JP2001149089A - 光学活性アミノ化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性アミノ化合物の製造方法

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JP2001149089A
JP2001149089A JP33591199A JP33591199A JP2001149089A JP 2001149089 A JP2001149089 A JP 2001149089A JP 33591199 A JP33591199 A JP 33591199A JP 33591199 A JP33591199 A JP 33591199A JP 2001149089 A JP2001149089 A JP 2001149089A
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pichia
microorganism
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JP33591199A
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English (en)
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Yoshiki Takashima
喜樹 高島
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性アミノ化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 ピキア(Pichia)属に属する微生物を一般式(1)(式
中、X、Y及びZは、同一または互いに相異なって、水
素原子、C1−5アルキル基、ハロゲン原子等を表し、
RはC1−5アルキル基、フェニル基、ベンジル基等を
表し、QはCH2基、NH基または酸素原子を表す。)
で示される光学活性アシルアミノ化合物に選択的に作用
し、一般式(2) (式中、X、Y、Z及びQは、前記と同じ意味を表
す。)で示される光学活性アミノ化合物を産生する能力
を有する微生物を、一般式(3) (式中、X,Y、Z,Q及びRは、前記と同じ意味を表
す。)で示されるN−アシルアミノ化合物に作用させる
ことを特徴とする光学活性アミノ化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性アミノ化
合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下記一般式(6) (式中、X、Y及びZは、同一または互いに相異なっ
て、水素原子、C1−5アルキル基、置換されたC1−
5アルキル基、C1−3アルコキシ基、アミノ基、モノ
またはジ(C1−3アルキル)アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、水酸基、カルボキシル基またはハロゲン原子を
表し、QはCH2基、NH基または酸素原子を表す。)
で示されるアミノ化合物の光学活性体は、パーキンソン
病治療薬、抗肥満治療薬、高血圧治療薬、尿結石治療薬
等の医薬中間体として有用な化合物であることが知られ
ている。光学活性アミノ化合物の製造方法としては、化
学的方法と生化学的方法があげられるが、生化学的方法
は一般に温和な条件で反応を行うことができ、廃棄物負
荷が小さい等の点で、有利であるとされている。アミノ
化合物の光学活性体の生化学的製造方法としてはある種
の微生物を用いる方法が知られている(WO97/41
214)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
活性アミノ化合物を生化学的に効率よく製造するための
新たな方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは光学活性アミノ化合物の生化学的製造方法につ
いて鋭意検討した結果、特定の属に属する微生物がアミ
ノ化合物のN−アシル体を光学選択的に加水分解する能
力を有することを見出し、さらに検討を加えて本発明を
完成させた。即ち、本発明は、ピキア(Pichia)属に属
し、かつ一般式(1) (式中、X、Y、Z、Q及びRは、前記と同じ意味を表
す。)で示される光学活性アシルアミノ化合物Aに選択
的に作用して一般式(2) (式中、X、Y、ZおよびQは、前記と同じ意味を表
す。)で示される光学活性アミノ化合物Aを産生する能
力を有する微生物を、一般式(3) (式中、X,Y,Z,Q及びRは前記と同じ意味を表
す。)で示されるN−アシルアミノ化合物(3)に作用
させることを特徴とする光学活性アミノ化合物A(2)
の製造方法、前記微生物をN−アシルアミノ化合物A
(3)に作用させて得られる一般式(4) (式中、X、Y、Z、Q及びRは、前記と同じ意味を表
す。)で示される光学活性アシルアミノ化合物Bを光学
活性アミノ化合物A(2)から分離して、次いで加水分
解することを特徴とする一般式(5) (式中、X,Y,Z及びQは、前記と同じ意味を表す。)
で示される光学活性アミノ化合物Bの製造方法及びその
中間体の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において使用し得る微生物
は、光学活性アシルアミノ化合物A(1)に選択的に作
用して、光学活性アミノ化合物A(2)を産生する能力
を有するピキア(Pichia)属に属する微生物(以下、本
微生物と記す。)である。
