JP2001150991A - 自動車用乳幼児保護座席 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の自動車用乳幼児保護座席においては、
子供の成長に合わせて適性な姿勢をとることができなか
った。また、チャイルドシート本体を後方を向くように
車両の座席に固定した場合、衝突時の衝撃による反動
（リバウンド）により上記チャイルドシート本体がひっ
くり返ってしまうという欠点があった。 【解決手段】 本発明の自動車用乳幼児保護座席におい
ては、チャイルドシート本体に固定される台座を上側台
座と、前部の高さが後部の高さより低く傾斜せしめた下
部台座との２部分に分割せしめ、上記上部台座の前部と
上記下部台座の前部及び上記上部台座の後部と上記下部
台座の後部を夫々一致せしめて上記上部台座と上記下部
台座とを固定せしめた場合の上記チャイルドシート本体
の傾斜が、上記上部台座の後部と上記下部台座の前部及
び上記上部台座の前部と上記下部台座の後部を夫々一致
せしめて上記上部台座と上記下部台座とを固定せしめた
場合の上記チャイルドシート本体の傾斜と異なるように
する。また、上記チャイルドシート本体の前部には反動
阻止杆を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車用乳幼児保護
座席、特に乳幼児保護座席を車両の座席に固定する際、
子供の成長過程において最適な姿勢をとることができる
自動車用乳幼児保護座席に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１７及び図１８は従来の自動車用乳幼
児保護座席を示し、１はチャイルドシート本体、２は車
両の座席３に固定される、上記チャイルドシート本体１
の台座、４は上記台座２の上面に形成した弧状溝、５は
この弧状溝４によって摺動自在に支持した、上記チャイ
ルドシート本体１の背面に連結した弧状のレールであ
る。

【０００３】上記従来の自動車用乳幼児保護座席におい
ては、一人座りができる程度成長した子供をチャイルド
シート本体に乗せる場合には、図１７に示すように上記
チャイルドシート本体１が前方を向くように上記チャイ
ルドシート本体１を車両の座席３に固定し、上記チャイ
ルドシート本体１の背面傾斜角度が大きくなるように、
上記チャイルドシート本体１のレール５を上記台座２に
対して相対的に摺動せしめる。

【０００４】また、首がすわる前の新生児をチャイルド
シート本体に乗せる場合には、図１８に示すように上記
チャイルドシート本体１及び台座２を上記座席３に対し
て１８０度回転して、上記チャイルドシート本体１が後
方を向くように上記チャイルドシート本体１を車両の座
席３に固定し、上記チャイルドシート本体１の背面角度
が小さくなるように、上記チャイルドシート本体１のレ
ール５を上記台座２に対して相対的に摺動せしめる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、一般に車
両の座席３のシート面は後ろ側が低くなるように傾斜し
ているので、上記台座２は図１７に示すようにその側面
が三角形となるように台座の前部２ａの高さを後部２ｂ
の高さより小さくしている。従って図１８に示すよう
に、新生児用に上記チャイルドシート本体１を後方を向
くように固定した場合には、背面角度が大きくなり、新
生児には不向きな姿勢になってしまう。

【０００６】特に、首がすわる前の乳幼児の場合には、
衝突時の衝撃を受ける時の背面角度は４５度から６０度
が適しているといわれるが、構造上又はコスト上からチ
ャイルドシート本体１の上記台座２に対する摺動限界に
より、その角度とすることができなかった。

【０００７】その為、例えば実開平１−７２１３６号公
報や実開平３−４７２４４号公報記載のもののように、
チャイルドシート本体と座席との間にクッション等を介
在せしめて、角度を調整するようにしたものもあるが、
強度的に弱く、また、装置が複雑化してしまうという欠
点があった。

【０００８】また、上記チャイルドシート本体を後方を
向くように固定した場合、衝突時の衝撃による反動（リ
バウンド）により上記チャイルドシートがひっくり返っ
てしまい、車の座席やリヤガラスに衝突してしまうとい
うことがあった。

