JP2001148452A - 沸騰冷却装置 - Google Patents

沸騰冷却装置

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JP2001148452A
JP2001148452A JP33048999A JP33048999A JP2001148452A JP 2001148452 A JP2001148452 A JP 2001148452A JP 33048999 A JP33048999 A JP 33048999A JP 33048999 A JP33048999 A JP 33048999A JP 2001148452 A JP2001148452 A JP 2001148452A
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JP
Japan
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refrigerant
cooling device
plate member
boiling
extruded material
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JP33048999A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Osakabe
長賀部  博之
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Priority to EP00104420A priority patent/EP1035398B1/en
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Priority to DE60007674T priority patent/DE60007674T2/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 沸騰面積を増大し、且つ沸騰熱伝達率を向上
させることで放熱性能を向上できる沸騰冷却装置を提供
すること。 【解決手段】 冷媒槽3の沸騰通路8には、例えばアル
ミニウム板のクラッド材から成るプレート部材13が挿
入され、そのプレート部材13には、長手方向に複数の
切欠き部13aが略等間隔に設けられている。切欠き部
13aは、プレート部材13の略中央部から他端側に設
けられ、プレート部材13の幅方向に長い矩形状に切り
取られ、プレート部材13の他端面に開口している。こ
の切欠き部13aは、その開口幅がラプラス長さの略2
倍に設定され、他端面からの深さがラプラス長さの略6
倍に設定されている。これにより、有効沸騰面積が増大
し、且つ沸騰熱伝達率が向上することで過熱度を低減で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒の沸騰及び凝
縮作用によって発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、沸騰部の過熱度を低減させる手段として、例えば沸
騰部に多孔質層を設けることによって沸騰面積を増大さ
せる技術が公知である。一方、沸騰熱伝達の冷媒とし
て、表面張力が小さく、面を濡らしやすいフロン等を使
用した場合には、冷媒が沸騰するために必要な気泡核を
安定的に発生させる上で、数μm(ミクロン)程度の非
常に小さな発泡点構造が必要となる。しかし、機械加工
等では数μm程度の微細加工が非常に困難であり、極め
て高コストであるため現実的ではない。このため、沸騰
冷却装置の性能向上を図る上で、加工が容易であり、低
コストに対応できる伝熱面構造が望まれている。本発明
は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、
沸騰面積の増大と沸騰熱伝達率の増大を図ることで、放
熱性能を向上できる沸騰冷却装置を提供することにあ
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)発熱
体の熱を液冷媒に伝達する伝熱面を有する沸騰冷却装置
