化チオニル、塩化アセチル、臭化アセチル、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素等が挙げられる。
塩基としては、ピリジン、TEA、DBU、DBN、DIPEA、DABCO等の有機塩基が挙げられる。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で0.5時間〜24時間行えばよい。
化合物(1a)とメルカプト基を有するアミノ酸誘導体の反応は、酸触媒下で、メルカプト基を有するアミノ酸又はメルカプト基を有するアミノ酸誘導体と反応させる方法が好ましい。
メルカプト基を有するアミノ酸としては、Cysteine、homocysteine、mercaptonorvaline、mercaptonorleucine等が挙げられる。メルカプト基を有するアミノ酸誘導体としては、これらのアミノ酸のN末端がN−メチル化された化合物、及びこれらのアミノ酸のN末端がベンジルオキシカルボニル(Cbz又はZ)基、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、アセチル(Ac)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2−ニトロベンゼンスルホニル(Ns)基、2,4−ジニトロベンゼンスルホニル(DNs)基、4−ニトロベンゼンスルホニル(Nos)基等で保護された化合物、及びアミノ酸C末端がアミド基、メチルエステル基、エチルエステル基、tert−ブチルエステル基、ベンジルエステル基、アリルエステル基等で保護された化合物、及びこれらの保護基でN末端とC末端の両方が保護された化合物等が挙げられる。
酸触媒としてはトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸等の酸が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜150℃で0.5時間〜24時間行えばよい。
化合物(1c)から化合物(1f)を得るには、例えば塩基の存在下、R20−NH2で表わされるアミンと反応させることにより製造することができる。
塩基としては、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で0.5時間〜24時間行えばよい。
化合物(20)から化合物(22)を得るには、例えば塩基の存在下、二酸化炭素と反応させることにより製造することができる。
塩基としては、LDA、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、ナトリウム、カリウム、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば−78℃〜80℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(22)から化合物(19)を得るには、例えば塩基の存在下、ハロゲン化メチルと反応させることにより製造することができる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド等の有機塩基、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば0℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(19)から化合物(1i)を得るには、例えば塩基の存在下、Hal−Zと反応させることにより製造することができる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機塩基、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば−78℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(1i)から化合物(1h)を得るには、例えば塩基の存在下、水と反応させることにより製造することができる。
塩基としては、LDA、NaOAc、MeONa、MeOK、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、水またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜100℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(1h)から化合物(1g)を得るには、例えば塩基の存在下、アジ化試薬を用いてクルチウス転位させることにより製造することができる。
アジ化試薬としては、ジフェニルリン酸アジド、ビス(p−ニトロフェニル)アジドホスホナート等の有機アジ化試薬、アジ化ナトリウム等のアジ化物塩等が挙げられる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、LDA、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)等の有機塩基、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜120℃で1時間〜24時間行えばよい。
化合物(1g)から化合物(1b)を得るには、例えば塩基の存在下、水と反応させることにより製造することができる。
塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩基、NaOAc、Na2CO3、NaHCO3、NaH、K2CO3、Cs2CO3等の無機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜120℃で1時間〜24時間行えばよい。
イソシアナート化合物(1g)から化合物(17)を得るには、例えば加熱条件下、またはルイス酸若しくは塩基の存在下、カルボン酸を有する化合物と(1g)を反応させることにより製造することができる。
カルボン酸を有する化合物としては、Fmoc−アミノ酸−OH等のN−保護アミノ酸等が挙げられる。ルイス酸としては、過塩素酸マグネシウム等の無機塩が挙げられる。塩基としては、TEA、DIPEA、DBU、DBN、DABCO、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、DMAP等の有機塩基等が挙げられる。溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、CPME、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応は、例えば20℃〜120℃で1時間〜24時間行えばよい。
