JP2895351B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2895351B2
JP2895351B2 JP5145240A JP14524093A JP2895351B2 JP 2895351 B2 JP2895351 B2 JP 2895351B2 JP 5145240 A JP5145240 A JP 5145240A JP 14524093 A JP14524093 A JP 14524093A JP 2895351 B2 JP2895351 B2 JP 2895351B2
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政雄 宮座
一幸 大西
光 玉垣
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Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数頁に跨がって掲載
されている画像を精度良くつなぎ合わせ、1枚の用紙等
につなぎ合わせた画像を形成できる例えば複写機、スキ
ャナ、ファクシミリ、プリンタ等の画像処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】複数の頁にわたる画像を1枚の用紙にま
とめて記録する場合には、例えば特公昭56−3375
2号公報に開示されているような情報記録装置が用いら
れる。この装置では、1頁ごとの画像データがそれぞれ
独立したデータとして記憶されるようになっており、例
えばA4サイズの画像データ4頁分を合成して、A4サ
イズの用紙1枚に縮小し記録できるようになっている。
しかしながら、上記の装置では、画像データが1頁毎の
単独のデータとして記憶されているため、データ間同士
の横のつながりがなく、頁間での画像の位置合わせを行
うことができない。
【0003】そこで、例えば地図等において、各頁に掲
載されている画像のつながりを確認したい場合、従来で
は、各頁毎にそれぞれ縮小コピーをとり、それらを切り
貼りして、1枚の原稿を作成し、さらに作成した原稿を
もう一度コピーするという方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の方法
では、切り貼り等の煩雑な作業が必要なだけでなく、各
頁を縮小コピーする際、出来上がりを想定した縮小率の
設定が困難であると共に、各頁の縮小率に多少の誤差が
生じるため、切り貼りによるつなぎ目にズレが生じる虞
れがあるという問題が生じている。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、作業性の低下を招来することなく、複
数の原稿を精度良くつなぎ合わせることができると共
に、合成した画像を用紙のサイズに応じて自動的に変倍
できる画像処理装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る画
像処理装置は、上記の課題を解決するために、原稿の画
像を読み取る入力手段と、複数頁に跨がって掲載されて
いる画像を各頁毎に原稿データとして記憶する記憶手段
と、上記記憶手段に格納されている原稿データから画像
情報が一致する部分を検索して、原稿データの位置合わ
せを行うつなぎ合わせ処理手段と、画像を形成する記録
媒体のサイズに応じてつなぎ合わせ処理後の原稿データ
を変倍する変倍手段とが設けられ、上記つなぎ合わせ処
理手段は、原稿データから特徴点を抽出することによ
り、原稿のつなぎ目を認識するつなぎ目認識部と、つな
ぎ目認識部にて認識されたつなぎ目の画像が一致するよ
うに原稿データの位置合わせを行う位置合わせ部とを備
えていることを特徴としている。
【0007】また、請求項2の発明に係る画像処理装置
は、上記の課題を解決するために、原稿の画像を読み取
る入力手段と、複数頁に跨がって掲載されている画像を
各頁毎に原稿データとして記憶する記憶手段と、上記記
憶手段に格納されている原稿データ上に生じた影を消去
し、原稿データから画像情報が一致する部分を検索して
位置合わせを行うと共に、上記影の消去により欠落した
画像を補正するつなぎ合わせ処理手段と、画像を形成す
る記録媒体のサイズに応じてつなぎ合わせ処理後の原稿
データを変倍する変倍手段とが設けられていることを特
徴としている。
【0008】また、請求項3の発明に係る画像処理装置
は、上記の課題を解決するために、原稿の画像を読み取
る入力手段と、入力手段により分割して読み取った画像
をそれぞれ原稿データとして記憶する記憶手段と、上記
記憶手段に格納されている原稿データの画像におけるつ
なぎ合わせを行うおおよその位置を示すために、各原稿
データに付された目印をもとに、各原稿データから画像
情報が一致する部分を検索して位置合わせを行うつなぎ
合わせ処理手段とが設けられ、上記つなぎ合わせ処理手
段は、原稿データにおける不要な部分と必要な部分との
境界近傍に引かれた線を目印として、画像情報が一致す
る部分を検索することを特徴としている。
【0009】また、請求項4の発明に係る画像処理装置
は、上記の課題を解決するために、原稿の画像を読み取
る入力手段と、入力手段により分割して読み取った画像
をそれぞれ原稿データとして記憶する記憶手段と、上記
記憶手段に格納されている原稿データの画像におけるつ
なぎ合わせを行うおおよその位置を示すために、各原稿
データに付された目印をもとに、各原稿データから画像
情報が一致する部分を検索して位置合わせを行うつなぎ
合わせ処理手段とが設けられ、上記つなぎ合わせ処理手
段は、原稿データの画像におけるつなぎ合わせを行う位
置付近に存在する特徴の位置を示す記号を目印として、
画像情報が一致する部分を検索することを特徴としてい
る。
【0010】
【0011】
【作用】請求項1の構成によれば、例えば地図等のよう
に、複数の頁に跨がって掲載されている画像をつなぎ合
わせて、記録媒体上に画像を形成する際、記憶手段に格
納されている各頁ごとの原稿データは、つなぎ合わせ処
理手段により、画像情報が一致する部分が検索され、位
置合わせされる。このとき、つなぎ合わせ処理手段のつ
なぎ目認識部によって原稿のつなぎ目が認識され、位置
合わせ部によってつなぎ目の画像が一致するように原稿
データの位置合わせが自動的に行われる。さらに、つな
ぎ合わせ処理後の原稿データは、変倍手段により、上記
記録媒体のサイズに応じて変倍される。
【0012】これにより、前記従来のように、用紙の切
り貼り、縮小率の計算等の面倒な手間を省くことがで
き、作業性の向上を図ることができると共に、つなぎ目
のズレ等を生じることなく良好な画像を得ることができ
る。
【0013】また、請求項2の構成によれば、例えば厚
みのある本等の見開き頁の画像を入力手段により読み取
る際に、原稿データに生じた影は、つなぎ合わせ処理手
段において、消去される。また、影消し処理後の原稿デ
ータは、画像情報の一致する部分が検索された後、位置
合わせされると共に、影消しにより生じた画像の欠落部
が補正され、つなぎ合わせ処理後の原稿データは、変倍
手段により画像を形成する記録媒体のサイズに応じて変
倍される。
【0014】したがって、記憶手段に格納した原稿デー
タに、本の厚みにより影が生じた場合でも、原稿データ
は、影の消去、欠落した画像の補正が行われて、正確に
つなぎ合わされることになり、従来のような切り貼り、
縮小率の計算等の煩雑な手間が不要になるので、作業性
の向上を図ることができると共に、さらに画質の向上を
図ることができ、見易い画像を提供することが可能にな
る。
【0015】また、請求項3の構成によれば、記憶手段
に記憶された原稿データの画像におけるつなぎ合わせを
行うおおよその位置は、原稿データに付された目印で明
らかであり、つなぎ合わせ処理手段は、画像における不
要な部分と必要な部分との境界近傍に引かれた線を目印
として、画像情報が一致する部分を検索し、原稿データ
の位置合わせを行うようになっている。また、請求項4
の構成によれば、記憶手段に記憶された原稿データの画
像におけるつなぎ合わせを行うおおよその位置は、原稿
データに付された目印で明らかであり、つなぎ合わせ処
理手段は、つなぎ合わせを行う位置に存在する特徴の位
置を示すラインや、囲みマーク等の記号を目印として、
画像情報が一致する部分を検索し、原稿データの位置合
わせを行うようになっている。
【0016】したがって、請求項3または4の構成によ
れば、従来のように、面倒な用紙の切り貼り等の手作業
が不要になり、つなぎ目のズレ等を生じることなく、良
好な画像を得ることができる。また、例えば画像の外周
部に余白部が形成されていたり、前後の頁にわたり画像
端部にオーバーラップして同一の画像が形成されている
ような原稿に対してつなぎ合わせ処理を行う場合には、
画像情報が一致する部分を検出するために、画像の端部
からデータの検索を行うと、記憶容量が無駄に消費され
ると共に、余分な処理時間を要するものとなり、またエ
ラーも生じ易くなるが、上記のような目印をもとに検索
を行うことにより、記憶容量を節約でき、また検索時間
等を短縮できるので、正確、かつ迅速に処理を行うこと