であって、前記伝熱面に沸騰面積を増大できる複数の凹
部を設け、この凹部の最小開口幅がラプラス長さの略1
〜3倍に設定されている。この構成では、冷媒室に凹部
を設けることで沸騰面積を増大でき、且つ凹部の最小開
口幅をラプラス長さの略1〜3倍に設定することによ
り、凹部で発生した気泡によって凹部の表面に薄液膜が
形成されるため、沸騰熱伝達率が増大して沸騰熱伝達が
促進される。また、この場合の凹部は、切削や押出し加
工等によって形成できる構造(例えば数百μm程度)な
ので、フロン等を冷媒として使用しても、放熱性能の向
上を図る上で低コストにできる。
【0004】(請求項2の手段)請求項1に記載した沸
騰冷却装置において、伝熱面に設けられた凹部は、その
深さがラプラス長さの略2〜8倍に設定されている。こ
の構成では、表面張力による気泡の自己球形化により、
凹部からの気泡の離脱が促進されるので、発生した気泡
が凹部に滞留することがなく、薄液膜のドライアウトを
防止できる。
【0005】(請求項3の手段)請求項1及び2に記載
した沸騰冷却装置は、内部に液冷媒を貯留する冷媒室を
形成し、この冷媒室の外側面に発熱体が取り付けられ、
その内側面が前記伝熱面である冷媒槽と、冷媒室で発熱
体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気が流れ込み、その冷媒
蒸気の熱を外部流体に放出する放熱部とを備えている。
【0006】(請求項4の手段)請求項3に記載した沸
騰冷却装置において、冷媒槽は、冷媒室を形成する押出
材を有し、冷媒室を介して対向する押出材の両内壁面の
うち、少なくとも温度上昇が大きくなる一方の内壁面に
凹部が設けられている。この場合、押出し成形によって
押出材の内壁面に容易に複数の凹部を形成することがで
きる。
【0007】(請求項5の手段)請求項3に記載した沸
騰冷却装置において、冷媒槽は、冷媒室を形成する押出
材と、冷媒室を介して対向する押出材の両内壁面のう
ち、少なくとも温度上昇が大きくなる一方の内壁面に接
触して冷媒室に配され、前記伝熱面の一部を構成するプ
レート部材とを具備し、このプレート部材に凹部がスリ
ット状に開口して設けられている。この構成では、押出
材の内壁面に凹部を形成することが困難な場合でも、押
出材とは別のプレート部材を使用することにより、その
プレート部材に容易に凹部を形成することができる。
【0008】(請求項6の手段)請求項5に記載した沸
騰冷却装置において、押出材の内壁面に溝部が設けら
れ、この溝部にプレート部材の辺部を挿入してプレート
部材を位置決めしている。これにより、押出材に対する
プレート部材の位置決めを容易に行うことができる。
【0009】(請求項7の手段)請求項5及び6に記載
した沸騰冷却装置において、プレート部材は、少なくと
も片面にろう材を有するクラッド材を使用している。こ
の場合、押出材の内壁面に設けられた溝部の底面に対し
て接合面(ろう付け面)となるプレート部材の端面の平
面度が低い場合(端面に凹凸がある場合)に、溶融した
ろう材がプレート部材の端面と溝部の底面との間に生じ
る隙間に流れ込んで、前記隙間をろう材で埋めることが
できる。その結果、押出材からプレート部材への熱伝達
を良好にできる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 (第1実施例)図5は沸騰冷却装置の側面図、図6は沸
騰冷却装置の正面図である。本実施例の沸騰冷却装置1
は、冷媒の沸騰と凝縮の繰り返しによって発熱体2を冷
却するもので、図5及び図6に示すように、内部に液冷
媒を貯留する冷媒槽3と、この冷媒槽3の上部に組付け
られる放熱部4とを備え、全体が一体ろう付けにより製
造されている。
【0011】発熱体2は、例えば電気自動車のインバー
タ回路を構成するIGBTモジュールであり、図5に示
すように、冷媒槽3の表面に密着してボルト5等により
固定される。冷媒槽3は、押出材6とエンドプレート7
で構成される。押出材6は、アルミニウム等の熱伝導性
に優れる金属材料の押出成形品で、図7に示すように、
横幅に対して厚み幅が薄い薄型形状に設けられ、その内
部に下述の沸騰通路8、液戻り通路9、及び断熱通路1
0を構成する複数の通路状空間部が形成されている。