【０００９】本発明は上記の欠点を除くようにしたもの
である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の自動車用乳幼児
保護座席は、チャイルドシート本体と、上記チャイルド
シート本体に固定した上部台座と、上記上部台座の下部
に着脱自在に設けた、前部の高さが後部の高さより小さ
い下部台座と、上記上部台座と下部台座とを固定する手
段よりなり、上記上部台座の前部と上記下部台座の前部
及び上記上部台座の後部と上記下部台座の後部を夫々一
致せしめて上記上部台座と上記下部台座とを連結固定せ
しめた場合の上記チャイルドシート本体の傾斜が、上記
上部台座の後部と上記下部台座の前部及び上記上部台座
の前部と上記下部台座の後部を夫々一致せしめて上記上
部台座と上記下部台座とを連結固定せしめた場合の上記
チャイルドシート本体の傾斜と異なるようになることを
特徴とする。

【００１１】また、本発明の自動車用乳幼児保護座席
は、チャイルドシート本体と、上記チャイルドシート本
体に固定した台座と、上記チャイルドシート本体の前部
に着脱自在に設けた反動阻止部材と、上記下部台座に設
けた上記反動阻止部材の格納部とよりなることを特徴と
する。

【００１２】上記格納部は上記下部台座の底面に設けた
溝であることを特徴とする。

【００１３】また、本発明の自動車用乳幼児保護座席
は、チャイルドシート本体と、上記チャイルドシート本
体に固定した上部台座と、上記上部台座の下部に着脱自
在に設けた、前部の高さが後部の高さより小さい下部台
座と、上記上部台座と下部台座とを連結固定する手段
と、上記チャイルドシート本体の前部に着脱自在に設け
た反動阻止部材と、上記上部台座と下部台座の何れか一
方に設けた上記反動阻止部材の格納部よりなり、上記上
部台座の前部と上記下部台座の前部及び上記上部台座の
後部と上記下部台座の後部を夫々一致せしめて上記上部
台座と上記下部台座とを固定せしめた場合の上記チャイ
ルドシート本体の傾斜が、上記上部台座の後部と上記下
部台座の前部及び上記上部台座の前部と上記下部台座の
後部を夫々一致せしめて上記上部台座と上記下部台座と
を固定せしめた場合の上記チャイルドシート本体の傾斜
と異なるようになることを特徴とする。

【００１４】上記格納部は上記下部台座の底に設けた溝
であることを特徴とする。

【００１５】上記下部台座は側面三角形状であることを
特徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下図面によって本発明の実施例
を説明する。

【００１７】本発明の自動車用乳幼児保護座席は、図１
〜図１０に示すように、従来の台座２をその前部６ａの
高さを後部６ｂより低くした側面三角形の上側台座６
と、その前部７ａの高さを後部７ｂの高さより低した側
面三角形の下側台座７との２部分に分割せしめ、上記上
側台座６の底面の四隅には夫々これを貫通する長孔８を
設け、上記下側台座７の上面の四隅には上記上側台座６
の長孔８に対応する貫通孔９に夫々設け、上記長孔８及
び貫通孔９を夫々貫通する丸棒状の軸部１０ａと、上記
長孔８に合致しこれを貫通する矩形状の頭部１０ｂと、
上記貫通孔９を貫通しない大きさの頭部１０ｃとより成
る固定つまみ１０を設け、この固定つまみを図５及び図
７に示すように上記長孔８及び上記貫通孔９に挿入せし
め、図６及び図８に示すように上記固定つまみ１０を９
０度回動せしめれば、上記上側台座６と上記下側台座７
を互に連結固定できるようにする。

【００１８】なお、上記下側台座７に対して相対的に上
記上側台座６を同一平面内において１８０度回転せしめ
た場合にも、上記下側台座７の四隅の各孔９と上記上側
台座６の各孔８とは夫々一致するように上記四隅の孔の
位置を定める。

【００１９】本発明の自動車用乳幼児保護座席は上記の
ような構成であるから、一人座りができる程度成長した
子供をチャイルドシート本体１に乗せる場合には、図１
及び図２に示すように、上記上側台座６の前部６ａと上
記下側台座７の前部７ａとが一致し、上記上側台座６の
後部６ｂと上記下側台座７の後部７ｂとが一致するよう
に上記上側台座６と上記下側台座７とを重ね、上記固定
つまみ１０により上記上側台座６と上記下側台座７を互
に連結固定し、上記チャイルドシート本体１が前方を向
くようにし、チャイルドシート本体１の背面傾斜角度が
大きくなるように、上記チャイルドシート本体１のレー
ル５を台座２に対して相対的に摺動せしめる。