が可能になる。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1ないし図4
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0018】本実施例の画像処理装置としてのデジタル
複写機は、図2に示すように、複写機本体26の上端部
に硬質の透明ガラス等からなる原稿載置台27を備えて
いる。原稿載置台27の下方には、ランプユニット1、
ミラー2・3・4、レンズユニット5、CCD(Charge
Coupled Device) センサ6等を有するスキャナユニット
(入力手段)22が設けられている。原稿載置台27上
に載置された原稿(図示せず)をランプユニット1で照
射することによって得られた反射光は、ミラー2・3・
4、レンズユニット5を介して、CCDセンサ6の受光
面に導かれ、電気信号として取り込まれるようになって
いる。
【0019】このスキャナユニット22の下方には、レ
ーザドライバユニット7が設けられており、上記CCD
センサ6により電気信号として取り込まれた原稿データ
は、後述の画像処理系に備えられた画像メモリ(記憶手
段)43に一旦記憶され、所定の処理が施された後、こ
のレーザドライバユニット7に送られるようになってい
る。レーザドライバユニット7は、入力された原稿デー
タに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ、レーザ光
を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度偏向され
たレーザ光が感光体ドラム10上で等角速度偏向される
ように補正するf−θレンズ等を有している。
【0020】レーザドライバユニット7から出射された
レーザ光は、光路上に配設されたミラー8・9により反
射されて、図中矢印A方向に回転可能に設けられた感光
体ドラム10に露光され、感光体ドラム10上に静電潜
像を形成するようになっている。また、感光体ドラム1
0の周囲には、露光に先立って感光体ドラム10表面を
所定の電位に均一に帯電させる帯電器16が設けられ、
さらに、この帯電器16から感光体ドラム10の回転方
向に向かって、感光体ドラム10上の静電潜像にトナー
を供給し、トナー像を形成する現像装置28、感光体ド
ラム10上のトナー像が中間転写される転写ベルト1
7、転写後、感光体ドラム10に残留したトナーを除去
するクリーニング装置21、及び次の帯電に先立って感
光体ドラム10の残留電位を除去する除電ランプ15等
がこの順に配置されている。
【0021】上記現像装置28は、ブラック現像槽1
1、イエロー現像槽12、マゼンタ現像槽13、及びシ
アン現像槽14を備えており、各現像槽11〜14に
は、該当する色のトナーがそれぞれ収納されている。転
写ベルト17は、無端ベルト状に形成され、図中矢印B
方向に移動可能に設けられており、その一部が感光体ド
ラム10に圧接されることで、感光体ドラム10のトナ
ー像が転写されるようになっている。
【0022】また、転写ベルト17に対する給紙側に
は、記録媒体としての用紙を所定のタイミングで転写ベ
ルト17に供給するレジストローラ19、用紙を収納す
る給紙カセット20、及び用紙が載置される給紙トレイ
23が設けられ、これら給紙カセット20及び給紙トレ
イ23付近には、用紙を搬送するための給紙ローラ24
や、搬送ローラ25等が設けられている。転写ベルト1
7の下方には、レジストローラ19から送られる用紙を
転写ベルト17に圧接し、転写ベルト17上のトナー像
を用紙に転写するための転写ローラ18が設けられてい
る。
【0023】転写ベルト17に対する出紙側には、トナ
ー像転写後の用紙を搬送する搬送ベルト30、トナー像
を用紙に加熱定着する定着装置31、定着後の用紙を機
外に排出する排出ローラ32が設けられている。
【0024】上記の構成において、カラーコピー(3 col
or copy)は、以下の動作手順で行われる。まず、帯電器
16が、感光体ドラム10表面を均一に帯電すると、前
記スキャナユニット22により1回目のスキャンが行わ
れ、CCDセンサ6より取り込まれた原稿データ(R・
G・B)は、前記画像処理系を経て、イエローデータを
作成し、レーザドライバユニット7よりレーザ光として
出力され、感光体ドラム10表面を露光し、露光部にイ
エロー用の静電潜像が形成される。次いで、画像領域の
静電潜像にイエロー現像槽12からのイエロートナーが
供給され、同色のトナー像が形成される。
【0025】次に、上記のイエロートナー像が、感光体
ドラム10に圧接されている転写ベルト17に転写され
る。このとき、感光体ドラム10の表面には、転写に寄
与しない一部のトナーが残留するが、この残留トナー
を、クリーニング装置21が掻き落とす。また、除電ラ
ンプ15が、感光体ドラム10表面の残留電荷を除電す
る。
【0026】上記の工程を終了すると、帯電器16が再
度感光体ドラム10表面を均一に帯電し、スキャナユニ
ット22が2回目のスキャンを行い、得られた原稿デー
タが、上記の画像処理系を経てレーザ光により感光体ド
ラム10に露光され、マゼンタ用の静電潜像が形成され
る。次いでマゼンタ現像槽13からマゼンタトナーが供
給され、同色のトナー像が形成される。そして、このト
ナー像が転写ベルト17に転写されて像重ねが行われ
る。その後、クリーニング装置21および除電ランプ1
5による先と同様の処理が行われると、帯電器16が、
感光体ドラム10を均一に帯電して、3回目のスキャン
が行われ、感光体ドラム10上にシアン用の静電潜像が
形成される。そして、シアン現像槽14から感光体ドラ
ム10にシアントナーが供給されて、同色のトナー像が
形成され、このトナー像が転写ベルト17に転写される
ことにより、最終的な像重ねが行われる。
【0027】その後、像重ねされた転写ベルト17上の
トナー像が用紙に転写され、定着装置31において、ト
ナー像が用紙に加熱定着された後、排出ローラ32によ
り用紙が機外に排出される。
【0028】尚、上記したプロセスは、3色カラーにお
けるプロセスであり、4色カラープロセスの場合は、こ
れにブラック現像槽11内に収納されているブラックト
ナーを用いた処理が加えられる。一方、白黒コピーは、
感光体ドラム10の静電潜像にブラック現像槽11から
のブラックトナーが供給され、このトナー像を転写ベル
ト17を介して、用紙に転写することにより行われる。
【0029】次に、上記CCDセンサ6により読み込ま
れた原稿データに所定の処理を施してレーザドライバユ
ニット7に出力する画像処理系の構成および機能等を図
1に基づいて説明する。
【0030】画像処理系は、色再現を行ったり、分割し
て読み取った画像のつなぎ合わせ処理を行うもので、図
1に示すように、R・G・Bレベル調整部40、A/D
変換器41、シェーディング補正部42、画像メモリ4
3、つなぎ合わせ処理部(つなぎ合わせ処理手段)4
8、γ補正部49、黒原稿検知部50、マスキング部5
1、UCR(Under Color Removal)・BP(Black Print)
処理部52、シャープネスフィルタ53、変倍処理部
(変倍手段)54、濃度処理部55、カラーバランス調
整部56、及び階調処理部57等を有している。
【0031】この画像処理系において、CCDセンサ6
から得られたR・G・Bの各原稿データは、まずR・G
・Bレベル調整部40において、R・G・B間のセンサ
のばらつきが補正され、続いてA/D変換器41におい
てデジタル信号に変換された後、シェーディング補正部
42において、センサの画素毎の感度のばらつきや照明
ムラ等を補正するシェーディング補正を受け、画像メモ
リ43に一旦記憶される。
【0032】ここで、後述のつなぎ合わせモードが指定
されている場合には、つなぎ合わせ処理を行う複数頁に
わたる画像が順次スキャンされ、各頁毎に原稿データと
して画像メモリ43に蓄えられる。そして、つなぎ合わ
せ処理を行う原稿データは、画像メモリ43からつなぎ
合わせ処理部48に送られる。
【0033】上記のつなぎ合わせ処理部48は、つなぎ
目認識部44、データ並べ替え部45、位置合わせ部4
6、及び合成処理部47を有している。つなぎ合わせ処
理部48に入力された原稿データは、まず、つなぎ目認
識部44において、特徴的な記号や線分を抽出すること
により、原稿のつなぎ目が認識され、データ並べ替え部
45において、つなぎ目同士が向かい合うように並べ替
えられた後、位置合わせ部46において、つなぎ目の画
像が一致するように位置合わせされ、合成処理部47に
おいて合成される。つなぎ合わせ処理部48での処理が
終了した後の原稿データは、再度画像メモリ43に入力
される。尚、上記つなぎ合わせ処理を行う際のさらに詳
しい処理手順については、後に詳しく説明する。
【0034】画像メモリ43から出力された原稿データ
は、白黒コピーかカラーコピーかの判別を行う黒原稿検
知部50からのデータと共に、γ補正部49に入力され
て、コントラストやブライトネスを調整するためのγ補
正が行われ、続いてマスキング処理部51において、所
定の演算を行うことによりR・G・BのデータがC・M