【0006】本微生物は、前記の能力を有していれば、
自然界から分離された微生物の野性株であっても、該野
生株から薬剤や紫外線等によって誘導された変異株であ
ってもよい。N−アシルアミノ化合物(3)、例えばN
−アセチル−2−アミノテトラリンに微生物を作用させ
ることにより光学活性アミノ化合物A(2)、例えば光
学活性2−アミノテトラリンを産生する能力を指標にし
て本微生物を選抜することができる。
【0007】本微生物の好適な例としては、ピキア・シ
フェリ(Pichia ciferrii)、ピキア・アノマラ(Pichi
a anomala)が挙げられ、具体的な株としては、例えば
ピキア・シフェリ(Pichia ciferrii)IFO0994
株、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)IFO012
0株、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)IFO01
44株、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)IFO0
146株、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)IFO
0149株、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)IF
O0568株、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)I
FO0963株があげられる。
【0008】本微生物は、例えば以下のような方法で培
養できる。本微生物を培養する為の培地組成は特に限定
されず、通常の微生物培養に使用される炭素源、窒素
源、有機塩、無機塩等を適宜含む各種の培地を用いるこ
とができる。例えば、炭素源としては、グルコース、フ
ルクトース、シュクロース、デキストリン等の糖類;グ
リセロール、ソルビトール等の糖アルコール;フマル
酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸等があげられる。
培地中に含まれる炭素源の割合は培地全体量に対して通
常0.1〜20%(w/v)程度とするとよい。窒素源
としては、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩;
フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機
酸のアンモニウム塩;肉エキス、酵母エキス、麦芽エキ
ス、大豆粉、コーンスティープリカー、綿実粉、乾燥酵
母、カゼイン加水分解物等の天然有機窒素源;グルタミ
ン、セリン、アラニン等のアミノ酸類等があげられる。
培地中に含まれる窒素源の割合は培地全体量に対して通
常0.1〜10%(w/v)程度とするとよい。このう
ち天然有機窒素源またはアミノ酸類は、多くの場合、炭
素源としても作用するため、炭素源及び窒素源として用
いることができる。その場合、培地中に含まれる天然有
機窒素源またはアミノ酸類の割合は、培地全体量に対し
て通常0.1〜10%(w/v)程度とするとよい。ま
た、有機塩類としてはフマル酸ナトリウム、クエン酸ナ
トリウム、ピルビン酸ナトリウム等があげられ、その培
地中に含まれる割合は培地全体量に対して通常0.1〜
5%(w/v)程度とするとよい。また無機塩類として
は、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸一ナ
トリウム、リン酸二ナトリウム等のリン酸塩;塩化カリ
ウム、塩化ナトリウム、塩化コバルト6水和物等の塩化
物;硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄7水和物、硫酸亜鉛
7水和物、硫酸マンガン3水和物等の硫酸塩等をあげる
ことができ、無機塩類の培地に含まれる割合は培地全体
量に対して通常0.0001%(w/v)〜1%(w/
v)程度とするとよい。
【0009】本微生物の培養は、通常の微生物培養の方
法に準じて行うことができ、固体培養、液体培養(試験
管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメンター
(JarFermenter)培養、培養タンク等)のいずれも適用可
能である。ジャーファーメンター培養の場合には、培養
は通常ジャーファーメンター内に無菌空気を導入して行
われ、その量は通常、培養液量の約0.1〜約2倍/分
程度である。培養温度及び培地pHは、微生物が生育す
る範囲で適宜設定でき、約15℃〜約40℃の範囲の培
養温度、約6〜約8の培地pHで培養することが好まし
い。培養時間は、種々の培養条件によって異なるが、通
常約1〜約10日間である。
【0010】本微生物は、微生物の培養物、微生物の培
養物から遠心分離等によって得られる微生物菌体、菌体
の処理物等の種々の形態で本発明に用いることができ
る。ここで菌体の処理物としては、凍結乾燥菌体、アセ
トン乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体の自己消化物、菌体の
超音波処理物、菌体抽出物、菌体のアルカリ処理物等を
あげることができる。さらに、これら種々の形態の本微
生物は、シリカゲルやセラミックス、DEAE−セルロ
ース、アンバーライトIRA935(ローム・アンド・
ハース社:登録商標)等の吸着固定のための担体に吸着
させる担体結合法や、ポリアクリルアミド、含硫多糖ゲ
ル(例えばカラギーナンゲル)、アルギン酸ゲル、寒天
