JP2001148779A - 画像処理装置並びに画像合成方法 - Google Patents

画像処理装置並びに画像合成方法

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JP2001148779A
JP2001148779A JP2000015088A JP2000015088A JP2001148779A JP 2001148779 A JP2001148779 A JP 2001148779A JP 2000015088 A JP2000015088 A JP 2000015088A JP 2000015088 A JP2000015088 A JP 2000015088A JP 2001148779 A JP2001148779 A JP 2001148779A
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JP2000015088A
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Akihiko Iwasaki
章彦 岩崎
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターンマッチングを行う際に、不適切なマ
ッチング領域が抽出、使用されることに起因するパター
ンマッチングの誤りを回避し、高精度に画像の合成を行
うことのできる画像処理装置を提供する。 【解決手段】 マッチング領域抽出部3によって抽出さ
れたマッチング領域に対し、マッチング領域判定部4に
おいてそのマッチング領域が適切か否かの判定を行い、
不適切なマッチング領域については再度抽出をやり直
す。また、パターンマッチング部6によるパターンマッ
チングが行われた後、そのマッチング結果についても、
マッチング結果判定部7にてその適否を判定し、マッチ
ング結果が適切でなければ、マッチング領域の抽出をや
り直す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の画像を入力
して、それぞれの画像を繋ぎ合わせて出力する画像処理
装置および画像合成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機、ファックス等の画像
形成装置において、スキャナ等の読取装置で読取可能な
最大サイズを越えた原稿を読み取ろうとする場合に、重
複された領域を含むように少なくとも2回原稿を読み取
り、読み取った画像の重複領域を検出して繋ぎ合わせる
ことにより元の原稿画像を復元する画像合成処理を行う
装置がある。このような画像合成処理を行う画像形成装
置では、復元された元の原稿画像をプリンタ等の出力装
置から出力する際、ペーパーサイズに応じた出力を行
う。
【0003】このような画像合成方法としては、例え
ば、特開平10−108003号公報に開示されている
「画像合成装置および画像合成方法」がある。
【0004】上記公報に記載されている画像合成方法で
は、先ず、合成される複数の分割画像において、重ね合
わされるべく隣接する2つの分割画像に対し、一方の分
割画像に参照ブロックを設定し、他方の分割画像に上記
参照ブロックを狭い範囲で取り囲む探索領域を設定す
る。そして、上記探索領域内において、一方の分割画像
の参照ブロックに対応する、他方の分割画像におけるパ
ターンマッチングの対応画像領域を抽出する。次に、上
記参照ブロックと対応画像領域との比較を行うことによ
り画像合成に必要な合成情報を抽出し、その合成情報に
基づいて、一方の分割画像に対して他方の分割画像の位
置合わせの修正を行い、両者の分割画像を合成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
画像合成方法では、パターンマッチングを行う際に以下
のような問題が生じる。
【0006】例えば、上記参照ブロックおよび探索領域
の画像データが白画像データ、黒画像データ、あるいは
均一な濃度である画像データであるような場合、正確な
対応画像領域の抽出が行えず、マッチング位置の特定が
できない。すなわち、パターンマッチング結果が誤った
ものとなる可能性が大となる。さらに、図32(a)に
示すように、参照ブロックおよび探索領域の画像におい
て、縦方向に同じデータが続く場合、画像の横方向の位
置は決定できるが縦方向に関しては位置決めできない。
また、図32(b)に示すように横方向に同じデータが
続く場合では、画像の横方向の位置決めができず、図3
2(c)に示すように斜め方向に同じデータが続く場合
では、画像の縦方向および横方向とも位置決めが困難で
ある。したがって、上記図32(a)〜(c)に示す場
合では、隣接する分割画像のマッチング位置が特定でき
ず、画像全体として位置ズレが生じ得るという問題があ
る。尚、図32(a)〜(c)は、一方の画像に探索領
域を設け、他方の画像に参照ブロックを設けてパターン
マッチングを行う例を示したものであり、探索領域は参
照ブロックに対して大きくなるように設定されている。
【0007】また、重複した領域が含まれるように読み
取られた2つの画像を繋ぎ合わせる時に、これらの画像
を単純平行移動する処理だけでは正確な繋ぎ合わせを行
うことができず、2つの画像の繋ぎ合わせ位置がズレた
画像となってしまう場合がある。例えば、上記2つの画
像のそれぞれの読取時において、読み取られた画像に角
度のずれが生じていた場合等には、画像を単純平行移動
のみでは画像の位置ずれを無くすことはできない。しか
しながら、上記特開平10−108003号公報には、
分割画像に角度のずれが生じていた場合の画像合成につ
いては考慮されていない。
【0008】これら2つの問題により、パターンマッチ
ング結果が誤って検出された場合、この結果に基づいて
画像合成を行うと、繋ぎ合わされた合成画像においてズ
レが発生する。
【0009】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、上述のようなパターンマ
ッチングの誤りを回避し、高精度に画像の合成を行うこ
とのできる画像処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、上記の課題を解決するために、互いに重複する領域
を含む複数の画像を読み取り、それぞれの画像を多値の
デジタル画像データとして入力する画像入力手段と、上
記画像入力手段の各読取りによって得られた分割画像デ
ータからマッチング領域を抽出するマッチング領域抽出
手段と、上記マッチング領域抽出手段によって抽出され
たマッチング領域に基づいてパターンマッチングを行う
パターンマッチング手段と、上記パターンマッチング手
段によって行われたパターンマッチングの結果に基づい
て上記分割画像データを合成する合成手段とを備えてい
る画像処理装置において、上記マッチング領域抽出手段
によって抽出されたマッチング領域が適切か否かの判断
を行うマッチング領域判定手段を備えており、上記マッ
チング領域判定手段によって不適切と判断されたマッチ
ング領域がある場合、上記マッチング領域抽出手段が、
不適切と判断されたマッチング領域に代わり新たなマッ
チング領域を再抽出するようになっていることを特徴と
している。
【0011】また、本発明の画像合成方法は、上記の課
題を解決するために、互いに重複する領域を含む複数の
画像を読み取り画像データとして入力する第1のステッ
プと、上記第1のステップによって得られた分割画像デ
ータからマッチング領域を抽出する第2のステップと、
上記第2のステップによって抽出されたマッチング領域
に基づいてパターンマッチングを行う第3のステップ
と、上記第3のステップによって行われたパターンマッ
チングの結果に基づいて上記分割画像データを合成する
第4のステップとを備えている画像合成方法において、
上記第2のステップの後で、該第2のステップによって
抽出されたマッチング領域が適切か否かの判断を行う第
5のステップが行われ、上記第5のステップによって不
適切と判断されたマッチング領域がある場合、不適切と
判断されたマッチング領域に代わり新たなマッチング領
域を再抽出するために、再度第2のステップが行われる
ことを特徴としている。
【0012】上記の構成によれば、上記マッチング領域
判定手段によりパターンマッチングを行う際に抽出され
た画像(マッチング)領域の適否が判定され、不適切な
マッチング領域が使用されることに起因する誤ったパタ
ーンマッチングを低減することができる。これにより、
正確なマッチング位置を特定することが可能となり、複
数の画像を容易に繋ぎ合わせることができる。
【0013】また、上記画像処理装置では、上記マッチ
ング領域判定手段は、全面白画像または全面黒画像であ
るマッチング領域を認識し、これをマッチング領域とし
て不適切な領域であると判定する第1の画像判定手段
と、マッチング領域の第1方向および第1方向と交差す
る第2方向の各ライン毎に濃度ヒストグラムを作成し、
各ライン毎の特徴を抽出することによりマッチング領域
の適否を判断する第2の画像判定手段とを備えており、
マッチング領域判定時には、上記第1の画像判定手段に
よる判定を先に行い、該第1の画像判定手段によってマ
ッチング領域として不適切であるとの判定がなされなか
ったマッチング領域に対してのみ、上記第2の画像判定
手段によりマッチング領域の適否を判断するようになっ
ていることを特徴としている。
【0014】上記構成によれば、マッチング領域が全面
白画像または全面黒画像というマッチング領域として不
適切であり、かつ、大きな特徴を有する画像であった場
合、該マッチング領域が不適切であることを上記第1の
画像判定手段によって迅速に判断することができる。
【0015】また、第2の画像判定手段では、全面白画
像または全面黒画像のマッチング領域以外に、マッチン
グ領域として不適当である、縦方向、横方向、あるい
は、斜め方向に連続する線のパターンが存在するマッチ
ング領域を除去可能となる。すなわち、上記第2の画像
判定手段では、横方向および縦方向にて、各ライン毎に
濃度ヒストグラムを作成することにより、ライン毎の特
徴量、例えば、高濃度の領域の座標位置や連続する高濃
度の画素の数等を基に上記マッチング領域を抽出するこ
とができる。抽出されたこれらの領域はマッチング領域
からは除外されるので、精度良くパターンマッチングを
行うことができる。
【0016】また、上記画像処理装置では、上記マッチ
ング領域判定手段は、上記マッチング領域全体に対し、
各画素濃度における画素数を示す濃度ヒストグラムを作
成する濃度ヒストグラム作成手段と、画素濃度に対する
複数の閾値を設定する閾値設定手段と、上記濃度ヒスト
グラムと、上記閾値設定手段によって予め設定された複
数の閾値とを基にマッチング領域の適否を判断する第3
の画像判定手段とを備えており、上記第3の画像判定手
段は、上記閾値によって示される特定の範囲内の画素濃
度を有する画素数を求め、その画素数が所定数以上ある
場合に、該マッチング領域を不適切であると判断する構
成とすることができる。
【0017】上記構成によれば、マッチング領域全体に
対して濃度ヒストグラムを作成し、マッチング領域の画
素濃度を複数の閾値、例えば、THw・THb・(TH
w<THg1<THg2<THb)と比較することによ
り、白画像(例えば、濃度値<THw)、黒画像(例え
ば、THb<濃度値)のみではなくグレー画像(例え
ば、THg1<濃度値<THg2)であるか否かの判定
をも行うことが可能となる。これにより、同程度の濃度
を有する画素が所定数以上含まれる均一な濃度のマッチ
ング領域を、より高い精度で不適切と判断することが可
能となる。
【0018】また、上記画像処理装置では、上記マッチ
ング領域判定手段は、さらに、上記第3の画像判定手段
においてマッチング領域として不適切であるとの判断を
受けなかったマッチング領域に対して、該マッチング領
域の境界線上の交点の情報を求める交点算出手段と、そ
の結果を基にマッチング領域の適否を判断する第4の画
像判定手段とを備えており、上記第4の画像判定手段
は、上記交点算出主段によって上記交点の存在が確認さ
れなかった場合、または、上記交点の数が奇数個であっ
た場合には、該マッチング領域を適切であると判断する
構成とすることができる。
【0019】上記構成によれば、マッチング領域の境界
線上の交点の情報、すなわち、交点の有無、交点の
数、を求めることにより、マッチング領域にエッジ部分
が存在するか否かを判定することができる。すなわち、
上記交点の存在が確認されなかった場合、または、上記
交点の数が奇数個であった場合には、上記マッチング領
域内において、パターンマッチングに使用可能な濃度領
域があると判断され、該マッチング領域を適切であると
判断することができる。
【0020】また、上記画像処理装置では、上記マッチ
ング領域判定手段は、さらに、上記第4の画像判定手段
においてマッチング領域として適切であるとの判断を受
けなかったマッチング領域に対して、マッチング領域の
境界線上の交点の情報を基に、該交点を結ぶ直線の情報
を抽出する直線作成手段と、上記直線の情報を基にマッ
チング領域の適否を判断する第5の画像判定手段とを備
えており、上記第5の画像判定手段は、上記マッチング
領域内に存在する直線の数が上記交点の数の1/2であ
り、かつ、上記マッチング領域内に存在する全ての直線
の傾きが同じである場合には、該マッチング領域を不適
切であると判断する構成とすることができる。
【0021】上記構成によれば、マッチング領域の適否