・Y(イエロー・マゼンタ・シアン)のデータに変換さ
れる。次に、C・M・Yの原稿データは、UCR・BP
処理部52において、C・M・Yの3色のトナーからグ
レー成分を取り除き、ブラックトナーと置き換えるUC
R処理と、ブラックトナーを上記3色のトナーに追加す
るBP処理とが行われ、これにより、上記したC・M・
Yの原稿データにBK (ブラック)データが加えられ
る。
【0035】そして、C・M・Y・BK の原稿データ
は、シャープネスフィルタ53により鮮鋭度強調された
後、変倍処理部54および濃度処理部55において、所
定の大きさ及び濃度に変換され、カラーバランス調整部
56および階調処理部57において、各色のバランス調
整及び階調処理が行われた後、レーザドライバユニット
7に出力される。
【0036】次に、例えば複数頁に跨がって掲載されて
いる地図等から読み取った各頁の原稿データに対して、
つなぎ合わせ処理を行う際の処理手順について、図3の
フローチャートに基づいて説明する。
【0037】図示しない操作パネルからつなぎ合わせモ
ードが選択され(S1)、例えば地図等の複数頁に跨が
る原稿のスキャンが順次行われると(S2)、スキャナ
ユニット22から読み取られた各頁毎の原稿データが順
次画像メモリ43に記憶される(S3)。
【0038】続いて、読み取られた原稿データから各画
像のつなぎ目の検知が行われる(S4)。つまり、各原
稿データの周囲、あるいは画像の端部から所定のライン
分の画像情報を検索して、特徴的な線分や記号を認識
し、つなぎ合わせる原稿データ同士を照らし合わせて、
認識した特徴からつなぎ目となる類似した部分を探す。
そして、S5において、つなぎ目の検知の有無を判別
し、つなぎ目が検知されなかった場合には、NOとして
つなぎ合わせ処理ができないことを警告表示し(S
6)、動作を中止する。
【0039】一方、S5において、つなぎ目の検知が有
りと判定された場合には、YESとしてつなぎ目が存在
する画像端部の辺同士が向かい合うように、原稿データ
を並べ替える(S7)。次に、一方の原稿データを固定
し、他の原稿データを主走査方向、あるいは副走査方向
にずらしながらデータの一致を見ることにより、つなぎ
目が最も滑らかにつながる位置を探し、位置合わせを行
う(S8)。この後、原稿データを合成し(S9)、1
枚の原稿データにする。
【0040】この後、S10において、原稿データを印
刷する用紙のサイズが指定されているか否かが判定さ
れ、用紙サイズが指定されていない場合には、NOとし
て、デジタル複写機にセットされている用紙の中から最
大サイズの用紙を選択し(S11)、最大サイズの用紙
に応じて、変倍処理を行い、原稿データを縮小する(S
12)。一方、用紙サイズが指定されている場合には、
S10においてYESと判定し、指定された用紙サイズ
に合わせて変倍処理を行う(S12)。変倍処理の終了
後は、用紙が縦送りか横送りかに応じて必要であれば原
稿データの座標変換を行い、原稿データをレーザドライ
バユニット7に出力して、用紙に合成した画像をコピー
する(S13)。
【0041】上記の処理を図4を用いて具体的に説明す
ると、例えば同図(a)に示すように、2頁に跨がって
掲載されている地図の原稿データ58・59がそれぞれ
画像メモリ43に記憶されている場合には、まず、各原
稿データ58・59の画像の端部から所定のライン分
(図中斜線で示す領域)の画像情報を検索し、特徴的な
線分や記号を認識する。そして、両原稿データ58・5
9における認識した線分、記号等を照らし合わせること
により、つなぎ目となる類似した部分を検索する。
【0042】そして、同図(b)に示すように、つなぎ
目が存在する辺が互いに向かい合うように原稿データ5
8・59を並べ替え、一方の原稿データ58を固定し
て、他方の原稿データ59を図中二点鎖線で示すよう
に、主走査方向、あるいは副走査方向にずらしながらデ
ータの一致を見ることにより、画像が最も滑らかにつな
がる位置を探し、画像を合成して、1枚の原稿データと
する。この後は、コピーする用紙サイズに合わせて変倍
処理を行い、必要に応じて座標変換を行って、同図
(c)に示すような縮小コピー60を得る。
【0043】上記のように、本実施例のデジタル複写機
では、複数の頁に跨がって掲載されている地図等をつな
ぎ合わせて1枚の用紙にコピーしようとする際、各頁ご
とにスキャナユニット22で読み取って原稿データを画
像メモリ43に記憶させ、原稿のつなぎ目を検知して自
動的につなぎ合わせ、合成したデータを指定のサイズに
変倍して、コピーすることができる。したがって、前記
従来のように、面倒な縮小率等の計算や、頁毎に縮小コ
ピーして切り貼りするといった手間が不要となり、作業
性を向上できると共に、合成した原稿のつなぎ目にズレ
が生じることもなく、精度良く分割された画像をつなぎ
合わせることができる。さらに、コピーを繰り返しとる
必要もないので、用紙、トナー等を節約できる。
【0044】〔実施例2〕次に、本発明の他の実施例を
図2、及び図5ないし図12に基づいて説明すれば、以
下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施例の図
面に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の
符号を付記し、その説明を省略する。
【0045】本実施例の画像処理装置としてのデジタル
複写機は、前記実施例におけるデジタル複写機と同様
に、図2に示すような構成を有している。また、本デジ
タル複写機は、図5に示すような構成の画像処理系を備
えている。この画像処理系には、第1および第2画像メ
モリ(記憶手段)61a・61bが設けられており、ス
イッチ69を介して、この第1および第2画像メモリ6
1a・61bには、CCDセンサ6から読み込んだ異な
る原稿データがそれぞれ記憶されるようになっている。
尚、画像メモリについては、2個以上の原稿データを記
憶できるように確保されていればよく、上記の構成に限
定されるものではない。
【0046】上記の第1および第2画像メモリ61a・
61bには、記憶されている原稿データに後述の影消
し、位置合わせ等、所定の処理を行う原稿位置認識回路
(つなぎ合わせ処理手段)62が接続されている。この
原稿位置認識回路62により所定の処理が施された原稿
データは、スイッチ70を介して第1および第2画像メ
モリ61a・61bからγ補正部49に順次出力される
ようになっている。尚、この画像処理系における上記以
外の構成については、前記実施例1におけるデジタル複
写機が備える画像処理系と同様である。
【0047】ところで、厚みのある本等のコピーをとる
場合には、その厚みによって、本の綴じ部分が原稿載置
台27(図2参照)から浮き上がり、影になるため、得
られた画像では、この影が黒く写り、画像を見づらいも
のとしていた。さらに、前記実施例1で述べたような複
数の原稿のつなぎ合わせ処理を行う際には、上記のよう
な影が生じることにより、支障を来すものとなってい
た。
【0048】また、従来では、上記のように、原稿載置
台27から原稿が浮き上がることにより生じる影を消去
するために、原稿画像の一部を一律に消去する「影消
し」機能を備えた複写機も提案されているが、このよう
な影消し処理を実施した場合には、影の部分が完全には
消去されなかったり、影ではない部分まで画像が消去さ
れるという問題があり、正確なつなぎ合わせ処理を行う
ことができない。
【0049】そこで、本実施例のデジタル複写機には、
上記のような影消し処理を正確に行うと共に、影消しに
より欠落した画像を補正する機能が備えられている。
【0050】本等の見開き頁の画像を画像メモリ61a
・61bに記憶させる場合には、複数頁にわたる原稿を
各頁毎に走査することにより、原稿データを1頁毎に異
なるメモリに記憶する方法と、見開き2頁にわたる画像
を一回の走査で読み込み、原稿サイズの検出結果等によ
って、読み込み後に画像メモリ上で2個の原稿データに
分割する方法とがある。ここでは、前者の方法を想定
し、図6(a)に示すようなB5サイズのブック状の地
図63の見開き2頁をコピーする場合を例に挙げ、図7
のフローチャートに基づいて説明する。
【0051】つなぎ合わせモードが設定された状態でコ
ピー動作が実行されると、まず、左側頁64の原稿画像
が読み込まれ、第1画像メモリ61aに記憶される(S
21)。続いて、右側頁65の原稿画像が読み込まれ、
第2画像メモリ61bに記憶される(S22)。このよ
うに、地図63における見開きの左右の頁64・65を
別々の走査で読み取ることにより、第1画像メモリ61
aには、図6(b)に示すように、見開きの左側頁64
の画像が第1原稿データ66として、第2画像メモリ6
1bには、図6(c)に示すように、見開きの右側頁6
5の画像が第2原稿データ67として、それぞれ記憶さ
れることになる。
【0052】また、両原稿データ66・67における地
図63の綴じ部分に相当する画像端部の領域には、地図
の厚みにより影68・68がそれぞれ形成されることに
なる。次に、この影68・68の消去が行われるが、第
1画像メモリ61aに対する影消し処理と、第2画像メ