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基等の官能基の保護剤として使用できる。本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)でカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基を保護された化合物は、液状性、溶媒に対する溶解性が高いという特徴を有する。従って、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を保護剤として用いて官能基を保護した化合物は、液状となり、液−液相分離等の操作により分離精製可能である。また、本発明化合物で使用された保護基は、酸や接触還元等により容易に脱離することができる。
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)で保護できる化合物としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基を有する化合物であればよく、例えばアミノ酸、ペプチド、糖化合物、タンパク質、核酸化合物、その他種々の医薬品化合物、農薬化合物、その他、種々のポリマー、デンドリマー化合物等が挙げられる。
本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を保護剤として用いるペプチドの合成法は、例えば次の工程(1)〜(4)を含む製法である。
(1)本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を、可溶性溶媒中、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドのC末端カルボキシ基と縮合させて、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)でC末端が保護されたN−保護C保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドを得る。或いは、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)を、可溶性溶媒中、N−保護アミノ酸又はN−保護ペプチドのC末端カルボキシアミド基と反応させて、本発明のアルキルジフェニルメタン化合物(1)でC末端が保護されたN−保護C保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドを得る。
(2)得られたN−保護C保護アミノ酸又はN−保護C−保護ペプチドのN末端の保護基を除去して、C−保護アミノ酸又はC−保護ペプチドを得る。
(3)得られたC−保護アミノ酸又はC−保護ペプチドのN末端に、N保護アミノ酸又はN−保護ペプチドを縮合させて、N−保護C−保護ペプチドを得る。
(4)得られたN−保護C−保護ペプチドのN末端の保護基及びC末端の保護基を除去して、目的のペプチドを得る。
次に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
実施例1
TIPS2−Dpm(Me)−NCOの合成
Figure 2019123994
(式中、Rは−(CH211−O−TIPSを示し、TIPSはトリイソプロピルシリルを示す。以下、Br−(CH211−OTIPS、TIPS2−Dpm(Me)−COOMe、TIPS2−Dpm(Me)−COOH、TIPS2−Dpm(Me)−NCOは式中の構造を示すこととする。)
参考例(1−a):TIPS2−Dpm(Me)−COOMe
メチル 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 2.50g(9.20mmol)、Br−(CH211−OTIPS 11.2g(27.6mmol)をDMF 55.0mLに溶解し、炭酸カリウム 5.72g(41.4mmol)を添加し、90℃で3.5時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、ヘプタン 200mLと水 200mLを添加し、分液洗浄した。得られたヘプタン層をDMF 50mLで2回、水 100mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=120:0→45:1)で精製し、TIPS2−Dpm(Me)−COOMe 7.15gを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ0.99−1.15(m,42H),1.22−1.38(m,24H),1.38−1.48(m,4H),1.48−1.58(m,4H),1.72−1.80(m,4H),1.87(s,3H),3.67(t,4H),3.71(s,3H),3.93(t,4H),6.81(dt,4H),7.11(dt,4H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.2(6C),26.0(2C),26.2(2C),27.5,29.5(2C),29.6(4C),29.7(4C),29.8(2C),33.2(2C),52.5,55.3,63.6(2C),68.1(2C),114.0(4C),129.1(4C),136.6(2C),158.0(2C),176.3
ESIMS MNa+ 947.8
参考例(1−b):TIPS2−Dpm(Me)−COOH
TIPS2−Dpm(Me)−COOMe 4.63g(5.00mmol)をテトラヒドロフラン 10.0mLに溶解し、イソプロパノール 80.0mLと5.0M水酸化ナトリウム水溶液 10.0mLを添加し、90℃で1時間撹拌した後、さらに4.5時間還流した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル 150mLに溶解し、1N塩酸水溶液 150mLで1回、1N塩酸水溶液 100mLで1回、水 100mLで2回分液洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=40:1→4:1)で精製し、TIPS2−Dpm(Me)−COOH 3.21g得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.00−1.14(m,42H),1.24−1.38(m,24H),1.38−1.48(m,4H),1.48−1.58(m,4H),1.70−1.80(m,4H),1.87(s,3H),3.67(t,4H),3.93(t,4H),6.82(dt,4H),7.17(dt,4H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.2(6C),25.9(2C),26.2(2C),27.2,29.4(2C),29.5(2C),29.6(2C),29.7(4C),29.8(2C),33.2(2C),55.1,63.7(2C),68.1(2C),114.0(4C),129.2(4C),136.0(2C),158.1(2C),180.8