ゲル等の高分子の網目構造の中に微生物、微生物の培養
物、微生物菌体、菌体処理物等を閉じ込める包括法等の
公知の方法に準じて固定化し、用いることもできる。
【0011】本発明において使用されるN−アシルアミ
ノ化合物(3)は公知の化合物であり、置換基X、Yお
よびZは、同一または互いに相異なって、水素原子、C
1−5アルキル基、置換されたC1−5アルキル基、C
1−3アルコキシ基、アミノ基、モノまたはジ(C1−
3アルキル)アミノ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、
カルボキシル基またはハロゲン原子を表す。ここで、置
換されたC1−5アルキル基における置換されたとは、
アルキル基上の水素原子の1個以上、通常は1個〜3個
が、例えば、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等により
置換されていることを意味する。
【0012】置換基X、YおよびZとしては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、モノクロロ
メチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル
基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、アミ
ノ基、モノメチルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、水酸
基、カルボキシル基、塩素原子、フッ素原子、臭素原
子、沃素原子及び水素原子を挙げることができる。
【0013】置換基Rは、C1−5アルキル基、置換さ
れたC1−5アルキル基、フェニル基、置換されたフェ
ニル基、ベンジル基、または置換されたベンジル基を表
す。ここで置換されたとは、アルキル基、フェニル基、
ベンジル基の各置換基上の水素原子の1個以上、通常は
1個〜3個が、例えば、アミノ基、水酸基、ハロゲン原
子等により置換されていることを意味する。
【0014】置換基Rとしては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、モノ
クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメ
チル基、フェニル基、ベンジル基を挙げることができ
る。
【0015】N−アシルアミノ化合物(3)に本微生物
を作用させること(以下、本反応と記す)により光学活
性アミノ化合物A(2)が選択的に産生され、一方、残
存するN−アシルアミノ化合物(3)における光学活性
アシルアミノ化合物B(4)の割合が増加する。したが
って本反応において光学活性アミノ化合物A(2)の製
造を目的とする場合にはN−アシルアミノ化合物(3)
の反応率を比較的低く、例えば20%〜50%程度にす
ることが得られる光学活性アミノ化合物A(2)の光学
純度の点で好ましく、また、光学活性アミノ化合物B
(5)の製造を目的とする場合にはN−アシルアミノ化
合物(3)の反応率を比較的高く、例えば50%〜80
%程度にすることが光学活性アミノ化合物B(5)の光
学純度の点で好ましい。また、N−アシルアミノ化合物
(3)の反応率は、反応中の反応液を適宜取り出し、N
−アシルアミノ化合物(3)あるいは光学活性アミノ化
合物A(2)を、ガスクロマトグラフィー等を用いて定
量することで調べることができる。
【0016】本反応は通常、リン酸ナトリウム、リン酸
カリウム等のリン酸アルカリ金属塩などの無機酸塩、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属塩な
どの有機酸塩等を含む水性バッファー液中で行われる。
反応系中におけるN−アシルアミノ化合物(3)の濃度
は通常30%(w/v)程度以下が適しており、好まし
くは0.01〜20%(w/v)程度である。本微生物
の使用量は、反応時間や菌体当たりの活性の高さを考慮
して適宜決定され、N−アシルアミノ化合物(3)に対
して菌体量に換算して通常は0.01〜200重量倍、
好ましくは0.1〜50重量倍である。反応温度は通常
10〜70℃程度であり、好ましくは20〜60℃程度
である。反応における液のpHは通常4〜12程度であ
り、好ましくは5〜11程度である。反応時間は目的や
反応条件に応じて適宜決められるが、通常約16〜12
0時間程度である。
【0017】さらに界面活性剤、有機溶媒等を反応系内
に存在させると、反応時間の短縮や変換率の向上に有効
な場合があり、必要に応じてこれらを単独又は任意に組
み合わせて反応系に存在させることもできる。使用し得
る界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウ
ム、ポリエチレングリコールモノ−p−イソオクチルフ
ェニルエーテル、臭化セチルピリジウム等を挙げること
ができ、有機溶媒としては例えばn−ヘプタン、シクロ
ヘキサン、イソオクタン等のアルカン類、メチル−te
rt−ブチルエーテル等のエーテル類、メタノール、イ
ソプロパノール、n−オクタノール等のアルコール類、
DMSO等のスルホキシド類、アセトン等のケトン類等
をあげることができる。
【0018】また、本反応は本微生物の培養条件下、培
地中にN−アシルアミノ化合物(3)を共存させ、行う
こともできる。その場合の培地としては前述の培地組成
に準じたものを用いることができる。培地中のN−アシ
ルアミノ化合物(3)の濃度は培地全量に対して通常3
0%(W/V)程度以下が適しており、好ましくは0.