が交点の有無・数では判断できない場合、交点の位置座
標を基に、交点を結ぶ直線に黒画素が存在するか否
か、マッチング領域のパターンが直線と判断される場
合のその直線の傾き、を求めることにより、マッチング
領域内に存在する、連続した横線・縦線・斜め線及び平
行な複数の直線のパターンを不適切として除去すること
ができる。すなわち、上記マッチング領域内に存在する
直線の数が上記交点の数の1/2でない場合には、該マ
ッチング領域内にパターンマッチングに使用可能な曲線
または折れ曲がり線が存在すると判断され、マッチング
領域内に存在する全ての直線の傾きが同じでない場合に
は、該マッチング領域内にパターンマッチングに使用可
能な互いに平行でない複数の直線が存在すると判断され
る。
【0022】さらに、本発明の画像処理装置は、上記の
課題を解決するために、互いに重複する領域を含む複数
の画像を読み取り、それぞれの画像を多値のデジタル画
像データとして入力する画像入力手段と、上記画像入力
手段の各読取りによって得られた分割画像データからマ
ッチング領域を抽出するマッチング領域抽出手段と、上
記マッチング領域抽出手段によって抽出されたマッチン
グ領域に基づいてパターンマッチングを行うパターンマ
ッチング手段と、上記パターンマッチング手段によって
行われたパターンマッチングの結果に基づいて上記分割
画像データを合成する合成手段とを備えている画像処理
装置において、上記パターンマッチング手段によるパタ
ーンマッチングの結果が適切か否かを判断するマッチン
グ結果判定手段を備えており、上記マッチング結果判定
手段によってパターンマッチングの結果が不適切と判断
された場合、上記マッチング領域抽出手段がマッチング
領域の抽出を再実行するようになっていることを特徴と
している。
【0023】また、本発明の画像合成方法は、上記の課
題を解決するために、互いに重複する領域を含む複数の
画像を読み取り画像データとして入力する第1のステッ
プと、上記第1のステップによって得られた分割画像デ
ータからマッチング領域を抽出する第2のステップと、
上記第2のステップによって抽出されたマッチング領域
に基づいてパターンマッチングを行う第3のステップ
と、上記第3のステップによって行われたパターンマッ
チングの結果に基づいて上記分割画像データを合成する
第4のステップとを備えている画像合成方法において、
上記第3のステップによるパターンマッチングの結果が
適切か否かを判断する第6のステップを備えており、上
記第6のステップによってパターンマッチングの結果が
不適切と判断された場合、上記第2のステップを再実行
することを特徴としている。
【0024】上記の構成によれば、上記マッチング結果
判定手段によってパターンマッチングの結果を判定する
ことにより、パターンマッチングの信頼性が確保される
ため、複数の画像を高精度に繋ぎ合わせることが可能と
なる。
【0025】また、上記画像処理装置では、上記マッチ
ング領域抽出手段は、隣接する分割画像データの重複領
域内で、マッチング領域として、一方の画像では参照ブ
ロックを、他方の画像では探索領域を抽出・設定し、上
記パターンマッチング手段は、輝度差法を用いて、上記
探索領域内からこれに対応する参照ブロックに対して最
も輝度差の小さくなる対応画像領域を探索することでパ
ターンマッチングを行うようになっており、上記マッチ
ング結果判定手段は、上記参照ブロックと上記対応画像
領域との相互相関係数を算出し、該相互相関係数を閾値
と比較することによってマッチング結果の判定を行うよ
うになっていることを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、マッチング領域とし
て参照ブロックおよび探索領域が抽出され、抽出された
マッチング領域において、上記探索領域内からこれに対
応する参照ブロックに対して最も輝度差の小さくなる対
応画像領域を探索することでパターンマッチングが行わ
れる。そして、このパターンマッチングのマッチング結
果の判定を、上記参照ブロックと上記対応画像領域との
相互相関係数を算出して行うので、各マッチング領域毎
に絶対的な比較が可能となる。また、相互相関係数の大
きいマッチング領域を選択して画像合成を行うことがで
き、高精度な画像の繋ぎ合わせが可能となる。
【0027】また、上記画像処理装置は、上記マッチン
グ結果判定手段によって相互相関係数が上記閾値以上の
値を有すると判定されたマッチング領域の中から、該相
互相関係数が最も大きいマッチング領域を少なくとも2
つ選択するマッチング領域選択手段を有し、上記合成手
段は、上記マッチング領域選択手段によって選択された
マッチング領域に基づいて画像合成を行うようになって
いることを特徴としている。
【0028】上記の構成によれば、すべてのマッチング
領域に基づいて画像合成を行うわけではないため、許容
範囲内の画像品位でもって画像合成処理が迅速に行え
る。選択するマッチング領域の数は画像品位の許容範囲
に応じて設定すれば良い。また、少なくとも2つのマッ
チング領域を選択することにより、角度のずれがあった
場合に、該2箇所のマッチング領域において参照ブロッ
クと対応画像領域とを一致させることにより、角度ずれ
の補正が可能となる。
【0029】さらに、本発明の画像処理装置は、上記の
課題を解決するために、互いに重複する領域を含む複数
の画像を読み取り、それぞれの画像を多値のデジタル画
像データとして入力する画像入力手段と、上記画像入力
手段の各読取りによって得られた分割画像データからマ
ッチング領域を抽出するマッチング領域抽出手段と、上
記マッチング領域抽出手段によって抽出されたマッチン
グ領域に基づいてパターンマッチングを行うパターンマ
ッチング手段と、上記パターンマッチング手段によって
行われたパターンマッチングの結果に基づいて上記分割
画像データを合成する合成手段とを備えており、上記マ
ッチング領域抽出手段は、隣接する分割画像データの重
複領域内で、マッチング領域として、一方の画像では参
照ブロックを、他方の画像では探索領域を抽出・設定
し、上記パターンマッチング手段は、マッチング領域を
予め定められた閾値を基に2値化して横方向・縦方向の
ライン毎に所定濃度の画素数を計数し、計数されたライ
ン毎の画素数の情報に基づいて、参照ブロックと対応す
る画像領域との相互相関係数を算出し、上記相互相関係
数が所定条件を満たす場合にはパターンマッチングの結
果が適切であると判断し、満たさなかった場合には、パ
ターンマッチングの結果が不適切と判断し、上記パター
ンマッチング手段においてパターンマッチングの結果が
不適切であると判断された場合には、上記マッチング領
域抽出手段がマッチング領域の抽出を再実行するように
なっていることを特徴としている。
【0030】上記構成によれば、輝度差法と相互相関係
数を算出する方法を併用することなく、相互相関係数の
みを用いて定量的にパターンマッチングおよびパターン
マッチングの適否の判定を行うので、精度良く処理を行
うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図20に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。本実施の形態に係る画像処理装
置の構成を図1に示す。
【0032】上記画像処理装置は、画像読取部(画像入
力手段)1、第1および第2の画像記憶部2・2’、マ
ッチング領域抽出部(マッチング領域抽出手段)3、マ
ッチング領域判定部(マッチング領域判定手段)4、第
1および第2のマッチング領域記憶部5・5’、パター
ンマッチング部(パターンマッチング手段)6、マッチ
ング結果判定部(マッチング結果判定手段)7、画像合
成部(合成手段)8、および画像印字部9を備えてい
る。
【0033】上記画像読取部1は、デジタル画像形成装
置のスキャナ、あるいは、ハンディスキャナ等であり、
原稿画像をCCD(Charge Coupled Device )やA/D
(アナログ/デジタル)変換器等のデジタル撮像装置に
よってデジタル化する。第1および第2の画像記憶部2
・2’は、重複する領域を含むようにして上記画像読取
部1によって読み取られた画像データを記憶する。マッ
チング領域抽出部3は、上記第1および第2の画像記憶
部2・2’に記憶されている画像データより、パターン
マッチングを行うためのマッチング領域、すなわち、重
複する領域を含むようにして隣接する2つの画像データ
の一方における参照ブロックと、他方の画像データにお
ける探索領域とを抽出する。マッチング領域判定部4
は、上記マッチング領域抽出部3によって抽出されたマ
ッチング領域が適切か否かの判定を行う。第1および第
2のマッチング領域記憶部5・5’は、上記マッチング
領域判定部4によって適切と判断されたマッチング領域
を記憶する。パターンマッチング部6は、上記第1およ
び第2のマッチング領域記憶部5・5’に記憶されてい
るマッチング領域の画像データを用いてマッチング処理
を行う。マッチング結果判定部7は、上記パターンマッ
チング部6によるマッチング結果が適切か否かの判定を
行い、マッチング結果が不適切であると判断された場合
は、マッチング領域抽出部3に再度マッチング領域の抽
出を行わせるための信号を出力する。画像合成部8は、
上記マッチング結果判定部7にてマッチング結果が適切
であると判断された場合に、上記パターンマッチング部
6で求められたマッチング位置に基づいて、上記第1お
よび第2の画像記憶部2・2’に記憶されている画像デ
ータを繋ぎ合わせて画像合成を行う。画像印字部9は、
上記画像合成部8において合成された画像データを出力
するものであり、電子写真方式、インクジェット方式、
感熱式あるいはインク転写方式等の画像形成方式が適用
される。
【0034】ここで、上記マッチング領域判定部4の構
成の一例を図2に示す。上記マッチング領域判定部4
は、特徴画像判定部10、濃度ヒストグラム作成部1
1、第1閾値設定部12、座標位置算出部13、座標位
置比較部14、画素数計数部15、画素数比較部16、
および座標位置判定部17を備えている。尚、ここで
は、上記特徴画像判定部10が特許請求の範囲に記載の
第1の画像判定手段に相当し、濃度ヒストグラム作成部
11、第1閾値設定部12、座標位置算出部13、座標
位置比較部14、画素数計数部15、画素数比較部1
6、および座標位置判定部17が第2の画像判定手段に
相当する。
【0035】特徴画像判定部10は、マッチング領域抽
出部3により抽出されたマッチング領域に対し、その画
像領域が全面白画像、あるいは、黒画像か否かの判断を
行う。濃度ヒストグラム作成部11は、上記マッチング
領域に対し、横方向(第1方向)並びに縦方向(第2方
向)の各ライン毎に濃度ヒストグラム(画素の位置に対
し画素濃度を示したグラフ)を作成する。第1閾値設定
部12は、上記濃度ヒストグラム作成部11において作
成された濃度ヒストグラムに対して適切な閾値(THs
h)を設定する。座標位置算出部13は、上記閾値以上
の濃度を有する画素の座標位置を求める。座標位置比較
部14は、上記座標位置算出部13によって求められた
画素の座標位置を各ライン毎に比較する。画素数計数部
15は、上記濃度ヒストグラムの結果を基に連続する画
素数を計測する。画素数比較部16は、求められた連続
画素数と、マッチング領域の横方向の画素数・縦方向の
画素数との比較を行う。座標位置判定部17は、連続す
る画素の領域の端部座標と、上記マッチング領域の隅部
座標とを比較し、上記端部座標に上記隅部座標が含まれ
るか否かを判定する。
【0036】次に、上記マッチング結果判定部7の構成
の一例を図3に示す。上記マッチング結果判定部7は、
相互相関係数算出部18、相互相関係数比較部19、第
2閾値設定部20、および領域選択部(マッチング領域
選択手段)20を備えている。相互相関係数算出部18
は、パターンマッチングを行った領域毎に相関関係を求
める。相互相関係数比較部19は、第2閾値設定部20
により設定される閾値THccと相互相関係数との比較
を行う。領域選択部21は、上記比較結果にて抽出され
た閾値THcc以上となる相互相関係数から、相互相関
係数の大きい領域を選択する。
【0037】尚、上記説明では、原稿を重複箇所が生じ
るように2回読み取って、読み取られた画像データを合
成する場合を示している。このため、図1に示す画像処
理装置においては、画像記憶部およびマッチング領域記
憶部が2つずつ設けられているが、原稿を複数回読み取
って画像を合成する場合には、原稿を読み取る毎に読み
取った画像データを対応するそれぞれの画像記憶部に格
納し、各画像より抽出されたマッチング領域をそれぞれ
のマッチング領域記憶部に記憶するようにすれば良い。
また、上記画像記憶部やマッチング領域記憶部は、例え
ば、RAM(Random Access Memory) 等の記憶手段にお
いて各読み取られた画像毎に異なる記憶領域に設けられ
ても良いし、それぞれに別の記憶手段として設けられて
も構わない。
【0038】図20は本発明が適用されるデジタル画像
形成装置30の概略構成を示すものである。この画像形
成装置は大きく分けて画像入力手段であるスキャナ部3
1と、画像形成を行う画像形成部32から構成されてい
る。本デジタル画像形成装置30では、上記スキャナ部
31が、図1に記載の画像読取部1に相当し、上記画像
形成部32が図1に記載の画像印字部9に相当する。
【0039】上記スキャナ部31は透明ガラスからなる
原稿載置台35および原稿載置台35上に載置された原