【0012】沸騰通路8は、発熱体2の熱を受けて沸騰
した冷媒蒸気(気泡)が流出する通路で本発明の冷媒室
を構成し、発熱体2の取付け範囲に対応して複数本形成
されている。また、沸騰通路8を形成する押出材6の内
壁面6A(図1参照)は、発熱体2の熱を内部に貯留さ
れた液冷媒に伝達する本発明の伝熱面を形成している。
更に、各沸騰通路8には、それぞれ伝熱面の一部を構成
するプレート部材13(下述する)が挿入されている。
液戻り通路9は、放熱部4で冷却されて液化した凝縮液
が流入する通路で、押出材6の両端部に設けられてい
る。断熱通路10は、沸騰通路8と液戻り通路9との間
を断熱するための通路で、液戻り通路9と沸騰通路8と
の間に設けられている。
【0013】押出材6の上端部は、図7(b)に示すよ
うに、液戻り通路9と断熱通路10を含む左右の両端部
と複数の沸騰通路8を含む中央部とで高低差を有し、両
端部より中央部の方が上方へ突出して設けられ、且つ中
央部は、図7(c)に示すように、その上端面が傾斜し
ている。なお、以下の説明では、押出材6の上端面に開
口する各沸騰通路8の上端開口部を蒸気流出口11と呼
び、押出材6の上端面に開口する液戻り通路9の上端開
口部を液流入口12と呼ぶ。
【0014】前記のプレート部材13は、アルミニウム
等の熱伝導性に優れる金属板を母材として、その母材の
少なくとも片面にろう材層を設けたクラッド材であり、
図3に示すように、一定の厚みtで細長い板状に設けら
れ、長手方向に複数の切欠き部13a(本発明の凹部)
が略等間隔に設けられている。このプレート部材13
は、図1及び図2に示すように、幅方向の一端側辺部
が、沸騰通路8を形成する押出材6の内壁面6A(但
し、発熱体2が取り付けられる側の内壁面6A)に形成
された溝部6aに挿入されて、押出材6の厚み方向(図
2の上下方向)に略直立して配されている。但し、押出
材6の厚み方向におけるプレート部材13の高さは、沸
騰通路8の略中程まで達している。
【0015】切欠き部13aは、図3に示すように、プ
レート部材13の略中央部から他端側に設けられ、プレ
ート部材13の幅方向(図3の上下方向)に長い矩形状
に切り取られ、プレート部材13の他端面に開口してい
る。この切欠き部13aは、例えばプレス加工あるいは
切削加工等によって形成され、図3に示す開口幅wが、
次式で定義されるラプラス長さの略1〜3倍(望ましく
は略2倍)に設定され、他端面からの深さdがラプラス
長さの略2〜8倍(望ましくは略6倍)に設定されてい
る。 ラプラス長さ=√{σ/g(ρ1 −ρ2 )} σ=液冷媒の表面張力、ρ1 =液冷媒の密度、ρ2 =蒸
気冷媒の密度 g=重力加速度 なお、沸騰冷却装置の作動温度(冷媒温度)が異なる
と、σ、ρ1 、ρ2 の各値が変動するため、ラプラス長
さは図4に示すように、作動温度が高くなる程、小さく
設定される。
【0016】エンドプレート7は、押出材6と同じくア
ルミニウム製で、図8に示すように、左右方向に細長
く、且つ外周縁部7aより内側部分7bが若干突起して
設けられている。このエンドプレート7は、図9に示す
ように、突起している内側部分7bを押出材6の下端開
口部内に嵌め込んで、外周縁部7aを押出材6の外周下
端面に当接させることにより、押出材6の下端開口部を
塞いでいる。エンドプレート7で塞がれた押出材6の下
端部には、液戻り通路9へ流入した凝縮液を沸騰通路8
へ還流させるための連通路14が形成され(図9参
照)、この連通路14を介して液戻り通路9と沸騰通路
8及び断熱通路10とが相互に連通している。
【0017】放熱部4は、図6に示すように、放熱フィ
ン15を介して並設される複数本のチューブ16と、各
チューブ16の上部に設けられる上部タンク17と、各
チューブ16の下部に設けられる下部タンク18とで構
成され、下部タンク18の内部に冷媒流制御板19(図
5参照)が設置されている。放熱フィン15は、熱伝導
性に優れる薄い金属板(例えばアルミニウム製の薄い板
材)を交互に折り曲げて波状に成形したもので、チュー
ブ16の表面に接合されている。チューブ16は、例え
ばアルミニウム製の偏平な管を所定の長さに切断して、
上部タンク17と下部タンク18との間に複数本並設さ
れている。