01〜20%(W/V)程度である。反応時間はその目
的物、培養条件等により適宜設定することができるが、
通常は約1日〜約10日程度である。
【0019】本反応により、光学活性アミノ化合物A
(2)または光学活性アシルアミノ化合物B(4)をそ
の目的に応じて単離することができる。
【0020】生成する光学活性アミノ化合物A(2)の
単離は、公知の方法を適宜組み合わせることにより、行
うことができる。例えば、反応液から遠心分離等により
本微生物を分離後、上清を中性またはアルカリ性に調整
し、トルエン、ヘプタン、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル等の有機溶媒で抽出・分液し水相を除く。得られた有
機溶媒相をカラムクロマトグラフィー処理に付すことに
より光学活性アミノ化合物A(2)を単離することがで
きる。また、上記で得られた有機溶媒相を、希塩酸など
の酸性水を用いて抽出・分液することにより、水相中に
光学活性アミノ化合物A(2)の酸性塩を得ることがで
きる。ここで得られた水相に水酸化ナトリウム水溶液な
どのアルカリ性水溶液を加えて中和後、有機溶媒により
抽出・分液し、有機溶媒相から有機溶媒を留去すること
により光学活性アミノ化合物A(2)を単離することが
でき、必要に応じてカラムクロマトグラフィー等により
精製することもできる。
【0021】また本反応により生成する光学活性アシル
アミノ化合物B(4)は、公知の方法を適宜組み合わせ
ることにより光学活性アミノ化合物A(2)から分離で
きる。例えば遠心分離等により本微生物を分離後、上清
を中性またはアルカリ性に調整し、トルエン、ヘプタ
ン、ジエチルエーテル、酢酸エチル等の有機溶媒で抽出
・分液し水相を除く。得られた有機溶媒相をカラムクロ
マトグラフィー処理に付すことにより、光学活性アシル
アミノ化合物B(4)をアミノ化合物(6)から分離す
ることができる。また、上記で得られた有機溶媒相を酸
性水を用いて抽出・分液することにより、光学活性アシ
ルアミノ化合物B(4)を光学活性アミノ化合物A
(2)から分離でき、必要に応じて有機溶媒を留去し、
カラムクロマトグラフィー等で精製することもできる
が、通常は、有機溶媒液のまま光学活性アミノ化合物B
(5)を得るための反応へ供される。
【0022】光学活性アシルアミノ化合物B(4)から
光学活性アミノ化合物B(5)への反応は、酸や塩基、
酵素等を用いた加水分解処理等の公知の方法から、光学
活性アミノ化合物B(4)の有する官能基の種類等に応
じて適宜選択して行うことができ、例えば以下の方法を
あげることができる。・2〜10%の塩酸中に、光学活
性アシルアミノ化合物B(4)を加え、温度80℃から
100℃の条件下に攪拌する。反応液をアルカリ性に調
整し、トルエン、ヘプタン、ジエチルエーテル、酢酸エ
チル等の有機溶媒で抽出し、得られる有機溶媒相を硫酸
マグネシウム等で乾燥し、減圧下濃縮することにより光
学活性アミノ化合物B(5)が得られる。・光学活性ア
シルアミノ化合物B(4)を70〜85%のヒドラジン
水溶液に加え、温度60℃〜80℃の条件下に攪拌す
る。反応液を水で希釈し、トルエン、ヘプタン、ジエチ
ルエーテル、酢酸エチル等の有機溶媒で抽出し、得られ
る有機溶媒相を硫酸マグネシウム等で乾燥し、減圧下濃
縮することにより光学活性アミノ化合物B(5)が得ら
れる。・光学活性アシルアミノ化合物B(4)を塩化メ
チレン等の有機溶媒に溶解する。これに当量のトリエチ
ルオキソニウム フルオロボレートを加え、温度10℃
〜30℃の条件下に攪拌する。反応液を冷重曹水に注加
し、トルエン、ヘプタン、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル等の有機溶媒で抽出し、得られる有機溶媒相を硫酸マ
グネシウム等で乾燥し、減圧下濃縮することにより光学
活性アミノ化合物B(5)が得られる。
【0023】かくして得られる光学活性アミノ化合物A
(2)または光学活性アミノ化合物B(5)としては、
(R)−または(S)−2−アミノテトラリン、(R)
−または(S)−5−ヒドロキシ−2−アミノテトラリ
ン、(R)−または(S)−7−ヒドロキシ−2−アミ
ノテトラリン、(R)−または(S)−7−メトキシ−
2−アミノテトラリン、(R)−または(S)−5、7
−ジフルオロ−2−アミノテトラリン、(R)−または
(S)−6−シアノ−2−アミノテトラリン、(R)−
または(S)−6−モノクロロメチル−2−アミノテト
ラリン、(R)−または(S)−3−アミノクロマン、
(R)−または(S)−3−アミノテトラヒドロキノリ
ン等を具体的に挙げることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をよりさらに具体
的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。なお、アミノ化合物の定量分析および光学異性体
分析は以下の条件にて実施した。アミノ化合物生成率は
以下の計算式より算出した。 生成率%=生成アミノ化合物濃度(mM)/添加N−ア
シルアミノ化合物濃度(mM)×100