稿の画像を走査して読み取るための原稿画像読取ユニッ
ト、すなわちスキャナユニット40から構成されてい
る。
【0040】上記スキャナユニット40は、原稿載置台
35上に載置された原稿の原稿面上を露光するランプリ
フレクタアセンブリ41と原稿からの反射光像を反射す
る第1の反射ミラー42aとを搭載してなる第1の走査
ユニット40a、第1の反射ミラーユニット40aから
の反射光像を順次反射する第2、第3の反射ミラー42
b、42cを搭載してなる第2の走査ユニット40b、
原稿からの反射光像を上述した各反射ミラーを介してC
CD44上に結像させるための光学レンズ43、および
原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換するCCD
44から構成される。
【0041】スキャナ部31は、複数枚の原稿を1枚ず
つ自動的に原稿載置台5上に搬送するRADF(Recycl
e Auto Document Feeder)36とスキャナユニット40
との関連した動作により、原稿載置台35上に読み取る
べき原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面
に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を
読み取るように構成されている。
【0042】特に第1走査ユニット40aは、原稿載置
台35に沿って左から右へと一定速度Vで走行され、ま
た第2走査ユニット40bは、その速度Vに対してV/
2の速度で同一方向に平行に走査制御される。これによ
り、原稿載置台35上に載置された原稿の画像を1ライ
ン毎に順次CCD44へと結像させて画像を読み取るこ
ととなる。
【0043】上記スキャナ部31において、一度の読取
りでは全範囲の読取りを行えないサイズの原稿に対して
は、重複する領域を含むように該原稿をスキャナユニッ
ト40にて複数回読み取らせ、得られた画像データをバ
ッファ記憶手段等のメモリ(図1に記載の第1および第
2の画像記憶部2・2’に相当:図20上では図示せ
ず)に記憶させる。尚、この時、上記RADF36は使
用されず、ユーザが原稿載置台35上に直接原稿を載置
する。スキャナユニット40にて読み取られた画像デー
タは、CPU(Central Processing Unit )等からなる
演算部(図示せず)において、マッチング領域の抽出処
理、パターンマッチング処理、マッチング結果判定処理
等の前述した処理が施された後、出力指示に応じて上記
メモリから読み出され、上記演算部にて合成され合成画
像として画像形成部32に転送される。上記画像形成部
32は、記録媒体上に上記画像を形成させる。尚、上記
演算部は、図1に記載のマッチング領域抽出部3、マッ
チング領域判定部4、パターンマッチング部6、マッチ
ング結果判定部7、および画像合成部8に相当するもの
である。また、上記メモリは、図1に記載の第1および
第2の画像記憶部2・2’だけでなく、第1および第2
のマッチング領域記憶部5・5’にも相当する。
【0044】上記画像形成部32は記録媒体の搬送系5
0、レーザ書き込みユニット46、および画像を形成す
るための電子写真方式を用いたプロセス部47を備えて
いる。
【0045】レーザ書き込みユニット46は、上述した
スキャナユニット40にて読み取った画像データ、また
は外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレ
ーザ光を出射する半導体レーザ光源、レーザ光を等角速
度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレー
ザ光がプロセス部47を構成する感光体48上で等速度
で偏向されるように補正するf−θレンズなどを有して
いる。
【0046】上記プロセス部47は、上記感光体48の
周囲に帯電器、現像器、転写器、剥離器、クリーニング
器、除電器を備えている。図20ではモノカラー画像を
形成する場合の構成を示しているが、カラー画像を形成
する場合には、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロ
ー(Y)・黒(K)の各トナー毎に現像器を配置し、感
光体上に形成された各色毎の画像を順次中間記録媒体に
形成し、上記画像を一括して記録媒体に転写する方式、
記録媒体を保持した記録媒体保持部材を複数回回転さ
せ、上記感光体上の画像を順次記録媒体に転写する方式
等を用いればよい。あるいは、プロセス部を複数並列に
配置し各色のトナー像を順次記録媒体上に形成する、所
謂、タンデム方式を使用しても構わない。
【0047】一方、記録媒体の搬送系50は、上述した
画像形成を行うプロセス部47の特に転写器が配置され
た転写位置へと記録媒体を搬送する搬送部33、該搬送
部33へと記録媒体を送り込むためのカセット供給装置
51、52、53または、必要なサイズの記録媒体を適
宜供給するための手差し供給装置54、転写後の記録媒
体に形成された画像、特にトナー像を定着するための定
着器49、定着後の記録媒体の裏面に再度画像を形成す
るために記録媒体の裏表を反転させる反転経路56およ
び反転された記録媒体を再度プロセス部47へ供給する
ための再供給経路55とを備えている。
【0048】また、定着器49の下流側には、画像が記
録された記録媒体を受け取り、この記録媒体に対してソ
ート等の処理を施す後処理装置34が配置されている。
【0049】レーザ書き込みユニット46およびプロセ
ス部47において、バッファ記憶手段から読み出された
画像データは、レーザ書き込みユニット46によってレ
ーザ光線を走査させることにより感光体48の表面上に
静電潜像として形成され、トナーにより可視像化された
トナー像は多段供給ユニットのいずれかの供給部から搬
送された記録媒体の面上に静電転写され定着される。
【0050】このようにして画像が形成された記録媒体
は定着器49から排出ローラ57を経由して後処理装置
34内へと搬送される。
【0051】上記構成の画像処理装置における処理手順
を図4および図5のフローチャートを基に説明する。以
下の説明では、読取りが可能な最大サイズを越えた原稿
を2回読み取って合成画像を生成し、画像形成を行う場
合について説明する。
【0052】最初に、原稿の読取回数を示すパラメータ
KがK=1に設定され(S1)、重複された領域を含む
ように第1回目の画像読取りが行われる(S2:第1の
ステップ)。読み取られた画像データは対応する画像記
憶部に記憶される(S3)。すなわち、第1回目の画像
読取りによって得られた画像データは、第1の画像記憶
部2に記憶されることとなる。
【0053】次に、上記第1の画像記憶部2に格納され
ている1番目の画像データに対して、マッチング領域の
数を示すパラメータLがL=1に設定され(S4)、マ
ッチング領域抽出部3により1番目のマッチング領域の
抽出が行われる(S5:第2のステップ)。抽出された
マッチング領域は、マッチング領域判定部4においてマ
ッチング領域として適切か否かの判定が行われる(S
6:第5のステップ)。尚、マッチング領域の判定方法
については後述する。上記S6でマッチング領域が不適
切と判断された場合は、S5に戻り、別のマッチング領
域の抽出がなされる。また、上記S6でマッチング領域
が適切と判断されると、抽出されたマッチング領域は第
1のマッチング領域記憶部5に格納される(S7)。
【0054】続いて、1つの画像データに対して抽出さ
れたマッチング領域の数が、予め設定された所定数(N
N)に到達したか否かの判断がなされる(S8)。抽出
されたマッチング領域の数が所定数に達していなければ
(L<NNであれば)、S9にてLの数を1増加させた
後S5に戻り、次のマッチング領域の抽出がなされる。
こうして、L=NNとなるまでS5〜S9のステップを
繰り返すことにより、ある画像データに対して所定数の
マッチング領域が抽出される。
【0055】ある画像データに対して所定数のマッチン
グ領域が抽出された後は、原稿の読取りが所定回数(K
N)行われたか否かの判断がなされる(S10)。本実
施の形態においては、上述したように、原稿を2回読み
取って合成画像を生成する場合を想定しているのでKN
=2である。今の場合、第1回目の画像読取りが終了し
た段階であるのでK=1であり、K=KNとなっておら
ず、S11にてKの数を1増加させた後S2に戻る。こ
うして、K=KNとなるまでS2〜S9のステップを繰
り返すことにより、全ての画像データに対して所定数の
マッチング領域が抽出される。尚、S11の手前にある
S25のステップは、後述するパターンマッチング判定
においてマッチング不良と判断された時に実施されるマ
ッチング領域の再抽出処理中であるか否かを判定するた
めのステップであり、フラグRがaに設定されている場
合に、再抽出処理中としてS26に移行する。ここで
は、S1においてフラグRが0とされているためS11
に移行する。
【0056】上記したマッチング領域としては、例え
ば、第1回目の原稿読取時には図6(a)に示すように
読み取った画像データの重複領域内にM×Nサイズの探
索領域Tl 〜TN がNN個設定され、第2回目の原稿読
取時には図6(b)に示すようにX×Yサイズの参照ブ
ロックS1 〜SN がNN個設定される。上記探索領域は
上記参照ブロックよりも大きくなるように、すなわち、
M>X,N>Y(M・N・X・Y:1以上の整数)とな
るように設定される。探索領域・参照ブロックのサイズ
は、読取画像の解像度や読み取られる画像(文字)の大
きさに応じて適宜決定される。マッチング領域の数NN
は読取りの解像度に応じて設定され、例えば、600d
pi(dot per inch)の場合、32程度に設定される。
尚、上記の例では、第1回目の原稿読取時の画像データ
において探索領域を設定し、第2回目に読み取った画像
データにおいて参照ブロックを設定しているが、これら
の設定を逆にしても良い。
【0057】尚、ここで抽出されるマッチング領域の位
置は重複領域に対して予め設定されているものである。
すなわち、探索領域については、図6(a)に示すよう
に重複領域内において各探索領域Tl 〜TN のx座標x
T およびy座標yTn(n=1〜N)が設定される。この
ような処理で、探索領域が所定数に達しない場合には、
既に設定されている探索領域の間に新たな探索領域を設
定したり、探索領域のy座標の位置をシフトさせて設定
を行う。また、参照ブロックについては、図6(b)に
示すように参照ブロックS1 〜SN が探索領域Tl 〜T
N 内に収まるようにx座標xS およびy座標ySn(n=
1〜N)が設定される。
【0058】また、抽出されたマッチング領域が不適切
であると判断された場合には、該マッチング領域をx方
向および/またはy方向に水平移動させて新たなマッチ
ング領域とする。この時、2回目の読取画像から抽出さ
れる参照ブロックにおいて、該参照ブロックが不適切と
判断された場合、該参照ブロックに対応する探索領域は
マッチング領域として適切であると判断されているた
め、該参照ブロックは該探索領域内で好ましい位置が存
在し、その位置が決定される。
【0059】上記S10で所定回数の画像の読取りが終
了したと判断されると、続いてS12にて、第1および
第2のマッチング領域記憶部5・5’にそれぞれ格納さ
れているマッチング領域が読み出される(原稿を3回以
上読み取っている場合は、その中から2つの画像データ
に対応するマッチング領域が読み出される)。そして、
読み出されたマッチング領域のデータに基づいて、パタ
ーンマッチング部6によりパターンマッチングが行われ
る(S13:第3のステップ)。
【0060】上記S13におけるパターンマッチング
は、例えば、以下の数1で示される輝度差法を用いて行
われる。
【0061】
【数1】
【0062】この方法は、図7に示すように、第2回目
の画像読取りによって得られたX×Yサイズの参照ブロ
ックが、第1回目の画像読取りによって得られたM×N
サイズの探索領域内に完全に重なるような配置におい
て、上記数1を用いて参照ブロックと探索領域とで互い
に重なり合う画素のそれぞれの画像データ(画像濃度)
ijとSijとの差の絶対値を全ての画素についての総和
として検出する。そして、上記参照ブロックを上記探索
領域内で横方向および縦方向についてそれぞれ1画素単
位で移動させ、その絶対値の和が最小となる位置がマッ
チング位置として取得される。尚、iは1以上X以下の
整数、jは1以上Y以下の整数である。
【0063】上記探索領域および参照ブロックの各座標
は、互いに対応付けられて決められているので、上記方
法により決定されたマッチング位置(座標)を基に一方
の画像の位置情報を修正することにより画像を合成する
ことが可能となる。
【0064】上記S13におけるパターンマッチングが
終了すると、マッチング結果判定部7にて、パターンマ
ッチングにより取得されたマッチング結果が適切か否か
の判断がなされる。上記パターンマッチングにおいて
は、輝度差法により数1で算出される値が最小値となる
領域が選定されているので、ほぼ良好なパターンマッチ
ングがなされていると考えられる。しかしながら、場合
によっては、マッチング領域のパターンが一致しなくて
も数1の値が最小値となる場合が確認されている。マッ
チング領域のパターンが一致しなくても数1の値が最小
値となる場合としては、例えば、1回目の画像読取りと
2回目の画像読取とで角度のずれがあり、その角度差θ
