JP2000256337A - チオモルホリン類の製造方法 - Google Patents
チオモルホリン類の製造方法Info
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- JP2000256337A JP2000256337A JP11053634A JP5363499A JP2000256337A JP 2000256337 A JP2000256337 A JP 2000256337A JP 11053634 A JP11053634 A JP 11053634A JP 5363499 A JP5363499 A JP 5363499A JP 2000256337 A JP2000256337 A JP 2000256337A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 下記一般式(III)
【化9】
で表される2,2-イミノジエチルメタンスルホン酸エス
テル類を硫化ナトリウムと反応させて下記一般式(II) 【化10】 で表されるチオモルホリン類を製造し、更にこれを鉱酸
により加水分解してチオモルホリンを製造する。 【効果】安価な2,2−イミノジエタノールから得られる
上記化合物(III)を出発原料として工業的に簡易且つ安
全な操作により、高い収率でチオモルホリン類化合物を
得ることができる。
テル類を硫化ナトリウムと反応させて下記一般式(II) 【化10】 で表されるチオモルホリン類を製造し、更にこれを鉱酸
により加水分解してチオモルホリンを製造する。 【効果】安価な2,2−イミノジエタノールから得られる
上記化合物(III)を出発原料として工業的に簡易且つ安
全な操作により、高い収率でチオモルホリン類化合物を
得ることができる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、チオモルホリン
類を工業的に簡易且つ安全な操作により、高収率で製造
する方法に関するものである。
類を工業的に簡易且つ安全な操作により、高収率で製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チオモルホリン類は、医薬等の重要な合
成中間体として知られているが、従来の製造方法として
は、ジ(2−クロロエチル)アミンと硫化ソーダ・9水
和物の反応による方法が知られている(Synthesis,2,4,
183(1970):文献.1)。
成中間体として知られているが、従来の製造方法として
は、ジ(2−クロロエチル)アミンと硫化ソーダ・9水
和物の反応による方法が知られている(Synthesis,2,4,
183(1970):文献.1)。
【0003】また、2−メルカプトエタノールとエチレ
ンイミンとを反応させて(2−アミノエチル)−(2−
ヒドロキシエチル)サルフェンを得、これに塩化チオニ
ルを反応させて(2−クロロエチル)−(2−アミノエ
チル)サルフェン・塩酸塩を得、更にこれを水酸化ナト
リウムを使って関か反応させて得る方法が知られている
(Monatshefte Fur Chemin 110.p.783:文献.2)。
ンイミンとを反応させて(2−アミノエチル)−(2−
ヒドロキシエチル)サルフェンを得、これに塩化チオニ
ルを反応させて(2−クロロエチル)−(2−アミノエ
チル)サルフェン・塩酸塩を得、更にこれを水酸化ナト
リウムを使って関か反応させて得る方法が知られている
(Monatshefte Fur Chemin 110.p.783:文献.2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記文献.1
に記載された方法は、原料となるジ(2−クロロエチ
ル)アミンのアミン基がフリーなため、ポリマリゼーシ
ョンを起こして収率が安定しないという欠点がある。
に記載された方法は、原料となるジ(2−クロロエチ
ル)アミンのアミン基がフリーなため、ポリマリゼーシ
ョンを起こして収率が安定しないという欠点がある。
【0005】また、上記文献.2に記載された方法は、
出発原料として毒性の強いエチレンイミンを使用するた
め、数々の制約を受け、工業的に不向きである等の欠点
がある。
出発原料として毒性の強いエチレンイミンを使用するた
め、数々の制約を受け、工業的に不向きである等の欠点
がある。
【0006】この他に、大環状ポリアミン、ポリアミン
エーテルを原料としてチオモルホリン類を製造する方法
も知られているが、この出発原料となる大環状ポリアミ
ン、ポリアミンエーテルを得るには、相当するp−トリ
ルスルホニルポリアミドを97%濃硫酸中100℃という過
酷な条件下で70時間という長時間加熱反応を必要とする
等の難点がある(J.Am.Chem.Soc.,96.2268(197
4) Org.Synth.,58.86(1978))。
エーテルを原料としてチオモルホリン類を製造する方法
も知られているが、この出発原料となる大環状ポリアミ
ン、ポリアミンエーテルを得るには、相当するp−トリ
ルスルホニルポリアミドを97%濃硫酸中100℃という過
酷な条件下で70時間という長時間加熱反応を必要とする
等の難点がある(J.Am.Chem.Soc.,96.2268(197
4) Org.Synth.,58.86(1978))。
【0007】そこで、この発明は工業的に簡易且つ安全
な操作により、高収率でチオモルホリン類を製造する方
法を提供することを目的とする。
な操作により、高収率でチオモルホリン類を製造する方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記実情に
鑑み、鋭意研究を試みた結果、下記一般式(III)