【0025】 定量分析 ガスクロマトグラフィー カラム :Chirasil−DEX CB(クロムパック社製) (0.32mm×25m) キャリアー :ヘリウム メークアップ:窒素 3ml/min 温度 :初期温度 120℃ 最終温度 180℃ 昇温速度 5℃/分 検出器 :FID 定量法 :内部標準法(内部標準物質:0.02%ビベンジル) 光学異性体分析 HPLC カラム :SUMICHIRAL OA−4600(25cm×2) (住化分析センター) カラム温度:35℃ 移動相 :n−ヘキサン/2−プロパノール/メタノール /トリフルオロ酢酸=240/10/5/1 移動相流速:1.0ml/分 検出器 :UV 254nm 定量法 :絶対検量線法
【0026】実施例1 表1記載の微生物株を、ペプトン0.5%(w/v)及
び肉エキス0.3%(w/v)(いずれも、Difco
社製)を含む寒天平板培地に画線し、3日間30℃にて
静置培養した。生育した各菌体の一白金耳を、N−アセ
チル−2−アミノテトラリン0.1%(w/v)を含有
する滅菌培地(pH7.0)10ml(グルコース4.
0%(w/v)、ポリペプトン(日本製薬製)0.7%
(w/v)、酵母エキス(Difco社製)0.5%
(w/v)、リン酸二カリウム0.5%(w/v)、硫
酸マグネシウム7水和物0.03%(w/v)、塩化コ
バルト6水和物0.001%(w/v)、硫酸第一鉄7
水和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛7水和物0.
001%(w/v)及び硫酸マンガン3水和物0.00
1%(w/v)含有)を入れた試験管に植菌し、30℃
で往復振盪しながら培養した。表1記載の時間培養した
後、培養液400μlをとり、これに1N−水酸化ナト
リウム水溶液40μl、酢酸エチル800μlを加えて
充分攪拌し、遠心分離した後その酢酸エチル相を前記分
析方法に従い分析した。その結果を表1に示す。
【0027】表1
【0028】実施例2 表2記載の微生物株を、ペプトン0.5%(w/v)及
び肉エキス0.3%(w/v)(いずれも、Difco
社製)を含む寒天平板培地に画線し、3日間30℃にて
培養した。生育した各菌体の一白金耳を、N−アセチル
−2−アミノテトラリン0.1%(w/v)を含有する
滅菌培地(pH7.0)10ml(グルコース0.02
%(w/v)、リン酸一カリウム0.15%(w/
v)、リン酸二ナトリウム0.15%(w/v)、硫酸
マグネシウム7水和物0.02%(w/v)、塩化コバ
ルト6水和物0.001%(w/v)、硫酸第一鉄7水
和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛7水和物0.0
01%(w/v)及び硫酸マンガン3水和物0.001
%(w/v)含有)を入れた試験管に植菌し、30℃で
往復振盪しながら培養した。7日後培養液400μlを
とり、これに1N−水酸化ナトリウム水溶液40μl、
酢酸エチル800μlを加えて充分攪拌し、遠心分離し
た後その酢酸エチル相を前記分析方法に従い分析した。
その結果を表2に示す。
【0029】表2
【0030】実施例3 Pichia ciferrii IFO 994株
を、Nutrient Agar(Difco社製)
2.3%(w/v)及び酢酸ナトリウム0.05%(w
/v)を含む寒天平板培地に画線し、3日間30℃にて
培養する。生育した菌体の一白金耳を、N−アセチル−
2−アミノテトラリン0.1%(w/v)を含有する滅
菌培地(pH7.0)10ml(グルコース4%(w/
v)、ポリペプトン0.7%(w/v)、酵母エキス
0.5%(w/v)、リン酸二カリウム0.5%(w/
v)、硫酸マグネシウム7水和物0.02%(w/
v)、塩化コバルト6水和物0.001%(w/v)、
硫酸第一鉄7水和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛
7水和物0.001%(w/v)及び硫酸マンガン3水
和物0.001%(w/v)含有)を入れた試験管に植
菌し、30℃で往復振盪しながら培養する。3日後培養
液5mlをとり、これに2N−HClを加えてpHを3
以下に調製し、酢酸エチル10mlで3回抽出する。得
られる酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
下濃縮し反応混合物を得る。10%塩酸水中に前記反応
混合物を加え、100℃で攪拌する。反応液を水で希釈
し、水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性に調製
し、これを酢酸エチル10mlで3回抽出し、酢酸エチ
ル相を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮すること
により、(R)−2−アミノテトラリンを得る。 実施例4 Pichia anomala IFO 144株を、
ペプトン0.5%(w/v)及び肉エキス0.3%(w
/v)(いずれも、Difco社製)を含む寒天平板培
地に画線し、3日間30℃にて静置培養する。生育した
各菌体の一白金耳を、N−アセチル−2−アミノテトラ
リン0.1%(w/v)を含有する滅菌培地(pH7.