ESIMS MNa+ 933.8
実施例(1−c):TIPS2−Dpm(Me)−NCO
TIPS2−Dpm(Me)−COOH 6.38g(7.00mmol)をトルエン39.0mLに溶解し、トリエチルアミン 1.30mL(9.10mmol)、ジフェニルホスホリルアジド 2.00mL(9.10mmol)を添加し、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン180mLに溶解し、アセトニトリル100mLで1回、3%炭酸水素ナトリウム水溶液 100mLで2回、水 100mLで2回、アセトニトリル 50mLで2回分液洗浄した。得られた有機相を減圧下で濃縮し、TIPS2−Dpm(Me)−NCO 6.24gを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.00−1.15(m,42H),1.24−1.38(m,24H),1.38−1.48(m,4H),1.48−1.58(m,4H),1.72−1.80(m,4H),2.03(s,3H),3.66(t,4H),3.93(t,4H),6.82(dt,4H),7.23(dt,4H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.2(6C),25.9(2C),26.2(2C),29.4(2C),29.5(2C),29.6(2C),29.7(4C),29.8(2C),32.5,33.2(2C),63.6(2C),65.5,68.1(2C),114.2(4C),124.2,127.1(4C),138.3(2C),158.4(2C)
実施例2
TIPS2−Dpm(Me)−NH2の合成
Figure 2019123994
(式中、Rは−(CH211−O−TIPSを示し、TIPSはトリイソプロピルシリルを示す。以下、TIPS2−Dpm(Me)−NCO、TIPS2−Dpm(Me)−NH2は式中の構造を示すこととする。)
TIPS2−Dpm(Me)−NCO 1.82g(2.00mmol)をテトラヒドロフラン 12mLに溶解し、10%水酸化リチウム水溶液 6.0mL、イソプロパノール 30mLを添加し、45℃で1時間攪拌した後、水 6.0mLを添加し、1時間還流した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン 120mLに溶解し、酢酸エチル 60mLを添加し、水 50mLで3回分液洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=19:1:0.4、酢酸エチル:トリエチルアミン=50:1)で精製し、TIPS2−Dpm(Me)−NH2 771mgを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.00−1.14(m,42H),1.25−1.38(m,24H),1.38−1.48(m,4H),1.48−1.58(m,4H),1.78−1.90(m,6H),1.80(s,3H),3.66(t,4H),3.92(t,4H),6.80(dt,4H),7.26(dt,4H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.2(12C),18.2(6C),26.0(2C),26.2(2C),29.5(2C),29.6(4C),29.7(4C),29.8(2C),32.4,33.2(2C),57.7,63.7(2C),68.1(2C),114.0(4C),127.3(4C),142.3(2C),157.6(2C)
実施例3
TIPS2−Dpm(Me)−OHの合成
Figure 2019123994
(式中、Rは−(CH211−O−TIPSを示し、TIPSはトリイソプロピルシリルを示す。以下、TIPS2−Dpm−C=O、TIPS2−Dpm(Me)−OHは式中の構造を示すこととする。)
TIPS2−Dpm−C=O 20.82g(24.0mmol)を無水テトラヒドロフラン 92.6mLに溶解し、反応容器内を窒素置換した後、0℃に冷却した。1.4Mメチルマグネシウムブロミド(テトラヒドロフラン:トルエン=1:3)溶液 27.4mL(38.4mmol)をゆっくり添加し、40℃で2.5時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、5%塩化アンモニウム水溶液 300mLを添加し、室温まで昇温した後、ヘプタン 700mLを添加し、分液洗浄した。得られた有機相を水 200mLで1回、アセトニトリル 150mLで1回分液洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=50:1→8:1)で精製し、TIPS2−Dpm(Me)−OH 16.90gを得た。
1H−NMR(400MHz,Benzene−d6)δ1.05−1.1.20(m,42H),1.20−1.40(m,24H),1.40−1.49(m,4H),1.56−1.69(m,9H),1.78(s,3H),3.63−3.74(m,8H)6.88(dt,4H),7.39(dt,4H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.1(12C),18.1(6C),25.9(2C),26.2(2C),29.4(2C),29.5(2C),29.6(4C),29.7(4C),31.2,33.1(2C),63.6(2C),68.0(2C),75.8,114.0(4C),127.1(4C),140.4(2C),158.1(2C)
ESIMS MNa+ 905.7
実施例4
ペプチド誘導体に対する溶解性
本発明におけるアルキルジフェニルメタン保護剤で保護したペプチドの溶解度を測定した結果を以下に示す。
モデルとして使用したペプチド:H−Phe−Leu−Gly−NH2
H−Phe−Leu−Gly−NH2、H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))を合成し、25℃でCPME(シクロペンチルメチルエーテル)にそれぞれの化合物を飽和させ、その溶解度を測定した。
