JPS6142554B2 - - Google Patents
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- JPS6142554B2 JPS6142554B2 JP11441581A JP11441581A JPS6142554B2 JP S6142554 B2 JPS6142554 B2 JP S6142554B2 JP 11441581 A JP11441581 A JP 11441581A JP 11441581 A JP11441581 A JP 11441581A JP S6142554 B2 JPS6142554 B2 JP S6142554B2
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Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
本発明は、セリンをラセミ化する酵素であるセ
リン・ラセマーゼを含有するシユードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putida)またはアエロモナ
ス・プンクタータ・サブスピーシーズ・キヤビエ
(Aeromonas punctata subsp.caviae)に属する
微生物菌体を、0.0001%以上のピリドキサールリ
ン酸水溶液中に懸濁させてのち凍結することによ
つて、菌体内に含まれるセリン・ラセマーゼの活
性を低下させることなく保存するセリン・ラセマ
ーゼの保存方法に関するものである。 近年、L−セリンは医薬用のみならず、L−ト
リプトフアン合成の原料として世の注目を集める
に至り、工業的規模による安価な本物質生産の期
待が高まつてきている。L−セリンを生産する方
法として、いわゆる発酵法による方法が知られて
いるが、蓄積量、収率、精製、廃液処理などに問
題があり、安価な工業的生産方法には至つていな
い。これに代つて、有機合成的にDL−セリンを
合成し、L−トリプトフアンの酵素的生産方法の
原料として、L−セリンの代りにDL−セリンを
使用する方法があるが、この場合は、残つたD−
セリンをラセミ化して最終的には全てL−セリン
に変える必要がある。このように、D−またはL
−セリンをラセミ化する酵素が、セリン・ラセマ
ーゼであり、シユードモナス属またはアエロモナ
ス属に属する微生物の菌体内に大量に生産され
る。本酵素は菌体内に生産されるので菌体そのも
のを酵素源として利用するのが工業的に有利であ
るが、この酵素を商業的規模で使用しうるために
は、酵素活性(単位時間、単位菌体量当りのセリ
ンのラセミ化能)を低下させることなく、本酵素
を含む菌体を長時間保存する保存方法の確立がな
ければならない。 従来、一般的に酵素を含む菌体を凍結保存する
ことは知られているが、セリン・ラセマーゼを含
む菌体の場合は、その保存方法が殆んど知られて
おらず、本発明者らの試験によれば、単に湿菌体
を凍結して保存するだけでは解凍後の菌体の酵素
活性の低下が著しく実用的な保存方法とは言い難
かつた。 本発明者らは、セリン・ラセマーゼを含有する
菌体を、その酵素活性の低下がなく、長時間保存
する方法を種々検討した結果、該菌体を0.0001%
以上のピリドキサールリン酸水溶液中に懸濁させ
て後凍結することにより、湿菌体をそのまま凍結
した場合に比して、酵素活性の低下が著しく少な
く長時間保存できることを見出し、本発明を完成
した。 本発明に使用する、セリン・ラセマーゼを菌体
内に多量に生産する菌株としては、シユードモナ
ス・プチダ、アエロモナス・プンクタータ・サブ
スピーシーズ・キヤビエなどがある。ピリドキサ
ールリン酸の濃度は、0.0001%以上、好ましくは
0.001〜0.1%で使用され、懸濁する際の菌体濃度
としては、乾燥菌体濃度として、5〜200g/、
好ましくは、30〜100g/の範囲であり、更に、
菌体をピリドキサールリン酸水溶液に懸濁させた
後、この懸濁液のPHを7〜9に調整するのが望ま
しい。菌体懸濁液を凍結する温度としては、−5
〜−50℃、好ましくは−10〜−30℃の範囲であ
り、凍結した菌体懸濁液を融解するときの温度と
しては、5〜50℃、好ましくは、15〜40℃の範囲
が使用される。 本発明の保存方法によれば、菌体内に含まれる
セリン・ラセマーゼを、その酵素活性の低下も少
なく、しかも長時間保存することができるので、
本発明はセリン・ラセマーゼの工業的使用に大い
に貢献するものと思われる。 以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明
する。 実施例 1 セリン・ラセマーゼ生産菌であるシユードモナ
ス・プチダIFO12996を500mlの坂口フラスコ中の
第1表に示す組成の培地100mlに接種し、30℃で
24時間培養した。この培養液200ml(フラスコ2
本)を30のジヤーフアーメンター中の第2表に
示す組成の培地15に接種し、30℃、PH6.8(28
%アンモニア水でコントロール)で培養した。培
養終了後、遠心分離して集菌し、150gの湿菌体
(乾燥菌体で31g)を得た。この湿菌体3gを各
試験区の濃度のピリドキサールリン酸水溶液で10
mlになるように懸濁し、PH8.5に調整後、−15℃で
各試験区の期間だけ凍結保存した。この凍結保存
物を20℃で解凍した後、第3表の組成の反応液を
使用してセリン・ラセマーゼ活性を測定した。
尚、セリン・ラセマーゼ活性の測定は、活性測定