が微小である場合(図8(a)参照)や、原稿に折り目
があったり、少し浮いた状態で原稿載置台に置かれた場
合(図8(b)(c)参照)等に、輝度差法で算出され
る値が最小値となり得る。本実施の形態に係る処理で
は、上記パターンマッチングの結果を数値化すること
で、より確実にパターンマッチングの結果を判断するも
のである。
【0065】マッチング結果の判断はNN個の上記マッ
チング領域のそれぞれについて行われる。そこで、先
ず、パラメータPがP=1に設定される(S14)。そ
して、マッチング結果判定の最初の段階として、例え
ば、第1回目の読取画像と第2回目の読取画像の所定の
領域(参照ブロック)内での相互相関係数が算出される
(S15)。相互相関係数rは、以下の数2を用いて求
められる。
【0066】
【数2】
【0067】ここで、Tij・Sijは、各々第1回目の読
取画像・第2回目の読取画像の所定の領域(参照ブロッ
ク)内における画像濃度である。上記S15における相
互相関係数の算出は、全てのマッチング領域に対して行
われる。このため、S16にて、全てのマッチング領域
に対しての相互相関係数の算出が終了したか否かの判定
がなされ、算出されていないマッチング領域が残ってい
ればPの数が1増加され(S17)、S15の処理が繰
り返される。S16にて、全てのマッチング領域での相
互相関係数の算出が終了していると判断されると(すな
わち、P=NNの場合)、続いて、各マッチング領域の
相互相関係数が、第2閾値設定部により予め定められた
閾値THccと比較される(S18)。このように、各
マッチング領域の相互相関係数を閾値THccと比較す
ることで、画像合成をさらに確実に行うことが可能とな
る。尚、上記閾値THccの値としては、種々の画像を
用いてパターンマッチングを行い、パターンマッチング
の結果と相互相関係数との関係を基に決定すれば良い。
【0068】上記S18においては、相互相関係数の全
てが閾値THcc以上となる条件を充たしている必要は
なく、閾値THcc以上の相互相関係数を有するマッチ
ング領域が少なくとも2つあれば良い。これは、以下の
理由による。すなわち、上記相互相関係数はパターンマ
ッチングの結果が完全に一致する場合には1となるが、
実際には、1回目と2回目に読みとった原稿に差(角
度、原稿の浮き上がりや折り目等)があると、パターン
マッチングにおいて輝度差法で最小となる位置であって
も、両者の画像は完全には一致しない(相互相関係数が
1にならない)。このため、本実施の形態では、パター
ンマッチングの結果判定において相互相関係数を閾値T
Hccと比較し、相互相関係数が閾値THccより大き
くなるマッチング領域を用いて画像合成を行うようにし
ている。合成される画像の品位は、相互相関係数が閾値
THccより大きくなるマッチング領域の数をどの程度
まで許容するかにより決定され、多い程良いのはもちろ
んであるが、実際上では相互相関係数が閾値THccよ
り大きくなるマッチング領域が2つ以上あれば許容範囲
内の画像が得られる。また、1回目と2回目とで読み取
った画像に角度の差があると、ある基準の位置における
マッチング領域では相互相関係数が1に近い値であった
としても、上記基準位置から離れるにつれて相互相関係
数の値は小さくなり、相互相関係数が閾値THccより
大きくなるマッチング領域を1つしか抽出しない場合に
はこのような角度の補正ができない。
【0069】したがって、上記S18では、相互相関係
数が閾値THcc以上となるマッチング領域が所定数
(2つ程度)以上あるか否かの判定がなされ、所定数以
上の上記マッチング領域があれば適切なパターンマッチ
ングがなされたと判断される。この場合、続いて閾値T
Hcc以上の相互相関係数を有する複数のマッチング領
域から、相互相関係数の大きい領域が所定数選択され
(S19)、選択されたマッチング領域に基づいて画像
の合成が行われて(S20:第4のステップ)、合成さ
れた画像が出力される(S21)。尚、ここでは、上記
S15〜S18が特許請求の範囲に記載の第6のステッ
プに相当する。
【0070】一方、上記S18にて、閾値THcc以上
の相互相関係数を有するマッチング領域が所定数よりも
少ない場合には、パターンマッチングが不適切であると
判断される。この場合、S22にて、マッチング領域の
抽出処理の回数が規定値と比較され、規定値に達してい
なければ、再度マッチング領域の抽出処理が行われる。
このため、上記S22でNOの場合、S23にて、マッ
チング領域の再抽出処理を示すフラグRがaに設定さ
れ、パラメータKが1に設定される。このマッチング領
域の再抽出処理では、S2およびS3において読み取ら
れ画像記憶部に格納された画像データをそのまま利用す
ることができるので、パラメータKに対応する画像記憶
部より所定の画像が読み出された後(S24)S4に戻
り、S4〜S10のステップにおいて再度マッチング領
域の抽出がなされる。そして、S10においてK=KN
となっていなければ、S25にてフラグRがaに設定さ
れていることより、S26にてKの数を1増加させた後
S24に戻る。
【0071】さらに、上記S22において、マッチング
領域の抽出処理の回数が規定値に達していれば、画像を
読み込んだ時の状態に不備があり(原稿が許容範囲以上
に傾いた状態で読まれていたり、原稿に浮き上がりや折
り目がある等)、マッチング領域の抽出をやり直しても
良好な画像合成を行うことは困難であると判断される。
したがって、この場合はS27にて画像形成装置の液晶
ディスプレイ等からなる表示部(図示せず)に「画像の
読み込みを再度行って下さい」等の警告表示を行い、処
理を終了する。尚、マッチング領域の処理回数の規定値
としては、2〜3程度の値が設定される。
【0072】原稿を3回以上読み取って合成する場合
は、S20で合成された画像を一旦不図示の記憶手段に
格納し、S12にて、この合成画像と新たな画像データ
のマッチング領域を読み出し、上記と同様の処理を行え
ば良い。
【0073】次に、上記処理で述べた図4のS6のマッ
チング領域の判定方法について、図9および図10のフ
ローチャートに基づいて以下に説明する。マッチング領
域が適切か否かの判定は、図1に示したマッチング領域
判定部4で行われる。
【0074】先ず、図4のS5において抽出されたマッ
チング領域に対して、該マッチング領域が白画像か否か
(S31)、あるいは、黒画像か否か(S32)の判定
が行われる。この判定は特徴画像判定部10において行
われ、例えば、各画素の濃度を予め定められる黒画像判
定用の閾値THbおよび白画像判定用の閾値THwと順
次比較し、黒画素か白画素かを判定する。閾値THb・
THwとしては、例えば、階調レベルの1/2の値が設
定される。マッチング領域の全ての画素が白画素であれ
ば該マッチング領域は白画像、全ての画素が黒画素であ
れば該マッチング領域は黒画像であると判断される。そ
して、上記マッチング領域が白画像でも黒画像でもない
と判断されると(S31、S32が共にNO)、S33
において、濃度ヒストグラム作成部11において横方向
および縦方向の濃度ヒストグラムの作成がなされる。こ
こで作成される上記濃度ヒストグラムは、図32(a)
ないし(c)に示すような不適例を排除するために用い
られるものであり、例えば、図11に示すように、横方
向および縦方向の各ライン毎に、1画素単位で作成され
る(u=MまたはX,v=NまたはY)。
【0075】次に、作成された横方向の各濃度ヒストグ
ラムに対して、第1閾値設定部12により予め定められ
た閾値THsh以上となる領域の座標位置が、座標位置
算出部13によって求められる(S34)。上記閾値T
Hshとしては、例えば、最大濃度の2分の1となる値
が設定される。
【0076】S35では、座標位置比較部14により、
S34にて求められた横方向の各ライン毎の上記座標位
置が全て同じか否かの判定がなされる。この時、図12
(a)に示すような一部欠落の生じた縦線が存在するマ
ッチング領域が抽出されていたとする。この場合、上記
縦線の存在領域、例えば、Ta1のラインにおける濃度
ヒストグラムは図12(b)に示すように、上記縦線に
あたる画素の位置で濃度がピークを有する特性となる。
また、縦線の欠落領域にかかるTa2のラインでは、図
12(c)に示すように、明瞭なピークを示さない特性
となる。したがって、Ta1のラインにおける濃度ヒス
トグラムとTa2のラインにおける濃度ヒストグラムと
では、濃度値が閾値THsh以上となる領域の座標位置
が異なっており、この場合は抽出されたマッチング領域
が適切であると判断される。一方、図32(a)のよう
な連続した縦線のみのマッチング領域の場合、各ライン
毎の濃度ヒストグラムは全て図12(b)に示すような
ものとなり、この場合、従来技術の記載において説明し
たように、画像の横方向の位置を合わせることは可能で
あるが、縦方向の位置は特定することができず、よって
マッチング領域としては不適であると判断される。
【0077】すなわち、S35においては、横方向の各
ラインにおいて予め定められた閾値THsh以上となる
領域の座標位置が全て同じか否かによりマッチング領域
の適否の判定がなされ、上記座標位置が異なる場合はS
36に進む。但し、上記S35において、図32(a)
に示すような連続した縦線のみの領域の場合であって
も、実際には画像読取時の誤差等によって上記座標位置
が全く同じになるとは限らないため、各ライン毎の上記
座標位置が所定の範囲内にあれば、座標位置が同じであ
ると見なすものとする。
【0078】上記S35では、連続した縦線が存在する
マッチング領域については、マッチング領域として不適
切であるとして除去可能であるが、図32(b)のよう
に連続した横線が存在するマッチング領域や、図32
(c)のように連続した斜め線が存在するマッチング領
域については除去できない。すなわち、図13(a)に
示すような連続した横線が存在するマッチング領域の場
合、横方向の濃度ヒストグラムは、横線の位置Tb1で
は、図13(b)に示すように閾値THsh以上となる
画素が連続したものとなり、Tb2の位置では、図13
(c)に示すように明瞭なピークを持たない特性とな
る。また、図14(a)に示すような連続した斜め線が
存在するマッチング領域の場合、横方向の濃度ヒストグ
ラムは、図14(b)および(c)に示すように、Tc
1およびTc2の位置で、それぞれ異なる位置にピーク
を有する特性となる。これらの場合、S35での判断で
は、両者とも、横方向の各ラインにおいて、予め定めら
れた閾値THsh以上となる領域の座標位置が異なると
判断され、該マッチング領域と不適切として除去するこ
とができない。
【0079】上記図13(a)や図14(a)に示すよ
うなマッチング領域を除去するためには、画素数計数部
15において、閾値THsh以上となる画素が連続して
存在する領域(以下、連続領域と称する)を求め、該連
続領域における連続画素数が求められる(S36)。よ
り具体的には、上記連続画素数は、図15に示すよう
に、縦方向の連続画素数Pcvと横方向の連続画素数P
ctとが別々に求められる。以下に、横方向の連続画素
数Pctを例にとって、その算出方法を説明する。
【0080】先ず、横方向の各ライン毎に連続領域の座
標を求める。そして、隣接するライン間で連続する画素
があれば、複数のラインにまたがる連続領域での連続画
素数が求められる。例えば、隣接する2ライン間にて連
続する画素が存在する場合、最初のラインにおける連続
領域の座標位置と、次のラインにおける連続領域の座標
位置とが比較され、これらの連続領域の座標位置におい
て重複する範囲があるか、あるいは、横方向の座標に関
して隣接する位置にあるかが判断される。ここで、上記
連続領域が隣接する位置にあるとは、最初のラインの連
続領域における右端画素の座標がxn で、次のラインの
連続領域における左端画素の座標がxn+1である場合
等を指す。
【0081】上記の隣接する2ラインにおいて、連続領
域の座標位置に重複する範囲があるか、あるいは、隣接
する位置にあれば、これら2ライン分の上記連続領域に
ついて最左端の画素と最右端の画素との座標が求められ
る。そして、これらの端部画素の座標から該連続領域の
画素数が求められる。隣接する複数のライン間にて連続
する画素が存在する場合には、上記処理を順次繰り返
し、横方向に連続する画素数Pctが求められる。縦方
向に連続する画素数Pcvも同様の方法によって求めら
れる。
【0082】次に、画素数比較部16において、上記で
求めた連続画素数PctおよびPcvと、抽出されたマ
ッチング領域の横方向の画素数Ptおよび縦方向の画素
数Pvとの比較がなされる(S37)。例えば、図32
(b)に示すような連続した横線が存在するマッチング
領域や、図32(c)に示すような連続した斜め線が存
在するマッチング領域の場合、横方向の連続画素数Pc
tは横方向の画素数Ptと一致し、この場合、マッチン
グ領域として適切でないと判断される。また、マッチン
グ領域の上下2辺にわたって斜め線が存在するようなマ
ッチング領域では、縦方向の連続画素数Pcvと該マッ
チング領域の縦方向の画素数Pvとが一致することによ
りマッチング領域として適切でないと判断される。すな
わち、S36、S37では、閾値THsh以上の画素が
連続する領域の連続画素数を求め、その連続画素数とマ
ッチング領域の横方向または縦方向の画素数とを比較
し、Pct=PtまたはPcv=Pvとなった場合に、
マッチング領域が不適切であることを判断するものであ
る。
【0083】上記S37のステップでは、図15に示す