その結果、アルキルジフェニルメタン保護剤の結合していないH−Phe−Leu−Gly−NH2がCPMEに0.2mMしか溶解しないのに比べ、H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の溶解度は838mM以上と約4190倍以上溶解度が向上した。この結果から、アルキルジフェニルメタン保護剤で誘導体化することで、ペプチドの有機溶媒への溶解度が著しく向上することを確認した。なお、H−Phe−Leu−Gly−NH2とH−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
Figure 2019123994
実施例(4−a)
H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の合成
TIPS2−Dpm(Me)−NH2 377mg(0.43mmol)をCPME 4.2mLに溶解し、DMF 1.8mL、DIPEA 364μL(2.14mmol)、Fmoc−Gly−OH 267mg(0.90mmol)、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセテート(Oxyma)121mg(0.85mmol)、[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノモルホリノ]カルベニウム ヘキサフルオロリン酸塩(COMU)366mg(0.85mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液にヘプタン 75mLを添加した。有機相を90%アセトニトリル水溶液 25mLで1回、アセトニトリル 20mLで2回分液洗浄した。有機相を減圧下濃縮し、Fmoc−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))455mgを得た。なお、Fmoc−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
Figure 2019123994
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.00−1.12(m,42H),1.24−1.38(m,24H),1.38−1.48(m,4H),1.49−1.57(m,4H),1.70−1.80(m,4H),2.15(s,3H),3.66(t,4H),3.84−3.94(m,6H),4.19(t,1H),4.38(d,2H),5.46(s,1H),6.44(s,1H),6.80(d,4H),7.12(d,4H),7.28(t,2H),7.39(t,2H),7.56(d,2H),7.75(d,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ12.2(12C),18.2(6C),26.0(2C),26.2(2C),27.8, 29.4(2C),29.6(4C),29.7(4C),29.8(2C),33.2(2C),45.3,47.2,62.0,63.7(2C),67.4,68.1(2C),114.3(4C),120.1(2C),125.2(2C),127.2(2C),127.6(4C),127.9(2C),137.9(2C),141.4(2C),143.9(2C),156.7,158.2(2C),167.5
ESIMS MNa+ 1183.8
Fmoc−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))15.00g(12.9mmol)をCPME 78.2mLに溶解し、DMF 29.3mL、DIPEA 7.9mL(45.2mmol)、DMSO 21.5mLに溶解した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 4.60g(25.8mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)6.8mL(45.2mmol)を添加し、室温で55分間撹拌した。Fmoc−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、反応溶液を氷冷し、4M CPME/HCl 11.9mL(47.4mmol)を滴下し、室温まで昇温し、CPME 7.5mL、20%食塩水 153mL、10%炭酸ナトリウム水溶液 131mLを加え、分液洗浄した。得られた有機相にDMSO 2.4mL、DMF 2.4mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 89mLを加え、分液洗浄し、H−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))を含む混合液を得た。
なお、H−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
Figure 2019123994
得られた混合液に対し、CPME 3.5mL、DMF 41.4mL、DIPEA 9.0mL(51.6mmol)、Fmoc−Leu−OH 5.93g(16.8mmol)、Oxyma 2.20g(15.5mmol)、COMU 6.64g(15.5mmol)を加え、室温で1時間25分撹拌した。H−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、2―(2−アミノエトキシ)エタノール 768μL(7.75mmol)を加え、15分撹拌した。反応溶液にDMSO 28.0mLに溶解した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 5.98g(33.6mmol)を添加し、DBU 11.3mL(75.5mmol)、DMF 15.0mLを加え、55分撹拌した。Fmoc−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、反応溶液を氷冷し、4M CPME/HCl 19.8mL(79.3mmol)を滴下し、室温まで昇温し、CPME 6.1mL、20%食塩水 283mL、10%炭酸ナトリウム水溶液 177mLを加え、分液洗浄した。得られた有機相にDMSO 3.4mL、DMF 3.4mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 128mLを加え、分液洗浄し、H−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))溶液を得た。
なお、Fmoc−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))、H−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
Figure 2019123994