【0018】チューブ16の内部には、図10に示すよ
うに、インナフィン20が挿入されている。インナフィ
ン20は、アルミニウム等の熱伝導性に優れる薄い金属
板を所定のピッチP(図10(a)参照)で交互に折り
曲げて波状に成形したもので、チューブ16内の凝縮面
積を増大させるとともに、チューブ16内に冷媒循環路
(後述する)を形成する目的で用いられる。このインナ
フィン20は、折り曲げ部(山と谷)の延設方向をチュ
ーブ16の通路方向(図10(b)の上下方向)に向け
てチューブ16内に挿入され、且つチューブ16内の横
幅方向(図10の左右方向)で右側に片寄って配置さ
れ、各折り曲げ部がチューブ16の内壁面に当接して、
ろう付けされている。
【0019】これにより、チューブ16内には、図10
においてインナフィン20の左側に確保される第1の通
路(以後、蒸気通路21と呼ぶ)と、インナフィン20
のピッチ間に形成される複数の第2の通路(以後、凝縮
液通路22と呼ぶ)とを有し、その蒸気通路21と凝縮
液通路22とで上記の冷媒循環路を構成している。な
お、チューブ16は、放熱フィン15との接合面である
両側面が、放熱部4に送風される冷却風の流れ方向に沿
って配置されるが、この時、凝縮液通路22より蒸気通
路21の方が冷却風の流れ方向下流側に位置するように
チューブ16の向きを特定している(図5参照)。
【0020】上部タンク17は、浅皿状のコアプレート
17Aと深皿状のタンクプレート17Bとを組み合わせ
て構成され、コアプレート17Aに開けられている複数
の長孔(図示しない)にそれぞれチューブ16の上端部
が挿入されて各チューブ16を連通している。下部タン
ク18は、浅皿状のコアプレート18Aと深皿状のタン
クプレート18B(図11参照)とを組み合わせて構成
され、コアプレート18Aに開けられている複数の長孔
(図示しない)にそれぞれチューブ16の下端部が挿入
されて各チューブ16を連通している。また、下部タン
ク18は、タンクプレート18Bに開けられている開口
部23に冷媒槽3(押出材6)の上端部が挿入されて
(図5参照)、冷媒槽3と各チューブ16とを連通して
いる。
【0021】なお、タンクプレート18Bは、図11
(c)に示すように、その長手方向から見た側面形状に
おいて、最も低い底面(コアプレート18Aが被せられ
る上端開口部と対向する面)に対し傾斜角が大きい傾斜
面18aを有し、この傾斜面18aに前記開口部23が
開口している。従って、冷媒槽3は、図5に示すよう
に、下部タンク18に対し大きく傾斜して組付けられて
いる。但し、冷媒槽3は、下部タンク18内で蒸気流出
口11が斜め上方を向くように、発熱体2の取付け面を
下向きにして開口部23に挿入される(つまり、発熱体
2は、冷媒槽3の下側表面に取り付けられる)。これに
より、下部タンク18内では、蒸気流出口11の最下部
の方が液流入口12の最下部より上方に位置し、全体的
にも蒸気流出口11の方が液流入口12より高い位置に
開口している(図6参照)。
【0022】冷媒流制御板19は、蒸気流出口11より
流出した冷媒蒸気をチューブ16内の蒸気通路21へ優
先的に流れ込むように導くとともに、チューブ16内で
液化した凝縮液が蒸気流出口11へ落下することを防止
するために設置される。この冷媒流制御板19は、図5
に示すように、下部タンク18内に挿入される押出材6
の上端部表面に螺子24等で取り付けられ、チューブ1
6内に形成される凝縮液通路22の下方に配置される。
但し、冷媒流制御板19は、押出材6に取り付けた時
に、図5に示す前後方向において、先端側が取付け部側
より若干高くなるように、緩やかに傾斜した状態で取り
付けられることが望ましい。この冷媒流制御板19の形
状を図12に示す。
【0023】次に、本実施例の作動を説明する。沸騰通
路8に貯留されている液冷媒は、発熱体2の熱が伝熱面
である押出材6の内壁面6A及びプレート部材13の表
面から伝わって沸騰し、冷媒蒸気となって蒸気流出口1
1から下部タンク18内へ流出する。蒸気流出口11か
ら流出した冷媒蒸気は、図13に示すように、冷媒流制
御板19に沿って矢印方向へ流れ、チューブ16内の主
に蒸気通路21へ流入する。蒸気通路21を上昇して上