ように、対向する2辺にわたって斜め線が存在するよう
なマッチング領域については、マッチング領域として不
適切であるとして除去可能であるが、図16に示すよう
な直交する2辺にわたって斜め線が存在するようなマッ
チング領域については、Pct≠PtかつPcv≠Pv
となるため、マッチング領域として不適切であるにも関
わらずこれを除去することはできない。そこで、上記S
37において、連続画素数PctまたはPcvと抽出さ
れたマッチング領域の横方向の画素数Ptまたは縦方向
の画素数Pvとが一致しない場合は、S38に移行す
る。
【0084】上記S38では、マッチング領域内の連続
領域において、その端部画素の座標が求められる。ここ
で、上記端部画素の座標は、上記S36において連続画
素数を求める時点で求められており、これをそのまま使
用できる。S39では、上記連続領域の端部座標に、該
マッチング領域の隅部座標が含まれるか否かの判断がな
される。すなわち、連続する斜め線がマッチング領域内
のどの領域に位置しているのか(探索領域の隣接する境
界線を横切っているのか否か)によりマッチング領域の
適否を判断するものである。これを、図17を用いてよ
り詳細に説明する。図17に示すマッチング領域では、
連続領域としての斜め線が存在している。ここで、上記
マッチング領域の隅部座標は、A(x1 ,y1 )、B
(x1 ,y 2 )、C(x2 ,y2 )、D(x2 ,y1
であり、斜め線の端部座標はE(x 1 ,yn )(y2
n <y1 )、F(xm ,y2 )(x1 <xm <x2
である。この時、上記B点の座標が、斜め線の端部であ
るE点およびF点に含まれることとなり、上記斜め線
は、B点を交点とする2辺にわたって存在すると判断さ
れ、マッチング領域として不適切と判定される。
【0085】S39において、連続領域の端部座標にマ
ッチング領域の隅部座標が含まれない場合、該マッチン
グ領域は適切であると判断される(S40)。一方、S
31、S32、S35、S37、S39の何れかのステ
ップにおいて、該ステップの条件を満たすと判断された
場合(YESとなった場合)には、該マッチング領域は
不適切であると判断される(S41)。
【0086】続いて、パターンマッチングが適切になさ
れた後、このパターンマッチング結果に基づいて行われ
る画像合成処理について説明する。
【0087】上記パターンマッチングでは、重複した領
域が含まれるように読み取られた2つの画像をつなぎ合
わせるために、一方の画像の重複領域において参照ブロ
ックを、他方の画像の重複領域において探索領域を設定
し、上記探索領域内で参照ブロックを移動させ、該参照
ブロックに対応する対応画像領域を輝度差法に基づいて
抽出する。例えば、図18に示すように、つなぎ合わさ
れる一方の画像において参照ブロックS1 ないしSn
設定され、他方の画像において探索領域T1 ないしTn
が設定されている時、探索領域T1 ないしTn 内より参
照ブロックS1ないしSn のそれぞれに対応する対応画
像領域S1 ’ないしSn ’が抽出される。
【0088】上記対応画像領域の抽出は全てのマッチン
グ領域においてなされるが、その後、パターンマッチン
グの適否を判定するために、参照ブロックと対応画像領
域との相互相関係数が求められ、該相互相関係数が閾値
以上となるマッチング領域の中から相互相関係数の大き
いマッチング領域が所定数(2つ程度)抽出される。そ
して、上記画像合成は最終的に抽出された2つ以上のマ
ッチング領域において、参照ブロックと対応画像領域が
一致するように移動させて合成を行う。
【0089】この時、2つ以上のマッチング領域を抽出
することにより、つなぎ合わされる2つの画像に角度ず
れが生じていたとしても、該角度ずれが許容範囲以上に
大きくなければこれを補正することが可能である。例え
ば、図19に示すように、最終的に抽出された2つのマ
ッチング領域として、参照ブロックSa・Sbと、これ
に対応する対応画像領域Sa’・Sb’とが抽出された
場合、参照ブロックおよび対応画像領域の両方におい
て、基準点(同図では左上隅の画素)の座標に基づいて
2つのマッチング領域間の傾きが求められる。ここで
は、参照ブロックSa・Sbについては図19(b)に
示すように基準点のx座標は一致しているのに対し、対
応画像領域Sa’・Sb’については図19(a)に示
すように基準点のx座標にx’、y座標にy’のずれが
生じている。これにより、対応画像領域Sa’・Sb’
が設定されている側の画像は、参照ブロックSa・Sb
が設定されている側の画像に対し、θ=tan-1(x’
/y’)となる角度θのずれが生じていることが分か
り、角度θの補正を行ってから画像合成処理を行うこと
ができる。
【0090】以上の説明においては、輝度差法によって
パターンマッチングを行い、相互相関係数によってマッ
チング結果を判定しているが、通常、輝度差法による算
出値および相互相関係数は、どちらも二つの画像の類似
性を計るための尺度として用いられる係数である。ここ
で、パターンマッチングに輝度差法を用い、マッチング
結果判定に相互相関係数を用いる理由は以下の通りであ
る。
【0091】すなわち、輝度差法によるパターン診断
は、算出式が簡単なため演算速度は早いが精度は低い。
一方、相互相関係数によるパターン診断は、算出式が複
雑なため演算速度は遅いが精度は高い。パターンマッチ
ングを行う段階では、探索領域の全域において参照ブロ
ックとの比較演算を行うため、その演算回数は多く必要
となり、演算速度の早い輝度差法が適している。また、
マッチング結果判定では、既に上記パターンマッチング
において一致していると思われるマッチング領域につい
てのみ演算すれば良いので、精度が高い相互相関係数を
用いることが適している。これにより、迅速で高精度な
パターンマッチングが行われる。尚、相互相関係数によ
ってパターンマッチングを行うと、最初から精度の高い
結果が得られるためマッチング結果判定は不要となる
が、演算時間は上記方法に比べ長くなり、演算部の負担
も大きくなる。
【0092】〔実施の形態2〕上記実施の形態1に係る
画像処理装置では、マッチング領域判定部4において、
マッチング領域として相応しくない領域、例えば、全面
白画素や黒画素の領域や、縦方向・横方向・斜め方向に
連続する直線が存在する領域を事前に除去してパターン
マッチングを行うことにより、高精度に画像の合成を行
うことのできる画像処理装置及び画像合成方法を提案し
ている。
【0093】しかしながら、上記の画像処理装置及び画
像合成方法においては、図21(a)および(b)に示
すように、折れ線や緩やかに変化する曲線が存在するパ
ターンを有するマッチング領域、あるいは、図21
(c)および(d)に示すように、2 本の直線が存在す
るパターンを有するマッチング領域では、パターンマッ
チングが可能であるにも関わらず不適当なマッチング領
域として除外されて、すなわち、誤判定されてしまう。
【0094】本実施の形態2における画像処理装置は、
上記実施の形態1とは異なるマッチング領域判定方法を
示すものであり、上記不具合を解消することができる。
【0095】本実施の形態2に係る画像処理装置は、マ
ッチング領域判定部として、図2に示すマッチング領域
判定部4の代わりに、図22に示すマッチング領域判定
部61を備えた構成であり、このマッチング領域判定部
61以外の構成は図1の構成と同様である。
【0096】上記マッチング領域判定部61は、特徴画
像閾値設定部(閾値設定手段)62、ヒストグラム作成
部(濃度ヒストグラム作成手段)63、特徴画像判定部
64、交点算出部(交点算出手段)65、直線作成部
(直線作成手段)66、パターン判定部67、および傾
き比較部68を備えている。
【0097】上記特徴画像閾値設定部62は、図1に示
すマッチング領域抽出部3により抽出された画像領域に
対し、画素濃度に対する閾値THw(白)・THg1・
THg2(グレー)・THb(黒)、画素数に対する閾
値THpw(白)・THpg(グレー)・THpb
(黒)を設定する。
【0098】上記ヒストグラム作成部63は、マッチン
グ領域抽出部3により抽出された上記画像領域全てに対
して濃度ヒストグラム(画素濃度に対して、該画素濃度
を有する画素の個数を示したヒストグラム)を作成す
る。
【0099】上記特徴画像判定部(第3の画像判定手
段)64は、上記画像領域に対し、その画像領域が全面
白画像、グレー画像あるいは、黒画像か否かの判断を行
う。
【0100】上記交点算出部65は、上記画像領域の境
界線上に黒画素があるか否かを判定し、交点の位置座標
を求める。尚、ここでは、上記交点算出手段が第4の画
像判定手段を兼ねている。上記直線算出部66は、上記
交点算出部65で求めた各交点より、全ての組み合わせ
の直線を作成する。上記パターン判定部67は、上記直
線算出部66で作成された直線上に黒画素が存在するか
否かの判定を行う。そして、上記傾き比較部68は、上
記画像領域内に直線が2つ以上存在する場合に、各直線
の傾きを比較する。上記パターン判定部67および傾き
比較部68が第5の画像判定手段に相当する。
【0101】上記マッチング領域判定部61におけるマ
ッチング領域判定処理を図23、24のフローチャート
を参照して説明する。尚、本実施の形態2における画像
合成処理は、実施の形態1において図4、5のフローチ
ャートを用いて説明した処理と概ね一致するものであ
り、S6におけるマッチング領域の判定方法のみが異な
る。すなわち、上記図23、24のフローチャートは、
図4、5のフローチャートのS6の処理において、図
9、10のフローチャートとは別の例を示すものであ
る。また、マッチング領域としての探索領域および参照
ブロックの関係も図6に示すものと同様である。
【0102】先ず、ヒストグラム作成部にてマッチング
領域全体のヒストグラムを作成する(S51)。ここで
作成されるヒストグラムは、図25に示すように、濃度
値と各濃度値に対応する画素数とを示したものである。
【0103】次に、上記S51にて作成されたマッチン
グ領域全体の濃度ヒストグラムに基づき、閾値THw以
下の濃度を有する画素数が求められ、その画素数が予め
設定された閾値THpwと比較されることにより、該マ
ッチング領域が白画像であるか否かが判断される(S5
2)。このとき、閾値THw以下の濃度を有する画素数
が閾値THpw以上であれば、抽出されたマッチング領
域は白画像であると判断され、マッチング領域として不
適であると判断される。
【0104】また、上記S52にて上記マッチング領域
が白画像でないと判断された場合には、次いで、マッチ
ング領域全体の濃度ヒストグラムに基づいて、閾値TH
b以上の濃度を有する画素数が求められ、その画素数が
閾値THpbと比較されることにより、該マッチング領
域が黒画像であるか否かが判断される(S53)。この
とき、閾値THb以上の濃度を有する画素数が閾値TH
pb以上であれば、抽出されたマッチング領域は黒画像
であると判断され、マッチング領域として不適であると
判断される。
【0105】また、上記S53にて上記マッチング領域
が黒画像でもないと判断された場合には、次いで、閾値
THg1〜THg2の範囲内の濃度を有する画素数が求
められ、その画素数が閾値THpgと比較されることに
より、該マッチング領域がグレー画像であるか否かが判
断される(S54)。このとき、閾値THg1〜THg
2の範囲内の濃度を有する画素数が閾値THpg以上で
あれば、抽出されたマッチング領域はグレー画像である
と判断され、マッチング領域として不適であると判断さ
れる。
【0106】このように、 上記S52〜54のステッ
プの何れかにおいてYESとなった場合には、画像全体
においてほぼ均一な濃度を有する領域が不適なマッチン
グ領域として除去される。但し、このようなほぼ均一な
濃度を有する領域意外にも、1本の直線、または複数の
平行な直線を有する領域(図26(a)参照)もマッチ
ング領域としては不適となるため以下の処理によりこれ
を除去する。
【0107】上記S52〜54のステップの全てにおい
てNOとなった場合には、S55に移行し、S55のス
テップでは抽出されたマッチング領域の境界線上の交点
が求められる。すなわち、上記S52〜54においてN
Oとなったマッチング領域は、白画像、黒画像、および
グレー画像の何れでもないと判定されたことになり、該
マッチング領域は、その領域内において、例えば、文字
や図形などの下地とは異なる濃度を有する領域(濃度領
域)が含まれていることとなる。上記S55では、この
濃度領域がマッチング領域の境界線と交点を有するか否
かが求められることとなる。
【0108】上記S55にて境界線上の交点の有無が確
認され、境界線上に交点が存在しなければ(S56でN
O)、上記マッチング領域内に存在する濃度領域の位置
を確定することによってマッチング処理が可能となるの
で、マッチング領域として適切であると判断される。
【0109】一方、上記境界線上に交点が存在する場合
には、その交点の数が確認され、交点が偶数であるか奇
数であるかが判定される(S57)。上記交点が奇数個
であれば、上記マッチング領域内に存在する濃度領域
は、図26(c)に示すように、マッチング領域内にエ
ッジ(端部)を有することとなり、この端部の位置を確
定することによってマッチング処理が可能となるので、
マッチング領域として適切であると判断される。
【0110】また、上記境界線上の交点の数が偶数であ
る場合には、これらの交点を結んでできる直線が求めら
れる(このような直線の存在を確認する)(S58)。