用反応液を35℃で2時間反応させ、生成されたL
−トプトフアンの量を液体クロマトグラフイーで
測定し、酵素活性は単位時間、単位菌体量当りの
L−トリプトフアン生成量で表示した。得られた
結果を第4表に示した。 第 1 表 エールリツヒ肉エキス 10g ポリペプトン 10g NaCl 5g 蒸溜水で1に希釈して使用(PH6.8) 第 2 表 グルコース 10 g (NH4)2SO4 1 g KH2PO4 0.5g K2HPO4 0.5g MgSO4・7H2O 1 g ポリペプトン 0.5g 酵母エキス 0.5g アデカノールLG805 3 g 蒸溜水1に希釈して使用(PH6.8) 第 3 表 ンドール 2 % D−セリン 1.8 % トリトンX−100 5 % ピリドキサールリン酸 0.001% (NH4)2SO4 2.5 % トリプトフアン・シンセターゼ含有菌体(乾燥換
算)(註) 0.2 % シユードモナス・プチダIFO12996菌体解凍液
1 % PH8.5 (註) 酵素活性は4.1〔g・Try/g・dry・cell・
hr〕
リン・ラセマーゼを含有するシユードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putida)またはアエロモナ
ス・プンクタータ・サブスピーシーズ・キヤビエ
(Aeromonas punctata subsp.caviae)に属する
微生物菌体を、0.0001%以上のピリドキサールリ
ン酸水溶液中に懸濁させてのち凍結することによ
つて、菌体内に含まれるセリン・ラセマーゼの活
性を低下させることなく保存するセリン・ラセマ
ーゼの保存方法に関するものである。 近年、L−セリンは医薬用のみならず、L−ト
リプトフアン合成の原料として世の注目を集める
に至り、工業的規模による安価な本物質生産の期
待が高まつてきている。L−セリンを生産する方
法として、いわゆる発酵法による方法が知られて
いるが、蓄積量、収率、精製、廃液処理などに問
題があり、安価な工業的生産方法には至つていな
い。これに代つて、有機合成的にDL−セリンを
合成し、L−トリプトフアンの酵素的生産方法の
原料として、L−セリンの代りにDL−セリンを
使用する方法があるが、この場合は、残つたD−
セリンをラセミ化して最終的には全てL−セリン
に変える必要がある。このように、D−またはL
−セリンをラセミ化する酵素が、セリン・ラセマ
ーゼであり、シユードモナス属またはアエロモナ
ス属に属する微生物の菌体内に大量に生産され
る。本酵素は菌体内に生産されるので菌体そのも
のを酵素源として利用するのが工業的に有利であ
るが、この酵素を商業的規模で使用しうるために
は、酵素活性(単位時間、単位菌体量当りのセリ
ンのラセミ化能)を低下させることなく、本酵素
を含む菌体を長時間保存する保存方法の確立がな
ければならない。 従来、一般的に酵素を含む菌体を凍結保存する
ことは知られているが、セリン・ラセマーゼを含
む菌体の場合は、その保存方法が殆んど知られて
おらず、本発明者らの試験によれば、単に湿菌体
を凍結して保存するだけでは解凍後の菌体の酵素
活性の低下が著しく実用的な保存方法とは言い難
かつた。 本発明者らは、セリン・ラセマーゼを含有する
菌体を、その酵素活性の低下がなく、長時間保存
する方法を種々検討した結果、該菌体を0.0001%
以上のピリドキサールリン酸水溶液中に懸濁させ
て後凍結することにより、湿菌体をそのまま凍結
した場合に比して、酵素活性の低下が著しく少な
く長時間保存できることを見出し、本発明を完成
した。 本発明に使用する、セリン・ラセマーゼを菌体
内に多量に生産する菌株としては、シユードモナ
ス・プチダ、アエロモナス・プンクタータ・サブ
スピーシーズ・キヤビエなどがある。ピリドキサ
ールリン酸の濃度は、0.0001%以上、好ましくは
0.001〜0.1%で使用され、懸濁する際の菌体濃度
としては、乾燥菌体濃度として、5〜200g/、
好ましくは、30〜100g/の範囲であり、更に、
菌体をピリドキサールリン酸水溶液に懸濁させた
後、この懸濁液のPHを7〜9に調整するのが望ま
しい。菌体懸濁液を凍結する温度としては、−5
〜−50℃、好ましくは−10〜−30℃の範囲であ
り、凍結した菌体懸濁液を融解するときの温度と
しては、5〜50℃、好ましくは、15〜40℃の範囲
が使用される。 本発明の保存方法によれば、菌体内に含まれる
セリン・ラセマーゼを、その酵素活性の低下も少
なく、しかも長時間保存することができるので、
本発明はセリン・ラセマーゼの工業的使用に大い
に貢献するものと思われる。 以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明
する。 実施例 1 セリン・ラセマーゼ生産菌であるシユードモナ
ス・プチダIFO12996を500mlの坂口フラスコ中の
第1表に示す組成の培地100mlに接種し、30℃で
24時間培養した。この培養液200ml(フラスコ2
本)を30のジヤーフアーメンター中の第2表に
示す組成の培地15に接種し、30℃、PH6.8(28
%アンモニア水でコントロール)で培養した。培
養終了後、遠心分離して集菌し、150gの湿菌体
(乾燥菌体で31g)を得た。この湿菌体3gを各
試験区の濃度のピリドキサールリン酸水溶液で10
mlになるように懸濁し、PH8.5に調整後、−15℃で
各試験区の期間だけ凍結保存した。この凍結保存
物を20℃で解凍した後、第3表の組成の反応液を
使用してセリン・ラセマーゼ活性を測定した。