モリ61bに対する影消し処理とを共通化するために、
原稿データ66・67は一旦作業用メモリに記憶され
る。尚、この作業用メモリは、前記した原稿位置認識回
路62(図5参照)に含まれるものである。
【0053】第1画像メモリ61aに記憶されている第
1原稿データ66が作業用メモリにコピーされると(S
23)、第1原稿データの影消し処理が実行される(S
24)。ここで、画像メモリ61a・61b上の座標を
図8に示すように設定すると、例えば第1画像メモリ6
1a上の画像有効範囲(1頁の大きさに相当する範囲)
は、X座標で0からX1まで、Y座標でY1からY2ま
でとなる。また、影68に隣接する画像端部のX座標
は、Xsとなる。上記の影消し処理を行う際には、この
座標Xsが、Xs1のメモリ配列に記憶される(S2
5)。影消し処理が終了すると、第1原稿データ63
は、作業用メモリから第1画像メモリ61aにコピーさ
れる(S26)。
【0054】次に、第2画像メモリに記憶されている第
2原稿データ67が、第1原稿データ66と同じ並び方
にして作業用メモリにコピーされ(S27)、第2原稿
データ67の影消し処理が実行される(S28)。そし
て、第2原稿データ64における影68に隣接にする画
像端部の座標Xsが、Xs2のメモリ配列に記憶される
(S29)。影消し処理後の第2原稿データ67は、作
業用メモリから第2画像メモリ61bにコピーされる
(S30)。尚、メモリ配列Xs1及びXs2に記憶さ
れた画像端部のX座標は、後述の位置合わせ処理と、影
消し処理による欠落画像の補正処理とを行う際に使用さ
れるものである。
【0055】上記のような影消し処理が終了すると、図
9(a)(b)に示すように、第1および第2原稿デー
タ66・67の接続部分66a・67aについて、濃度
分布をとり、後述の相関係数を計算して、両者のズレ
量、すなわち位置合わせ量が求められる(S31)。次
いで、影68を消去した部分については、元の画像が欠
落するので、補正をかける(S32)。ここでは、第1
および第2原稿データ66・67においてそれぞれに対
応する部分の色と濃度を検出し、両データ66・67を
滑らかにつなぐように処理している。
【0056】この後、指定された用紙サイズに応じて、
つなぎ合わせたデータの変倍処理が行われ(S33)、
上記の位置合わせ量を参照しながら、第1および第2画
像メモリ61a・61bのデータが順次レーザドライバ
ユニット7に送られて、前記実施例1と同様にコピー動
作が実行される(S34)。
【0057】次に、上記の影消し処理について、図10
のフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、画
像メモリ61a・61bの画像有効範囲内において、影
が存在する範囲が検知される。例えば画像メモリ61a
の場合には、検知を開始する座標を影が存在する有効範
囲の端部の座標(X1,Y1)に想定して(S41)、
まず、この座標が黒画素か否かを判別する(S42)。
そして、座標が黒画素であると判別した場合には、X座
標を1ラインずらしてX−1として(S43)、S42
を実行し、S42において非黒画素を判別した段階で、
ラインY1における影の範囲の終了と判断し、そのとき
の座標Xs〔Y〕をメモリ配列に記憶する(S44)。
これにより、Y座標がY1のときの影の終了する位置
が、X座標として記憶されたことになる。
【0058】その後、Y座標がY2に達しているか否か
を判定し(S45)、Y2に達していない場合には、Y
座標をY+1としてY座標を1ラインずらし(S4
6)、再度X1から順次X方向に画像を走査して、非黒
画素の検知を行い(S42・S43)、ラインY+1に
おける影の終了位置を示すX座標をメモリ配列に記憶す
る(S44)。上記の処理をY座標がY2に達するま
で、すなわちS45においてY<Y2がNOと判定され
るまで繰り返すことにより、Y1からY2までの影の存
在する範囲がY座標の1ライン毎に順次検知されたこと
になる。
【0059】尚、非黒画素として検知される座標Xs
〔Y〕は、第1原稿データ66について影消し処理を行
っている場合には、Xs1のメモリ配列に記憶される一
方、第2原稿データ67について影消し処理を行ってい
る場合には、Xs2のメモリ配列に記憶されるようにな
っている。
【0060】次に、影と判定された範囲の画素が白画素
に置き換えられて影消しが行われる。つまり、画像有効
範囲の端部(X1,Y1)から開始して(S47)、S
48においてX>Xs〔Y〕がYESと判定される間、
すなわち、X座標がXs〔Y〕に達するまでは、その座
標を白画素に置き換え(S49)、X座標を1ラインず
らしてX−1とする(S50)という動作を繰り返す。
これにより、ラインY1について、影と判定されていた
画素が白画素に置き換えられ、影が消去される。
【0061】そして、X座標がXs〔Y〕に達したら、
つまり、S48においてX>Xs〔Y〕がNOと判定さ
れると、S51においてY<Y2がYESと判定される
間、すなわち、Y座標がY2に達するまで、Y座標を1
ラインずつずらしてY+1とし(S52)、Y座標の1
ラインごとに影と判定された画素を順次白画素に置き換
える(S48〜S50)という動作を繰り返す。そし
て、Y座標がY2のときの白画素への置き換えが終了す
ると、つまりS51においてY<Y2がNOと判定され
ると、座標(X1,Y1)から開始された白画素への置
き換え処理が終了したことになり、影消し処理が終了す
る。
【0062】次に、第1および第2画像メモリ61a・
61bに記憶されている第1および第2原稿データ66
・67の位置合わせ量を求める手順について、図11の
フローチャートに基づいて説明する。尚、ここでは、影
消し処理の実行時にメモリ配列に記憶された座標Xs
〔Y〕を第1画像メモリ61aと第1画像メモリ61b
とで区別するため、第1画像メモリ61aのXs〔Y〕
をXs1〔Y〕で示す一方、第2画像メモリ61bのX
s〔Y〕をXs2〔Y〕で示すことにする。
【0063】始めにY座標をY1に設定し(S60)、
前述のようにメモリ配列に記憶された第1画像メモリ6
1aにおける画像端部の座標Xs1〔Y〕を参照しなが
ら、上記の影消し処理を受けていない画像端部の座標の
濃度をDN1〔Y〕に格納する(S61)。次に、同様
にメモリ配列に記憶されている第2画像メモリ61bに
おける画像端部の座標Xs2〔Y〕を参照しながら、影
消し処理を受けていない画像端部の座標の濃度をDN2
〔Y〕に格納する(S62)。次に、Y座標をY+1と
して1ラインずつずらしていくことにより(S63)、
Y座標がY2を超えるまで、すなわち、S64におい
て、Y>Y2がYESと判定されるまで、上記のS61
からS63の動作を繰り返す。これにより、第1および
第2画像メモリ61a・61bに記憶されている各原稿
データ66・67において、上記の影消し処理を受けな
かった画像端部のY方向の濃度分布がDN1・DN2に
それぞれ作成されることになる。
【0064】S64においてY>Y2がYESと判定さ
れると、位置合わせ量Zをまず−50に設定し(S6
5)、DN1〔Y〕とDN2〔Y+Z〕との相関係数を
計算してR〔Z〕に格納する(S66)。続いてZ=Z
+1として1ラインずつずらし(S67)、Zが50に
なるまで、すなわち、S68においてZ>50がYES
と判定されるまで、S66・S67の処理を繰り返す。
S68においてZ>50がYESと判定されると、次い
でZ=−50から50まで求めたR〔Z〕の中から、最
大となるZの値を求めることにより(S69)、位置合
わせ量の計算が終了する。
【0065】次に、図12に示すフローチャートを参照
しながら、上記の影消し処理により欠落した画像の補正
手順を説明する。尚、図12においては、第1及び第2
画像メモリ61a・61bのY座標を区別するため、第
1画像メモリ61aのY座標をYで表す一方、第2画像
メモリ61bのY座標をYtで表している。
【0066】まず始めにY=Y1と設定し(S71)、
Ytは、Yから位置合わせ量Z分だけずれているので、
Yt=Y+Zとして第1画像メモリ61aのY1につな
ぎ合わされる第2画像メモリ61bのYtを求め(S7
2)、このときのYtが、画像有効範囲(Y1〜Y2)
を超えているか否かを判定して、Ytが上記の画像有効
範囲を超えている場合には次のようなリミット処理が行
われる。つまり、S73においてYtがY1よりも小さ
いと判定された場合には、Yt=Y1に設定する一方
(S74)、S75においてYtがY2よりも大きいと
判定された場合には、Yt=Y2に設定する(S7
6)。
【0067】上記のようなリミット処理を、Ytの値が
画像有効域範囲に入るか否かの判定に基づいて行った
後、先にメモリ配列に記憶させたXs1〔Y〕及びXs
2〔Yt〕を参照して、第2画像メモリ61b上の画像
端部の濃度DN2〔Yt〕と、第1画像メモリ61a上
の画像の端部の濃度DN1〔Y〕との差Dを求めると共
に、両端部間の距離Lを(X1−Xs1〔Y〕)+Xs
2〔Yt〕の式から求める(S77)。そして、まずX
X=Xs1〔Y〕として(S78)、第1画像メモリ6
1a上の座標(XX,Y)の濃度を(D/L)(XX−X