この時、先ず、上記境界線上に存在する交点に対して想
定しうる全ての直線が仮想的に求められる。例えば、図
27に示すように、マッチング領域の境界線上に4つの
交点A1〜A4が存在する場合、これらの交点に対応す
る直線としては、B1〜B5の直線が想定できる。そし
て、想定された直線上に黒画素があるか否かを確認し、
黒画素のある直線については直線が存在すると判断す
る。
【0111】こうして、上記S58においてマッチング
領域内の直線の存在が確認されると(S58にて確認さ
れた存在する直線の数)と{(S57にて確認された境
界線状の交点の数)/2}とが比較される(S59)。
このとき、 (存在する直線の数)≠{(交点の数)/2} であれば、マッチング領域として適切であると判断され
る。これは、以下の理由による。
【0112】すなわち、上記S59での処理は、マッチ
ング領域としては不適となる1本の直線や、複数の平行
な直線を有する領域を除去することを目的とするもので
あり、このような不適領域では (存在する直線の数)={(交点の数)/2} となるためである。尚、(存在する直線の数)<{(交
点の数)/2}となる場合は、該マッチング領域が、折
れ線を含む領域(図26(d)参照)あるいは曲線を含
む領域であると考えられ、マッチング領域として適切で
あると判断される。
【0113】上記S59において、(存在する直線の
数)={(交点の数)/2}であった場合には、1本の
直線や、複数の平行な直線を有する領域を除去するため
に、存在する直線の傾きが求められる(S60)。尚、
直線の傾きについては、図28に示すように、交点の座
標位置より容易に求められる。例えば、境界線上に存在
する交点として、交点1(x1 ,y1 )、交点2
(x2 ,y2 )、交点3(x3,y3 )、交点4
(x4 ,y4 )が存在し、交点1および2の間に直線
A、交点3および4の間に直線Bが存在する場合、直線
Aおよび直線Bの式は、 直線A:y=(y1 −y2 )/(x1 −x2 )x+ka 直線B:y=(y3 −y4 )/(x3 −x4 )x+kb で与えられ、それぞれの直線の傾きは、(y1 −y2
/(x1 −x2 )、(y 3 −y4 )/(x3 −x4 )と
なる。
【0114】この時、求められた直線の傾きが1つ(す
なわち、存在する直線が1本のみ)、あるいは、複数の
直線が存在する場合でその傾きが全て同じ場合には、該
マッチング領域は、1本の直線、あるいは複数の平行な
直線を有する領域であると判断され、マッチング領域と
しては不適となり除去される(S61でYES)。最終
的にS61でNOとなった場合には、例えば、図26
(b)に示すように、互いに平行でない複数の直線が含
まれる場合が考えられ、この場合は、直線の位置関係を
特定することによりマッチングが可能であるため、該マ
ッチング領域は適切であると判断される。
【0115】〔実施の形態3〕上記実施の形態1に係る
画像処理装置では、パターンマッチング部6において、
合成される一方の画像に探索領域を設け、他方の画像に
参照ブロックを設けてパターンマッチングを行う際、先
ず、輝度差法を用いてパターンマッチングを行うマッチ
ング領域を特定している。次に、マッチング結果判定部
7により、このようにして求められたマッチング領域の
相互相関係数を求め、相互相関係数が予め定められた閾
値以上のマッチング領域を抽出してパターンマッチング
を行っている。
【0116】この場合、輝度差法と相互相関係数を用い
てパターンマッチングを行うのではなく、相互相関係数
のみを用いて行うことも可能である。本実施の形態で
は、パターンマッチングを行うと共に、そのマッチング
結果を定量的に判断することによりパターンマッチング
処理をより迅速に行う手法について説明する。
【0117】本実施の形態3に係る画像処理装置の構成
を図29に示す。図29に示す上記画像処理装置の構成
は、図1に示した画像処理装置とほぼ類似した構成を有
するものであるが、図1におけるパターンマッチング部
6およびマッチング結果判定部7に変わり、マッチング
処理部(パターンマッチング手段)71を有している。
【0118】上記マッチング処理部71は、図30に示
すように、2値化部72、第1の閾値設定部73、画素
数計数部74、相互相関係数算出部75、相互相関係数
比較部76、第2の閾値設定部77、および領域選択部
78を有している。
【0119】上記2値化部72は、マッチング領域とし
て適切であると判断された領域(探索領域・参照ブロッ
ク)について、該マッチング領域内の各画素を閾値TH
sh2で黒画素と白画素とに2値化する。上記閾値TH
sh2は、上記第1の閾値設定部73で設定される。
【0120】上記画素数計数部74では、上記マッチン
グ領域の縦方向および横方向の各ライン毎に閾値THs
h2以上の濃度を有する黒画素の数を計数する。そし
て、上記相互相関係数算出部75は、マッチング領域毎
に縦方向・横方向の画素数計数結果に対して、相互相関
係数を求める。
【0121】以下に、上記画素数計数部74における黒
画素の係数方法および相互相関係数算出部75における
相互相関係数の算出方法について、図31を参照して詳
細に説明する。尚、以下の説明では、探索領域は8×1
0ブロック、参照ブロックは4×6ブロックの場合を例
示する。このとき、探索領域および参照ブロックは何れ
も濃度が2値化されており、黒画素(閾値THsh2以
上の濃度を有する画素)および白画素(閾値THsh2
未満の濃度を有する画素)のみからなっている。
【0122】探索領域は、図31(a)に示すように、
M×N個の画素Tnm(M=8:0≦m≦7、N=10:
0≦n≦9)からなっており、参照ブロックは、図31
(d)に示すように、X×Y個の画素Syx(X=4:0
≦x≦3、Y=6:0≦y≦5)からなっている。
【0123】画素数計数部74では、参照ブロックおよ
び探索領域において、縦方向および横方向の各ライン毎
に閾値THsh2以上となる黒画素の数が計数される
が、このとき、参照ブロックについては、領域全体につ
いて求められるのに対し、探索領域では、参照ブロック
と対応する大きさの画像領域毎に求められる。
【0124】つまり、探索領域については、該探索領域
内で参照ブロックを1画素ずつずらせて、参照ブロック
と重複する領域について各ライン毎に閾値THsh2以
上となる黒画素の数が計数される。この時、各参照ブロ
ックの位置に対応する各ライン毎の黒画素数は、図31
(b),(c)に示すようなテーブルとして求めておく
ことが好ましい。上記テーブルでは、探索領域上におけ
る参照ブロックに対応する位置が、Tij(左上の画素位
置)〜Ti+5,j+3 (右下の画素位置)であるとき、横方
向の各ラインにおける黒画素の数がHijで表され、縦方
向の各ラインにおける黒画素の数がVijで表される。
【0125】例えば、上記探索領域において、参照ブロ
ックに対応する画像領域としてTnm(0≦m≦3、0≦
n≦5)を考えると、横ラインについては、 T00〜T03の画素ラインにおける黒画素の数 → H00、 T10〜T13の画素ラインにおける黒画素の数 → H10、 : T50〜T53の画素ラインにおける黒画素の数 → H50、 として、図31(b)に示すテーブルに格納される。
【0126】また、縦ラインについては、 T00〜T50の画素ラインにおける黒画素の数 → V00、 T01〜T51の画素ラインにおける黒画素の数 → V01、 : T03〜T53の画素ラインにおける黒画素の数 → V03、 として、図31(c)に示すテーブルに格納される。
【0127】このように、探索領域については、参照ブ
ロックに対応する位置毎に先にライン毎の黒画素の数を
求めてテーブル化しておくことにより、後のパターンマ
ッチング処理を迅速化できる。また、上記テーブルを求
めるにあたっては、参照ブロックをずらした時に、ブロ
ック内からはみ出た画素を除き、新たにブロック内に入
った画素を加えて計算すると計算が迅速に行える。
【0128】さらに、参照ブロックに関しては、図31
(d)に示すように、横ラインについては、 S00〜S03の画素ラインにおける黒画素の数 → h0、 S10〜S13の画素ラインにおける黒画素の数 → h1、 : S50〜S53の画素ラインにおける黒画素の数 → h5、 に格納され、縦ラインについては、 S00〜S50の画素ラインにおける黒画素の数 → v0、 S01〜S51の画素ラインにおける黒画素の数 → v1、 : S03〜S53の画素ラインにおける黒画素の数 → v3、 に格納される。こうして、参照ブロック毎にh0〜h5
・v0〜v3の値が求められる。
【0129】このように、上述の手順により、探索領域
内での横ラインの黒画素数Hij・縦ラインの黒画素数V
ijが対応する参照ブロックの位置毎に順次求められ、メ
モリ等の記憶手段に格納される。
【0130】次いで、相互相関係数算出部75における
相互相関係数の算出方法を説明する。上記相互相関係数
算出部75は、参照ブロックで求められたデータhi
jと、該参照ブロックが探索領域のある所定位置にあ
る場合に該参照ブロックに対応する位置でのデータHij
・Vijとを読み出し相互相関係数を求める。上記相互相
関係数も、横ライン方向と縦ライン方向とで別々に求め
られるものであり、最初に縦ライン方向の相互相関係数
T の算出方法について説明する。
【0131】このとき使用されるデータは、参照ブロッ
クについてはv0〜v3であり、探索領域については、
参照ブロックの左上の画素が探索領域の画素Tijと重な
る位置にある場合、Vij〜Vi,j+3 である。そして、先
ず、数3および数4に示される式によって、v0〜v3
の平均値/v(bar v)とVij〜Vi,j+3 の平均値/V
i (bar Vi )が求められる。
【0132】
【数3】
【0133】
【数4】
【0134】上記数3、4によって求まった/vおよび
/Vi を用いて、縦ライン方向の相互相関係数rT は、
以下の数5によって求まる。
【0135】
【数5】
【0136】また、横ライン方向の相互相関係数rH
関しては、使用されるデータは、参照ブロックについて
はh0〜h5であり、探索領域については、参照ブロッ
クの左上の画素が探索領域の画素Tijと重なる位置にあ
る場合、Hij〜Hi+5,j である。先ず、数6および数7
に示される式によって、h0〜h5の平均値/h(bar
h)とHij〜Hi+5,j の平均値/Hj (bar Hj )が求
められる。
【0137】
【数6】
【0138】
【数7】
【0139】上記数6、7によって求まった/hおよび
/Hj を用いて、横ライン方向の相互相関係数rH は、
以下の数8によって求まる。
【0140】
【数8】
【0141】尚、以上の数3〜8において、i,jは、 i=0,1,…,N−Y j=0,1,…,M−X である。
【0142】上記方法によって算出される相互相関係数
T およびrH は、探索領域内での参照ブロックの各位
置によって求まるものであり、上記相互相関係数rT
よびrH の和が最も大きい時に、探索領域上で上記参照
ブロックに対応する領域を対応画像領域とする。
【0143】上記対応画像領域は、探索領域および参照
ブロックからなるマッチング領域において1つ求まる
が、このようなマッチング領域は、合成される画像デー
タの重複領域において複数設定されることは実施の形態
1において述べた通りである(図18参照)。
【0144】このため、上記マッチング領域が重複領域
においてN個設定されているとすると、上記対応画像領
域の数もN個となり、相互相関係数比較部76では、こ
れらの対応画像領域における相互相関係数が第2の閾値
設定部77において設定されている閾値THccと比較
され、相互相関係数が閾値THcc以上となる領域が所
定数あるか否かを判定する。
【0145】この時、相互相関係数が閾値THcc以上
となる領域が所定数に到達していない場合は、上記マッ
チング領域の設定が不適当であるとし、再度マッチング
領域の抽出を行うか、あるいは、画像の読み取りを行
う。また、相互相関係数が閾値THcc以上となる領域
が所定数に達していれば、その中から相互相関係数の大
きい対応画像領域を抽出し画像合成を行う。この画像合
成処理は、図5のS20で実施される処理と同様の処理
が行われる。
【0146】
【発明の効果】本発明の画像処理装置は、以上のよう
に、上記マッチング領域抽出手段によって抽出されたマ
ッチング領域が適切か否かの判断を行うマッチング領域
判定手段を備えており、上記マッチング領域判定手段に
よって不適切と判断されたマッチング領域がある場合、
上記マッチング領域抽出手段が、不適切と判断されたマ
ッチング領域に代わり新たなマッチング領域を再抽出す
るようになっている構成である。
【0147】また、本発明の画像合成方法は、以上のよ
うに、上記第2のステップの後で、該第2のステップに
よって抽出されたマッチング領域が適切か否かの判断を
行う第5のステップが行われ、上記第5のステップによ
って不適切と判断されたマッチング領域がある場合、不
適切と判断されたマッチング領域に代わり新たなマッチ
ング領域を再抽出するために、再度第2のステップが行
われる構成である。
【0148】それゆえ、パターンマッチングを行う際
に、抽出された画像(マッチング)領域の適否を判定す
ることで、不適切なマッチング領域が使用されることに
起因する誤ったパターンマッチングを低減することがで
きるという効果を奏する。
【0149】また、上記画像処理装置では、以上のよう
に、上記マッチング領域判定手段は、全面白画像または