0)10ml(グルコース4.0%(w/v)、ポリペ
プトン(日本製薬製)0.7%(w/v)、酵母エキス
(Difco社製)0.5%(w/v)、リン酸二カリ
ウム0.5%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物
0.03%(w/v)、塩化コバルト6水和物0.00
1%(w/v)、硫酸第一鉄7水和物0.001%(w
/v)、硫酸亜鉛7水和物0.001%(w/v)及び
硫酸マンガン3水和物0.001%(w/v)含有)を
入れた試験管に植菌し、30℃で往復振盪しながら培養
する。培養液5mlをとり、これに2N−HClを加え
てpHを3以下に調製し、酢酸エチル10mlで3回抽
出する。得られた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧下濃縮し(R)−N−アセチル−2−アミノ
テトラリンを得る。
【0031】
【発明の効果】本発明により、抗炎症剤等の医薬中間
体、として有用な所望の光学活性アミノ化合物を効率的
に製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:84) C12R 1:84) (C12N 1/14 (C12N 1/14 A C12R 1:84) C12R 1:84)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピキア(Pichia)属に属し、かつ一般式
    (1) (式中、X、Y及びZは、同一または互いに相異なっ
    て、水素原子、C1−5アルキル基、置換されたC1−
    5アルキル基、C1−3アルコキシ基、アミノ基、モノ
    またはジ(C1−3アルキル)アミノ基、ニトロ基、シ
    アノ基、水酸基、カルボキシル基またはハロゲン原子を
    表し、RはC1−5アルキル基、置換されたC1−5ア
    ルキル基、フェニル基、置換されたフェニル基、ベンジ
    ル基、または置換されたベンジル基を表し、QはCH2
    基、NH基または酸素原子を表す。)で示される光学活
    性アシルアミノ化合物Aに選択的に作用し、一般式
    (2) (式中、X、Y、Z及びQは、前記と同じ意味を表
    す。)で示される光学活性アミノ化合物Aを産生する能
    力を有する微生物を、一般式(3) (式中、X,Y、Z,Q及びRは、前記と同じ意味を表
    す。)で示されるN−アシルアミノ化合物に作用させる
    ことを特徴とする光学活性アミノ化合物A(2)の製造
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の微生物をNーアシルアミ
    ノ化合物(3)に作用させて得られる一般式(4) (式中、X,Y,Z,Q及びRは、前記と同じ意味を表
    す。)で示される光学活性アシルアミノ化合物Bを光学
    活性アミノ化合物A(2)から分離し、次いで加水分解
    することを特徴とする一般式(5) (式中、X,Y,Z及びQは、前記と同じ意味を表す。)
    で示される光学活性アミノ化合物Bの製造方法。
  3. 【請求項3】微生物が、ピキア・シフェリ(Pichia cif
    errii)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)に属す
    る微生物である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】微生物が、ピキア・シフェリ(Pichia cif
    errii)IFO0994株、ピキア・アノマラ(Pichia
    anomala)IFO0120株、ピキア・アノマラ(Pichi
    a anomala)IFO0144株、ピキア・アノマラ(Pic
    hia anomala)IFO0146株、ピキア・アノマラ(P
    ichia anomala)IFO0149株、ピキア・アノマラ
    (Pichia anomala)IFO0568株、ピキア・アノマ
    ラ(Pichia anomala)IFO0963株である請求項1
    または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】N−アシルアミノ化合物(3)におけるQ
    がCH2基である請求項1〜4のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の微生物をN−アシルアミ
    ノ化合物(3)に作用させることを特徴とする光学活性
    アシルアミノ化合物B(4)の製造方法。
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