s1〔Y〕)+DN1〔Y〕の式から求める(S7
9)。
【0068】この後、XX=XX+1として(S8
0)、X座標を1ラインずつずらすことにより、XXが
X1を超えるまで、すなわちS81においてXX>X1
がYESと判定されるまで、S79・S80の処理を繰
り返す。これにより、第1画像メモリ61aにおけるラ
インYについて、Xs1〔Y〕からX1まで(影消しが
実行されたことにより生じた欠落部)の濃度を直線的に
予想することができ、予想した濃度に基づいて欠落部を
補正することができる。
【0069】次に、第2画像メモリ61bにおいても、
ラインYtについて補正を行うため、まずXX=0に設
定し(S82)、第2画像メモリ61b上の座標(X
X,Yt)の濃度を(D/L)XX+DN1〔Y〕の式
から求める(S83)。この後、XXを1ラインずつず
らしていくことにより(S84)、XXがXs2〔Y
t〕を超えるまで、すなわちS84において、XX>X
s2〔Yt〕がYESと判定されるまで、S83・S8
4の処理を繰り返す。これにより、第2画像メモリ61
bのラインYtについて、XXが0からXs2〔Yt〕
までの濃度を直線的に予想することができ、予想した濃
度に基づいて欠落部を補正できる。
【0070】この後、Y座標を1ラインずらしてY=Y
+1として(S86)、Y座標がY2を超えるまで、す
なわちS87においてY>Y2がYESと判定されるま
で、S72からS86の処理を繰り返すことにより、第
1および第2画像メモリ61a・61bの両方における
各ラインY(あるいはYt)について、影消し処理を実
施した領域に相当するXX座標の濃度を直線的に予想す
ることができ、予測したこれらの濃度に基づいて欠落部
の画像が形成される。そして、S87において、Y>Y
2がYESと判定されると、欠落部の補正処理が終了す
る。
【0071】以上のような欠落部の補正処理を行い、欠
落部の濃度を決定することにより、例えば図13に示す
ように、左右の頁の画像の対応する部分の色とその濃度
が異なる場合でも、両頁が滑らかにつながるようにな
る。
【0072】上記のように、本実施例のデジタル複写機
では、地図等の分厚い本をコピーする際に、原稿載置台
から本の綴じ部が浮き上がることにより、画像メモリに
記憶された原稿データに影が形成された場合でも、この
影の範囲を正確に認識して影消しを行い、さらに各画像
端部の濃度分布から別々のメモリに格納した原稿データ
の位置合わせ量を計算すると共に、画像の両端部の色お
よび濃度に応じて上記の影消し処理により生じた画像の
欠落部の濃度を予測し、予測した濃度に応じてつなぎ目
に違和感が生じないように補正できるようになってい
る。また、前記実施例1におけるデジタル複写機と同様
に、指定の用紙に応じて自動的に変倍処理もなされるよ
うになっており、所望の用紙等につなぎ合わせた画像を
形成することも可能である。
【0073】したがって、本等の厚みがある原稿でも、
つなぎ合わせ処理を正しく実行することができると共
に、別々にコピーした用紙を切り貼りして1枚の原稿を
作成するといった煩雑な手間がなくなり、作業性の向上
を果たすことができ、原稿を切り貼りするための不要な
コピーによるトナーや用紙の無駄な消費を防ぐことがで
きる。また、原稿の浮き上がりによる影を完全に消去す
ることができると共に、影消しにより必要な画像が消去
されることもないので、コピーして得られた画像の画質
が改善される。
【0074】〔実施例3〕次に、本発明の他の実施例を
図1、図2、図14ないし図29に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施
例の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には、
同一の符号を付記し、その説明を省略する。本実施例の
画像処理装置としてのデジタル複写機は、前記実施例と
同様に、図2に示すような構成であり、図1に示すよう
な画像処理系を備えている。
【0075】本実施例のデジタル複写機では、画像の外
周部に余白部分が設けられている原稿や、例えば地図等
において、分割された領域のつながり具合を判り易くす
るために、前後の頁における各端部付近に同一の画像が
オーバーラップして形成されているような原稿に対し
て、つなぎ合わせ処理を実行する際に有用である。つま
り、余白部が設けられていたり、オーバーラップした画
像が存在する場合に、つなぎ目を検知するために、各原
稿の端部から順次データを検索していくと、特徴となる
データが得難く、多大な処理時間を要するが、本デジタ
ル複写機では、予め原稿に所定の色で記された目印をも
とにつなぎ合わせ処理を行うことにより、上記のような
原稿に対して、正確、かつ迅速に処理を行うものであ
る。
【0076】予め原稿に記しておく目印としては、例え
ば図14に示すように、つなぎ合わせに際して不要な部
分と必要な部分とのおおよその境界、すなわち画像をつ
なぎ合わせるおおよその位置を示すつなぎ合わせライン
1 や、図15に示すように、つなぎ合わせを行う位置
に存在する特徴の位置を示す特徴指示ラインL2 や、図
16に示すように、つなぎ合わせを行う位置に存在する
特徴の位置をその特徴を囲むことによって示す囲みマー
クMがあり、処理を実行する画像に応じて適宜選択して
使用する。
【0077】このように、複数頁に跨がって掲載され、
かつ画像の一部がオーバーラップしている地図を本デジ
タル複写機により、つなぎ合わせて1枚の画像とするに
は、各原稿71〜76の端部付近に、予め上記の目印を
所定の色のペンで記しておく。記された目印は、本デジ
タル複写機でのつなぎ合わせ処理後にドロップカラーと
認識されて消去される。
【0078】以下に、分割して読み取った画像をつなぎ
合わせて、1枚の画像を形成する際の処理手順につい
て、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0079】まず、図示しない操作パネルからつなぎ合
わせモードが選択されると(S91)、原稿を順次スキ
ャンし(S92)、CCDセンサ6から読み込んだ原稿
データを画像メモリ43に記憶する(S93)。このよ
うな原稿のスキャン及び原稿データの記憶(S92・S
93)は、S94において、原稿の読み込み終了を判定
するまで、画像をつなぎ合わせる枚数分について繰り返
し行うものである。
【0080】原稿の読み込みが終了し、つなぎ合わせ処
理の実行が指示されると(S95)、記憶した原稿デー
タ中における特徴的な線分や、記号等を基にデータの変
化量等を認識することにより、原稿の特徴を抽出する
(S96)。尚、ここで、原稿に予め上記したような目
印が記されている場合、特徴の抽出は、これらの目印を
基にして行われ、目印が存在する辺のみに対して行われ
る。
【0081】そして、全原稿データにおける特徴を抽出
した後、各辺から抽出した特徴を比較して、つなぎ目と
なるデータの一致を判定し(S97)、一致したつなぎ
目同士が向かい合うように、原稿データを並べ替え(S
98)、画像がスムーズにつながるように位置合わせを
行う。このようなデータの一致の判定(S97)、原稿
データの並べ替え(S98)、及び位置合わせは、S9
9において、全データの処理の完了を判定するまで、上
記した順序に従って繰り返し行う。一方、S97におい
て、NOと判定した場合には、原稿データの並べ替えは
行わず、S99に移行する。尚、上記の処理の中で、デ
ータの一致する辺が見つからない辺があれば、不一致の
フラグをセットし、残りの辺についてつなぎ合わせ処理
を行うようになっている。
【0082】全データの処理が完了すると、不一致のフ
ラグがセットされた辺についてデータの欠落補正を行う
(S100)。そして、S101において、欠落補正が
完了しているか否かを判定し、欠落補正が完了していれ
ば、続いて、記憶された全ての原稿データが、1枚の画
像に合成されているか否かを判定するつなぎ合わせ処理
完了の判定を行う(S103)。一方、S101・S1
03において、欠落補正の完了、あるいはつなぎ合わせ
処理の完了をNOと判定した場合には、つなぎ合わせ処
理が実行できないことを警告表示し(S102)、動作
を中止する。
【0083】S103において、つなぎ合わせ処理の完
了を判定すると、次に、合成した画像を形成する用紙サ
イズが指定されているか否かを判定する(S104)。
ここで、用紙サイズが指定されていない場合には、デジ
タル複写機にセットされている中で最大サイズの用紙を
選択し(S105)、この最大サイズの用紙に応じて、
原稿データを変倍する(S106)。一方、予め用紙サ
イズが指定されている場合には、指定されたサイズに応
じて、変倍処理を行う。また、用紙の送り方向に応じ
て、変倍した原稿データの座標変換を行い(S10
7)、処理後の原稿データがレーザドライバユニット7
に出力されることにより、用紙に合成した画像がコピー
される(S108)。
【0084】尚、上記のように目印が記された原稿に対
してつなぎ合わせ処理を行った場合には、原稿データ中
の目印はドロップカラーとして認識されるので、得られ
たコピーには、上記の目印が消去された画像が形成され
る。