全面黒画像であるマッチング領域を認識し、これをマッ
チング領域として不適切な領域であると判定する第1の
画像判定手段と、マッチング領域の第1方向および第1
方向と交差する第2方向の各ライン毎に濃度ヒストグラ
ムを作成し、各ライン毎の特徴を抽出することによりマ
ッチング領域の適否を判断する第2の画像判定手段とを
備えており、マッチング領域判定時には、上記第1の画
像判定手段による判定を先に行い、該第1の画像判定手
段によってマッチング領域として不適切であるとの判定
がなされなかったマッチング領域に対してのみ、上記第
2の画像判定手段によりマッチング領域の適否を判断す
るようになっている構成である。
【0150】それゆえ、マッチング領域が全面白画像ま
たは全面黒画像というマッチング領域として不適切であ
り、かつ、大きな特徴を有する画像であった場合、これ
を迅速に判断することができる。また、第2の画像判定
手段では、縦方向、横方向、あるいは、斜め方向に連続
する線のパターンが存在するマッチング領域を除去可能
となる。抽出されたこれらの領域はマッチング領域から
は除外されるので、精度良くパターンマッチングを行う
ことができるという効果を奏する。
【0151】また、上記画像処理装置では、以上のよう
に、上記マッチング領域判定手段は、上記マッチング領
域全体に対し、各画素濃度における画素数を示す濃度ヒ
ストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、画
素濃度に対する複数の閾値を設定する閾値設定手段と、
上記濃度ヒストグラムと、上記閾値設定手段によって予
め設定された複数の閾値とを基にマッチング領域の適否
を判断する上記第3の画像判定手段とを備えており、上
記第3の画像判定手段は、上記閾値によって示される特
定の範囲内の画素濃度を有する画素数を求め、その画素
数が所定数以上ある場合に、該マッチング領域を不適切
であると判断する構成とすることができる。
【0152】それゆえ、マッチング領域全体に対して、
白画像、黒画像のみではなくグレー画像であるか否かの
判定をも行うことが可能となる。これにより、同程度の
濃度を有する画素が所定数以上含まれる均一な濃度のマ
ッチング領域を、より高い精度で不適切と判断すること
ができるという効果を奏する。
【0153】また、上記画像処理装置では、以上のよう
に、上記マッチング領域判定手段は、さらに、上記第3
の画像判定主段においてマッチング領域として不適切で
あるとの判断を受けなかったマッチング領域に対して、
該マッチング領域の境界線上の交点の情報を求める交点
算出手段と、その結果を基にマッチング領域の適否を判
断する第4の画像判定手段とを備えており、上記第4の
画像判定手段は、上記交点算出主段によって上記交点の
存在が確認されなかった場合、または、上記交点の数が
奇数個であった場合には、該マッチング領域を適切であ
ると判断する構成とすることができる。
【0154】それゆえ、マッチング領域の境界線上の交
点の情報を求めることにより、マッチング領域にエッジ
部分が存在するか否かを判定することができる。この判
定によって、上記マッチング領域内においてパターンマ
ッチングに使用可能な濃度領域があると判断することが
できるという効果を奏する。
【0155】また、上記画像処理装置では、以上のよう
に、上記マッチング領域判定手段は、さらに、上記第4
の画像判定手段においてマッチング領域として適切であ
るとの判断を受けなかったマッチング領域に対して、マ
ッチング領域の境界線上の交点の情報を基に、該交点を
結ぶ直線の情報を抽出する直線作成手段と、上記直線の
情報を基にマッチング領域の適否を判断する第5の画像
判定手段とを備えており、上記第5の画像判定手段は、
上記マッチング領域内に存在する直線の数が上記交点の
数の1/2であり、かつ、上記マッチング領域内に存在
する全ての直線の傾きが同じである場合には、該マッチ
ング領域を不適切であると判断する構成とすることがで
きる。
【0156】それゆえ、マッチング領域の適否が交点の
有無・数では判断できない場合、交点の位置座標を基
に、マッチング領域内に存在する、連続した横線・縦線
・斜め線及び平行な複数の直線のパターンを不適切とし
て除去することができるという効果を奏する。
【0157】さらに、本発明の画像処理装置は、以上の
ように、上記パターンマッチング手段によるパターンマ
ッチングの結果が適切か否かをを判断するマッチング結
果判定手段を備えており、上記マッチング結果判定手段
によってパターンマッチングの結果が不適切と判断され
た場合、上記マッチング領域抽出手段がマッチング領域
の抽出を再実行するようになっている構成である。
【0158】また、本発明の画像合成方法は、以上のよ
うに、上記第3のステップによるパターンマッチングの
結果が適切か否かを判断する第6のステップを備えてお
り、上記第6のステップによってパターンマッチングの
結果が不適切と判断された場合、上記第2のステップを
再実行する構成である。
【0159】それゆえ、パターンマッチングの結果を判
定することにより、パターンマッチングの信頼性が確保
されるという効果を奏する。
【0160】また、上記画像処理装置では、以上のよう
に、上記マッチング領域抽出手段は、隣接する分割画像
データの重複領域内で、マッチング領域として、一方の
画像では参照ブロックを、他方の画像では探索領域を抽
出・設定し、上記パターンマッチング手段は、輝度差法
を用いて、上記探索領域内からこれに対応する参照ブロ
ックに対して最も輝度差の小さくなる対応画像領域を探
索することでパターンマッチングを行うようになってお
り、上記マッチング結果判定手段は、上記参照ブロック
と上記対応画像領域との相互相関係数を算出し、該相互
相関係数を閾値と比較することによってマッチング結果
の判定を行うようになっている構成である。
【0161】それゆえ、パターンマッチングのマッチン
グ結果の判定を、上記参照ブロックと上記対応画像領域
との相互相関係数を算出して行うことで、各マッチング
領域毎に絶対的な比較が可能となるという効果を奏す
る。
【0162】また、上記画像処理装置は、以上のよう
に、上記マッチング結果判定手段によって相互相関係数
が上記閾値以上の値を有すると判定されたマッチング領
域の中から、該相互相関係数が最も大きいマッチング領
域を少なくとも2つ選択するマッチング領域選択手段を
有し、上記合成手段は、上記マッチング領域選択手段に
よって選択されたマッチング領域に基づいて画像合成を
行うようになっている構成である。
【0163】それゆえ、選択されたマッチング領域に基
づいて画像合成を行うことにより、許容範囲内の画像品
位でもって画像合成処理が迅速に行えるという効果を奏
する。また、少なくとも2つのマッチング領域を選択す
ることにより、合成される画像に角度のずれがあった場
合に、その角度ずれの補正が可能となるという効果を合
わせて奏する。
【0164】さらに、本発明の画像処理装置は、以上の
ように、互いに重複する領域を含む複数の画像を読み取
り、それぞれの画像を多値のデジタル画像データとして
入力する画像入力手段と、上記画像入力手段の各読取り
によって得られた分割画像データからマッチング領域を
抽出するマッチング領域抽出手段と、上記マッチング領
域抽出手段によって抽出されたマッチング領域に基づい
てパターンマッチングを行うパターンマッチング手段
と、上記パターンマッチング手段によって行われたパタ
ーンマッチングの結果に基づいて上記分割画像データを
合成する合成手段とを備えており、上記マッチング領域
抽出手段は、隣接する分割画像データの重複領域内で、
マッチング領域として、一方の画像では参照ブロック
を、他方の画像では探索領域を抽出・設定し、上記パタ
ーンマッチング手段は、マッチング領域を予め定められ
た閾値を基に2値化して横方向・縦方向のライン毎に所
定濃度の画素数を計数し、計数されたライン毎の画素数
の情報に基づいて、参照ブロックと対応する画像領域と
の相互相関係数を算出し、上記相互相関係数が所定条件
を満たす場合にはパターンマッチングの結果が適切であ
ると判断し、満たさなかった場合には、パターンマッチ
ングの結果が不適切と判断し、上記パターンマッチング
手段においてパターンマッチングの結果が不適切である
と判断された場合には、上記マッチング領域抽出手段が
マッチング領域の抽出を再実行するようになっている構
成である。
【0165】それゆえ、相互相関係数のみを用いて定量
的にパターンマッチングおよびパターンマッチングの適
否の判定を行うので、精度良く処理を行うことができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、画像処
理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像処理装置におけるマッチング領域判定
部の構成を示すブロック図である。
【図3】上記画像処理装置におけるマッチング結果判定
部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記画像処理装置において実施される画像合成
処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】上記画像処理装置において実施される画像合成
処理の一部を示すフローチャートである。
【図6】上記画像処理装置において画像合成処理を行う
際に抽出されるマッチング領域を示すものであり、図6
(a)は第1回目の読み取り画像の重複領域内に設定さ
れる探索領域を示す模式図、図6(b)は第2回目の読
み取り画像の重複領域内に設定される参照ブロックを示
す模式図である。
【図7】上記画像処理装置におけるパターンマッチング
を行う際の方法を示す説明図である。
【図8】上記画像処理装置におけるパターンマッチング
で、マッチング領域のパターンが一致しなくても輝度差
法による算出値が最小値となる場合を示すものであり、
図8(a)は1回目の画像読取りと2回目の画像読取と
で角度のずれがある場合、図8(b)は原稿が少し浮い
た状態で原稿載置台に置かれた場合、図8(c)は原稿
に折り目がある場合を示す説明図である。
【図9】上記画像処理装置の画像合成処理において、抽
出されたマッチング領域の適否を判定する処理の一部を
示すフローチャートである。
【図10】上記画像処理装置の画像合成処理において、
抽出されたマッチング領域の適否を判定する処理の一部
を示すフローチャートである。
【図11】上記マッチング領域の適否を判定する処理に
おいて、マッチング領域の各ライン毎に濃度ヒストグラ
ムを作成する方法を示す説明図である。
【図12】マッチング領域の適否の判定例を説明する図
であり、図12(a)はマッチング領域の画像を示す説
明図、図12(b)は図12(a)に示す画像において
ラインTa1の濃度ヒストグラム、図12(c)は図1
2(a)に示す画像においてラインTa2の濃度ヒスト
グラムである。
【図13】マッチング領域の適否の他の判定例を説明す
る図であり、図13(a)はマッチング領域の画像を示
す説明図、図13(b)は図13(a)に示す画像にお
いてラインTb1の濃度ヒストグラム、図13(c)は
図13(a)に示す画像においてラインTb2の濃度ヒ
ストグラムである。
【図14】マッチング領域の適否のさらに他の判定例を
説明する図であり、図14(a)はマッチング領域の画
像を示す説明図、図14(b)は図14(a)に示す画
像においてラインTc1の濃度ヒストグラム、図14
(c)は図14(a)に示す画像においてラインTc2
の濃度ヒストグラムである。
【図15】対向する2辺にわたって斜め線が存在するよ
うなマッチング領域において、マッチング領域としての
適否を判定する方法を説明する説明図である。
【図16】直交する2辺にわたって斜め線が存在するよ
うなマッチング領域を示す説明図である。
【図17】直交する2辺にわたって斜め線が存在するよ
うなマッチング領域において、マッチング領域としての
適否を判定する方法を説明する説明図である。
【図18】図1に示す画像処理装置の画像合成処理にお
いて、パターンマッチング結果を示す説明図である。
【図19】上記画像処理装置の画像合成処理におけるパ
ターンマッチング結果に基づいて角度ずれを補正する場
合の補正方法を説明するものであり、図19(a)はパ
ターンマッチングによって抽出された対応画像領域を示
す説明図、図19(b)はパターンマッチングを行うた
めに抽出された参照ブロックを示す説明図である。
【図20】本発明が適用されるデジタル画像形成装置の
概略構成を示す断面図である。
【図21】図21(a)〜(d)は、マッチング領域と
してマッチング位置が特定できるにも関わらず、実施の
形態1の処理では、マッチング領域として排除される場
合の例を示す説明図である。
【図22】実施の形態2の画像処理装置におけるマッチ
ング領域判定部の構成を示すブロック図である。
【図23】上記マッチング領域判定部の処理において、
抽出されたマッチング領域の適否を判定する処理の一部
を示すフローチャートである。
【図24】上記マッチング領域判定部の処理において、
抽出されたマッチング領域の適否を判定する処理の一部
を示すフローチャートである。
【図25】上記マッチング領域判定部のヒストグラム作
成部で作成される濃度ヒストグラムを示す説明図であ
る。
【図26】上記マッチング領域判定部におけるパターン
マッチングの例を示す図であり、(a)はマッチング位
置が特定できない場合、(b)〜(d)はマッチング位