尚、セリン・ラセマーゼ活性の測定は、活性測定
用反応液を35℃で2時間反応させ、生成されたL
−トプトフアンの量を液体クロマトグラフイーで
測定し、酵素活性は単位時間、単位菌体量当りの
L−トリプトフアン生成量で表示した。得られた
結果を第4表に示した。 第 1 表 エールリツヒ肉エキス 10g ポリペプトン 10g NaCl 5g 蒸溜水で1に希釈して使用(PH6.8) 第 2 表 グルコース 10 g (NH4)2SO4 1 g KH2PO4 0.5g K2HPO4 0.5g MgSO4・7H2O 1 g ポリペプトン 0.5g 酵母エキス 0.5g アデカノールLG805 3 g 蒸溜水1に希釈して使用(PH6.8) 第 3 表 ンドール 2 % D−セリン 1.8 % トリトンX−100 5 % ピリドキサールリン酸 0.001% (NH4)2SO4 2.5 % トリプトフアン・シンセターゼ含有菌体(乾燥換
算)(註) 0.2 % シユードモナス・プチダIFO12996菌体解凍液
1 % PH8.5 (註) 酵素活性は4.1〔g・Try/g・dry・cell・
hr〕
【表】
【表】
実施例 2
セリン・ラセマーゼ生産菌であるアエロモナ
ス・プンクタータ・サブスピーシーズ・キヤビエ
MT−10243(FERM BP−21)を用いて、実施例
1と同様の操作を行なつた。得られた結果を第5
表に示した。
ス・プンクタータ・サブスピーシーズ・キヤビエ
MT−10243(FERM BP−21)を用いて、実施例
1と同様の操作を行なつた。得られた結果を第5
表に示した。
Claims (1)
- 1 セリン・ラセマーゼを含有するシユードモナ
ス・プチダまたはアエロモナス・プンクタータ・
サブスピーシーズ・キヤビエに属する微生物菌体
を0.0001%以上のピリドキサールリン酸水溶液中
に懸濁させてのち凍結することを特徴とする菌体
内セリン・ラセマーゼの保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11441581A JPS5816677A (ja) | 1981-07-23 | 1981-07-23 | セリン・ラセマ−ゼの保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11441581A JPS5816677A (ja) | 1981-07-23 | 1981-07-23 | セリン・ラセマ−ゼの保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5816677A JPS5816677A (ja) | 1983-01-31 |
JPS6142554B2 true JPS6142554B2 (ja) | 1986-09-22 |
Family
ID=14637115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11441581A Granted JPS5816677A (ja) | 1981-07-23 | 1981-07-23 | セリン・ラセマ−ゼの保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5816677A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03184062A (ja) * | 1989-03-14 | 1991-08-12 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 多種サイズ媒体を像転写ステーシヨンを経由して反復移送する装置及び方法 |
CN109251923A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-01-22 | 天津博瑞威生物医药科技有限公司 | 丝氨酸消旋酶突变体 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60168392A (ja) * | 1984-02-10 | 1985-08-31 | Res Assoc Util Of Light Oil | セリンのラセミ化法 |
-
1981
- 1981-07-23 JP JP11441581A patent/JPS5816677A/ja active Granted
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03184062A (ja) * | 1989-03-14 | 1991-08-12 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 多種サイズ媒体を像転写ステーシヨンを経由して反復移送する装置及び方法 |
CN109251923A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-01-22 | 天津博瑞威生物医药科技有限公司 | 丝氨酸消旋酶突变体 |
CN109251923B (zh) * | 2018-10-22 | 2021-06-15 | 天津博瑞威生物医药科技有限公司 | 丝氨酸消旋酶突变体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5816677A (ja) | 1983-01-31 |
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