鑑み、鋭意研究を試みた結果、下記一般式(III)
【化5】 で表される2,2-イミノジエチルメタンスルホン酸エス
テル類を硫化ナトリウムと反応させて下記一般式(II)
テル類を硫化ナトリウムと反応させて下記一般式(II)
【化6】 で表されるチオモルホリン類が得られることを見出した
ものである。
ものである。
【0009】ここで、一般式(III)で表される2,2-イ
ミノジエチルメタンスルホン酸エステルは、アミノ基を
保護する効果を併せ持った下記一般式(IV)で表される
メタンスルホニルハライドと、
ミノジエチルメタンスルホン酸エステルは、アミノ基を
保護する効果を併せ持った下記一般式(IV)で表される
メタンスルホニルハライドと、
【0010】下記一般式(V)で表される2,2-イミノジ
エタノールを塩基の存在下で反応させることにより得る
ことができる。
エタノールを塩基の存在下で反応させることにより得る
ことができる。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】上記反応は、2,2-イミノジエタノールに
対して3.0倍モル以上のメタンスルホニルハライドを使
用して行われる。
対して3.0倍モル以上のメタンスルホニルハライドを使
用して行われる。
【0014】また、-20℃から110℃の温度範囲で反応は
進行するが、副反応防止等の面からは0℃から20℃の温
度範囲が好ましい。
進行するが、副反応防止等の面からは0℃から20℃の温
度範囲が好ましい。
【0015】反応溶媒は、使用しなくてもかまわない
が、溶媒を用いる場合には反応に関与しないもの、例え
ばジクロロメタン、トルエン等を用いることができる。
更に、塩基としては、例えばピリジン、3級アルキルア
ミン等を用いることができる。
が、溶媒を用いる場合には反応に関与しないもの、例え
ばジクロロメタン、トルエン等を用いることができる。
更に、塩基としては、例えばピリジン、3級アルキルア
ミン等を用いることができる。
【0016】一方、上記化合物(III)と硫化ナトリウ
ムとの反応において、硫化ナトリウムとしては硫化ナト
リウム・9水和物を使用することができる。
ムとの反応において、硫化ナトリウムとしては硫化ナト
リウム・9水和物を使用することができる。
【0017】硫化ナトリウム・9水和物の使用量は、化
合物(III)に対して1.0倍モル以上の硫化ナトリウム・
9水和物が使用される。
合物(III)に対して1.0倍モル以上の硫化ナトリウム・
9水和物が使用される。
【0018】また、上記反応は20℃から100℃の温度範
囲で進行するが、副反応防止等の面からは50℃から80℃
の温度範囲が好ましい。
囲で進行するが、副反応防止等の面からは50℃から80℃
の温度範囲が好ましい。
【0019】更に、上記反応において反応溶媒は、反応
に関与しないもの、例えば水、アセトン、MIBKのような
ケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類を
用いることができる。
に関与しないもの、例えば水、アセトン、MIBKのような
ケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類を
用いることができる。
【0020】一方、上記化合物(II)を鉱酸で加水分解
させることにより下記一般式(I)で表されるチオモル
ホリンを得ることができる。
させることにより下記一般式(I)で表されるチオモル
ホリンを得ることができる。
【0021】上記加水分解反応は不活性ガス気流下で行
われ、鉱酸としては70%硫酸、臭化水素酸等を用いるこ
とができる。
われ、鉱酸としては70%硫酸、臭化水素酸等を用いるこ
とができる。
【0022】また、上記加水分解反応において化合物
(II)に対して溶媒を兼ねた1.0倍リットル以上の鉱酸が
使用される。
(II)に対して溶媒を兼ねた1.0倍リットル以上の鉱酸が
使用される。
【0023】更に、上記加水分解反応は20℃から100℃
の温度範囲で進行するが、副反応防止等の面からは50℃
から80℃の温度範囲が好ましい。
の温度範囲で進行するが、副反応防止等の面からは50℃
から80℃の温度範囲が好ましい。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例を示す。 (1)2,2-ビスメタンスルホニルエチルーメタンスル
ホニルアミドの製造 5リットルフラスコ中に2,2-イミノジエタノール210g
(2.0モル)とトリエチルアミン671g(3.3モル)と溶剤
としてジクロロメタン1800mlを入れ、これを氷冷し、10
℃から15℃でメタンスルホニルクロライド10g(3.1モ
ル)を滴下し、滴下終了後、室温で16時間反応させた
後、結晶をろ別し、更に氷をかけてトリエチルアミン塩
酸塩を除き、2,2-ビスメタンスルホニルエチルーメタ
ンスルホニルアミド604g(収率89%)を得た。同定は
下記のH−NMR値で行った。
ホニルアミドの製造 5リットルフラスコ中に2,2-イミノジエタノール210g
(2.0モル)とトリエチルアミン671g(3.3モル)と溶剤
としてジクロロメタン1800mlを入れ、これを氷冷し、10
℃から15℃でメタンスルホニルクロライド10g(3.1モ
ル)を滴下し、滴下終了後、室温で16時間反応させた
後、結晶をろ別し、更に氷をかけてトリエチルアミン塩
酸塩を除き、2,2-ビスメタンスルホニルエチルーメタ
ンスルホニルアミド604g(収率89%)を得た。同定は
下記のH−NMR値で行った。
【0025】H-NMR:2.986(3H,s)、3.080(6
H,s)、3.663(4H,t)、4.424(4H,t)