部タンク17内に流入した冷媒蒸気は、上部タンク17
の内部で拡散され、より均一化されて凝縮液通路22内
に流入し、インナフィン20の表面及びチューブ16の
内壁面に凝縮して液化する。
【0024】凝縮液通路22内で液化した凝縮液の多く
は下部タンク18内へ落下するが、一部の凝縮液は表面
張力によってインナフィン20の下部に保持され、液溜
まり部25を形成する(図13参照)。この液溜まり部
25は、放熱量が増大した時に、蒸気流出口11から冷
媒蒸気とともに吹き上げられて上昇してくる液冷媒がイ
ンナフィン20の下部表面に当たり、表面張力によって
インナフィン20の下部に捕らえられることでも形成さ
れる。このインナフィン20の液溜まり部25に溜まっ
た凝縮液も、蒸気通路21を上昇する冷媒蒸気の圧力に
押されて液溜まり部25から下部タンク18内へ順次落
下する。下部タンク18の底部に溜まった凝縮液は、液
面が液流入口12の最下部の高さを超えた時点で液流入
口12へ流れ込み、液戻り通路9及び断熱通路10より
連通路14を通って各沸騰通路8へ還流する。
【0025】(本実施例の効果)本実施例では、押出材
6の内壁面6Aに接触して熱伝導性に優れるプレート部
材13を配置することにより、各沸騰通路8の有効沸騰
面積を増大できる。また、プレート部材13に切欠き部
13aを形成し、その切欠き部13aの開口幅wをラプ
ラス長さの略1〜3倍に設定することで沸騰熱伝達が促
進される。即ち、切欠き部13aの開口幅をラプラス長
さの略1〜3倍に設定すると、切欠き部13aで発生し
た気泡によって切欠き部13aの表面に薄液膜が効果的
に形成されるため、沸騰熱伝達率が向上して過熱度を低
減できる。
【0026】特に、切欠き部13aの深さdをラプラス
長さの略2〜8倍に設定すると、表面張力によって自己
球形化した気泡が押し潰されることなく、切欠き部13
aからの離脱が促進される。このため、切欠き部13a
に気泡が滞留することがなく、薄液膜のドライアウトを
防止できる。以上の結果、沸騰熱伝達率を向上できるの
で、熱流束が増大した時でも沸騰面のドライアウトを防
止でき、所望の放熱性能を維持できる。また、切欠き部
13aの開口幅wをラプラス長さの略1〜3倍に設定し
ているので、数μm程度の微細加工を要求されることは
なく、切削やプレス加工等によって切欠き部13aを容
易に形成することができるため、低コストで放熱性能を
向上できる。
【0027】なお、プレート部材13をプレス加工によ
って製作すると、端面の平面度が低いため、ろう付け面
となるプレート部材13の端面と押出材6の溝部6aの
底面との間に隙間を生じることがある。この場合、プレ
ート部材13としてクラッド材を使用すると、そのクラ
ッド材のろう材がろう付け工程で溶融し、プレート部材
13の端面と溝部6aの底面との間に生じる隙間に流れ
込み、その隙間をろう材が埋めることにより、押出材6
とプレート部材13との密着性が確保されて、接触熱抵
抗を低減できるメリットがある。
【0028】(第2実施例)図14(a)はプレート部
材13の平面図である。本実施例は、プレート部材13
に位置決め用の突出部13bを一体に設けた一例であ
る。プレート部材13は、図14(a)に示すように、
幅方向の他端面より矩形状に突出する突出部13bを有
し、この突出部13bが長手方向に複数箇所設けられて
いる。このプレート部材13は、図14(b)に示すよ
うに、一端側辺部が押出材6の一方の内壁面6Aに形成
された溝部6aに挿入され、且つ前記突出部13bの先
端部が押出材6の他方の内壁面6Aに形成された凹部6
bに挿入されることにより、プレート部材13の幅方向
の両端部で位置決めでき、ろう付け時における沸騰通路
8内でのプレート部材13のがたつきを防止でき、組付
け性を向上できる。なお、プレート部材13の突出部1
3bは、図14に示した矩形状である必要はなく、例え
ば図15に示すように、山型形状でも良い。
【0029】上述の実施例では、押出材6とは別体のプ
レート部材13に切欠き部13a(本発明の凹部)を形
成しているが、押出し成形によって押出材6の内壁面6
Aに本発明の凹部(但し、凹部の最小開口幅がラプラス
長さの略1〜3倍)を形成できる場合は、押出材6の内
壁面6Aに直接凹部を形成しても良い。この場合、押出