【0085】次に、上記のつなぎ合わせ処理における原
稿の特徴抽出について、図18のフローチャートに基づ
いて詳細に説明する。
【0086】まず、記憶された原稿データから対象とな
る画像を選択し、さらにその1辺を選択して(S11
1)、特徴抽出のエリア指定を行う(S112)。ここ
で、上記した目印が原稿データに存在する場合には、こ
の目印をもとにして辺の選択、特徴抽出エリアの指定を
行う。
【0087】すなわち、図14に示すようなつなぎ合わ
せラインL1 が記されている場合には、このつなぎ合わ
せラインL1 が存在する辺を選択し、つなぎ合わせライ
ンL1 の前後数十ラインを特徴抽出エリアとして指定す
る。また、図15に示すような特徴指示ラインL2 が記
されている場合には、この特徴指示ラインL2 が存在す
る辺を選択し、特徴指示ラインL2 の周辺部を特徴抽出
エリアとして指定する。また、図16に示すような囲み
マークMが記されている場合には、この囲みマークMが
存在する辺を選択し、囲みマークM内を特徴抽出エリア
として指定する。
【0088】そして、データの並び、パターン、色合い
等、最も特徴が明らかになる方法を画像に応じて選択し
て、対象画像における上記特徴抽出エリア内に存在する
特徴を抽出し(S113)、抽出した特徴を数値化して
記憶する(S114)。尚、特徴を抽出する方法は、一
種類だけでも、また複数種類選択してもよい。続いて、
上記の特徴抽出を行った辺につなぎ合わせる比較画像を
選択し、さらに上記目印が記されている場合には、目印
の存在する辺を選択する(S115)。そして、上記対
象画像の場合と同様に、特徴抽出のエリア指定を行って
(S116)、特徴を抽出する(S117)。
【0089】尚、前記の画像メモリ43では、通常の画
像読み取り、記憶、コピー等の制御に合わせて、原稿の
読み取りサイズを検知した後、メモリ上のアドレス空間
が設定されるようになっており、図19に示すように、
1ページに1画像の割合で、原稿データが記憶されてい
る。したがって、図20に示すように、原稿の端部や、
上記目印が記された位置等についても、メモリ上のアド
レスで明確になっており、特徴抽出のエリア(例えば、
図中斜線で示す領域)を指定できるようになっている。
【0090】このように、本デジタル複写機では、予め
原稿に目印を記しておいた場合には、この目印をもとに
原稿の特徴抽出を行うようになっている。したがって、
目印の存在しない辺は、画像の端部を構成する辺と認識
されて、特徴抽出の対象となることはなく、また、目印
が存在する辺についても、特徴抽出のエリアは、この目
印をもとにに指定されるので、各原稿データの全ての辺
について、各端部から特徴抽出を行う場合と比較して、
メモリ容量を節約できると共に、特徴抽出を行うために
要する処理時間が短縮される。特に、図15に示す特徴
指示ラインL2、図16に示す囲みマークMが目印とし
て記されている場合には、つなぎ目となる特徴の位置も
これにより指示されているため、特徴指示ラインL2
周囲、または囲みマークM内だけを特徴抽出エリアに指
定すればよく、メモリ容量を大幅に節約できる。
【0091】次に、上記のようにして、特徴抽出を行っ
た後、その特徴を比較して、データの一致・不一致を判
定する処理について、図21のフローチャートを参照し
て詳細に説明する。
【0092】まず、上記対象画像から抽出した特徴と比
較画像から抽出した特徴とをラフに比較し(S12
1)、続いて、比較した特徴同士が、近似の範囲で一致
しているか否かを判定する(S122)。特徴がほぼ一
致していれば、抽出した特徴が存在する辺同士が向かい
合うように原稿データを並び替えて、さらにデータの並
び、パターン、色合い等が合うように、位置合わせを行
う。すなわち、画像を上下方向及び左右方向に移動させ
ることにより(S123・S125)、読み取り時の画
像のズレを補正し、画像を数度回転させることにより
(S127)、読み取り時の原稿の傾きを補正する。
【0093】また、始めに特徴をラフに比較したとき、
画像を上下方向、及び左右方向に移動させたとき、ある
いは画像を回転させたときに、特徴が一致しないと判定
した場合には(S122・S124・S126・S12
8)、画像を180度回転させて(S129)、再度特
徴が近似の範囲で一致するか否かを判定する(S13
0)。S130において、特徴が一致しないと判定した
場合には、画像を数度回転させ(S131)、ここで
も、特徴が一致しないと判定した場合には(S13
2)、不一致のフラグをセットする(S133)。
【0094】つまり、原稿の形状は、ほとんどの場合長
方形であり、上下の方向を逆にして画像を読み取ること
もあり得るので、記憶された状態で画像が一致しなくて
も、画像メモリ43上で、一方の原稿データを180度
回転させて、再度確認するようになっている。さらに、
読み取り時に原稿が若干傾いた状態でセットされた場合
を考慮して、180度回転させた状態で、特徴の一致が
判定されなかった場合でも、さらに、画像を数度回転さ
せて、特徴の比較を行うようになっている。
【0095】一方、S130・S132において、特徴
が近似の範囲で一致すると判定した場合には、S123
に移行して、上記と同様に、読み取り時の画像のズレ、
傾き等を補正して位置合わせを行う。
【0096】上記のようなデータの一致・不一致の判定
を、記憶した原稿データにおける特徴抽出を行った辺に
ついて順次行うことにより、つなぎ合わせを行う辺の組
み合わせが決定され、分割して読み取った画像から一つ
の画像を形成するための各原稿の配置が決定される。ま
た、上記した目印が予め原稿に記されている場合には、
特徴の抽出は目印が存在する辺に対してのみ行われるの
で、このようなデータの一致・不一致の判定に要する処
理時間も短縮され、原稿の配置の決定が、正確、かつ迅
速に行われることになる。
【0097】このように、例えば図22に示すように、
原稿データ71a・72aにおいてデータの一致が判定
され、位置合わせが行われると、画像がオーバーラップ
していた領域(図中一点鎖線に挟まれた領域)が除かれ
て、原稿データ71a・72aの画像がスムーズにつな
がれる。
【0098】次に、全データの処理完了の判定を、図2
3のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0099】画像の読み取り時等に、つなぎ合わせの手
順が、予め何らかの方法により入力されている場合、す
なわち上記のように目印の有無により、つなぎ合わせを
行う辺か、画像の端部に相当する辺かが明らかである場
合には、S141において入力手順有と判定し、画像の
端部に相当する辺のつなぎ合わせ処理は実施されないの
で、それ以外の各辺、すなわち目印の存在する辺に対す
るつなぎ合わせ処理が実施されているかをチェックする
ことにより(S143)、全データの処理が完了してい
るか否かを判定する(S144)。
【0100】一方、上記のような目印が記されておら
ず、また他の方法でも入力手順が指定されていない場合
には、S141においてNOと判定するので、各データ
における4辺のつなぎ合わせ処理の実施をチェックする
ことにより(S142)、全データの処理が完了してい
るか否かを判定する(S144)。尚、この場合には、
特徴の不一致が判定された辺を、一応画像の端部に相当
するものと判断し、続けて、他の辺についてつなぎ合わ
せ処理を実行する。
【0101】図24を用いて具体的に説明すると、入力
手順が指定されていない場合には、例えば4枚の画像a
〜dが原稿データとして入力されると、各画像a〜dの
4辺について、特徴が抽出され、全データの処理が完了
した時点では、a4 とb3 、b2 とd1 、a2 とc1
4 とd3 について、それぞれつなぎ合わせ処理が実行
され、画像の端部に相当する8辺(a1 ・a3 ・b1
4 ・c2 ・c3 ・d2 ・d4 )については、不一致の
フラグがセットされる。
【0102】上記のようにして、全データの処理が完了
した時点で、画像の端部以外で、不一致のフラグがセッ
トされている場合には、データの欠落補正を実施する。
この欠落補正について、図25のフローチャートを参照
して説明する。
【0103】まず、不一致のフラグの有無を判定し(S
151)、不一致のフラグがセットされていない場合に
は、欠落補正は行わず、つなぎ合わせ処理完了の判定に
移行する。一方、不一致のフラグがセットされている場
合には、続いて、他の辺のつなぎ合わせ処理が完了して
いるか否かをチェックする(S152)。つまり、何ら
かの不具合が生じ、つなぎ合わせ処理が行えない場合
に、不一致のフラグがセットされるようになっているの
で、その原因が、原稿セット時の誤りにより画像が最終
的に1枚にまとまらないことによるものなのか、あるい
は原稿読み取り時の画像の欠落によるものなのかを判断
するため、不一致のフラグがセットされた辺を有する原
稿データにおける他の辺のつなぎ合わせ処理が完了して
いるか否かをチェックする。
【0104】そして、S153において、他の辺のつな
ぎ合わせが完了していないと判定した場合には、上記の
フラグのセットは、原稿セット時の誤りによるものと判
断し、つなぎ合わせ処理ができない旨を警告表示する。