H,s)、3.663(4H,t)、4.424(4H,t)
【0026】実施例1 3リットルフラスコ中に2,2−ビスメタンスルホニル
エチルーメタンスルホニルアミド604g(1.78モル)と
硫化ソーダ・9水和物427g(1.78モル)と溶剤としてア
セトン1500mlを入れ、これを56℃で4時間反応させた
後、反応液を濃縮して水1リットルを加える。このスラ
リー液から結晶をろ別し、更に水をかけ洗いした結晶を
乾燥した結果、チオモルホリンメタンスルホニルアミド
308g(収率96%)を得た。同定は下記のH−NMR値
及びC−NMR値で行った。
エチルーメタンスルホニルアミド604g(1.78モル)と
硫化ソーダ・9水和物427g(1.78モル)と溶剤としてア
セトン1500mlを入れ、これを56℃で4時間反応させた
後、反応液を濃縮して水1リットルを加える。このスラ
リー液から結晶をろ別し、更に水をかけ洗いした結晶を
乾燥した結果、チオモルホリンメタンスルホニルアミド
308g(収率96%)を得た。同定は下記のH−NMR値
及びC−NMR値で行った。
【0027】H−NMR:2.736(4H,t)、2.77
(3H,s)、3.52(4H,t) C−NMR:27.447、35.791、47.519、76.526、76.84
1、77.156
(3H,s)、3.52(4H,t) C−NMR:27.447、35.791、47.519、76.526、76.84
1、77.156
【0028】実施例2 1リットルフラスコ中にチオモルホリンメタンスルホニ
ルアミド308g(1.70モル)と95%硫酸500gを入れ、こ
れを80℃で4時間反応させた後、反応液を水酸化ナトリ
ウム溶液で塩基性にしたものからジクロロメタンで抽出
し、濃縮、蒸留してチオモルホリン60℃、11mmHgの留出
分を120g(収率69%)を得た。同定は下記のH−NMR値、
C−NMR値及びmassで行った。
ルアミド308g(1.70モル)と95%硫酸500gを入れ、こ
れを80℃で4時間反応させた後、反応液を水酸化ナトリ
ウム溶液で塩基性にしたものからジクロロメタンで抽出
し、濃縮、蒸留してチオモルホリン60℃、11mmHgの留出
分を120g(収率69%)を得た。同定は下記のH−NMR値、
C−NMR値及びmassで行った。
【0029】H−NMR:1.605(1H,s)、2.592(4
H,t)、3.115(4H,t) C−NMR:28.095、47.604 mass:El(m/z)103(m+)
H,t)、3.115(4H,t) C−NMR:28.095、47.604 mass:El(m/z)103(m+)
【0030】
【発明の効果】以上要するに、この発明によれば安価な
2,2−イミノジエタノールから得られる上記化合物(II
I)を出発原料として工業的に簡易且つ安全な操作によ
り、高い収率でチオモルホリン類化合物を得ることがで
きる。
2,2−イミノジエタノールから得られる上記化合物(II
I)を出発原料として工業的に簡易且つ安全な操作によ
り、高い収率でチオモルホリン類化合物を得ることがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(III) 【化1】 で表される2,2-イミノジエチルメタンスルホン酸エス
テル類を硫化ナトリウムと反応させて下記一般式(II) 【化2】 で表されるチオモルホリン類を製造する方法。 - 【請求項2】 下記一般式(II) 【化3】 で表されるチオモルホリン類を鉱酸により加水分解する
ことを特徴とする下記一般式(I)で表されるチオモルホ
リンの製造方法。 【化4】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11053634A JP2000256337A (ja) | 1999-03-02 | 1999-03-02 | チオモルホリン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11053634A JP2000256337A (ja) | 1999-03-02 | 1999-03-02 | チオモルホリン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256337A true JP2000256337A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=12948347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11053634A Pending JP2000256337A (ja) | 1999-03-02 | 1999-03-02 | チオモルホリン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000256337A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105906582A (zh) * | 2016-04-28 | 2016-08-31 | 福建万科药业有限公司 | 一种硫代吗啉的制备方法 |
-
1999
- 1999-03-02 JP JP11053634A patent/JP2000256337A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105906582A (zh) * | 2016-04-28 | 2016-08-31 | 福建万科药业有限公司 | 一种硫代吗啉的制备方法 |
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