置が特定できる場合を示す説明図である。
【図27】マッチング領域の境界線上にある交点から直
線を求める場合の、仮想的な直線を示す説明図である。
【図28】上記マッチング領域判定部において、マッチ
ング領域の交点を抽出し、交点を結ぶ直線を求める方法
を示す説明図である。
【図29】実施の形態3に係る画像処理装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図30】上記画像処理装置におけるマッチング処理部
の構成を示すブロック図である。
【図31】上記マッチング処理において、マッチング領
域の相互相関係数を求める際、各ライン毎のデータを算
出する方法を示す説明図である。
【図32】パターンマッチングでマッチング位置が特定
できない場合のマッチング領域の例を示すものであり、
図32(a)はマッチング領域に連続した縦線が存在す
る場合、図32(b)はマッチング領域に連続した横線
が存在する場合、図32(c)はマッチング領域に連続
した斜め線が存在する場合を示す。
【符号の説明】
1 画像読取部(画像入力手段) 3 マッチング領域抽出部(マッチング領域抽出手
段) 4・61 マッチング領域判定部(マッチング領域判定
手段) 6 パターンマッチング部(パターンマッチング手
段) 7 マッチング結果判定部(マッチング結果判定手
段) 8 画像合成部(合成手段) 10 特徴画像判定部(第1の画像判定手段) 11 濃度ヒストグラム作成部(第2の画像判定手
段) 12 第1閾値設定部(第2の画像判定手段) 13 座標位置算出部(第2の画像判定手段) 14 座標位置比較部(第2の画像判定手段) 15 画素数計数部(第2の画像判定手段) 16 画素数比較部(第2の画像判定手段) 17 座標位置判定部(第2の画像判定手段) 21 領域選択部(マッチング領域選択手段) 62 特徴画像閾値設定部(閾値設定手段) 63 ヒストグラム作成部(濃度ヒストグラム作成手
段) 64 特徴画像判定部(第3の画像判定手段) 65 交点算出部(交点算出手段・第4の画像判定手
段) 66 直線作成部(直線作成手段) 67 パターン判定部(第5の画像判定手段) 68 傾き比較部(第5の画像判定手段) 71 マッチング処理部(パターンマッチング手段) S1 〜SN 参照ブロック T1 〜TN 探索領域 S1 ’〜SN ’ 対応画像領域

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに重複する領域を含む複数の画像を読
    み取り、それぞれの画像を多値のデジタル画像データと
    して入力する画像入力手段と、上記画像入力手段の各読
    取りによって得られた分割画像データからマッチング領
    域を抽出するマッチング領域抽出手段と、上記マッチン
    グ領域抽出手段によって抽出されたマッチング領域に基
    づいてパターンマッチングを行うパターンマッチング手
    段と、上記パターンマッチング手段によって行われたパ
    ターンマッチングの結果に基づいて上記分割画像データ
    を合成する合成手段とを備えている画像処理装置におい
    て、 上記マッチング領域抽出手段によって抽出されたマッチ
    ング領域が適切か否かの判断を行うマッチング領域判定
    手段を備えており、 上記マッチング領域判定手段によって不適切と判断され
    たマッチング領域がある場合、上記マッチング領域抽出
    手段が、不適切と判断されたマッチング領域に代わり新
    たなマッチング領域を再抽出するようになっていること
    を特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】上記マッチング領域判定手段は、全面白画
    像または全面黒画像であるマッチング領域を認識し、こ
    れをマッチング領域として不適切な領域であると判定す
    る第1の画像判定手段と、 マッチング領域の第1方向および第1方向と交差する第
    2方向の各ライン毎に濃度ヒストグラムを作成し、各ラ
    イン毎の特徴を抽出することによりマッチング領域の適
    否を判断する第2の画像判定手段とを備えており、 マッチング領域判定時には、上記第1の画像判定手段に
    よる判定を先に行い、該第1の画像判定手段によってマ
    ッチング領域として不適切であるとの判定がなされなか
    ったマッチング領域に対してのみ、上記第2の画像判定
    手段によりマッチング領域の適否を判断するようになっ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】上記マッチング領域判定手段は、上記マッ
    チング領域全体に対し、各画素濃度における画素数を示
    す濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手
    段と、 画素濃度に対する複数の閾値を設定する閾値設定手段
    と、 上記濃度ヒストグラムと、上記閾値設定手段によって予
    め設定された複数の閾値とを基にマッチング領域の適否
    を判断する第3の画像判定手段とを備えており、 上記第3の画像判定手段は、上記閾値によって示される
    特定の範囲内の画素濃度を有する画素数を求め、その画
    素数が所定数以上ある場合に、該マッチング領域を不適
    切であると判断するようになっていることを特徴とする
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】上記マッチング領域判定手段は、さらに、
    上記第3の画像判定手段においてマッチング領域として
    不適切であるとの判断を受けなかったマッチング領域に
    対して、該マッチング領域の境界線上の交点の情報を求
    める交点算出手段と、 その結果を基にマッチング領域の適否を判断する第4の
    画像判定手段とを備えており、 上記第4の画像判定手段は、上記交点算出主段によって
    上記交点の存在が確認されなかった場合、または、上記
    交点の数が奇数個であった場合には、該マッチング領域
    を適切であると判断するようになっていることを特徴と
    する請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】上記マッチング領域判定手段は、さらに、
    上記第4の画像判定手段においてマッチング領域として
    適切であるとの判断を受けなかったマッチング領域に対
    して、マッチング領域の境界線上の交点の情報を基に、
    該交点を結ぶ直線の情報を抽出する直線作成手段と、 上記直線の情報を基にマッチング領域の適否を判断する
    第5の画像判定手段とを備えており、 上記第5の画像判定手段は、上記マッチング領域内に存
    在する直線の数が上記交点の数の1/2であり、かつ、
    上記マッチング領域内に存在する全ての直線の傾きが同
    じである場合には、該マッチング領域を不適切であると
    判断するようになっていることを特徴とする請求項4に
    記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】互いに重複する領域を含む複数の画像を読
    み取り、それぞれの画像を多値のデジタル画像データと
    して入力する画像入力手段と、上記画像入力手段の各読
    取りによって得られた分割画像データからマッチング領
    域を抽出するマッチング領域抽出手段と、上記マッチン
    グ領域抽出手段によって抽出されたマッチング領域に基
    づいてパターンマッチングを行うパターンマッチング手
    段と、上記パターンマッチング手段によって行われたパ
    ターンマッチングの結果に基づいて上記分割画像データ
    を合成する合成手段とを備えている画像処理装置におい
    て、 上記パターンマッチング手段によるパターンマッチング
    の結果が適切か否かを判断するマッチング結果判定手段
    を備えており、 上記マッチング結果判定手段によってパターンマッチン
    グの結果が不適切と判断された場合、上記マッチング領
    域抽出手段がマッチング領域の抽出を再実行するように
    なっていることを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】上記マッチング領域抽出手段は、隣接する
    分割画像データの重複領域内で、マッチング領域とし
    て、一方の画像では参照ブロックを、他方の画像では探
    索領域を抽出・設定し、 上記パターンマッチング手段は、輝度差法を用いて、上
    記探索領域内からこれに対応する参照ブロックに対して
    最も輝度差の小さくなる対応画像領域を探索することで
    パターンマッチングを行うようになっており、 上記マッチング結果判定手段は、上記参照ブロックと上
    記対応画像領域との相互相関係数を算出し、該相互相関
    係数を閾値と比較することによってマッチング結果の判
    定を行うようになっていることを特徴とする請求項6に
    記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】上記マッチング結果判定手段によって相互
    相関係数が上記閾値以上の値を有すると判定されたマッ
    チング領域の中から、該相互相関係数が最も大きいマッ
    チング領域を少なくとも2つ選択するマッチング領域選
    択手段を有し、 上記合成手段は、上記マッチング領域選択手段によって
    選択されたマッチング領域に基づいて画像合成を行うよ
    うになっていることを特徴とする請求項7に記載の画像
    処理装置。
  9. 【請求項9】互いに重複する領域を含む複数の画像を読
    み取り、それぞれの画像を多値のデジタル画像データと
    して入力する画像入力手段と、 上記画像入力手段の各読取りによって得られた分割画像
    データからマッチング領域を抽出するマッチング領域抽
    出手段と、 上記マッチング領域抽出手段によって抽出されたマッチ
    ング領域に基づいてパターンマッチングを行うパターン
    マッチング手段と、 上記パターンマッチング手段によって行われたパターン
    マッチングの結果に基づいて上記分割画像データを合成
    する合成手段とを備えており、 上記マッチング領域抽出手段は、隣接する分割画像デー
    タの重複領域内で、マッチング領域として、一方の画像
    では参照ブロックを、他方の画像では探索領域を抽出・
    設定し、 上記パターンマッチング手段は、マッチング領域を予め
    定められた閾値を基に2値化して横方向・縦方向のライ
    ン毎に所定濃度の画素数を計数し、計数されたライン毎
    の画素数の情報に基づいて、参照ブロックと対応する画
    像領域との相互相関係数を算出し、上記相互相関係数が
    所定条件を満たす場合にはパターンマッチングの結果が
    適切であると判断し、満たさなかった場合には、パター
    ンマッチングの結果が不適切と判断し、 上記パターンマッチング手段においてパターンマッチン
    グの結果が不適切であると判断された場合には、上記マ
    ッチング領域抽出手段がマッチング領域の抽出を再実行
    するようになっていることを特徴とする画像処理装置。
  10. 【請求項10】互いに重複する領域を含む複数の画像を
    読み取り画像データとして入力する第1のステップと、
    上記第1のステップによって得られた分割画像データか
    らマッチング領域を抽出する第2のステップと、上記第
    2のステップによって抽出されたマッチング領域に基づ
    いてパターンマッチングを行う第3のステップと、上記
    第3のステップによって行われたパターンマッチングの
    結果に基づいて上記分割画像データを合成する第4のス
    テップとを備えている画像合成方法において、 上記第2のステップの後で、該第2のステップによって
    抽出されたマッチング領域が適切か否かの判断を行う第
    5のステップが行われ、 上記第5のステップによって不適切と判断されたマッチ
    ング領域がある場合、不適切と判断されたマッチング領
    域に代わり新たなマッチング領域を再抽出するために、
    再度第2のステップが行われることを特徴とする画像合
    成方法。
  11. 【請求項11】互いに重複する領域を含む複数の画像を
    読み取り画像データとして入力する第1のステップと、
    上記第1のステップによって得られた分割画像データか
    らマッチング領域を抽出する第2のステップと、上記第
    2のステップによって抽出されたマッチング領域に基づ
    いてパターンマッチングを行う第3のステップと、上記
    第3のステップによって行われたパターンマッチングの
    結果に基づいて上記分割画像データを合成する第4のス
    テップとを備えている画像合成方法において、 上記第3のステップによるパターンマッチングの結果が
    適切か否かを判断する第6のステップを備えており、 上記第6のステップによってパターンマッチングの結果
    が不適切と判断された場合、上記第2のステップを再実
    行することを特徴とする画像合成方法。
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