一方、S153において、他の辺のつなぎ合わせが完了
していると判定した場合には、フラグのセットは画像の
欠落によるものと判断し、欠落補正を行うために、まず
欠落領域の判定を開始する。
【0105】つまり、画像が欠落していると判断された
辺以外の残りの辺のつなぎ合わせ処理により、周りの画
像に対して、欠落部が生じた画像の位置は決定されてい
るものとして、欠落領域の判定を行う。まず、欠落部が
生じている辺につなぎ合わされる辺を最初のラインとし
て、主走査方向について1ラインずつ、データの変化が
表れるまで、副走査を走査し(S154)、最初のライ
ンをa、データに変化の表れたラインをbとして、欠落
領域を決定する(S155)。
【0106】したがって、例えば図26に示すような画
像が原稿データとして前記画像メモリ43に格納されて
おり、欠落部を有する原稿データ80が、欠落部を生じ
ていない辺80a・80bにより、周りの原稿データ8
1・82に対して位置合わせされ、原稿データ83に対
する位置も決定している場合には、走査の開始ラインa
が原稿データ83の端部、データの変化が表れたライン
bが原稿データ80の端部となり、a−b間を画像の欠
落領域と判定する。
【0107】次に、上記のようにして判定した画像の欠
落領域を補完する補正データの作成処理について、図2
7のフローチャートに基づいて説明する。
【0108】まず、主走査カウンタをクリアし(S16
1)、先に判定した領域に基づいて、どちらか一方の原
稿データにおいてデータが存在するところまで、主走査
カウンタをカウントアップし(S162)、所定のライ
ン、例えば数十ライン分のデータを検索し、その傾きを
確認する(S163)。続いて、傾きを確認したデータ
の延長線上近辺に、他方の原稿データのデータが存在す
るかを確認し(S164)、データが存在しなければ、
ターゲットが不明であると判断して(S165)、つな
ぎ合わせ処理を行うことができない旨を警告表示する。
【0109】一方、延長線上近辺にデータが存在すれ
ば、S165においてNOと判定し、両原稿データのデ
ータ間を結ぶように欠落領域の補正データを作成する
(S166)。上記の処理(S162〜S166)を主
走査方向の1ライン分について行い、S167におい
て、主走査方向の1ライン全てについてデータ作成が終
了したと判定すれば、つなぎ合わせ処理の完了判定に移
行する。
【0110】つなぎ合わせ処理の完了判定では、図28
のフローチャートに示すように、予めつなぎ合わせの手
順が入力されている場合には、S171において入力手
順有りと判定し、入力手順にしたがって、指定された通
りに全データが1枚の画像につながっているかをチエッ
クする(S172)。一方、入力手順が指定されていな
い場合には、全データがつながっているかをチェックす
る(S173)。そして、S174において、つなぎ合
わせ処理の完了が判定されなかった場合には、処理を実
行できないことを警告表示する一方、つなぎ合わせ処理
の完了が判定された場合には、用紙サイズの指定有無の
判別に移行し、この後は、前記した目印の消去、変倍処
理、座標変換等を行って、合成した画像をコピーする。
【0111】したがって、図14、図15、あるいは図
16に示すような各種目印が記された原稿を順次読み取
って、つなぎ合わせ処理を実行すると、図29に示すよ
うなコピー85を得ることができる。
【0112】以上のように、本デジタル複写機では、原
稿に予め記したおいた上記のような各目印をもとに、特
徴抽出を行い、画像の配置を決定して、1枚の用紙上に
つなぎ合わせた画像を形成できるようになっており、メ
モリ容量を節約すると共に、正確、かつ迅速に処理を実
行することが可能である。
【0113】尚、本実施例では、原稿の端部付近に前後
の頁で同一の画像が形成された地図帳等に対してつなぎ
合わせ処理を実行する場合について説明したが、画像の
外周部に余白部が形成されている原稿に対しても、同様
に、余白部と画像との境界に、上記つなぎ合わせライン
1 を予め引いておく、また、余白部と画像との境界線
付近に存在する特徴を指示するために、上記特徴指示ラ
インL2 あるいは囲みマークMを記しておくことによ
り、メモリ容量を節約できると共に、正確、かつ迅速に
つなぎ合わせ処理を実行することが可能になる。
【0114】
【発明の効果】請求項1の発明に係る画像処理装置は、
以上のように、原稿の画像を読み取る入力手段と、複数
頁に跨がって掲載されている画像を各頁毎に原稿データ
として記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納されて
いる原稿データから画像情報が一致する部分を検索し
て、原稿データの位置合わせを行うつなぎ合わせ処理手
段と、画像を形成する記録媒体のサイズに応じてつなぎ
合わせ処理後の原稿データを変倍する変倍手段とが設け
られ、上記つなぎ合わせ処理手段は、原稿データから特
徴点を抽出することにより、原稿のつなぎ目を認識する
つなぎ目認識部と、つなぎ目認識部にて認識されたつな
ぎ目の画像が一致するように原稿データの位置合わせを
行う位置合わせ部とを備えている構成である。
【0115】それゆえ、例えば地図等のように、複数の
頁に跨がって掲載されている画像のつながりを確認する
際、記憶手段に格納されている各頁毎の原稿データは、
上記のつなぎ合わせ処理手段のつなぎ目認識部および位
置合わせ部により、画像情報が一致する部分が検索さ
れ、自動的に位置合わせされるようになっており、さら
に変倍手段により画像を形成する記録媒体のサイズに応
じて変倍されるようになっているので、用紙の切り貼
り、縮小率の計算等の面倒な手間を省くことができ、作
業性の向上を図ることができると共に、つなぎ目のズレ
等を生じることなく良好な画像を得ることができるとい
う効果を奏する。
【0116】請求項2の発明に係る画像処理装置は、以
上のように、原稿の画像を読み取る入力手段と、複数頁
に跨がって掲載されている画像を各頁毎に原稿データと
して記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納されてい
る原稿データ上に生じた影を消去し、原稿データから画
像情報が一致する部分を検索して位置合わせを行うと共
に、上記影の消去により欠落した画像を補正するつなぎ
合わせ処理手段と、画像を形成する記録媒体のサイズに
応じてつなぎ合わせ処理後の原稿データを変倍する変倍
手段とが設けられている構成である。
【0117】それゆえ、例えば分厚い本等を原稿とした
場合に、原稿データに影が生じても、この影を消去する
と共に、正確につなぎ合わせて、影の消去により欠落し
た画像を形成することができるので、複数頁に跨がって
掲載されている画像をつなぎ合わせる際、その作業性が
向上すると共に、影の消去や、欠落画像の補正を行うこ
とにより、さらに画質の向上を図ることができ、見易い
画像を提供することが可能になるという効果を奏する。
【0118】また、請求項3の発明に係る画像処理装置
は、以上のように、原稿の画像を読み取る入力手段と、
入力手段により分割して読み取った画像をそれぞれ原稿
データとして記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納
されている原稿データの画像におけるつなぎ合わせを行
うおおよその位置を示すために、各原稿データに付され
た目印をもとに、各原稿データから画像情報が一致する
部分を検索して位置合わせを行うつなぎ合わせ処理手段
とが設けられ、上記つなぎ合わせ処理手段は、原稿デー
タにおける不要な部分と必要な部分との境界近傍に引か
れた線を目印として、画像情報が一致する部分を検索す
構成である。
【0119】また、請求項4の発明に係る画像処理装置
は、以上のように、原稿の画像を読み取る入力手段と、
入力手段により分割して読み取った画像をそれぞれ原稿
データとして記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納
されている原稿データの画像におけるつなぎ合わせを行
うおおよその位置を示すために、各原稿データに付され
た目印をもとに、各原稿データから画像情報が一致する
部分を検索して位置合わせを行うつなぎ合わせ処理手段
とが設けられ、上記つなぎ合わせ処理手段は、原稿デー
タの画像におけるつなぎ合わせを行う位置付近に存在す
る特徴の位置を示す記号を目印として、画像情報が一致
する部分を検索する構成である。
【0120】
【0121】それゆえ、例えば請求項3記載のように画
像における不要な部分と必要な部分との境界近傍に引か
れた線、あるいは請求項4記載のようにつなぎ合わせを
行う位置に存在する特徴の位置を示すラインや、囲みマ
ーク等の記号を目印として、つなぎ合わせ処理手段が、
原稿データから画像情報が一致する部分を検索し、位置
合わせを行うようになっているので、面倒な用紙の切り
貼り等の手作業が不要となり、またつなぎ目にズレ等の
ない良好な画像を得ることができると共に、例えば画像
の外周部に余白部が形成されていたり、前後の頁にわた
り画像端部にオーバーラップして同一の画像が形成され
ているような原稿に対してつなぎ合わせ処理を行う場合