材6の内壁面6Aだけで本発明の伝熱面を形成しても良
いし、プレート部材13を併用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す冷媒槽の断面図(A−A断面図)で
ある。
【図2】沸騰通路部の拡大断面図(a)と冷媒槽の横断
面図(b)である。
【図3】プレート部材の平面図(a)と長手方向端面図
(b)である。
【図4】作動温度とラプラス長さとの相関図である。
【図5】沸騰冷却装置の側面図である。
【図6】沸騰冷却装置の正面図である。
【図7】押出材の上面図(a)、正面図(b)、側面図
(c)である。
【図8】エンドプレートの側面図(a)、平面図
(b)、断面図(c)である。
【図9】エンドプレートの装着状態を示す断面図であ
る。
【図10】インナフィンを挿入したチューブの上面図
(a)と正面図(b)である。
【図11】下部タンクの正面図(a)、側面図(b)、
下面図(c)である。
【図12】冷媒流制御板の正面図(a)と側面図(b)
である。
【図13】冷媒蒸気の流れを示す放熱部の断面図であ
る。
【図14】プレート部材の平面図(a)とプレート部材
の取付け状態を示す断面図(b)である。
【図15】プレート部材の平面図である。
【符号の説明】 1 沸騰冷却装置 2 発熱体 3 冷媒槽 4 放熱部 6 押出材 6A 沸騰通路を形成する押出材の内壁面(伝熱面) 6a 溝部 8 沸騰通路(冷媒室) 13 プレート部材(伝熱面) 13a 切欠き部(凹部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱体の熱を液冷媒に伝達する伝熱面を有
    する沸騰冷却装置であって、 前記伝熱面に沸騰面積を増大できる複数の凹部を設け、
    この凹部の最小開口幅がラプラス長さの略1〜3倍に設
    定されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記凹部は、その深さがラプラス長さの略2〜8倍に設
    定されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1及び2に記載した沸騰冷却装置に
    おいて、 内部に液冷媒を貯留する冷媒室を形成し、この冷媒室の
    外側面に前記発熱体が取り付けられ、その内側面が前記
    伝熱面である冷媒槽と、 前記冷媒室で前記発熱体の熱を受けて沸騰した冷媒蒸気
    が流れ込み、その冷媒蒸気の熱を外部流体に放出する放
    熱部とを備えていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記冷媒槽は、前記冷媒室を形成する押出材を有し、前
    記冷媒室を介して対向する前記押出材の両内壁面のう
    ち、少なくとも温度上昇が大きくなる一方の内壁面に前
    記凹部が設けられていることを特徴とする沸騰冷却装
    置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記冷媒槽は、前記冷媒室を形成する押出材と、前記冷
    媒室を介して対向する前記押出材の両内壁面のうち、少
    なくとも温度上昇が大きくなる一方の内壁面に接触して
    前記冷媒室に配され、前記伝熱面の一部を構成するプレ
    ート部材とを具備し、このプレート部材に前記凹部がス
    リット状に開口して設けられていることを特徴とする沸
    騰冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載した沸騰冷却装置におい
    て、 前記押出材の内壁面に溝部が設けられ、この溝部に前記
    プレート部材の辺部を挿入して前記プレート部材を位置
    決めしていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項5及び6に記載した沸騰冷却装置に
    おいて、 前記プレート部材は、少なくとも片面にろう材を有する
    クラッド材を使用していることを特徴とする沸騰冷却装
    置。
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