【００２０】また、新生児をチャイルドシート本体に乗
せる場合には、図９及び図１０に示すように、上記上側
台座６の前部６ａと上記下側台座７の後部７ｂが一致
し、上記上側台座６の後部６ｂと上記下側台座７の前部
７ａとが一致するように上記上側台座６を上記下側台座
７に対して相対的に同一平面内に１８０度回動せしめ
て、上記上側台座６と上記下側台座７とを重ね、上記固
定つまみ１０により上記上側台座６と上記下側台座７を
互に連結固定せしめ、上記チャイルドシート本体１が後
方を向くようにし、チャイルドシート本体１の背面傾斜
角度が寝るように摺動せしめ、４５度程度まで傾斜せし
める。

【００２１】図１１〜図１２に示す本発明の他の実施例
においては、上記チャイルドシート本体１の前部１ａの
左右端に孔１１，１１を夫々設け、また、図１３及び図
１４に示すように上記前部１ａの下面に上記孔１１に連
通する長手方向に伸びる長溝１２を有する有底筒１３を
夫々設け、Ｕ字状の反動阻止杆１４を用い、その脚部１
４ａ，１４ａの先端内側の夫々対向する位置に上記長溝
１２に係合自在な凸部１５を設け、このＵ字状の反動阻
止杆１４を上記孔１１を介して上記有底筒１３に挿入し
たとき上記脚部１４ａの凸部１５が上記長溝１２に嵌合
されて、上記反動阻止杆１４が上記チャイルドシート本
体１に固定されるようにする。

【００２２】また、図１５及び図１６に示すように、上
記台座２の底面２ｃに上記Ｕ字状の反動阻止杆１４を格
納できるＵ字状の溝１６と、上記反動阻止杆１４の凸部
１５挿入用の溝１７と、上記反動阻止杆１４の固定具１
８とを設ける。

【００２３】本発明の自動車用乳幼児保護座席の上記他
の実施例によれば、一人座りできる程度成長した子供を
チャイルドシート本体１に乗せるため、上記チャイルド
シート本体１を前方を向くように固定した場合には、図
１６に示すように上記反動阻止杆１４を上記チャイルド
シート本体１の孔１１から取り外し、上記台座２の底面
２ｃの溝１４に格納すれば、上記反動阻止杆１４が邪魔
になることがなく、また、新生児をチャイルドシート本
体１に乗せるため、図１１に示すようにチャイルドシー
ト本体を後方を向くよう固定した場合には、上記孔１１
を介して上記有底筒１３内に上記反動阻止杆１４を挿入
して上記反動阻止杆１４を上記チャイルドシート本体１
に固定すれば、衝突時の反動を確実に阻止することがで
きるようになる。

【００２４】なお、上記有底筒状１３の代わりに従来既
知の固定手段によって上記反動阻止杆１４をチャイルド
シート本体１に固定することができる。

【００２５】

【発明の効果】上記のように本発明の自動車用乳幼児保
護座席によれば、極めて簡単、容易に子供の成長に合わ
せて最適な姿勢をとることができ、特に新生児において
もより安全な姿勢をとることができる。

【００２６】また、チャイルドシートの台座を側面三角
形状の２つの台座部分に分割し、これらを向きを変えて
互に結合するようにしたので特別な部品を増やすことな
く低価格でチャイルドシートを提供することができるの
みならず、その機械的強度と安定性を大きく保つことが
できるようになる。

【００２７】また、反動阻止杆を設けたことにより、衝
突時の反動による反転を確実に阻止することができ、従
って車の座席やリヤガラスに衝突するのを防ぐことがで
きるので、衝突安全基準以上の安全を確保することがで
きる等大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動車用乳幼児保護座席の説明用側面
図である。