に、記憶容量を節約でき、また正確、かつ迅速に処理を
行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるデジタル複写機に備
えられている画像処理系の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】上記のデジタル複写機の概略の構成を示す模式
図である。
【図3】上記のデジタル複写機において、原稿データの
つなぎ合わせ処理を行う際の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図4】(a)は原稿データの検索領域を示す説明図、
(b)は原稿データの位置合わせを説明するための説明
図、(c)は(a)に示す原稿データに合成処理、変倍
処理等を施して得られた画像を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施例におけるデジタル複写機に
備えられた画像処理系の構成を示すブロック図である。
【図6】(a)は図5に示す画像処理系によるつなぎ合
わせ処理を行う際に、原稿として用いられる地図帳の斜
視図、(b)及び(c)は(a)に示す地図帳から原稿
データを読み込んだ画像メモリの状態を示す説明図であ
る。
【図7】上記のつなぎ合わせ処理を行う際の処理手順を
示すフローチャートである。
【図8】上記画像メモリ上での座標の設定を示す説明図
である。
【図9】上記原稿データにおける画像端部の濃度分布を
示す説明図である。
【図10】上記の原稿データに対して影消し処理を行う
際の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記のつなぎ合わせ処理を行うための位置合
わせ量を設定する際の処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図12】上記の影消し処理により生じた欠落部の補正
を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】上記の欠落部補正を行うことにより得られた
画像の状態を示す説明図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例におけるデジタル
複写機でつなぎ合わせ処理を行う原稿につなぎ合わせラ
インが記された状態を示す説明図である。
【図15】上記デジタル複写機でつなぎ合わせ処理を行
う原稿に特徴指示ラインが記された状態を示す説明図で
ある。
【図16】上記デジタル複写機でつなぎ合わせ処理を行
う原稿に囲みマークが記された状態を示す説明図であ
る。
【図17】上記デジタル複写機において、原稿データの
つなぎ合わせ処理を行う際の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図18】上記のつなぎ合わせ処理において、原稿の特
徴抽出を行う際の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図19】上記デジタル複写機の画像メモリ上での原稿
データの配置状態を示す説明図である。
【図20】上記画像メモリ上での特徴抽出エリアを示す
説明図である。
【図21】上記のつなぎ合わせ処理において、データの
一致・不一致の判定を行う際の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図22】上記のつなぎ合わせ処理により位置合わせさ
れた原稿データを示す説明図である。
【図23】上記のつなぎ合わせ処理において、全データ
の処理完了判定を行う際の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図24】上記のつなぎ合わせ処理を4枚の画像に対し
て行う場合の画像の配置状態を示す説明図である。
【図25】上記のつなぎ合わせ処理において、データの
欠落補正を行う際の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図26】上記データの欠落補正の対象となる原稿デー
タを示す説明図である。
【図27】上記のつなぎ合わせ処理において、データの
欠落補正を行う際の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図28】上記のつなぎ合わせ処理において、つなぎ合
わせ処理完了判定を行う際の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図29】上記のつなぎ合わせ処理により得られたコピ
ーを示す説明図である。
【符号の説明】
22 スキャナユニット(入力手段) 43 画像メモリ(記憶手段) 48 つなぎ合わせ処理部(つなぎ合わせ処
理手段) 54 変倍処理部(変倍手段) 58・59 原稿データ 61a 第1画像メモリ(記憶手段) 61b 第2画像メモリ(記憶手段) 62 原稿位置認識回路(つなぎ合わせ処理
手段) 66・67 原稿データ 71〜76 原稿 71a・72a 原稿データ 80〜83 原稿データ L1 つなぎ合わせライン(目印) L2 特徴指示ライン(目印、記号) M 囲みマーク(目印、記号)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−41791(JP,A) 特開 平4−179368(JP,A) 特開 平1−229559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 1/387 - 1/393 G06T 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿の画像を読み取る入力手段と、複数頁
    に跨がって掲載されている画像を各頁毎に原稿データと
    して記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納されてい
    る原稿データから画像情報が一致する部分を検索して、
    原稿データの位置合わせを行うつなぎ合わせ処理手段
    と、画像を形成する記録媒体のサイズに応じてつなぎ合
    わせ処理後の原稿データを変倍する変倍手段とが設けら
    れ、 上記つなぎ合わせ処理手段は、原稿データから特徴点を
    抽出することにより、原稿のつなぎ目を認識するつなぎ
    目認識部と、つなぎ目認識部にて認識されたつなぎ目の
    画像が一致するように原稿データの位置合わせを行う位
    置合わせ部とを備えている ことを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】原稿の画像を読み取る入力手段と、複数頁
    に跨がって掲載されている画像を各頁毎に原稿データと
    して記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納されてい
    る原稿データ上に生じた影を消去し、原稿データから画
    像情報が一致する部分を検索して位置合わせを行うと共
    に、上記影の消去により欠落した画像を補正するつなぎ
    合わせ処理手段と、画像を形成する記録媒体のサイズに
    応じてつなぎ合わせ処理後の原稿データを変倍する変倍
    手段とが設けられていることを特徴とする画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】原稿の画像を読み取る入力手段と、入力手
    段により分割して読み取った画像をそれぞれ原稿データ
    として記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納されて
    いる原稿データの画像におけるつなぎ合わせを行うおお
    よその位置を示すために、各原稿データに付された目印
    をもとに、各原稿データから画像情報が一致する部分を
    検索して位置合わせを行うつなぎ合わせ処理手段とが設
    けられ、 上記つなぎ合わせ処理手段は、原稿データにおける不要
    な部分と必要な部分との境界近傍に引かれた線を目印と
    して、画像情報が一致する部分を検索する ことを特徴と
    する画像処理装置。
  4. 【請求項4】原稿の画像を読み取る入力手段と、入力手
    段により分割して読み取った画像をそれぞれ原稿データ
    として記憶する記憶手段と、上記記憶手段に格納されて
    いる原稿データの画像におけるつなぎ合わせを行うおお
    よその位置を示すために、各原稿データに付された目印
    をもとに、各原稿データから画像情報が一致する部分を
    検索して位置合わせを行うつなぎ合わせ処理手段とが設
    けられ、 上記つなぎ合わせ処理手段は、原稿データの画像におけ
    るつなぎ合わせを行う位置付近に存在する特徴の位置を
    示す記号を目印として、画像情報が一致する部分を検索
    する ことを特徴とする画像処理装置。
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