上記溶液に、CPME 12.5mL、DMF 58.7mL、DIPEA 9.0mL(51.6mmol)、Fmoc−Phe−OH 7.50g(19.4mmol)、Oxyma 2.57g(18.1mmol)、COMU 7.74g(18.1mmol)を順次加え、室温で1時間10分撹拌した。H−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、2―(2−アミノエトキシ)エタノール 1.28mL(12.9mmol)を加え、15分撹拌した。これに3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 6.90g(38.7mmol)のDMSO 32.3mL溶液を添加し、さらにDBU 13.0mL(87.1mmol)を加え、40分撹拌した。Fmoc−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、反応溶液を氷冷し、4M CPME/HCl 22.9mL(91.5mmol)を滴下した。室温まで昇温し、CPME 6.8mL、20%食塩水 294mL、10%炭酸ナトリウム水溶液 252mLを加え、分液した。得られた有機相にDMSO 4.6mL、DMF 4.6mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 172mLを加え、有機相を分液した。これを減圧下で濃縮し、得られた残渣をヘプタン 650mLに溶解し、アセトニトリル 150mLで4回洗浄した。ヘプタン溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=2:1→酢酸エチル)で精製し、H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))を9.65g得た。
ESIMS MNa+ 1222.0
なお、Fmoc−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))は下記の構造を示す。
Figure 2019123994
実施例(4−b)
H−Phe−Leu−Gly−NH2の合成
H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me)) 240mg(0.20mmol)をジクロロメタン 7.0mL、TFA 0.8mL(10.5mmol)、トリイソプロピルシラン 0.2mL(0.98mmol)の混合液に添加し、室温で45分間撹拌した。H−Phe−Leu−Gly−NH−(TIPS2−Dpm(Me))の消失を確認後、反応液を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタン 10mL、イソプロピルエーテル 10mLの混合液に滴下し、析出物を濾取した。これをヘプタン 10mL、イソプロピルエーテル 10mLの混合液に懸濁、濾取した。これを乾燥し、H−Phe−Leu−Gly−NH2 91mgを得た。
ESIMS MH+ 335.2
以上の結果から、本発明のアルキルジフェニルメタン保護剤を用いて官能基を保護した化合物は有機溶媒に対する溶解度が顕著に向上することがわかった。

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 2019123994
    (式中、Yは−OR19(ここでR19は水素原子又は活性エステル型保護基を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、イソシアネート基、アジド基、又はハロゲン原子を示し、Zは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又はシクロアルキル基を示し、R1〜R10のうちの少なくとも1個は式(2)
    Figure 2019123994
    で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;
    11は炭素数1〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;
    XはO又はCONR21(ここでR21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)を示し;
    Aは式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)又は(13)
    Figure 2019123994
    (ここで、R12、R13及びR14は、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R15は単結合、又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基を示し、R16、R17及びR18はそれぞれ、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す)
    で表される基を示す)
    で表されるアルキルジフェニルメタン化合物。
  2. Yが−OR19(ここでR19は水素原子を示す)、−NHR20(ここで、R20は水素原子、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、又はイソシアネート基である請求項1記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
  3. Zが炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である請求項1又は2記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
  4. 1〜R5のうち少なくとも1個及びR6〜R10のうち少なくとも1個が式(2)で表される基であり、残余が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
  5. 11が炭素数2〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
  6. 11が炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
  7. 15が単結合又はメチレン基であり、R16、R17及びR18がメチレン基である請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルキルジフェニルメタン化合物からなるカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はメルカプト基の保護剤。
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