【図２】図１に示す自動車用乳幼児保護座席の説明用斜
視図である。

【図３】図１に示す自動車用乳幼児保護座席の台座の縦
断側面図である。

【図４】図１に示す自動車用乳幼児保護座席の台座部分
の斜視図である。

【図５】図１に示す自動車用乳幼児保護座席の固定つま
み部分の拡大縦断側面図である。

【図６】図１に示す自動車用乳幼児保護座席の固定つま
み部分の拡大縦断側面図である。

【図７】図５に示す固定つまみ部分の斜視図である。

【図８】図６に示す固定つまみ部分の斜視図である。

【図９】本発明の自動車用乳幼児保護座席の他の使用状
態説明用側面図である。

【図１０】図９に示す自動車用乳幼児保護座席の説明用
斜視図である。

【図１１】本発明の自動車用乳幼児保護座席の他の実施
例の説明用側面図である。

【図１２】図１１に示す自動車用乳幼児保護座席の説明
用斜視図である。

【図１３】図１１に示す自動車用乳幼児保護座席の底面
側から捉えた説明用斜視図である。

【図１４】図１３に示す自動車用乳幼児保護座席の筒部
分を示す拡大縦断側面図である。

【図１５】図１１に示す自動車用乳幼児保護座席の底面
側から捉えた説明用斜視図である。

【図１６】図１１に示す自動車用乳幼児保護座席の底面
側から捉えた説明用斜視図である。

【図１７】従来の自動車用乳幼児保護座席の側面図であ
る。

【図１８】従来の自動車用乳幼児保護座席の他の使用状
態説明用側面図である。

【符号の説明】

１ チャイルドシート本体 １ａ 前部 ２ 台座 ２ａ 前部 ２ｂ 後部 ２ｃ 底面 ３ 座席 ４ 弧状溝 ５ レール ６ 上側台座 ６ａ 前部 ６ｂ 後部 ７ 下側台座 ７ａ 前部 ７ｂ 後部 ８ 長孔 ９ 貫通孔 １０ 固定つまみ １０ａ 軸部 １０ｂ 頭部 １０ｃ 頭部 １１ 孔 １２ 長溝 １３ 有底筒 １４ 反動阻止杆 １４ａ 脚部 １５ 凸部 １６ 溝 １７ 溝 １８ 固定具

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チャイルドシート本体と、上記チャイル
   ドシート本体に固定した上部台座と、上記上部台座の下
   部に着脱自在に設けた、前部の高さが後部の高さより小
   さい下部台座と、上記上部台座と下部台座とを固定する
   手段よりなり、上記上部台座の前部と上記下部台座の前
   部及び上記上部台座の後部と上記下部台座の後部を夫々
   一致せしめて上記上部台座と上記下部台座とを連結固定
   せしめた場合の上記チャイルドシート本体の傾斜が、上
   記上部台座の後部と上記下部台座の前部及び上記上部台
   座の前部と上記下部台座の後部を夫々一致せしめて上記
   上部台座と上記下部台座とを連結固定せしめた場合の上
   記チャイルドシート本体の傾斜と異なるようになること
   を特徴とする自動車用乳幼児保護座席。
2. 【請求項２】 チャイルドシート本体と、上記チャイル
   ドシート本体に固定した台座と、上記チャイルドシート
   本体の前部に着脱自在に設けた反動阻止部材と、上記下
   部台座に設けた上記反動阻止部材の格納部とよりなるこ
   とを特徴とする自動車用乳幼児保護座席。
3. 【請求項３】 上記格納部が上記下部台座の底面に設け
   た溝であることを特徴とする請求項２記載の自動車用乳
   幼児保護座席。
4. 【請求項４】 チャイルドシート本体と、上記チャイル
   ドシート本体に固定した上部台座と、上記上部台座の下
   部に着脱自在に設けた、前部の高さが後部の高さより小
   さい下部台座と、上記上部台座と下部台座とを連結固定
   する手段と、上記チャイルドシート本体の前部に着脱自
   在に設けた反動阻止部材と、上記上部台座と下部台座の
   何れか一方に設けた上記反動阻止部材の格納部よりな
   り、上記上部台座の前部と上記下部台座の前部及び上記
   上部台座の後部と上記下部台座の後部を夫々一致せしめ
   て上記上部台座と上記下部台座とを固定せしめた場合の
   上記チャイルドシート本体の傾斜が、上記上部台座の後
   部と上記下部台座の前部及び上記上部台座の前部と上記
   下部台座の後部を夫々一致せしめて上記上部台座と上記
   下部台座とを固定せしめた場合の上記チャイルドシート
   本体の傾斜と異なるようになることを特徴とする自動車
   用乳幼児保護座席。
5. 【請求項５】 上記格納部が上記下部台座の底に設けた
   溝であることを特徴とする請求項４記載の自動車用乳幼
   児保護座席。
6. 【請求項６】 上記下部台座が側面三角形状であること
   を特徴とする請求項１、４または５記載の自動車用乳幼
   児保護座席。